ダイル・ザウル県ザッル村でダーイシュとシリア民主軍が交戦(2025年8月10日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ザッル村でダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルが自動小銃でシリア民主軍の軍事拠点を攻撃し、両者の間で断続的な衝突が発生した。

また、シリア人権監視団が11日に発表したところによると、ダーイシュのスリーパーセルがムハイミーダ村でシリア民主軍傘下の自衛部隊所属の軍用車輛を攻撃した。

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国連はシャルア移行期政権に民族や宗教を問わず全てのシリア人を保護するよう求める安保理議長声明を採択(2025年8月10日)

UNニュースによると、国連安保理は議長声明を採択し、7月中旬以降シリア・スワイダー地域で激化した暴力に深い懸念を示し、民間人への攻撃を非難するとともに、緊急の保護措置と人道的アクセスの確保を求めた。

議長声明では、スワイダー県での戦闘について深い懸念を表明し、そのなかに大量殺害が含まれていると指摘、民間人に対する暴力を強く非難し、「全当事者が停戦合意を順守し、民間人保護を確実にするよう求めた。

また、生命は、すての当事者に対し、人権法および国際人道法上の義務、とりわけ全ての医療・人道要員を尊重し、保護する義務に基づき、スワイダー県およびシリア全土の被災地への完全かつ安全、迅速で妨げのない人道アクセスを、人道・中立・公平・独立の原則に沿って認めるよう要請、降伏者、負傷者、拘束者、武装解除者を含む全ての戦闘員に対し、人道的な扱いを確保する必要性を強調した。

一方、アフマド・シャルア移行期政権に対しては、民族や宗教を問わず全てのシリア人を保護するよう求め、全てのシリア人に真の安全と保護がなければ、意味ある復興はあり得ないと警告した。

そのうえで、移行期政権による暴力の非難と、加害者を捜査するという約束を歓迎しつつ、信頼でき、迅速、透明、公正かつ包括的な国際基準に沿った捜査を確保するよう促した。

さらに、国連安保理決議第2254号の内容などを再確認し、シリアの主権、独立、統一、領土保全への強い意志を改めて表明、全ての国に対しさらなる不安定化を招く否定的・破壊的干渉を避けるとともに、1974年の兵力引き離し協定などを遵守するよう呼びかけた。

このほか、テロの脅威については、シリアにおける外国人テロ戦闘員がもたらす深刻な脅威に重大な懸念を表明した上で、ダーイシュ(イスラーム国)やアル=カーイダに対して、関連決議に沿った断固たる措置を取るよう同国に求めた。

最後に、包摂的で、シリア主導・シリア所有の政治プロセスの必要性を改めて訴え、安保理決議第2254号に基づき、全てのシリア人の権利を守り、彼らが平和的かつ自主的、民主的に自らの将来を決定できるようにすることを呼びかけた。

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ドゥルーズ派の主要な宗教指導者3人(ヒジュリー師、ヒンナーウィー師、ジャルブーウ師)がビデオ声明を出し、シャルア移行期政権を非難(2025年8月9日)

ANHAによると、スワイダー軍事評議会は、国際的または国内的な裁判で訴追対象となっている人物が自らの部隊に所属しているとの一部情報について、これを否定した。

スワイダー軍事評議会は、公式ページに告知を掲載し、その中で、自らの部隊内には国際法廷で訴追されている人物や、テロ関連の罪や事件で告発されている者はいないと述べた。
さらに同評議会は、国際連合と連絡を取り合い、自らをその一部と見なしているとした上で、その任務は自らが展開する地域の住民を保護することに限られると説明した。また、国際勢力と歩調を合わせ、法、公正、平等の実現や平和の普及に努めるとしている。

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ドゥルーズ派の主要な宗教指導者(シャイフ・アクル)の1人であるハンムード・ヒンナーウィー師(アブー・ワーイル)は、フェイスブックを通じてビデオ声明を出し、「スワイダー県とダマスカスの政府との間には、もはや約束も協定も存在しない」と述べ、アフマド・シャルア移行期政権に対する対決姿勢を明示した。

ダマスカス郊外県のジャルマーナー市やアシュラフィーヤト・サフナーヤー市での事件に際して、ドゥルーズ派の最高指導者のヒクマト・ヒジュリー師とアフマド・シャルア移行期政権の仲介を行うなどし、同政権との対決姿勢を示すのを避けてきたヒンナーウィー師は「我々は約束を守らず、祖国を売り、国境を裏切る前に国民を裏切り、極端な思想で無実の人々の命を奪う権力によって災いに晒されている」と非難、国際社会と国際機関に対し、スワイダー県への包囲を即時解除し、無条件で人道回廊を開放するよう求めるとともに、同県での犯罪に関与したすべての者の調査と責任追及を呼びかけた。

ヒンナーウィー師はまた、今回の出来事を「スワイダー県全住民の存在と運命の問題」と位置づけ、「今日の闘いは、もはや政治の議題の一項目や交渉材料ではなく、(アラブ山)のすべての人々にとっての存在と運命の問題になった」と述べた。

さらに、宗派対立の扇動、情報戦、そして噂の危険性に警鐘を鳴らす一方、現時点でアフマド・シャルア移行期政権との間にいかなる交渉や合意も行われていないと強調した。

また、ドゥルーズ派の宗教的指導者や聖域に対する侮辱を拒否し、アラブ諸国の沈黙、メディアの隠蔽、真実の抹消に驚きの意を示した。

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ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部は、フェイスブックを通じて、最高指導者のヒクマト・ヒジュリー師のビデオ声明を配信した。

声明の内容は以下の通り。

慈悲深く慈愛あまねきアッラーの御名において。
我々は、精神的かつ愛国的立場から、土地と名誉を守るために殉じ、非人道的なテロ攻撃に勇敢に立ち向かって倒れた尊き殉教者たちの魂に、心からの哀悼の意を捧げる。
彼らは、スワイダーの揺るぎない抵抗と、その子らの名誉を歴史に刻む証を残して逝った。
屈しない大地から、誇りを取引しない民から、そして勇気が生まれて以来、決して挫けることのない山から、我々はこの声明を世界に向けて発する。情けを請うためではなく、証拠を突き付けるためである。
スワイダー——この地は、国際社会の沈黙という重荷を背負ってきたが、もはやこれ以上の傷を耐えることはできない。ここ数日間に起きたのは、冷酷無比に実行され、血で書くことに慣れた手によって暗い部屋から指揮される、組織的なジェノサイドとしか言いようのない一連の犯罪である。
子どもたちは母親の目の前で虐殺され、その光景は身の毛もよだつものであった。
老人たちは公の広場で、慈悲も憐れみもなく処刑された。
家屋は中にいた者ごと焼かれ、炎がまるで支配の言語となったかのようであった。
民間人は誘拐され、人質として汚らしい政治ゲームに利用された。
何週間にも及ぶ息詰まる包囲は、水、電気、食料を断ち切り、決して屈しない民の意志を挫こうとした。
無差別なロケット弾や迫撃砲の砲撃は、平穏な村々を標的にし、子どもも老人も、家も学校も区別なく襲った。
これは単なる個別の越権行為ではなく、世界が見聞きしている中で進行する、沈黙のジェノサイド計画であり、「安全の確保」という嘘でメディア的に覆い隠されているものである。
民間人への圧力手段としての飢餓の利用は、単なる違反ではなく、国際法および人類の前で加害者が裁かれるべき明白な戦争犯罪である。ジュネーブ諸条約第一追加議定書第54条および第二追加議定書第14条に基づき、民間人を対象とした兵器の使用や人道支援の到達妨害は明確に禁止されている。さらに、2019年にローマ規程第8条に加えられた改正は、この行為を国際的・非国際的武力紛争のいずれにおいても明確に犯罪として規定している。
我々の立場から、既成事実化された政府を支援する一部のチャンネルや国営メディアが主導する、犯罪を「安全」の衣で覆い、罪なき者たちの廃墟の上に築かれる偽りの平和を宣伝する歪曲キャンペーンを強く非難する。
子どもの血で手を汚した者たちが、どうして平和の使者を名乗れるというのか。
正義の側に立ってくださった方々に感謝申し上げる。我々は、沈黙を拒否し、虐げられている人々の側に立ってくれた諸国の立場を高く評価する。その先頭に立つのは、少数派支援と独裁拒否の明確な姿勢を示したアメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領であり、また、スワイダー県の人々に対する虐殺を倫理的・人道的動機から抑えるために人道的介入を行ったイスラエル国政府と国民である。そして、テロ支配の拒否と虐げられた我が人民の大義への支持を明確に表明した、アラブ湾岸の兄弟諸国にも感謝する。また、北・東ユーフラテス地域の自治行政およびそれに属する諸団体が、スワイダーの同胞に対して行った誠実な支援にも謝意を表する。
我々は、国連と国連安全保障理事会に対し、直ちに行動を起こし、この致命的な沈黙を終わらせるよう訴える。
よって、以下の要求を行う:
第1、スワイダーで犯された犯罪に関する独立した国際調査の実施。
第2、これらの犯罪に関与した者を国際刑事裁判所に付託すること。
第3、民間人を保護するための国際監視団の派遣。
第4、スワイダー周辺のテロ組織へのあらゆる政治的・軍事的支援を停止すること。
第5、保証国に対し、現実支配政府へ圧力をかけ、停戦合意を順守し、その履行期間中に行われた違反や攻撃を繰り返さないよう求める。また、我々はこの合意を順守してきたことを確認し、全ての民兵や武装集団がスワイダーの行政境界外へ撤退し、我々の子供たちが自らの村や家へ帰還できるようにする必要性を強調する。
心から、世界中の自由を信じる人々へ、そして「祖国は血の上に築かれない」「尊厳は売り買いできない」と信じ続けるすべての人々へ。
我々は戦争を求める者ではなく、自らと尊厳を守るため以外には武器を手にしない。だが、祖国の名のもとに我が子らが殺され、国家の威信を保つという名目で村々が砲撃されることを、我々は拒む。長く耐えてきたが、虐殺が続く限り沈黙はしない。スワイダーは誇り高く立ち続け、その人々は真実の盾であり、その山は決して屈しない。
息子たち、兄弟たちよ、団結し、一つの男として立ち、愛と平和と兄弟愛で傷を癒し、争いを捨てよう。愛は弱さではなく、列を一つにまとめる力であり、争いは意見ではなく、我々の間の橋を焼く炎である。理性の声となり、平和の呼びかけとなり、良き言葉と勇敢な立場、そして誠実な意志で争いの火種を消そう。我々の選択は、一つの体と一つの心であることだ。
神のご加護を
スワイダー、カナワート市
2025年8月9日

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スワイダー24によると、ヒクマト・ヒジュリー師、ハンムード・ヒンナーウィー師と並ぶドゥルーズ派の主要な宗教指導者の1人アブー・ウサーマ・ユースフ・ジャルブーウ師がビデオ声明を出し、アフマド・シャルア移行期政権によるスワイダー県への侵攻について「計画的な民族浄化」と非難した。

ジャルブーウ師は以下の通り述べた。

嘘をつくな、侵略者たちよ。国家統制の拡大を名目にしたお前たちの野蛮な侵攻は、アッラーへの契約も誠実さも顧みなかった。実際に起きたのは計画的な民族浄化だ。

そのうえで、保証国および国際機関に対し、「罪なき人々に対する虐殺」を止め、スワイダー県への包囲を解除するよう緊急介入するよう呼びかけた。

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スワイダー国立病院でシャルア移行期政権の国防省・内務省要員が若い男性を処刑する映像が公開される(2025年8月10日)

スワイダー軍事評議会のターリク・シューフィー議長は、ANHAの取材に応じ、「スワイダーの戦線は開かれた状態にあり、政府系治安部隊とそれを支援する部族勢力による厳しい包囲が続いている」と述べ、停戦違反が続いていることを明らかにした。

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シリア人権監視団によると、スワイダー県北西部のワキム村で、複数の民家が放火された。

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シリア人権監視団スワイダー24は、7月半ばにアフマド・シャルア移行期政権の国防省・内務省合同部隊がスワイダー市に進攻した際、スワイダー国立病院で1人の市民を処刑する様子を撮影した映像を入手したとして、これを公開した。

映像では、国防省・内務省合同部隊に所属する要員が若い男性を引きずり出し、殴打した後、至近距離から銃撃して殺害する場面が記録されている。

記録映像には、病院内で作業服を着た数十人が膝をついて処刑を見守る様子も映っている。


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シリア人権監視団によると、スワイダー県で、7月13日以降の戦闘、処刑、イスラエル軍の爆撃などによって死亡した犠牲者の数は1,625人となった。

内訳は以下の通り。

・スワイダー県出身者724人(民間人166人、うち子ども21人・女性56人)
・国防省・内務治安部隊要員477人(うちベドウィン部族出身者40人、レバノン国籍武装者1人)
・イスラエル爆撃で死亡した国防省・内務省要員15人
・イスラエル爆撃で死亡した3人(女性1人、不明2人、国防省庁舎内)
・ジャーナリスト2人(スワイダーでの戦闘中に死亡)
・国防省・内務省要員によって処刑された401人(女性26人、子ども14人、高齢者数名)
・国防省・内務省要員によってスワイダー国立病院で処刑された医療関係者20人
・ドゥルーズ派武装勢力によって処刑されたベドウィン部族出身者3人(女性1人、子ども1人を含む)

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アル・ジャズィーラ・チャンネルのファイサル・カースィム記者はフェイスブックを通じて、スワイダー国立病院での処刑を以下の通り批判した。

ああ、なんということだ!なんということだ!
これほどの野蛮さ、蛮行、そして残虐さがあるだろうか?
あのテロ組織のならず者たちが、スワイダーの病院で医療チームを集め、銃弾の雨を浴びせるまでに堕落と卑劣さ、下劣さを極めるなど、果たして信じられるだろうか?
医師や看護師に向けて発砲した者は、シリア全体、国民、祖国、国家に向けて発砲したのだ。
血に飢えたこれらの野獣が存在する中で、どうして国民が自らの安全を信じられるだろうか?
調査や裁判の話などするな。シリア国民は全員、この卑劣で下劣な堕落者たち、反逆者たちを、遅かれ早かれマルジャ広場に吊るす以外のことでは決して納得しないだろう。

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スワイダー県の高等法務委員会は、フェイスブックを通じて決定第1号(8月10日付)を発出、公営および民営のパン屋におけるパン1袋の価格を2,000シリアポンドに設定することを定めた。

 

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アフマド・シャルア移行期政権所属の無人航空機が、アレッポ市のシャイフ・マクスード地区とアシュラフィー地区の上空を飛行(2025年8月10日)

ANHAは、アフマド・シャルア移行期政権所属の無人航空機が、アレッポ市のシャイフ・マクスード地区とアシュラフィー地区の上空を飛行していると伝えた。

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ウマイヤ・モスク敷地内を車が走行する映像がSNSで拡散(2025年8月9日)

シリア人権監視団によると、首都ダマスカス旧市街の中心に位置する大ウマイヤ・モスク内で車が走行する映像がSNSで拡散された。

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これに関して、宗教関係省は、フェイスブックを通じて、映像が7月31日に撮影されたものだとしてうえで、車がコーラン複数冊を受け取るためにモスクを訪れた際に、敷地内に一部職員の許可を得て立ち入ったことを認めたうえで、こうした事態が発生したことに遺憾を示したうえで、この職員を処分するとともに、動画を公開した者に法的措置を講じるよう当局に要請したと発表した。

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シリア民主軍がダイル・ザウル県ハワーイジュ村で治安作戦を実施し、ダーイシュのスリーパーセルのメンバー1人を逮捕(2025年8月9日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア民主軍がハワーイジュ村で治安作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルのメンバー1人を逮捕した。

また、シリア人権監視団によると、ズィーバーン町では、若い男性が正体不明の武装グループに狙撃され死亡した。

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ヒムス県ではキリスト教徒が多く住む村を武装グループが襲撃し、アラウィー派3人を殺害(2025年8月9日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア国民軍諸派の支配下にあるヒラール難民キャンプでは、5歳の少女が何者かの銃弾を受けて死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、数日前に拉致されて行方不明となっていた若い男性が、ドゥライジュ町で後ろ手に手錠をかけられた状態で遺棄された状態で発見された。

また、シリア人権監視団によると、ジュダイダト・アルトゥーズ町で、若い男性1人が何者かに銃撃され死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、アクラブ町とカフルブー村を結ぶ街道沿いのトゥライスィーヤ村近くで、武装グループの銃撃で若い男性1人が死亡、1人が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で、アフマド・シャルア移行期政権の国防省所属の兵士1人が頭部を銃撃され死亡しているのが発見された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団が10日に発表したところによると、オートバイに乗った武装集団がクサイル市近郊のラブラ町を襲撃し、アラウィー派の住民3人が処刑された。

ラブラ町の住民の大多数はキリスト教徒。

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スワイダー県マジュダル村に対してシャルア移行期政権の部隊展開地などから発砲(2025年8月9日)

SANAスワイダー24によると、シリア・アラブ赤新月社は、南部地域で人道支援活動に従事していた車輛が8日に銃撃を受けたが、負傷者は出なかったと発表した。

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シリア人権監視団によると、ダルアー県のブスラー・シャーム市に設置されている通行所を経由して、スワイダー県から避難してきた女性や子どもを含む344人・115世帯)が民間防衛機構の支援を受け、約300人・85世帯のシリア・アラブ赤新月社の車輛で、アフマド・シャルア移行期政権の支配地に入った。

一方、約350人・90世帯が同通行所を経由してスワイダー県の地域へ帰還した。

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スワイダー24によると、スワイダー県のマジュダル村が複数の方向から重機関銃および迫撃砲による攻撃を受けた。

情報筋によると、攻撃は、アフマド・シャルア移行期政権の部隊が展開するマズラア町方面などから行われた。

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イスラエル軍はクナイトラ県各所に侵攻(2025年8月9日)

クナイトラ県では、SANAシリア人権監視団によると、四輪駆動車10台からなるイスラエル軍部隊は、アフマル丘の前哨基地から、ブライカ村とクードナ村を結ぶ道路に向かって侵入し、検問所を設置した。

また車輛10台からなる別の部隊が、ルワイヒーナ村からラスム・ハラビー村に向かって侵入した。

さらに、軍用車輛5台からなる部隊がハイラーン村方面からラフィード町に侵入した。

このほかにも、兵員輸送車や戦車からなる部隊が、アドナーニーヤ村からルワイヒーナ村に向けて侵入した。

イスラエル軍は一連の侵入から数時間後に撤退した。

また、シリア人権監視団によると、軍用車輛2台からなるイスラエル軍の巡回部隊がウーファーニヤー村、サイダー・ハーヌート村に侵入し、検問所を設置した。

さらに、シリア人権監視団によると、車輛10台からなるイスラエル軍の部隊がアイン・ザイワーン村に侵入した。

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シリア民主軍はシャルア移行期政権所属部隊による停戦違反が多発していると批判(2025年8月9日)

ANHAによると、シリア民主軍の総司令部は声明を出し、アフマド・シャルア移行期政権による北・東シリア地域民主自治局支配地に対する停戦違反がこれまでに22件発生していると発表、その責任は移行期政権に所属する部隊にあると非難、違反行為を止め、3月10日合意の条項を順守するよう求めた。

声明のなかで、シリア民主軍は、シャルア移行期政権に所属する部隊が、トルコの支援を受けて、ダイル・ザウル県、アレッポ県ダイル・ハーフィル市一帯、ティシュリーン・ダム一帯、ハサカ県タッル・タムル町一体など複数の地域で停戦違反を繰り返す一方、アレッポ市のシャイフ・マクスード地区、アシュラフィー地区周辺で不穏な動きが見られると指摘、こうした行為は、2024年4月1日に両地区の自治局と移行期政権との間で締結された合意に明白に違反していると非難した。

シリア民主軍によると、シャルア移行期政権に所属する部隊は、北・東シリア地域をこれまでに22回以上攻撃し、その際に重火器を使用したほか、地上攻撃や、ユーフラテス川を渡ってダイル・ザウルにあるシリア民主軍の拠点を攻撃しようとする試みも行っており、これらの攻撃で、民間人11人以上が負傷し、民間人が住む地域に大きな被害が発生している。

こうした事態を受けて、シリア民主軍は以下を要求した。

・シャルア移行期政権とその傘下部隊、並びにトルコ支援を受ける部隊に対し、すべての違反行為を直ちに停止し、協定条項を順守すること。
・国際社会および人権団体に対し、これらの違反を監視し、締結された協定の尊重を確保するために行動すること。

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シャルア移行期政権は「北・東シリアの構成体の立場統一」会議(コンファレンス)を非難、パリでのシリア民主軍との会合を拒否(2025年8月9日)

SANAによると、アフマド・シャルア移行期政権高官筋は、「北・東シリアの構成体の立場統一」会議(コンファレンス)について、包括的な国民的枠組みを代表するものではなく、シリア国民の勝利によって損害を受けた当事者らからなる脆弱な連合にすぎないと強調した。

同筋は、この会議が現在進行中の交渉努力に対する打撃となったと指摘し、移行期政権はパリで予定されているいかなる会合にも参加せず、いかなる名称や名目の下でも旧体制時代を復活させようとする勢力とは交渉の席に着かないと述べた。

同筋は次のように述べた。

シリア政府は、市民が自らの地域レベルでも国家レベルでも、平和的に集会を開き、建設的な対話を行う権利は保障されており、国家がこれを奨励するものであると強調する。ただしそれは、シリアの領土・国民・主権の統一を掲げる包括的な国民的プロジェクトの枠組みの中で行われることが条件である。
同消息筋はさらに、宗教的または民族的集団は、自らの政治的見解を表明し、会合を開き、政党を設立する完全な権利を有しており、それは国内法の枠内であれば認められると述べた。ただし、その活動は平和的であること、国家に対して武器を取らないこと、また自らの国家像をシリア国家の形態として強制しないことが条件であるとした。
国家の形態は特定の派閥間の合意によって決定されるのではなく、国民投票によって承認される恒久憲法によって決まるものであり、全ての市民が平等に参加できることを保証するものである。
どの市民にも国家の形態について意見を表明する権利はあるが、それは脅迫や武力ではなく、公開討論や投票箱を通じて行うべきである。
今回北東部で行われたことは包括的な国民的枠組みを代表するものではなく、シリア国民の勝利と旧体制時代の終焉によって損害を受けた当事者、あるいはシリアの構成要素を事実上の力によって独占的に代表してきた、またはそのようにしようとする一部勢力による脆弱な連合にすぎない。
こうした当事者や勢力は、将来における義務から逃れ、シリア国家の基本原則―一つの軍、一つの政府、一つの国―を否定するため、外部の支援に依存してこの種の会議を利用している。
シリア政府は、分離主義者や敵対行為に関与した人物を招致・接遇する行為を強く非難する。こうした行為は3月10日協定に明白に違反するものであり…シリア民主軍とその指導部は、こうした行為の結果に関する全面的な責任を負っている。
会議はシリア問題の国際化、外国からの干渉の呼び込み、そして制裁再課を狙う試みであり、その法的・政治的・歴史的な帰結はシリア民主軍が負うべきものである。
この会議は「新たな国民軍の中核」創設の呼びかけや、憲法宣言の再検討、行政区分の変更といった、3月10日協定と相反する提案を提示する試みであった。
この会議は、シリア政府がすでに実施に着手した義務、すなわち移行期司法委員会の設置とその活動開始、そして本年2月に政府が開始した国民対話の進展と、国を安全へと導くための過程を妨害するものである。
会議は停戦履行や機関統合の義務から逃れる行為であり、協定違反の継続であると同時に、クルディスタン地域キンディール地方から指示を受ける過激なクルド系潮流のシリア・アラブ人に対する組織的な人口構成変更政策の隠れ蓑となっている。
この動きは、シリア独立前に同国の分割を目指した会議の路線を再び踏襲するものであり、シリア政府は、かつてそのような策謀を打ち砕き独立国家を樹立したシリア国民が、今日も再びこうした企てを阻止し、自信をもって第二共和制の建設へと進むであろうことを確信している。
政府は今回の会議が現在進行中の交渉努力への打撃であったとみなし、そのためパリで予定されているいかなる会合にも参加せず、いかなる名称や名目の下でも旧体制時代を復活させようとする勢力とは交渉の席に着かない。
シリア民主軍に対し、3月10日協定の履行に真摯に取り組むよう呼びかける…。また、国際社会の仲介者に対して、すべての交渉をシリア人どうしの対話の正統かつ国民的な場であるダマスカスへ移すよう求める。

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シャルア移行期政権の関係当局は、ダマスカス・タワーズ・プロジェクトの受注したイタリア企業UBAKO I S.R.Lに関する情報の真偽確認を開始:ペーパー・カンパニーの可能性も(2025年8月8日)

ムドゥンによると、アフマド・シャルア移行期政権の関係当局は、ダマスカス・タワーズ・プロジェクトの受注したイタリア企業UBAKO I S.R.Lに関する情報の真偽確認を開始した。

イタリアの商業登記簿に記録された公的データによれば、UBAKO I S.R.Lは2022年4月8日にミラノ市で登録され、資本金はわずか1万6,000ユーロに。

経済分類ATECO 46.73.29によると、この会社の事業分野は建材の卸売業である。

財務データによれば、同社は2022年に約20万9,000ユーロの収入を計上した一方で、3,316ユーロの純損失を出している。また、登記記録では2025年時点でも従業員数は1人を超えていないことが示されている。

同社の所有者や取締役に関する公式情報は存在せず、一部の商業データベースでは、ジョヴァンニ・ロッシが最高経営責任者(CEO)、アリージア・コンティが執行役員(COO)を務めているとされるが、会社側からの公式な確認はない。

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イスラエル軍はクナイトラ県サラーム市(旧バアス市)郊外にある治安部隊施設を無人航空機で攻撃(2025年8月8日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍の無人航空機が、サラーム市(旧バアス市)郊外にある治安部隊施設を攻撃し、物的被害が発生した。

シリア人権監視団の統計によると、2025年初頭から今回までにイスラエルはシリア領内を計89回にわたり攻撃(うち79回が爆撃、10回が地上攻撃)、これにより、武器・弾薬庫、司令部、施設、車輛など約132ヵ所が損壊または破壊された。

人的被害は計54人で、その内訳は以下の通り。
・軍事作戦局および国防省関係者:24人死亡、51人負傷
・身元不明者:5人(うちレバノン人2人)
・民間人:16人死亡、3人負傷
・武装した民間人:9人死亡

爆撃の県別内訳は以下の通り:
・アレッポ県:7回
・ダマスカス県・ダマスカス郊外県:24回(民間人3人死亡〈女性1人含む〉、身元不明5人死亡〈レバノン人2人含む〉、軍人2人死亡)
・スワイダー県:17回(国防省関係者15人死亡)
・ヒムス県:8回(うち2回はシリア・レバノン国境の非公式通路を標的)
・クナイトラ県:7回(民間人1人と軍事作戦局2人死亡、1人負傷)
・ダルアー県:17回(民間人4人と軍事作戦局1人死亡、他負傷者あり)
・タルトゥース県:2回
・ラタキア県:5回(民間人1人死亡、3人負傷)
・ハマー県:2回(軍事作戦局4人死亡)
地上攻撃の内訳:
・ダルアー県:5回(武装した民間人16人死亡、他負傷者あり)
・ダマスカス県:1回
・クナイトラ県:4回

また、シリア人権監視団によると、
軍用車輛5台からなるイスラエル軍部隊が、アフマル丘の前哨基地からラフィード町とイッシャ村を結ぶ街道に侵入し、路上に検問所を設置した。

また、4輪駆動車5台からなる別の部隊がルワイヒーナ村に侵入し、臨時検問所を設置した。

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イスラエル軍は、Xを通じて、同軍、シャバク、シンベトが、レバノンのベカーア県で、シリアにおけるパレスチナ解放人民戦線(PFLP)軍事・安全部門の責任者であるムハンマド・ワッシャーフ(アブー・ハリール)を殺害したと発表した。

これに関して、PFLPもテレグラムで暗殺の事実を認めた。

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ヒムス県でシーア派男性が殺害(2025年8月8日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、数日前にハマー市のクスール地区の自宅で内務省総合治安局の巡回部隊の急襲を受けて、銃撃により負傷していた若い男性が死亡した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バーブ・トゥーマ地区とドワイラア地区を結ぶ道路上で、若い男性が車のなかで頭部を銃撃され処刑された状態で発見された。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ジュッブ・サファー村にある第33旅団付近で、身元不明の若い男性の遺体が発見された。

遺体には激しい拷問の痕跡があり、さらに身体各所に複数の銃弾を受けていた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タッル・アグル村近郊で、前日に正体不明の武装グループによって拉致されていたシーア派の若い男性の遺体が発見された。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ハナーヌー地区にあるウスマーン・ビン・マズウーン・モスクでの金曜午後の礼拝の説教中に、モスクのイマームが前共和国ムフティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師の釈放を祈願したことをきっかけに、多くの礼拝者が反発、説教を遮り、イマームをモスクから外に追い出す事態に発展した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マフカーン町で、何者かが少女を自宅前で拉致し、少女は焼かれた遺体となって町内の下水道の排水口内で発見された。

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武装グループがシャルア移行期政権支配地からユーフラテス川を渡って東岸に潜入、ダイル・ザウル県ジャズラート村にあるシリア民主軍の拠点を攻撃(2025年8月8日)

ダイル・ザウル県では、ANHAによると、シリア民主軍の広報センターは、武装グループがボートを使ってアフマド・シャルア移行期政権支配地からユーフラテス川を渡って東岸に潜入し、ジャズラート村にあるシリア民主軍の拠点をRPG弾で攻撃し、交戦したと発表した。

また、ANHAが9日に伝えたところによると、シャルア移行期政権の支配地から武装グループがユーフラテス川を渡り、東岸のフワイジャト・ファイフマート村の川岸にいた住民4人を狙撃し、負傷させた。

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シャルア移行期政権匿名筋は「北・東シリアの構成体の立場統一」会議(コンファレンス)を「極めて危険な事態悪化」と非難、現在行われている交渉過程に影響を及ぼすと述べる(2025年8月8日)

アナトリア通信は、アフマド・シャルア移行期政権の匿名筋の話として、「北・東シリアの構成体の立場統一」会議(コンファレンス)と称されるものについて、クルディスタン労働者党(PKK)、人民防衛隊(YPG)、シリア民主軍が交渉に真剣でないことを示すもので、「極めて危険な事態悪化」で、現在行われている交渉過程に影響を及ぼすと述べた。

そのうえで、シャルア暫定大統領とシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官による3月10日合意の実施に向けた真剣な提案がない場合、パリで予定されている次回の交渉を中止することも含め、政府が選択肢を検討していると明らかにした。

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「北・東シリアの構成体の立場統一」会議(コンファレンス)が開催され、シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会のガザール議長、ドゥルーズ派の最高宗教指導者であるヒジュリー師がビデオ・メッセージを送る(2025年8月8日)

ANHAによると、ハサカ県ハサカ市グワイラーン地区にある文化芸術センターで、「北・東シリアの構成体の立場統一」会議(コンファレンス)が開催された。

「我々の統合を許可する多様性と、我々の未来を築くパートナーシップのために共に」をスローガンとして掲げる会議には、北・東シリア地域のクルド人、アラブ人、シリア正教・アッシリア東方教会・カルディア派信徒、アルメニア人、トルクメン人、チェルケス人の活動家、有識者、北・東シリア地域民主自治局(アフィーン・スワイド執行評議会共同議長、フサイン・ウスマーン同共同議長、イルハーム・アフマド渉外委員会共同議長)、シリア民主軍、シリア民主評議会(ライラー・カラマーン共同議長)、スィルヤーニー連合、民主社会運動、クルド国民評議会といった政党・政治組織、女性団体などの代表者、ジャジーラ・ユーフラテス管区のマールモーリス・アムスィーフ大司教、ムルシド・ハズナウィー師、来賓ら400~500名が参加した。



冒頭、北・東シリア地域民主自治局渉外委員会のイルハーム・アフマド共同議長が挨拶を行い、会議を「戦争に対して対話で立ち向かい、周縁化に対して組織化で対抗し、相互承認・真のパートナーシップ・社会的正義に基づく民主的モデルを構築する」という諸人民の意思を生きたかたちで示すものであると述べた。

アフマド共同議長はまた、北・東シリア地域の構成体が、多様性は脅威ではなく、力の源であることを証明したとしたうえで、真の保護は外部からもたらされるのではなく、公正かつ持続可能な平和を構築しようとする共同の意思から生まれると強調し、一元的なイデオロギーによる統治の継続は危機の深刻化を招くのみだと警告した。

アフマド共同議長はさらに、会議が真のパートナーシップ、相互承認、公正な代表、真の市民権、多元性、そして民主的分権を基礎とし、国の統合と安定を保証する新しいシリアの将来像を描くための政治的かつ民衆的な必然であると述べた。

そのうえで、北・東シリア地域の代表者の本会議への参加が政治・憲法プロセスの核心をなすもので、「すべての構成体の権利を認め、その将来の構築に積極的に参加させることなしに、新しいシリアを築くことはできない」と強調した。

また、この会議が諸人民の意思から出発し、平等な市民権、排除なき包括的アイデンティティ、説明責任を負う権力、そして権利と義務の均衡という公正な基盤に基づき、国家を再建するための広範な進路に向けた出発点であると主張した。

そして、最後に、この会議がすべての人民を差別なく包摂する新しいシリアに向けた前進の一歩となり、長きにわたる専制と否認の時代を経て、政治に倫理的意味を取り戻す契機となることを願っていると結んだ。

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ANHAによると、続いて、北・東シリア地域民主自治局のフサイン・ウスマーン執行評議会共同議長が演説を行った。

演説のなかで、ウスマーン共同議長は、北・東シリア地域の経験について、「自由で民主的なシリアの建設が、シリア社会の構成体の結束と立場統一、あらゆる排除と専制の拒否によってしか実現しないことを証明するものだ」と評価、自治局が掲げる「正義、平等、分権の原則は、全ての国民を差別なく包摂する新しいシリアの将来プロジェクトの礎石である」と強調した。

また、この重要な局面においては、宗派主義や人種差別を排し、分裂や対立を生み出そうとするあらゆる試みに立ち向かい、多様性と多元性を対立の道具ではなく豊かさの力として位置づける文化を根付かせながら、全ての人を包み込むシリア国家建設のために協力する必要があると訴えた。

次にシリア民主評議会のライラー・カラマーン共同議長が演説を行い、国民が分断を超えて団結し、国家の未来に焦点を合わせるべきだとしたうえで、女性の役割について強調し、「女性の自由をヴィジョンの核心に据えない国家プロジェクトは不完全であると信じている。未来のシリア、そして差別を拒み平等を確立する公正な社会の建設に、女性がパートナーとして参加することが不可欠である」と述べた。

また、シリアにおけるヘイトスピーチの高まりや、沿岸地方およびスワイダー県での事件に懸念を表明し、これらが国を再び分断の悪循環に陥れることを目的としていると指摘、マイノリティに対するヘイトスピーチを拒否し、それを広める者を処罰するよう求め、シリアの統一と安定を確保すべきだと述べた。

さらに、3月10日に交わされたシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官とアフマド・シャルア暫定大統領の合意(3月10日合意)を支持し、その条項を迅速に履行して参加の原則に基づく新しいシリアを築くよう呼びかけた。

続いて、北・東シリア地域で活動するシリア女性評議会を代表してアミーナ・ウマル氏が演説を行い、シリアが経験してきた戦争や紛争、そしてヘイトスピーチの増大、社会的緊張の激化、宗派的扇動に焦点を当て、シリアの女性がこれまで大きな抑圧と周縁化に直面してきたこと、そして現在も意思決定からの排除と周縁化に苦しんでいることを指摘した。

ANHAによると、続いて、シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会のガザール・ガザール議長、ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部の長であるヒクマト・ヒジュリー師がそれぞれビデオ・メッセージを送った。

メッセージのなかで、ガザール議長は次のように述べた。

我々は真実が分権制または連邦制の実現にあると信じている。
この会議の開催、そしてシリア国民を結集し、その言葉を一つにまとめてシリアに利益をもたらそうとするすべての会議に、心から敬意を表する。我々は、我々全員の心を焼き尽くした不正と分断に立ち向かうため、隊列を整える必要がある。
暗黒思想がシリア人どうしを争わせ、名誉が踏みにじられ、聖域が奪われた。我々は、沿岸地方での痛ましい出来事を目の当たりにし、それは今日まで続いている。マール・イリヤース教会の爆破事件や、スワイダー県で起きていること、そしてクルド人が受けた被害も忘れてはならない。流された血は一つ、そして加害者も一つであり、その代償を払ったのは罪なき人々であった。
我々がたどり着いた現状を踏まえれば、全ての構成体の権利を排除なく保障する政治的解決を通じてしか、安全な未来への道は存在しない。我々は、宗教的・文化的特性を尊重し、各構成体の地位を守る地方分権または連邦制の実現こそが正しい道であると信じている。
我々は宗教と政治を分離した世俗国家を望んでおり、流血と戦争を止めるために互いに手を差し伸べたい。我々は急ぎ責任を担い、協働して自由と正義への道に到達しなければならない。その道こそが、国民にふさわしいシリアを築き、すべてのシリア国民の権利を守ることになるのだ。


一方、ヒジュリー師は次のように述べた。

兄弟姉妹の皆さん、多くの課題が押し寄せるこの時代にあって、我々は本日、この集いの光の下に集まり、北・東シリア諸構成体の立場統一が、戦争に疲弊した民の叫びに応えるものであることを確認する。
我々はシリアのすべての構成体に属する兄弟姉妹と共に立ち、多様性は脅威ではなく、我々の団結を強める宝であり、未来を築くパートナーシップであると強調する。この会議が、新たな道の始まりとなり、人間の自由を確立し、その人が宗派で測られるのではなく人間性で測られる祖国を築くための契機となることを願う。


ANHAによると、続いて、ジャジーラ・ユーフラテス教区のマールモーリス・アムスィーフ大司教、ヤズィード派を代表してハディーヤ・シャンムー氏、シリア正教・アッシリア東方教会・カルディア派信徒を代表してスィハーム・カリユー氏、アルメニア人を代表してアントラーニー・サイクスニアーン氏、アラブ人を代表してディヤーブ・ジーラート氏、トルクメン人を代表してムハンマド・ハムダーン氏、クルド人を代表してムルシド・ムシャウウィク・ハズナウィー師が、会議で演説を行った。

ANHAによると、会議は、閉幕声明を発表して閉幕した。

アラブ系のタイ部族評議会のハサン・ファルハーン議長が読み上げた声明では、政治構造における民族・宗教・文化の多様性の定着と、分権的統治および全構成体の実質的な参加を保障する民主的憲法の採用が必要であることが強調された。また、包括的なシリア国民会議の開催、移行期司法プロセスの開始、避難民の安全かつ尊厳ある帰還の保証、そして人口構成の変更の拒否が呼びかけられた。

声明はまた、沿岸地方、スワイダー県、さらにはキリスト教徒に対して行われている殺戮や略奪については、「人道に対する罪の域に達しており、誰であれ加害者を特定するために、公平な調査を行い、透明性と誠実さをもって取り組む必要がある。我々はこれを、国民的結束そのものに対する犯罪とみなす」と表明、北・東シリア地域における民族・宗教・文化の多様性は豊かさと力の源であると強調し、この多様性を政治・行政構造に定着させ、全ての構成体の代表権を保証することによって社会の団結を強化すべきだと訴えた。

また、「我々はシリアの統一と主権を信じており、持続可能な解決は、民族・文化・宗教の多様性を確立・強化する民主的憲法を通じて実現されると考える。その憲法は、信仰の自由、社会的公正、そして良き統治と調和しつつ、全ての構成体が政治的・行政的プロセスに真に参加できる地方分権国家の基盤を築くものでなければならない」と強調、アフマド・シャルア移行期政権による憲法宣言がシリア国民の自由と人間の尊厳に対する願いを満たしておらず、移行期においてより広範な参加と公正な代表を保証するよう再検討が必要であると考えていると主張した。

さらに、国民和解の実現には、真実の究明、説明責任、損害の回復、差別のない対応、そして再発防止を柱とする実質的な移行期司法プロセスの開始が必要であり、それによって避難民の安全で尊厳ある自発的帰還に適した環境を整え、あらゆる形態の人口構成変更を拒否することが求められると強調した。

加えて、国家・社会運営への真の参加を促進するため、再建プロセスの主導における女性・若者・市民社会の積極的な役割、および地域社会における市民的平和・対話・憎悪の排除の価値を定着させることの重要性を確認した。

そして、現行の行政区画をシリアの人口構成や開発状況に適合させ、地域社会の地理的・歴史的・文化的特性を反映させるため、見直しを行う必要性を強調した。

一方、シリア民主軍とシャルア暫定政府の間で締結された3月10日合意とロジャヴァ・クルディスタンにおけるクルドの統一と立場の一致に関する会議(コンファレンス)については、その内容を国民的合意の構築に向けた建設的な一歩として順守することが、シリア国民が祖国と共通の未来への信頼を取り戻す道であると確認した。

また、包括的な国民的プロジェクトを確立し、シリアを現下の危機から救い出すために、あらゆる国民的・民主的勢力が参加する包括的かつ包括的なシリア国民会議の開催を呼びかけた。

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スワイダー県で新たな停戦違反:ベドウィン系武装集団がニジュラーン村を攻撃し、ドゥルーズ派武装勢力と交戦(2025年8月8日)

SANAによると、ダルアー県ブスラー・シャーム市に設置されている通行所に、スワイダー県への人道支援物資を積んだ車列が到着した。

車隊の派遣は今回が7回目で、28台の貨物車輛からなり、シリア・アラブ赤新月社、国連世界食糧計画(WFP)、国連人口基金(UNFPA)、アーガ・ハーン財団が準備した物資を積んでいる。

車輛の内訳は、食料バスケット、救援物資、宿泊用の備品(マットレスや毛布など)などを積んだシリア・アラブ赤新月社の貨物車輛19台、民間商業部門の貨物車輛9台、小麦粉を積載した貨物車輛1台、軽油輸送タンク車1台。

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シリア人権監視団によると、スワイダー県では、新たな停戦違反が発生、武装集団(ベドウィン系)が北西部のニジュラーン村を中火器で攻撃し、ドゥルーズ派武装勢力と交戦、これにより双方の戦闘員2人が死亡、民家の一部が焼失するなどの物的被害が発生した。

なお、7月13日(日)朝以降のスワイダー県での戦闘、処刑、イスラエル軍の爆撃による死者数は累計1,622人に達した。

内訳は以下の通り。
・スワイダー県民:723人(民間人166人、うち子ども21人、女性56人)
・国防省・内務省総合治安局関係者:475人(うちベドウィン部族出身40人、レバノン人武装者1人)
・イスラエル爆撃により死亡した国防省・内務省関係者:15人
・イスラエル爆撃により死亡した民間人3人(女性1人、身元不明2人)
・報道関係者:2人(スワイダーでの戦闘中に死亡)
・国防省・内務省関係者による即決処刑犠牲者:401人(女性26人、子ども14人、高齢者1人を含む)
・ドゥルーズ派武装勢力による即決処刑犠牲者(ベドウィン部族出身者):3人(女性1人、子ども1人を含む)

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スワイダー24によると、サルハド市やクライヤー町など県内の複数地域で平和的な座り込みデモが行われ、アフマド・シャルア移行期政権が行った虐殺を非難するスローガンが掲げられ、同県に対する包囲の解除が求められた。

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シリア・ムスリム同胞団は現代的な文民国家をイスラームの基盤のもとに建設する過程を成功させるようシャルア移行期政権を支援することを確認(2025年8月7日)

シリア・ムスリム同胞団は、声明を出し、シューラー評議会第4回定例会議の議決について発表した。

声明は、シリア革命におけるシリア国民とアフマド・シャラア暫定大統領の勝利に祝意を示したうえで、第4回定例会議で以下を議決したと発表した。
結論した。
1. シリアの統一の確認
2. 現代的な文民国家をイスラームの基盤のもとに建設する過程を成功させるよう移行期政権を支援。
3. 移行期の正義の必要性
4. 宗派間の共生の促進
5. 独立した中道イスラーム運動として、シリア国民の尊厳と未来を守るために活動する姿勢の確認
6. イスラエルの侵略非難
7. 難民帰還の呼びかけと制裁解除要求
8. イスラエルや一部諸国が進める分離主義的計画に警告
9. イランの介入警告
10. パレスチナ支援
11. トルコへの謝意
12. カタールへの謝意
13. サウジアラビアへの謝意
14. ヨルダンなどへの謝意

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アル・モニター:トルコが、フランスの仲介によるシリア民主軍とのパリでの交渉について、シャルア移行期政権に会談を中止するよう圧力(2025年8月7日)

アル・モニターは、中東地域の当局者から得た情報として、トルコが、フランスの仲介のもと、パリで開催が準備されているアフマド・シャルア移行期政権とシリア民主軍の交渉について、フランスの後援を受けるシリア民主軍が交渉を有利に進めることを懸念して、シャルア移行期政権に対して会談を中止するよう圧力をかけていると伝えた。

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ダマスカス市の活動家グループ、一部宗教関係者、地元社会の代表による反体制声明がSNSで拡散される(2025年8月7日)

ダマスカス市の活動家グループ、一部宗教関係者、地元社会の代表による反体制声明がSNSで拡散された。

活動家の1人リヤード・カルムーズ氏がフェイスブックを通じて拡散した声明の内容は以下の通り。

ダマスカス市の活動家グループ、一部宗教関係者、地元社会の代表による声明
慈悲深く慈悲あまねきアッラーの御名において、預言者ムハンマドとその一族・教友らに祈りと平安を。
啓示の中でこう仰せられたアッラーに讃えあれ。
「秩序が定められた後、地上で悪を行ってはならない」(高壁章:59)。
こう仰せられた者に祈りと平安を。
「汝らの血、財産、名誉は、今日という日、このくに、この月と同じように神聖である」。我々、ダマスカス市の活動家、地元社会の一部名士、穏健なウラマーたちは、文明の揺籃にして、諸啓示の源である我らが古の都市ダマスカスが苛まれている事態に対する非難と悲痛な訴えとして本声明を発表する。
いまや明白となったのは、民の生活の隅々までを支配する治安の鉄槌が、もはや秩序のためのものではなく、混乱を覆い隠す仮面と化し、国民の尊厳を抹殺し、彼らの安全と生計を奪うための口実となっているという事実である。殺人、窃盗、武装強盗、商店への襲撃が蔓延し、人々は昼夜を問わず脅かされているが、それを抑える信仰の教えも、良心の呵責も、もはや存在しない。
事態はそれだけにとどまらず、異なる意見を持つ者やその方法論に従わない者を、たとえスンナ派であっても、ただイブン・タイミーヤの学派に属さず、彼らの文字通りで硬直した思想を信奉しないというだけの理由で、ことごとく不信者と見なす過激なタクフィール主義の集団が現れるに至った。背教宣告が権力を押しつける手段と化し、この寛容な宗教の本質から逸脱したものとなってしまったかのようである。
我々は公然と宣言する――現在、公共の場で破壊と混乱を引き起こしている無法なベドウィンの一部集団がおり、彼らは外国人からなるジハード主義グループや、文明をまったく顧みず、ダマスカスという都市の価値を何ら認めない一部の辺境出身者たちと結託している。彼らは私有財産を平然と略奪し、それを「戦利品」と称して正当化している。善悪の区別もなく、まるで歯止めのない無法な襲撃を行うかのように、残された人々の権利すらも侵害している。彼らには、アッラーの審判への畏れも、恥じらいも、シリアの聖なる地への敬意も存在しないのである。
本声明において我々は、この危険な堕落に対して警鐘を鳴らし、ダマスカスおよび祖国全体のすべての良識ある人々に対し、自らの道徳的・宗教的・人道的責任を果たすよう訴える。そして、このような不正に対して沈黙してはならないと強く呼びかける。
まだ耳を傾ける者が残っているのであれば、我々は、関係当局に対し、人々を守り、不正を行う者を抑止し、横暴な者の手を封じ、日増しに悪化する無秩序な状況に終止符を打つよう強く求める。
最後にアッラーの御言葉をもって締めくくりたい。
「本当にアッラーは公正と善行、そして近親に対する贈与を命じ、また凡ての醜い行いと邪悪、そして違反を禁じられる。かれは勧告している。必ずあなたがたは訓戒を心に留めるであろう」(蜜蜂賞:90)
アッラーに嘘偽りなし。

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シリア民主軍がダイル・ザウル県で、米主導の有志連合の航空支援を受けて治安作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーと見られる2人を拘束(2025年8月7日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア民主軍がハワーイジュ・ズィーバーン村で、米主導の有志連合の航空支援を受けて治安作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーと見られる2人を拘束した。

また、シリア人権監視団によると、ジャルズィー村で、ダーイシュのスリーパーセルがシリア民主軍所属の隊員1名を銃撃し、隊員は翌8日に死亡した。

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ハマー県でアラウィー派の男性が、ラタキア県でムルシド派の男性が殺害される(2025年8月7日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期政権の内務省総合治安局の隊員が、ダイル・ザウル市内で女性と3人の子どもを、軍用車輌でひき殺した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、アズィーズィーヤ村で、アラウィー派の若い男性が自宅内で銃撃を受け死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、2月にヒムス市内でアフマド・シャルア移行期政権の治安当局によって逮捕されていた男性の死亡が確認された。

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タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、シースィニーヤ村で若い女性の技師が首を絞められ、さらに首の骨を折られるという残虐な方法で殺害された。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、サラーフッディーン城で、ムルシド派の30歳代男性の遺体が発見された。

遺体には鋭利な凶器による打撃と損壊の痕が残されていた。

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シリア人権監視団はアサド政権が崩壊した2024年12月8日以降の8ヵ月で暴力、違反行為、戦闘などによって死亡した犠牲者が9,889人に達していると発表(2025年8月7日)

シリア人権監視団は、バッシャール・アサド政権が崩壊した2024年12月8日から8ヵ月が経つのに合わせて、この間(2024年12月8日~2025年8月6日)の暴力、違反行為、戦闘などによって死亡した犠牲者が9,889人に達していると発表した。

このうち7,449人は民間人で、子どもの犠牲者は396人、女性は541人に及んでいるという。

犠牲者数の内訳は以下の通り。
2024年12月8日〜同年末:2,354人
・民間人:1,894人(男性1,839人、女性21人、子ども34人)
・非民間人:460人
2025年1月:1,122人
・民間人:679人(男性480人、女性146人、子ども53人)
・非民間人:443人
2025年2月:603人
・民間人:435人(男性347人、女性46人、子ども42人)
・非民間人:168人
2025年3月:2,644人
・民間人:2,069人(男性1,828人、女性144人、子ども97人)
・非民間人:575人
2025年4月:452人
・民間人:352人(男性287人、女性40人、子ども25人)
・非民間人:100人
2025年5月:428人
・民間人:295人(男性227人、女性19人、子ども49人)
・非民間人:133人
2025年6月:391人
・民間人:360人(男性304人、女性31人、子ども25人)
・非民間人:31人
2025年7月:1,733人
・民間人:1,225人(男性1,076人、女性89人、子ども60人)
・非民間人:508人
2025年8月6日まで:162人
・民間人:140人(男性124人、女性5人、子ども11人)
・非民間人:22人

民間人死亡の状況は以下の通り。
・無差別発砲・戦闘:320人(男性235人、女性26人、子ども59人)
・その他:28人(男性21人、女性2人、子ども5人)
・シリア国民軍によるもの:19人(男性15人、女性3人、子ども1人)
・原因不明:1,750人(男性1,730人、女性10人、子ども10人)
・劣悪な生活環境によるもの:子ども1人
・車輌爆弾によるもの:55人(男性30人、女性22人、子ども3人)
・軍事作戦司令部(の刑務所での拷問死:男性50人
・シリア国民軍派閥の刑務所での拷問死:男性2人
・ダーイシュ(イスラーム国)によるもの:34人(男性32人、女性2人)
・イスラエルの砲撃によるもの:32人(男性31人、女性1人)
・トルコの砲撃によるもの:129人(男性90人、女性10人、子ども29人)
・ヨルダン国境警備隊の銃撃によるもの:男性4人
・トルコ治安部隊(ジャンダルマ)の銃撃によるもの:2人(男性1人、子ども1人)
・地雷・爆発物の爆発によるもの:58人(男性39人、女性7人、子ども12人)
・シリア民主軍によるもの:17人(男性7人、女性3人、子ども7人)
・シリア民主軍の刑務所での拷問死:男性1人
・殺人事件によるもの:381人(男性294人、女性64人、子ども23人)
・正体不明の者による銃撃:590人(男性538人、女性28人、子ども24人)
・軍事作戦司令部による銃撃:866人(男性784人、女性58人、子ども24人)
・戦争残存物によるもの:571人(男性383人、女性38人、子ども150人)
・身元・所属を理由とする処刑(虐殺):2,535件

元・所属を理由とする処刑(虐殺)の月別の内訳は以下の通り。
・2024年12月8日〜同年末:141件
・2025年1月:74件
・2025年2月:60件
・2025年3月:1,726件
・2025年4月:75件
・2025年5月:41件
・2025年6月:46件
・2025年7月:300件
・2025年8月6日まで:72件

非民間人死者(2,440人)の内訳は以下の通り。
・ダーイシュ(イスラーム国)構成員:29人
・軍事作戦司令部の構成員:1,010人
・シリア民主軍および関連軍事組織:268人
・反体制武装勢力・イスラーム勢力:630人
・地元武装勢力:374人
・旧政権軍の元軍人:83人
・その他:22人
・イラン系外国人武装勢力:10人
・トルコ人戦闘員:8人
・ジハード主義者:6人

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トルコのフィダン外務大臣がシリアを突如訪問し、シャルア暫定大統領、シャイバーニー外務在外居住者大臣と会談:トルコ国防省報道官は、シリア民主軍がスワイダー県での衝突を受けるかたちで活動を活発化させていると批判(2025年8月7日)

SANAによると、トルコのハカン・フィダン外務大臣および随行団をシリアを突如訪問し、首都ダマスカスでアフマド・シャルア暫定大統領、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣と会談した。

会談では、地域および世界情勢の進展や、さまざまな分野における二国間協力の強化方法について協議が行われたという。

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TRTハベルによると、トルコ国防省のトゥーアミラル・ゼキ・アクテュルク報道官は、定例記者会見で、シリア民主軍が3月10日にアフマド・シャルア移行期政権と交わした合意に従って行動しておらず、スワイダー県での衝突を受けるかたちで活動を活発化させており、アレッポ県のマンビジュ市郊外などで移行期政権軍への攻撃を行っていると批判した。

そのうえで、「トルコはシリアの政治的一体性と領土保全を引き続き支持しており、シリア政府のテロ組織との戦いに対して、要請に応じて訓練・助言・技術支援などの形で引き続き支援を提供していく」と強調した。

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『デイリー・サバフ』によると、与党公正発展党(AKP)のオメル・チェリク報道官は、会談が行われた8月7日の記者会見で、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)が主導するシリア民主軍や北・東シリア地域民主自治局が、米国主導のもとで推し進められているシリアの移行期において統合的な国家機関の構築を妨げ、シリアの領土保全への直接的脅威となっているとしたうえで、シリア北東部におけるPYDの自治を「実のところ帝国主義的およびシオニズム的アジェンダの隠れ蓑にすぎない」と厳しく非難した。

それだけでなく、チェリク報道官は、スワイダー県の情勢に言及し、ドゥルーズ派による自治体制構築に向けた動きを「挑発的かつ便乗的な行動」と指弾、「スワイダー県からシリア民主軍の支配地に向けて回廊が開かれることを許すことはない」と伸べ、イスラエルによるシリア領内での勢力伸長に対して警戒心を露わにした。

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内務省はイドリブ県でイラク人からなるダーイシュのテロ細胞を摘発したと発表(2025年8月7日)

内務省はフェイスブックを通じて、イドリブ県内務治安部隊司令官のガッサーン・ムハンマド・バキール准将の声明を発表した。

声明の内容は以下の通り。

イドリブ県内務治安部隊は、総合情報機関と協力し、イドリブ県ハーリム郡で、ダーイシュ(イスラーム国)に属するテロ細胞を標的とした高度な治安作戦を実施した。
この作戦により、テロ細胞は完全に壊滅され、その構成員が以下の暗殺事件に関与していたことが判明した。
・サルキーン市における3件の暗殺
・イドリブ西部のアズマリーン村での1件の暗殺
・イドリブ北部のカフティーン村での1件の暗殺
これらの被害者はいずれもイラク国籍の人物であった。
作戦中、特殊任務部隊は、大量の武器が保管された武器庫を発見・押収した。そこには以下のような装備が含まれていた。
・自爆用ベスト
・爆発物各種
・狙撃銃
・軽機関銃
・迫撃砲弾
・爆薬
・製造および爆弾仕掛け専用の作業場
これらすべてが押収された。
我々は、シリア全土の国民の皆様に対し、国家と国民の安全を脅かすいかなる者に対しても断固として立ち向かうとの国家的責務を、揺るぎない決意と共に遂行し続けることを、改めてお伝えする。

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スワイダー県の軍事作戦司令室の幹部:「国際的保護とスワイダー県で発生した事件に関する調査委員会設置のため、米国およびイスラエル双方と調整している」(2025年8月7日)

スワイダー県の軍事作戦司令室の幹部の1人ターリク・マグーシュ氏は、『シャルク・アウサト』の取材に応じ、そのなかで、同評議会が、国際的保護と、7月にスワイダー県で発生した事件に関する調査委員会設置のため、米国およびイスラエル双方と調整していると述べた。

また、イスラエルとの「良好な関係」を強調し、それを「地域の重要なプレーヤー」と見なし、「スワイダー県への攻撃を防ぐ上で重要な役割を果たしてきた。我々はその保護を求める」と高く評価した。

この発言は、アフマド・シャルア移行期政権の司法省がスワイダー県での事件を調査する委員会を設置したのに対抗したもの。

マグーシュ氏は、シャルア移行期政権の調査委員会の受け入れ拒否を改めて強調し、「委員会は住民全体から拒否されている」としたうえで、軍事作戦司令室が調査委員会の活動を「違法」とみなし、立ち入りを拒否すると表明、活動阻止は「礼儀正しく」行い、「スワイダー県での活動は禁止されており、来た場所へ戻るよう伝える」と述べた。

マグーシュ氏によると、「軍事作戦司令室」は、シャーム解放機構を主体とするシリア北西部の反体制派が「攻撃抑止作戦」を開始したのに呼応して結成され、バッシャール・アサド政権の打倒に参画し、スワイダー県を解放した勢力。

マグーシュ氏自身は、ドゥルーズ派の最高宗教指導者のヒクマト・ヒジュリー師の事務所に属し、彼と直接的な関係を持ち、同師から複数の案件を任されているという。

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アフマド・シャルア移行期政権の司法省の高官筋はドゥルーズ派の高等法務委員会に名を連ねた判事らの違反行為を調査し、適切な措置を講じると表明(2025年8月7日)

アフマド・シャルア移行期政権の司法省の高官筋は報道声明を発表し、ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部が設置した高等法務委員会に名を連ねた判事らを、司法監察局に送致し、調査を行い、判事に課せられた義務に違反する行為への関与が確認された者に対して、司法権法の規定に基づいて、適切な措置を講じると表明した。

SANAによると、報道声明の内容は以下の通り。

SNS上で、スワイダー県に地元評議会が設立されたとの情報が拡散されており、その筆頭に「高等法務委員会」と称する組織がある。この組織は、行政、治安、サービスなどにかかる他の委員会を設立する複数の決定を出し、その構成メンバーには次の判事が含まれている。ムハンナド・アブー・ファウール、アイマン・ハルフーシュ、ムフィード・アンマーシャ、イサーム・アッラーウィー、シャーディー・ムルシド、ムウタッズ・サーイグ。
上記判事らは「委員会」のなかで活動を開始したが、それは司法権法の規定、とりわけ第78条以降が定める判事に課せられた義務に違反する行為である。これらの条文は、判事が司法職と他の職業、あるいは本人または代理人を通じて行う副次的な業務を兼ねることを禁じており、さらに政治的意見や志向を表明すること、政治活動への従事を禁じている。
上記判事らが開始した活動は、純粋に政治的なもので、国益に反し、分裂や分離の呼びかけを助長するものである。しかも、それは高等司法評議会以外の主体からの委任を受けて、判事ら自身が遂行したものである。また、イフラース・ダルウィーシュ判事、フザーマ・マスウード判事といった他の判事もこれらの活動に関与している可能性が伝えられている。このため、これらの判事を司法監察局に送致し、告発内容について調査を行い、関与が確認された者に対して適切な措置を取ることとした。

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シリア・アラブ赤新月社は、フェイスブックを通じて声明を出し、メソポタミア救援開発協会によるスワイダー県への人道支援物資提供を拒否した理由について、信頼性を保つために、物資の品質や消費期限を必ず確認しており、支援物資の輸送において事前の内容把握が必要であるためだと説明した。

シリア・アラブ赤新月社は、メソポタミア救援開発協会がスワイダー県に提供しようとしていた貨物車輛2台分の物資を、同社の倉庫で積み替えたが、メソポタミア救援開発協会がこれに応じなかったという。

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イスラエル軍がラタキア県ジャブラ市近郊の第107旅団基地を爆撃(2025年8月6日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ジャブラ市近郊に位置する第107旅団で、複数回の爆発が発生した。

ムラースィルーンなどによると、爆発はイスラエル軍の爆撃によるもの。

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