イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月15日)

シリア国内の動き

西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に近い某消息筋は、ARA News(8月15日付)に対し、ダーイシュ(イスラーム国)がハサカ市侵攻を試みていた今年7月末、シリア政府とダーイシュが秘密合意を交わしていた(未確認情報)、と主張した。

同消息筋によると、この秘密合意は、①ダーイシュによるハサカ市、ダイル・ザウル市および同市郊外への攻撃中止、②ダーイシュによるミールビーヤ穀物センターからの小麦など200トンの接収、③シリア政府からダーイシュへの10億ドル相当の供与、を骨子としていたという。

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ハサカ県では、ARA News(7月15日付)が、カーミシュリー市で活動するNGO団体「ビッル社会福祉協会」が、カフターニーヤ市で、イラクのニナワ県スィンジャール郡からのイラク人(クルド人、ヤズィード教徒)に対する人道支援を行っていると報じた。

ビッル社会福祉協会は、シリア政府に近いいわゆる「官制NGO」。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がジハード主義武装集団と交戦の末、トルコ国境に近いラーイー町(ダーイシュがすでに制圧)近郊のブガイディーン村を制圧した。

またダーイシュとジハード主義武装集団が、スーラーン・アアザーズ町周辺(アフティームッラート村方面)で交戦、同地一帯をダーイシュが砲撃した。

これに関して、イスラーム戦線は声明を出し、ダービク村、アルシャーフ村一帯で戦線がダーイシュとの戦闘を続けていると主張した。

一方、自由シリア軍クルド人戦線旅団のアフマド・ハッスー報道官はARA News(8月16日付)に対し、ダーイシュがアフタリーン市、ラーイー村でクルド人戦線旅団戦闘員8人を斬首した、と述べた。

Kull-na Shuraka', August 15, 2014
Kull-na Shuraka’, August 15, 2014

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、アイヤーシュ村などをシリア軍が砲撃するなか、第137旅団基地と放送塔観のシリア軍検問所で爆発が起きた。

シリア軍はまた、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するウマル油田各所を空爆した。

一方、SANA(8月15日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区、ラシュディーヤ地区、ハウィーカ地区で、シリア軍が「テロリスト」(ダーイシュ)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またシリア軍は、アイヤーシュ村のフジャイフ地点(放送塔)近くで、「テロリスト」による自爆攻撃を阻止した。

他方、ARA News(8月16日付)によると、ダーイシュは、シャフア村で避難生活を送っていたシュアイタート部族の子息10人を斬首した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の検閲査察局が、ラッカ市内の商店多数を、「賞味期限切れの商品を販売している」との理由で閉鎖処分にし、商店主を逮捕、シャリーア委員会に起訴した。

またシリア軍は、ダーイシュによって占拠されているタブカ市第2地区を砲撃した。

イラク国内の動き

バービル県では、バービル作戦司令室によると、ジュルフ・サフル地方でイラク軍がダーイシュ(イスラーム国)戦闘員32人を殲滅した。

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サラーフッディーン県では、治安筋によると、ティクリート市南部でのイラク軍とダーイシュ(イスラーム国)の戦闘で義勇兵6人が死亡した。

マダー・プレス(8月15日付)が伝えた。

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米国中央司令部は声明を出し、アルビール市近郊のダーイシュ(イスラーム国)の車輌に対して2度空爆を行ったと発表した。

AFP, August 15, 2014、AP, August 15, 2014、ARA News, August 15, 2014、August 16, 2014、Champress, August 15, 2014、al-Hayat, August 16, 2014、Kull-na Shuraka’, August 15, 2014、al-Mada Press, August 15, 2014、Naharnet, August 15, 2014、NNA, August 15, 2014、Reuters, August 15, 2014、SANA, August 15, 2014、UPI, August 15, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年8月15日)

ナハールネット(8月15日付)は、内務治安軍総局が、バアルベック・スンナ派自由人旅団のツイッターのアカウントに対してサイバー攻撃を行い「制圧」、アカウント上にレバノン国旗の画像を掲揚したと報じた。

Naharnet, August 15, 2014
Naharnet, August 15, 2014

なお、ナハールネット(8月16日付)によると、内務治安軍総局は、これに先立って14日に、バアルベック・スンナ派自由人のツイッターのアカウントを管理していた19歳の青年「H.Sh.H.」を拘束した、とツイッターを通じて発表していた。

しかし、この青年(フサイン・シャーマーン・フサイン氏)の父親だというシャーマーン・フサイン氏は、『ハヤート』(8月16日付)に対し、内務治安軍総局が、ベカーア県バアルベック郡リヤーク村で息子が拘束されたことを認めたうえで、一家がヒズブッラーに近い存在であることを明らかにし、えん罪を主張した。

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ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はレバノン紛争(2006年)戦勝記念日に合わせてテレビ演説を行った。

演説のなかで、ナスルッラー書記長は、「いわゆるダーイシュは今や、シリアとイラクの広大な地域を制圧し…、殺戮を行い…、(シャームの民の)ヌスラ戦線の戦闘員のような自らに近い人々さえも殺している…。虐殺で主に危害を加えたれているのはスンナ派で、イラクのクルド人、ヤズィード教徒、シーア派、キリスト教徒、トルクメン人に対して容赦ない…。こうしたことはイスラームとは無縁だ」と述べた。

またナスルッラー書記長は「こうした状況は冗談なのか?… 我々はこの脅威の潜在性に築かねばならない…。私は、すべてのレバノン人、イラク人、シリア人、そして湾岸諸国の人々に、宗派主義的不寛容を捨て、この現象がシーア派だけの脅威でないということを訴えたい…。この戦いを宗派対立だなどと考えるべきではない。これはタクフィール主義戦争であり、タクフィール主義に異論を唱える人が標的となっているのだ」と強調した。

さらに「もしヒズブッラーがシリアから撤退したら、危険は無くなるだろうか? (アブー・バクル・)バクダーディー(イスラーム国指導者)の地図からレバノンは外されるだろうか? 撤退することで有益なのか?… (レバノン政府のシリア紛争への)不関与政策がレバノンを守っているとでもいうのか? ダーイシュがシリアを手中に収め、(ベカーア県の)ラーシャイヤーやバアルベック、北部県に至れば、不関与政策が国を守ることになるのか? これは現実的なアプローチと言えるのか? 正しいアプローチなのか?… 国が存在に関わる脅威に直面している時、優先されるべきは、この脅威に立ち向かうことになる」と訴えた。

Naharnet, August 15, 2014
Naharnet, August 15, 2014

AFP, August 15, 2014、AP, August 15, 2014、ARA News, August 15, 2014、Champress, August 15, 2014、al-Hayat, August 16, 2014、Kull-na Shuraka’, August 15, 2014、al-Mada Press, August 15, 2014、Naharnet, August 15, 2014、August 16, 2014、NNA, August 15, 2014、Reuters, August 15, 2014、SANA, August 15, 2014、UPI, August 15, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年8月15日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区第2区画周辺、アレッポ中央刑務所周辺、ブライジュ村一帯で、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

またシリア軍は、アレッポ市バーブ・ナイラブ地区、サーリヒーイン地区を「樽爆弾」で空爆し、子供2人を含む5人が死亡した。

一方、SANA(8月15日付)によると、シャイフ・ルトフィー村、ザバディーヤ村、ICARDA周辺、フライターン市、アターリブ市などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジャウバル区を空爆した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町の「自由シリア軍」拠点で爆発があり、戦闘員複数名が死亡した。

一方、複数の活動家によると、イスラーム殉教者旅団が第137連隊基地に配備されているシリア軍戦車をTOW対戦車ミサイルで攻撃、1輌を破壊した。

他方、SANA(8月15日付)によると、ザバダーニー市郊外、ハーン・シャイフ・キャンプおよびその周辺で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナマル町のモスク前で爆発があり、反体制武装集団戦闘員を含む14人が死亡した。

またタファス市、シャイフ・マスキーン市をシリア軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(8月15日付)によると、ヤードゥーダ村、フラーク市、タッラト・サルヤー、ヒルバト・ティーラ村、インヒル市、インヒル市・ジャースィム市街道、アトマーン村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またナマル町では、「ウマル末裔」を名乗る反体制武装集団の本部近くで、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、「テロリスト」数十人が死傷した。

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ハマー県では、スマート・ニュース(8月15日付)によると、「自由シリア軍」がハマー航空基地に近いアルザ村、シーハ村を制圧、これを受けシリア軍が同飛行場に配備されている航空機をシャイーラート航空基地方面に退避させた。

またシリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がハッターブ町とシーハ村を空爆した。

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クナイトラ県では、SANA(8月15日付)によると、ビイル・アジャム村、ハリーマ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月15日付)によると、アルシューナ村、アイン・フサイン村、東サラーム村、ラッフーム村、ウンム・サフリージュ村、ザフラーニーヤ村、ラスタン氏、ファルハーニーヤ村、ガジャル村、アーガー村、ヒルバト・ミーラー村などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(8月15日付)によると、ビンニシュ市、ハーン・シャイフーン市、バスリヤー村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 15, 2014、AP, August 15, 2014、ARA News, August 15, 2014、Champress, August 15, 2014、al-Hayat, August 16, 2014、Kull-na Shuraka’, August 15, 2014、al-Mada Press, August 15, 2014、Naharnet, August 15, 2014、NNA, August 15, 2014、Reuters, August 15, 2014、SANA, August 15, 2014、SMART News, August 15, 2014、UPI, August 15, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年8月15日)

シリア人権ネットワークは、2011年3月から2014年7月までの3年4ヶ月間でのシリア治安当局による逮捕者数が推計で21万5,000人に達し、うち少なくとも5,047人が拘置所での拷問で死亡した、と発表した。

AFP, August 15, 2014、AP, August 15, 2014、ARA News, August 15, 2014、Champress, August 15, 2014、al-Hayat, August 16, 2014、Kull-na Shuraka’, August 15, 2014、al-Mada Press, August 15, 2014、Naharnet, August 15, 2014、NNA, August 15, 2014、Reuters, August 15, 2014、SANA, August 15, 2014、UPI, August 15, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月14日追記)

イラク・クルディスタン民主党のニナワ県第14支部広報局長のサイード・マムーズィーニー氏は『シャルク・アウサト』(8月14日付)に、イスラーム国のカリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏がモスル市に対する米軍の空爆を回避するとして、同市を去り、シリア領内に入った(未確認情報)と述べた。

al-Sharq al-Awsat, August 14, 2014をもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月14日)

ヨルダン軍総司令部幹部筋は、13日にシリア領から不法入国しようとしたシリア人1人をヨルダン国境警備隊が射殺したことを明らかにした。

AFP(8月14日付)が伝えた。

AFP, August 14, 2014、AP, August 14, 2014、ARA News, August 14, 2014、Champress, August 14, 2014、al-Hayat, August 15, 2014、Kull-na Shuraka’, August 14, 2014、al-Mada Press, August 14, 2014、Naharnet, August 14, 2014、NNA, August 14, 2014、Reuters, August 14, 2014、SANA, August 14, 2014、UPI, August 14, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月14日)

シリア国内の動き

ARA News(8月14日付)は、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュ隊員の話として、イラクのニナワ県スィンジャール郡からのクルド人(ヤズィード教徒)の避難民を乗せた車がこの10日あまりで3,000台もシリア領内に入国、1日あたり約400人の避難民がシリアに流入を続けていると報じた。

ARA News, August 14, 2014
ARA News, August 14, 2014

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アレッポ県では、ARA News(8月14日付)によると、アフタリーン市などを制圧したダーイシュ(イスラーム国)が県北部のダービク村、アフティームッラート村、アルシャーフ村に「無血入城」し、同地を制圧し、マーリア市、タッル・リフアト市への進軍を続けた。

また『ハヤート』(8月15日付)によると、反体制武装集団が勢力下に置くタッル・リフアト市、マーリア市などの住民がデモを行い、「革命家たち」にダーイシュの進軍に全力で対抗するよう要求した。

一方、アラビーヤ(8月14日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)はアフタリーン市で、イスラーム戦線を主導するシャームの鷹旅団のカーディー、アブー・アブド・サミーア氏を斬首した。

クッルナー・シュラカー(8月14日付)は、サミーア氏の処刑にはダーイシュの少年兵が加わったとして、その写真を掲載した。

Kull-na Shuraka', August 14, 2014
Kull-na Shuraka’, August 14, 2014

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『ハヤート』(8月15日付)によると、ムジャーヒディーン軍、ヌールッディーン・ザンキー運動、イスラーム戦線などアレッポ県で活動する反体制武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)の進軍を食い止めるための作戦司令室を設置した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(8月14日付)によると、ラアス・アイン市近郊のリワーヤ村で大きな爆発が2度あり、またサマード村、ズィーバ村で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

これらの村はダーイシュの支配下にある。

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ラッカ県では、ARA News(8月14日付)によると、クルド人が多く暮らすタッル・アブヤド市近郊のカンダール村、ビールカンヌー村、クーバルラク村、フワーリーク村、クーシャカール村、ハシャーシュー村、フッリーヤ村をダーイシュ(イスラーム国)が砲撃し、女性1人が負傷した。

また、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)によって制圧されたアイン・イーサー市近郊の第17師団基地から敗走したシリア軍将兵108人が、タブカ航空基地に到着した。

イラク国内の動き

バービル県では、県治安筋によると、ジュルフ・サフル地方でのイラク軍との戦闘で、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員6人(外国人)が死亡した。

マダー・プレス(8月14日付)が伝えた。

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バグダード県作戦司令室は、バグダード県北部のダービティーヤ地区で、イラク軍第14師団がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、戦闘員31人を殲滅した、と発表した。

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イラク軍の軍事諜報局は、サラーフッディーン県ティクリート市東部、アンバール県西部に対するイラク軍の空爆で、イスラーム国(ダーイシュ)戦闘員20人が死亡したと発表した。

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サラーフッディーン県では、県治安筋によると、ティクリート市南部のダルーヒーヤ航空基地をイラク軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員50人を殺害した。

マダー・プレス(8月14日付)が伝えた。

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米国中央司令部は声明を出し、モスル県スィンジャール町西部のダーイシュ(イスラーム国)検問所近くで車輌1輌を無人攻撃機で空爆、破壊した、と発表した。

マダー・プレス(8月14日付)が伝えた。

AFP, August 14, 2014、Alarabia, August 14, 2014、AP, August 14, 2014、ARA News, August 14, 2014、Champress, August 14, 2014、al-Hayat, August 15, 2014、Kull-na Shuraka’, August 14, 2014、al-Mada Press, August 14, 2014、Naharnet, August 14, 2014、NNA, August 14, 2014、Reuters, August 14, 2014、SANA, August 14, 2014、UPI, August 14, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年8月14日)

AFP(8月14日付)は、ベカーア県バアルベック郡アルサール村周辺で、シリア人避難民2,000~2,500人が依然としてシリアに帰国できず、同地に取り残されたままだと報じた。

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NNA(8月14日付)によると、レバノン軍は、ベカーア県バアルベック郡アルサール郡での武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘に関連して、北部県ミニヤ郡、ディンニーヤ郡でシリア人避難民若者複数人を摘発した。

AFP, August 14, 2014、AP, August 14, 2014、ARA News, August 14, 2014、Champress, August 14, 2014、al-Hayat, August 15, 2014、Kull-na Shuraka’, August 14, 2014、al-Mada Press, August 14, 2014、Naharnet, August 14, 2014、NNA, August 14, 2014、Reuters, August 14, 2014、SANA, August 14, 2014、UPI, August 14, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年8月14日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、国防隊、ヒズブッラー戦闘員の支援のもと、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と4ヶ月以上にわたる戦闘の末、ムライハ市を完全制圧した。

両者の戦闘はムライハ市周辺で依然として続いているという。

SANA, August 14, 2014
SANA, August 14, 2014

これに関して、シリア軍総司令部は声明を出し、シリア軍が、「人民防衛諸集団」(国防隊のこと)の支援を受け、ムライハ市およびその周辺の治安と安定を回復したと発表した。

また、シリア・アラブ・テレビ(8月14日付)は、破壊されたムライハ市街地の映像を放映した。

一方、アジュナード・シャーム・イスラーム連合のワーイル・アルワーン報道官は、反体制武装集団がムライハ市から、同市周辺の農場、TAMICO一帯、製ゴム工場一帯に撤退したことを明らかにした。

なお『ハヤート』(8月15日付)によると、ヌスラ戦線とハビーブ・ムスタファー旅団は、約2週間前にムライハ市から撤退していたという。

他方、シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ムライハ市からのヌスラ戦線などの撤退に関して、「ムライハの革命家」の健闘を讃えた。

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同じく、ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(8月15日付)によると、ダイル・アサーフィール市をシリア軍が空爆、またジャルマーナー市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾した。

一方、SANA(8月14日付)によると、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、アレッポ市マアーディー地区、アイン・タッル地区、カルム・フーミド地区、ズィルバ村を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(8月14日付)によると、自由貿易地区、アブラ村、ブーシャ村、サッハーラ村、マンスーラ村、フライターン市、アルド・マッラーフ地区郊外、アレッポ市インザーラート地区、バーブ・ハディード地区、サーフール地区、サカン・シャバービー地区、ライラムーン地区、ナアナーイー広場、サーリヒーン交差点周辺で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、シリア赤新月社と赤十字国際委員会の車輌23輌が県北部および西部に入り、ヌッブル市、ザフラー町、カアフリーン村、アアザーズ市、アウラム・クブラー町、マアーッラト・アルティーク村などに人道支援物資(食糧15万箱、医薬品・医療機器・調理器具1万3,500箱、毛布1万4,000枚)を配給した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市をシリア軍が「樽爆弾」で空爆し、子供6人を含む11人が死亡した。

一方、SANA(8月14日付)によると、ヒムス市ワアル地区、タッルドゥー市、カフルラーハー市、ナースィリーヤ村、ブルジュ・カーイー村、アブー・カートゥール村、アブー・タッラーハ村、アブー・ハリース村、ウンム・リーシュ村、シャンダーヒーヤ村、シャイハ村、ワーディー・カフフ村、タッルダハブ村、ハラシュ・キースィーン村、ファルハーニーヤ村・ウンム・シャルシューフ村街道で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月14日付)によると、ウンム・バーティナ村、ラスム・ハワーリド村、ムムティナ村、西サムダーニーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月14日付)によると、ダルアー市旧税関地区、ダーヒヤト・ヤルムーク、ウンム・ダラジュ地区、インヒル市、ヒルバト・ムタイワク村、タッル・ムタウワクで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(8月14日付)によると、ハッルーズ村、ナフル・アブヤド村、上ジュダイダ村、マアッラト・ヌウマーン市、ハーン・シャイフーン市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 14, 2014、AP, August 14, 2014、ARA News, August 14, 2014、Champress, August 14, 2014、al-Hayat, August 15, 2014、Kull-na Shuraka’, August 14, 2014、al-Mada Press, August 14, 2014、Naharnet, August 14, 2014、NNA, August 14, 2014、Reuters, August 14, 2014、SANA, August 14, 2014、UPI, August 14, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年8月14日)

自由シリア軍参謀委員会を脱会したシリア解放革命勢力司令官のアフマド・ラッハール准将(離反士官)は、サダー・シャーム(8月14日付)のインタビューに応じ、そのなかで自由シリア軍参謀委員会の海岸地域戦線が「実態のない名ばかりのもの」だったと暴露した。

ラッハール准将は「我々には海岸(ラタキア県カサブ町一帯)で活動するための軍事的ヴィジョンなどなかった。なぜなら我々には実際の司令部がなかったからだ」と述べる一方、カサブ町一帯からの撤退が武器・装備の不足が理由ではなく、同地での戦闘を主導していたジハード主義武装集団「アンサール・シャーム運動」が撤退したためだと明かした。

Kull-na Shuraka', August 14, 2014
Kull-na Shuraka’, August 14, 2014

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アサーラ・ワ・タンミヤ戦線は声明を出し、8月3日にシャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線を除く武装集団が結成したシリア革命指導評議会(https://syriaarabspring.info/wp/?p=11729)に参加すると発表した。

Kull-na Shuraka', August 14, 2014
Kull-na Shuraka’, August 14, 2014

AFP, August 14, 2014、AP, August 14, 2014、ARA News, August 14, 2014、Champress, August 14, 2014、al-Hayat, August 15, 2014、Kull-na Shuraka’, August 14, 2014、al-Mada Press, August 14, 2014、Naharnet, August 14, 2014、NNA, August 14, 2014、Reuters, August 14, 2014、Sada al-Sham, August 14, 2014、SANA, August 14, 2014、UPI, August 14, 2014などをもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き(2014年8月13日追記)

クッルナー・シュラカー(8月14日付)によると、イラクのクルディスタン愛国同盟(PUK)の幹部使節団が装甲車など10輌以上からなる車列を組んで、イラクからシリアに入国、ハサカ県ラアス・アイン市を電撃訪問した。

使節団はPUK幹部のハールー・ビンジュワイニー氏を団長とし、西クルディスタン移行期民政局(ジャズィーラ地区)の人民防衛隊が奪還をめざし、ダーイシュ(イスラーム国)と戦闘を続けているリヤーワ村、ヒルバト・バナート村、サマード村、ズィーバ村を視察した。

またPUK使節団は、西クルディスタン移行期民政局、民主統一党関係者と面談し、関係強化について協議した。

Kull-na Shuraka', August 14, 2014
Kull-na Shuraka’, August 14, 2014

Kull-na Shuraka’, August 14, 2014をもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月13日)

フランス内務省は、フランス人約900人がシリアとイラクでの戦闘に参加するために中東地域に密入国している、と発表した。

UPI(8月13日付)が伝えた。

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化学兵器禁止機関は、シリアから搬出された化学兵器関連物質のうち、サリン・ガス製造に使用される有毒物質581トンの廃棄作業が、米国船籍MVケープ・レイ(MV Cape Ray)で完了した、と発表した。

AFP(8月13日付)が伝えた。

AFP, August 13, 2014、AP, August 13, 2014、ARA News, August 13, 2014、Champress, August 13, 2014、al-Hayat, August 14, 2014、Kull-na Shuraka’, August 13, 2014、al-Mada Press, August 13, 2014、Naharnet, August 13, 2014、NNA, August 13, 2014、Reuters, August 13, 2014、SANA, August 13, 2014、UPI, August 13, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月13日)

シリア国内の動き

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、クルド人戦線旅団などからなる武装集団の残党と交戦の末、アフタリーン市、トゥルクマーン・バーリフ町、マスウーディーヤ村、アズィーズィーヤ村、ドゥワイビク村、グーズ村を制圧した。

この戦闘で、ダーイシュ戦闘員8人、武装集団戦闘員31人が死亡した。

クルド人戦線旅団によると、ダーイシュの攻勢は12日に本格化、一部の武装集団が撤退し、アフタリーン市へのダーイシュ侵攻の余地を与えたことが敗因だとし、これらの武装集団を非難した。

同地は、7月末の戦闘で、シャームの民のヌスラ戦線など主要なジハード主義武装集団が撤退していた。

シリア人権監視団によると、アフタリーン市は、イスラーム戦線の主要な拠点であるマーリア町やアアザーズ市攻略に向けた戦略的要衝。

一方、シリア軍は、ダーイシュの拠点の一つバーブ市を空爆、ダーイシュ戦闘員多数を含む住民が死傷した。

またシリア軍は、同じくダーイシュによって占拠されているマンビジュ市およびマンビジュ市・バーブ市間の街道一帯を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、ダーイシュ(イスラーム国)によって占拠されているティヤーナ村を空爆した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市のグワイラーン地区が砲撃を受けた。

住民によると、砲撃はシリア軍、ないしは西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊によるものだという。

また同地区でのグワイラーン自由人大隊との戦闘で、人民防衛隊の隊員11人が戦死した。

イラク国内の動き

アンバール県では、アンバール作戦司令室筋によると、イラク軍がラマーディー市西部のワーディー地区を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員9人を殺害した。

マダー・プレス(8月13日付)が伝えた。

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キルクーク県では、キルクーク県警察筋によると、キルクーク市内で爆弾を積んだ車が爆発し、乗っていたダーイシュ(イスラーム国)戦闘員2人が死亡した。

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サラーフッディーン県では、県治安筋によると、ティクリート市南部のドゥジャイル郡で、イラク軍とダーイシュ(イスラーム国)が戦闘、双方に9人の死傷者が出た。

AFP, August 13, 2014、AP, August 13, 2014、ARA News, August 13, 2014、Champress, August 13, 2014、al-Hayat, August 14, 2014、Kull-na Shuraka’, August 13, 2014、al-Mada Press, August 13, 2014、Naharnet, August 13, 2014、NNA, August 13, 2014、Reuters, August 13, 2014、SANA, August 13, 2014、UPI, August 13, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年8月13日)

アレッポ県では、AMC(8月13日付)によると、シリア軍がアレッポ市カーディー・アスカル地区、マアーディー地区、マイサル地区を「樽爆弾」で空爆し、20人が死傷した。

一方、SANA(8月13日付)によると、アレッポ市ハイダリーヤ地区、サラーフッディーン地区、アーミリーヤ地区、ファーフィーン村、製材所、サフィーラ市東部、アブラ村、ハナースィル市、カフルカール村、ブラート村、バーブ市、ターディフ市、ティーバ農場、シャイフ・サイード村、ハーン・アサル村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市を空爆し、子供1人を含む4人が死亡した。

シリア軍はまた、ヤアクービーヤ村、ジャディーダ村一帯を空爆、バシーリーヤ村一帯を砲撃した。

一方、SANA(8月13日付)によると、ワーディー・ダイフ村、シャフラフ村、タッル・ディーニート村、カフルハーヤー村、ラーマ村、タッル・サラムー村、ダイル・サンバル村、マアッラト・ハルマ村、ハザーリーン村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ムーリク市南西部で、ジハード主義武装集団がシリア軍、国防隊と交戦し、同地を制圧した。

これに対して、シリア軍は「樽爆弾」を投下したという。

また、ザマーン・ワスル(8月13日付)によると、ムーリク市東部のアッブード検問所、グルバール検問所での戦闘で、シリア軍兵士50人が死亡したという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン地方無人地帯(ラアス・マアッラ町郊外)で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がシリア軍の拠点3カ所を制圧した。

一方、SANA(8月13日付)によると、バラダ渓谷、ザバダーニー市郊外山岳地帯、ムライハ市郊外、アイン・タルマー渓谷、アーリヤ農場、ザーキヤ町、マクバラ村、カラムーン地方無人地帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、クウェート人、チュニジア人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月13日付)によると、治安当局は、国民和解会合委員会の協力のもと、投降していたタルビーサ市、クサイル市、マンズール村出身の元反体制武装集団メンバー61人の身柄を釈放した。

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ハサカ県では、SANA(8月13日付)によると、アシュラ村をテロリスト(ダーイシュ(イスラーム国)が襲撃したが、同村住民がこれを撃退した。

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ダマスカス県では、SANA(8月13日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月13日付)によると、フラーク市、インヒル市、スラヤー村、ヤードゥーダ村・ダルアー市街道、ナワー市、ヒルバト・ジュアイリーヤ村、東ガーリヤ村、スーラ村、サムリーン村、ブスル・ハリール市、ダルアー市郵便局周辺で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月13日付)によると、カフターニーヤ町・アイン・バイダ村街道、マジュドゥーリヤー村、ブライカ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(8月13日付)によると、ズガール村、アグマーム村、ジャバル・サーヒヤ村、アイン・ジャウザ村、ムアイティナ村、ドゥーリーン村、シャムスィーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 13, 2014、AMC, August 13, 2014、AP, August 13, 2014、ARA News, August 13, 2014、Champress, August 13, 2014、al-Hayat, August 14, 2014、Kull-na Shuraka’, August 13, 2014、al-Mada Press, August 13, 2014、Naharnet, August 13, 2014、NNA, August 13, 2014、Reuters, August 13, 2014、SANA, August 13, 2014、UPI, August 13, 2014、Zaman al-Wasl, August 13, 2014などをもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き(2014年8月13日)

ハサカ県では、ARA News(8月14日付)によると、カーミシュリー市で、シリア・クルド国民評議会がデモを行い、イラクのニナワ県スィンジャール郡の住民(ヤズィード教徒)との連帯、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガによるダーイシュ(イスラーム国)掃討支持を訴えた。

しかし、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュがデモに介入、強制排除した。

ARA News, August 10, 2014
ARA News, August 10, 2014

AFP, August 13, 2014、AP, August 13, 2014、ARA News, August 13, 2014、Champress, August 13, 2014、al-Hayat, August 14, 2014、Kull-na Shuraka’, August 13, 2014、al-Mada Press, August 13, 2014、Naharnet, August 13, 2014、NNA, August 13, 2014、Reuters, August 13, 2014、SANA, August 13, 2014、UPI, August 13, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年8月12日追記)

アレッポ市革命軍事評議会司令部(アブドゥッサライーム・ハミーディー大佐が議長)は声明を出し、アレッポ作戦司令室のウマル・アブドゥッラフマーン退役大佐を解任し、アフマド・マンスール中佐を後任の司令官に任命すると発表した。

Kull-na Shuraka', August 13, 2014
Kull-na Shuraka’, August 13, 2014

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クッルナー・シュラカー(8月12日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線は、イドリブ県ハーン・シャイフ・キャンプでイスラーム教を侮辱した罪で、住民をむち打ちの刑に処し、その映像を公開した。

『ハヤート』(8月14日付)によると、イドリブ県ハーン・シャイフーン市一帯は、「自由シリア軍」がハマー県ムーリク市に転戦したことで、「真空」状態が生じ、その隙を突くかたちで、ヌスラ戦線が勢力を伸張している、という。

Kull-na Shuraka’, August 12, 2014、August 13, 2014、al-Hayat, August 14, 2014をもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月12日)

米豪外務防衛閣僚会合(2プラス2)がオーストラリアのシドニーで開かれた。

『ハヤート』(8月13日付)などによると、会合では、欧米諸国、オーストラリア、東南アジア諸国のジハード主義者たちが、中東地域、とりわけシリアとイラクでテロ行為に加担している問題が取り上げられ、両国は国連にこの問題への対応を共同提起することで合意した。

AFP(8月12日付)などによると、ジョン・ケリー米国務長官は、ジハード主義戦闘員が「母国に戻り、無秩序や混乱が起こるのを防ぐ措置を関係国がとれるようにする」必要があると述べた。

なお会合後の共同声明では、シリアとイラクで戦闘行為を続けるダーイシュ(イスラーム国)を「もっとも強い言葉で非難する」とした。

AFP, August 12, 2014、AP, August 12, 2014、ARA News, August 12, 2014、Champress, August 12, 2014、al-Hayat, August 13, 2014、Kull-na Shuraka’, August 12, 2014、al-Mada Press, August 12, 2014、Naharnet, August 12, 2014、NNA, August 12, 2014、Reuters, August 12, 2014、SANA, August 12, 2014、UPI, August 12, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月12日)

シリア国内の動き

ハサカ県では、ARA News(8月12日付)によると、ハサカ市グワイラーン地区を西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とシリア軍の空軍情報部が、ジハード主義武装集団のグワイラーン自由人大隊によって占拠されているガザル検問所、ハサカ中央刑務所周辺などを砲撃、また人民防衛隊とグワイラーン自由人大隊が激しく交戦し、双方に複数の死傷者が出た。

なおこの戦闘に先立ち、グワイラーン地区では11日、若者らによるデモが発生し、ダーイシュ(イスラーム国)にハサカ市での戦闘への介入と「背教と民兵からの解放」が求められた、という。

ARA News, July 12, 2014
ARA News, July 12, 2014

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、アブー・ハマーム市、ガラーニージュ市、キシュキーヤ町で、ダーイシュ(イスラーム国)がシュアイタート部族民兵ら住民18人を処刑した。

なお同地制圧に際して、ダーイシュはイラクで捕獲して米国製のハンヴィー(HMMWV)を投入したという。

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アレッポ県では、ARA News(8月14日付)によると、アアザーズ市近郊のラーイー町で、ダーイシュ(イスラーム国)とクルド人戦線旅団が交戦、またダーイシュはアアザーズ市東部のカッラ・クーズ村とジャーフ・ラッシュ村の住民(クルド人)を追放した。

イラク国内の動き

アンバール県では、マダー・プレス(8月12日付)がアンバール作戦司令室筋の話として、ダーイシュ(イスラーム国)によるイラクからシリアへの武器、ロケット弾の密輸、持ち込みがにわかに増加している、と報じた。

またラマーディー市西部では、警察筋によると、ダーイシュとの戦闘によって警察治安部隊、覚醒評議会のメンバー7人が死傷した。

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サラーフッディーン県では、サーマッラー作戦司令室によると、イラク軍の空爆でダーイシュ(イスラーム国)戦闘員7人が死亡した。

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ディヤラ県では、第5機械化歩兵師団司令部によると、イラク軍がアズィーム地方における浄化作戦を完了した。

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バービル県では、治安筋によると、ジュルフ・サフル地方でのイラク軍の攻撃により、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員教練を統括するムハンマド・サイード・ダアミー氏ら複数の関係者が死亡した。

また同地方でのイラク軍の掃討作戦により、ダーイシュ戦闘員35人が死亡、10人が負傷した。

AFP, August 12, 2014、AP, August 12, 2014、ARA News, August 12, 2014、August 13, 2014、Champress, August 12, 2014、al-Hayat, August 13, 2014、Kull-na Shuraka’, August 12, 2014、al-Mada Press, August 12, 2014、Naharnet, August 12, 2014、NNA, August 12, 2014、Reuters, August 12, 2014、SANA, August 12, 2014、UPI, August 12, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年8月12日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン地方無人地帯(対レバノン国境)をシリア軍が空爆し、「備えよ」旅団司令官でレバノン人のアブー・ムハンマド・リファーイー氏を含むジハード主義武装集団戦闘員7人が死亡した。

シリア革命反体制勢力国民連立は、この空爆に関して、シリア軍が「樽爆弾」を投下し、リファーイー氏ら11人を殺害したと発表した。

LBCI(8月12日付)などによると、リファーイー氏はレバノンの北部県トリポリ市に本部を持つバシャーイル協会の代表で、ファールーク大隊創設メンバーの一人。ヒムス市バーブ・アムル地区、ダマスカス郊外県ヤブルード市、サフル村、ランクース市での戦闘に参加したのち、「備えよ」旅団司令官としてカラムーン作戦司令室に参画、自由シリア軍教練を担当していた。

またシリア人缶監視団によると、ムライハ市およびその周辺で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦、シリア軍が同地を22回にわたり空爆した。

このほか、ドゥーマー市一帯、アルバイン市に対してもシリア軍は空爆を行った。

一方、SANA(8月12日付)によると、ザバダーニー市東部山岳地帯、カラムーン地方(マシュラファ市、ラアス・マアッラ町)無人地帯(対レバノン国境)、ムライハ市およびその周辺、バイト・ティーマー市、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線のリビア人、サウジアラビア人戦闘員や、イスラーム旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

Naharnet, July 12, 2014
Naharnet, July 12, 2014

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が各地に「樽爆弾」を投下、6人が死亡した。

一方、SANA(8月12日付)によると、ジャースィム市、ラジャート高原、ナワー市、ダルアー市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ウンム・シャルシューフ村南部で、シリア軍がジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月12日付)によると、カフルタハーリーム町にあるシャームの民のヌスラ戦線の拠点をシリア軍が攻撃し、「テロリスト」35人を殲滅した。

またアイン・フサイン村、イッズッディーン町、サアン村、タドムル市郊外のカラア地方で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルトゥーン村近郊で反体制武装集団がシリア軍を要撃し、士官を拉致、兵士3人を殺害した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアレッポ市カルム・タッラーブ地区を手製の迫撃砲で攻撃した。

またシリア軍がアレッポ市のバーブ・ナイラブ地区を「樽爆弾」で空爆し、女性2人、子供5人を含む10人が死亡した。

一方、SANA(8月12日付)によると、アレッポ市カースティールー地区、マルジャ地区、ハナーヌー地区、マイサル地区、フィルドゥース地区、旧市街、クワイリス村、アルド・マッラーフ地区、カフルハラブ村、シャイフ・アフマド村、タッル・スースィーン村、アフタリーン市、ハズワーン村、ハーン・トゥーマーン村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月12日付)によると、ビイル・アジャム村、ジャディーダ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 12, 2014、AP, August 12, 2014、ARA News, August 12, 2014、Champress, August 12, 2014、al-Hayat, August 13, 2014、Kull-na Shuraka’, August 12, 2014、LBCI, August 12, 2014、al-Mada Press, August 12, 2014、Naharnet, August 12, 2014、NNA, August 12, 2014、Reuters, August 12, 2014、SANA, August 12, 2014、UPI, August 12, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年8月12日)

AFP(8月12日付)によると、シリア当局は、イラクのモスル県スィンジャール郡へのダーイシュ(イスラーム国)の侵攻によって、スィンジャール山に避難したイラク人(ヤズィード教徒)約1,000人を受け入れることを決定した。

SANA(8月12日付)によると、シリアのキンダ・シャンマート社会問題大臣は、ハサカ県マーリキーヤ郡にイラク人避難民約1,000人を収容するのための集合仮設住宅(テント700張)を確保したことを明らかにした。

そのうえで、シャンマート社会問題大臣は、国連世界食糧計画(WFP)に対し、ハサカ県への支援物資の空輸を増加させるよう呼びかけた。

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ワーイル・ハルキー首相は、ダマスカスを訪問中のアーサリン・カズン国連世界食糧計画(WFP)事務局長と会談した。

SANA(8月12日付)によると、会談でハルキー首相は、タクフィール主義テロ組織のテロ行為によって被災した国民への人道支援物資の配給のため、WFPなどの国際機関と協力する意思を改めて伝えた。

カズン事務局長はまた、ワリード・ムアッリム外務大臣、キンダ・シャンマート社会問題大臣とも個別に会談し、シリアへの人道支援物資の配給などについて意見を交わした。

SANA, July 12, 2014
SANA, July 12, 2014

AFP, August 12, 2014、AP, August 12, 2014、ARA News, August 12, 2014、Champress, August 12, 2014、al-Hayat, August 13, 2014、Kull-na Shuraka’, August 12, 2014、al-Mada Press, August 12, 2014、Naharnet, August 12, 2014、NNA, August 12, 2014、Reuters, August 12, 2014、SANA, August 12, 2014、UPI, August 12, 2014などをもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き(2014年8月11日)

シリア・クルド国民評議会は定例会合を開催(場所は不明)、クルド地域における情勢について協議し、民主統一党が主導する西クルディスタン移行期民政局の自治を拒否することを改めて確認した。

しかし、青年運動各派、ハサカ県アフリーン市代表、アレッポ県ラアス・アイン市代表、ダマスカス県代表が会合を欠席した。

クッルナー・シュラカー(8月13日付)が伝えた。

Kull-na Shuraka’, August 13, 2014をもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月11日)

AFP(8月11日付)によると、コソボ共和国警察は、シリアで「テロ組織」(ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線など)に加わり、戦闘に参加したとの容疑で、アルバニア系ジハード主義者40人を逮捕した。

AFP, August 11, 2014、AP, August 11, 2014、ARA News, August 11, 2014、Champress, August 11, 2014、al-Hayat, August 12, 2014、Kull-na Shuraka’, August 11, 2014、al-Mada Press, August 11, 2014、Naharnet, August 11, 2014、NNA, August 11, 2014、Reuters, August 11, 2014、SANA, August 11, 2014、UPI, August 11, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月11日)

シリア国内の動き

アレッポ県では、ARA News(8月11日付)によると、アイン・アラブ市郊外のビール・タトマフ村にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点を西クルディスタン移行期部民局人民防衛隊が攻撃し、ダーイシュ戦闘員複数が死傷した。

一方、ダーイシュは、ジャアダ村の拠点からブルフ・ブーターン村、アシュマー村に向かって迫撃砲で砲撃を加え、複数の住民を死傷させた。

これに対して、人民防衛隊は、ジャアダ村・カッラ・クーザーク橋分岐点のダーイシュ検問所を砲撃し、応戦した。

このほか、カッターシュ村、ジュッブ・ファルジュ村でも未明に、人民防衛隊とダーイシュが交戦し、双方に死傷者が出た。

他方、SANA(8月11日付)によると、バーブ市で、軍がダーイシュ(イスラーム国)の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(8月11日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が未明に重火器などハサカ県グワイラーン地区に配備、国防隊やシリアの治安機関とともに、武装集団と交戦した。

ARA News, August 11, 2014
ARA News, August 11, 2014

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)によって占拠されているブーカマール市の旧軍事情報局ビル、ムーハサン市をシリア軍が空爆、砲撃した。

またダイル・ザウル市南西部のハッラータ油田地区・シューラー地区街道で、国防隊がダーイシュを要撃、ダーイシュ戦闘員3人を殺害した。

この戦闘で国防隊隊員も1人が戦死した。

このほか、シリア人権監視団は、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ジュバイラ地区、ムワッザフィーン地区で、イスラーム国(ダーイシュ)への忠誠を拒否したジハード主義武装集団から、ダーイシュが武器、弾薬、装備を募集したと発表した。

武器などを没収されたとされる武装集団は、ムハージリーン・イラー・アッラー旅団、アッバース旅団、正統カリフ旅団など。

イラク国内の動き

アンバール県作成司令官は、ラマーディー市北部一帯でのイラク軍による浄化作戦で、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員14人を殲滅したと発表した。

マダー・プレス(8月11日付)が伝えた。

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バービル県では、マダー・プレス(8月11日付)によると、ジュルフ・サフル地方でのイラク軍による掃討作戦で、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員14人が殺害された。

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ディヤラ県では、マダー・プレス(8月11日付)によると、ヤアクーバ市東部のジャルーラー地方をイスラーム国(ダーイシュ)がイラク・クルディスタン地域ペシュメルガとの交戦の末に、制圧した。

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イラク内務省によると、バグダード県南部のユースフィーヤ地区で、イラク軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、ダーイシュ戦闘員3人、イラク軍兵士2人が死亡した。

AFP, August 11, 2014、AP, August 11, 2014、ARA News, August 11, 2014、Champress, August 11, 2014、al-Hayat, August 12, 2014、Kull-na Shuraka’, August 11, 2014、al-Mada Press, August 11, 2014、Naharnet, August 11, 2014、NNA, August 11, 2014、Reuters, August 11, 2014、SANA, August 11, 2014、UPI, August 11, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年8月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市バーブ・ナイラブ地区、マサーキン・ハナーヌー地区などをシリア軍が早朝、「樽爆弾」で空爆し、女性2人、子供4人を含む10人(AMC(8月11日付)によると13人)が死亡した。

一方、SANA(8月11日付)によると、サッハーラ村、カフル・カルミーン村、シャイール村北部、バービース村、ハーン・トゥーマーン村、ラスム・アッブード村、クワイリス村、シャイフアフマド村、アイン・ジャマージマ村、カフルハラブ村、アレッポ市カッラーサ地区、ザフラー地区、ライラムーン地区、ラームーサ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラターミナ町一帯などで、シリア軍がジハード主義武装集団と交戦し、武装集団戦闘員3人が死亡、またシリア軍の砲撃で子供1人を含む5人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アドラー市などで軍とジハード主義武装集団が交戦し、武装集団戦闘員7人を含む9人が死亡した。

一方、SANA(8月11日付)によると、ムライハ市およびその周辺、カラムーン地方無人地帯(対レバノン国境)、ザブディーン村、ジスリーン町、アーリヤ農場、シャイフ-ニヤ農場、マガッル・ミール市、ダイルハビーヤ市、バイト・ティーマー市、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、アルバイン市では、テロ組織の退去と国民和解を求めるデモが行われ、住民が参加した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦し、武装集団戦闘員6人を含む8人が死亡、またダルアー市で、シリア軍の要撃を受けて負傷していた武装集団戦闘員1人が死亡した。

さらにダルアー市へのシリア軍への砲撃で女性1人が死亡したほか、ブスル・ハリール市、ムザイリーブ町、タファス市などをシリア軍が「樽爆弾」で空爆し、反体制武装集団戦闘員4人と子供1人が死亡した。

一方、SANA(8月11日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町東部、ナワー市、タファス市、ムザイリーブ町、アトマーン村周辺、ダルアー市バジャービジャ地区、ビイル・ウンム・ダラジュ地区周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(8月11日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月11日付)によると、ハズラジーヤ農場、サアサア町、フサイヌー分岐点、ウンム・バーティナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(8月11日付)によると、ビンニシュ市で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃し、「テロリスト」22人を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヤアクーバ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月11日付)によると、ウンム・ハワーディード村、ウンク・ハワー村、ラッフーム村、マスアダ村、ラスタン市、サアン村、カルヤタイン市南部、タッル・サナースィル村、ファルハーニーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 11, 2014、AMC, August 11, 2014、AP, August 11, 2014、ARA News, August 11, 2014、Champress, August 11, 2014、al-Hayat, August 12, 2014、Kull-na Shuraka’, August 11, 2014、al-Mada Press, August 11, 2014、Naharnet, August 11, 2014、NNA, August 11, 2014、Reuters, August 11, 2014、SANA, August 11, 2014、UPI, August 11, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年8月11日)

アサド大統領は2014年政令第34号を施行し、「シリア電子学校」を創設した。

「シリア電子学校」(本部はダマスカス県に設置)は教育省の所轄下に置かれ、初等教育、中等教育までの教育をインターネット技術などを通じて提供することを目的とする。

AFP, August 11, 2014、AP, August 11, 2014、ARA News, August 11, 2014、Champress, August 11, 2014、al-Hayat, August 12, 2014、Kull-na Shuraka’, August 11, 2014、al-Mada Press, August 11, 2014、Naharnet, August 11, 2014、NNA, August 11, 2014、Reuters, August 11, 2014、SANA, August 11, 2014、UPI, August 11, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年8月11日)

シリア国内で活動する反体制組織「民主的変革諸勢力国民調整委員会」と連立与党連合「変革解放人民戦線」が開催を予定していた共同記者会見が、情報省によって禁止された。

シリア人権監視団によると、この措置は、大統領府広報局の命令に従い、情報省が下したもので、「ダマスカスで活動する反体制派の記者会見を報道しないこと」が要請されたという。

これに関して、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は、8月11日の12時に、記者会見を開き、委員会と変革解放人民戦線との間で「相互理解覚書」が交わされたことを発表する予定だったことを明らかにした。

しかし、治安当局が記者会見の開催を阻止、会見が予定されていたダマスカス県サウラ地区の戦線本部への記者の立ち入りを禁止したという。

アブドゥルアズィーム代表はこの動きに対し「反体制勢力統一への道を絶とうとする危険な措置」と批判した。

委員会メンバーの一人サフワーン・アッカーシュ氏は、相互理解覚書の内容に関して、連立与党であった変革解放人民戦線の反体制勢力への実質的な転換を意味しており…、そのことが政権にとって不愉快だったのだろう」と述べた。

なお、変革解放人民戦線は、6月の大統領選挙に際して、マーヒル・アブドゥルハフィーズ・ハッジャール人民議会議員の擁立をめざす人民意思党党首のカドリー・ジャミール前副首相(モスクワで事実上亡命生活)らと、アサド大統領を支持するシリア民族社会党インティファーダ派が対立、後者が脱会することで事実上崩壊していた。

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クッルナー・シュラカー(8月11日付)は、アレッポ市地元評議会が8月4日の声明で、アブドゥル・アズィーズ・マグリビー氏(「マグリビー」はアラビア語でモロッコ人の意味)を議長に選出したことを発表した、と批判的に報じた。

Kull-na Shuraka', August 11, 2014
Kull-na Shuraka’, August 11, 2014

 

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、連立と自由シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と「犯罪者アサド体制」双方のテロと当初から対決していたと自賛、国際社会に対して「この組織(ダーイシュ)の脅威への抵抗は、イラク国内で限定されてはならない」と主張、支持を求めた。

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シリア国民評議会は声明を出し、トルコ大統領選挙で勝利したレジェップ・タイイップ・エルドアン首相に祝辞を送った。

AFP, August 11, 2014、AP, August 11, 2014、ARA News, August 11, 2014、Champress, August 11, 2014、al-Hayat, August 12, 2014、Kull-na Shuraka’, August 11, 2014、al-Mada Press, August 11, 2014、Naharnet, August 11, 2014、NNA, August 11, 2014、Reuters, August 11, 2014、SANA, August 11, 2014、UPI, August 11, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年8月10日追記)

自由シリア軍の残党で米国が「穏健な反体制武装集団」とみなすハズム運動は声明を出し、アレッポ県南部への兵站路を解放することを目的とした一連の戦闘を、アズィーザ村、シャイフ・サイード村などで開始したと発表した。

ARA News, August 11, 2014をもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月10日)

シリア国内の動き

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機が、ダーイシュ(イスラーム国)に占拠されているラッカ市のマシュラブ地区、バドウ地区を空爆し、子供5人を含む12人が死亡、23人が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシュアイアート部族が住むアブー・ハマーム市、キシュキーヤ町、ガラーニージュ市を、数日にわたる戦闘の末に制圧した。

またシャアファ村にあるダーイシュの検問所近くで爆発が起こり、子供1人を含む2人が死亡した。

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ハサカ県では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊総司令部によると、ハサカ県グワイラーン地区をパトロール中の人民防衛隊が「テロ集団」の襲撃を受け、隊員7人が死亡した。

またARA News(8月10日付)によると、ハサカ市ヌシューワ地区では、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、5人が死亡したほか、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠する同市南部郊外からタッル・ハジャル地区、ムフティー地区などに迫撃砲が打ち込まれ、4人が負傷した。

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アレッポ県では、SANA(8月10日付)によると、バーブ市で、軍がダーイシュ(イスラーム国)の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ARA News(8月10日付)は、イラクのニナワ県スィンジャール郡へのダーイシュ(イスラーム国)の侵攻を逃れ、シリア領内に入ったイラク人(ヤズィーディー派など)数百人が、ハサカ県ダイリーク市、マーリキーヤ市、マアバダ市、カフターニーヤ市に避難し、地元NGOの保護を受けていると報じた。

しかし、ARA Newsによると、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュは、シリア・クルディスタン民主党がカフターニーヤ市のイラク人避難民に対して行おうとした人道支援を阻止したという。

イラク国内の動き

イラク軍サーマッラー作戦司令室は、サラーフッディーン県サーマッラー郡のバグダード・ティクリート街道でダーイシュ(イスラーム国)のカリフを名乗るアブー・バクル・バクダーディー氏に近いとされる司令官ムハンマド・ハルダーン・ムハンマド氏を逮捕した、と発表した。

また治安筋によると、ダルーイーヤ郡での軍・警察部隊とダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で3人が死傷した。

マダー・プレス(8月10日付)が伝えた。

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米国中央司令部は、アルビール市近郊のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して再び空爆を行ったと発表した。

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イラク軍情報局は、サラーフッディーン県、キルクーク県に対する空爆で、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員多数を殺害した、と発表した。

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ディヤラ県では、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガ第2師団司令部によると、ヤアクーバ市北東部での戦闘で、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員20人を殺害した。

マダー・プレス(8月10日付)が伝えた。

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アンバール県では、県警察によると、軍、警察部隊、部族民兵からなる合同部隊がハディーサ郡バルワーナ地方入り口でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュの外国人戦闘員17人を殺害した。

AFP, August 10, 2014、AP, August 10, 2014、ARA News, August 10, 2014、Champress, August 10, 2014、al-Hayat, August 11, 2014、Kull-na Shuraka’, August 10, 2014、al-Mada Press, August 10, 2014、Naharnet, August 10, 2014、NNA, August 10, 2014、Reuters, August 10, 2014、SANA, August 10, 2014、UPI, August 10, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年8月10日)

SANA(8月10日付)は、レバノンのベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外で避難生活を送っていたシリア人数百人が、マスナア・ジュダイダト・ヤーブース国境通行所を経由して、シリアに帰国し、ダマスカス郊外県クドスィーヤー市郊外に建設された一次避難センターに無事収容されたと報じた。

避難民の帰国は、アルサール村一帯での武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)とレバノン軍の戦闘を受けた動き。

SANA, August 10, 2014
SANA, August 10, 2014

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NNA(8月10日付)によると、レバノン軍はベカーア県バアルベック郡アルサール村一帯のワーディー・フスン、ワーディー・フマイド、ワーディー・アター、ラアス・サルジュ、ワーディー・ラフヤーン、サルジュ・ハサンといった戦略的要衝に展開し、厳戒態勢にあたった。

AFP, August 10, 2014、AP, August 10, 2014、ARA News, August 10, 2014、Champress, August 10, 2014、al-Hayat, August 11, 2014、Kull-na Shuraka’, August 10, 2014、al-Mada Press, August 10, 2014、Naharnet, August 10, 2014、NNA, August 10, 2014、Reuters, August 10, 2014、SANA, August 10, 2014、UPI, August 10, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年8月10日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市バイヤーダ地区を「樽爆弾」などで空爆し、市民2人が死亡、またマイダーン地区に反体制武装集団が撃った手製の迫撃砲が着弾した。

一方、SANA(8月10日付)によると、クワイリス村、ダイル・ハーフィル市、マスカナ市、ハンダラート・キャンプ、アレッポ市シャッアール地区、アレッポ城周辺、ハナーヌー地区、旧市街などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イドリブ市各所に、ジハード主義武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供5人と女性1人が死亡した。

またシリア軍はマアッラト・ヌウマーン市西部および南部地区を空爆、ビンニシュ市に「樽爆弾」を投下した。

一方、SANA(8月10日付)によると、マアッルシューリーン村、マアッラト・ヌウマーン市、ダイリーニー村、ナイラブ村西部、クマイナース村、マルイヤーン村、カフルハーヤー村、シュグル村、サルマーニーヤ村、カルトゥーン村、ハーッジ・ハンムード農場、ハッルーズ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラターミナ町各所をシリア軍が空爆し、子供1人を含む6人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフ・キャンプ西部にシリア軍が「樽爆弾」を投下した。

また対レバノン国境のアッサール・ワルド村で軍が強制捜査を行う一方、ダイル・アサーフィール市が「樽爆弾」の空爆を受けた。

さらにガズラーニーヤ町近郊(ダマスカス国際空港街道)で軍とジハード主義武装集団が交戦した。

このほか、ティーマー農場で、シリア軍第86旅団司令官のマヒール・アフマド准将と第7師団のアースィフ・ナースィーフ大佐が戦死した。

一方、SANA(8月10日付)によると、ダイル・マクラン町、ダーライヤー市、ムライハ市北部郊外、ジスリーン町交差点、ムライハ市、ナシャービーヤ農場、アーリヤ農場、シャイフーニーヤ農場、ミスラーバー市、バイト・ティーマー村、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区でシリア軍兵士が狙撃され死亡、またシリア軍、PFLP-GC民兵が武装集団と交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市ガルズ地区にシリア軍が「樽爆弾」を投下、また同市内でシリア軍、国防隊とジハード主義武装集団が交戦し、軍兵士5人、武装集団戦闘員4人を含む11人が死亡した。

このほか東カラク村をシリア軍が砲撃し、5人が死亡、マハッジャ町で男性1人が死亡した。

一方、SANA(8月10日付)によると、サムリーン村、ジーザ町、ウンム・ワラド村、ラジャート高原一帯、ナワー市・ジャービヤ丘街道、東カラク村、ムライハト・アトシュ村・フラーク市街道、アトマーン村、スラヤー村・インヒル市交差点で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月10日付)によると、ルハイヒーナ村、マジュドゥーリヤー村、アジュラフ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月10日付)によると、ウンム・シャルシューフ村方面、ウンク・ハワー村、ウンム・リーシュ村、ラッフーム村、アイン・フサイン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 10, 2014、AP, August 10, 2014、ARA News, August 10, 2014、Champress, August 10, 2014、al-Hayat, August 11, 2014、Kull-na Shuraka’, August 10, 2014、al-Mada Press, August 10, 2014、Naharnet, August 10, 2014、NNA, August 10, 2014、Reuters, August 10, 2014、SANA, August 10, 2014、UPI, August 10, 2014などをもとに作成。

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