シャーム解放機構支配下のシリア北西部にシリア・ロシア軍が100回以上の爆撃を実施、「樽爆弾」67発を投下、砲弾680発以上を撃ち込む(2019年5月24日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯第1ゾーンでは、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから25日目となる5月24日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が激しく交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より27人(民間人3人、兵士・反体制武装集団戦闘員24人)増えて699人となった。

うち、215人が民間人(女性43人、子供43人を含む)、484人がシリア軍兵士(225人)および反体制武装集団戦闘員(259人)。

なお、ノールス研究センター(5月24日付)によると、シリア軍側の死者は302人。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は66回、投下した「樽爆弾」の数は67発を記録、ロシア軍戦闘機も41回の爆撃を行った。

また、シリア軍地上部隊が発射した砲弾は680発以上にのぼった。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月24日付)によると、シリア・ロシア軍の攻撃を受けて、シャーム解放機構が自治を委託している救国内閣の宗教関係省は、金曜日の集団礼拝を中止したという。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でフバイト村に9回、ハーン・シャイフーン市およびその一帯に7回、カフルナブル市に4回、ハーッス村に4回、ムサイビーン丘およびその一帯、ヒーシュ村、スィフヤーン村、タフタナーズ航空基地、バザーブール村一帯にそれぞれ3回、サルジャ村、タッル・スルターン村、アービディーン村、サラーキブ市近郊の国際幹線道路にそれぞれ2回の爆撃を実施する一方、ヘリコプターでハーン・シャイフーン市およびその一帯に「樽爆弾」67発、フバイト村に8発、アルバイーン山に4発、ムーリク市に3発、ヒーシュ村、マアッラト・ハルマ村、ハーッス村、カフルナブル市、カッサービーヤ村、ウンム・ザイトゥーナ村、マダーヤー村にそれぞれ2発を投下した。

シリア軍はまた地上部隊が、シャフシャブー山一帯、県南部一帯を砲撃した。

ロシア軍戦闘機もフバイト村に7回、カフル・ウワイド村、ハウワーシュ村にそれぞれ2回の爆撃を実施した。

一方、SANA(5月24日付)によると、シリア軍がハーン・シャウフーン市、フバイト村、アービディーン村灌木地帯でシャーム解放機構の拠点、ハーッス村一帯、カフルナブル市一帯の兵站路に対して重点的に砲撃を行った。

こうしたなか、ドゥラル・シャーミーヤ(5月24日付)によると、トルコ軍部隊がイドリブ県のヒルバト・ジャウズ村に設置された通行所を経由してシリアに入り、シール・マガール村にある監視所に向かった。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルヌブーダ町に8回カフルズィーター市に2回の爆撃を実施する一方、ヘリコプターでカフルヌブーダ町に「樽爆弾」12発、ラターミナ町に10発、カフルズィーター市に2発を投下した。

シリア軍はまた地上部隊が、ガーブ平原一帯を砲撃した。

ロシア軍戦闘機もラターミナ町に12回、カフルヌブーダ町に7回、アムキーヤ町に5回、アンカーウィー村に4回、カルクール村に2回の爆撃を実施した。

これに対して、反体制武装集団は、ムガイル村一帯のシリア軍に向かって砲撃した。

一方、SANA(5月24日付)によると、シリア軍がカストゥーン村、ムガイル村、カフルヌブーダ町一帯、サイヤード村でシャーム解放機構と交戦、これを殲滅した。

他方、トルコの支援を受ける国民解放戦線はブライディージュ村のシリア軍検問所をグラッド地対地ミサイルで攻撃したと発表した。

国民解放戦線はまた、タッル・フワーシュ村でシリア軍戦車を撃破したと発表した。

イッザ軍もムガイル村でシリア軍の連装ロケット弾発射機を破壊したと発表した。

シャーム解放機構もカフルヌブーダ町でシリア軍兵士3人を殺害したと発表した。

さらに、ドゥラル・シャーミーヤ(5月24日付)によると、シャーム解放機構はシリア軍兵士に投降を呼びかけるビラを散布したと伝え、その画像を掲載した。

このほか、イバー・ネット(5月24日付)によると、シャーム解放機構はハマー市近郊のハマー航空基地を自作の地対地ロケット弾で攻撃した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に12回の爆撃を実施する一方、ヘリコプターでカッバーナ村一帯に「樽爆弾」12発を投下した。

シリア軍はまた地上部隊がクルド山一帯を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(5月24日付)によると、反体制武装集団はクバイナ丘一帯に進攻使用としたシリア軍を撃退し、複数の兵士を殺害した。

**

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月24日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市北のマアッルスィッタ村にあるシリア軍拠点複数カ所を襲撃し、兵士4人を殺害した。

これに対して、シリア軍は反体制派支配下のバヤーヌーン町を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を14件(ハマー県3件、ラタキア県11件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を15件(イドリブ県1件、ハマー県14件)確認した。

AFP, May 24, 2019、ANHA, May 24, 2019、AP, May 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 24, 2019、al-Hayat, May 25, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 24, 2019、Nors for Studies, May 24, 2019、Reuters, May 24, 2019、SANA, May 24, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, May 24, 2019、SOHR, May 24, 2019、UPI, May 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - シャーム解放機構支配下のシリア北西部にシリア・ロシア軍が100回以上の爆撃を実施、「樽爆弾」67発を投下、砲弾680発以上を撃ち込む(2019年5月24日)
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Delicious にシェア
Digg にシェア
Facebook にシェア
reddit にシェア
LinkedIn にシェア
StumbleUpon にシェア
GREE にシェア
email this
LINEで送る
Pocket

カテゴリー: シリア政府の動き, 反体制勢力の動き, 国内の暴力, 諸外国の動き パーマリンク