シリア・ロシア軍はイドリブ県への爆撃を続ける(2019年8月23日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから114日目を迎えた8月23日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は85回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」78発を投下、ロシア軍も55回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は800発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より5人(民間人7?人(うち女性0人、子供1人)、シリア軍兵士は0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて3,763人となった。

うち、983人が民間人(女性174人、子供244人を含む)、1,281人がシリア軍兵士、1,499人が反体制武装集団戦闘員。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でタマーニア町、カフルナブル市、マアッラト・ハルマ村、カフルサジュナ村、カフルルーマー村、ガドファ村、ジャルジャナーズ町、ダイル・シャルキー村、タッフ村、タッル・マンス村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでマアッラト・ヌウマーン市、ガドファ村、ジャルジャナーズ町、カフルサジュナ村、バスィーダー村、マアッル・シャマーリーン村、ダイル・シャルキー村、タッフ村、ヒーシュ村、ハーミディーヤ村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もタマーニア町、タッフ村、タフターヤー村、ハーン・シャイフーン市一帯、ガドファ村、ジャルジャナーズ村、カフルジャジュナ村、ラッファ村を爆撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でICARDA、バルクーム村、バウワービーヤ村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県北東部の戦闘地域を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を30件(アレッポ県13件、ヒムス県1件、ラタキア県16件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を4件(イドリブ県)確認した。

AFP, August 23, 2019、ANHA, August 23, 2019、AP, August 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 23, 2019、Reuters, August 23, 2019、SANA, August 23, 2019、SOHR, August 23, 2019、UPI, August 23, 2019などをもとに作成。

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