ロシアのサーブリン連邦議会下院議員を団長とする議員使節団がシリアを訪問しアサド大統領と会談(2021年12月21日)

ロシアのドミトリー・サーブリン連邦議会下院(ドゥーマ)議員(ロシア・シリア友好委員会代表)を団長とする議員使節団がシリアを訪問し、アサド大統領と会談した。

SANA(12月21日付)によると、会談では、両国国会および議員間の関係強化について意見を交わし、シリアとロシアの「テロとの戦い」での勝利が、両国民のつながりをさらに強化し、両国の協力関係に新たな展望を与え、両国民の利益実現につなげねばならないとの意思が確認された。

https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/281126107387043

AFP, December 21, 2021、ANHA, December 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 21, 2021、Reuters, December 21, 2021、SANA, December 21, 2021、SOHR, December 21, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カザフスタンの首都ヌルスルタンでアスタナ17会議が開幕(2021年12月21日)

カザフスタンの首都ヌルスルタン(旧アスタナ)で、アスタナ17会議が開幕した。

会議には、アイマン・スーサーン外務在外居住者省次官が団長を務めるシリア政府代表団、
アレクサンドル・ラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使が代表を務めるロシア代表団、アリー・アスガル・ハージー外務大臣補を団長とするイラン代表団、セルチュク・オナル外務省シリア問題担当局長(大使)を団長とするトルコ代表団、シリア革命反体制国民連立傘下の暫定内閣前首班のアフマド・トゥウマ氏を団長とする反体制派(シリア軍事革命諸勢力代表団)代表団が参加した。

また、レバノン、ヨルダン、イラクが大使級オブザーバーを派遣、ハウラ・マタルシリア問題担当国連副代表を団長とする国連使節団も参加した。

**

12月20日にヌルスルタン入りしたスーサーン外務在外居住者省次官らシリア政府代表団は、ロシアのラヴレンティフ特使と会談し、米国とトルコの占領と、西側諸国の一方的制裁などの破壊的政策がシリア国民の苦難と安定阻害の主因だとしたうえで、トルコに対してこれまでの会議での合意の履行を迫るよう圧力をかけることが重要だと主張した。

また、人道支援に関しては、越境(クロスボーダー)での支援を原則拒否するとの姿勢を示した。

ラヴレンティフ特使は、シリアの主権、領土の一体性に抵触するあらゆる行為を拒否するとしたうえで、一部西側諸国による人道支援の政治利用に対峙することの重要性を強調した。

スーサーン外務在外居住者省次官らシリア政府代表団はまた、マタル国連副代表と会談した。

AFP, December 21, 2021、ANHA, December 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 21, 2021、Reuters, December 21, 2021、SANA, December 21, 2021、SOHR, December 21, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア、シリア政府、トルコは緊張緩和地帯で停戦違反を確認しなかったと発表:停戦違反が確認されなかったのは緊張緩和設置以降初めて(2021年12月21日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

シリア政府、トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3119509824958419

AFP, December 21, 2021、ANHA, December 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 21, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 21, 2021、Reuters, December 21, 2021、SANA, December 21, 2021、SOHR, December 21, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民322人と国内避難民(IDPs)22人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は733,969人、2019年以降帰還したIDPsは105,624人に(2021年12月21日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、12月20日に難民322人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民309人(うち女性93人、子供157人)、ヨルダンから帰国したのは13人(うち女性4人、子供7人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は733,969人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者336,999人(うち女性101,238人、子ども171,518人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者396,970人(うち女性119,139人、子ども202,458人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,827,630人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は963,249人(うち女性289,072人、子供490,961人)となった。

**

一方、国内避難民22人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは22人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は22人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,624人(うち女性41,381人、子供34,058人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,220人(うち女性423,940人、子供677,824人)。

シリア人権監視団が複数の活動家の情報をもとに発表したところによると、ルクバーン・キャンプからシリア政府支配地域に帰還した国内避難民(IDPs)はダマスカス郊外県ドゥマイル市一帯とアレッポ県農村地域から避難していた3世帯。

キャンプ内での劣悪な生活環境を逃れるために帰還を決心したという。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3119531628289572

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 21, 2021、SOHR, December 20, 2021をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ミルズ米国連副代表は来年1月10日に期限切れとなる越境(クロスボーダー)人道支援の延長を求める(2021年12月20日)

国連安保理でシリア情勢への対応を協議するための会合が開かれ、リチャード・M・ミルズ・Jr米国連副代表が、周辺諸国からシリアへの越境(クロスボーダー)人道支援を2022年1月10日までの半年間だけ延長することを定めた安保理決議第2585号(2021年7月9日)の失効が迫っているのを受けて、クロスボーダーの支援を「重要なライフライン」と位置づけ、その継続を求めた。

一方、シリアのバッサーム・シャッバーグ国連代表は、境界線経由(クロスライン)での支援を強化するための努力を進めているとしたうえで、米国が違法に占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)内にあるルクバーン・キャンプについて、シリアの市民を苦しめ、テロ組織の温床となっていると非難、その閉鎖を求めた。

AFP, December 21, 2021、ANHA, December 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 21, 2021、Reuters, December 21, 2021、SANA, December 21, 2021、SOHR, December 21, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるジャフラ油田近くに迫撃砲弾3発が着弾(2021年12月20日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるジャフラ油田近くに迫撃砲弾3発が着弾した。

迫撃砲弾はシリア政府の支配地であるダイル・ザウル市から発射されたという。

AFP, December 20, 2021、ANHA, December 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 20, 2021、Reuters, December 20, 2021、SANA, December 20, 2021、SOHR, December 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュがダイル・ザウル県ティブニー町近郊の砂漠地帯にあるイラク人民動員隊の拠点複数カ所を襲撃、ロシア軍が同地を爆撃(2021年12月20日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア政府の支配下にあるティブニー町近郊の砂漠地帯にあるイラク人民動員隊(ヌジャバー運動)の拠点複数カ所を襲撃した。

これを受けて、ロシア軍戦闘機が同地一帯を10回にわたり爆撃した。

AFP, December 20, 2021、ANHA, December 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 20, 2021、Reuters, December 20, 2021、SANA, December 20, 2021、SOHR, December 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ県北部、アレッポ県北部を砲撃(2021年12月20日)

ハサカ県では、SANA(12月20日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・ハラフ村を砲撃した。

**

アレッポ県では、ANHA(12月20日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のハッラーブ・シャムスィー村の遺跡地帯を砲撃した。

AFP, December 20, 2021、ANHA, December 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 20, 2021、Reuters, December 20, 2021、SANA, December 20, 2021、SOHR, December 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

地元の民兵組織が司令官を殺害されたことへの復讐だとして、スワイダー市内のシリア軍の拠点複数カ所を襲撃、市内の警察署を砲撃(2021年12月20日)

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、地元の民兵組織が司令官を殺害されたことへの復讐だとして、スワイダー市内のシリア軍の拠点複数カ所を襲撃、市内の警察署を砲撃した。

これにより、治安要員1人が死亡、士官1人が負傷した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装集団がタルビーサ市で民家を襲撃し、男性1人を殺害した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

シリア政府が確認した停戦違反も0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反3件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3118809065028495

AFP, December 20, 2021、ANHA, December 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 20, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 20, 2021、Reuters, December 20, 2021、SANA, December 20, 2021、SOHR, December 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民322人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は733,647人に(2021年12月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、12月19日に難民322人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民301人(うち女性90人、子供153人)、ヨルダンから帰国したのは21人(うち女性6人、子供11人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は733,647人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者336,690人(うち女性101,182人、子ども171,424人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者396,957人(うち女性119,135人、子ども202,451人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,827,630人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は962,927人(うち女性288,975人、子供490,797人)となった。

**

一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,602人(うち女性41,376人、子供34,047人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,198人(うち女性423,935人、子供677,813人)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3118807961695272

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 20, 2021をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのシュレイマン・ソイル内務大臣はトルコ占領下のアレッポ県北部のラーイー村を突如訪問(2021年12月19日)

トルコのシュレイマン・ソイル内務大臣は、トルコ占領下のアレッポ県北部のラーイー村を突如訪問した。

ソイル内務大臣の公式ツイッター・アカウント(https://twitter.com/suleymansoylu/)や内務省の赤院と(https://twitter.com/TC_icisleri/)によると、大臣は同村の工業地区を訪れ、シリア革命反体制勢力国民連立の傘下にある暫定内閣が建設した施設などを視察した。

https://twitter.com/suleymansoylu/status/1472592452687208451

https://twitter.com/suleymansoylu/status/1472597275843211272

AFP, December 19, 2021、ANHA, December 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 19, 2021、Reuters, December 19, 2021、SANA, December 19, 2021、SOHR, December 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ県アブー・ラースィーン町を砲撃(2021年12月19日)

ハサカ県では、ANHA(12月19日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町を砲撃した。

AFP, December 19, 2021、ANHA, December 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 19, 2021、Reuters, December 19, 2021、SANA, December 19, 2021、SOHR, December 19, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

タンクローリーなど27輌からなる米軍の車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所を経由し、イラクに出国(2021年12月19日)

ハサカ県では、SANA(12月19日付)がヤアルビーヤ町近郊の複数の地元筋の話として伝えたところによると、タンクローリーなど27輌からなる米軍の車列が、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所を経由し、イラクに出国した。

AFP, December 19, 2021、ANHA, December 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 19, 2021、Reuters, December 19, 2021、SANA, December 19, 2021、SOHR, December 19, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダルアー県でジャースィム市出身の若者1人が何者かによって殺害される(2021年12月19日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナワー市とジャースィム市を結ぶ街道で、正体不明の武装集団が車を襲撃し、乗っていたジャースィム市出身の若者1人が死亡した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

シリア政府が確認した停戦違反も0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反3件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3118084481767620

AFP, December 19, 2021、ANHA, December 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 19, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 19, 2021、Reuters, December 19, 2021、SANA, December 19, 2021、SOHR, December 19, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民299人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は733,325人に(2021年12月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、12月18日に難民299人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民287人(うち女性87人、子供147人)、ヨルダンから帰国したのは12人(うち女性4人、子供6人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は733,325人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者336,389人(うち女性101,092人、子ども171,271人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者396,936人(うち女性119,129人、子ども202,440人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,827,630人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は962,605人(うち女性288,879人、子供490,633人)となった。

**

一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,602人(うち女性41,376人、子供34,047人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,198人(うち女性423,935人、子供677,813人)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3118082471767821

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 19, 2021をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍がシリア国内の砂漠地帯各所でダーイシュに対する爆撃を実施(2021年12月18日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍がシリア国内の砂漠地帯各所でダーイシュ(イスラーム国)に対する爆撃を実施した。

AFP, December 18, 2021、ANHA, December 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 18, 2021、Reuters, December 18, 2021、SANA, December 18, 2021、SOHR, December 18, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県タッル・タムル町近郊に設置されているシリア軍検問所が米軍の装甲車5輌からなる車列の進行を阻止、これを退却させる(2021年12月18日)

ハサカ県では、SANA(12月18日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊の下マンサフ村に設置されているシリア軍検問所が、同村を通過しようとした米軍の装甲車5輌からなる車列の進行を阻止、これを退却させた。

シリア人権監視団によると、米軍の装甲車5輌からなる車列は、米軍ヘリコプター複数機の護衛を受けて、タッル・タムル町一帯で通常のパトロール任務を実施していた。

一方、SANAがルマイラーン町近郊の複数の地元筋の話として伝えたところによると、シリア産の原油を積んだタンクローリーなど90輌からなる米軍の車列が、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所を経由し、イラクに出国した。

AFP, December 18, 2021、ANHA, December 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 18, 2021、Reuters, December 18, 2021、SANA, December 18, 2021、SOHR, December 18, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアの発表によると停戦違反は0件、トルコ側によると2件(2021年12月18日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

シリア政府が確認した停戦違反も0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反2件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3117416578501077

AFP, December 18, 2021、ANHA, December 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 18, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 18, 2021、Reuters, December 18, 2021、SANA, December 18, 2021、SOHR, December 18, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民309人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は733,026人に(2021年12月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、12月17日に難民350人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民294人(うち女性88人、子供150人)、ヨルダンから帰国したのは15人(うち女性5人、子供8人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は733,026人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者336,102人(うち女性101,005人、子ども171,124人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者396,924人(うち女性119,125人、子ども202,434人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,822,156人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は962,306人(うち女性288,788人、子供490,480人)となった。

**

一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,602人(うち女性41,376人、子供34,047人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,198人(うち女性423,935人、子供677,813人)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3117413678501367

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 18, 2021をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

日本の外務省はWHOとの間で、6億7,700万円を供与額とするシリアへの無償資金協力に関する交換公文に調印したと発表(2021年12月17日)

日本の外務省は声明を出し、世界保健機関(WHO)との間で、6億7,700万円を供与額とする無償資金協力「紛争により甚大な被害を受けた地域の病院による救命サービスの復旧及び強化計画(WHO連携)」に関する交換公文の署名が行われたと発表した。

声明(シリア・アラブ共和国「紛争により甚大な被害を受けた地域の病院による救命サービスの復旧及び強化計画」(無償資金協力)に関する書簡の交換)の全文は以下の通り。

12月16日(現地時間同日)、世界保健機関(WHO)本部のあるスイス・ジュネーブにおいて、山崎和之在ジュネーブ国際機関日本政府代表部常駐代表・特命全権大使とテドロス・アダノムWHO事務局長(H. E. Dr. Tedros Adhanom, Director-General, World Health Organization)との間で、6億7,700万円を供与額とする無償資金協力「紛争により甚大な被害を受けた地域の病院による救命サービスの復旧及び強化計画(WHO連携)」に関する交換公文の署名が行われました。

1. 2011年3月のシリア危機発生から11年目に入り、同国では、国民の約90%が貧困層にあたるなど、人道危機と言われる状況が継続しており、国民の約79%にあたる約1,340万人が人道と保護の支援を必要としているといわれています。長引く紛争による被害のために一部機能していない病院は全体の約40%に上り、これまでに修復された一次医療センターにおいても、約50%の施設が何らかの機能不全を抱えています。更に、新型コロナウイルス感染症の影響により、既に極めて脆弱だった同国内の医療サービスは、より一層厳しい状況に陥っています。

2. この協力は、ダマスカス郊外県のドゥーマ国立病院及びアレッポ県のアル・ラージ病院に対し、医療サービス提供に必要な基礎インフラの修復及び医療関連機材を供与するものです。この協力により、国内避難民を含むシリア国民への安定的な外傷治療及び二次医療サービスの強化を図り、もってシリア国内の保健分野における人道状況の改善に寄与することが期待されます。

AFP, December 25, 2021、ANHA, December 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 25, 2021、Reuters, December 25, 2021、SANA, December 25, 2021、SOHR, December 25, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコで活動する「独立系シンクタンク」を名乗るジュスール研究センターによるとシリア領内にある米主導の有志連合、ロシア軍、トルコ軍、「イランの民兵」の基地・駐留拠点は597カ所(2021年12月17日)

トルコで活動する「独立系シンクタンク」を名乗るジュスール研究センターは「シリアにおける外国部隊の拠点:2021年末、2022年初め」と題した報告書を公開し、シリア領内における米主導の有志連合、ロシア軍、トルコ軍、「イランの民兵」の基地・駐留拠点の数、場所を明らかにした。

同報告書によると、これらの国・勢力の基地・拠点は597カ所。

内訳は以下の通り:

  • 有志連合:28カ所(ハサカ県17カ所、ダイル・ザウル県9カ所、ダマスカス郊外県(正しくはヒムス県)2カ所)
  • ロシア軍:114カ所(ハマー県24カ所、ハサカ県16カ所、アレッポ県12カ所、ヒムス県11カ所、ダイル・ザウル県10カ所、ダマスカス県・ダマスカス郊外県9カ所、スワイダー県9カ所、ラッカ県7カ所、イドリブ県6カ所、ダルアー県4カ所、ラタキア県3カ所、クナイトラ県2カ所、タルトゥース県1カ所)
  • トルコ軍:122カ所(アレッポ県57カ所、イドリブ県48カ所、ラッカ県10カ所、ハサカ県4カ所、ラタキア県2カ所、ハマー県1カ所)
  • 「イランの民兵」:333カ所(アレッポ県86カ所、ダマスカス県・ダマスカス郊外県69カ所、ヒムス県38カ所、ダイル・ザウル県27カ所、ダルアー県22カ所、イドリブ県22カ所、クナイトラ県19カ所、ハマー県18カ所、ラッカ県15カ所、ラタキア県8カ所、スワイダー県8カ所、ハサカ県1カ所)

Jusoor, December 17, 2021をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主軍のアブディー総司令官は、アラブ人が多く居住する地域から撤退し、政府にこれを引き渡すことを条件に、北・東シリア自治局の自律性を認めるとの提案をシリア政府から受けたと暴露(2021年12月17日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官は、シリア政府との交渉で、北・東シリア自治局の支配下にある地域のうち、アラブ人が多く居住する地域から撤退し、政府にこれを引き渡すことを条件に、同自治局の自律性を認めるとの提案をシリア政府から受けたことを暴露した。

リサーラ・ポスト(12月17日付)によると、ダイル・ザウル県のウマル油田に違法に設置されている米軍基地での地元名士との会談で、アブディー総司令官が明らかにしたもので、同司令官はこの提案を拒否したという。

AFP, December 19, 2021、ANHA, December 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 19, 2021、Reuters, December 19, 2021、Risala Post, December 17, 2021、SANA, December 19, 2021、SOHR, December 19, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

BBC:英空軍戦闘機がシリア南部でドローン1機を撃墜したと発表(2021年12月17日)

BBC(12月17日付)は、英空軍のユーロファイター・タイフーンFGR4が12月14日、シリア南部でダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」の任務につく有志連合に脅威を及ぼした無人航空機(ドローン)1機を撃墜したと発表した。

英空軍戦闘機が敵機を撃破するのは、フォークランド紛争以来40年ぶり。

ベン・ウォレス英国防大臣は撃墜した敵機の所属については明らかにしなかったが、キプロスの基地に配備されている2機のFGR4が通常の偵察任務中に小型のドローンを調査するよう任務を受け、パイロットがこれを捕捉、空対空ミサイルASRAAMで同機を撃破したという。

AFP, December 17, 2021、ANHA, December 17, 2021、BBC, December 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2021、Reuters, December 17, 2021、SANA, December 17, 2021、SOHR, December 17, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スプートニク・ニュース:シリアとトルコがユーフラテス川東岸地域の処遇をめぐって交渉(2021年12月17日)

スプートニク・ニュース(12月17日付)は、シリア軍筋の話として、シリア政府とトルコがユーフラテス川東岸地域の処遇をめぐって交渉を行っていることを明らかにした。

トルコとの交渉の責任者だというシリア軍のハイダラ・ジャワードなる人物によると、トルコとの交渉では、ユーフラテス川東岸地域における、トルコ軍の駐留、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と米主導の有志連合の支配地域の処遇のほか、アダナ合意の履行などについて話し合われているという。

ジャワード氏は「交渉は進展しており、我々はこの危機が解決に至ることを臨んでいる」と述べたという。

AFP, December 17, 2021、ANHA, December 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2021、Reuters, December 17, 2021、SANA, December 17, 2021、SOHR, December 17, 2021、Sputnik News, December 17, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県カーミシュリー市近郊のタッル・ザハブ村とサーリヒーヤ村の住民が米軍の車列の通過を阻止(2021年12月17日)

ハサカ県では、SANA(12月17日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市近郊のタッル・ザハブ村の住民が、村を通過しようとした米軍の装甲車複数輌と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車輌1輌からなる車列の進行を阻止し、退却させた。

また、サーリヒーヤ村の住民も、村の検問所を通過して、カーミシュリー市に向かおうとした米軍の装甲車5輌とシリア民主軍の車輌1輌からなる車列の進行を阻止し、退却させた。

AFP, December 17, 2021、ANHA, December 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2021、Reuters, December 17, 2021、SANA, December 17, 2021、SOHR, December 17, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊を砲撃し、変電所が再び稼働停止に(2021年12月17日)

ハサカ県では、ANHA(12月17日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のダルダーラ村、ウンム・カイフ村を砲撃した。

SANA(12月17日付)、シリア人権監視団によると、この砲撃でタッル・タムル町の変電所に電力を供給する送電線が断絶、変電所の稼働が再び停止した。

AFP, December 17, 2021、ANHA, December 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2021、Reuters, December 17, 2021、SANA, December 17, 2021、SOHR, December 17, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民350人と国内避難民(IDPs)3人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は732,717人、2019年以降帰還したIDPsは105,602人に(2021年12月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、12月16日に難民350人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民350人(うち女性101人、子供171人)、ヨルダンから帰国したのは14人(うち女性4人、子供7人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は732,717人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者335,808人(うち女性100,917人、子ども170,974人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者396,909人(うち女性119,120人、子ども202,426人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,822,156人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は961,997人(うち女性288,695人、子供490,322人)となった。

**

一方、国内避難民3人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は3人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,602人(うち女性41,376人、子供34,047人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,198人(うち女性423,935人、子供677,813人)となった。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3116662555243146

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 17, 2021をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

タンフ国境通行所に違法に駐留する米軍が基地一帯地域に接近した「イランの民兵」所属と思われるドローンを撃破(2021年12月16日)

米フォックス・ニュース(12月16日付)は米中央軍(CENTCOM)のビル・アーバン報道官(大佐)の話として、ヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に、所属不明の無人航空機(ドローン)2機が飛来し、うち1機が同地域奥地まで進入し、「敵意を示した」ため、米軍がこれを撃墜したと伝えた。

もう1機のドローンは55キロ地帯から立ち去った。

ドローン2機とその迎撃による死傷者はなかったという。

別の米軍士官によると、ドローンは、タンフ国境通行所の基地に駐留する米軍を危険に晒す前に、空対空ミサイルで撃破された。

ドローンは「イランの民兵」所属機と見られるという。

AFP, December 16, 2021、ANHA, December 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2021、Fox News, December 16, 2021、Reuters, December 16, 2021、SANA, December 16, 2021、SOHR, December 16, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県ウマル油田に違法に駐留する米主導の有志連合が実弾を使用した演習実施(2021年12月16日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるユーフラテス川東岸のウマル油田に違法に駐留する米主導の有志連合が、実弾を使用した演習を行い、基地周辺で大きな爆発音が複数回聞こえた。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の貨物車輌など約20輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、米軍が県内に違法に設置する各地の基地へと向かった。

AFP, December 16, 2021、ANHA, December 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2021、Reuters, December 16, 2021、SANA, December 16, 2021、SOHR, December 16, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア大統領府の子供の権利のための弁務官を務めるルヴォヴァ=ベロヴァ氏がカーミシュリー市の北・東シリア自治局渉外関係局を訪問し、ダーイシュのロシア人メンバーの遺児8人の身柄を引き取る(2021年12月16日)

シリアを訪問中のロシア大統領府の子供の権利のための弁務官を務めるマリア・ルヴォヴァ=ベロヴァ氏を代表とする使節団が、ハサカ県のカーミシュリー市にある北・東シリア自治局の渉外関係局を訪問し、アブドゥルカリーム・ウマル渉外関係局共同局長、ファナル・カイート共同副局長と会談した。

会談後の共同記者会見で、アブドゥルカリーム共同局長はルヴォヴァ=ベロヴァ弁務官らの訪問に歓迎の意を示すとともに、ハサカ県のフール・キャンプに収容されていたダーイシュ(イスラーム国)のロシア人メンバーの遺児8人の身柄をロシア側に引き渡したことを明らかにした。


ANHA(12月16日付)が伝えた。

AFP, December 16, 2021、ANHA, December 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2021、Reuters, December 16, 2021、SANA, December 16, 2021、SOHR, December 16, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.