シャルア移行期政権の支配下にあるダイル・ザウル市とマヤーディーン市を結ぶ道路でバスがダーイシュによって仕掛けられたと見られる爆弾による攻撃を受け、15人あまりが死傷(2025年10月16日)


ダイル・ザウル県では、SANAによると、石油施設の警備員および職員を乗せたエネルギー省の送迎バスがアフマド・シャルア移行期政権の支配下にあるダイル・ザウル市とマヤーディーン市を結ぶ道路上を走行中、何者かが仕掛けた爆弾が爆発、これにより、石油施設警備員4人が死亡、職員および民間人9人が負傷した。

シリア人権監視団によると、標的となったのはエネルギー省の送迎バスではなく、国防省所属部隊の軍用バスで、5人が死亡、7人が負傷した。

爆発は、ダイル・ザウル市とマヤーディーン市を結ぶ幹線道路沿線のサアルー村付近で発生、爆発物を仕掛けたのは、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルの可能性が高いという。

**

なお、シリア人権監視団によると、今月2日には、国防省第86師団所属の兵士を乗せた小型トラックが、同じくダイル・ザウル市とマヤーディーン市を結ぶ街道沿線のトゥーブ村交差点付近で同様の攻撃を受け、2人が負傷している。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県アブー・ハマーム市でゼノビア女性集会センターが何者かによって放火される(2025年10月15日)


ダイル・ザウル県では、ANHAシリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるアブー・ハマーム市で、ゼノビア女性集会センターが何者かによって放火された。

一方、シリア民主軍シリア人権監視団が16日に発表したところによると、シリア民主軍の特殊部隊が米主導の有志連合の支援を受け、10月15日にアブリーハ村とスブハ村で実施した治安作戦でダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルのメンバー3人を逮捕した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルがカラーマ村にある北・東シリア地域民主自治局内務治安部隊(アサーイシュ)の検問所を襲撃、アサーイシュが応戦し、銃撃戦となり、ダーイシュのメンバー1人が死亡した。

しかし、シリア人権監視団によると、銃撃戦に民間人2人が巻き込まれて、死亡した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スワイダーでシャルア移行期政権の部隊の支配下にある故郷への帰還を求めるデモ(2025年10月15日)

スワイダー県では、スワイダー24シリア人権監視団によると、スワイダー市内のウムラーン広場で平和的デモが行われ、参加者は「帰還は権利だ…我々は土地を手放さない」となど書かれた横断幕を掲げ、アフマド・シャルア移行期政権の部隊の支配下にある故郷への帰還、すべてのテロ組織および武装勢力の撤退、拉致された男女全員の即時解放、被害を受けた村の住民への補償、民間人への犯罪・人権侵害に関与した者の処罰、テロと暴力のない、公正と平和に満ちた安全な未来のために、国家的・社会的努力を結集することを訴えた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ANHA:10月7日に米国の仲介でシャルア移行期政権の軍部隊とシリア民主軍が停戦に合意して以降、移行期政権側の6件の停戦違反を確認(2025年10月15日)

ANHAは、10月7日に米国の仲介でアフマド・シャルア移行期政権の軍部隊とシリア民主軍が停戦に合意して以降、移行期政権側の6件の停戦違反が確認されたと伝えた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュのスリーパーセルがダイル・ザウル県のバフラ村とシャアファ村にあるシリア民主軍の拠点をRPG弾などで攻撃(2025年10月14日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団が15日に発表したところによると、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルがバフラ村とシャアファ村にあるシリア民主軍の拠点をRPG弾などで攻撃した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア人権監視団:シリア民主軍・アサーイシュとシャルア移行期政権の会合で、シリア民主軍を3個軍団としてシリア軍に編入し、北・東シリア地域民主自治局の支配地域に展開させる案が示される(2025年10月14日)

シリア人権監視団は、独自筋から得た情報として、シリア民主軍・北・東シリア地域民主自治局内務大臣(アサーイシュ)とアフマド・シャルア移行期政権との間で行われた会合の中で、シリア民主軍の将兵から構成される3個軍団をシリア軍の部隊として編入し、北・東シリア地域民主自治局の支配地域に展開させるとの提案が示されたと発表した。

また、シリア民主軍の幹部が、シリア軍の参謀本部および国防省の要職に就任する人事案についても協議が行われたという。

**


民主統一党(PYD)の執行委員会メンバーであるファウザ・ユースフ氏は、ウェラト通信のインタビューに応じ、そのなかで、シリア民主軍の存在がシリア軍の一部として統合されれば、シリア全土への奉仕が可能になると述べる一方、クルド人の「民主的統一(Yekîtiya demokratîk)」が実現すれば、今世紀は「クルドの世紀」になるだろうと語った。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア地域民主自治局の民主諸人民議会は通常会を開催し、環境保護法を承認(2025年10月14日)


北・東シリア地域民主自治局(フェイスブック)によると、同自治局の意思決定機関である民主諸人民議会(国会に相当)は、第118回通常会を開催し、環境保護法を承認した。

通常会ではまた、カナアーン・シャイフムース・バラカート氏が、ファリード・アティ氏に代わって同議会の共同議長として信任されたほか、アフマド・ムハンマド・フドル氏、ウマル・バルカル・バルカル氏、ハリール・ムハンマド・ブーザーン氏が新たに議員に任命され、アビール・ハーッジ・アブドゥッラー氏が殉教者負傷者戦争捕虜家族評議会の共同代表に選出された。

環境保護法は、4部、7章、79条からなり、以下の内容を網羅している。

・法の定義および目的
・行政機構の構造
・環境影響評価
・環境モニタリング
・大気・土壌・騒音などの環境汚染防止
・生物多様性の保護
・植生および植林
・自然資源の管理
・環境査察、統計および環境計画
・違反および罰則の規定

(C)青山弘之 All rights reserved.

スワイダー県ではイラー村出身の国民防衛部隊の隊員が勤務先に向かっていた際に何者かの銃撃を受けて死亡(2025年10月14日)

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、イラー村出身の国民防衛部隊の隊員が勤務先に向かっていた際、何者かの銃撃を受けて死亡した。

**

スワイダー24によると、シャフバー町では、アフマド・シャルア移行期政権によって拉致連行された住民の家族らが、消息の解明と釈放を訴えてデモを行った。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会はアラウィー派への攻撃を非難、移行期政権の責任を追及(2025年10月13日)

シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会の調整渉外局は、フェイスブックを通じて声明を出し、アラウィー派の惨状を告発、アフマド・シャルア移行期政権を非難した。

声明では、「事実上の支配者」である「アブー・ムハンマド・ジャウラーニー(本名:アフマド・シャルア)」が、シリア国民、特にアラウィー派に最低限の安全すら確保できず、完全に破綻しているなかで、移行期政権に属する一部の勢力が、ガザール・ガザール議長を貶め、宗派内部に分裂を引き起こそうとしていると非難、以下の通り表明した。

1. 治安の崩壊と、アラウィー派を宗派的動機によって標的とする体系的な攻撃を最も強い言葉で非難し、移行期政権の全面的な責任を追及する。
2. 宗派間の分裂を煽るあらゆる試みを拒否する。
3. 国際社会および国連機関に対し、形だけの声明ではなく実効的な行動による介入を強く求める。
4. 国民が自らの自由意思に基づいて自衛のために取るいかなる行動も全面的に支持し、それを民衆の意識と団結の証とみなす。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュのスリーパーセルがラッカ県タッル・サマン村でシリア民主軍の軍用車輛を襲撃し、兵士1人死亡(2025年10月13日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、オートバイに乗った2人組のダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルのメンバーが、タッル・サマン村でシリア民主軍の軍用車輛を襲撃し、兵士1人が死亡、1人が負傷した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主軍のアブディー総司令官:シリア民主軍とアサーイシュをシャルア移行期政権の軍・治安部隊に統合するための予備的合意に至った(2025年10月13日)

シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官は、AFP(フランス24による転載)のインタビューに応じ、そのなかでシリア民主軍や北・東シリア地域民主自治局内務治安部隊(アサーイシュ)をアフマド・シャルア移行期政権の軍・治安部隊に統合するための「予備的合意」に至ったことを明らかにした。

ハサカ県ハサカ市内の基地で10月12日に行われたインタビューのなかで、アブディー総司令官は以下の通り述べた。

今回のダマスカスでの会談で新しかったのは、合意の実施を加速させようという共有された決意と強い意志だ。
最も重要な点は、国防省と内務省の枠組みの中でシリア民主軍と治安部隊を統合する仕組みについて、予備的な合意に到達したことだ。
シリア民主軍は国防省の傘下でいくつかの部隊に再編される…。だが、一部では依然として意見の相違が残っている。
我々はシリアの地方分権制度を求めているが、この点についてはまだ合意に至っていない。すべての当事者が受け入れ可能な共通の形式を模索している。
シリアの領土的一体性、国家の象徴の統一、政治的意思決定の独立、そしてテロリズムとの闘いについては意見が一致している。
シリアが再び戦争の時代に戻るべきではなく、安定と安全が必要であるという点では全員の意見が一致している。これらの要素があれば、恒久的な合意に到達できると信じている。
(憲法宣言について)一部条項の修正や追加、特にクルド民族の権利を憲法上で保障する条項の明記を要請した…。この件については前向きな反応があり、近く実現することを期待している。
(シャルア移行期政権との)交渉の成否はトルコの役割に大きく依存している。トルコが支援的かつ建設的な役割を果たしてくれることを望んでいる。
まだ石油問題については協議していないが、今後の会談で必ず取り上げられる…。北・東シリアの石油を含む地下資源はすべてシリア国民全体に属するものであり、その収益はすべてのシリア諸州に公平に分配されなければならない。

**


ANHAによると、シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官は、スィリー・カーニヤ(ラアス・アイン)避難民委員会の代表団と会談し、キャンプ内外で暮らす国内避難民(IDPs)の要望や2019年のトルコ軍侵攻による避難以降続いている苦難を訴える声を聴取した。

会談のなかで、アブディーアブディ総司令官は、「避難民の帰還はシリア民主軍の政策における最優先事項である」と改めて強調した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主軍とアサーイシュの代表団が首都ダマスカスを訪問(2025年10月13日)


ANHAによると、北・東シリア地域の軍・治安代表団が、アフマド・シャルア移行期政権の国防省・内務省の関係者と安全保障・軍事分野の案件について協議するため首都ダマスカスに入った。

代表団のメンバーは次の通り:

・スーズダール・ハーッジー(シリア民主軍総司令部メンバー)
・シーバーン・ハンムー(シリア民主軍総司令部メンバー)
・アブジャル・ダーウード(シリア民主軍報道官)
・シャーキル・アラブ(シリア民主軍司令官)
・ディーラル・フサイン・タンムー(北・東シリア地域内務治安部隊(アサーイシュ)司令官、少将)
・アリー・ハドル・ハサン(アサーイシュ司令官、少将)
・ムスタファー・マフムード・ダリー(アサーイシュ司令官、少将)・
・アーフー・アイリユー・ラフドゥー(アサーイシュ司令官、少将)
・アリーン・ムスタファー(北・東シリア民主自治局内務委員会共同議長代理)

(C)青山弘之 All rights reserved.

光の男たちジャワード連隊、シリア・イスラーム抵抗戦線(ウーリー・バアス)はシャルア移行期政権によるマイノリティ宗派抑圧を非難(2025年10月12日)

光の男たちジャワード連隊は、フェイスブックを通じて声明を出し、沿岸部において「テロ権力」(アフマド・シャルア移行期政権)がアラウィー派に対する虐殺、投獄、強姦、信仰の象徴の破壊、焼き討ち、拉致を続けていると非難、「我らの傷に対する忍耐はもはや理性的な限度を超えた」としたうえで、「シリアのアル=カーイダの権力」を拒否すると宣言、「真に正義を信じ、善と正義を道とするすべての者」に対して「テロ権力」に対する全面拒絶を宣言し、エスニック・クレンジングを停止させるために行動するよう呼び掛けた。

**

シリア・イスラーム抵抗戦線(ウーリー・バアス)は、テレグラムを通じて声明を出し、シャルア移行期政権による人権侵害、とりわけ宗派マイノリティの迫害と社会分断の企てを非難、「社会の結束を破壊しようとするあらゆる勢力に対抗するために団結」を保ちつよう呼び掛けた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主軍のアブディー総司令官:「我々がラッカやダイル・ザウルから撤退することはあり得ない」(2025年10月11日)

シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官は、ロナヒ・チャンネルのインタビューに応じた。

ロナヒ・チャンネル(テレグラム)は、インタビューでのアブディー総司令官の主な発言を以下の通り速報として伝えた。
・トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使、米中央軍(CENTCOM)のブラッド・クーパー司令官(提督)の訪問は、北・東シリアとの協力関係が継続していることを確認するものである。
・ハサカでの会合において、シーザー・シリア市民保護法(シーザー法)解除の支持を表明した。
・同会合では、ダマスカスがテロ対策に加わる問題についても協議した。
・ダマスカスで一連の会合を開催した。
・最近、ダマスカスにおいて複数の課題に関して暫定的合意に達した。
ダマスカスで国防相および情報局長と個別に会談した。
・直近のダマスカス会議では全面的な停戦で合意した。
・ダマスカスとの高レベル対話を継続することで一致した。
・地方分権の原則については理解を共有しているが、用語の解釈に相違がある。
・自治行政の代表団が近くシリア各県を訪問する予定である。

・3月10日合意の条項をシリア憲法に組み込むための調整が進行している。
・今後、憲法改正を議題とした会合が開催される予定である。
・シリア民主軍を国軍に統合する件で口頭による合意に達した。
・ダマスカスはシリア民主軍の経験を活かす意向を示している。
・我々の軍事委員会代表団が近くダマスカスを訪問する予定である。

・内務治安部隊は、我々の部隊と同様に内務省に統合される予定である。
・ダマスカスに向かう軍事委員会には、内務治安部隊の代表も含まれる。
・軍事・治安面での理解が成立しており、詳細は現在協議中である。
・ダマスカスは近くダーイシュ(イスラーム国)との戦いhに参加する可能性がある。
・ダマスカスの対ダーイシュ戦参加は、制裁解除の条件の一つである。

・ワシントンは、我々とダマスカスの間で共同対ダーイシュ部隊を設立することを提案した。
・我々は米国の提案を受け入れ、対ISIS戦を続行する。
・この戦いを全国的な規模に発展させることを目指している。
・ダマスカスには避難民の帰還を促す必要があることを強調した。
・アフリーン住民に安全な帰還への備えを呼びかける。
・スィリー・カーニヤ(ラアス・アイン)およびギレ・スピ(タッル・アブヤド)の住民の帰還を進めている。
アフリーンに滞在するシェイフレルおよびダイル・ザウル出身者も、それぞれの故郷に戻ることができる。

・シャイフ・マクスード地区およびアシュラフィーヤ地区の問題は、我々にとって戦略的最優先課題である。
・ワシントンと国際有志連合は、この二地区の問題に強い関心を示している。
・4月1日に署名されたアレッポ合意は実際に履行されるべきである。
・シャイフ・マクスードとアシュラフィーヤの住民および部隊の忍耐を称賛する。
・クルド人の権利をシリア憲法に明記することを目指している。
・クルド代表団が近くダマスカスを訪問する予定である。

・ラッカ、ダイル・ザウル、ハサカの問題は、シリアの統治制度のあり方と密接に関連している。
・我々がラッカやダイル・ザウルから撤退することはあり得ない。
・今後の会議には、ラッカおよびダイル・ザウルの代表が参加する予定である。
・ダマスカスでは、シリア人同士による政治的解決の必要性を強調した。
・トルコがダマスカスとの合意を実施する意志があるなら、我々はその支援も可能である。
・我々とトルコの連絡チャンネルは現在も開かれている。

なお、インタビューは、10月12日に放映された。

 

(C)青山弘之 All rights reserved.

ムワッヒド・ドゥルーズ精神指導部はヘブライ語の「バシャン」山という用語を初めて用いて国際社会に支援を要請(2025年10月11日)

ムワッヒド・ドゥルーズ精神指導部は、フェイスブックを通じて声明を発表し、「ジャバル・バシャン」(バシャン山)で未曾有の人道危機が進行しているとして、国際社会に緊急支援を要請した。

声明の内容は以下の通り。

慈悲あまねく慈愛深き神の御名において
国際連合事務総長殿
国連安全保障理事会議長および各国理事殿
国連人権高等弁務官殿
国連欧州連合代表団議長および各国代表殿
アラブ連盟各国代表殿
アムネスティ・インターナショナル、赤十字国際委員会殿
ならびにすべての国際機関および世界各国の皆さん
我々は精神指導部として、この緊急人道的訴えを発信する。この訴えは、あらゆる宗派を包摂するバシャン山の我らが民の声と苦難を届けるものである。我々は、数ヵ月にわたり民間人の命を脅かし、尊厳ある生活を窒息させる全面的で過酷な包囲のもとに置かれている。この地はかつて、平和と共存の象徴であり、すべての人を受け入れてきたもてなしの地でしたが、今やその姿は失われつつある。
尊敬する皆さんへ、我々の平穏な山岳地域は、現在、あらゆる面での完全な封鎖にさらされている。食料、医薬品、水、燃料、そして移動の自由までもが遮断された。わずかに届く限定的な国際支援は人々を救うには到底不十分であり、当局はそれを宣伝目的で利用して真実を覆い隠している。報復への恐怖から発言の自由は失われ、人々は沈黙を強いられている。その結果、我々は前例のない人道的大惨事に直面している。
現状は次の通りである:
・政府職員や契約職員への給与・年金が恣意的に停止されている。
・公的機関は、インターネット網の遮断と文書発行の禁止により完全に麻痺状態である。
・大学生は宗派的扇動と前例のない脅迫、暴行のために復学できない。
・学校の生徒たちも教育を継続できない状態に置かれている。
・数多くの家族が恒常的な恐怖の中で暮らしており、停戦違反が続発している。
・北西部を中心に35以上の村が占拠されている。
・工場、製粉所、搾油所、病院、燃料スタンド、穀物・食料倉庫といった重要施設が破壊・略奪されている。
・燃料の搬入が意図的に阻止され、生産・輸送・医療活動が停止している。
・医師・看護師の殺害、医療施設の破壊により医療体制は崩壊し、薬剤不足や医療機器の損壊で多くの患者が死亡している。
我々は山の中の巨大な監獄に閉じ込められている。住民の移動は制限され、監視され、脅迫されている。村々は占拠され、食料も資金も原材料もなく、電気・電話・インターネットも断続的に遮断されている。これは計画的な圧力と組織的な抹殺の試みである。
生活状況は極めて困難で、悪化の一途をたどっている。権力者たちは忠誠と引き換えに食料を与え、内部紛争を煽って住民同士を争わせようとしている。それは、飢餓による服従か死か、という恐るべき政策である。彼らはメディアを利用してこの人道犯罪を覆い隠そうとしているが、現実は明らかである。
にもかかわらず、我らが山の民は停戦合意と国際条約を遵守してきた。今こそこの不当な包囲を解除し、国際法および国際刑事裁判所にかかるローマ規程、ならびに国際人道慣習法を適用して、我々の民に対して犯罪を続けている暫定政府を裁く時が来た。さらに、その民兵や構成員、武装組織の手先らが停戦を継続的に破り、公開の場で目撃された犯罪や侵害のすべてについても、彼らに罰を与えるべきである。山岳地帯に到達することができたあらゆるメディアおよび国際機関は、この地の住民たちが味わっている痛ましい苦難と、彼らに対して行われた虐殺や人権侵害の実態を、実際に目撃し、確認し、報告し、公開した。
尊敬なる皆さんへ、バシャン山の住民が直面している現状は、ジュネーブ諸条約の規定に基づく国際人道法の明白な違反であり、国際刑事裁判所にかかるローマ規程に照らせば、集団虐殺罪および人道に対する罪に該当する行為である。我々は、これらの違反について、暫定政府およびその傘下の民兵組織に全面的な責任があるとする。そして、国連、安保理、ならびに国際社会に対し、倫理的・法的責務に基づき、迅速に行動を起こすよう求め、以下の措置を講じるよう呼びかける:
1. バシャン山に課された包囲の即時解除および安全な人道回廊の確保。
2. 民間人に対する犯罪・侵害の責任者の国際法廷での裁判。
3. 占拠中の武装勢力に対し、被災した山岳地域の村からの完全撤退を義務づけること。行政境界に基づき、すべての占領地を返還し、本年7月以降の停戦条項を履行すること。
4. 国際人道回廊を開設し、救援物資の搬入および外部世界との安全な通信を確保すること。
5. 国連の監督下で、山岳地域の住民が自己決定権を行使できるよう早急に実現すること。これにより、彼らの自由・尊厳・宗教的・文化的・存在的安全が保障され、国際的な監視と保護のもとに置かれること。
また、我々の民、在外の子弟、そして世界各国や周辺諸国に住む同胞たちに心から感謝の意を表する。彼らは、この試練の中で我々を支えてくれた。そして、我々の民に対しても、この苦難を忍耐と不屈の精神で乗り越えるよう呼びかけたい。この試練は、家族の結束と人道的・国際的支援の力によって、近いうちに終わりを迎えるであろう。
最後に、我々の大義に寄り添い、支援を惜しまなかったあらゆる国・団体・個人に深甚なる感謝を捧げる。同時に、我々に対する犯罪を目撃しながら沈黙を保った者たちに対しては、痛恨と失望の念を禁じ得ない。
我々は明言する。犯罪の前での沈黙は、犯罪への加担である。そして、我々が求める正義とは、誰かの恩恵ではなく、生まれながらに持つ当然の権利である。
アッラーの御加護を願い、平和のバシャン山より、平安の祈りをもって。
バシャン山カナワート 2025年10月9日

**

イナブ・バラディーによると、ドゥルーズ派が「スワイダー」、「ジャバル・アラブ」(アラブ山)ではなく、「ジャバル・バシャン」(バシャン山)という用語を用いるのはこれが初めて。

バシャンは、アラブ山のヘブライ語名で、「平坦な地、なだらかな土地」を意味する。

同地は古代カナンの地(紀元前3000年~前1200年に栄えた文明)の一地方で、ヨルダン川東岸のヘルモン山(シャイフ山)とギルアド(現在のヨルダン北西部のアジュルーン山地)との間に位置していた。

旧約聖書の詩篇では、「神の山」、「バシャン山」「峰の多い山」などと記されている。

『聖書百科事典』によれば、バシャンは「ハウラーン地方、ゴラン高原、ラジャート地方を含み、いずれも火山性の岩石と土壌からなり、極めて肥沃で水資源が豊富である。小麦、大麦、ゴマ、トウモロコシ、レンズ豆、アルファルファなどが栽培されていた」と記されている。

同百科事典によると、北はダマスカス、東はシリア砂漠、南は「ギルアドの地」、西はヨルダン渓谷に接しており、東側には「ドゥルーズ山」が走っている。この「ドゥルーズ山」が古代の「バシャン山」である。

バシャンという名は旧約聖書の中で約60回言及されている。

なお、イスラエルはバッシャール・アサド政権崩壊後に開始したシリアへの軍事作戦を「バシャンの矢」と名づけ、これまでに約1000回の爆撃を実施し、シリアの軍事能力の約80%を破壊した。また、シリア領内で約400回の地上侵入作戦を行っている。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スワイダー県シャフバー町、スワイダー市で自決権尊重を求めるデモ(2025年10月11日)

スワイダー県では、スワイダー24によると、シャフバー町中心部に市民数百人が市中心部の広場に集まり、「感謝」(イムティナーン)」と銘打って抗議デモを行い、自決権の尊重を求めるスローガンを書いたプラカード、犠牲者や行方不明者の写真を掲げて行進した。

**

スワイダー24によると、スワイダー市のカラーマ広場でも、抗議デモが行われ、「我々は村を捨ててはいない。どれほど時が経とうとも、村は私たちのものだ」などと書かれた横断幕を掲げた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャルア移行期政権の部隊(シリア軍)所属の自爆型無人航空機2機がスワイダー県で国民防衛部隊の検問所を攻撃(2025年10月11日)

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期政権の部隊(シリア軍)所属の自爆型無人航空機2機が、イムラーン交差点・ウルガー村間の道路沿線に設置されている国民防衛部隊の検問所を攻撃した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュ・メンバーと見られるオートバイに乗った2人組の武装グループがダイル・ザウル県カスラ村でアサーイシュの検問所を襲撃(2025年10月11日)

ダイル・ザウル県では、北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)によると、カスラ村で、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーと見られるオートバイに乗った2人組の武装グループがアサーイシュの検問所を襲撃した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

中・西部シリア政治評議会はシャルア移行期政権当局が学生と教師の誘拐事件について対応していないと非難、スト継続を呼びかけ(2025年10月11日)

中・西部シリア政治評議会(PCCWS)は、フェイスブックを通じて声明を出し、アフマド・シャルア移行期政権当局が学生と教師の誘拐事件について対応していないと非難、スト継続を呼びかけた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラタキア市で市民らが抗議デモを行い、3日前に誘拐されたアラウィー派の少年の行方を明らかにするよう求める(2025年10月11日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラタキア市のマシュルーウ10地区で、市民らが抗議デモを行い、3日前に誘拐されたアラウィー派の少年(ムハンマド・ハイダルさん)の行方を明らかにするよう求めた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓っていたハーリド・ブン・ワリード軍のヒスバ長官がダルアー県ジャバーブ村で自身の車に仕掛けられた爆発物により死亡(2025年10月10日)

ダルアー県では、シリア人権監視団イナブ・バラディーによると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓っていたハーリド・ブン・ワリード軍のヒスバ(宗教警察)長官(アミール)だったマーヒル・カンヌーシュ(通称アブー・ムハンマド・ジャバーブ)がジャバーブ村で自身の車に仕掛けられた爆発物により死亡した。

また、シリア人権監視団によると、ナマル町で、60代の男性がオートバイに乗った正体不明の武装グループによって至近距離から銃撃され死亡した。

このほか、シリア人権監視団によると、ティブナ村で、青果輸送業に従事しているキリスト教徒の男性が、オートバイに乗った正体不明の2人組の武装グループに至近距離から銃撃され死亡した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ザーラ村で正体不明の武装グループが40代男性を銃撃し、殺害した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のアレッポ城近くで、旧シリアに所属していた元兵士が銃撃を受け、死亡した。

 

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主軍のアブディー総司令官:「近くダマスカスに軍事委員会を派遣する」(2025年10月10日)

シリア民主軍は、フェイスブックを通じて同軍創設10周年の祝賀声明を発表し、自らを包括的な愛国的プロジェクトの礎と位置づけ、自由、平等、社会的正義を基盤とし、あらゆる構成員の平等な参加を保障する独自の民主的自治と市民統治のモデルを確立、独裁とテロの両方から自由な「民主的シリア」への道を作り出したと自賛した。

**

北・東シリア地域民主自治局も声明を発表し、シリア民主軍創設10周年への祝意を表明、殉教者たちの魂に、最大の敬意と感謝を捧げた。

**

ANHAによると、シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官は、テロ撲滅部隊(YAT)が開催した創設10周年の記念式典で、近くダマスカスに軍事委員会を派遣する予定であると明らかにした。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャルア移行期政権の部隊が、アレッポ市のシャイフ・マクスード地区とアシュラフィーヤ地区の出入口周辺の3ヵ所に新しい検問所を設置し、クルド人2人に暴行(2025年10月10日)

アレッポ県では、ANHAによると、アフマド・シャルア移行期政権の部隊が、アレッポ市のシャイフ・マクスード地区とアシュラフィーヤ地区の出入口周辺の3ヵ所に新しい検問所を設置した。

検問所が設置されたのは、アワーリド通り、アシュラフィーヤ公園近く、ジャズィーラ通り。

また、ANHAによると、シャルア移行期政権がアワーリド地区に新たに設置した検問所で、クルド人2人が暴行を受けた。

一方、ANHAによると、シャルア移行期政権の部隊がダイル・ハーフィル市近郊のラッカ市とアレッポ市を結ぶ街道沿線の通行所を砲撃した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県アブー・ハマーム市出身の発電機作業員がオートバイに乗った正体不明の武装グループの銃撃を受けて死亡(2025年10月10日)

ダイル・ザウル県では、ANHAによると、アブー・ハマーム市出身の発電機作業員がオートバイに乗った正体不明の武装グループの銃撃を受けて死亡した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

光の男たちジャワード連隊はシャルア移行期政権のすべての協力者、盗人、学校、公的機関に対する戦いに立ち上がるよう呼びかけ(2025年10月9日)

光の男たちジャワード連隊は、フェイスブックを通じて声明を出し、内陸地域の住民に対して、アフマド・シャルア移行期政権のすべての協力者、盗人、学校、公的機関に対する戦いに立ち上がるよう、緊急の呼びかけを行った。

(C)青山弘之 All rights reserved.

フール・キャンプでトルキスタン系の13歳少女が何者かによって拷問を受けて死亡(2025年10月9日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、フール・キャンプで、トルキスタン系の13歳少女が何者かによって拷問を受けて死亡、首を吊られた状態で発見された。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャルア移行期政権の部隊がダイル・ザウル県ムッラート村にあるシリア民主軍の陣地を攻撃型無人航空機を用いて攻撃し、シリア民主軍の兵士1人が死亡、9人が負傷(2025年10月9日)

アレッポ県では、ANHAによると、アフマド・シャルア移行期政権の当局は、政権支配地と北・東シリア地域民主自治局支配下のアレッポ市シャイフ・マクスード地区およびアシュラフィーヤ地区を結ぶ道路のうち、歩行者の通行のみが許可されていた2本(アワーリド通り、シーハーン環状交差点通り)の土嚢を撤去、閉鎖されていたアシュラフィー公園通りの土嚢も撤去し、再開した。

だが、主要4道路(ライラムーン環状交差点通り、ジャンドゥール環状交差点通り、アシュラフィーヤ坂通り、ジャズィーラ通りは依然として閉鎖されたまま。

**

アレッポ県では、シリア民主軍(フェイスブック)によると、アフマド・シャルア移行期政権の部隊が、ティシュリーン・ダム周辺に設置されているシリア民主軍の陣地に対して進攻を試み、シリア民主軍がこれを迎撃、移行期政権の部隊の兵士1人が死亡した。

また、シリア民主軍(フェイスブック)によると、シャルア移行期政権の部隊がシリアテル丘とティシュリーン・ダム一帯を砲撃した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア民主軍(フェイスブック)によると、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるいわゆる「7カ村」の一つムッラート村にあるシリア民主軍の陣地に対し、シャルア移行期政権の部隊が攻撃型無人航空機を用いて攻撃を行い、シリア民主軍の兵士1人が死亡、9人が負傷した。

また、シリア人権監視団によると、マズルーム村でも、シリア民主軍とシャルア移行期の部隊および地元武装勢力が交戦、後者の無人航空機による攻撃で民間人2人が負傷した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア正教会ジャズィーラ・ユーフラテス主教区のアムシーフ主教は、ジャズィーラ地方で北・東シリア地域民主自治局が課そうとしている教育課程の導入を拒否(2025年10月8日)


SANAによると、シリア正教会ジャズィーラ・ユーフラテス主教区のマール・ムーリス・アムシーフ主教は、ジャズィーラ地方で北・東シリア地域民主自治局/シリア民主軍が課そうとしている教育課程の導入を断固として拒否する姿勢を明らかにした。

アムシーフ主教によると、北・東シリア地域民主自治局側との1ヵ月以上にわたる交渉で、自治局が策定したカリキュラムかUNICEFが定めるカリキュラムのいずれかの採用を求められたとしたうえで、ジャズィーラ地方にあるキリスト教諸宗派の約35の学校は、教育養育省が採用し、国際的に認められている正式なカリキュラム以外の課程は採用しないと述べた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主軍が米主導の有志連合の支援を受け、ダイル・ザウル県ザッル村でダーイシュへの関与が疑われる人物を逮捕(2025年10月8日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア民主軍が米主導の有志連合の支援を受け、ザッル村でダーイシュ(イスラーム国)への関与が疑われる人物を逮捕した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、県北西部で、2人の若い男性が正体不明の武装グループによって襲撃され、1人が死亡し、1人が負傷した。

(C)青山弘之 All rights reserved.