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反体制勢力の動き
シリア革命調整連合は、27日にダマスカス県のシェラトン・ホテルで開催予定の反体制活動家による大会「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」に関して、「アサド・シャッビーハ体制の耳目の届くところでのこの手の大会は、正統性を失った体制を救済する助け船を出しようとするものでしかない」と非難した。
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シリア変革大会執行部は、使節団がロシアを訪問し、モスクワでロシア政府高官らと会談すると発表した。
使節団は、ラドワーン・ズィヤーダ氏、ムルヒム・ダルービー氏、ナジーブ・ガドバーン氏、ラドワーン・バーディーニー氏、サリーム・ムンイム氏からなっている。
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駐英シリア革命調整委員会、シリア民主革命支援国民委員会、シリア反体制勢力アンタルヤ大会顧問委員会が共同声明を出し、アサド政権が呼びかける国民対話を拒否すると発表、退陣を要求した。
シリア政府の動き
大統領府は声明を出し、アサド大統領が、在米シリア人居住者の使節団と「シリアが直面している出来事、外国でシリアが曝されている偽りのメディア・キャンペーン…、在外シリア人が真相究明に果たすべき役割、国外への真相発信への貢献」などについて検討したと発表した。
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シリア国防大臣のアリー・ハビーブ一等中将はアサド大統領の代理として、軍の士官参謀コースおよび国防コースの卒業式で祝辞を述べ、シリアが「さまざまなかたちの陰謀に曝され、国際問題化、外国の干渉、分断支援、そして内紛を企図した圧力が断続的に増している」と警鐘を鳴らした。
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SANA(6月26日付)によると、ダマスカス県のヒジャーズ駅前で、アサド大統領の包括的改革プログラムを支持するデモが行われ、市民数百人が参加した。
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シリア・アラブ・テレビ(6月26日付)は、ヒムス市バーブ・アムル地区で破壊活動を行ったとする武装集団メンバーの自供映像を放映した。
国内の暴力
『ハヤート』(6月27日付)によると、シリア軍は、ダマスカス県バルザ区、ダマスカス郊外県キスワ市、ザバダーニー市、ブルーダーン村に検問所を設置した。
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ヒムス県では、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、シリア軍がクサイル市に展開し、負傷者を多数含む数百人がレバノンに越境避難したという。
クサイル市では夜も銃声が聞こえているという。
これに関して、レバノン北部県アッカール郡カニーサ村のアリー・ハンムード村長はAFP(6月26日付)に対して「350人から400人がシリア領からカニーサ村にやって来た。彼らはカニーサ村をはじめとする近隣の村に分かれて避難している」と述べた。
ハンムード村長によると、シリア人避難民の多くはヒムス県ヒート村、ドゥワイク村の住民だという。
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イドリブ県では、シリアの複数の高官によると、軍がジスル・シュグール市での「武装集団追跡作戦」を継続、対トルコ国境のヒルバト・ジャウズ村を「制圧」したことを明らかにした。
シリア軍のリヤード・ハッダード報道官はCNN(6月25日付)に対し、700人以上のテロリスト」がヒルバト・ジャウズ村から家族とともに逃走、越境したと述べた。
諸外国の動き
イラン外務省報道官は声明を出し、EUによる対シリア追加制裁に関して、イラン・イスラーム革命防衛隊がシリアでのデモ弾圧を支援しているとの「EUの主張は根拠がない」と批判した。
AFP, June 26, 2011、Akhbar al-Sharq, June 26, 2011、al-Hayat, June 27, 2011、Kull-na Shuraka’, June 26, 2011、Naharnet, June 26, 2011、Reuters, June 26, 2011、SANA, June 26, 2011などをもとに作成。
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