マケイン米上院議員「スンナ派諸国軍と米軍からなる数十万規模の多国籍軍を発足し、シリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)に対する地上作戦に投入すべき」(2015年11月30日)

『ハヤート』(12月1日付)は、ジョン・マケイン米上院議員(共和党)が、中東地域の「スンナ派諸国」の軍と米軍からなる数十万規模の多国籍軍を発足し、シリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)に対する地上作戦に投入すべきだと述べた、と伝えた。

AFP, November 30, 2015、AP, November 30, 2015、ARA News, November 30, 2015、Champress, November 30, 2015、al-Hayat, December 1, 2015、Iraqi News, November 30, 2015、Kull-na Shuraka’, November 30, 2015、al-Mada Press, November 30, 2015、Naharnet, November 30, 2015、NNA, November 30, 2015、Reuters, November 30, 2015、SANA, November 30, 2015、UPI, November 30, 2015などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内の5カ所を爆撃(2015年11月29日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月29日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して15回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は5回、ダイル・ザウル市近郊(1回)、フール町近郊(2回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, November 30, 2015などをもとに作成。

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アフリーン市郊外でアル=カーイダ系組織と「穏健な反体制派」がYPG主体のシリア民主軍支配下の村を攻撃、制圧(2015年11月29日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(11月29日付)によると、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室が、「革命家軍」の支配下にあったアフリーン市郊外の複数の村を制圧したと発表した。

アレッポ・ファトフ作戦司令室が制圧したとするのは、カシュタアール村、タナブ村、アナーブ村、マラーシュ村。

「革命家軍」は西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に参加する武装集団。

これに関して、ARA News(11月29日付)は、アフリーン市郊外のマリーミーン村、アナーブ村で、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動からなる武装集団と、人民防衛隊、革命家軍が交戦したと報じる一方、アフリーン市の医療筋の話として、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるジハード主義武装集団との戦闘で27、28日の2日間で、革命家軍の戦闘員9人が死亡、20人以上が負傷したと伝えた。

一方、人民防衛隊に近い複数の消息筋によると、人民防衛隊がアフリーン市郊外でのヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動との戦闘で、戦闘員4人を捕捉した。

AFP, November 29, 2015、AP, November 29, 2015、ARA News, November 29, 2015、Champress, November 29, 2015、al-Hayat, November 30, 2015、Iraqi News, November 29, 2015、Kull-na Shuraka’, November 29, 2015、al-Mada Press, November 29, 2015、Naharnet, November 29, 2015、NNA, November 29, 2015、Reuters, November 29, 2015、SANA, November 29, 2015、UPI, November 29, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がダイル・ザウル県、ヒムス県、アレッポ県でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続ける(2015年11月29日)

ダイル・ザウル県では、SANA(11月29日付)によると、シリア軍がマリーイーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆、攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(11月29日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市、バイダー村、タール山北部、ルマイリーヤ地区、ミンタール・ルマイリーヤ地区、ダアーキナ丘、ムシャイリファ丘、サアン・アスワド村、フーシュ・ハッジュー村、ハラーリーヤ村、ダブール村、タドムル市郊外柑橘農園一帯および採石場一帯、ハズム山一帯、シャルキー山などでダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆、攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(11月29日付)によると、シリア軍が航空士官学校一帯、タッル・アフマル村、タッル・アイユーブ村でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた人民防衛諸集団とともに、ダイル・ハーフィル市でダーイシュを追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 29, 2015、AP, November 29, 2015、ARA News, November 29, 2015、Champress, November 29, 2015、al-Hayat, November 30, 2015、Iraqi News, November 29, 2015、Kull-na Shuraka’, November 29, 2015、al-Mada Press, November 29, 2015、Naharnet, November 29, 2015、NNA, November 29, 2015、Reuters, November 29, 2015、SANA, November 29, 2015、UPI, November 29, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍、シリア軍はイドリブ県、アレッポ県、ラタキア県の対トルコ国境地帯での爆撃、攻撃を続ける(2015年11月29日)

イドリブ県では、ムハンマド・ジャタルを名乗る反体制活動家がトルコのアナトリア通信(11月29日付)に対して、ロシア軍がアリーハー市を空爆し、住民40人が死亡、70人以上が負傷したと述べた。

これに関して、シリア人権監視団は、ファトフ軍支配下のアリーハー市で、ロシア軍と思われる戦闘機の空爆により、住民少なくとも18人が死亡、40人以上が負傷したと発表した。

また同監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機はハーン・シャイフーン市も空爆し、女児2人を含む4人が死亡した。

また、ARA News(11月29日付)によると、ロシア軍は、トルコ国境に面するバーブ・ハワー国境通行所一帯、ダーナー市を空爆し、10人が負傷した。

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ラタキア県では、SANA(11月29日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、県北部のカシュカール山で反体制武装集団を掃討、同地を制圧した。

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アレッポ県では、ARA News(11月29日付)によると、ロシア軍戦闘機がトルコ国境に面するバーブ・サラーマ国境通行所の貨物トラック用のガレージを空爆し、3人が死亡、トルコからアアザーズ市方面に物資を搬送中のトラック1台が炎上した。

一方、SANA(11月29日付)によると、シリア軍がハーン・トゥーマーン村、アズィーズィーヤ村、バーシュカウィー村一帯、アナダーン市北部、アレッポ市ラームーサ地区、バニー・ザイド地区、ブスターン・バーシャー地区、シャイフ・ハドル地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(11月29日付)によると、シリア軍がラターミナ町、スカイク村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、サイヤード村、バッザーム丘で反体制武装集団と交戦し、シャーム自由人イスラーム運動、イッザ旅団連合の戦闘員35人を殲滅した。

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ダマスカス郊外県では、シリア軍がダーライヤー市各所を「樽爆弾」などで空爆、また東グータ地方でシリア軍とジハード主義武装集団の戦闘により、後者の戦闘員4人が死亡した。

一方、SANA(11月29日付)によると、シリア軍がマルジュ・スルターン村一帯、ダイル・アサーフィール市、ドゥーマー市一帯、ダーライヤー市でシャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍、アジュナード・シャーム・イスラーム連合などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(11月29日付)によると、シリア軍がジャウバル区でイスラーム軍によって掘削された全長350メートルの地下トンネルを発見、これを破壊した。

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ヒムス県では、SANA(11月29日付)によると、シリア軍がファルハーニーヤ村南部でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 29, 2015、Anadolu Ajansı, November 29, 2015、AP, November 29, 2015、ARA News, November 29, 2015、Champress, November 29, 2015、al-Hayat, November 30, 2015、Iraqi News, November 29, 2015、Kull-na Shuraka’, November 29, 2015、al-Mada Press, November 29, 2015、Naharnet, November 29, 2015、NNA, November 29, 2015、Reuters, November 29, 2015、SANA, November 29, 2015、UPI, November 29, 2015などをもとに作成。

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シリア人権監視団:ダーイシュ(イスラーム国)がカリフ制宣言以降、シリアで殺害した民間人、軍人、ダーイシュ・メンバーらの数は3,591人にのぼる(2015年11月29日)

シリア人権監視団は、ダーイシュ(イスラーム国)がカリフ制を樹立した2014年6月29日から2015年11月29日までの17ヶ月間で、ダーイシュがシリア国内で殺害した民間人、シリア軍兵士などの数が3,591人にのぼっていると発表した。

同監視団によると、このうち1,945人は民間人(うち児童77人、18歳以上女性103人)、シャームの民のヌスラ戦線などの反体制武装集団や西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊隊員は247人、ダーイシュ・メンバー415人(スパイ罪、逃亡・離反未遂など)、シリア軍将兵および親政権民兵は975人、反体制派に属さない離反兵2人だという。

AFP, November 29, 2015、AP, November 29, 2015、ARA News, November 29, 2015、Champress, November 29, 2015、al-Hayat, November 30, 2015、Iraqi News, November 29, 2015、Kull-na Shuraka’, November 29, 2015、al-Mada Press, November 29, 2015、Naharnet, November 29, 2015、NNA, November 29, 2015、Reuters, November 29, 2015、SANA, November 29, 2015、UPI, November 29, 2015などをもとに作成。

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イランのヴェラーヤティー最高指導者顧問がダマスカスでアサド大統領と会談(2015年11月29日)

イランのアリー・アクバル・ヴェラーヤティー最高指導者顧問、ホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣(アラブ・アフリカ担当)はシリアを訪問し、ダマスカスでアサド大統領と会談し、二国間関係、シリアでの「テロとの戦い」への対応などについて意見を交わした。

ヴェラーヤティー最高指導者顧問らはまた、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)とも個別に会談した。

SANA(11月29日付)が伝えた。

SANA, November 29, 2015
SANA, November 29, 2015

AFP, November 29, 2015、AP, November 29, 2015、ARA News, November 29, 2015、Champress, November 29, 2015、al-Hayat, November 30, 2015、Iraqi News, November 29, 2015、Kull-na Shuraka’, November 29, 2015、al-Mada Press, November 29, 2015、Naharnet, November 29, 2015、NNA, November 29, 2015、Reuters, November 29, 2015、SANA, November 29, 2015、UPI, November 29, 2015などをもとに作成。

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イスラエルのヤアロン国防大臣「ロシア軍機がイスラエル領空を侵犯したが、ただちに航路を修正し、シリア領空に戻った」(2015年11月29日)

イスラエルのモシェ・ヤアロン国防大臣は国営ラジオ(11月29日付)で、「シリアから飛来したロシア軍機が我が国領空を1マイル(1.6キロ)侵犯したが、直ちに航路を修正し、シリア領空へ戻った」ことを明らかにした。

ヤアロン国防大臣は「ゴラン高原付近を旋回していたパイロットのミスだと思われる」としたうえで、ロシア機のシリア領空での飛行については、「ロシア軍機は我々を攻撃する意思はないので、誤解を回避するための連絡、連携」が行われていると付言した。

AFP, November 29, 2015、AP, November 29, 2015、ARA News, November 29, 2015、Champress, November 29, 2015、al-Hayat, November 30, 2015、Iraqi News, November 29, 2015、Kull-na Shuraka’, November 29, 2015、al-Mada Press, November 29, 2015、Naharnet, November 29, 2015、NNA, November 29, 2015、Reuters, November 29, 2015、SANA, November 29, 2015、UPI, November 29, 2015などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内の3カ所を爆撃(2015年11月28日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月28日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して21回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回、ラッカ市近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, November 29, 2015などをもとに作成。

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西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアレッポ市シャイフ・マクスード地区をヌスラ戦線が無差別砲撃(2015年11月28日)

アレッポ県では、ARA News(11月28日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が、西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアレッポ市シャイフ・マクスード地区を砲撃し、住民40人以上が負傷した。

AFP, November 28, 2015、AP, November 28, 2015、ARA News, November 28, 2015、Champress, November 28, 2015、al-Hayat, November 29, 2015、Iraqi News, November 28, 2015、Kull-na Shuraka’, November 28, 2015、al-Mada Press, November 28, 2015、Naharnet, November 28, 2015、NNA, November 28, 2015、Reuters, November 28, 2015、SANA, November 28, 2015、UPI, November 28, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がダイル・ザウル県、アレッポ県東部でダーイシュ(イスラーム国)への攻勢を続ける(2015年11月28日)

ダイル・ザウル県では、SANA(11月29日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市各所、ダイル・ザウル航空基地でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、『ハヤート』(11月29日付)などによると、シリア軍がクワイリス航空基地東部一帯にさらに進軍し、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(11月29日付)によると、シリア軍がカークーラ村、ラスム・アブド村、穀物サイロ地区、ダイル・ハーフィル市、ブラート村東部でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

これに対して、ダーイシュは、タッルアラン村を砲撃、子供4人を含む6人が死亡、7人が負傷した。

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ハマー県では、SANA(11月29日付)によると、シリア軍がアイドゥーン村、クライブ・サウル村、サルバ村、ジュルーフ村サラミーヤ市東部郊外でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(11月29日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市一帯、タドムル市郊外採石所地区、柑橘園一帯、ルマイラ山一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 28, 2015、AP, November 28, 2015、ARA News, November 28, 2015、Champress, November 28, 2015、al-Hayat, November 29, 2015、Iraqi News, November 28, 2015、Kull-na Shuraka’, November 28, 2015、al-Mada Press, November 28, 2015、Naharnet, November 28, 2015、NNA, November 28, 2015、Reuters, November 28, 2015、SANA, November 28, 2015、UPI, November 28, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍、シリア軍がラタキア県、イドリブ県のトルコ国境地帯で攻勢を続ける(2015年11月28日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アラブ系・アジア系外国人戦闘員が県北部ヌーバ山回廊、ジュッブ・アフマル村一帯で、シャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党などからなるジハード主義武装集団との戦闘を続けた。

またロイター通信(11月28日付)などによると、ロシア軍と思われる戦闘機がクルド山、トルクメン山各所を少なくとも17回にわたって空爆した。

これに関して、シリア・トルクメン委員会の書記長を名乗るサミール・アッルーを名乗る人物は、ロシア軍による空爆で、トルクメン人数千世帯がトルコ国境地帯への余儀なくされていると主張した。

なお『ハヤート』(11月29日付)によると、ラタキア県北部には紛争前には30万世帯のトルクメン人が暮らしていたが、現在は2万5,000世帯が残るだけだという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(シリア軍)がジャバーラー村、カンスフラ村、ハーン・シャイフーン市南部各所を空爆した。

またロシア軍と思われる戦闘機がタマーニア町一帯、マガーラ村、マアッラト・ヌウマーン市各所、ビンニシュ市各所、ナージヤ村、サラーキブ市を空爆し、少なくとも11人が死亡した。

ARA News(11月28日付)によると、ビンニシュ市での空爆では一家8人が死亡したという。

一方、SANA(11月29日付)によると、シリア軍がタマーニア町、ハーン・シャイフーン市南部でファトフ軍拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(11月29日付)によると、シリア軍がサルマーニーヤ村西部郊外で反体制武装集団との戦闘の末、ラタキア県との県境に位置する1112高地を制圧した。

シリア軍がまた、ラターミナ町、マアルカバ村でファトフ軍の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はさらに、カフルズィーター市でイッザ旅団連合の車輌を攻撃、破壊したほか、マアーン村、バッザーム丘でシャーム自由人イスラーム運動の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が反体制武装集団の支配下にあるカーブーン区各所を砲撃し、27人が負傷した。

シリア軍はまた、ジャウバル区を空爆、国防隊、ヒズブッラー戦闘員とともに、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(11月28日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方を拠点とする反体制武装集団が撃った迫撃砲弾1発がバーブ・トゥーマ地区に着弾し、1人が死亡、3人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・シャイフ・キャンプ一帯を砲撃するとともに、ダーライヤー市各所、ドゥーマー市などを空爆した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がブスル・ハリール市を「樽爆弾」などで攻撃、またアトマーン村、ズィムリーン村を砲撃した。

一方、SANA(11月29日付)によると、シリア軍がダルアー市マンシヤ地区などでシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(11月29日付)によると、シリア軍がアレッポ市シャイフ・サイード地区、シャイフ・ルトフィー地区、サラーフッディーン地区、ブスターン・バーシャー地区、ハーン・トゥーマーン村、ハルサ村、ヒルバト・マアッラート村、アマーラ村、カラースィー村、ダーディーン丘、アナダーン市、ハイヤーン町、タッル・ジャビーン村でシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるジハード主義武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、アターリブ市でシャーム戦線、ムジャーヒディーン軍、シャーム自由人イスラーム運動、ヌスラ戦線に対して空爆を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(11月29日付)によると、シリア軍がティールマアッラ村、ハウラ・ダム北部一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。


AFP, November 28, 2015、AP, November 28, 2015、ARA News, November 28, 2015、Champress, November 28, 2015、al-Hayat, November 29, 2015、Iraqi News, November 28, 2015、Kull-na Shuraka’, November 28, 2015、al-Mada Press, November 28, 2015、Naharnet, November 28, 2015、NNA, November 28, 2015、Reuters, November 28, 2015、SANA, November 28, 2015、UPI, November 28, 2015などをもとに作成。

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シリア軍報道官「トルコ政府は最近になって、テロリストに対する支援を増加させ、彼らに武器、弾薬、装備などを売却している」(2015年11月28日)

シリア軍報道官は、トルコ政府が最近になって、テロリストに対する支援を増加させ、彼らに武器、弾薬、装備などを売却している、と伝えた。

トルコ政府から武器、弾薬、装備を購入するテロリストの資金減は、シリア領内での遺跡や石油の密売買で反体制武装集団が得た収益だという。

SANA(11月28日付)が伝えた。

AFP, November 28, 2015、AP, November 28, 2015、ARA News, November 28, 2015、Champress, November 28, 2015、al-Hayat, November 29, 2015、Iraqi News, November 28, 2015、Kull-na Shuraka’, November 28, 2015、al-Mada Press, November 28, 2015、Naharnet, November 28, 2015、NNA, November 28, 2015、Reuters, November 28, 2015、SANA, November 28, 2015、UPI, November 28, 2015などをもとに作成。

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ロシア大統領府報道官「テロ組織がシリア領の大部分を支配するなか、政治的移行について話すことは非現実的」(2015年11月28日)

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、「ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、そしてそのほかのテロ組織によってシリア領内の大部分が支配されている状況において、シリアでの選挙実施や政治的関係正常化について話すことは非現実的だ」と述べ、シリア紛争を解決するためには、「テロとの戦い」を和解プロセスよりも優先すべきだとの立場を示した。

ペスコフ報道官はまた、トルコによるロシア軍機撃墜を「前代未聞の挑戦」、「狂気」を非難した。

AFP, November 28, 2015、AP, November 28, 2015、ARA News, November 28, 2015、Champress, November 28, 2015、al-Hayat, November 29, 2015、Iraqi News, November 28, 2015、Kull-na Shuraka’, November 28, 2015、al-Mada Press, November 28, 2015、Naharnet, November 28, 2015、NNA, November 28, 2015、Reuters, November 28, 2015、SANA, November 28, 2015、UPI, November 28, 2015などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内の3カ所を爆撃(2015年11月27日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月27日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して20回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回、アイン・イーサー市近郊(3回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, November 28, 2015などをもとに作成。

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米トルコが設置合意した「安全保障地帯」(アレッポ県北部)でダーイシュ(イスラーム国)戦う「穏健な反体制派」は、米が後援するシリア民主軍所属組織が住民を虐殺したと主張(2015年11月27日)

クッルナー・シュラカー(11月28日付)は、マーリア作戦司令室司令官を名乗るヤースィル・アブドゥッラフマーンなる活動家の話として、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属する「革命家軍」の戦闘員が、タナブ村で女性や子供20人を虐殺したと伝えた。

タナブ村は、米トルコ両国政府が「安全地帯」に設置した地域で、両国がダーイシュ(イスラーム国)の排除をめざしている。

AFP, November 28, 2015、AP, November 28, 2015、ARA News, November 28, 2015、Champress, November 28, 2015、al-Hayat, November 29, 2015、Iraqi News, November 28, 2015、Kull-na Shuraka’, November 28, 2015、al-Mada Press, November 28, 2015、Naharnet, November 28, 2015、NNA, November 28, 2015、Reuters, November 28, 2015、SANA, November 28, 2015、UPI, November 28, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がヒムス県中部、ダイル・ザウル市一帯でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続ける(2015年11月27日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカルヤタイン市一帯、タドムル市西部ドゥーワ地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、またロシア軍が同地のダーイシュ拠点を空爆した。

一方、SANA(11月27日付)によると、シリア軍はカルヤタイン市一帯、ハズム・アブヤド村一帯、ルマイラ山北部、タウィール山一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、ダーイシュがシリア政府支配下のダイル・ザウル市ジャウラ地区を砲撃した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市内のヒッティーン学校一帯が戦闘機(所属不明)の空爆を受け、子供5人を含む12人が死亡した。

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アレッポ県では、SANA(11月27日付)によると、シリア軍がアークーラ村、ラスム・アブド村穀物サイロでダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、大フマイマ村、小フマイマ村、ハザーザ村、タッル・アイユーブ村、タッル・アフマル村でダーイシュの拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(11月28日付)によると、ロシア軍戦闘機がターディフ市、ダーダート村を空爆した。

AFP, November 27, 2015、AP, November 27, 2015、ARA News, November 27, 2015、Champress, November 27, 2015、al-Hayat, November 28, 2015、Iraqi News, November 27, 2015、Kull-na Shuraka’, November 27, 2015、November 28, 2015、al-Mada Press, November 27, 2015、Naharnet, November 27, 2015、NNA, November 27, 2015、Reuters, November 27, 2015、SANA, November 27, 2015、UPI, November 27, 2015などをもとに作成。

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シリア軍とアル=カーイダ系組織のヌスラ戦線、トルコマン・イスラーム党などからなる反体制派がラタキア県北部、アレッポ県で一進一退の攻防を続ける一方、YPGもアレッポ県北部でヌスラ戦線と交戦(2015年11月27日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、県北部のザーヒー山一帯で、シリア軍、国防隊、バアス大隊、アラブ系・アジア系外国人武装集団が、シャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党などからなるジハード主義武装集団と交戦を続けた。

同監視団によると、この戦闘で、ヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党側は再び、ブルジュ・ザーヒヤを奪還したという。

これに関して、ARA News(11月27日付)は、ヌスラ戦線がブルジュ・ザーヒヤを制圧したと伝えた。

また戦闘の最中、ロシア軍と思われる戦闘機が、トルクメン山(ラビーア町一帯)、ジュッブ・アフマル村一帯を空爆した。

一方、SANA(11月27日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、反体制武装集団との戦闘の末、トルコ国境に近いラフマリーヤ丘、ハドル丘を完全制圧した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジスル・シュグール市を砲撃、またロシア軍と思われる戦闘機がマアッラト・ヌウマーン市を空爆し、4人が死亡した。

一方、シャーム自由人イスラーム運動は声明を出し、アブー・アンマール・ウマル氏(アブー・アンマール・タフタナーズ)をイドリブ地区司令部司令官の職から解き、ムハンナド・ミスリー総司令官を補佐する副司令官に任命したと発表した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターや戦闘機がムーリク市、ラターミナ町、マアルカバ村、ラハーヤー村を空爆した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がアレッポ市ザフラー協会地区一帯で、チェチェン人からなるムハージリーン・ワ・アンサール軍などのジハード主義武装集団と交戦した。

またアレッポ市南部郊外では、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アラブ系・アジア系外国人武装集団が、トルキスターン・イスラーム党、ジュンド・アクサー機構などジハード主義武装集団と交戦し、シリア軍がズィルバ村、ハーン・トゥーマーン村を砲撃した。

これに対して、ジハード主義武装集団側もハルサ村に対して砲撃を行った。

このほか、アアザーズ市郊外のマーリキーヤ村一帯、カシュタアール村一帯では、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と反体制武装集団(西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と共闘するシリア民主軍所属組織と思われる)が交戦した。

一方、SANA(11月27日付)によると、シリア軍がアレッポ市ラームーサ地区、ブスターン・バーシャー地区、シャイフ・バクル地区、バニー・ザイド地区、ラーシディーン地区、アーミリーヤ地区、マンスーラ村、アーミリーヤ村、ズィーターン村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(11月28日付)によると、ロシア軍戦闘機がアアザーズ市を空爆し、住民3人が死亡、6人が負傷した。

またこの空爆に先立って、26日にもロシア軍戦闘機は、バーブ・サラーマ国境通行所近くで人道支援物資を搬送中の車列を空爆したという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーライヤー市各所を「樽爆弾」などで空爆、同市一帯およびマルジュ・スルターン村一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

またロシア軍と思われる戦闘機がハーン・シャイフ・キャンプ一帯、ザブディーン村、ナシャービーヤ町などを空爆した。

一方、SANA(11月27日付)によると、シリア軍がバイト・ジンヌ村農場地帯、ハラスター市郊外(ラフマ・ガソリン・スタンド)、ドゥーマー市、マルジュ・スルターン村西部一帯、ダイル・アサーフィール市農場地帯でイスラーム軍、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタルビーサ市各所を砲撃した。

一方、SANA(11月27日付)によると、シリア軍がタッルドゥー市、ハウラ地方、タルビーサ市でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がインヒル市、ジャースィム市、サムリーン村、ズィムリーン村、ジャービヤ丘、ヌアイマ村を砲撃、ジハード主義武装集団戦闘員1人が死亡した。

またシリア軍がシャイフ・マスキーン市を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(11月27日付)によると、シリア軍がダルアー県ブスラー広場一帯でシャームの民のヌスラ戦線と交戦、同地南部の建物群8カ所を制圧した。

シリア軍はまた、ダルアー市難民キャンプ地区、マンシヤ地区で反体制武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(11月29日付)によると、ロシア軍がスーラ町を空爆し、子供4人を含む住民6人が死亡した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハムル丘を砲撃した。

AFP, November 27, 2015、AP, November 27, 2015、ARA News, November 27, 2015、Champress, November 27, 2015、al-Hayat, November 28, 2015、Iraqi News, November 27, 2015、Kull-na Shuraka’, November 27, 2015、November 28, 2015、November 29, 2015、al-Mada Press, November 27, 2015、Naharnet, November 27, 2015、NNA, November 27, 2015、Reuters, November 27, 2015、SANA, November 27, 2015、UPI, November 27, 2015などをもとに作成。

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シリア・ロシア外相会談:ラブロフ外務大臣はトルコによるテロ支援を厳しく非難(2015年11月27日)

ロシアを訪問中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)はモスクワでセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談し、24日のトルコ軍によるロシア軍戦闘爆撃機撃墜事件、ウィーン・プロセスへの対応について意見を交わした。

SANA, November 27, 2015
SANA, November 27, 2015

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会談後の記者会見で、ムアッリム外務在外居住者大臣は、「テロとの戦い」に対するロシアのヴラジミール・プーチン大統領の取り組みに謝意を示すとともに、ウィーン・プロセスへの対応を協議するためラブロフ外務大臣にシリアを訪問するよう求めた。

ムアッリム外務在外居住者大臣はまた、24日の事件で犠牲となったロシア軍兵士2人に弔意を示すとともに、「トルコによるロシア軍機撃墜は、シリアの主権に対する敵対行為と捉えられる。なぜなら、撃墜された航空機はシリア領空で攻撃を受けたからだ」と述べた。

さらに「シリアは、エルドアンによるダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、そしてアル=カーイダとつながりのあるテロ組織の支援によって…約5年にわたり苦しんできた…。エルドアンはテロ組織とともにシリアに対して陰謀を働いている」と非難、またトルコがイラクやシリアでダーイシュによって略奪されている石油の取引に関与していると指摘するとともに、「テロリストはパラシュートで下りてくるのではなく、100におよぶ国からトルコを経由してやってきた…。トルコはまたテロリストに武器、兵站、医療などの面で支援を行い、領内にテロリストの家族の居場所を与えている」と指弾した。

そのうえで、トルコが支援するテロリストをロシアが攻撃しているため、トルコがロシア軍機を撃墜したと主張した。

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これに対して、ラブロフ外務大臣は「シリア・アラブ共和国の要請に応じた活動を続け、シリアがテロリストを追跡、殲滅するのに必要なあらゆる支援を行う。同時に、我々は国際シリア支援グループの枠内で、公正で民主的な包括的政治プロセスを支援するために行動する」と述べた。

また、シリアやイラクにおけるダーイシュ(イスラーム国)の台頭の責任がシリアの周辺諸国にあると指摘するとともに、「トルコの指導部は許され得る一線を越え、それによって、トルコを、自国の国益という点においても、また地域情勢においても、非常に困難な状況へと追い込んでいる」と批判、「シリア領空でのロシア軍機撃墜というトルコの挑発的行為に対して我々の姿勢を一致させることを確認した」と述べた。

ラブロフ外務大臣はさらに、ロシアが過去1年間に17回にわたり、テロ組織に参加したロシア人容疑者についての情報提供をトルコ側に求めてきたが、トルコはこうした要請に回答しないばかりか、ロシア人容疑者200人以上をトルコからシリアに送り込んだと批判、「テロリストに多大な便宜を供与し…、テロリストが潜入を続ける国境の規制強化を望んでいない」としたうえで、「シリアとトルコの国境を封鎖することが、テロの問題の解決に大いに資することになろう」との見解を示した。

また、ロシア軍によるシリア空爆開始以降、トルコがダーイシュとの違法な石油売買に関与していることを確認したとしたうえで、米国が2014年9月から空爆を開始し、こうした事実を認知していたにもかかわらず、石油密輸を行うタンクローリーへの空爆を行わっていなかったと批判した。

一方、危機の政治的解決をめぐっては、シリア政府と反体制派の間でのシリア人どうしの包括的対話の必要を改めて強調し、ウィーン・プロセス参加国が、和解に向けた政治プロセスから排除すべきテロ組織のブラック・リストを何よりもまず作成すべきだとの姿勢を明示した。

フランスが推し進めるダーイシュに対する国際的な包囲網については、「ロシアはダーイシュに対抗する将来の広範な同盟がいかなるかたちをとろうとそれを受け入れる用意がある…。しかしテロとの戦いは、一部の地域の当事者が二重基準をとる限りは効果的なものにならない」と述べ、トルコの姿勢を改めて批判した。

その一方で、シリア軍との連携の可能性を示唆したフランスのフランソワ・オランド外務大臣の発言については、「政府軍、シリアの反体制武装勢力、クルド人によるシリア国内での地上部隊からなる同盟を結成し、ダーイシュに対抗するというフランス政府の提案はロシアの提案に合致している…必要なのは、自由シリア軍に関する部分について、この同盟に参加する勢力を限定する作業を通じて明確にすることだけだ」と述べた。

AFP, November 27, 2015、AP, November 27, 2015、ARA News, November 27, 2015、Champress, November 27, 2015、al-Hayat, November 28, 2015、Iraqi News, November 27, 2015、Kull-na Shuraka’, November 27, 2015、al-Mada Press, November 27, 2015、Naharnet, November 27, 2015、NNA, November 27, 2015、Reuters, November 27, 2015、SANA, November 27, 2015、UPI, November 27, 2015などをもとに作成。

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ロシア大統領府報道官は、シリア軍との連携の可能性を示唆したフランスのファビウス外相の発言を高く評価(2015年11月27日)

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が、トルコによるロシア軍戦闘機撃墜事件発生の7~8時間後に、ロシア側に電話会談を申し入れていたことを明らかにした。

ペスコフ報道官によると、これを受け、ヴラジミール・プーチン大統領にエルドアン大統領からの申し出を報告したという。

またペスコフ報道官は、エルドアン大統領がパリで30日に開催予定のCOP21に合わせて、プーチン大統領と二者会談を申し入れてきたことも明らかにし、これについてもプーチン大統領に報告済みだと述べた。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)撲滅に向けた戦いにおいて、シリア軍との連携の可能性を示唆したフランスのローラン・ファビウス外務大臣の発言に関しては、「シリア危機におけるダマスカスの役割に対するフランスの姿勢に重要な変化が起きていることを示している」と高く評価した。

AFP, November 27, 2015、AP, November 27, 2015、ARA News, November 27, 2015、Champress, November 27, 2015、al-Hayat, November 28, 2015、Iraqi News, November 27, 2015、Kull-na Shuraka’, November 27, 2015、al-Mada Press, November 27, 2015、Naharnet, November 27, 2015、NNA, November 27, 2015、Reuters, November 27, 2015、SANA, November 27, 2015、UPI, November 27, 2015などをもとに作成。

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エルドアン大統領はトルコによるテロ支援疑惑に反論する一方、プーチン大統領との直接会談を切望(2015年11月27日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、パリで30日に開催予定のCOP21で、「プーチン大統領と直に会談したい」との意向を表明した。

またロシア軍機を撃墜したことについては「領空侵犯に対して即応しただけだ…。トルコはロシア機を意図的に撃墜したのではない」と述べた。

そのうえで「ロシアは自らの主張を証明しなければならない。しかし、トルコに対して不当な疑惑を向けており、偽っていると思われる」と付言、ロシアがこれまでにもトルコ領空を侵犯してきたとしたうえで、「我々はこの事故をアサド政権支援に利用しようとする…ロシアの不誠実なありようを見過ごすことはない」と述べた。

さらに、ロシアによるアサド政権の支援を「火遊び」と非難、トルコがダーイシュと石油の密売買を行っているとするロシア側の非難については「我々の道徳は、テロ路式から石油を買うことを許さないということを知るべきだ…。トルコはロシアから石油を買っている」と反論した。

AFP, November 27, 2015、AP, November 27, 2015、ARA News, November 27, 2015、Champress, November 27, 2015、al-Hayat, November 28, 2015、Iraqi News, November 27, 2015、Kull-na Shuraka’, November 27, 2015、al-Mada Press, November 27, 2015、Naharnet, November 27, 2015、NNA, November 27, 2015、Reuters, November 27, 2015、SANA, November 27, 2015、UPI, November 27, 2015などをもとに作成。

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フランスのファビウス外相はダーイシュ(イスラーム国)との戦いにおいてシリア軍との連携の可能性を初めて示唆(2015年11月27日)

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、RTLラジオ(11月27日付)に対し、シリア軍との連携の可能性について初めて言及した。

ファビウス外務大臣は「地上部隊が我々の軍隊から構成されることはあり得ない。しかし、自由シリア軍のシリア人兵士、スンナ派アラブ諸国の兵士…、そしてシリア政府軍から構成されることはあり得るだろう…。なぜ、構成され得ないというのか?」と述べた。

AFP, November 27, 2015、AP, November 27, 2015、ARA News, November 27, 2015、Champress, November 27, 2015、al-Hayat, November 28, 2015、Iraqi News, November 27, 2015、Kull-na Shuraka’, November 27, 2015、al-Mada Press, November 27, 2015、Naharnet, November 27, 2015、NNA, November 27, 2015、Reuters, November 27, 2015、SANA, November 27, 2015、UPI, November 27, 2015などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内での爆撃を実施せず(2015年11月26日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月26日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。

しかし、シリア領内では空爆は実施されなかった。

CENTCOM, November 27, 2015などをもとに作成。

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ドイツはフランス軍によるシリア爆撃を支援するため偵察機と艦船の派遣を決定(2015年11月26日)

ドイツ政府は26日の関係閣僚会合で、ダーイシュ(イスラーム国)への対抗策として、フランス軍がロシア軍、米軍との連携のもとに行う(予定)のシリア領内での空爆作戦を支援するため、偵察機や艦船を派遣することを決定した。

ZDF(11月27日付)などによると、派遣が予定されているのは、偵察機4~6機、空中給油機、艦艇1隻。

地中海のシリア沖で活動するフランスの空母シャルル・ドゴールを護衛し、ダーイシュ拠点への空爆を行う(予定)のフランス軍戦闘機の支援にあたるという。

なお、アンゲラ・メルケル首相は25日、フランスのフランソワ・オランド大統領と会談し、ダーイシュに対する軍事力行使が不可欠との立場を示していた。

AFP, November 26, 2015、AP, November 26, 2015、ARA News, November 26, 2015、Champress, November 26, 2015、al-Hayat, November 27, 2015、Iraqi News, November 26, 2015、Kull-na Shuraka’, November 26, 2015、al-Mada Press, November 26, 2015、Naharnet, November 26, 2015、NNA, November 26, 2015、Reuters, November 26, 2015、SANA, November 26, 2015、UPI, November 26, 2015などをもとに作成。

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YPGへの軍事教練のために米軍士官ら約50人がアイン・アラブ市(アレッポ県)入りか?(2015年11月26日)

クッルナー・シュラカー(11月26日付)は、複数の地元消息筋の話として、西クルディスタン移行期民政局コバネの中心都市アイン・アラブ市(アレッポ県)に、人民防衛隊の軍事教練を任務とする米軍士官ら約50人が到着したと伝えた。

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これに関して、ARA News(11月26日付)は、西クルディスタン移行期民政局コバネ高官の話として、「本件に関して民政局に多くの情報が寄せられている…。さまざまな通信社に耳を傾けている状況だ」と伝えた。

AFP, November 26, 2015、AP, November 26, 2015、ARA News, November 26, 2015、Champress, November 26, 2015、al-Hayat, November 27, 2015、Iraqi News, November 26, 2015、Kull-na Shuraka’, November 26, 2015、al-Mada Press, November 26, 2015、Naharnet, November 26, 2015、NNA, November 26, 2015、Reuters, November 26, 2015、SANA, November 26, 2015、UPI, November 26, 2015などをもとに作成。

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サウジアラビアのジュバイル外相は「アサドには二つの選択肢しかない。平和的に去るか、軍事行動で排除されるかだ」と述べ、シリアへの軍事介入を改めて示唆(2015年11月26日)

サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣は、リヤドでのオーストリア外務大臣との会談後の記者会見で、シリア情勢に触れ、「軍事的選択肢はまだ残されている」と発言した。

ジュバイル外務大臣は以下の通り述べた:

「軍事的選択肢はまだ残されている。王国(サウジアラビア)によるシリアの反体制派支援は続けられるだろう。バッシャール・アサドには二つの選択肢しかない。平和的に去るか、軍事行動で排除されるかだ…。(ロシアなどとの)意見の相違は彼が去るタイミングをどのように競っているかという点にある」。

ジュバイル外務大臣はまた、12月にリヤドで予定されているシリアの反体制派の会合に関して「ウィーンで和平協議を行う前に反体制派を統合したい」と述べた。

AFP, November 26, 2015、AP, November 26, 2015、ARA News, November 26, 2015、Champress, November 26, 2015、al-Hayat, November 27, 2015、Iraqi News, November 26, 2015、Kull-na Shuraka’, November 26, 2015、al-Mada Press, November 26, 2015、Naharnet, November 26, 2015、NNA, November 26, 2015、Reuters, November 26, 2015、SANA, November 26, 2015、UPI, November 26, 2015などをもとに作成。

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キャメロン英首相はシリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)への爆撃を求める法案を下院に提出(2015年11月26日)

英国のデヴィッド・キャメロン首相は、下院に対して、ダーイシュ(イスラーム国)に対する英国の軍事作戦の実施対象地域をイラクだけでなく、シリア領内にも拡大することを求める法案を提出した。

『ハヤート』(11月27日付)によると、シリアへの空爆拡大は、ダーイシュのみを標的としており、キャメロン首相は、それ以外の紛争当事者、具体的にはシリア政府、シリア軍への攻撃を行わないとしているという。

キャメロン首相によるシリア空爆参加に向けた動きは、フランスでのパリ同時テロ事件発生以降加速している。

AFP, November 26, 2015、AP, November 26, 2015、ARA News, November 26, 2015、Champress, November 26, 2015、al-Hayat, November 27, 2015、Iraqi News, November 26, 2015、Kull-na Shuraka’, November 26, 2015、al-Mada Press, November 26, 2015、Naharnet, November 26, 2015、NNA, November 26, 2015、Reuters, November 26, 2015、SANA, November 26, 2015、UPI, November 26, 2015などをもとに作成。

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フランスのオランド大統領とロシアのプーチン大統領が会談:「ダーイシュ(イスラーム国)を含むテロ組織と戦う勢力への爆撃は行わないことで合意」(2015年11月26日)

フランスのフランソワ・オランド大統領はロシアの首都モスクワを訪れ、ヴラジミール・プーチン大統領と会談し、シリアでのダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦などについて協議した。

RT(11月26日付)などによると、会談後の共同記者会見で、オランド大統領は「フランスはロシアと手に手を携えて、テロ組織、そしてダーイシュ(イスラーム国)と戦うという共通の目標を実現する用意がある」と述べた。

オランド大統領はまた「我々が合意したのは…テロ組織とダーイシュのみを空爆し、テロ組織と戦っている勢力を攻撃しないということだ。我々は誰を攻撃し、誰を攻撃しないかに関して情報を交換することになる」と付言した。

一方、プーチン大統領は、パリでの同時テロ事件への弔意を改めて示したうえで、「こうした事態が、共通の悪に対する我々の取り組みを一つにすることを迫っている…。我々はあなた(オランド大統領)が…広範な対テロ同盟を作ろうと多くの努力をしていることを見てきた。我々がどのような姿勢を取っているか、そして我々は共に行動する用意があることをご存知だと思う。また、我々は我々のスタンスがこの点において近いと考えている」と述べた。

また「我々は、シリアでのテロとの戦いは、地上での作戦がなければ成功させることはできない…。地上でダーイシュに対して作戦を行っている勢力は、シリア軍をおいてほかない。この点において、私はアサド大統領の軍、そして彼自身がテロとの戦いにおける我々の同盟者であると考えている」と付言し、アサド政権との協力の必要を改めて強調した。

AFP, November 26, 2015、AP, November 26, 2015、ARA News, November 26, 2015、Champress, November 26, 2015、al-Hayat, November 27, 2015、Iraqi News, November 26, 2015、Kull-na Shuraka’, November 26, 2015、al-Mada Press, November 26, 2015、Naharnet, November 26, 2015、NNA, November 26, 2015、Reuters, November 26, 2015、RT, November 26, 2015、SANA, November 26, 2015、UPI, November 26, 2015などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領はダーイシュとの石油取引を否定し、「穏健なトルコマン反体制派」の支援を継続すると述べる(2015年11月26日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、トルコ政府とダーイシュ(イスラーム国)の協力関係を批判したロシアのヴラジミール・プーチン大統領の発言に対して、「恥を知るべきだ。我々がダーイシュから石油を買っていると疑う者たちは、その嫌疑を裏付けるべきだ…。もし裏付けないのなら、お前たちは中傷をしていることになる」と反論した。

そのうえで、「アサド政権と戦う穏健なトルクメン反体制グループへの支援を継続すると制約する」と述べるとともに、「アサド政権とその支持者たちこそがダーイシュに資金や武器を供与している」と主張、またロシアのラタキア県一帯での空爆が「ダーイシュを標的にしているのではなく、アサドを支援している」と批判した。

AFP, November 26, 2015、AP, November 26, 2015、ARA News, November 26, 2015、Champress, November 26, 2015、al-Hayat, November 27, 2015、Iraqi News, November 26, 2015、Kull-na Shuraka’, November 26, 2015、al-Mada Press, November 26, 2015、Naharnet, November 26, 2015、NNA, November 26, 2015、Reuters, November 26, 2015、SANA, November 26, 2015、UPI, November 26, 2015などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領は「トルコはテロリストをかくまい、彼らと石油、人員、麻薬を違法取引している」と批判(2015年11月26日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、大使任命式でシリア情勢について触れ、「一部の国がテロを直接支援し、そのことがテロ組織ダーイシュ(イスラーム国)の台頭をもたらした」としたうえで、「テロリストたちの行為を白紙撤回し、彼らがテロや犯罪に参加することを奨励するあらゆる試みを明確化しなければならない」と強調、トルコを「テロリストをかくまい、彼らと石油、人員、麻薬を違法取引し、数十億ドルの見返りを得ている」と述べ、トルコを暗に非難した。

プーチン大統領はまた「トルコの当局は、Su-24戦闘爆撃機を撃墜してから、いまだにロシアに対して何らの謝罪もしていない」と付言する一方、「もしトルコの軍・政治指導部が明確な謝罪、補償に関する提案、あるいはこの罪を犯した者たちの処罰への制約を行えば」、柔軟な姿勢を示す用意があることを示唆した。

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ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、24日のトルコによるロシア軍機撃墜事件に関して、トルコがシリア国内の「殺戮者」を守っているだけで、民間人を保護してなどいないと批判するとともに、NATOがトルコの攻撃に「青信号」を出しているようなものだと指弾した。

ザハロワ報道官は、撃墜されたロシア軍戦闘爆撃機から脱出し、パラシュートで降下中のロシア軍パイロットを、地上から武装集団が銃を乱射して殺害したことに触れ、「ロシアはアンカラに対して、ロシア軍パイロットを殺害し、その遺体を曝した武装集団を支持しているのかどうかの正式な発表を待っている」と述べた。

ザハロフ報道官はまた、NATOが「ロシアを制せず、トルコを含む加盟国に「青信号」を出し、(国際)法に違反するような措置を行わせ、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うための国際社会の取り組みを阻害するだけでなく、国際社会の平和と安全を脅かそうとしている…。NATOがロシアに対して弔意を示すことなく、戦闘機撃墜の責任をロシアに帰せようとしている」と批判した。

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ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ首相は、閣議で24日のトルコ軍によるロシア軍戦闘機撃墜事件などへの対応を協議し、「トルコの敵対行為への対抗措置として、経済、文化の両分野において一連の措置を…2日以内に実施」するよう内閣に要請した。

AFP, November 26, 2015、AP, November 26, 2015、ARA News, November 26, 2015、Champress, November 26, 2015、al-Hayat, November 27, 2015、Iraqi News, November 26, 2015、Kull-na Shuraka’, November 26, 2015、al-Mada Press, November 26, 2015、Naharnet, November 26, 2015、NNA, November 26, 2015、Reuters, November 26, 2015、SANA, November 26, 2015、UPI, November 26, 2015などをもとに作成。

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