アサド大統領がボルージェルディー国家安全保障外交委員長を団長とするイラン国会使節団と会談するなか、EUが外相理事会を開きシリアからの石油禁輸措置を一部緩和などを決定(2013年4月22日)

シリア政府の動き

アサド大統領は、アラーッディーン・ ボルージェルディー国家安全保障外交委員長を団長とするイラン国会使節団とダマスカスで会談し、地域情勢などについて意見を交換した。

SANA(4月22日付)によると、会談で、アサド大統領は、両国関係強化に向けてイラン国会で提案されている域内諸国支援策に協力する用意があると述べた。

一方、イラン国会使節団はワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣、ジハード・ラッハーム人民議会議長、パレスチナ諸派代表、アフマド・バドルッディーン・ハッスーン共和国ムフティーなどと会談した。

会談後の記者会見で、ボルージェルディー国家安全保障外交委員長は、一部のシリア周辺諸国が「ヨルダン方面でシリアに対する新たな戦線が開かれたことは、米国とその同盟国の政治的失敗を示している」と述べた。

SANA, April 23, 2013
SANA, April 23, 2013

また「シリアでの対立や危機を煽り、無実のシリア国民を殺している…。この危機は早晩収束し、これらの国々の有害で誤った行為しかシリア国民の記憶には残らないだろうということを知るべきだ」と非難した。

また「現下の最善の選択肢は、2014年夏までアサド氏が大統領の地位にとどまり、その後、シリア国民が自らの行く末を決めるための言葉を述べるための自由選挙が行われること」と述べた。

そのうえで、シリア政府による危機解決政治プログラムへの支持を表明した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(4月23日付)によると、軍が攻勢をかけるジュダイダト・ファドル町で、軍によって殺害された(と思われる)女性10人、子供3人、男性88人、反体制武装集団戦闘員24人の遺体が発見された。

クッルナー・シュラカー(4月22日付)は、ダマスカス郊外県ジュダイダト・ファドル町での軍の掃討作戦に関して、「第4(機甲)師団と黒い服を着た国防隊」が住民虐殺と民家焼き討ちを主導していたと報じた。

一方、SANA(4月22日付)によると、ハラスター市、ドゥーマー市、ジュダイダト・ファドル町、ダーライヤー市、ドゥマイル市、カナーキル村、フジャイラ村、フサイニーヤ町、ダイル・ハビーヤ村、ザーキヤ町などで、軍が反体制武装集団を追撃し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、複数の反体制消息筋によると、マンナグ航空基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

同消息筋によると、反体制武装集団は同飛行場を防衛する大隊本部に突入し、武器庫を占拠、司令官を殺害したという。

シリア人権監視団によると、このほか、クワイリス航空基地周辺、マーリア市、ヌッブル市、タッル・リフアト市、アレッポ市ライラムーン地区などでも、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を行ったという。

また同監視団によると、ヌッブル市・ズィヤーラ村間で、自由シリア軍、民主統一党人民防衛隊が、軍および政権を支持するシーア派民兵と交戦した。

同地区はクルド人が多く住んでいるという。

戦闘は、マンナグ航空基地、ヌッブル市、ズィヤーラ村に対する反体制武装集団の包囲を解除するため、軍が北進したことで発生したという。

戦火はザフラー町西部まで拡大し、ヌッブル市とザフラー町の住民、マーイル町とバヤーヌーン町の武装集団が軍との戦闘に参加したという。

このほか、アレッポ市では、サラーフッディーン地区、アーミリーヤ地区、ブスターン・カスル地区などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月22日付)によると、マンナグ村、アルカミーヤ村、アイン・ダクナ村、ズィヤーラ村、マーイル町、クファイン市、カフル・アントゥーン村、ズィラーア市、ダイル・ジャマール村、タッル・アッザーズ市、ハンダラート・キャンプなどで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、マルジャ地区、シャイフ・マクスード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(4月22日付)は、カフルダーイル村で、シリア正教会のグレゴリウス・ヨハネ・イブラーヒーム・アレッポ主教とギリシャ正教会のブールス・ヤーズジー・アレッポ主教が乗った車が襲撃され、武装集団に誘拐されたと報じた。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(4月23日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線とサラーフッディーン大隊が、ムライハ市入り口にある灯油貯蔵所の検問所に対して、爆弾を積んだ車2台で自爆攻撃を行い、治安要員18人を殺害した。

またシリア人権監視団によると、ザマルカー町周辺、アイン・タルマー村、ダーライヤー市、ムライハ市、ヤルダー市、バービッラー市、イバーダ市、ナブク市郊外などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル地方での戦闘で、ヒズブッラーの戦闘員2人が死亡した。

またヒムス市の複数の地区が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月22日付)によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、ハーリディーヤ地区、タドムル市デデマン・ホテル近く、アブー・フーリー村(クサイル地方)、ダブア市、東ブワイダ市、カマーム市、ハミーディーヤ市、ダール・カビーラ村、ラスタン市、タルビーサ市、マスウーディーヤ村、ハイダリーヤ村、キースィーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市ダッバーガ地区で軍と反体制武装集団が交戦した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ザーウィヤ山周辺の村々、マアッラト・ヌウマーン市、ビンニシュ市、ジャルジャナーズ町などが軍の砲撃・空爆を受け、イドリブ市内で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月22日付)によると、アブー・ズフール軍事基地周辺、ウンム・ジャリーン村、タッル・サラムー村、ブワイティー・タリーハ村、ジャーヌーディーヤ町、ヤアクービーヤ村、ジャミーリーヤ村、ハーッジ・ハンムード村、アイン・バーリダ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団本部周辺に対して、軍が空爆を行った。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月22日付)によると、ダイル・ザウル市旧空港地区、フサイニーヤ町、ムハイミーディーヤ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、カティーバ村、ウンム・マヤーズィン町、サフム・ジャウラーン村、ヌアイマ村、タスィール町、ハイト村、シャジャラ町などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月22日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(4月22日付)によると、ジャウバル区、ルクンッディーン区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(4月22日付)によると、マズィーン村、バーシューラ村、カールーラ村、ムライジュ村、カサーティル村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(4月22日付)に対して、ヒムス県クサイル地方での軍の攻勢に関して、「クサイルでの戦闘を指揮しているのはヒズブッラーのエリート部隊だ」と断じた。

アブドゥッラフマーン代表は、このエリート部隊に関して「必ずしもレバノン出身の戦闘員ではなく、レバノン人が住むシリア領内のシーア派の村々出身のヒズブッラーの戦闘員だ」と付言した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は、アフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長の辞任を受け、イスタンブールで政治委員会会合を開き、シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長を暫定議長に任命した。

また、前議長の任期終了に合わせ、5月10、11日に議長選挙を行うことを決定した。

サブラー暫定議長は、イスタンブールで記者会見を開き、ヒズブッラー戦闘員の危機への参戦に関して、「ヒムスで起きていることはシリア国民に対する戦線布告だ。こうした認識のもとアラブ連盟は事態に対処しなければならない」と述べた。

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン元事務局長は、シリアの友連絡グループ会合でのシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長の辞任表明に関して、フェイスブック(4月22日付)で「外国の前で辞表を投げつけることは…、彼らの会社の社員だったかのような振る舞いだ」と批判した。

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シリア革命反体制勢力国民連立経済活動グループ代表でシリア国民評議会幹部のウサーマ・カーディーは、EUによる対シリア石油禁輸措置部分緩和に関して、「暫定政府がなければ、何もできない。今月末に連立に対して、暫定政府をめぐる提案がなされるだろう」と述べた。

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ナハールネット(4月22日付)によると、アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領は、レバノン政府のシリア危機に対する不関与政策に関して、「(ミシェル・)スライマーン(大統領)のシリア国民や反乱軍に対する敵対的姿勢に一部のレバノン人、アラブ人は疑問を抱いていない。なぜならお前(スライマーン大統領)の大統領就任において主要な役割を果たしたバッシャール・アサド大統領に忠誠を尽くしているからだ」と批判した。

レバノンの動き

南部県サイダー市のビラール・ブン・ラバーフ・モスクのイマーム、アフマド・アスィールは「自由抵抗大隊」の結成を宣言し、ヒムス県クサイル地方で「不正な扱いを受ける者たち」を支援するためにシリアに向かうようサラフィー主義者たちに呼びかけた。

アスィールは「イランの党(ヒズブッラー)の攻撃を恐れるすべてのレバノン人に、5人からなる秘密結社を作って武装し、自衛のために備えよ」としたうえで、「我らが民を救うため、シリアに行ける者は防衛ジハード」を行うよう求めた。

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北部県トリポリ市のシャイフ、サーリム・リファーイーは、「クサイルのスンナ派同胞のために人員と武器を支援する」と宣言した。

また「すべてのスンナ派の若者に対して、クサイルでのジハードの義務を果たすための第一陣を派遣する充分な準備を行う」よう呼びかけた。

そのうえで、レバノンの大統領、首相、国民議会議長に対して「クサイルのレバノン人とシリア人に対するヒズブッラーの攻撃に沈黙することは、レバノンでの宗派内乱への門戸を開くことになる」と警鐘を鳴らした。

諸外国の動き

EUはルクセンブルクで外相理事会を開き、シリアからの石油禁輸措置を一部緩和し、反体制勢力からの原油、石油産品の購入、反体制勢力が支配するとされる地域の石油部門への投資、関連技術・設備の輸出などを認める決定を行った。

反体制勢力が支配するとされる地域での住民生活の再建や経済活動の回復を後押しするのが目的だという。

EUの官報で発表されたこの決定は、各国の関係当局による取引の監督、シリア革命反体制勢力国民連立との事前協議が定められており、2013年6月1日に発効することになっている。

なお信頼できる複数の消息筋が、『ハヤート』(4月23日付)に明らかにしたところによると、シリア国内の70カ所以上の油田が、反体制武装集団と民主統一党によって掌握されているという。

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UNHCRのヨルダン事務所は、シリアで避難生活を送っていたイラク人約2,800人がヨルダンに避難した、と発表した。

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SANA(4月22日付)は、イラクの匿名治安筋の話として、イラクのアンバール県、ニネベ県の対シリア国境地帯複数カ所で、イラク軍第27旅団と連邦警察が、シリア領に潜入しようとしていたサラフィー主義戦闘員数十人を追跡・逮捕、武器・装備を押収したと報じた。

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ヒューマン・ライツ・ウォッチは、シリア軍と反体制武装集団の双方によるレバノンへの「無差別の越境攻撃」が国際法に違反すると非難、その停止を呼びかけた。

AFP, April 23, 2013、Akhbar al-Sharq, April 23, 2013、al-Hayat, April 24, 2013、Kull-na Shuraka’, April 23, 2013、Kurdonline, April 23,
2013、Naharnet, April 23, 2013、Reuters, April 23, 2013、SANA, April 23, 2013、UPI,
April 23, 2013などをもとに作成。

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アサド大統領がレバノンの政党代表などからなる使節団と会談し同国のシリア情勢をめぐる不干渉姿勢に対し不満を露わに、シリア革命反体制勢力国民連立のハティーブ議長が19日に改めて辞任を表明したことを明らかにする(2013年4月21日)

国内の動き

アサド大統領はレバノンの政党代表などからなる使節団とダマスカスで会談し、中東情勢、シリア・レバノン情勢について意見を交換した。

SANA(4月21日付)によると、会談でアサド大統領は、シリア情勢が改善に向かっているとの見方を示す一方、タクフィール主義テロ集団との間にいかなる和解の余地もないと強調し、テロ撲滅と危機解決政治プログラムの貫徹への意思を示した。

SANA, April 22, 2013
SANA, April 22, 2013

ナハールネット(4月22日付)によると、アサド大統領は会談で、シリア危機に対するレバノン政府に不関与政策に関して、「この政策が何を意味しているのか理解できない。シリア危機が終わるまでレバノンのアフリカ大陸に移しておくことを意味しているのか?…火に囲まれ、炎が迫ってきているのにどうやって無関係でいられようか?」と述べ、不満を露わにしたという。

一方、タマーム・サラーム議員の首相就任に関して、「古い民族主義の家族が戻ってくるべきだ」と述べ、暗に歓迎の意を示したという。

他方、クッルナー・シュラカー(4月22日付)によると、アサド大統領は23日にブリュッセルで予定されているロシアのウラジーミル・プーチン大統領とバラク・オバマ大統領の会談に関して、「戦場が両者のあらゆる対話の結果を決める」と述べた。

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『ワタン』(4月21日付)は、イスタンブールでのシリアの友連絡グループ会合に関して「火に油を注ぐ」行為と非難した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(4月22日付)によると、軍がジュダイダト・ファドル町を制圧した。

またシリア人権監視団によると、軍がジュダイダト・ファドル町、ジュダイダト・アルトゥーズ町に突入した。

さらに、ダーライヤー市、フジャイラ村、ダイルハビーヤ市、ハーン・シャイフ・キャンプ、ダルーシャー村、フサイニーヤ町、ズィヤービーヤ町、ザマルカー町郊外、ドゥーマー市などで軍による砲撃が続いた。

一方、SANA(4月21日付)によると、ジュダイダト・ファドル町、ダーライヤー市、フジャイラ村などで、軍が反体制武装集団の拠点に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアレッポ市ハーリディーヤ地区を奇襲、またアシュラフィーヤ地区、カルム・ジャバル地区で軍と交戦し、兵士10人を殺害した。

また同市のアーミリーヤ地区、サラーフッディーン地区などでも軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月21日付)によると、マンナグ村、アルカミーヤ村、カフルハーシル村、ハンダラート・キャンプ、マンスーラ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・マクスード地区、ブスターン・カスル地区、アーミリーヤ地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マガーラ村のアリー・ハティーブ小学校を軍が砲撃し、生徒5人が死亡、約20人が負傷した。

またマアッラト・ヌウマーン市、カフルサジュナ市、バーブーリーン村周辺、アリーハー市などで軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月21日付)によると、ジスル・シュグール市、ジャーヌーディーヤ町、ハマーマ市、ヤアクービーヤ村、クトルーン市、シュグル市、ジャフタリク市、ハーッジ・ハンムード市郊外、アイン・バーリダ村、アイン・スーダ村、アイン・シーブ村、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、バルザ区で軍による砲撃が続いた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナワー市・シャイフ・マスキーン市間の国際幹線道路沿いで軍と反体制武装集団が交戦、シャイフ・マスキーン市、バスラ・ハリール市、ムハッジャ村、ヒルバト・ガザーラ町などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月21日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市クスール地区に対して軍と反体制武装集団と交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月21日付)によると、ハウワーシュ丘、カルカート地方で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団が、ブルハーニーヤ村、ラドワーニーヤ村、タッル・ナビー・マンドゥー村などクサイル市郊外の村々を軍、政権やヒズブッラーを支持する民兵が制圧したと発表した。

また同監視団によると、クサイル市、ハウラ地方などが軍の空爆を受け、複数が死傷した。

一方、SANA(4月21日付)によると、クサイル市郊外のハーリディーヤ村、ムーフ村、ジャルースィーヤ村、サクラジャ村を軍が制圧、治安を回復した。

またヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・スィバーア地区、ジュワーディーヤ市、西ダミーナ市、東ブワイダ市、ダール・カビーラ村、カルアト・ヒスン市、アブー・フーリー村、ハスヤー町、ラスタン市、キースィーン市、カフルナーン市、タドムル市郊外などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長は、イスタンブールでのシリアの友連絡グループ閉幕後、フェイスブック(4月21日付)で、19日に参加国外相や連立幹部の前で改めて辞任表明を行ったことを明かすとともに、「血で満たされた映像しか見ていない」と言い放って彼らとの会食を拒否したと書き込んだ。

またハティーブ議長は「自らが閉じ込められていた欺瞞に満ちた黄金の籠から飛び出し、自由な道を進む」と綴った。

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シリア革命反体制勢力国民連立メンバー委員会のマルワーン・ハーッジュー委員長は、AFP(4月21日付)に対して、国際社会がシリア危機に対して行動を起こさなかったことが、ハティーブ議長による辞任表明の理由だと述べた。

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ザマーン・ワスル(4月21日付)によると、シリア国民評議会の執行部メンバーのサミール・ナッシャールは、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班に関して、シリア国内の自由シリア軍全体から承認され、支持を得る必要があり、それが不可能な場合、退任した方がよいと考える傾向が評議会内にあることを明らかにした。

ただし、こうした考え方を実際に主張する者は(いまのところ)いないという。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ヒズブッラーに対してシリア領からの即時撤退を求めるとともに、レバノン政府にヒズブッラーの行為を停止させるための措置を講じるよう呼びかけた。

一方、自由シリア軍に対してもレバノン領内での活動を自制するよう求めた。

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クルドオンライン(4月21日付)は、シャームの民のヌスラ戦線と自由シリア軍が、シリア国内の紛争へのヒズブッラーの参加を受け、レバノンへと戦場を移し、同国を戦車で攻撃するとの声明を出したと報じた(未確認情報)。

諸外国の動き

ロイター通信(4月21日付)は、FBIがシカゴで、アル=カーイダと関係のあるシリアの武装集団に参加しようと計画していた18歳の男性を逮捕したと報じた。

男性の名前はアブドゥッラー・アフマド・トゥーニスィーで、イリノイ州出身。

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AFP(4月21日付)は、ヨルダン治安当局の話として、ザアタリー避難民キャンプで発生した暴動に関連して、8人のシリア人を逮捕した、と報じた。

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WFP(世界食糧計画)は、25,000トンの小麦を積んだ米国船籍舶が4月半ばにレバノンとトルコで物資を陸揚げしたと発表した。

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ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は、イスタンブールでのシリアの友連絡グループ会合後、「EUの1カ国、ないしは複数の国が、別の勢力に武器が渡るリスクがないと考えるのなら、この意見を尊重するだろう」と述べ、シリアへのEUの武器禁輸措置解除を検討する用意があるとの意思を示した。

また、シリア革命反体制勢力国民連立が、民主主義、テロとの戦い、過激派排除を誓約したことに関して、「こうした状況であれば、我々は反体制勢力への支援強化の努力をしなければならないし、そうするだろう」と付言する一方、過激派ではなく、「民主的勢力」を支援すると強調した。

さらに反体制勢力に対して1,500万ユーロの追加支援を行うと発表した。

この追加支援を含めると、ドイツの反体制勢力への支援額は1億4,500ユーロに達する。

AFP, April 22, 2013、Akhbar al-Sharq, April 22, 2013、al-Hayat, April 23, 2013、Kull-na Shuraka’, April 22, 2013, April 23, 2013、Kurdonline,
April 22, 2013、Naharnet, April 22, 2013, April 23, 2013、Reuters, April
22, 2013、SANA, April 22, 2013、UPI, April 22, 2013、al-Waṭan, April 21, 2013、Zaman al-Wasl, April 21, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアの友連絡グループ会合が開かれ米国務長官はシリア革命反体制勢力国民連立に政権との交渉に応じるよう圧力をかけたことを示唆、自由シリア軍合同司令部がヌスラ戦線などのサラフィー主義者らが「革命を邪悪なものにしようとしている」と断言(2013年4月20日)

国内の暴力

ハサカ県では、ハワルニュース(4月20日付)によると、ハッダード村の住民の要請により、民主統一党人民防衛隊が同村に突入し、反体制武装集団(自由シリア軍)を放逐した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ムサッラブ村で続く住民(部族)とシャームの民のヌスラ戦線の戦闘で、住民、ヌスラ戦線双方の死者数がそれぞれ17人、20人に達した。

同監視団によると、戦闘は石油輸送トラックの盗難をめぐって3月末に始まり、住民は軍が供与した武器でヌスラ戦線に対峙しているという。

また戦闘は、住民がヌスラ戦線の戦闘員17人(14人がシリア人、6人が外国人)を殺害したのに対して、ヌスラ戦線が報復として民家30県を爆破したことで、激化したという。

このほか、ダイル・ザウル市郊外で、旅客バスが迫撃砲による攻撃を受け、多数の市民が死亡、またハリータ村への軍の攻撃で、女性1人、子供3人が死亡した。

一方、SANA(4月20日付)によると、ダイル・ザウル市内、マリーイーヤ村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、戦闘員を殲滅した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市郊外の村々で軍と反体制武装集団が交戦し、戦闘員6人が死亡した。

同監視団によると、戦闘には、ヒズブッラーが支援する人民諸委員会(自警団)と武装集団が参加し、戦闘によって軍はラドワーニーヤ村を制圧した。

また軍はクサイル市郊外、ハウラ地方、ヒムス市に砲撃を加えた。

一方、SANA(4月20日付)によると、クサイル市郊外のカーディシュ村、マンスーリーヤ村、ラドワーニーヤ村、サアディーヤ村、サクマーニーヤ村を軍が奪還し、治安を回復した。

またラスタン市、ダール・カビーラ村、ヒムス市ハーリディーヤ地区、アーミリーヤ市、サルーミーヤ市、ウンム・シャルシューフ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市のアレッポ街道地区で軍が反体制武装集団を要撃し、戦闘員4人を殺害した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍による掃討作戦が続き、ジュダイダト・ファドル町では、この4日で69人が死亡した。

死亡した69人のほとんどは武装集団戦闘員だという。

またジュダイダト・アルトゥーズ町、ムウダミーヤト・シャーム市、ドゥーマー市、アイン・タルマー村、ウタイバ村、ヤブルード市などで軍が反体制武装集団の追撃を行った。

これに関して、クッルナー・シュラカー(4月20日付)は、ジュダイダト・ファドル町に対する軍の掃討作戦にはヒズブッラーの戦闘員が多数参加していると報じた。

一方、SANA(4月20日付)によると、ジュダイダト・アルトゥーズ町の住宅街に向かって反体制武装集団が迫撃砲を発射し、複数の市民が負傷した。

またフサイニーヤ町、バービッラー市、ブワイダ市、ハラスター市、ドゥーマー市、ダーライヤー市、ズィヤービーヤ町、ヤルダー市、フジャイラ村などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、カーブーン区に軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月20日付)によると、バルザ区で反体制武装集団が旅客マイクロバスを襲撃、これにより乗客1人が死亡、16人が負傷した。

またジャウバル区で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バーラ村、カフルルーマー村、マアッル・シューリーン村、サラーキブ市などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月20日付)によると、イブリーン村近くで、トルコ領内から武器を持ち込もうとした武装集団を軍が攻撃し、戦闘員を殲滅した。

またタッル・サラムー村、ウンム・ガザール村、アブー・ズフール軍事基地周辺、ビンニシュ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、サフィーラ市などに軍が砲撃を加え、アレッポ国際空港周辺で反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月20日付)によると、ナイラブ村、ハンダラート・キャンプ、マンナグ村、アルカミーヤ村、マーイル町、タッル・リフアト市、フライターン市、ヤーキド・アダス村、カフルハムラ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ジャミーリーヤ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供2人が負傷した。

さらに同市のシャイフ・マクスード地区、バーブ街道地区、旧市街、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、第17師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦、また第93旅団が展開するアアユージュ村に近いアッジャージュ村が砲撃を受けた。

このほか、サフサーファ村では、部族長のアブドゥッラフマーン・ムハンマド・ファラジュの家に迫撃砲弾が着弾し、ファラジュ氏が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジーザ町、ジャースィム市、ナマル町、ダルアー市ダム街道地域などが、軍の砲撃を受けた。

反体制勢力の動き

自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリーは、中東通信(4月20日付)に宛てた声明で、シャームの民のヌスラ戦線に代表されるサラフィー主義者の一部が、イラン・イスラーム革命防衛隊やシリアのムハーバラートと連携するイラクからの戦闘員で、「革命を邪悪なものにしようとしている」と断じ、非難した。

またヌスラ戦線のアミールを名乗るアブー・ムハンマド・ジャウラーニーに関して、イランとシリアの諜報機関が作り上げた「音声録音でしか知られていない架空の人物だ」とその存在を否定した。

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シリア革命反体制勢力国民調整委員会はフェイスブック(4月20日付)で声明を出し、「現体制が存在する限り、シリアの危機に政治的解決の余地はない」としたサウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣の発言を「シリアの現状への深遠な理解」と賞賛した。

レバノンの動き

NNA(4月20日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡カスル村および同村郊外に、シリア領から発射された迫撃砲弾5発が着弾した。

諸外国の動き

トルコのイスタンブールで、シリアの友連絡グループ会合が開かれ、米英仏、ドイツ、イタリア、トルコ、サウジアラビア、カタールなど11カ国の外相が参加した。

シリアの反体制勢力からは、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長、ジョルジュ・サブラー副議長、リヤード・サイフ副議長、スハイル・アタースィー副議長、ムスタファー・サッバーグ書記長、ガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班、自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長が出席したが、それ以外の組織は参加しなかった。

シリア革命反体制勢力国民連立は、会合開催に合わせて声明を出し、アサド政権が化学兵器や弾道ミサイルの使用などを通じて「テロ」を行っていると断じる一方、シリアの友連絡グループ会合が事態に充分対処していないと非難、4項目からなる要望を行ったと発表した。

イスタンブールでのシリアの友連絡グループ会合に提出された4項目の要望は以下の通り。

1. シリア政府による弾道ミサイル、化学兵器使用を非難し、その防止を具体化させるための国連安保理決議の採択。
2. シリアの友連絡グループ構成国による無人航空機を使用した弾道ミサイル発射地点に対する「外科的打撃」。
3. 飛行禁止空域の設置。
4. シリア革命反体制勢力国民連立を支援するための国際基金の設置。

この声明に関して『ハヤート』(4月22日付)は、「あらゆる形態のテロを拒否する」との文言が含まれていると報じたが、実際の声明(http://all4syria.info/Archive/78671)にはこうした文言はない。

会合に先立って、ジョン・ケリー米国務長官に同行する米高官は、米国はシリア革命反体制勢力国民連立や自由シリア軍参謀委員会など、穏健な反体制勢力に対して、非殺傷兵器などを追加供与する意思があると述べた。

また自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は記者団に「対話を通じた政権との問題解決はなく、武力以外による問題解決はない」と述べた。

一方、ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は「シリアの反体制勢力は過激なテロ勢力から距離を置かねばならない…。ドイツは反体制武装集団への武器増強に疑義を呈している」と述べた。

20日晩、ケリー米国務長官、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長が共同記者会見を開き、6時間にわたる会合の内容について明らかにした。

ケリー米国務長官は、共同記者会見で、米国がシリアの反体制勢力に1億2,300万ドルの追加支援を行い、支援総額を2億5,000万ドルに倍増させることを明らかにした。

支援内容の詳細に関して、ケリー米国務長官は「食糧品、医薬品、非殺傷装備など」と述べ、明言を避けた。

また反体制勢力へのすべての支援を、自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)を経由して行うことを確認したことを明らかにした。

さらにケリー米国務長官は、シリア革命反体制勢力国民連立から「シリアの未来のビジョンを表した…重要な文書」を受け取ったとしたうえで、その文書で連立が、マイノリティの権利を保障した多元主義、テロや過激主義の拒否、政治的解決の優先を誓約していると強調した。

ケリー国務長官によると、この文書で、シリア革命反体制勢力国民連立は「すべてのマイノリティが自らの権利を享受し、将来の選択に参加する多元的シリアを樹立」することを誓約したという。

またシリア革命反体制勢力国民連立は「テロ、過激主義を拒否し、化学兵器を使用せず、いかなる宗派に対しても復讐を行わず、誤った勢力に武器を渡さない」ことを遵守し、「政治的解決を優先」すると宣言したのだという。

しかし、実際の文書(要望、http://all4syria.info/Archive/78671)にはこうした誓約は明記されておらず、ケリー国防長官の発言からはシリア革命反体制勢力国民連立が強硬姿勢の変更を余儀なくされたことを伺い知ることができる。

なおケリー国務長官は、シリアの友連絡グループ会合の閉幕時に採択された声明で、シリア革命反体制勢力国民連立が「ジュネーブ合意の枠組みに基づいて…シリア危機を解決するための交渉のテーブルにつくことを支持した」と述べ、連立に政権との交渉するよう圧力をかけたことを暗示する一方、「シリア政府がこの機会を拒否すれば、我々は(反体制勢力への)さらなる支援を発表する」と警告した。

これに関して、『ハヤート』(4月22日付)は、複数の反体制消息筋の話として、米国が反体制勢力に対してすべての支援を自由シリア軍参謀委員会経由で行うことを通知し、「過激派の孤立化」をめざすとともに、「軍事的な政権打倒ではなく、現地でのパワーバランスを変更すること」を狙っていると報じた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、国連安保理に対して、シリアでの暴力停止に向けて、統一した姿勢をとるよう呼びかけた。

AFP(4月20日付)が報じた。

AFP, April 20, 2013、Akhbar al-Sharq, April 20, 2013、al-Hayat, April 21, 2013, April 22, 2013、Hawarnews, April 20, 2013、Kull-na Shuraka’,
April 20, 2013、Kurdonline, April 20, 2013、MENA, April 20, 2013、Naharnet,
April 20, 2013、NNA, April 20, 2013、Reuters, April 20, 2013, April 21, 2013、SANA,
April 20, 2013、UPI, April 20, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

複数の欧米紙が直近の戦闘で「化学兵器」が使用された可能性を報じるなか、民主統一党のムスリム共同党首がアレッポ市での軍と人民防衛隊との交戦に関して「クルド人と反体制武装集団が停戦に合意したことが原因」との見解を示す(2013年4月19日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、反対消息筋によると、ダーライヤー市、スバイナ町、ズィヤービーヤ町、ヤルダー市、ダイル・ハビーヤ村、ジュダイダト・アルトゥーズ町、ムウダミーヤト・シャーム市、ジュダイダト・ファドル町などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月19日付)によると、アドラー市、ナブク市、ザーキヤ町、ミスラーバー市、ダーライヤー市、フジャイラ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、反体制消息筋によると、ハウラ地方、クサイル市周辺が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月19日付)によると、ラスタン市、ダール・カビーラ村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またレバノン領内からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした戦闘員を軍が撃退した。

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ハマー県では、反体制消息筋によると、カフルズィーター市が軍の砲撃を受けた。

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イドリブ県では、反体制消息筋によると、バーブーリーン村に対する軍の攻撃が続いた。

またシリア人権監視団などによると、タッフ市、バシーリーヤ村、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月19日付)によると、ジスル・シュグール市、バシュラームーン村、アイン・バーラ村、カスティン市、フーカーニー市、バシーリーヤ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、反体制消息筋によると、アレッポ市スッカリー地区などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月19日付)によると、マンナグ村、アルカミーヤ村、タッル・アッジャール村、カフルアントゥーン市、マーイル町、アナダーン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、マルジャ地区、シュカイイフ地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、反体制消息筋によると、ダイル・ザウル市の航空基地周辺、ラサーファ地区、工業地区で軍と反体制武装集団が交戦、またムーハサン市に対して軍が砲撃を加えた。

一方、アラビーヤ(4月19日付)がダイル・ザウル市内の将校クラブで爆発があったと報じた。しかしSANA(4月19日付)はこれを否定した。

またSANA(4月19日付)によると、ダイル・ザウル市のハウィーカ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、軍がカーミシュリー市に砲撃を加えた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジャムラ村、サイダー町、フラーク市、ヌアイマ村、ナスィーブ村などが軍の砲撃を受けた。

また軍がダルアー市クスール地区に突入する一方、ナーミル村・ヒルバト・ガザーラ町間の国際幹線道路で反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月19日付)によると、ダルアー市などで、軍が反体制武装集団を追撃、サウジアラビア国籍のシャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラビーア町一帯に軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月19日付)によると、ムライジュ村、ジュッブ・アフマル村、ガマーム村、ラビーア町で軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

殺害されたヌスラ戦線メンバーのなかには、ベルギー人、チェチェン人、リビア人が含まれている、という。

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ダマスカス県では、SANA(4月19日付)によると、バルザ区で、反体制武装集団が、車で移動中のタミーム・アブドゥッラー大佐を襲撃、暗殺した。

またマッザ区でも、反体制武装集団が、レストランで食事中の社会問題省計画局のアリー・バッラーン局長を撃ち、暗殺した。

またジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

国内の動き

SANA(4月20日付)は、ダルアー県高官筋の話として、シリア人避難民約5,000人がヨルダンからシリアに帰国した、と報じた。

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クッルナー・シュラカー(4月20日付)によると、ハマー県サラミーヤ市で「イランとヒズブッラーはアサドとともに敗れる」と銘打った抗議デモが行われた。

またAFP(4月19日付)などによると、イドリブ県カフルナブル市などで反体制デモが行われ、参加者が米ボストンでの爆弾事件に対して弔意を示した。

反体制勢力の動き

民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首はロイター通信(4月19日付)に対して、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区などでの軍と人民防衛隊との交戦に関して、「クルド人と反体制武装集団の穏健派の一部が停戦に合意したことが原因だろう」と述べた。

ムスリム共同党首は、トルコ政府とPKKのアブドゥッラ・オジャランとの停戦合意(3月)に関して、「シリアの反体制勢力を支援し、政権退陣を求めるトルコがクルド人マイノリティと和平交渉に入ったのを受けて、トルコがシリアのクルド人を支援することを懸念している」との見方を示した。

一方、自由シリア軍と自らの党の統合に関しては「自由シリア軍が世俗的・民主的シリアをめざすと制約しなければ不可能だ…。自由シリア軍には過激なジハード主義者やサラフィー主義者が参加している」と否定した。

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シリア国内外で活動する著名は反体制活動家が声明を出し、シリア市民権センターの設立を宣言した。

声明に署名したのは、ハビーブ・イーサー、フアード・ハミール、アーリフ・ダリーラ、ナビール・マルズーク、ルーリー・ラクビーら。

センターは、「祖国」概念の再構築、「市民文化とその価値観」の普及をめざすとともに、シリアを「宗教、宗派、エスニシティに基づく差別を越えたすべてのシリア人のもの」と位置づけ、「国民の一部ではなく、全体が最終的な政治権威の行使者」と訴えている。

諸外国の動き

国連安保理は、シリア情勢に関して、人道支援物資配給に対する「妨害」に遺憾の意を示し、「すべての当時者」に対して、シリア全土における人道支援機関の活動を保証することを求める議長声明を全会一致で採択した。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、国連安保理での非公式会合後、記者団に対して、「私はまだ職務を辞していない。毎日目が覚めては、辞めなければならないと考えているが、今のところそうはしていない。いつか辞めるかもしれないが…、今のところは辞めない…。私の職務の任期が3ヶ月しかないなどと初めて耳にした。まったく根拠がない」と述べた。

またブラーヒーミー共同特別代表は、シリア情勢を「世界でもっとも深刻な危機」としたうえで、「私は今日、安保理に軍事介入は不可能で、望まれていないと言った」と述べた。

さらに「反体制勢力に(移行期)政府樹立を急がないよう忠告した…。反体制勢力に属する多くの人々が政府樹立が、有益で必要だと考えていない」と付言した。

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AFP(4月19日付)は、米匿名高官が、最近のシリア国内での戦闘で化学兵器の「疑いが強い」兵器が使用されたと情報を限定的だが得たと報じた。

同高官によると、化学兵器が限定的・局地的に使用された可能性があり、米諜報機関はこの情報の真偽を確認中だという。

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『ワシントン・ポスト』(4月20日付)と『フォーリン・ポリシー』(4月20日付)は、匿名高官の話として、英仏が国連の潘基文事務総長に対して、シリア国内で入手した土壌サンプルの検査と、目撃者・反体制武装集団の証言をもとに、シリア軍がアレッポ市および同市周辺、ヒムス市およびその周辺、そしておそらくはダマスカス(郊外県)で化学兵器を使用したと報告したと報じた。

『ハヤート』(4月20日付)は、英仏の報告に関して、真剣に検証を行っているとの米国高官の発言を伝える一方、それ以外の高官、専門家が両国の報告を実証することはきわめて困難だと見ていると報じた。

また『ハヤート』は、(米国の)別の匿名高官が、「諜報機関はシリアでの化学兵器の使用を確認できなかった」と述べた、と報じた。

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ザアタリー避難民キャンプで、ヨルダン治安当局がキャンプ外への逃走しようとしたシリア人避難民を取り締まったことに抗議して、避難民数百人が暴徒化し、治安部隊などに投石を行い、治安要員10人が負傷した。

AFP(4月20日付)が報じた。

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RT(4月19日付)は、ロシア外務省のアレクサンドル・ルカシェヴィッチ報道官が、ヨルダン政府による米兵200人の受け入れに関して、シリア危機を悪化させかねないと批判したと報じた。

AFP, April 19, 2013、Akhbar al-Sharq, April 19, 2013、Alarabia.net, April 19, 2013、The Foreign Policy, April 20, 2013、al-Hayat, April 20, 2013、Kull-na Shuraka’, April 19, 2013, April 20, 2013、Kurdonline, April 19, 2013、Naharnet, April 19, 2013、Reuters, April 19, 2013、SANA, April 19, 2013, April 20, 2013、UPI, April 19, 2013、The Washington Post, April 20, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ジャアファリー国連代表が安保理会合で演説し欧米諸国による反体制武装集団への支援を批判、イスラエルのネタニヤフ首相が「ゲーム・チェンジャーとなりうる危険な兵器」がテロ組織のもとにわたることを懸念(2013年4月18日)

国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がクサイル市北部のダブア航空基地の大部分を制圧、地元調整諸委員会によると、MiG戦闘機2機、戦車2輌を含む大量の武器弾薬を奪った。

しかし、政府を支持する活動家によると、軍はダブア航空基地から近隣の大隊本部に撤退したため、「破壊された戦車しか発見できなかった」という。

一方、ヒムス県では、SANA(4月18日付)によると軍がアーバル市の反体制武装集団の掃討を完了、同市を奪還・制圧した。

またタッル・シャンナーン村、シターヤ村、ヒムス市ジュッブ・ジャンダリー地区、ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、アイン・ダナーニール氏、ダール・カビーラ村などで軍が、反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、ムカイラビーヤ市、ウタイバ村、バイト・サフム市などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月18日付)によると、マルジュ・スルターン村郊外、アドラー市、ハラスター市、タッル・クルディー町郊外、ザーキヤ地方、ダイルハビーヤ地方、スバイナ町などで軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、カーブーン区、ヤルムーク区が砲撃を受けた。

一方、SANA(4月18日付)によると、ジャウバル区で軍が反体制武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍がジスル・シュグール市からバーブーリーン村方面に増援部隊を派遣した。

またハーミディーヤ航空基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月18日付)によると、ジャーヌーディーヤ地方、カトルーン地方、アイン・シュグル地方、マアッラトミスリーン市、ビンニシュ市、サラーキブ市、ジスル・シュグール市、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハッターブ村に軍が突入、タイバト・イマーム市に迫撃砲弾が着弾した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のサーフール地区、スライマーン・ハラビー地区、アーミリーヤ地区、ダイル・ジャマール村、アアザーズ市などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月18日付)によると、マンナグ村、アルカミーヤ村、アイン・ダクナ村、カフルハーシル村、カフルアントゥーン市、タナブ村、アナダーン市、フライターン市、ウワイジャ地区、ナイラブ村、ドゥワイリーナ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、ブスターン・カスル地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ブーライル村が砲撃を受けた。

一方、SANA(4月18日付)によると、マリーイーヤ村、フサイニーヤ町、ダイル・ザウル市労働者住宅地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、反体制活動家らによると、第17師団本部周辺に軍が空爆を行った。

シリア政府の動き

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、安保理会合で、「シリア政府は、テロ組織が盗んだ石油を買うなどの手段でシリアでのテロに資金援助をする者すべてを安保理で追及する…。今日から、西側のどの政府にも、自国民が国境を越えてシリアに入り、流血に加担するのを無視することを正当化する口実はない」と述べ、欧米諸国の反体制武装集団への支援を批判した。

またジャアファリー国連代表は、イスラエルがゴラン高原の兵力引き離し地域を経由してテロリストがシリア国内に潜入するのを支援していると断じ、批判した。

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『ハヤート』(4月19日付)は、西側外交筋の話として、ファイサル・ミクダード外務副大臣がヨルダンを秘密裏に訪問し、ナースィル・ジャウダ外務大臣やヨルダンの治安当局高官と会談、アル=カーイダおよび過激集団の危険はシリアだけでなく、隣国にも及ぶとの警告のメッセージを伝えたと報じた。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立はアサド大統領のインタビュー(18日付)に関して、「現実から隔絶されている」と述べ批判した。

諸外国の動き

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はBBC(4月18日付)に対して、「我々は中東のパワーバランスを変更する特殊兵器がテロリストの手に落ちることを懸念している。こうしたことが起きることを阻止するために行動する権利を持っている」と述べた。

また「我々は必要とあれば、自衛する用意がある。私が言っていることがバランスのとれた真剣なものだということを皆が分かっていると思う…。我々が懸念している主な兵器はシリアに実際に存在する兵器だ。つまり対空兵器、化学兵器、そしてゲームを変更するかもしれない非常に危険な兵器だ」と強調した。

そのうえで「こうした兵器は、中東のパワーバランスの条件を変更し、世界レベルでテロの危険をもたらすだろう。我々の国益とは自衛だが、それは他の国の国益でもあると考えている」と付言した。

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ヨルダンのムハンマド・ムーマニー内閣報道官は「シリア危機が安全保障に悪影響を与えるなか、米国防総省は約200人の兵士を我が国領土に展開させることを提案した」と述べた。

ムーミニー報道官はしかし「シリア情勢への王国の姿勢は変わらず、軍事介入に反対し、包括的な政治的解決を呼びかけている」としたうえで、米国兵士の派遣が両国間の通常の軍事協力関係の一環をなし、シリア情勢とは関係がないと強調した。

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チャック・ヘーゲル米国防長官は上院の軍事委員会で、シリア国内での化学兵器使用の有無に関して、「この問題は非公式会合で検討すべきだ」と述べ、明言を避けた。

マーティン・デンプスィー米陸軍参謀長も同じく上院軍事委員会で、「メディアで情報が流れている…。しかしこの委員会ではこれ以外のことは言うことはできない」と明言を避けた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は欧州議会外交委員会で「(シリア)情勢を放置すれば、シリアは解体の危険に向かい、その分裂は地域レベルで悪影響をもたらす」としたうえで、「こうした状況が生じれば、過激派が勝者となるだろう」と警鐘を鳴らした。

ファビウス外務大臣はまた「アル=カーイダに属す過激な組織がパワーバランスの中心を獲得すれば、不安定化の危険がヨルダン、レバノン、トルコ…、さらにはアラブ・イスラエル紛争にも及ぶということを考えねばならない」と述べた。

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「ロシア2013」フォーラムに参加中の英国のトニー・ブレア前首相は、記者団に対して、「シリアを脅かす危険は…解体の危険であり、地域全体に大きな影響を及ぼすだろう。事態はシリア領内にとどまらない」と警鐘を鳴らしたうえで、国際社会がシリアの統合を保証するための合意を行うべきだと述べた。

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ロシアの複数のメディアが伝えたところによると、セルゲイ・ラブロフ外務大臣は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の進退に関して、「政府と反体制勢力の対話実施という任務を彼に与えた二つの組織のうちの一つ(アラブ連盟)が、対話支援という方針を修正し、ダマスカスの当局が正統でなく、シリア革命反体制勢力国民連立がシリア国民の唯一の正統な代表だと宣言したあとで…、どのように振る舞うことができようか?」と述べ、辞任の可能性もあると示唆した。

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国連のバレリー・アモス人道問題担当事務次長は、シリア情勢に関して「戦闘を行う当時者たちは、民間人の声明を完全に無視している…。ダイル・ザウル市、ハマー市、イドリブ市、ヒムス市は瓦礫と化し、アレッポも破壊し尽くされている」と非難した。

アモス事務次長は、国外避難民が130万人、国内避難民が425万人に達しているとしたうえで、衛生状態の悪化に懸念を示す一方、シリア政府の支援受け入れ措置の遅れが、人道活動の障害になっていると批判した。

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レバノンのナウワーフ・サラーム国連代表は安保理で、シリア領内の国境地帯で戦闘地域から離れた場所に避難民キャンプを設営することを検討すべきと提案した。

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UPI(4月18日付)によると、リビア国防省法務担当官のハイサム・ウバイディーは、自由シリア軍がリビア領内に訓練センターを持っていないとしつつ、旧暫定国民評議会や革命家たちが、シリアでの「革命」に共鳴し、シリア人とともに、軍事・人道支援を行っていると述べた。

またリビア軍参謀本部のアリー・シャイヒー報道官は、リビア当局の認可を受けて解説された自由シリア軍の事務所はない、と述べた。

AFP, April 18, 2013、Akhbar al-Sharq, April 18, 2013、al-Hayat, April 19, 2013、Kull-na Shuraka’, April 18, 2013、Kurdonline, April 18, 2013、Naharnet, April 18, 2013、Reuters, April 18, 2013、SANA, April 18, 2013、UPI, April 18, 2013などをもとに作成。

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アサド大統領がシリア独立記念日にあわせてインタビューに応じ、「我々はタクフィール主義勢力と戦っている」としつつ、世俗主義や「戦争」で勝利する重要性を改めて強調(2013年4月17日)

アサド大統領のインタビュー

アサド大統領はシリア独立記念日(4月17日)に合わせてイフバーリーヤ・チャンネルのインタビューに応じた。

http://www.youtube.com/watch?v=DS-hARtOMsMhttp://www.youtube.com/watch?v=W1W45xdBOqk
http://www.youtube.com/watch?v=pJ99eG2rj9s
http://www.youtube.com/watch?v=iYCPIfx4FY8

SANA, April 17, 2013
SANA, April 17, 2013

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り。

「シリアはあらゆる手段と方法を駆使した新たな植民地主義の試みに曝されていると思う。さまざまな国籍を持った者からなる外国の軍事勢力がシリアを侵略しようとしている。それは、新たな戦術によるもので、我々が新植民地主義と名付けていた伝統的な戦術と異なっている」。

「また思想的な侵略を通じて文化的にシリアを占領しようとする試みもある。これは、シリアを大国、とりわけ西側に従属させようとすること、そして不正に満ちたタクフィール勢力に従属させようとするという二つの方向からなっている」。

「今起きていることの真実は戦争だ。治安に関わる事件ではない」。

「大国、とりわけ米国は欧州においてでさえも独立性を持つ国があることを受け入れない…。シリアは非常に重要な地政学的な位置にある。それゆえシリアを支配したいという願望は、植民地主義諸国の政治において歴史的かつ伝統的なものだ。この戦いにおいて、これらの国が当初から、政治や報道といった面で支援を行う役割を担っている。最近になって、物資兵站支援を公然と行うようになっており、武器支援も行っていると思う」。

「今起きていることの真実は、我々がタクフィール主義勢力と対決しているということだ。(彼らは)大打撃を被り、一部の場所では消滅した。あるいは、もともとアル=カーイダの一部だったが、その傘下で活動するため強制的に移動させられた。我々は今実質的にタクフィール主義勢力と戦争を行っている」。

「どんな社会にも、狭量な思想を持った者からなる集団はいる…。こうした集団は危機が発生すると台頭する。彼らの有害な思想と行動を持って現れる…。これは1980年代のシリアにおいて、宗派主義的な思想を利用したムスリム同胞団の危機を通じて生じた…。彼らは宗派主義的な思想をもてあそぶことはできたが…、敗北後、シリアの状況は、シリア社会の本来の状態へと戻った」。

「我々が唯一よりどころとしているのはシリア国民の意思だ…。誇張せずにこう言うことができる。今のシリアは危機発生当初よりよくなっている。危機当初は、宗派主義的言説が利用され、病巣が顕著に表れ、多くの人々の間でこの点への懸念が生じ、バランスが失われた…。タクフィール思想、差別、宗派主義を広めようとする衛星報道による攻撃への…シリア国民の2年に及ぶ抵抗を経て、こう言いたい。シリア国民は偉大な国民であり、彼らへの懸念はない」。

(国内に「解放区」があるとの一部報道に関して、「伝統的な方法で敵が領土の一部を占領するためにやってきた場合、国軍はこの敵を攻撃し、祖国を防衛し、敵を放逐する…。こうした状態が領土解放である。しかし我々は全く異なった状況、新たな戦争、新たな方法に立ち向かっている。我々は都市の内部に入り込んだ集団に対処している。その一部はシリア人ではなく、外国人、アラブ人であり…、都市や街区に入り込み破壊活動を行っている…。我々は、解放区について云々するために領土解放作戦を行っていると言っているのではない。我々は今、テロ殲滅作戦を行っているのだ。この二つの違いは大きい。我々がテロリストを殲滅しなければ、シリア国内のいかなる地域を解放したとしても意味がない」。

「我々は宗派主義を恐れてはおらず、真に分裂をもたらすような根拠もないと考えている。分裂は、宗教的、宗派的、人種的な境界が必要だが、そうした地図は実質的には存在しない。なぜならシリア社会は、ほぼすべての地域において統合されているからだ…。(シリアが分裂していることを示すような)地図は、神経戦の一部であれ、我々が常に話している敗北の一部だ」。

(アレッポ市および郊外の分断に関して)「これは分裂という枠組みなかに位置づけられるものではない。人種や宗派に基づく境界線には基づいていない。テロリストがいる場所かどうかというということに基づいている」。

「エルドアンは、自分のために自分の国を差し出す((クルド国家の建設を認める)用意があるだろう。しかしシリアのクルド人に関して、私は繰り返し言っていることがある。シリアのクルド人はシリア社会本来の基本的な部分をなしている。彼らはこの地域に何世紀も前から暮らしてきた…。個人的な利益のために特定の問題を利用しようとする日和見主義者もいる。だから、シリアではクルド政党を名乗る多くの集団が立ち上げられ、彼らはいわゆるクルド問題やクルド人迫害について常に大げさにとりあげてきたという。しかしこうした言葉はまったく正しくない。彼らはクルド人の国籍取得について話してきた…。私が会った殉教者遺族のなかには多くのクルド人がいる」。

(世俗主義に関して)「我々は国家として、宗教に基づいて対処することはない。例えば、人々が仕事を得るためにやって来たとしても、我々はこの人が属する宗教や人種を問うことはない。宗教や人種に基づいて差別をしてはいけない。これがこの概念(世俗主義)だ。それは非宗教的な世俗主義でなくので、宗教には対立し得ない。また信仰の自由について言う場合、この世俗主義はさまざまな宗教を支持し、それに対立しない。まったく逆で、宗教は道徳であり、我々は道徳を必要としており、つまりは宗教を必要としている」。

(反体制勢力に関して)「テレビに出る度に違った言葉で話し、それぞれの段階で異なった言葉で話す者がいる。こうした人々は愛国的な反体制勢力なのか…。動揺せずに安定していなければ愛国的たり得ない。我々は国家として、危機の初日から一つの言葉で語ってきた。我々はテロと戦う、外国から内政干渉しようとするものと戦う、と言ってきた…。それと同時に、我々は対話に向けて門戸を開いてきた。最初は対話を拒否したが、その後それに同意した勢力がいる。もし間違えていたら、我々は間違っていたと言って欲しい。我々の評価は間違っていたと…。危機の当初、私は演説を行い、間違いがあったと述べた。しかし彼らは発言を変えるだけだ」。

「我々が誰と対話するのかという質問がなされれば…、シリアには今多くの政党がある。依然として成長過程にある政党だが、愛国的で、態度を変えるような政党ではない。外国に頼ったりもしない。国内には愛国的な勢力がいる。愛国的なシリア人は多くいる…。国民を代表する愛国的な反体制勢力の地位にあると自称する者は、自分たち以外しか代表していないこを我々は知っている」。

「シリアがどのようになるか…という問題、反大統領制になるのか、これは国民が決めることだ。我々は国民が決めたことに同意する」。

「地域と私は別問題だ。つまり地位は政治体制に関わり、政治体制がすべての地位の権限を決定している…。一方、リーダーというのは…、個人に関わる問題だ。これは権限とは異なる。地位を求める者は軽蔑に値する。そう思っている。地位は単なるツールであって目的ではないとするなら、目的は個人が社会に対してプロジェクトを提示し、国民がそれを支持し、シリアにとってよりよい状態に至ることである。敵対的なメディアが概して言ってきたのは…、問題が国民によって拒否されたリーダーにあり、このリーダーがイスに固執し、そのために国民を殺しているというものであり…、それゆえ退陣問題が提起されている。しかし、地位には何の価値もないというのが真実であり、民衆の支持がなければ、地位が個人に何かを与えることはない…。だから言いたい…。国民が決めることが、大統領としてとどまるか、去るかの根拠となる」。

「我々は武器や装備を持った戦闘員やテロリスト数千人がヨルダンからやって来たのを目の当たりにした。我々は治安当局高官を1ヶ月ほど前に派遣し、ヨルダンの当局者と会談し、彼らに我々がもっているデータについて説明をした。しかし彼らはヨルダンが事件に関与したことを否定した。しかしこれは非論理的だ…。ヨルダンが昨年、パレスチナでレジスタンスを行おうとして軽武装しかしていなかった男一人を逮捕できたのに、(ヨルダン当局が関知しないかたちで)シリアに数千人が武装して入っているなどという信じることはできない」。

「武器をもって市民に敵対する者は、アル=カーイダであろうがなかろうが、みなテロリストだ…。一方、「穏健な武装勢力」は、米国民に対して自らの行為を正当化しようとする米国の手口だ」。

「西側があらゆる勢力を利用していることは真実だ。西側が対立している勢力であってもだ。その証拠に、彼らはアル=カーイダとマリで戦っているが、シリアやリビアでは支援してきた。シリアで戦っていたのと同じ過激派がリビアで支援を受けており、この戦闘員はマリの戦闘員を…支援している。これはいわゆる二枚舌、三枚舌、四枚舌だ…。西側は、自分たちが満足できない国に害を与えるためにどんなカードでも利用する。シリア情勢は、彼らにとって幸運だった。なぜならアル=カーイダがやってきたからだ。彼らはまず、リビアであれ、マリであれ、アフガニスタンであれ、それ以外の場所であれ、こうした勢力を放逐したかった。こうした勢力はシリアにやってきたため、他の地域の圧力が軽減した。しかしこれによって、シリアで誰が勝者になるかは別として、破壊がもたらされた。国家、アル=カーイダ、それ以外の誰かが勝つにせよ、結局シリアが高い代償を払うことになるだろう」。

「我々はシリアのインフラ、思想の破壊の結果を目の当たりにしている。たとえ国家が勝利したとしても、弱い国家になってしまうだろう。(アル=カーイダへの)支援を通じて西側がめざしているのはこうしたことだ。しかし同時に、西側は今、このテロが自分たちにいずれふりかかるだろうということを知らない…。彼らは事実、アフガニスタンのアル=カーイダを当初は支援し、高い代償を払った。今、シリア、リビアなどでアル=カーイダを支援し、欧米の心臓部で大きな代償を支払うことになろう。

「我々の前には勝利以外の選択肢はない。我々が勝利しなければ、シリアは終わってしまう。シリアのいかなる市民もこうした選択肢を受け入れるとは考えていない」。

国内の暴力

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(4月17日付)によると、ラアス・アイン市の反体制武装集団制圧地区で、民主統一党女性局の開設を呼びかけ街頭活動を行っていた車が発砲を受けた。

これを受け、民主統一党人民防衛隊が同地区に向かって進軍し、24時間以内にラアス・アイン市から退去するよう武装集団に求めた。

反体制武装集団に近い消息筋によると、発砲は「自由シリア軍」の命令によるものではなく、スライマーン・ハサクーが率いる武装集団の単独犯行だという。

一方、シリア人権監視団によると、ハサカ市、シャッダーディー市で、武装集団が女性1人を含む市民3人を殺害した。

また、ザマーン・ワスル(4月17日付)によると、マアシューク・ハズナウィー大隊のワラート・ムラード司令官と兵士6人が何ものかに誘拐された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、東ブワイダ市、アーバル市、クサイル市などで軍が反体制武装集団を攻撃し、反体制武装集団の司令官1人、戦闘員5人を含む18人が死亡した。

同監視団によると、これらの地域での戦闘において、ヒズブッラーを支持する武装集団が政府側について参加している、という。

一方、SANA(4月17日付)によると、タイバ村、タッルドゥー市、タッルダハブ市、ラスタン市、クサイル市、ダブア市、アーバル市、東ブワイダ市、ダミーナ市、ヒムス市ワーディー・サーイフ地区、ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、タドムル市郊外などで軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市空港周辺などでの軍との戦闘で、反体制武装集団のメンバー3人が殺害された。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アアザーズ市、アレッポ市カルム・フーミド地区、サーフール地区、ブアイディーン地区、マサーキン・ハナーヌー地区などに対して軍が空爆を行い、外国人戦闘員らが死亡した。

一方、SANA(4月17日付)によると、ハンダラート・キャンプ(キンディー大学病院一帯)、タッル・アッジャール村、カフル・アントゥーン村、カフルハーシル村、アイン・ダクナ村、マッルアナーズ市、マーイル町、ハーン・トゥーマーン村などで軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャッアール地区、シャイフ・マクスード地区、マサーキン・ハナーヌー地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーッス村、マアッル・シューリーン村、サラーキブ市、バーラ村、ビダーマー町、カフルルーマー村などに対して軍が砲撃を加えて、子供1人を含む2人が死亡した。

一方、SANA(4月17日付)によると、サラーキブ市、ナイラブ村、マアッラトミスリーン市、サルミーン市、ジスル・シュグール市、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ジュダイダト・アルトゥーズ町、ウタイバ村、ダルーシャー村などで軍が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月17日付)によると、アドラー市、ウタイバ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヤブルード市、ドゥーマー市、ハラスター市、ナブク市などで軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人旅団のメンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(4月17日付)によると、アッバースィーイーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾4発が着弾し、市民1人が死亡、17人が負傷した。

またジャウバル区で軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヒルバト・ガザーラ町、ワーディー・ヤルムークなどに軍が空爆を受け、反体制武装集団と交戦した。

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ラタキア県では、SANA(4月17日付)によると、ラビーア町、アティーラ村、ムライジュ村、リーシュ村、バイト・アワーン村、ハーン・ジャウズ村、ジュッブ・アフマル村、ズワイク村、ダグマシュリーヤ村などで軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷した。

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ハマー県では、SANA(4月17日付)によると、ウンム・ミール村、スーハ村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線を殲滅した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長はフェイスブック(4月17日付)で、ムフティーを選出するための「シリア最高イスラーム評議会」を設置すべきだと綴った。

諸外国の動き

ロイター通信(4月17日付)などは、匿名外交筋の話として、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が自身の役割をアラブ連盟との関係のない国連特別代表とすることを望んでいる、と報じた。

同外交筋によると、ブラーヒーミー共同特別代表がアラブ連盟との関係を絶ちたいとの意向を持った主因は、連盟首脳会談でシリア革命反体制勢力国民連立がシリア代表の地位を与えられたことにあり、これにより中立的な仲介者としての役割が果たせなくなったと考えていたという。

しかし、国連の潘基文事務総長は、この報道に関して、記者団に関して、「ブラーヒーミーは共同特別代表として活動を続けるだろう。最も重要なのは、国連がアラブ連盟と共同で行動することだ」と述べ、否定した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はトルコでアフメト・ダウトオール外務大臣と会談した。

会談でラブロフ外務大臣は、シリアの友連絡グループに関して、「現時点で、我々はこのプロセスがジュネーブ合意にマイナスに作用すると考えている」と述べ批判した。

また「次回の協議で、我々は軍事介入に関わり、一当事者を孤立させるあらゆる措置を回避することを試みるだろう…。我々はすべての当時者を含む対話の基礎を作ることに集中している」と強調した。

さらに「反体制勢力の活動を停止させねばならない。そうすることで、シリアでの事態が悪い形で推移することを回避できるだろう」と付言した。

一方、ダウトオール外務大臣は、「シリアを中東・北アフリカから孤立させることはできない…。シリアの危機はトルコに大きな影響を与えるが、それは政権の暴力が理由で続いている」と述べた。

そのうえで「シリアはシリア国民のものであって、アサド大統領のものではない」と主張した。

AFP, April 17, 2013、Akhbar al-Sharq, April 17, 2013、al-Hayat, April 18, 2013、Kull-na Shuraka’, April 17, 2013、Kurdonline, April 17,
2013、Naharnet, April 17, 2013、Reuters, April 17, 2013、SANA, April 17, 2013、UPI,
April 17, 2013、Zaman al-Wasl, April 17, 2013などをもとに作成。

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アサド大統領が独立記念日にあわせて2013年4月16日以前の犯罪に対する恩赦の実施を決定、シリア革命反体制勢力国民連立のヒートゥー暫定政府首班がヌスラ戦線を「同志」と表現(2013年4月16日)

国内の暴力

アレッポ県では、『ハヤート』(4月17日付)によると、サッハーラ村でタウヒード旅団のヌールッディーン・ザンキー大隊司令官のタウフィーク・シハーブッディーンが負傷し、トルコ領内の病院に搬送されたが死亡した。

またアレッポ市のアンサール地区では、灰色(シャフバー)の楯旅団司令官のアブー・ウバイダが何者かに撃たれ、重傷を負った。

一方、SANA(4月16日付)によると、ハンダラート・キャンプ(キンディー大学病院一帯)、マンナグ村、アルカミーヤ村、マッルアナーズ市、ハーン・アサル村、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、バーブ・ハディード地区、シュカイイフ地区、シャイフ・マクスード地区などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、シリア人権監視団によると、タラール市からトルコ領内に避難しようとしたシリア人に対して、トルコの国境警備隊が発砲し、複数の負傷者が出た。

ロイター通信(4月17日付)によると、アレッポ市で、シリア赤新月社スタッフと地元評議会メンバーが車でサーフール地区に入り、軍と反体制武装集団に巻き込まれて死亡した市民らの遺体31体を搬出した。

この間、軍と反体制武装集団は戦闘を停止した。

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イドリブ県では、サマーン・ワスル(4月16日付)によると、自由シリア軍の司令官の一人イスマーイール・ウラービーがダーナー市で暗殺された。

同報道によると、自由シリア軍は暗殺を行ったとされるアブー・バナート大隊の戦闘員を追跡し、ダイル・ハッサーン市で4人を殺害、12人を捕捉した。

ウラービーの部隊は、同地域で武装解除キャンペーンを行っていたが、マシュハド市で「イスラーム首長国」樹立をめざすアブー・バナート大隊などと対立、暗殺されたという。

ウラービーはバーブ・ハワー国境通行所制圧を行った活動家一人。

なお、外国人戦闘員が参加しているムハージリーン大隊が最近、反体制武装集団の「穏健派」への暗殺作戦を開始したという。

また、シリア人権監視団によると、ワーディー・ダイフ軍事基地、ハーミディーヤ航空基地の包囲を解除し、タッフ村に進軍した軍を反体制武装集団が撃退、バーブーリーン村に後退させた。

この戦闘で、反体制武装集団の戦闘員1人が死亡した。

一方、SANA(4月16日付)によると、ジスル・シュグール市および同市郊外、サラーキブ市郊外、マアッラトミスリーン市、ワーディー・マハーミール市、ハーン・シャイフーン市郊外などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線、イスラームの剣旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またイドリブ市では、医療センター前で武装集団が爆弾を積んだバイクを爆破した。爆発によりセンターや周辺の住宅に被害が出た。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ウタイバ村、ハラスター市、スバイナ町(パレスチナ難民キャンプ)などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月16日付)によると、ハラスター市、ウタイバ村、アドラー市、ナシャービーヤ町などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、ファールーク大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、ヤルムーク区などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月16日付)によると、ファハーマ地区で、反体制武装集団が車に仕掛けた爆弾が爆発した。

また、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市の空港周辺を軍が砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ブスラー・シャーム市、ジャースィム市などを軍が空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市郊外のタッル・ナビー地区で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月16日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ワーディー・サーイフ地区、カラービース地区、タッルドゥー市、ラスタン市などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

国内の動き

アサド大統領は独立記念日(4月17日付)に合わせて政令第23号を発し、2013年4月16日以前の犯罪に対する恩赦の実施を決定した。

恩赦は、「民族感情を弱め、人種的・教条的な亀裂をもたらした」プロパガンダ活動、「民族の精神を弱めるような嘘の情報や誇張された情報の発信」、「当局に対して武装内乱を引き起こそうとして行われたすべての行為」、逃亡罪、兵役忌避罪、武器・麻薬取引以外に関する密輸罪に対する刑を全免するとしている。

また「テロ活動を犯すことを意図した陰謀」、「国家の経済的、社会的実体の変更を意図した結社の結成」に対する刑期を4分の1に減刑することを定めている。

なお2012年法律第19号(テロ撲滅法)が定める犯罪は恩赦の対象から除外されている。

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クルドオンライン(4月16日付)は、ハサカ県ハッダード村に対する軍の空爆(11人の民間人が死亡)に関して、複数の住民の話として、「バーディヤ自由人」を名乗る自由シリア軍が村にいたことが原因だったと報じた。

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ロシアの複数のメディアが報じたところによると、カドリー・ジャミール経済問題担当副首相兼国内通商消費者保護大臣は、モスクワでロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談し、「シリア国内の反体制勢力の指導者たちは、シリア革命反体制勢力国民連立が外国の介入を拒否し、暴力を否定すれば、その指導者と対話を行う用意がある」と述べた。

これに対して、ラブロフ外務大臣は、シリア人同士の対話を通じた危機解決に向けた平和的イニシアチブを支援するとの意思を示した。

またジャミール副首相は、RT(4月16日付)に対して「我々は今、かつてなく政治的解決に近いところにいる」と述べる一方、シャームの民のヌスラ戦線に関して、「政治的解決の論理の外にいる」と批判し、シリア国民に対して「こうした現象をシリアの国土から一致団結して放逐しよう」と呼びかけた。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班は、トルコのイスタンブールで、シャームの民のヌスラ戦線に関して、「体制打倒のために武器を持つ同志だ」としたうえで、すべての当時者には、制約無しに自由に意見を述べる権利があると述べた。

その一方で「シリア国民は穏健で、テロや過激主義を拒否する…。我々は外国からの戦闘員を必要としていない。支援を必要としているのだ。我々には十分な戦闘員、シャイフがいる」と強調した

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AFP(4月16日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立が、レバノン政府に対して、国境管理を強化し、対シリア国境付近でのヒズブッラーの軍事作戦のすべてを停止させるように呼びかけた、と報じた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長はフェイスブック(4月16日付)で、「複数の機関が…人々が依拠できるものすべてを破壊しようとしている」と述べ、メディアを非難し、「我々全員の首を絞めようとしている者がいる…。外国を信用するな、自分自身に頼れ」と呼びかけた。

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またハティーブ議長はアサド大統領の恩赦に関して、「恩赦の前に、16,000人以上にのぼる無実の人々、とりわけ女子供を釈放して欲しい」と批判した。

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イスラーム旅団の殉教志願者大隊が声明を出し、5つの「連隊」が新たに大隊に加入したと発表した。

新たに加入したのは、殉教者サイード・ワーニリー・アブー・ラシード連隊、ルクン・ディーン・フィダーイー連隊、殉教者ハムザ・ヒンディー・アブー・ラーミズ連隊、殉教者アドナーン・ハイドゥー・アブー・ターハー連隊、サーリヒーヤの楯連隊。

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シリア北東部で活動する11の反体制武装集団が、ラッカ第2軍団の発足を宣言した。

司令官はバッシャール・トゥラース少佐。

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シリア革命反体制勢力国民連合は声明を出し、アサド大統領による恩赦に関して、アサド政権から前向きな行為を期待できず、さらなる殺戮と破壊を行おうとしていると非難した。

諸外国の動き

ベルギー連邦検察の報道官は声明を出し、4月16日朝、ベルギー警察がアントウェルペン市とヴィルヴォールデ市の46カ所に突入し、シリアでの戦闘に参加しようとしていた約80人を逮捕したと発表した。

声明によると、逮捕者のなかには、「ベルギー・シャリーア」を名乗る組織のフアード・ベルカースィム報道官らが含まれていた。

「ベルギー・シャリーア」はベルギーでイスラーム国家の樹立をめざす過激派。

警察当局はまた、シリアでの戦闘で負傷しブリュッセルの病院に入院中の男1人に対して事情聴取を行った。

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『ザマン』(4月16日付)は、トルコ警察が、コンヤ市とイスタンブール市シリアへの戦闘員派遣を行う「M.G.」をリーダーとする集団のメンバーの自宅に突入、10人を逮捕した。

同報道によると、逮捕のために、トルコ警察は半年にわたって準備を行っていたという。

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ジョン・ケリー米国務長官は、米国を訪問したサウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣と会談し、シリア情勢、中東和平問題などについて協議した。

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ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、ベルリンでカタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談後の記者会見で、メルケル首相は「みなが解決を望んでいる。しかし(シリア)情勢はきわめて複雑だ…。反体制勢力に武器を渡すことはないだろう。EUでこの問題について検討したが、意見の相違があった」と述べた。

一方、ハマド首相は、アサド大統領が「正統性を失った。我々はシリア国民と反体制勢力の望みを実現させたいが、アサドには政治的解決への門戸を開く用意がない」と述べた。

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ウィリアム・ヘイグ英外務大臣は下院で、シリアの反体制勢力への装甲車34輌と防弾シールド20セットを増強すると述べた。

AFP, April 16, 2013、Akhbar al-Sharq, April 16, 2013、al-Hayat, April 17, 2013、Kull-na Shuraka’, April 16, 2013, April 17, 2013、Kurdonline,
April 16, 2013、Naharnet, April 16, 2013、Reuters, April 16, 2013, April
17, 2013、SANA, April 16, 2013、UPI, April 16, 2013、Zaman, April 16, 2013、Zaman
al-Wasl, April 16, 2013などをもとに作成。

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シリア殉教者大隊旅団連合の司令官が軍の攻勢にさらされているハーミディーヤ航空基地周辺の武装集団を訪問し、彼らに「体制打倒のためのジハードの呼びかけ」に応じるよう求める(2013年4月15日)

国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市郊外のタッル・ナビー地方で、軍と人民諸委員会が反体制武装集団と交戦、また軍が同地方一帯を空爆した。

一方、SANA(4月15日付)によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、タドムル市デデマン・ホテル周辺、タイバ村、タッル・ザハブ町、タッルドゥー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町、ドゥーマー市が軍の砲撃を受けた。

またダーライヤー市、ヤルブード市郊外などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月15日付)によると、ハラスター市で反体制武装集団が旅客バスに発砲し、市民3人が死亡、多数が負傷した。

またミスラーバー市、ハラスター市、フタイタト・トゥルクマーン市、イバーダ市、アタイバ町、スバイナ町、ズィヤービーヤ町、リーマー市、ナブク市、ダーライヤー市、アドラー市、ヤブルード市、ムウダミーヤト・シャーム市などの郊外で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区が砲撃を受け、またジャウバル区、カーブーン区で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月15日付)によると、ジャウバル区で軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヒルバト・ガザーラ町、サイダー町、マアルバ町、タッル・シハーブ町、ワーディー・ヤルムークなどを軍が空爆した。

一方、SANA(4月15日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町で軍が反体制武装集団と交戦、戦闘員を殲滅した。

またダルアー市、ラジャート高原、シューマラ村、アッラーリー村などで軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団本部周辺やラッカ市各所を軍が空爆、また軍と反体制武装集団が交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市労働者住宅地区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、アーミリーヤ地区、シャイフ・サイード地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月15日付)によると、ハンダラート・キャンプ(キンディー大学病院一帯)、マアッラータ村、マンスーラ村、ハーン・アサル村、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・サイード地区、マサーキン・ハナーヌー地区、インザーラート地区、バーブ・ナイラブ地区、マルジャ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ヒーシュ村、カフルバースィーン市で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月15日付)によると、シュグル村、ガッサーニーヤ村、バシュラームーン村、ミシュミシャーン村、アイン・スーダ村、カスティン村、カトルーン村、トゥウーム村、ヒルバト・マラティーン市、ラーム・ハムダーン市、イフスィム町、シャイフ・バフル村、カフルルーヒーン村、マアッラトミスリーン市、ハルブヌーシュ村、サルマダ市、カフル・ヤフムール村、タッルムーハ村、アームーディーヤ市、アブー・ヒッバ村などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(4月15日付)によると、軍のヘリコプターが対イラク国境に位置するヤアルビーヤ町を空爆し、反体制武装集団の戦闘員2人が負傷した。

軍のヘリコプターはこの際、イラク領内のラビーア町にミサイル2発を誤射したが、イラクからの反撃はなかったという。

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ラタキア県では、SANA(4月15日付)によると、ラビーア町、ムライジュ村、サーキヤ・カルト村、ウワイナート村、ワーディー・シーハーン村、ハーン・ジャウズ村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃、戦闘員を殺傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(4月15日付)によると、ダイル・ザウル市の旧空港地区、労働者住宅地区で、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

また市内のカトリック・教会前で、反体制武装集団が爆弾を仕掛けた車を爆破させ、教会の建物が被害を受けた。

国内の動き(シリア政府の動き)

ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、『ガーディアン』(4月15日付)に対して、アサド政権が崩壊すれば、シリアは地図上から消滅すると警鐘を鳴らすとともに、英仏がシリアでテロ活動を行う「アル=カーイダ」を支援していると批判した。

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政党問題委員会が会合を開き、国民救済党が提出した公認申請の内容を検討した。

SANA(4月15日付)が報じた。

反体制勢力の動き

『ハヤート』(4月16日付)によると、シリア殉教者大隊旅団連合の司令官ジャマール・マアルーフが、軍の攻勢に曝されているイドリブ県ハーミディーヤ航空基地周辺の武装集団を訪問した。

またシリア殉教者大隊旅団連合、使徒末裔旅団、ザーウィヤ自由人大隊、3月15日旅団は共同声明を出し、「堅田の建造物の戦いを継続」し、「体制打倒のための…ジハードの呼びかけに応じる」よう戦闘員に呼びかけた。

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シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者はイスタンブールで記者会見を開き、そのなかで同胞団がシリア革命反体制勢力国民連立などで他の反体制勢力に対して自らの意思を押しつけようとしているとの一部批判を否定した。

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カイロなどで活動するアラウィー派の反体制活動家らが共同声明を出し、「イラン政府と、それに従うイラク、レバノン」のシーア派が、シリア領内の「聖地」を防衛するとのスローガンを掲げて介入し、ヒムス市を陥落させ、「宗派主義的な政体」を樹立しようとしている、と非難した。

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シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者は『シャルク・アウサト』(4月15日付)に対して、「我々はシャームの民のヌスラ戦線メンバーに、専制体制を終わらせるための革命勢力との共同計画をとるよう呼びかけている」と述べた。

そのうえで「ヌスラ戦線のメンバーはシリア国民であり、外国からやって来てヌスラ戦線に加わった者はほんの少数だ」と述べ、テロ組織だとの批判に反論した。

レバノンの動き

ファールーク大隊司令官のアブー・ウダイは、AFP(4月15日付)に対して、14日のベカーア県ヘルメル郡のカスル村、ハウシュ・サイイド・アリー村に対してシリア領から攻撃を行ったのはヒズブッラーだと述べ、反体制武装集団による攻撃を否定した。

しかし、アブー・ウダイは「しなければならないのなら、我々は彼らと同じように民間人を標的にする。我々の民間人は、彼らの民間人ほど価値がない訳ではない」と述べた。

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ベカーア県ヘルメル郡カスル村郊外に、シリア領内から発射されたロケット弾2発が着弾した。死傷者はなかった。

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米国務省は、ベカーア県ヘルメル郡のカスル村、ハウシュ・サイイド・アリー村に対するシリア領からの越境攻撃を非難した。

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AFP(4月15日付)などは、シリアでの戦闘で数日前に死亡したヒズブッラーのメンバー4人の遺体がベカーア県バアルベック郡フライバ村で埋葬されたと報じた。

諸外国の動き

『デイリー・テレグラフ』(4月15日付)は、反体制武装集団が制圧した「解放区」での物資の配給を監督するため、文民活動家数十人に数百万ポンドの資金援助を行っていると報じた。

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ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣とアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長がベルリンで会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談後の記者会見で、両氏は、シリア革命反体制勢力国民連立への支持を引き続き確認する一方、シャームの民のヌスラ戦線など過激派集団への非難の姿勢を示した。

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UNDOFのヨルダン代表は、シリア、とりわけダルアー県に対する軍の空爆に対して、さらなる避難民を発生させるとの懸念を表明した。

AFP, April 15, 2013、Akhbar al-Sharq, April 15, 2013、The Daily Telegraph, April 15, 2013、The Guardian, April 15, 2013、al-Hayat, April 16, 2013、Kull-na Shuraka’, April 15, 2013、Kurdonline, April 15,
2013、Naharnet, April 15, 2013、Reuters, April 15, 2013、SANA, April 15, 2013、al-Sharq al-Awsat, April 15, 2013、UPI, April 15, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県では軍がワーディ・ダイフ軍事基地とハーミディーヤ航空基地の包囲を解除、シリア革命反体制勢力国民連立は声明のなかでヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠表明およびイスラーム国家樹立主唱を拒否(2013年4月14日)

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍が反体制武装集団によるワーディ・ダイフ軍事基地とハーミディーヤ航空基地の包囲の解除に成功、その際の戦闘で反体制武装集団の戦闘員21人が殺害された。

同監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、軍はバーブーリーン市とヒーシュ村の国際幹線道路沿いの高台を制圧し、両基地への兵站路を確保したという。

一方、『サウラ』(4月15日付)によると、バーブーリーン市、バースリーム市などで、軍が反体制武装集団を追撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またクーリーン市、サラーキブ市、ビンニシュ市、アリーハー市、マジュダリヤー村、ジスル・シュグール市、アリーハー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(4月14日付)によると、カーミシュリー市への攻略を開始した反体制武装集団は同市南部のザバーナ村などから戦術的に撤退した。

同報道によると、カーミシュリー市内のシュクリー・クーワトリー通りからファールーク・モスクに至る治安厳戒地区では、治安機関要員や政権支持者らが、アサド大統領を支持するシュプレヒコールを繰り返し、祝砲を撃ち、反体制武装集団の放逐を祝ったという。

一方、シリア人権監視団によると、クルド人が多く住むハッダード村を軍が空爆し、子供3人と女性2人を含む16人が死亡した。

同監視団によると、村には反体制武装集団が拠点とする灯油配給所があったが、空爆は民家に対して行われたという。

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ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(4月14日付)は、ダマスカス県旧市街ミドハト・パシャ通りのカルイー・モスク前で若者らが中心となって反体制デモを行ったと報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、スバイナ町、ダーライヤー市、ハジャル・アスワド市などに対して軍が空爆・砲撃を加えた。

一方、『サウラ』(4月15日付)によると、ジャルマーナー市の大型旅客バス・ステーションに反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民4人が死亡、20人が負傷した。

またスバイナ町、ナブク市、ダーライヤー市、リーマー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(4月14日付)によると、ダルアーの楯旅団司令官のアブー・アリー・ドゥーマーニー氏がウタイバ村での軍との戦闘で負傷した。

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アレッポ県では、シリア・アラブ・テレビ(4月14日付)によると、アレッポ市の治安機関拠点の近くで反体制武装集団が爆弾を積んだ車を自爆させ、爆発によって同市で取材活動をしている特派員3人を含む18人が負傷した。

同報道は事件現場の詳細については報じなかったが、シリア人権監視団によると、自爆テロはフルカーン地区の将校クラブ近くで発生したという。

一方、『サウラ』(4月15日付)によると、ハンダラート・キャンプ、マンナグ村、マッルアナーズ市、アルカミーヤ村、カフルハーシル村、ムスリミーヤ村、ダイル・ジャマール村、タッル・ハースィル村、ドゥワイリーナ市、ナイラブ村、マンスーラ村、ハーン・アサル村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市シャイフ・サイード地区、サーフール地区、カースティールー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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SANA(4月14日付)は、破壊されたダルアー県ダルアー市のウマリー・モスクのミナレットに関して、ダルアー地区に展開するシャームの民のヌスラ戦線が破壊したと報じた。

SANAは「あらゆる証拠がテロリストが(ダルアー市のウマリー・モスクの)ミナレットを爆破したことを示している…。ミナレットが崩壊する瞬間を撮影するため、あらかじめビデオ・カメラがどうして設置されていたのか」と報じた。

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ヒムス県では、『サウラ』(4月15日付)によると、タドムル市、ガジャル村、アーバル市、東ブワイダ市、アルジューン市、ダブア市、タッル・ザハブ町、カフルラーハー市、ラスタン市、ガジャル村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区、バーブ・フード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、『サウラ』(4月15日付)によると、ダイル・ザウル市の治安維持局周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、『サウラ』(4月15日付)によると、スーダー村、バイト・ハーミーク村、ドゥワイルシャーン村、ワーディー村、トゥウーマー村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠表明とイスラーム国家樹立主唱に関して「シリア国民の意思に抵触し、偉大なる革命の目的とその原則から逸脱している」と非難し、拒否する意思を示した。

そのうえでヌスラ戦線に対して、「シリア国民のなかのあるべき場所にとどまり、アサド体制と戦う努力を続け、シリア国民すべての自由を支持」するよう求めた。

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シャーム自由人大隊が主導するシリア・イスラーム戦線の「精神的父」アブー・バスィール・タルトゥースィーは英国のヒワール・チャンネル(4月14日付)に対して、「我々はイスラーム的な共通項、すなわちイスラーム国家樹立をアッラー、我らが指導者ムハンマド、そしてシャリーアのために維持する…。しかしシャームとシャームの民への反感を抱かせるような組織の名称を我々は避けてきた」と述べた。

そのうえで「この名の組織に属している、この名の組織のもとに戦っているなどという必要はない」と強調し、イラク・イスラーム国によるイラク・シャーム・イスラームの国結成宣言やシャームの民のヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠宣言に疑義を呈した。

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シリア・クルド国民評議会は声明を出し、ハサカ県ハッダード村に対する軍の空爆を非難した。

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シリア革命反体制勢力国民連立の使節団(ムハンマド・アブー・ハイル・シュウリー団長)がサウジアラビアを訪問し、今年のズー・ヒッジャ月にハッジを予定しているシリア人巡礼者約20,000人のサウジアラビア訪問について関係者と協議した。

レバノンの動き

NNA(4月14日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡のカスル村、ハウシュ・サイイド・アリー村に、シリア領内から撃たれたロケット弾が着弾し、子供1人を含む2人が死亡、5人が負傷した。

マヤーディーン(4月14日付)によると、迫撃砲はヒムス県クサイル地方の反体制武装集団の拠点から発射されたという。

諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、シャームの民のヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠表明に関して、「重要なのはシリアの反体制勢力の統合であり、その結束を脅かす行為を排除すべきだ」と批判した。

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ベルギーの複数のメディアが報じたところによると、シリアの反体制武装集団に加わり、戦闘に参加していたフランス人のラファエル・ジャンドラン(38歳)が、シリアで死亡した。

ジャンドランは、数ヶ月前にシリアに潜入し、アブドゥッラフマーン・アイヤーシーが率いるシャームの鷹旅団に加わっていた。

AFP, April 14, 2013, April 15, 2013、Akhbar al-Sharq, April 14, 2013、al-Hayat, April 15, 2013、Kull-na Shuraka’, April 14, 2013、Kurdonline, April 14,
2013、al-Mayadeen, April 14, 2013、Naharnet, April 14, 2013、NNA, April 14,
2013、Reuters, April 14, 2013、SANA, April 14, 2013、al-Thawra, April 14, 2013、UPI, April 14, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

タウヒード旅団司令官が「ヌスラ戦線はテロ活動を行っていない」として同戦線に対する支持を表明、英国防省がダマスカス近郊で化学兵器が使用されたことを示す検出結果を得たと報じられる(2013年4月13日)

国内の暴力

ダルアー県では、反体制活動家が軍の空爆によって破壊されたというダルアー市のウマリー・モスクのミナレットの映像をアップした。

またシリア人権監視団によると、ヒルバト・ガザーラ町など、ダマスカス県とダルアー県を結ぶ国際幹線道路沿いで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、『サウラ』(4月14日付)によると、ダマスカス・ダルアー街道沿いのイーマーン・ガソリン・スタンド近くの民家に迫撃砲弾が着弾し、市民4人が死亡した。

また、ダルアー市内で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の「シャリーア法廷」を攻撃し、外国人戦闘員ら複数の戦闘員を殲滅した。

さらに、スマード村などでも軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、スバイナ町のパレスチナ人難民キャンプ、ザバダーニー市、ムウダミーヤト・シャーム市、ザマルカー町などが軍の空爆を受けた。

一方、『サウラ』(4月14日付)によると、ウタイバ村、イバーダ市、ジャルバー市、アフマディーヤ市、スバイナ町、ザーキヤ町などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区が軍の空爆を受けた。

またカフルスーサ区に迫撃砲弾が着弾した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バーブーリーン村で軍と反体制武装集団が交戦し、戦闘員12人が負傷、数十人が負傷した。

またスィフヤーン村でも戦闘があり、複数の戦闘員が負傷した。

このほか軍は、ヒーシュ村周辺、マアッラト・ヌウマーン市周辺、サラーキブ市、ビンニシュ市、サルマー町などを空爆・空爆し、サラーキブ市では女性・子供を含む12人が死亡した。

一方、『サウラ』(4月14日付)によると、アイン・バイダー村、マクバラ村、タッル・マンス村、マアッラト・ヌウマーン市、ラーム・ハムダーン市、マアッル・バリート市、ビンニシュ市、サルミーン市、マアッラトミスリーン市、サラーキブ市、ハッフ・サルジャ村、ヒルバト・マールティーン村、マジュダリヤー村などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またシャビーバ軍事基地襲撃を試みた武装集団を軍が撃退した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タブカ市を軍が空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のムワッザフィーン地区、ハウィーカ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦した。

一方、『サウラ』(4月14日付)によると、ダイル・ザウル市のジュバイラ地区、マリーイーヤ村などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区などが砲撃を受けた。

またヒムス市クスール地区で、軍に拉致された男性の遺体が発見された。

一方、『サウラ』(4月14日付)によると、ヒムス市カラービース地区、ラスタン市、ダール・カビーラ村、アーバル市、ブワイダ市、ジュワーディーヤ市、ダブア市、カマーム市、ハイダリーヤ村、アルジューン市、ムーフ市、ラドワーニーヤ市、ガントゥー市、タルビーサ市、カルヤ・ヒスン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またレバノン領からタッルカラフ地方に潜入しようとした武装集団を軍が撃退した。

さらにタドムル市でもベル神殿やデデマン・ホテルに潜入・襲撃しようとした武装集団を軍が撃退した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団が、アレッポ市シャイフ・マクスード地区で軍が投下した化学兵器によって、子供2人、女性1人が死亡、16人がアフリーン市の病院に搬送されたと発表した。

同監視団によると、軍のヘリコプターが小型の爆弾2発を投下し、ガスが充満、死傷者が出たという。

一方、『サウラ』(4月14日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、戦闘員16人を殲滅し、拠点・装備を破壊した。

またウワイジャ地区、ハンダラート・キャンプ、アレッポ中央刑務所、アレッポ市シャイフ・サイード地区、シュカイイフ地区、サーフール地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、『サウラ』(4月14日付)によると、ムズギラ村、サーキヤ・カルト村、ハーン・ジャウズ村、スーダー村、ドゥワイリカ村、グマーム村、ズワイク村、バイト・アワーン村、ナビー・ユーヌスなどで軍が反体制武装集団を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

タウヒード旅団司令官のアブドゥルカーディル・サーリフは、アラビーヤ(4月13日付)に対して、「シャームの民のヌスラ戦線が米国のテロ組織リストに加えられることを拒否してきたし、今も拒否している」としたうえで、同戦線はテロ活動を行っていないとの見解を示した。

ヌスラ戦線の戦闘員の「一部」が外国人だとしたうえで、「解放区」の自治を担うシャリーア委員会がヌスラ戦線のみによって運営されているのではなく、それ以外の集団も参画していると述べた。

また「我々は今、バッシャールや彼の体制と戦っていない。なぜならもう終わったからだ。我々は今、イランやヒズブッラーと戦っており、彼らがとくにヒムスやクサイルにいることを示す多くの証拠がある」と主張した。

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ダマスカス県・ダマスカス郊外県で活動する反体制武装集団5団体がビデオ声明を出し、「第1歩兵師団」を結成すると発表した。

第1歩兵師団を結成したのは、イスラームの楯旅団、ルクンッディーン旅団、グータの楯旅団、グータ殉教者旅団、ジャアファル・タイヤール旅団。

声明によると、師団は、自由シリア軍の指揮下で活動し、「アッラーの言葉を高め、体制を打倒する」ことをめざすという。

なお、4月初めには、ナースィル・サラーフッディーン大隊、イスラームの旗大隊、シャイフ・イスラーム・イブン・タイミーヤ大隊、ハサンとフサイン連隊、ダマスカス大隊、フカファー・ワ・サーリヒーン大隊、イマーム・シャーティビー大隊、スルターン・ムハンマド・ファーティフ機甲大隊、アンサール・クルアーン大隊が「預言者のシャーム旅団」を結成し、サイイダ・ザイナブ町および同市周辺で活動している。

また、サクバー殉教者大隊、ハッザ殉教者大隊、ウマル・ブン・アブドゥルアズィーズ大隊、バッラー・ブン・マーリク大隊、体制維持大隊、ウサーマ・ブン・ザイド大隊、ウマル・ブン・ハッターブ大隊、ムハージリーン・ワ・アンサール連隊は、「サイフ・ハック旅団」として東グータ地方で活動をしている。

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クッルナー・シュラカー(4月13日付)は、ダルアー市で武装闘争を行う自由シリア軍の各部隊が「3月18日革命庇護師団」を結成したと報じた。

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シリア民主フォーラムのミシェル・キールー代表はRT(4月13日付)に対して、「我々は政権移譲に関して、我々と交渉する意思がある体制内の人々と交渉する用意がある」と述べた。

また「西側諸国は混乱しており、シリア危機に関して確固たる政策を持っていない。彼らはヌスラ戦線などを口実として…決断を下していないからだ」と批判した。

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シリア革命調整連合は声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠宣言を拒否すると発表した。

諸外国の動き

『タイムズ』(4月13日付)は、英国防省の複数の消息筋の話として、ダマスカス近郊から化学生物研究課チームが秘密裏に持ち出した土壌のサンプルから、化学兵器が使用されたことを示す検出結果が出たと報じた。

同報道によると、軍と反体制武装集団のいずれが化学兵器を使用したのかは明らかでないという。

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ロシア外務省は、カタールなどがシリア革命反体制勢力国民連立にシリア代表としての地位を付与するための決議の国連総会での採択を準備していることに関して、「シリア危機における緊張と対立を激化させることを懸念する」としたうえで、「こうした決議を支持せず、また反対票を投じるだろう」との意思を示した。

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イタリアのマリオ・モンティ首相は声明を出し、シリアで誘拐・拉致されていたイタリア人記者4人が無事解放されたと発表した。

AFP, April 13, 2013、Akhbar al-Sharq, April 13, 2013、al-Hayat, April 14, 2013、Kull-na Shuraka’, April 13, 2013, April 14, 2013、Kurdonline,
April 13, 2013、Naharnet, April 13, 2013、Reuters, April 13, 2013、SANA, April
13, 2013、al-Thawra, April 14, 2013、The Times, April 13, 2013、UPI, April 13, 2013などをもとに作成。

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シリア革命総合委員会がカーミシュリー市の「解放作戦」を開始するなか、シリア・イスラーム解放戦線がヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠宣言を拒否(2013年4月12日)

国内の暴力

カーミシュリー県では、シリア革命総合委員会の軍事評議会が声明を出し、カーミシュリー市の「解放作戦」を開始し、同市の空港と第154中隊基地に近い複数の戦略的地点を制圧したと発表した。

シリア人権監視団によると、反体制武装集団がカーミシュリー市南部に位置するタラーティブ市で軍と交戦、同市を制圧した。

一方、軍は、反体制武装集団が展開するカーミシュリー市郊外のザバーナ市とウワイジャ地区を攻撃、またカーミシュリー市南部内のザフラー学校近くを砲撃した。

民主統一党人広報局によると、市内に迫撃砲弾が3発着弾したが、負傷者は出なかった。

なお、クルドオンライン(4月12日付)は、戦闘に関して、軍とシャームの民のヌスラ戦線戦闘員が交戦している、と報じた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区が軍の砲撃を受けた。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市の複数カ所が軍の空爆を受けた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タッル・ナビー市で軍と反体制武装集団が交戦した。

またクサイル市での砲撃により、子供2人が死亡、ヒムス市ワアル地区での車に仕掛けられた爆弾が爆発した。

一方、『サウラ』(4月13日付)によると、ヒムス市ワアル地区、ハミーディーヤ地区、ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、アルジューン市、ダール・カビーラ村、ラスタン市、タルビーサ市、ガジャル村、クサイル市、カフルラーハー市、東ブワイダ市などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またレバノン領からタッルカラフ地域への潜入を試みた反体制武装集団を軍が撃退した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ヒーシュ村で軍と反体制武装集団が交戦し、サラーキブ市、マアッラト・ヌウマーン市などが砲撃を受けた。

一方、『サウラ』(4月13日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市、マアッラト・ディブスィー市、マジュダリヤー村、カフルウマイム市、ジャルジャナーズ町、マアッラトミスリーン市、ビンニシュ市、サラーキブ市、ナイラブ村、クマイナース村、ブカフルーン市、クーリーン市、ジスル・シュグール市郊外などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アターリブ市、アナダーン市、サフィーラ市、マンナグ航空基地周辺などが軍の砲撃を受け、ハンダラート・キャンプ近郊のキンディー大学病院などでの戦闘で反体制武装集団6人を含む8人が死亡した。

これに対して、反体制武装集団は、クワイリス航空基地周辺などを砲撃した。

またアレッポ市シャイフ・マクスード地区などでの戦闘で、反体制武装集団の戦闘員2人が死亡し、バニー・ザイド地区などが砲撃を受けた。

一方、アレッポ市郊外で、反体制武装集団の戦闘員4人と国防省施設に勤める兵士2人の「捕虜交換」が行われた。

他方、『サウラ』(4月13日付)によると、マンナグ村、アルカミーヤ村、マッルアナーズ市、アイン・ダクナ村、カフルハーシル村、ムスリミーヤ街道、アレッポ中央刑務所周辺、ハンダラート・キャンプ、マンスーラ村、クワイリス市、ラスム・アッブード村などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シュカイイフ地区、ジャンドゥール交差点、ブスターン・カスル地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、ダーイル町、ヌアイマ村などが軍の空爆を受けた。

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ダマスカス郊外県では、『サウラ』(4月13日付)によると、ズィヤービーヤ町、バフダリーヤ村、フサイニーヤ町、ダーライヤー市、リーハーン農場郊外、ウタイバ村、ナブク市などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、外国人戦闘員を含む複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またサイイダ・ザイナブ町では、反体制武装集団がイランのハバル・チャンネルのモフセン・ハッザーイー特派員を狙撃、同特派員は負傷した。

このほか、武装集団がズバイナ市を迫撃砲で攻撃した。

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ダマスカス県では、『サウラ』(4月13日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、『サウラ』(4月13日付)によると、ハマー市ジャラージマ地区のモスク近くで、軍が反体制武装集団と交戦し、戦闘員を殲滅した。

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シリア人権監視団などによると、「シリアは分裂する以上に強力だ」と銘打たれたデモが、アレッポ県アレッポ市スッカリー地区、マイサル地区、ブスターン・カスル地区、カーティルジー地区、ダマスカス郊外県アルバイン市、サクバー市、ドゥーマー市、ダルアー県ヒルバト・ガザーラ町、イドリブ県ザーウィヤ山の村々、カフルナブル市などで行われ、シリア統合、国民の自由、体制打倒が叫ばれた。

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これに対して、『サウラ』(4月13日付)によると、ダマスカス郊外県ドゥーマー市で学生ら数十人が、武装テロ集団の退去を求めるデモを行った。

反体制勢力の動き

シリア・イスラーム解放戦線は声明を出し、「我々はシリアにおいて、宗派主義体制へのジハードを宣言したとき、アッラーの言葉を高めるべく戦いを始めたのであり、ここそこの男に忠誠を誓うためではない。我々は同胞であるムジャーヒドゥーンや国民に嘘は言わない…。国民の意思を越えるような何ものも国民に押しつけることはない」と述べ、シャームの民のヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠宣言を拒否した。

また、イラク・シャーム・イスラーム国樹立に関して、「我々のジハードの現場から遠く、我々の現実や革命の利益を理解していない者の狭量な党派的方法に驚きの念を表明する…。彼らは我々に相談なく、国家、体制、そしてメディアを通じてしか…聞いたことのない指導者を作ろうとしている」と非難した。

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シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、シリア国内でいかなる武装集団も持っておらず、またそうした組織を結成する意思もない、と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班は、『タイムズ』(4月12日付)のインタビューに応じ、そのなかで西側諸国に対して対戦車、対空兵器の供与を求めた。

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クルド最高委員会の指導者の一人は、クッルナー・シュラカー(4月12日付)に対して、委員会の活動が1ヶ月前から完全に麻痺していると述べた。

諸外国の動き

イスラエル軍は声明を出し、ゴラン高原のイスラエル占領地とUNDOFが展開する非武装地帯の境界に設置してある防御フェンス沿いに展開するイスラエル軍兵士に向かってシリア領内から迫撃砲が発射されたとしたうえで、イスラエル軍が発射地点に向かって迫撃砲で反撃した、と発表した。

イスラエル軍側に死傷者はなく、反撃については国連に報告したという。

AFP(4月12日付)が報じた。

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バラク・オバマ米大統領はホワイトハウスで国連の潘基文事務総長と会談した。

会談後、オバマ大統領はシリア情勢に関して「人道状況はさらに悪化し…、岐路に立たされている…。我々にとって重要なのは、すべてのシリア人の権利を尊重するような政治的転換に至ることだ」と述べた。

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バラク・オバマ米大統領は、シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会に対して1,000万ドル相当の医療・食糧支援を行うことを決定した。

米国家安全保障会議(NSC)のケイリトン・ヘイデン報道官が発表した。

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ロバート・フォード駐シリア米大使(本国召還中)は上院外交委員会で証言し、イランがアサド政権による「宗派民兵」の結成、ヒズブッラーやイラク人戦闘員の参戦を支援しているとしたうえで、その姿勢を「悪質だ」と非難した。

フォード大使は、「アレッポに残留するシリア軍とともにいる民兵、イラン人、ヒズブッラーが現地での役割」を増していると指摘しつつ、「イラン人の支援にもかかわらず、シリア政府は反体制武装集団の前進を食い止めることはできないだろう」と述べた。

しかしフォード大使は、「交渉による関係正常化が危機を終わらせる唯一の方法だ」と強調した。

そのうえで反体制勢力がアラウィー派と接触する必要があると述べ、「反体制派の間で、穏健派とアル=カーイダが競い合っている。我々は穏健派を支援しなければならない」と述べた。

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フランス外務省報道官は、フランス政府がシャームの民のヌスラ戦線のテロ組織への指定を検討しているとしたうえで、国連安保理各国およびシリア革命反体制勢力国民連立とこの問題について協議していると語った。

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オーストリアのミヒャエル・シュピンデレッガー外務大臣は、ゴラン高原のUNDOFオーストリア軍部隊を視察し、「可能な限り長期間、(ゴラン高原に)とどまることを決定した」と述べた。

AFP, April 12, 2013、Akhbar al-Sharq, April 12, 2013、al-Hayat, April 13, 2013、Kull-na Shuraka’, April 12, 2013、Kurdonline, April 12, 2013、Naharnet, April 12, 2013、Reuters, April 12, 2013、SANA, April 12, 2013、al-Thawra, April 13, 2013、The Times, April 12, 2013、UPI, April 12, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

各県で軍・治安部隊と反体制武装集団の戦闘が苛烈化するなか、ヌスラ戦線のアミールを名乗るジャウラーニー氏が同戦線とイラク・イスラーム国の統合に関する発表を否定(2013年4月11日)

国内の暴力

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が占拠するサナマイン市とガブガーブ市に軍が突入・交戦し、40人以上が死亡した。

シリア人権監視団がロイター通信(4月11日付)に対して、「住民は激しい戦闘が昨日(10日)に起こり、その後、治安部隊が(サナマイン市に)突入した。突入時に、彼らは一部の街区を狙撃し始め、別の武装集団が人々を処刑していった」ことを明らかにした。

この突入による「虐殺」で40人以上が殺害され、住居数十棟が破壊されたという。

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イドリブ県では、『ハヤート』(4月12日付)によると、ワーディー・ダイフ軍事基地とハーミディーヤ航空基地に食糧物資を運び込もうとしていた軍ヘリコプターを反体制武装集団が撃墜し、乗っていた4人が死亡した。

目撃者によると、ヘリコプターを撃墜したのはジャバル(ザーウィヤ山)の楯旅団。

一方、SANA(4月11日付)によると、カフルタハーリーム町でトルコから爆発物を積載して密入国した反体制武装集団の車が誤爆し、乗っていた戦闘員全員が死亡した。

またサルミーン市、サラーキブ市で軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦、戦闘員を殲滅したという。

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ダイル・ザウル県では、複数の活動家によると、ダイル・ザウル市の空港周辺、ハウィーカ地区、ムーハサン市などで軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を行った。

一方、SANA(4月11日付)によると、ジスル・ワーディー・アイン近くの街道、ムーハサン市、ダイル・ザウル市ウルフィー地区などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、アーイシャ大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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RT(4月11日付)は、イラクのシーア派戦闘員がシリアに入り、ダマスカス郊外県のサイイダ・ザイナブ廟の攻略をめざす反体制武装集団のアブー・ファドル・アッバース旅団に参加したと報じた。

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ダマスカス県では、『ハヤート』(4月12日付)によると、カーブーン区などに軍が空爆を行い、ジャウバル区などでは軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月11日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、『ハヤート』(4月12日付)によると、ハジャル・アスワド市などに軍が空爆を行った。

一方、SANA(4月11日付)によると、ハラスター市、アッブ農場郊外、ナブク市郊外、アドラー市、シャブアー町郊外、スバイナ町、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(4月11日付)によると、ウワイジャ地区、サッジャード市、ハンダラート・キャンプ、アナダーン市などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、カースティールー地区、シャイフ・マクスード地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(4月11日付)によると、カフルラーハー市、サムアリール村、タッルダハブ市、タッルドゥー市、ブルジュ・カーイー村、タルフ市、ラスタン市、ウンム・シャルシューフ村、ガントゥー市、キースィーン市、フーシュ市、ガジャル村、タルビーサ市、サアン村、ヒムス市クスール地区、ジャウラト・シヤーフ地区などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またレバノン領からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

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ラタキア県では、SANA(4月11日付)によると、ジュッブ・アフマル村、ファルズ村、サーキヤ・カルト村、グナイミーヤ村、ハーン・ジャウズ村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を襲撃し、外国人戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア政府の動き

シリアの外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長に書簡を送り、そのなかでシャームの民のヌスラ戦線を国連のアル=カーイダ制裁リストに加えるよう求めた。

声明は、アル=カーイダ指導部が(9日)に発表した声明などから、シャームの民のヌスラ戦線がアル=カーイダと関係があることが確認されたとしたうえで、リストへの追加を求めている。

また声明では、カタール、リビア、トルコが、シリアでヌスラ戦線をはじめとするテロ集団に資金援助、潜入支援を行っていると指摘、非難した。

SANA(4月11日付)が報じた。

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『ワタン』(4月11日付)は、イラク・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線の統合宣言などに関連して、「平和的な革命などではなく、アル=カーイダだ。あなた方の闘争は偽りであり、いんちきであり、偽りだ」と批判した。

そのうえで、シリア政府は「あなた方のテロに対する真の戦争を行う」との意思を明示、「あなた方のテロ、過激主義、資金を拒否するシリア国民以外が勝利することはないだろう」と強調した。

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SANA(4月11日付)は声明を出し、4月10日から11日かけてのホームページの障害は、サイバー攻撃によるものではなく、技術的トラブルだったと発表した。

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アサド大統領は政令台136号を発し、タルトゥース市にティシュリーン大学第二医学部を創設することを決定した。

反体制勢力の動き

シャームの民のヌスラ戦線のアミールを名乗るアブー・ムハンマド・ジャウラーニーは音声声明を出し、同戦線とイラク・イスラーム国の統合(イラク・シャーム・イスラーム国結成)発表に対して、アイマン・ザワーヒリーに「忠誠」を尽くすと述べ、統合を事実上拒否した。

Kull-na Shuraka', April 11, 2013
Kull-na Shuraka’, April 11, 2013

声明でジャウラーニーは「これはアイマン・ザワーヒリー師に対して改めてなされるヌスラ戦線のメンバーおよび高官からの忠誠の誓いであり、我々は服従を誓う」と述べた。

またアブー・バクル・バグダーディーによるシリア・シャーム・イスラーム国結成宣言に関しては、「この宣言をメディアで聞くまで知らなかった」と述べ、イラク・イスラーム国から何の相談もなかったと主張し、「イスラーム国の旗、そしてそれを担う人々を誇りに思いつつ、(ヌスラ)戦線の旗が代わることはない」と強調し、引き続きヌスラ戦線として活動する意思を示した。

しかし、ジャウラーニーは、シリア国内での武装闘争において、引き続きイラク・イスラーム国からの支援を受けるだろうとしたうえで、イラク・イスラーム国が戦線結成以来支援を行ってきたことを認めた。

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イスラーム旅団は声明を出し、イラク・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線の統合(イラク・シャーム・イスラーム国結成)発表に関して、「暴君バッシャール・アサドがシリア人へのさらなる虐殺を行う際、「世界中が戦っているアル=カーイダと戦っている」という言い訳となるだろう」と批判した。

また米国や世界中の国々がシリアでの紛争に介入する口実を与えると非難した。

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地元調整諸委員会は声明を出し、「(アイマン・)ザワーヒリーが述べた、シリアでのイスラーム国結成の呼びかけの全体およびその詳細を拒否する」との意思を示したうえで、「シリア内政へのあからさまな干渉であり、シリア人のみが自らの未来を決することを改めて強調する」と非難した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ロンドンでの米国務長官との会合に関して、「アサドが去らねばならない…。この点に関して外交政策にいかなる曖昧さもないということを、米政権首脳との間で完全に合意した」と発表した。

また声明では「アサド退任をもって始まる政治プロセスを立ち上げる必要がある点で合意した」と付言した。

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シリア民主人民連合が声明を出し、シリア国民民主ブロックに加入すると発表した。

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クッルナー・シュラカー(4月11日付)は、シャームの民のヌスラ戦線に近い消息筋の話として、ハサカ県ラアス・アイン市からの同戦線を含む反体制武装集団の撤退に関して、民主統一党人民防衛隊のスワイディーヤ・ルマイラーン検問所からの撤退、同部隊によるヌスラ戦線攻撃への正式な謝罪などを条件に実施されたと報じた。

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シリア国民評議会に加盟する人民自由潮流は、声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国結成宣言と、シャームの民のヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠宣言に関して、拒否する意思を示した。

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シリア・クルド国民評議会は声明を出し、ハサカ県カーミシュリー市に対してなされるいかなる勢力の攻撃にも反対するとしたうえで、反体制武装集団による同市攻略が「シリア革命」に資さないと非難、住民に対して「こうした不当な行為」に対して一致団結して抵抗するよう呼びかけた。

レバノンの動き

LBCI(4月11日付)は、シリア軍ヘリコプターがベカーア県バアルベック郡アルサール地方のワーディー・マイルをミサイルで攻撃したと報じた。

AFP(4月11日付)によると死傷者不明だが、ジャズィーラ・チャンネル(4月11日付)は女性1人を含む6人が死亡したと報じた。

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レバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表は、ヒズブッラーの戦闘員がシリア国内で反体制武装集団と戦い、戦死者が出ていることに関して、「シリア情勢に深く関わっているとの報告がある以上、ヒズブッラーをもはやレジスタンスとみなすことはできない」と批判した。

諸外国の動き

G8外相会議(ロンドン)が2日間の日程を終え閉幕した。

閉幕声明では、シリア情勢に関して、人権状況の悪化への懸念が表明され、すべての国に対して、国連による支援要請に応え、シリア国民へのさらなる人道支援を行うよう呼びかけた。

また「いかなる化学兵器使用も国際社会の断固たる対応を受けるだろう」との警告が盛り込まれた。

英仏が求める反体制勢力への武器供与については盛り込まれなかった。

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G8外相会議に出席するためロンドンを訪問中のドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は、シリア情勢に関して、「シリアへの武器の直接供与に対して慎重である」と述べ、英仏との姿勢の違いを鮮明にした。

ヴェスターヴェレ外務大臣は、外相会談で、シリアへの武器供与が同国での殺戮を減らすことには決してならないとしたうえで、シリア復興に向けて穏健な反体制勢力の支援や人道支援を行うことがドイツの基本姿勢だと述べた。

AFP, April 11, 2013、Akhbar al-Sharq, April 11, 2013、Aljazeera.net, April 11, 2013、al-Hayat, April 12, 2013、Kull-na Shuraka’, April 11, 2013, April 12, 2013、Kurdonline,
April 11, 2013, April 13, 2013、LBCI, April 11, 2013、Naharnet, April 11,
2013、Reuters, April 11, 2013、SANA, April 11, 2013、UPI, April 11, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市では軍によるシャイフ・マクスード地区への進軍をうけ人民防衛隊・自由シリア軍がこれに対抗し交戦、国連対リビア制裁委員会の専門家チームによると「リビアの武器・装備や戦闘員がシリアに大量に流入」(2013年4月10日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市南部、イバーダ市、ザバダーニー市、ヤブルード市などで軍と反体制武装集団が交戦し、軍兵士13人、反体制武装集団戦闘員28人が死亡した。

またハジャル・アスワド市などが軍の砲撃を受けた。

一方、『サウラ』(4月11日付)によると、アーリヤ市、イバーダ市、ムライハ市、スバイナ町、ダーライヤー市、ナブク市などの郊外で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区での軍とサアド・ブン・イバーダ・ハズラジー旅団などの反体制武装集団が交戦した。

一方、『サウラ』(4月11日付)によると、ウマイーイーン消費者総合施設裏で、反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、車3台が被害を受けた。

またジャウバル区で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

SANA(4月10日付)は、ダマスカス県カフルスーサ区の外務在外居住者省の駐車場に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、警官1人が死亡、女性職員1人が負傷したと報じた。

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アレッポ県では、『ハヤート』(4月11日付)によると、軍がシャイフ・マクスード地区東部制圧のための進軍を試み、これにクルド人民兵(民主統一党人民防衛隊)と自由シリア軍が対峙、交戦した。

一方、『サウラ』(4月11日付)によると、ウワイジャ地区、ハンダラート・キャンプ、アナダーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦市、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・サイード地区、シャイフ・マクスード地区、カースティールー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦市、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、アレッポ市ハナーヌー地区で、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡した。

また同市の裁判所にも、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、複数の市民が負傷した。

さらに反体制武装集団は市内の大学寮にもロケット弾を発射したが、死傷者は出なかった。

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ハマー県では、『ハヤート』(4月11日付)によると、反体制武装集団がグルバール軍検問所を車爆弾で攻撃し、複数の兵士を殺害した。

一方、『サウラ』(4月11日付)によると、ジュッブ・ズライク村、ブライディージュ村、バーリド・カリーム村で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍がタルビーサ市を空爆し、ウンム・シャルシューフ村などで反体制武装集団と交戦した。

一方、『サウラ』(4月11日付)によると、ウンム・シャルシューフ村、カフルナーン村、アーバル市、ガントゥー市、ティール・マアッラー市、アクラブ町、キースィーン市、ダブア市、シューマリーヤ市、ハミーディーヤ市、東ブワイダ市で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ガブガーブ市、サナマイン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、また軍が両市に加えて、ダーイル町、カフルシャムス町、ウンム・マヤーズィン町などを砲撃した。

一方、『サウラ』(4月11日付)によると、ダルアー市、イズラア市、ガバーギブ町などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍がハーン・シャイフーン市を砲撃、またヒーシュ村などで反体制武装集団と交戦した。軍はワーディー・ダイフ軍事基地、ハーミディーヤ航空基地を包囲する反体制武装集団を撃退するために部隊を増援中だという。

一方、『サウラ』(4月11日付)によると、マアッラト・ディブスィー市、マアッラト・ヌウマーン市、キーターン市、ナイラブ村、バザーブール村、マアッラ・ミスリーン市、サラーキブ市、ガッサーニーヤ村などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またファイルーン市・ブカフルーン市間の街道で反体制武装集団が爆弾を仕掛けた車を爆破し、複数の市民が死傷した。

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ハサカ県では、『サウラ』(4月11日付)によると、ハサカ県のマシュラフィーヤ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(4月10日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市の市街地などで停戦合意に違反するかたちで兵力を増強する動きを見せていた自由シリア軍とシャームの民のヌスラ戦線(イラク・シャーム・イスラーム国)が撤退したと報じた。

同報道によると、この増強を受け、民主統一党人民防衛隊も停戦合意に違反するかたちで兵力を増強していたという。

このほか、ハサカ市で親政権の統一アラブ連合と民主統一党人民防衛隊の代表が9日のナースィル地区での衝突を収拾するため、市内の人民防衛隊検問所で会談し、事件再発防止、検問所以外での民兵・部隊の撤退、拘束者の釈放を合意、和解した、とクルドオンライン(4月11日付)が報じた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のアティーク地区で軍が市民らを無差別に拘束した。

反体制勢力の動き

シリア革命合同軍事司令部が声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班に関して、「シリアとシリア国民を、シリア社会から排除された一集団の計略が頓挫する場とすることを断固として拒否する」との意思を示し、シリア・ムスリム同胞団がほかの反体制組織を排除したかたちで選出したヒートゥーを承認しないと宣言した。

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シリア革命反体制勢力国民連立の使節団は、G8外相会議に出席するためロンドンを訪問中のジョン・ケリー米国務長官ら西側各国の外務大臣と会談した。

使節団は、ムスタファー・サッバーグ事務局長、スハイル・アタースィー副議長、シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー議長ら。

レバノンの動き

マヤーディーン・チャンネル(4月10日付)などは、ベイルート港の税関当局がシリアの反体制武装集団に供与されようとしていた通信機器を押収した、と報じた。

Naharnet, April 10, 2013
Naharnet, April 10, 2013

OTV(4月10日付)によると、マジュダル・アンジャル出身の住民が中国から通信機器4,400台を輸入したという。

4月7日にも、レバノンの軍当局が、レバノン山地県シューフ郡アイン・ズハルター市で武器の違法な取引を摘発している。

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NNA(4月10日付)は、ベカーア県バアルベック郡アルサール市に近いアジュラム地方のワーディー・フマイド地区に向けて、シリア軍ヘリコプターがミサイル5発を撃ったと報じた。

また北部県アッカール郡ザハビーヤ村、カワーシラ村でもシリア領から撃たれた迫撃砲弾が着弾し、被害が出たという。

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NNA(4月10日付)などレバノンの複数のメディアによると、ベイルート県南部郊外のスィルム地区で、シャームの民のヌスラ戦線(イラク・シャーム・イスラーム戦線)の署名が入ったメッセージが添えられた爆弾が発見された。

メッセージには「バッシャールを倒そう」と書かれていたという。

レバノンの声(4月10日付)によると、爆弾はヒズブッラーの爆弾処理チームによって撤去された。

諸外国の動き

国連の対リビア制裁委員会(安保理決議1973号)の専門家チームは、リビアの武器拡散などに関する112ページからなる報告書を安保理に回付し、同国の武器・装備や戦闘員がトルコやレバノン北部を通じてシリアに大量に流入していると指摘した。

同報告書によると、リビアの武器は、シリア、ガザ地区、エジプト(シナイ半島)などに流入、とりわけシリアへは「リビア人戦闘員の主要な目的地となっており、個人的、ないしはシリアの反体制勢力を支援するネットワークを通じて、(反体制武装集団の)旅団に加わっている」という。

また「大量の軍装備品が、トルコ、レバノン北部などさまざまな経路を通じて、リビアからシリアに送られている」としたうえで、その規模を踏まえると、リビアの地元当局がこの事実を認知しているだろうとしている。

シリアに送られた兵器のなかには、携帯式の防空システム、対戦車砲など高度な兵器が含まれているという。

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AFP(4月10日付)などは、ヨルダンのムライジーブ・フフード地方にシリア人避難民を収容するための新たなキャンプを解説したと報じた。

国営の避難民キャンプはザアタリー避難民キャンプに次いで2カ所目。

インマール・ハムード・シリア避難民問題担当報道官によると、ムライジーブ・フフード避難民キャンプはUAEの資金で設置され、5,500人が収容可能だという。

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イラン外務省報道官は、イラク当局によるシリア行きのイラン貨物旅客機の強制着陸と積み荷検査に関して、「国際法の原則、善隣外交の原則に基づく両国関係に反する」と非難した。

UPI(4月10日付)が報じた。

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ヒューマン・ライツ・ウォッチは、シリア情勢に関するレポートで、シリア軍の空爆により民間人に犠牲者が出ていると指摘、非難した。

同レポートは、「現地の活動家」からの情報として、2012年7月以降、軍の空爆で少なくとも4,300人以上が死亡したとしている。

AFP, April 10, 2013, April 11, 2013、Akhbar al-Sharq, April 10, 2013、al-Hayat, April 11, 2013、Kull-na Shuraka’, April 10, 2013、Kurdonline, April 10,
2013, April 11, 2013、al-Mayadeen, April 10, 2013、Naharnet, April 10, 2013、NNA,
April 10, 2013、OTV, April 10, 2013、Reuters, April 10, 2013、al-Thawra, April 11, 2013、UPI, April 10, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イラク・イスラーム国とヌスラ戦線が「イラク・シャーム・イスラーム国」としての統合を発表、自由シリア軍参謀委員会シリア革命反体制勢力国民連立のハティーブ議長はアル=カーイダによる異なる革命ビジョンについて警鐘を鳴らす(2013年4月9日)

反体制勢力の動き

二大河の国のアル=カーイダ機構などからなるイラク・イスラーム国を指導するアブー・バクリー・バグダーディーはビデオ声明で、イラク・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線が「イラク・シャーム・イスラーム国」として統合すると発表した。

Kurdonline, April 9, 2013
Kurdonline, April 9, 2013

声明でバグダーディーは「シャームの民と世界に対して、ヌスラ戦線がイラク・イスラーム国の延長で、その一部にほかならないことを我々が宣言する時が来た」と述べた。

そのうえで「我々は、アッラーへの信仰のもと、イラク・イスラーム国の名を廃し、またヌスラ戦線の名を廃し、両者をイラク・シャーム・イスラーム国の名のもとに統合することを宣言する」と発表した。

http://www.meij.or.jp/members/kawaraban/20130409141616000000.pdf

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シリア革命反体制勢力国民連立のマルワーン・ハッジューは、アナトリア通信(4月9日付)に対して、「アル=カーイダやシャームの民のヌスラ戦線が地域の安定を脅かすとの西側メディアの言説は、シリア革命に対する西側の弱腰を正当化する以外のなにものでもない」と述べた。

ハッジューによると、三つの組織がヌスラ戦線を名乗り、シリア国内で活動しており、第1の組織である「真のヌスラ戦線」は、自由シリア軍と連携し、シリア国民の支援を受けている、という。

のこる二つの組織のうち一つは、アサド政権が作った「偽の組織」、もう一つはイラクのヌーリー・マーリキー首相の組織で、いずれもシリア革命を貶め、政権の弾圧を正当化することを目的としているのだという。

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自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官のルワイユ・ミクダードはイスタンブールで声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国結成宣言に対して、シャームの民のヌスラ戦線と自由シリア軍は連携しないと拒否の姿勢を示すとともに、シリア国民に(イスラーム)国家を押しつけることはできないと非難した。

ミクダードは「ヌスラ戦線は自由シリア軍に属さない。司令部レベルで戦線と連携するとの決定はなされていない。現地では、一部の組織が一部の作戦で戦線と協力せざるを得ない状況がある」と述べた。

また「声明の信憑性は分からないが、この件に関して、司令部との調整はなかった。我々の目的は明確で…体制打倒と、民主国家に…いたることだ。ヌスラ戦線は…体制打倒のために活動しているが、我々とは異なる思想を持っている」と付言した。

そのうえで「我々を含む誰にもシリア国民にいかなる形態の国家も押しつける権限はない。シリア人は投票所に向かい、自らの指導者、国家の形態を決めるだろう」と強調した。

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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、ロイター通信(4月9日付)に対して、自由シリア軍シリア自由人大隊に属すバドル殉教者大隊などがアレッポ市で、市民を拘束、拷問、処刑する一方、避難民や地元住民が身の安全を確保するため彼らに金銭を支払うことを余儀なくされていると述べ、懸念を表明した。

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シリア革命司令評議会を名乗る組織は、ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師(3月21日死亡)が自爆テロで爆殺されたのではなく、頭を銃で撃たれて殺されたとする宣伝ビデオを公開した。

http://www.youtube.com/watch?v=w8W_5yBaLaA

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自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリーは声明を出し、シリア・ムスリム同胞団が自由シリア軍に対してカルダーハ市(ラタキア県)やアラウィー派に対する戦闘を行うよう圧力をかけ、宗派対立を助長しようとしていると暴露、批判した。

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ラアス・アイン市の自治を運営するセレ・カニ「ラアス・アイン」市民地元評議会は声明を出し、自由シリア軍が3月の停戦合意を遵守せず、市内に兵力を展開し続けていると批判し、シリア革命反体制勢力国民連立とクルド最高委員会に対して、事態打開のために介入するよう求めた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長は、Facebook(4月9日付)で、イラク・シャーム・イスラーム国の結成宣言に関して、「アル=カーイダの思想は我々にふさわしくない。シリアの革命はこの点に関して明確な決定を行わねばならない」と綴り、シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカフ最高監督者との意見の相違を鮮明にした。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、逮捕者が収容されているとされるアレッポ市北部のハンダラート・キャンプ近郊のキンディー大学病院に反体制武装集団が突入し、反体制武装集団の戦闘員10人以上、軍兵士25人以上が死亡した。

一方、SANA(4月9日付)によると、ラスム・アッブード村、クワイリス市、バーブ市、ウワイジャ地区、ハンダラート・キャンプなどで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シュカイイフ地区、シャイフ・マクスード地区、ブアイディーン地区、カーディー・アスカル地区、カースティールー地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市、ハフィール市、ザマルカー町、カフルバトナー町、イバーダ市、シャブアー町、ハジャル・アスワド市などで軍と反体制武装集団が交戦、軍が軍の砲撃・空爆を受けた。

一方、SANA(4月9日付)によると、シャイフーニーヤ村郊外、イバーダ市、ウタイバ村、フジャイラ村、ムライハ市郊外、ザバダーニー市、アドラー市、ハジャル・アスワド市などで軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、RT(4月9日付)によると、カフルスーサ区の外務在外居住者省と首相府の前などに迫撃砲弾4発が着弾した。

これに関して、SANA(4月9日付)は、カフルスーサ区にテロリストが撃った迫撃砲弾2発が着弾し、1人死亡、2人が負傷したと報じた。

Kurdonline(4月9日付)によると、迫撃砲弾の着弾により、外務在外居住者省の建物に被害が出たほか、シャーム・センター(ショッピング・モール)近くの住宅街、カールトーン交差点・シャーム・センター間の道路などに着弾した。

またSANA(4月9日付)によると、カッサーア地区のバグダード通りのタフリール広場に面するフィルドゥース・モスクに反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、火災が発生した。死傷者は出なかった。

一方、シリア人権監視団によると、カーブーン区が軍の砲撃を受けた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マヤーディーン市に対して軍が空爆を行い、またダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区に砲撃を加えた。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市北部を軍が空爆し、第17師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

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イドリブ県では、SANA(4月9日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市、カフルルーマー村、ハマーマ市、ビンニシュ市、ジダール・ブカルフーン市、マジュダリヤー村、サラーキブ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(4月9日付)によると、ダルアー市郊外で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またシリア人権監視団によると、ダーイル・タファス市間の街道で、軍が反体制武装集団を要撃し、クライシュの鷹大隊を指揮するアニース・ムハンマド・ジャームースを殺害した。

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ヒムス県では、SANA(4月9日付)によると、アーバル市、ラスタン市、ダール・カビーラ村、ハウラ地方、ヒムス市各所、キースィーン村、ブルジュ・カーイー村、タドムル市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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民主統一党人民防衛隊司令部は声明を出し、ハサカ市ナースィラ地区の街道に設置された人民防衛隊の検問所が武装集団の襲撃を受け、隊員1人が死亡、2人が負傷した、と発表した。

同声明によると、その後の戦闘で人民防衛隊は複数の武装集団戦闘員を捕捉、彼らは体制を支持する民兵やバアス党の民兵からなる「統一アラブ連合」なる組織が襲撃を行ったと自供したという。

シリア政府の動き

シリアの外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長宛てに書簡を送り、そのなかでダマスカス県サブウ・バフラート広場近くでの自爆テロに関して、対話に基づく危機の政治的解決の努力を成功させる意思を改めて示すとともに、シリア国内のテロ組織に対して武器兵站支援、教練、資金援助を続ける諸外国の活動を抑止するよう求めた。

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クッルナー・シュラカー(4月9日付)は、アサド大統領がロシアにシリア沖の石油採掘権を売り渡そうとしていると報じた。真偽は不明。

レバノンの動き

NNA(4月9日付)によると、北部県アッカール郡の対シリア国境に位置するザハビーヤ村にシリア領内から発射された迫撃砲弾3発が着弾し、少年1人が負傷、民家2件が被害を受けた。

諸外国の動き

ヨルダンの首都アンマンの首相府前で、ジハード主義潮流がメンバーの釈放を求めてデモを行った。

デモに参加した組織の指導者ムハンマド・シャラビー(アブー・サイヤーフ)は「最近のシリア政府軍との戦闘で、我らが兄弟であるジハード戦士たち30人が殉教した」と述べた。

なお別に指導者によると、現在シリア国内に500人のサラフィー主義戦闘員が潜入しているという。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班とロンドンで会談した。

ヘイグ外務大臣によると、会談では、シリア国内への支援のありよう、EUの武器禁輸措置解除の是非などについて協議されたという。

ヘイグ外務大臣は会談後、「我々は連立をシリア国民の唯一の正統な代表として承認した。しかし、シリア大使館に関しては法的に考慮すべき問題があり、本件に関して新たな発表はない。連立に大使館を明け渡すことはできない」と述べた。

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フランス外務省報道官は記者会見で、イラク・イスラーム国がシャームの民のヌスラ戦線との統合を宣言したことに関して、フランスがEU諸国とともに国連安保理でヌスラ戦線をテロ組織として認定することを検討していると述べた。

AFP, April 9, 2013、Akhbar al-Sharq, April 9, 2013、al-Hayat, April 10, 2013, April 11, 2013、Kull-na Shuraka’, April 9, 2013, April
10, 2013、Kurdonline, April 9, 2013、Naharnet, April 9, 2013、NNA, April 9,
2013、Reuters, April 9, 2013、SANA, April 9, 2013、UPI, April 9, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県で爆弾テロが発生し市民14人が死亡するなか、国連事務総長はシリアでの化学兵器使用に関する調査委員会を組織する準備ができていると主張(2013年4月8日)

国内の暴力

ダマスカス県では、サブウ・バフラート広場とシャフバンダル広場の間にある駐車場近く路上で、大量の爆発物を積んだ車が自爆し、市民14人が死亡、146人が負傷した。

また自爆テロの現場に近いサリーム・ブハーリー学校、ブアイラー・モスクなどに被害が出た。

SANA, April 8, 2012
SANA, April 8, 2012
SANA, April 8, 2012
SANA, April 8, 2012
SANA, April 8, 2012
SANA, April 8, 2012
SANA, April 8, 2012
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SANA, April 8, 2012
SANA, April 8, 2012
SANA, April 8, 2012
SANA, April 8, 2012

SANA(4月8日付)が報じた。

 

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ダマスカス郊外県では、SANA(4月8日付)によると、ブカイン市、フサイニーヤ町、ズィヤービーヤ町、フジャイラ村、バービッラー市、ヤルダー市、ムライハ市、ウタイバ村、イバーダ市、ジャイルード市、ルハイバ市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷し、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(4月8日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷し、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(4月8日付)によると、クサイル市郊外で軍が反体制武装集団の拠点を攻撃、戦闘員を殺傷した。

またレバンからタッルカラフ市郊外に潜入しようとした武装集団を軍が撃退した。

さらにタドムル市、アーバル市、東ブワイダ市、シューマリーヤ市、ハイダリーヤ村、ダブア市、イクマーム市、西ダミーヤ市、ハミーディーヤ市、ヒムス市カラービース地区、クスール地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(4月8日付)によると、戦闘員をトルコ領内に搬送しようとしていた反体制武装集団の車列を軍が攻撃、破壊した。

車列にはトルコの救急車輌も加わっていたという。

またマジュダリーヤ市、アリーハー市、カフルズィーター市、ダイル・サンバル村、ナイラブ村、マアッラト・ヌウマーン市、サラーキブ市、クマイナース村、タリーハ市、トゥウーム村、サルミーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(4月8日付)によると、マンナグ村、カフルハムラ村、ウワイジャ地区、ハンダラート・キャンプ、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シュカイイフ地区、カースティールー地区、シャイフ・サイード地区、サーフール地区、バーブ街道地区、シャイフ・マクスード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(4月8日付)によると、ブルジュ・ラフマリーヤ村、ガマーム村で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊し、戦闘員を殲滅した。

またラタキア市バサーティーン・リーハーン地区では、治安当局が反体制武装集団のアジトに突入し、武器弾薬を押収した。

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クナイトラ県では、SANA(4月8日付)によると、県の市村議会部門行政局メンバーのハサン・ハッスーン氏がハーン・アルナバ市で反体制武装集団に撃たれ、死亡した。

シリア政府の動き

ワーイル・ハルキー首相は事件発生直後、現場を視察し、自爆テロを激しく非難するとともに、「シリアは全土において治安と安定を回復する最後まで、テロとの戦いを突き進む」との意志を改めて示した。

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『ガーディアン』(4月8日付)は、西側外交筋の話として、シリア軍がゴラン高原に駐留する精鋭部隊20,000人をダマスカス郊外県の各戦線に配備したと報じた。

反体制勢力の動き

ダマスカス県サブウ・バフラート広場近くでの自爆テロに関して、クッルナー・シュラカー(4月8日付)は、事件現場の写真を検証し、犯行が政府の自作自演だと断じた。

Kull-na Shuraka', April 8, 2012
Kull-na Shuraka’, April 8, 2012

その根拠として同報道は以下の点を指摘した。

1. 爆発がSANAの発表とは異なり、中央銀行と投資委員会の間に位置する駐車場内で発生したと考えられる。
2. 車爆弾による自爆テロであるならば、投資委員会ビルから約300メートル離れた税手数料委員会の施設に被害は及ぶはずがない。
3. イフバーリーヤ・チャンネルのアナウンサー、ジャアファル・アフマドが事件発生当時から現場にいたと認めている。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ダマスカス県サブア・バフラート広場近くでの自爆テロに関して、「爆発が起きた地区およびその周辺でとられている治安厳戒態勢を踏まえると、直接ないしは自らのツールを駆使して関与した」と断じ、政権の自作自演だと主張した。

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自由シリア軍のザイド・ブン・ハーリス旅団は声明を出し、4月7日に第4師団治安局のハルドゥーン・ハーミド・バドルをダマスカス郊外県西グータ地方で身柄拘束したと発表した。

声明によると、バドルは、県内の学校、商店街、街道などに即席爆弾を仕掛けたと証言している、という。

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クッルナー・シュラカー(4月8日付)によると、クルド最高委員会は、アレッポ県アフリーン市で避難生活を送るアレッポ市民(シャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区住民)への無許可での人道支援を禁じる決定を下したと報じた。

同報道は、在欧クルド人組織の人道支援物資を搬送していた貨物トラックが、この措置により市内への進入を阻止されたとしたうえで、クルド最高委員会が今や民主統一党の支配下に置かれてしまっていると批判した。

しかし、これに関して、クルドオンライン(4月8日付)は、シャームの民のヌスラ戦線の要員が、避難民への人道支援物資を積んだクルド最高委員会の貨物トラック10輌の通行をタッル・ハルフ市近くの街道で阻止し、アイン・アラブ市、アフリーン市に入ることを禁じた、と報じた。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長は『ハヤート』(4月9日付)に対して、委員会とシリア革命反体制勢力国民連立の対話が「制度的対話でなく、個人の間で行われている」だけだとしたうえで、「シリア・ムスリム同胞団は自らの特権を犠牲にはしないだろう」と批判した。

また「連立からは何らの真摯な提案はなく、連立に参加していない反体制勢力に若干のポストを提示しているだけだ」と付言した。

一方、アサド政権に対しては、軍事的解決を放棄し、交渉に向けて真剣な対応を示すべきだと批判、同政権を支援する国々に圧力をかけるよう呼びかけた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は、フェイスブック(4月8日付)で、ガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班が7日にイドリブ県の「解放区」を訪問し、組閣のための諮問を行ったと発表した。

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シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者は『ラウワード』(4月8日付)のインタビューに応じ、そのなかで米国が自らの思い通りとなる組織を探しているがゆえに、愛国的な反体制勢力や自由シリア軍を支持していないと述べた。

またシリアの反体制勢力が化学兵器を入手していないと断言、またシャームの民のヌスラ戦線が革命防衛と反体制運動を行っていると支持した。

さらに、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班が民主的に選ばれ、そのことは同胞団がほかの反体制勢力との関係において民主主義を遵守していることを示していると自賛した。

レバノンの動き

ナハールネット(4月8日付)は、ヒズブッラーに近い消息筋の話として、ヒムス県クサイル地方での反体制武装集団との戦闘でヒズブッラーのメンバー2人が7日に死亡し、8日にベカーア県バアルベック郡で埋葬されたと報じた。

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UNHCRは、レバノン国内で難民登録したシリア人避難民の数が40万人に達したと発表した。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は、オランダのハーグでの化学兵器禁止条約に関する国際会議での記者会見で、シリアでの化学兵器使用に関する調査委員会に関して「我々の準備はできている…。キプロスに先遣隊がおり、最終段階に入っていると今日にでも発表できる」と述べた。

そのうえで「シリアで化学兵器が試用された可能性があるすべての場所での調査を私が強く約束していることを示すものだ。我々が今待っているのは、シリア政府からの開始のサインであり、そのうえで我々はいかなる化学兵器が、いかなる場所で使用されたのかを特定する」と述べ、シリア全土での調査を行いたいとの意向を示した。

これに対して、SANA(4月8日付)は、シリア外務在外居住者省高官の話として、「潘事務局長の発言は、調査委員会にシリア全土への展開という追加の任務を付与することを求めてきたが、これはシリアの要請に反するものであり…、主権侵害である」と批判した。

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イラクのアリー・ムーサウィー首相付広報顧問は、イラク当局がシリアに向かっていたイランの貨物機をバグダード空港に強制着陸させ、積み荷の検査を行ったが、武器ではなく医療物資が積まれていたと発表した。

AFP(4月8日付)が報じた。

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がドイツを訪問し、アンゲラ・メルケル首相と会談した。

『ハヤート』(4月9日付)によると、会談で、プーチン大統領はシリア危機に対するロシアの姿勢を「詳細に」伝え、メルケル首相は、政治的解決に向けた行動の必要を強調したが、「シリアなどに関するさまざまな問題への対処方法において意見の相違があった」(プーチン大統領)という。

AFP, April 8, 2013、Akhbar al-Sharq, April 8, 2013、The Guardian, April 8, 2013、al-Hayat, April 9, 2013, April 10, 2013、Kull-na Shuraka’, April 8, 2013、Kurdonline,
April 8, 2013、Naharnet, April 8, 2013、Reuters, April 8, 2013、SANA, April
8, 2013、UPI, April 8, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アル=カーイダのザワーヒリー指導者がシリアにイスラーム国家を樹立するため戦うよう呼びかけるなか、軍がダマスカス郊外県の東グータ地方全域を奪還(2013年4月7日)

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍がアレッポ国際空港やナイラブ航空基地制圧をめざす反体制武装集団と交戦し、アズィーザ市、ジスル・アッサーン村を制圧(奪還)した。

同監視団によると、反体制武装集団は武器弾薬を使い果たし、撤退したという。

またアレッポ市では、シャイフ・マクスード地区の南部入り口の軍検問所を民主統一党人民防衛隊が襲撃し、兵士5人を殺害した。

このほか、アレッポ市バーブ街道地区、サーフール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、アンサーリー地区、スッカリー地区などが軍の空爆・砲撃を受け、同市郊外のサフィーラ市も砲撃を受けた。

一方、SANA(4月7日付)によると、アルカミーヤ村、カフルハーシル村、マンナグ村、ダウリーン市、ジブリーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷し、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、スッカリー地区、シャイフ・マクスード地区、ブスターン・バーシャー地区、シャイフ・ヒドル地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷し、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市、マアルバ町、ザマルカー町、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市に対して軍が空爆を行った。

またSANA革命通信(4月7日付)によると、イバーダ市で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月7日付)によると、軍はウタイバ村、イバーダ市および両市周辺、ハジャル・アスワド市で反体制武装集団の拠点などに対する一連の特殊作戦を行い、拠点を破壊し、戦闘員を殺傷した。

またアドラー市でも、軍が反体制武装集団の残党の追撃を行い、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団などによると、ジャウバル区、カーブーン区、タダームン区に対して軍が砲撃を加えた。

またマサーキン・バルザ地区で車に仕掛けられた爆弾が爆発した。

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ハマー県では、シリア人権監視団などによると、ヒルブナフサ村での砲撃によって、一家5人を含む6人が死亡した。

一方、SANA(4月7日付)によると、ヒルブナフサ村で軍が反体制武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またハマー市バーブ・キブリー地区で、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、戦闘員5人を殺害した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団などによると、第17師団本部周辺で、軍と反体制武装集団の交戦が続いた。

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ヒムス県では、SANA(4月7日付)によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区で軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(4月7日付)によると、スッカリーヤ町、ファルズ村、ズライク村で軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点に対する特殊作戦を行い、サウジ人戦闘員などを殲滅した。

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イドリブ県では、SANA(4月7日付)によると、ビダーマー町、マアッラト・ヌウマーン市、ブカフルーン市、ナイラブ村、マアッラトミスリーン市、アブー・ズフール市、ダイル・サンバル村、サラーキブ市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(4月7日付)によると、シャイフ・マスキーン市で軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷した。

国内の動き(シリア政府の動き)

軍武装部隊総司令部は声明を出し、4月6日に、ダマスカス郊外県の東グータ地方全域を掌握し、同地方および同県の他の地域において、シャームの民のヌスラ戦線などの反体制武装集団の残党の追撃を続けていると発表した。

SANA, April 7, 2013
SANA, April 7, 2013

同声明によると、東グータ地方の掌握は、ダーライヤー地方での軍事的成功(サイイダ・サキーナ・モスクなどの奪還)に続くものだという。

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SANA(4月7日付)は、タルトゥース県タルトゥース市のコルニーシュ地区で、バアス党結党記念日に合わせて、紛争での犠牲者を追悼する集会が催され、多数の市民が参加した、と報じた。

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『ワタン』(4月7日付)は、開発輸出促進委員会の研究報告書を抜粋し、シリア貿易額が紛争の影響で大幅に減少していると報じた。

同報道によると、2012年の輸出額は前年より97.4%減少し、1億8,500米ドルにとどまった(2010年の輸出額は、113億5,000万ドル、2011年は72億1,000ドル)。

また輸入額も前年より78.4%減少し、35億8,000ドルにとどまった(2011年の輸入額は165億7,000ドル)。

反体制勢力の動き

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(4月8日付)が、民主統一党とアラブ系部族民兵の間の緊張が高まっていると報じた。

同報道によると、民主統一党の要員がアラブ人が多く住むアズィーズィーヤ地区入り口に検問所の設置作業を終え、同地区とサーリヒーヤ地区を隔てる街道に撤収するやいなや、アラブ系部族の民兵がアズィーズィーヤ地区内の国立病院、水利機構を制圧し、両者の間で小競り合いがあったという。

この小競り合いに対して、軍・治安当局は介入しなかった。

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ハワルニュース(4月8日付)は、アレッポ県北部郊外で活動する軍事評議会司令官らと民主統一党人民防衛隊司令官らが会談し、アイン・アラブ市、アフリーン市に避難するクルド人から「税」を徴収していたハーリド・ヒヤーニーが率いる集団を「革命に寄生し、革命において受け入れられざる人物」と認定することに合意した、と報じた。

諸外国の動き

アル=カーイダの指導者アイマン・ザワーヒリーは音声声明を出し、シリアでのイスラーム国家を樹立するために戦うよう呼びかけた。

『タウヒードの言葉をめぐる言葉の統一』と題した声明で、ザワーヒリーは、「シャームにおける我らが民よ、タウヒードのことばをめぐりあなた方は一つにならねばならない。あなた方の戦いをアッラーのため、アッラーのシャリーアの支配のためのものとしよう」と呼びかけた。

また「あなた方が行い得るすべてのことを行い、アッラーのお許しのもと、あなた方のジハードに成果をもたらし、ジハード主義的イスラーム国家を樹立せよ。そしてカリフ制復活の基礎としよう」と強調した。

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イラクのウサーマ・ヌジャイフィー国民議会議長は、『ハヤート』(4月8日付)に対して、「シャームの民のヌスラ戦線やファールーク大隊などといった武装集団は、アサド政権に対するシリア革命全体の周縁を構成しているに過ぎない…。国家を運営することなどできない」と述べた。

ヌジャイフィー議長は「この二つの組織は革命家たちの5%を占めるに過ぎず、限られた地域でしか活動していない。これに対して、より活発で強力な役割は革命大衆によって担われており、彼らはタクフィール主義思想を持っていないし、他宗派への復讐心もない」と付言した。

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ヨルダン国王アブドゥッラー2世はアンマンでニュージーランドのジェリー・マテパラエ総督夫妻と会談した。

ヨルダン王室が出した声明によると、会談でアブドゥッラー2世は「シリア危機の包括的な政治解決策の案出を支持する」と述べた。

AFP, April 7, 2013、Akhbar al-Sharq, April 7, 2013、Hawarnews, April 8, 2013、al-Hayat, April 8, 2013、Kull-na Shuraka’, April 7, 2013, April 8, 2013、Kurdonline,
April 7, 2013, April 8, 2013、al-Nahar, April 8, 2013、Naharnet, April 7, 2013、Reuters, April 7, 2013、SANA, April
7, 2013、UPI, April 7, 2013、al-Watan, April 7, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒートゥー暫定政府首班が暫定政府を構成する11閣僚を選出するための諮問を始めるなか、民主統一党執行委員会がカーミシュリー市での軍による人民防衛隊への攻撃を非難(2013年4月6日)

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区周辺を軍が空爆し、子供9人、女性3人を含む15人の市民が死亡した。

同監視団によると、空爆が行われたのは、民主統一党の支配地区。

一方、SANA(4月6日付)によると、フライビル村、ハイヤーン町、カフルハーシル村、ジブリーン市、ハンダラート・キャンプなどで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、アシュラフィーヤ地区、シャイフ・マクスード地区、シャッアール地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(4月6日付)によると、カフルスーサ区のリファーイー・モスク近くの住宅街に、反体制武装集団が撃った迫撃砲複数発が着弾し、女性1人が死亡、13人が負傷した。

また、SANA(4月6日付)によると、ジャウバル区、バルザ区で、軍が反体制武装集団と交戦・追撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(4月6日付)が、ダマスカス国際空港、カフリーン町、ヒッラーン・アワーミード村、ウタイバ村、イバーダ市、アドラー市工業団地、ドゥマイル市を含む一帯で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、残党の追撃を続けていると報じた。

またアドラー市、ドゥーマー市、ムライハ市郊外などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらに、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、バフダリーヤ村などで、軍が特殊作戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(4月6日付)によると、ジスル・シュグール市郊外、ワーディ・ダイフ軍事基地周辺、マアッラト・ヌウマーン市、タッルマンス市、アブー・ズフール市、ウンム・ジャリーン村、ハミーディーヤ市、タッル・サラムー市、アリーハー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(4月6日付)によると、フワイズ・フワイジャ街道、ハウラ・アクラブ街道、ヒルブナフサ村、タラス市などで、軍が反体制武装集団の拠点や装備を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ヒムス県では、SANA(4月6日付)によると、キースィーン市、ガントゥー市、ダール・カビーラ村、アルジューン市、ハミーディーヤ市、サッルーミーヤ市、東ブワイダ市、ダブア市、ヒムス市ハーブ・フード地区、クスール地区、ハーリディーヤ地区、ワアル地区、カラービース地区、ジャウラト・シヤーフ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(4月6日付)によると、ジュバーター・ハシャブ村周辺で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(4月6日付)によると、ファルズ村、カスブ村、バイト・アワーン村、スッカリーヤ町で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア政府の動き

バアス党シリア地域指導部は結党記念日(4月7日)に合わせて声明を出し、「テロ攻撃に対する闘争継続への意志」を強調した。

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バアス党民族指導部は結党記念日(4月7日)に合わせて声明を出し、シリアを含むアラブ世界とアラブの民族的アイデンティティに対する脅威が増していると指摘し、党がこうした脅威に対抗するため、その思想的・理論的枠組みの実践に努めてきたとの自負を鼓舞した。

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バフジャド・スライマーン在ヨルダン・シリア大使は、フェイスブック(4月6日付)に「ダルアーへの街道、つまりダマスカスへの街道が開放されたと考えている者は…、事実は逆だと考えた方が賢明で安全だ。この手の毒づいた…言説を実現しようとする行為は、ヨルダンの軍と国家を抜け出すことのできない罠に陥れることを意味している」と綴り、ヨルダンに対して、反体制勢力の支援と西側諸国との協力を行わないよう警告した。

SANA, April 6, 2013
SANA, April 6, 2013

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SANA(4月6日付)は、トルコのウルサル・チャンネルと『アイドゥンルク』紙が4月初めにアサド大統領に対して行ったインタビューの全文を公開した。

インタビューにおけるアサド大統領の主な発言は以下の通り。

(アラブ連盟首脳会議がシリア革命反体制勢力国民連立をシリア代表として認めたことに関して)「率直に言うと、アラブ連盟それ自体が正統性を必要としている。連盟はアラブ諸国民ではなくアラブ諸国を代表しているだけが、長年にわたって正統性を得ていない。なぜなら姿勢を異にするこれらの国は、アラブ諸国民を代弁していないからだ…。連盟は正統性を与えたり奪ったりし得ない組織なので、この措置は象徴的なものに過ぎない…。真の正統性とは、組織や外国首脳が与えるものではなく、シリア国民が与えるものだ」。

「シリアの紛争はそもそも国内紛争ではない。シリア国内に組織はあるが、問題は全体として国外問題であり、シリアに対する外国の紛争である」。

「BRICsは、バッシャール大統領を支持していないし、シリアという国家を支持しているわけでもない。地域の安定を支持しているのだ…。つまり、BRICs諸国は、西側諸国に対抗するかたちで、シリアでの政治的解決を支持してきた。一方、シリアに敵対する一部の西側諸国、地域諸国が、政治的決定を下すうえで独立性を持っていないのは周知のことだ。これらの国は、外国の支持に従っている。国内では政治的解決を支持しているのかもしれないが、西側が命令を与えれば、それを実行しなければならないような国だ」。

「国民が彼(大統領)に反対しているなかで、なぜ体制は存続しているのか?シリアはなぜ2年にわたり耐えているのか?私に敵対する湾岸諸国はこの問題にほとんど関心を示さないが、私はシリア国民に選ばれた大統領だ。大統領になるか、退任するかは結局は、シリア国民によってシリア国内で決められるものだ。それ(退任)を求める外国によって決められるものではない」。

「我々はシリア国内に送り込まれたテロリストを支援する国に囲まれている。イラク、レバノンなど…すべての国が意図的にそうしている訳ではない。トルコはこうしたテロリストを公式に保護し、シリアに潜入させている…。あらゆる言葉の意味においてそれが戦争だというのが真実であり、散発的な治安事件ではない。テロリストが数千人、おそらくは数万人侵入している。それゆえ、シリア各地で戦闘の音が聞こえるのは当然なのだ」。

「エルドアン首相は、アラブ世界で起きていることを自らの政治生命を延ばすための好意だと思っているようだ。この男の知能はムスリム同胞団の知能だ。同胞団は…個人の利益のために宗教を利用するような日和見的集団だ…。エルドアンは当初、シリア内政に干渉しようとした。なぜなら、彼の関心は、シリア・トルコ関係以上に同胞団の問題に注がれていたからだ…。状況が整い、彼はシリアやトルコの国益ではなく自分の利益を優先させ…、彼の政府は…シリア国内でテロリストを公然と支援し始め、シリアでの流血に関与するようになった」。

「残念ながら、エルドアンはシリアで危機が始まってから一度たりとも偽りのない言葉を発していない…。エルドアンは今や、カタールの資金を戦闘員に与え、トルコ領を経由して彼らに武器提供を保証している…。エルドアンは偽り、こうした提案(対話による紛争解決)を覆面として利用しているだけだ」。

「トルコ政府は…、シリア国民の殺戮に直接寄与している。これはつまりは、シリアが同様の報復をするかもしれないということだ。むろん、我々にはこうした行為を行うことはできないが。第1に、我々は犯罪を受け入れない…。第2に、トルコ国民は友好的な国民だと確信している。第3に、エルドアンは…シリアとトルコを国民レベルで衝突させ、自らの政策への支持を取り付けようとしている…。しかし我々はそもそもこうした罠にはかからない。なぜなら我々の国益はトルコ国民とともにあるからだ」。

(「アサド大統領と握手するくらいなら、辞表を提出する」と述べたアフメト・ダウトオール外務大臣に関して)「彼の家に正しい教育を施すものがいなくても、我が家にはいる。トルコ国民の道徳から彼が学びとることができないとしても…、我々はシリア国民の道徳から多くを学びとった」。

(マヴィマルマラ号事件をめぐるイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の公式謝罪に関して)「このことは、エルドアンが今、イスラエルと同盟してシリア情勢に打撃を与えようとしていることを示している」。

(シリア国内でのPKK/民主統一党の活動に関して)「ある国に混乱が生じている場合、この混乱を埋めようとする勢力が生じざるを得ない…。なかには分離をめざす組織が現れるのは当然だ。シリアにも、トルコにも、イラクにも…いる。しかし、我々はこうした状況をすべてのクルド人に当てはめることはできない。分離をめざす集団は少数だ。ほとんどのクルド人は、シリア国内での生活を望む愛国者だ…。この点(分離)に関して今のところ懸念はない」。

(反体制勢力との対話に関して)「レッドラインは外国の介入だ。いかなる対話であってもシリア人だけの対話でなければならない。この対話に外国の介入は許されない。それ以外にレッドラインはない。シリア国民は思う通り議論できるし、この祖国はシリア人全員のもので、彼らは思い通りの提案を行える」。

(シリアの現体制はアラウィー派の宗派独裁だとの一部メディアの言説に関して)「この地域は多様な地域だが、シリアは数十年にわたって安定のもとに暮らしてきた。いかなる国内問題もなかった…。いかなる国のいかなる政府も国民の一部、ないしはその複数の部分のみからなっていて、国民全体を代表していなければ、存続し得ない。(シリアの現体制は)現政府たちまち瓦解するか、瓦解しない場合は祖国が崩壊するだろう、という言説は正しくない…。政府はこの(シリア社会の)多様性を常に反映している」。

アラビア語:http://sana.sy/ara/2/2013/04/06/476160.htm
英語:http://www.sana-syria.com/eng/21/2013/04/06/476159.htm

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班が、政府を構成する11閣僚を選出するための諮問を開始したと発表した。

11閣僚は、国防大臣、内務市民問題大臣、外務大臣、地方自治大臣、経済公共資源大臣、教育大臣、農業水資源大臣、保健大臣、インフラ運輸通信大臣、避難民・難民救援大臣、法務大臣からなる。

また「シリアという祖国の土のうえで権威を行使する行政府」であると強調している。

なお声明によると閣僚選出にあたっては以下の点が要件になるという。

1. シリア国籍を有すること。
2. 35歳以下であること。
3. 現体制の高官でなく、国民に対して罪を犯しておらず、また彼らの財産を奪っていないこと。
4. シリア革命の支持者であること。
5. 暫定政府の活動に専念できること。
6. シリア国内で公然活動できること。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長は、自身の辞任発表に関して、「(議長の)椅子はまったく重要でない。それは革命の目的を実現する手段に過ぎない…。もしその目的を実現したら、そこにとどまるだろう」と述べ、辞任を事実上撤回したことを明らかにした。

クルド民族主義勢力の動き

民主統一党執行委員会は声明を出し、カーミシュリー市での軍による人民防衛隊への襲撃を厳しく非難し、「クルド人民の意思を貶めようとするあらゆる計略・陰謀に言葉を一つにして対抗する」との意思を示した。

レバノンの動き

ミシェル・スライマーン大統領に組閣を要請されたタマーム・サラーム新首相は、シリア情勢に関して、「私の姿勢は、シリア国民とともにあり、この国民の自由、そして力とともにある。私はあらゆる国の国民とともにある」と述べる一方、ナジーブ・ミーカーティー内閣と同様に不関与政策を維持すると明言した。

諸外国の動き

トルコのアフマド・ダウトオール外務大臣は、トルコがイスラエルとともにシリアを破壊しようとしているとのアサド大統領の発言(ウルサル・チャンネルと『アイドゥンルク』紙のインタビュー)に関して、「根拠がない」と否定した。

AFP, April 6, 2013、Akhbar al-Sharq, April 6, 2013、al-Hayat, April 7, 2013, April 8, 2013、Kull-na Shuraka’, April 6, 2013、Kurdonline,
April 6, 2013、Naharnet, April 6, 2013、Reuters, April 6, 2013、SANA, April
6, 2013、UPI, April 6, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県で軍がバルザ区およびタダームン区に激しい砲撃を加えるなか、プーチン露大統領はドイツ訪問に先立ちそのなかで「戦闘の即時停止と、すべての当時者が交渉のテーブルに着く」必要性を強調(2013年4月5日)

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団などによると、バルザ区、タダームン区に軍が激しい砲撃を加えた。

一方、SANA(4月5日付)によると、ジャウバル区、バルザ区で、軍が反体制武装集団と交戦し、ザイド・ブン・ハーリス連隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

SANA, April 5, 2013
SANA, April 5, 2013

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市で軍と反体制武装集団が交戦し、ムウダミーヤト・シャーム市が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月5日付)によると、アーリヤ市郊外、ドゥーマー市、ザマルカー町、バフダリーヤ村、フサイニーヤ町などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、ジャルマーナー市の住宅街に反体制武装集団が撃った迫撃砲が複数発着弾し、市民1人が死亡、11人が負傷した。

他方、AFP(4月5日付)は、シリア軍消息筋の話として、軍がダーライヤー市のサキーナ・サイイダ・モスクおよびその周辺の治安を回復したと報じた。

これに関して、SANA(4月5日付)は、反体制武装集団後のモスクは、破壊されており、大量の爆発物などが残されていたと報じた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市各地区に軍が砲撃を行った。

一方、SANA(4月5日付)によると、ヒムス市カラービース地区、ジュッブ・ジャンダリー地区、ワルシャ地区、バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ラスタン市、ダブア市、アーバル市、キーフィーン市、タルビーサ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区東部で軍と反体制武装集団が交戦した。

またアレッポ国際空港、ナイラブ航空基地周辺で、軍と反体制武装集団が交戦し、反体制武装集団がアズィーザ市、ジスル・アッサーン村を奪還する一方、軍はサフィーラ市に砲撃を加えた。

一方、SANA(4月5日付)によると、アナダーン市、バヤーヌーン町、フライターン市、ラスム・アッブード村、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、マルジャ地区、ブスターン・バーシャー地区、アシュラフィーヤ地区、シャイフ・マクスード地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

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ダルアー県では、反体制消息筋によると、対ヨルダン国境のナスィーブ通行所を防衛する軍の駐屯地1カ所を反体制武装集団が制圧した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(4月5日付)によると、軍がユーフラテス川でミスラーブ村に向かおうとしていた船舶2籍を破壊した。船には外国人戦闘員が乗っていたという。

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イドリブ県では、SANA(4月5日付)によると、ビーシュラームーン市、アイン・バーラ村、ジスル・シュグール市、マアッラト・ヌウマーン市、ラーム・ハムダーン市、マアッラトミスリーン市、サラーキブ市、タッル・サラムー市、ウンム・ジャリーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(4月5日付)によると、ムーリク市、タッル・アトシャーン村、カフルヌブーダ町などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(4月5日付)によると、アイン・アシャラ村、トゥッファーヒーヤ村、ラトバ村、カールーラ村、アイン・ムール村、ズワイク村、バイト・アワーン村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃し、戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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『ハヤート』(4月6日付)によると、「避難民、名誉、尊厳が我々の主題だ」と銘打ってダマスカス郊外県のカフルバトナー町、ヤブルード市、イドリブ県のハーッス村、カフルナブル市、アリーハー市、アレッポ県のアレッポ市ブスターン・カスル地区、アイン・アラブ市などで反体制デモが発生した。

反体制勢力の動き

イスラーム旅団報道官のイスラーム・アッルーシュ大尉は、クッルナー・シュラカー(4月5日付)に送った声明のなかで、ダマスカス県内の治安施設近くの住民に対して避難するよう呼びかけ、県内でテロ・攻撃を行うことを示唆した。

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クッルナー・シュラカー(4月5日付)は、イスラーム旅団の報道官を名乗るイスラーム・アッルーシュ大尉が、「アドラー市解放作戦で、多数のイラン人、イラク人、レバノン人戦闘員を殺害し、同市の70%を解放した」と主張した。真偽は定かでない。

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自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリーは声明を出し、カースィム・サアドッディーン空軍大佐を正式な報道官に任命したと発表した。

諸外国の動き

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はドイツ訪問に先立って、ドイツのARDのインタビューに応じ、そのなかで「戦闘の即時停止と、すべての当時者が交渉のテーブルに着く」必要があるとしたうえで、「双方(政府と反体制武装集団)の戦闘停止と(反体制武装集団への)武器供与の停止をしなくてはならないと思う」と述べた。

シリア政府への武器供与に関して、プーチン大統領は「彼らは、ロシアがアサドに武器を供与している、と常に言っている。しかし、合法的な政府への武器供与を禁じられるものなどない…。国際法…はむしろ、国の治安を揺るがそうとする勢力に武器を供与することを禁じている」と反論した。

また「彼らは、アサドが国民を殺していると言うが、武装した反体制集団に対してそうしていることを実は知っている。今起きていることは虐殺、大災難であり、それを止めねばならない。すべての紛争当時者が交渉のテーブルに着かねばならない」と強調した。

そのうえで「我々の姿勢の本質とは何か?我々のパートナー(西側諸国)の提案通り、アサドが今日去ったとしても、次の日に我々は何をして、どこに向かうのか?リビアがどこに向かうのかは明らかではなく、同国は事実上三つに分割されてしまったではないか」と述べ、西側諸国の介入を批判した。

そして「それゆえ我々の姿勢は、すべての当時者が交渉のテーブルに着き、将来の国の運営への参加の方法をめぐって合意するというもので、そのうえでこの計画を国際社会の保証のもと、実現するために前進することだ」と主張した。

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UNICEFのマルキスィ・メルカド報道官はジュネーブでの記者会見で、「ニーズは急速に増加し、我々は破産している」と述べ、ヨルダンに大量流入するシリア人避難民に対応しきれない実情に警鐘を鳴らした。

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ヨルダンのシリア避難民問題担当報道官のアンマール・ハンムードは、AFP(4月5日付)に対して、ザアタリー避難民キャンプに収容されていたシリア人避難民のうち約35,000人がシリアに帰国したと発表した。

AFP, April 5, 2013、Akhbar al-Sharq, April 5, 2013、al-Hayat, April 6, 2013、Kull-na Shuraka’, April 5, 2013、Kurdonline, April 5, 2013、Naharnet,
April 5, 2013、Reuters, April 5, 2013、SANA, April 5, 2013、UPI, April 5,
2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カーミシュリー市で人民防衛隊が軍・治安部隊の襲撃を受け3人のメンバーが死亡するなか、ヒムス県では軍がヒムス市ハーリディーヤ地区、ジャウラト・シヤーフ地区に「前例のない」空爆を加える(2013年4月4日)

国内の暴力

ハサカ県では、民主統一党人民防衛隊総司令部は声明を出し、カーミシュリー市で、人民防衛隊が軍・治安部隊の襲撃を受け、同部隊軍事評議会メンバー3人が死亡、1人が重傷を負ったと発表した。

これを受け、人民防衛隊は、市内をパトロール中の治安部隊と、市東側に位置する治安部隊検問所を襲撃し、治安部隊要員3人を殺害、7人を拘束、検問所を制圧した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ国際空港に近いアズィーザ市の奪還を試みる軍が同市を占拠する反体制武装集団と交戦し、前者の兵士10人、後者の戦闘員4人を含む22人が死亡した。

また『ハヤート』(4月5日付)によると、アレッポ市では、シャイフ・マクスード地区内の反体制武装集団制圧地域に「アレッポ・シャリーア委員会」が入った。

一方、SANA(4月4日付)によると、ラトヤーン村、アズィーザ村、ジスル・アッサーン村、ドゥワイリーナ市、クワイリス市、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サーリヒーン地区、マルジャ地区、ハイダリーヤ地区、カースティールー地区、ジャンドゥール交差点、シュカイイフ地区、シャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、ジャウラト・シヤーフ地区に軍が「前例のない大規模な」空爆を加え、また市内各所で反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月4日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、キースィーン村、タッルドゥー市、ダブア市、東ブワイダ市、アーバル市、タルビーサ市、ラスタン市、ダール・カビーラ村、サッルーミーヤ市、ハイダリーヤ村、タドムル市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市アルメニア地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、複数の市民が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、バルザ区が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月4日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団本部周辺で軍とシャーム自由人大隊などからなる反体制武装集団の交戦が続いた。

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ダマスカス郊外県では、SANA(4月4日付)によると、アッブ農場郊外、ジスリーン町、リーハーン農場、ウタイバ村、ザバダーニー市、ナブク市、ダーライヤー市、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(4月4日付)によると、ジスル・シュグール市、バーラ村、マアッラトミスリーン市、ムーリーン市、イドリブ市・マアッラトミスリーン市間の街道、ハザーヌー町、ビンニシュ市、マアッラト・ヌウマーン市、サラーキブ市、マクバラ・ルーリーン市、マジュダリヤー村、ラーミー村、イフスィム町、アブー・ズフール航空基地周辺、サルキーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア政府の動き

アルジェリア紙『シュルーク』(4月4日付)は、バアス党幹部などからなるシリアの非公式使節団が、反体制勢力との交渉の仲介を求めて、アルジェリアを訪問したと報じた。

同報道によると、使節団は、総合情報部内務課の少将、アレッポ県選出の人民議会議員など5人からなり、ロシアの航空機で、モスクワ、パリを経由して、アルジェに到着したという。

使節団は、アルジェリアの内務省、外務省、軍高官らと会談した。

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ロイター通信(4月4日付)は、複数の戦闘員からの情報として、イランの秘密施設でゲリラ戦の教練を受けた「非正規の民兵」(シリア人戦闘員)が派遣されている、と報じた。

同報道によると、政府の治安筋は、イランでの教練を否定している。

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DamasPress(4月5日付)は、アサド大統領がシリア国営チャンネルのメディア関係者、アナウンサーと面談し、シリア情勢について意見を交換したと報じた。

会談は2時間半に及び、そのなかでアサド大統領は「シリアが直面しているのは、戦争であって、治安に関わる事件ではない。メディアは、真実を伝えるという役割を通じて、祖国を防衛するもっとも重要な手段だ」と述べたという。

反体制勢力の動き

イスラーム殉教者師団はビデオ声明を出し、ダマスカス県ダーライヤー市のサイイダ・サキーナ廟は依然として反体制武装集団が掌握していると発表した。

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(4月4日付)は、民主統一党人民防衛隊が、ハサカ県各地に武器携帯認可センターを設置し、登録期間(4月3日~5月3日)内に武器を保持する市民に登録するよう呼びかけた。

登録期間終了後、無許可で所有される武器は没収されるという。

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クッルナー・シュラカー(4月4日付)は、クルド最高委員会に参加するシリア・クルド国民評議会の各党から得た情報として、イラク・クルディスタン地域への移住を行わないよう呼びかけた4月1日の委員会の声明が、評議会の署名を経ておらず、民主統一党により一方的に発表されたものだと報じた。

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クルドオンライン(4月4日付)は、アレッポ市アシュラフィーヤ地区とシャイフ・マクスード地区での戦闘激化に伴い、アレッポ県のアフリーン市、コーバーニー市(アイン・アラブ市)に10万人以上が避難、これを受けクルド最高委員会はハサカ県カーミシュリー市から人道支援物資を積んだ貨物トラック10輌を派遣したと報じた。

レバノンの動き

ミシェル・スライマーン大統領は、UNRWAのフィリポ・グランディ事務局長と会談し、シリア領内の国境地域に避難民キャンプを設置し、国連軍がその防衛にあたることを提案した。

レバノン大統領府が声明で明らかにした。

諸外国の動き

イエメンのアブー・バクル・カルビー外務大臣は、シリアの「テロ集団」が治安の混乱に乗じて影響力を強めようとしていると述べ、「シリア革命反体制勢力国民連立にサナアーのシリア大使館を明け渡すことはイエメンでは議論の余地はない」と拒否の姿勢を示した。

UPI(4月4日付)が報じた。

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ヨルダンのペトラ通信(4月4日付)によると、シリア人避難民のための人道支援物資を積んだロシアの貨物機がアンマン国際空港に到着した。

なおロシアは3日にも、シリア人避難民のための人道支援物資を積んだ貨物機をレバノンのベイルート国際空港に派遣している。

AFP, April 4, 2013、Akhbar al-Sharq, April 4, 2013、DamasPress, April 5, 2013、al-Hayat, April 5, 2013、Kull-na Shuraka’, April 4, 2013、Kurdonline, April 4, 2013、Naharnet,
April 4, 2013、Reuters, April 4, 2013、SANA, April 4, 2013、al-Shuruq, April 4, 2013、UPI, April 4, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市シャイフ・マクスード地区で人民防衛隊が一転して軍との戦闘を開始したと報じられる、これに反体制武装集団が加わり三つ巴の戦況を呈する(2013年4月3日)

シリア政府の動き

アサド大統領はトルコのウルサル・チャンネルと『アイドゥンルク』紙のインタビューに応じ、シリア革命反体制勢力国民連立にシリア代表のポストを与えたアラブ連盟の決定に関して「アラブ連盟自体が正統性を得る必要がある」と批判した。

シリア大統領府がフェイスブックのページを通じて公表したインタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「アラブ連盟それ自体が正統性を得る必要がある。連盟はアラブ諸国を代表するのであって、各国国民を代表していない。また連盟が(各国政府に)正統性を与えたり、奪ったりするのではない」。

「(政府の)真の正統性は外国の機関や首脳によってもたらされるのではない。正統性は国民が与える。(外国の)こうした「劇場」は我々にとって何の価値もない」。

(アサド大統領と握手するくらいなら辞めると述べたアフメト・ダウトオール外務大臣の発言に関して)「この手の発言は関心に値しない…。彼の家には正しい教育を行う者がいないとしても、私の家にはいる…。トルコ国民の道徳から彼が何も学びとっていないとしても…、私はシリア国民の道徳から多くを学び取った」。

(レジェップ・タイイップ・エルドアン首相に関して)「シリア危機が発生してから、一度も偽りのない言葉を述べていない…エルドアン政権はシリアでの流血に関与している」。

(シリアで宗派対立を助長するような動きが見られることに関して)「ブーティー師をはじめとする(シリアの)宗教関係者の姿勢はそもそも、宗派対立を作り出そうとする計画を頓挫させようとするものだった。それゆえ、ブーティー博士は暗殺され、2日前にはアレッポでも宗教関係者が暗殺された。さらにこれまでに多くの宗教関係者が暗殺された」。

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『ワタン』(4月3日付)は、軍の匿名高官筋が「近く安全を取り戻すであろうダマスカスの地にいかなるテロリストが潜入することも軍は許さない…。我々はこれまで幾度となくあらゆる手段を通じて、テロ集団にダマスカスに近づくことは死を意味すると警告してきた…。軍は充分な部隊をもってダマスカスを防衛する準備ができている」と述べたと報じた。

国内の暴力

アレッポ県では、『ハヤート』(4月4日付)が、複数のクルド消息筋の話として、アレッポ市シャイフ・マクスード地区東部に軍が侵入の準備を進めるなかで、民主統一党人民防衛隊が、同地区に侵攻した反体制武装集団とともに、今度は軍との戦闘を始めたと報じた。

同報道によると、アレッポ市を見下ろすことができる高台に位置するシャイフ・マクスード地区をめぐって、軍、民主統一党人民防衛隊、反体制武装集団が三つ巴の戦いを繰り広げているという。

一方、SANA(4月3日付)によると、アターリブ市、ダイル・ジャマール村、マンナグ村、シャワーリガ市、マッルアナーズ市、アルカミーヤ村、アナダーン市、フライターン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・マクスード地区、サーリヒーン地区、カルム・フーミド地区、第5工業地区、シャッアール地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、『ハヤート』(4月4日付)によると、反体制武装集団がアルマー町近郊の第49防空大隊拠点を数日間にわたる戦闘の末制圧し、国際幹線道路に沿ってダマスカス県に向けてまた一歩前進した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市を軍が空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、アーバル市、カルヤ・ヒスン市を軍が空爆し、対レバノン国境のジュースィーヤ村では軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月3日付)によると、ヒムス市旧市街、クサイル市、アーバル市、タルビーサ市、ラスタン市周辺、ダール・カビーラ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ズィヤービーヤ町、ムライハ市を軍が空爆し、またダーライヤー市では反体制武装集団が交戦し、市内のサイイダ・サキーナ廟周辺の治安を回復した。

一方、SANA(4月3日付)によると、ダーライヤー市などに対して、軍が特殊作戦を行い、複数の反体制武装集団戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、ウタイバ村、カーラ市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ダーヒヤ・アサド市に、反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、市民1人が死亡、2人が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、カーブーン区が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月3日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(4月3日付)によると、ジャーヌーディーヤ町、ナダー市、マアッル・シャムシャ市、ジダール・ブカルフーン市、ナイラブ村、マアッラト・ヌウマーン市、アブー・ズフール市、ジスル・シュグール市、ダイル・ウスマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(4月3日付)によると、ダイル・ザウル市、軍が特殊作戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線の複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またムサッラブ村を襲撃しようとしたシャームの民のヌスラ戦線を軍が撃退した。

反体制勢力の動き

AFP(4月3日付)は、シリア・ムスリム同胞団の「覇権主義」に対して反体制勢力内での批判が強まっていると報じた。

同報道によると、同胞団に批判的な反体制活動家は、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班選出が、同胞団とカタールに「押しつけられた」と考えている、という。

こうした活動家の筆頭であるムハンマド・カマール・ルブワーニーは、「表向き、彼らの数は少ないように見えるが、彼らはトルコとカタールの資金で連立メンバーを買収した」と批判した。

これに対して、シリア・ムスリム同胞団のアリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー副監督者は、同胞団が外国からの資金援助を受けていることを否定している。

レバノンの動き

NNA(4月3日付)は、北部県トリポリ市バーブ・タッバーナ地区近くでシリアの石油トラック7輌に対して、数十人からなる武装集団が銃を乱射し、トラック運転手1人が負傷した、と報じた。

AFP(4月3日付)によると、トラック7輌はシリアに向かう途中で、武装集団は軍が介入するまで銃撃を続けたという。

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NNA(4月3日付)は、シリア軍のヘリコプターがベカーア県バアルベック郡アルサール市郊外の対シリア国境に位置する民家(アワード家所有)にミサイルを2発発射し、破壊した。

アルサール市長によると、空爆が行われた一帯には民家7棟があったが、死傷者はなかった。

諸外国の動き

『ハヤート』(4月4日付)によると、ヨルダンのアブドゥッラー・ナスール首相は、記者団に対し「シリア南部、とりわけダルアー県の都市・農村との国境地点に、安全地帯を設置することを検討している」と述べた。

ナスール首相はまた「シリア人の避難場所とするために同地域の設置を検討しているが、事態は反体制勢力の能力、そしてダルアー制圧の可能性にかかっている」と述べ、紛争の行方次第により、反体制勢力の実効支配を支援することを示唆した。

しかし首相は、シリア政府が依然として軍事力を維持しているため、問題は複雑で、同提案の可能性を検討したうえで、諸外国に連絡する方針だという。

一方、ナスール首相は、シリア危機への関与を否定しつつ、シリア人避難民が流入するヨルダン北部の各都市を被災地として宣言し、国連安保理に負担軽減に向けた行動を呼びかけると付言した。

これに関連して、『ワシントン・ポスト』(4月3日付)は、米・ヨルダン両国高官の話として、シリアの反体制武装集団がダルアー県に進軍し、対ヨルダン国境地帯の一部を制圧したことを受け、両国が彼らへ教練を拡大・加速させ、国境地帯に緩衝地帯を設置し、戦闘員や避難民の避難場所にしようとしている、と報じた。

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『ガーディアン』(4月3日付)は、欧州14カ国の約600人がシリアでの反体制武装活動に参加しているとする報告書をロンドン大学キングス・カレッジが発表したと報じた。

同報告書によると、200以上のジハード主義組織のサイト、アラブ・西側のメディアによる数百の報告をもとに、英国、フランス、オーストリア、スペイン、スウェーデン、ドイツ、ベルギー、オランダ、アイルランド、フィンランド、コソボなど各国からシリアに潜入し、戦闘を行っているという。

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チュニジア法務省は声明を出し、同国初審裁判所検事長が、シリアで反体制武装集団に参加していたとテレビで証言したアブー・ザイド・トゥーニスィーに逮捕状を出した。

トゥーニスィーはチュニジアの民放テレビ(3月21日)で、約3,500人のチュニジア人戦闘員がシリアで反体制武装闘争を行っており、チュニジア人女性13人が「結婚ジハード」のためシリアに入国し、戦闘員を性的慰安を行っていると述べていた。

これを受け、検察当局が3月25日から調査を開始していた。

また『シュルーク』(3月15日付)も、チュニジアの治安当局がシリアへのチュニジア人戦闘員派遣のネットワークを摘発・解体したと報じていた。

同ネットワークはカタールが資金援助をしており、戦闘員1人あたり3,000米ドルを受け取っていたという。

AFP(4月3日付)が報じた。

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フランス訪問を終えたエジプトのムハンマド・カーミル・アムル外務大臣は声明を出し、イラン、サウジアラビア、トルコ、そしてエジプトからなるシリア問題四カ国連絡グループの再生をめざす意思を表明した。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、BFMTVとモンテカルロ放送に対して、シリアの反体制勢力への武器供与について、「5月までに答えを出さねばならないが、それまでは是非について述べることはできない」としたうえで、「過激派の手に武器が渡るのならば、武器は供与しない」と述べた。

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UNHCR報道官はジュネーブでの記者会見で、3月28日時点でイラクで難民申請を行ったシリア人避難民の数が12万1000人に達していると発表した。

AFP, April 3, 2013、Akhbar al-Sharq, April 3, 2013、The Guardian, April 3, 2013、al-Hayat, April 4, 2013、Kull-na Shuraka’, April 3, 2013、Kurdonline, April 3, 2013、Naharnet,
April 3, 2013、NNA, April 3, 2013、Reuters, April 3, 2013、SANA, April 3,
2013、UPI, April 3, 2013、The Washington Post, April 3, 2013、al-Watan, April 3, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県およびダマスカス郊外県で軍が反体制武装集団の侵攻を阻止するための「大規模な戦い」を準備、自由シリア軍国内合同司令部はシリア革命反体制勢力国民連立におけるシリア・ムスリム同胞団の独断主義を批判(2013年4月2日)

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団(駐英)が、バルザ区、ジャウバル区のアッバースィーイーン広場近く、ヤルムーク区で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月2日付)によると、ファイハー地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲3発が着弾し、4人が死亡、25人が負傷した。

また、ジャウバル区では、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町、ドゥーマー市、ハジャル・アスワド市などで軍と反体制武装集団が交戦した。

ハジャル・アスワド市では3人が死亡、20人以上が負傷した。

一方、SANA(4月2日付)によると、ジャルマーナー市で反体制武装集団が撃った迫撃砲2発が着弾し、市民4人が死亡、11人が負傷した。

またムカイラビーヤ市でも、反体制武装集団が撃った迫撃砲が民家に着弾し、1家4人(うち子供1人)が死亡し、子供1人が大やけどを負った。

他方、アドラー市および同市郊外、アーリヤ市郊外、ハラスター市、タッル・クルディー町郊外、ナブク市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、『ハヤート』(4月3日付)によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

また反体制武装集団がハーン・シャイフーン市東部の武器弾薬貯蔵基地を襲撃する一方、軍はマアッラト・ヌウマーン市を空爆したという。

他方、SANA(4月2日付)によると、ナイラブ村のシャビーバ基地を襲撃しようとした反体制武装集団と軍が交戦し、複数の戦闘員が死亡した。

またカニーヤ村、バシーリーヤ村、サルマニーヤ村、シャイフ・スィンディヤーン村、イフスィム町、アイン・バーリダ村、マアッラト・ヌウマーン市、ビンニシュ市、ハーン・スブル村、アレッポ市ジュダイダ地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、反体制武装集団が拘留されている逮捕者を解放するための「捕虜解放の戦い」を開始したと発表、『ハヤート』(4月3日付)によると、逮捕者が収容されているとされるアレッポ市北部のハンダラート・キャンプ近郊のキンディー大学病院や中央刑務所への攻撃を開始した。

一方、SANA(4月2日付)によると、ムスリミーヤ村、ハンダラート・キャンプ、マッルアナーズ市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、カースティールー地区、ハイダリーヤ交差点、ジャンドゥール交差点などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、反体制勢力筋によると、アルマー町、ダーイル町、タスィール町、ヒルバト・ガザーラ町、ダルアー市ダム街道などに軍が砲撃を加えた。

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ヒムス県では、SANA(4月2日付)によると、カルヤ・ヒスン市、ラスタン市・ジュッブ・ジャンダリー分岐点、マッル・ヤミーン村・ハウラ地方分岐点、ヒムス市バーブ・スィバーア地区周辺などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また対レバノン国境のジュースィーヤ村郊外、タッルカラフ市郊外で、レバノンからの潜入を試みた反体制武装集団を軍が撃退した。

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ハマー県では、SANA(4月2日付)によると、カフルヌブーダ町、マダーヤー・サジュダ村、ハマー市タッル・ダッバーガ地区、ドゥワイル・アクラード村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(4月2日付)によると、ダイル・ザウル市各所で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またムサッラブ村では、村を襲撃しようとした反体制武装集団と村人が交戦、イフラース旅団、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員が死亡した。

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ロイター通信(4月2日付)は、複数の軍消息筋の話として、軍と反体制武装集団の交戦中に発射された迫撃砲が、イスラエルが占領するゴラン高原の入植地近くに着弾したと報じた。

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ダマスカス県およびダマスカス郊外県では、軍が反体制武装集団の侵攻とテロ活動を阻止するための「大規模な戦い」の準備として、県内の厳戒態勢の強化、検問所、塹壕の強化などを進めている、と『AFP』(4月2日付)が政府に近い複数の消息筋の話として報じた。

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ダマス・ポスト(4月2日付)は、信頼できる複数の消息筋の話として、ダルアー県における軍司令部の抜本改編が行われ、上級士官1人が解任、県内での武装集団の進軍を阻止し、制圧された地域の奪還を断行するための決定がなされたと報じた。

国内の動き(シリア政府の動き)

アサド大統領は政令第20号を発し、政治的理由、身代金・財産目当て、復讐を目的とした誘拐犯に対して無期懲役刑を科すことを定めた。

自由シリア軍を名乗る武装犯罪集団による誘拐・拉致事件が多発したことを受けての措置。

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『ワタン』(4月2日付)は、ウマル・イブラーヒーム・ガラーワンジー福祉問題担当副首相兼地方自治大臣が地方自治省関係部局に対して、アレッポ県、ハサカ県、ヒムス県をそれぞれ2県に分割・改編を検討している人民議会内の審議をフォローアップするよう指示したと報じた。

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地方自治省国際協力局は、危機解決政治プログラムに基づく復興(文科)委員会が、ダマスカス郊外県アドラー市、ハスヤー町の工業団地に避難民のための一時避難住宅を設置することを決定したと発表した。

アドラー市の施設は60,000人、ハスヤー町は40,000人が収容可能だという。

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SANA(4月2日付)は、シリア政府がイランからの石油関連産品に対する関税を6月30日まで撤廃することを決定したと報じた。

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『ガーディアン』(4月2日付)は、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員の話として、自由シリア軍と政府軍の双方がダイル・ザウル県で産出された原油をトルコに密売していると報じた。

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クッルナー・シュラカー(4月2日付)は、体制内で活動する複数の反体制消息筋の話として、アサド大統領が最近の会合で、「ダーライヤー市が制圧できないのは軍が弱く、武装集団と戦えないからではなく…、市内に外国の三つの大隊が駐留しているからだ」と述べ、ドイツ、イスラエル、そして米国の特殊部隊が展開していると断じた、と報じた(未確認情報)。

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(4月2日付)は、ダマスカス県、ダマスカス郊外県で活動する複数のサラフィー主義武装集団がシャーム特殊部隊の主導のもと、大隊連合軍事組織「預言者のシャーム旅団」を結成したと報じた。

預言者のシャーム旅団に参加した武装集団は、2012年9月28日に以下の通りだという:

1. ナースィル・サラーフッディーン大隊
2. イスラームの旗大隊
3. シャイフ・イスラーム・イブン・タイミーヤ大隊
4. ハサン・フサイン連隊
5. ダマスカス大隊
6. フカハー・ワ・サーリヒーン大隊
7. イマーム・シャーティビー大隊
8. スルターン・ムハンマド・ファーティフ砲兵大隊
9. アンサール・クルアーン大隊
10. イスラームの獅子大隊
11. シャーム特殊部隊大隊

なおシャーム特殊部隊大隊は、2012年9月28日に結成され、自由シリア軍に参加、司令官はアンマール・ダマード大尉が務めるという。

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自由シリア軍国内合同司令部中央広報担当官のファフド・ミスリーは声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班選出をめぐる対立が、シリア革命評議会発足以来の反体制勢力の代表性をめぐる問題だと指摘し、シリア・ムスリム同胞団の独断主義を批判、反体制勢力を包摂していない連立にシリアの国家と社会を委ねれば、シリア史上最大の過ちを犯すことになるだろうと主張した。

そのうえで、暫定政府を発足する前に、連立の組織拡大を行うべきだと主張した。

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シリア革命反体制勢力国民連立GCC代表を務めるアディーブ・シーシャクリーは、『ハヤート』(4月3日付)に対して、連立がイスラーム諸国会議機構(OIC)におけるシリアの代表権を与えられるとの「確約」を得たと述べた。

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クッルナー・シュラカー(4月2日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班が、現地で活動する武装集団に対して、暫定政府の国防省の傘下に入るよう呼びかけた、と報じた。

クルド民族主義勢力の動き

民主統一党人民防衛隊のスィーバーン・ハンムー総司令官は、ハワール・ニュース(4月2日付)に対して、クルド人が多く住むアレッポ市シャイフ・マクスード地区への反体制武装集団およびクルド人民兵の侵攻に関して、「クルド人民を犠牲にしてきたいかなる勢力とも取り引きはしない」と述べ、徹底抗戦する意思を示した。

ハンムー司令官は「シャイフ・マクスード地区での最近の事件は、無の状態から発生したわけではない。政府が主張するように武装集団が地区内のシャッビーハと戦うことが目的ではない…。それはあらかじめ準備された計画で…、我々人民(クルド人)と人民防衛隊と戦うことが目的だ」との見方を示した。

諸外国の動き

タニトプレス(4月2日付)は、シリアで活動するチュニジア人サラフィー主義戦闘員の姉妹の情報として、トルコ当局がチュニジア人戦闘員のシリアからの出国を阻止していると報じた。

この姉妹によると、戦闘員は3日前からシリアを出国し、チュニジアに戻ろうとしているが、トルコの治安当局がトルコ経由での出国を阻止している、のだという。

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エジプトのムハンマド・カーミル・アムル外務大臣はフランスを訪問し、ローラン・ファビウス外務大臣と会談、シリア危機などについて協議した。

会談後、ファビウス外務大臣は、政治的解決をめざす点でアムル外務大臣と意見が一致したと述べたうえで、「軍事力を通じた解決の可能性」をアサド大統領に断念させる必要があると強調、ロシアやイランのシリア政府への武器供与に対抗するため、反体制勢力に「自衛のための武器」を供与する必要があると主張した。

これに対して、アムル外務大臣は、「解決策は何よりもまず政治的でなければならない」と述べ、ファビウス外務大臣を暗に牽制した。

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トルコの非常事態局はトルコ国内のシリア人避難民の数が191,993人に達していると発表した。

避難民はハタイ県のキャンプ4カ所(14,808人)、シャンウルファ県のキャンプ3カ所(90,532人)、ガジアンテップ県のキャンプ4カ所(30,649人)、そのほかの県のキャンプ6カ所で避難生活を送っている。

シリアからの避難民の総数は285,984人だが、うち93,991人がシリアに帰国したという。

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イスラエルのモシェ・ヤアロン国防大臣は、「シリアでの戦争が我々の国益に害をもたらすような場合、我々は報復するだろう」と述べ、ヒズブッラーへの武器流出に対して断固たる対応で臨む意思を示した。

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国連総会で通常兵器の国際取引を規制するための武器貿易条約(ATT)が154カ国の賛成で承認された。

シリアはイラン、北朝鮮とともに反対票を投じ、またロシア、中国など23カ国は棄権した。

条約採決に先立って、バッシャール・ジャアファリー国連代表大使は、同条約が武装テロ集団への武器禁輸に言及していないとして、シリア国内の反体制武装集団に武器・兵站支援を行うカタール、トルコ、米国、英国、フランスなどを暗に批判した。

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国連世界食糧計画(WFP)のシリア問題担当のムハンマド・ハーディー調整官は、紛争当時者に対して、係争地域(反体制武装集団の支配地域)への人道支援物資の通行の安全を確保するよう呼びかけた。

AFP, April 2, 2013、Akhbar al-Sharq, April 2, 2013、Damas Post, April 2, 2013、The Guardian, April 4, 2013、al-Hayat, April 3, 2013、Kull-na Shuraka’, April 2, 2013、Kurdonline, April 2, 2013、Naharnet,
April 2, 2013、Reuters, April 2, 2013、SANA, April 2, 2013、Tanit Press, April
2, 2013、UPI, April 2, 2013、al-Watan, April 2, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市シャイフ・マクスード地区で、サラフィー主義者やクルド人民兵からなる武装集団と軍および人民防衛隊が交戦(2013年4月1日)

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区東部で、サラフィー主義者やクルド人民兵からなる武装集団と、軍および民主統一党人民防衛隊が交戦を続け、戦火はブスターン・バーシャー地区にも及んだ。

SANA(4月1日付)によると、軍はアレッポ市ジャンドゥール地区、ブスターン・バーシャー地区、シャイフ・マクスード地区の反体制武装集団の拠点に対して特殊作戦を行い、外国人戦闘員を含む複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

また、ハンダラート・キャンプ、ムスリミーヤ村、アナダーン市、マッルアナーズ市、マンナグ村、アンジャーラ市などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、反体制勢力筋によると、自由シリア軍はシャームの民のヌスラ戦線の協力のもと、クワイリス航空基地制圧に向けた侵攻を開始した。

これに対し、SANA(4月1日付)は、マンナグ航空基地周辺で軍が反体制武装集団の拠点に対して特殊作戦を実行し、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊したと報じた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市、マダーヤー町などが軍の空爆・砲撃を受け、避難民家族を含む20人以上が死亡した。

一方、SANA(4月1日付)によると、イフスィム町、シーシュナーン村、サルジャ村、マアッラトミスリーン市、カフルルーマー村、カフルワジーン市、バルーマー市郊外、ジスル・種グール市、カフルディーン市、カストゥーン村、サルミーン市・ビンニシュ市分岐点、アブ-・ズフール市、タッル・サラムー市、バラーギーティー村、ハーン・シャイフーン市などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タイバ町、第49防空大隊基地周辺、タファス市などに軍が空爆を行った。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区のアブドゥッラウーフ・サイード学校裏で即席爆弾が爆発し、子供ら複数の市民が負傷、同地区に近いアッシュ・ウルール地区では、軍と反体制武装集団が交戦した。

これに関して、SANA(4月1日付)は、ルクンッディーン区のバルニーヤ街道で反体制武装集団が車に仕掛けた爆弾が爆発し、市民1人が負傷し、またアッシュ・ウルール地区でも、反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、市民1人が死亡、複数が負傷したと報じた。

さらに、バーブ・シャルキー地区に近いカスバ地区にも迫撃砲が着弾したが、死傷者はなかったという。

このほか、ジャウバル区では、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(4月1日付)によると、アドラー市、ウタイバ村、ダーライヤー市、ヤルダー市、ナジュハー市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、サイイダ・ザイナブ町、ダーライヤー市、アーリヤ市郊外、ハラスター市などで、軍が反体制武装集団に対して特殊作戦・追撃を行い、シャームの民のヌスラ戦線、タウヒード旅団メンバーを含む複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(4月1日付)によると、ワーディー・シーハーン村、グナイミーヤ村、スッカリーヤ町、カスブ村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線(ザイド・ブン・ハーリサ大隊)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(4月1日付)によると、クサイル市郊外、ラスタン市郊外、タルビーサ市、タッルダハブ市などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、複数の反体制勢力筋が、自由シリア軍がブーカマール市に近い油田地帯を制圧したと主張した。

国内の動き

ダマスカス大学建築工学部のテラス式食堂で、反体制武装集団の迫撃砲の着弾で死亡した犠牲者を追悼する集会が行われ、教員、職員、学生が参列した。

SANA(4月1日付)が報じた。

反体制勢力の動き

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、シリア国内の死者数が2013年3月だけで6,000人に達したと発表した。

1ヶ月での死者数は過去最高で、2011年3月以降の死者数総計は約70,000人に達しているという。

3月の犠牲者の内訳は、アブドゥッラフマーン代表によると、民間人が3,480人、うち子供が298人、女性が291人、反体制武装集団戦闘員が1,400人。

また離反兵は86人、軍兵士(国防隊メンバーを含む)は1,464人が犠牲となり、身元不明者数は387人、身元不明の戦闘員(外国人)死者数は588人だという。

ロンドンを拠点とする反体制組織であるシリア人権監視団は、民間人の犠牲者3,480人のなかに武装集団戦闘員を含める一方で、政府側の民兵である国防隊メンバーは民間人ではなく、軍兵士に加えることで、反体制勢力側の民間人の犠牲者を多く、政府側の民間人の犠牲者を少なく見積もっている。

また離反兵の犠牲者数(86人)の少なさから、国内で離反の動きがほとんど起きていない実態がうかがい知ることができる。

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シリア革命反体制勢力国民連立駐英代表でシリア・ムスリム同胞団員のワリード・サフールは『デイリー・テレグラフ』(4月1日付)のインタビューに応じ、「バラク・オバマ米政権が2年以上もシリア危機に介入しないことは、シリア国民への侮辱だ」と非難した。

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反体制組織の「シリア・ドゥルーズ自由人」のシャイフ・アクルは声明を出し、イスラエル軍のドゥルーズ派兵士がシリア領内でドゥルーズ派を保護する任務についているとの一部情報を否定した。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会の執行部が会合を開き、カタールでのアラブ連盟首脳会議でシリア革命反体制勢力国民連立がシリアの代表として参加したことを「シリアの反体制勢力のさらなる分断をもたらす無責任な行為で…、シリアの統合に危険な影響を与えかねない振る舞い」と批判し、連盟に対して、移行期政府をめぐるコンセンサスが成立し、危機が収束するまで、連盟におけるシリアの代表ポストを空席のままとするよう求めた。

クルド民族主義勢力の動き

クルド最高委員会は声明を出し、シリア領内のクルド人に対して、イラク・クルディスタン地域への移住を行わないよう呼びかけるとともに、避難民のシリアからの流出によって、シリア国内の人口バランスが変動し、クルド人の存在が危機にさらされると警鐘を鳴らした。

レバノンの動き

AFP(4月1日付)によると、シリアのタルトゥース県からレバノンの北部県アッカール郡にマイクロバスで入国したシリア人9人が武装した何者かに誘拐された。

同報道によると、9人はアラウィー派で、うち5人が一家族だという。

諸外国の動き

チュニジアのムラード・マドリスィー外務大臣は、チュニジア国営テレビ(4月1日付)で、アラブ連盟首脳会議でシリア革命反体制勢力国民連立がシリア代表として出席したことに関して、「国家ではない一組織に」代表権を与えることは許されないと述べた。

マドリスィー外務大臣は「決定するのはシリア人であるが、彼らの一部だけが行った決定…は外国の圧力によるもので、その寿命は非常に限られたものになるだろう」と指摘した。

AFP, April 1, 2013、Akhbar al-Sharq, April 1, 2013、The Daily Telegraph, April 1, 2013、al-Hayat, April 2, 2013, April 3, 2013、Kull-na Shuraka’, April 1, 2013, April 4,
2013、Naharnet, April 1, 2013、Reuters, April 1, 2013、SANA, April 1, 2013、UPI,
April 1, 2013などをもとに作成。

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ダマスカス県のヤルムーク区やジャウバル区で軍が反体制武装集団の追撃を継続、ハティーブ議長がインタビューのなかで体制救済を目指す「外国の陰謀」に警鐘を鳴らしつつも「解放区」に対する軍事支援に関する「外国の介入」を奨励(2013年3月31日)

国内の暴力

ダマスカス県では、反体制勢力筋によると、ヤルムーク区などに潜伏する反体制武装集団が軍の砲撃を受けた。

またサイフ・シャーム大隊と軍が激しく交戦し、戦闘員15人が死亡する一方、反体制武装集団がアッシュ・ウルール地区周辺を攻撃したという。

他方、SANA(3月31日付)によると、マッザ・ヴィーラート地区のアクラム・モスク近くで、反体制武装集団によって爆弾を仕掛けられた車が爆発し、1人が死亡した。

複数の消息筋によると、死亡したのは関税局のサーイル・シャイフハーニー氏。

反体制勢力筋によると、このテロで狙われていたのはシャイフハーニー氏ではなく、農業総同盟のハーリド・ハズアル総裁だったという。

またジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(3月31日付)によると、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市、ドゥーマー市郊外、アドラー市、ウタイバ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員を含む複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(3月31日付)によると、ムスリミーヤ村、アブティーン村、ダイル・ジャマール村、アルカミーヤ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・マクスード地区、ブスターン・バーシャー地区、シュカイイフ地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア人権監視団によると、反体制武装集団の侵攻に伴い戦闘状態に入ったアレッポ市シャイフ・マクスード地区で、住民数約世帯が避難を開始した。

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ヒムス県では、SANA(3月31日付)によると、反体制武装勢力がタッルカラフ市のブルジュ地区を襲撃し、女性や子供ら10人を惨殺した。

これに関して、シリア人権監視団は、女性8人を含む市民11人がタッルカラフ市のブルジュ地区で軍に殺害されたと反論した。

また、SANAによると、キースィーン村、タッルドゥー市、ラスタン市、タルビーサ市、ダール・カビーラ村、ガントゥー市、ダブア市、アルジューン市、バイト・ラービア市、カルヤ・ヒスン市、ヒムス市ハーリディーヤ地区、カラービース地区、バーブ・フード地区、ワーディー・サーイフ地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらに、タッルカラフ市郊外では、レバノンから潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月31日付)によると、県内の油田3カ所を襲撃した反体制武装集団が、略奪した石油の分配をめぐって衝突し、油田を破壊し、石油4,670バレル/日、ガス52,000立方メートル/日の損失が出た。

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イドリブ県では、SANA(3月31日付)によると、イドリブ市・サルミーン市間の街道、マアッラトミスリーン市、サルミーン市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(3月31日付)によると、カフルヌブーダ町などで軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長はドバイ・チャンネル(3月31日付)のインタビューに応じ、「シリアへの外国の介入の目的は国の分断、革命の流産、ないしは体制救済にある」と述べ、「外国の陰謀」に警鐘をならすとともに、アサド大統領の運命を決めるのはシリア国民自身だと強調した。

しかし、諸外国に対しては、軍事介入を拒否するとしつつ、「政権のミサイルに対する防空システムを解放区に増強することなどを通じたさまざまな手段」による軍事支援を求め、外国の介入を奨励した。

諸外国の動き

『サンデー・タイムズ』(3月31日付)は、イスラエルがタルトゥース港のロシア軍の船舶の動きを監視するための機器が沖合の無人島(ニムル島)で発見されたと報じた。

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イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、エジプトを訪問し、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長、ムハンマド・アムル外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、アラビー事務総長に対して、シリア政府、反体制勢力の双方に対してバランスのとれたかたちでの仲介を行うよう求め、連盟首脳会議でシリア革命反体制勢力国民連立をシリアの代表として受け入れたことを「性急な措置を我々は拒否する」と非難した。

一方、アムル外務大臣は「シリアでの流血停止のための政治的解決に向けた強力と貢献の必要」を強調した。

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ドイツ連邦情報局(BND)のゲルハルト・シンドラー長官は『ヴェルト』(3月31日付)に対して、反体制勢力において過激派は依然として少数派である、としつつアル=カーイダと関係のあるテロ組織がシリアで台頭している、と述べた。

AFP, March 31, 2013、Akhbar al-Sharq, March 31, 2013、al-Hayat, April 1, 2013, April 2, 2013、Kull-na Shuraka’, March 31, 2013、Naharnet,
March 31, 2013、Reuters, March 31, 2013、SANA, March 31, 2013、The Sunday Times, March 31, 2013、UPI, March 31, 2013、Die Welt, March 31, 2013などをもとに作成。

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自由シリア軍合同司令部が「反体制勢力の分裂をもたらしている」としてシリア・ムスリム同胞団を非難するなか、サラフィー主義武装集団がアレッポ市にクルド人戦闘員とともに侵攻し人民防衛隊メンバー14人を殺害(2013年3月30日)

国内の暴力

ダルアー県では、反体制勢力筋によると、武装集団が制圧したダーイル町、ヒルバト・ガザーラ町、ヤードゥーダ地方とタッル・シハーブ町周辺の村々、第38旅団本部周辺に対して、軍が空爆を行った。

一方、SANA(3月30日付)によると、ダルアー市各所および避難民キャンプ、ウンム・マヤーズィン町、シャウマラ市、タファス市、ダーイル町などで軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、反体制勢力筋によると、カーブーン区、ジャウバル区に対して、軍が空爆を行った。

一方、SANA(3月30日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団に対する追撃を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(3月30日付)によると、シャイフーニーヤ村郊外、ウタイバ村、カーラ市、アドラー市、ヤブルード市、ダーライヤー市、ザバダーニー市、ハジャル・アスワド市などで、軍が反体制武装集団に対する追撃を行い、カアカーウ大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(3月30日付)によると、ザーキヤ町、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外・キスワ市間の街道に対して、軍の空爆を行ったほか、ムウダミーヤト・シャーム市で軍と反体制武装集団が交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のクルド人が多く住むシャイフ・マクスード地区や、ブスターン・バーシャー地区に、サラフィー主義武装集団がクルド人戦闘員とともに侵攻し、民間人10人と民主統一党人民防衛隊メンバー14人を殺害した。

反体制武装集団側にも少なくとも7人の死者が出たという。

またシャイフ・マクスード地区防衛のため、軍が周辺に展開しているという。

一方、SANA(3月30日付)によると、ハンダラート・キャンプ、ムスリミーヤ村、ハーン・トゥーマーン村などで軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・サイード地区、スッカリー地区、ブスターン・バーシャー地区、ジュバイラ地区などで軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、反体制勢力筋によると、第93旅団本部に駐留する軍がアイン・イーサー市を砲撃、また同旅団本部周辺、第17師団本部周辺、タブカ航空基地では軍と反体制武装集団が交戦しているという。

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ハマー県では、SANA(3月30日付)によると、カルアト・マディーク町、カフルヌブーダ町・カルアト・マディーク町間で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーを含む複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月30日付)によると、ブーカマール市の第2石油備蓄基地を襲撃しようとした反体制武装集団を警備部隊が撃退した。

またダイル・ザウル市内各所で軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(3月30日付)によると、ワーディー・マハーミール市、トゥウーム村、カフルジャーリス市、マアッラトミスリーン市、ビンニシュ市、マアッラト・ヌウマーン市、ジダール・ブカルフーン市、アナブ村などで軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

自由シリア軍合同司令部中央広報局((ファフド・ミスリー)が声明を出し、シリア・ムスリム同胞団が「革命の勝利を遅らせ、反体制勢力の分裂をもたらしていることの責任を負っている」と非難した。

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反体制組織「民主主義のためのシリア人」は声明を出し、シリア・ムスリム同胞団の独断主義的行動を非難した自由シリア軍合同司令部中央広報局の声明を支持すると発表した。

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シリア・ムスリム同胞団広報局(ウマル・ムシャウウィフ)は声明を出し、自由シリア軍合同司令部中央広報局による同胞団非難声明に関して、「自由シリア軍の見解を代表しておらず、同胞団は同軍と常に連絡を取り合っている」と反論した。

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自由シリア軍のサーリヒーヤ・ムジャーヒドゥーン大隊をなのる武装集団が声明を出し、ダマスカス県サーリヒーヤ区住民に対して、3日以内に避難するよう呼びかけ、テロを予告した。

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『シャルク・アウサト』(3月30日付)は、ブルハーン・ガルユーンの話として、離反者が相次ぐシリア革命反体制勢力国民連立が勢力拡大のための「組織改編」を準備している、と報じた。

諸外国の動き

トルコのアンカラで、シリア・トルクメン評議会なる(第2回)会合が開催され、レジェップ・タイイップ・エルドアン首相、アフメト・ダウトオール外務大臣、シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー議長が出席した。

主催者が発表した声明によると、評議会はシリアのトルクメン人の権利保護を目的とする、という。

エルドアン首相は会場で「シリアの反体制勢力は過去数ヶ月の間に統合が進み、現地でより強力になり、国際社会においてこれまで以上に正統性を享受している」と理解不能な発言を行った。

Syria News(3月31日付)によると、この会合には、350人の代表が出席し、内規を採択、評議員メンバー39人を選出した。名誉議長にはトルコ国会議員のメフメト・シャンドゥルが就任した。

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イスラエル軍報道官は、シリアの反体制武装集団の負傷者1人がゴラン高原を経てイスラエル国内の病院に搬送された、と発表した。

AFP, March 30, 2013、Akhbar al-Sharq, March 30, 2013、al-Hayat, March 31, 2013、Kull-na Shuraka’, March 30, 2013、Naharnet, March 30, 2013、Reuters, March 30, 2013、SANA, March 03, 2013、al-Sharq al-Awsat, March 30, 2013、Syria News, March 31, 2013、UPI, March 03, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダルアー県ダーイル町では反体制武装集団が「解放作戦」の一環として軍検問所3カ所を制圧するなか、ダマスカス革命軍事評議会が前日に発生したダマスカス大学建築工学部への迫撃砲攻撃の実行を認める(2013年3月29日)

国内の暴力

ダマスカス県では、ジャウバル区にあるユダヤ教の教会が略奪・焼き討ちに遭い、クッルナー・シュラカー(3月28日付)は、政府支持者の犯行と断じる一方、ダマス・ポスト(3月29日付)は自由シリア軍が略奪を行ったと報じた。

Kull-na Shuraka', March 28, 2013
Kull-na Shuraka’, March 28, 2013

『ハヤート』(3月30日付)によると、インターネットでは、自由シリア軍兵士がユダヤ教の教会に侵入する映像がアップされた。

また、SANA(3月29日付)によると、ジャウバル区で軍が反体制武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、第155旅団本部(ダマスカス郊外県)から発射されたスカッド・ミサイルがフライターン市に着弾し、20人が死亡、多数が死傷した、と反体制勢力がインターネットにアップした映像などで発表した。

またアレッポ市では、AFP(3月29日付)によると、シャイフ・マクスード地区に迫撃砲が複数発着弾し、子供2人を含む市民5人が死亡、約30人が負傷した。

一方、SANA(3月29日付)によると、アリーターン市、ハリーバル市・ハーン・トゥーマーン村分岐点、カフルハーシル村、アルカミーヤ村、マッルアナーズ市、ムスリミーヤ村、ワディーヒー村などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市で軍が住民の協力のもと、シャイフ・マクスード地区に侵入しようとした反体制武装集団を撃退した。

さらにアレッポ市シャイフ・サイード地区、ブスターン・バーシャー地区、マサーキン・ハナーヌー地区、シャッアール地区などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

SANA(3月30日付)は、アレッポ市シャイフ・マクスード地区のハサン・モスクのイマーム、ハサン・サイフッディーン師が反体制武装集団に惨殺されたと報じた。

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ダルアー県では、28日から開始された「解放作戦」で、反体制武装集団がダーイル町の軍検問所3カ所を制圧、これに対して軍が同市を迫撃・空爆した、と反体制勢力が発表した。

インターネットにアップされたビデオなどによると、この作戦には、シャイフ・アナス・ジャームースが指揮するクライシュの鷹大隊(イスラームの暁旅団)などが参加している。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラー代表はAFP(3月29日付)に関して、ダマスカス・ダルアー間の国際幹線道路沿いに位置するダーイル町の制圧が、「ダルアー市を周辺地域やダマスカス完全に孤立させるためのステップの一つ」だと評した。

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イドリブ県では、反体制勢力によると、ビンニシュ市が軍の砲撃を受け、女性1人が死亡した。

一方、SANA(3月29日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市、ナイラブ村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

またマアッル・シャムシー市では、軍が反体制武装集団のロケット弾基地を破壊した。

さらにアームーディーヤ村、ヒーシュ村などで、軍がシャームの鷹旅団、ハドラー大隊、タウヒード旅団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

このほか、カスタル・ブルジュ市、ガッサーニーヤ村、アブー・ズフール市、タッル・サラムー市、ハミーディーヤ市、ハーミディーヤ市、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、サルミーン市で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、『ハヤート』(3月30日付)によると、第17師団本部周辺で軍と反体制武装集団の戦闘が激化した。

反体制武装集団は第17師団を包囲しており、これに対して軍は第93旅団を派遣している。

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ダマスカス郊外県では、SANA(3月29日付)によると、アッブ農場郊外、ウタイバ村、カーラ市、ヤブルード市、アドラー市、ナブク市、アルバイン市、ハラスター市などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジャルマーナー市に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、市民1人が死亡、2人が負傷した。

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ヒムス県では、SANA(3月29日付)によると、ダブア市、東ブワイダ市、ラドワーニーヤ市、カーディシュ市、タッル・ナビー市、タドムル市郊外の第三石油ポンプ近く、アスアディーヤ市、ジャウワーディーヤ市、アルジューン市、ブラーク市、カルアト・ヒスン市、タッルドゥー市、ヒムス市ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(3月29日付)によると、マールーニーヤート村、ラフマリーヤ村、スッカリーヤ町で軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦、戦闘員を殲滅、拠点を破壊した。

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ハマー県では、SANA(3月29日付)によると、ジュッブ・アフマル村などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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『ハヤート』(3月30日付)は、イドリブ県カフルナブル市、ビンニシュ市、ハーッス村、キッリー市、ラッカ県ラッカ市などで、午後の礼拝後に反体制デモを行い、反体制勢力の統合を訴えたと報じた。

「耐える者たちに勝利を告げよ」と銘打たれたデモには、自由シリア軍やサラフィー主義者が参加し、キッリー市では軍服をまとったシャイフが説教を行ったという。

シリア政府の動き

マフムード・ズウビー情報大臣は、シリア・アラブ・テレビ(3月29日付)に対して、ダマスカス大学建築工学部テラス式食堂など、ダマスカス県への反体制武装集団の迫撃砲による攻撃に関して、「外国の命令を受けて実行された」と断じ、カタール、トルコなどを非難した。

反体制勢力の動き

ダマスカス革命軍事評議会(自由シリア軍)のバックール・サリーム大佐がフェイスブック(3月29日付)を通じて声明を出し、ダマスカス大学建築工学部テラス式食堂など、県内複数カ所に対して迫撃砲で砲撃したことを認めた。

同声明によると、ダマスカス革命軍事評議会(自由シリア軍)はダマスカス県内の治安機関の拠点しか標的にしていないという。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ラマダーンはDPA(3月29日付)に対して、民主的変革諸勢力国民調整委員会などシリア国内で活動する反体制勢力の連立への参加など通じた組織改編の試みが、「連立と暫定政府そのものに有害だ」と述べ、反体制勢力の統合に消極的な姿勢を示した。

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クッルナー・シュラカー(3月29日付)によると、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班は、暫定政府がシリア国内で活動し、解放区約10万平方キロメートルを実効支配する「だろう」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長は、ドーハでの在留シリア人との対話のなかで、アラウィー派に関して「シリア人である…。彼らのなかの悪しき者のみを裁く法がある…。私はあなた(アラウィー派)がイスラーム教徒なのなら拒否しない。私が信じるものを信じなくとも、あなたは祖国の同胞だ」と述べた。

フェイスブック(3月29日付)を通じて明らかにされた。

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クッルナー・シュラカー(3月29日付)は、ダーライヤー市の複数の医師が、化学兵器による中道症状だと思われる負傷者複数が市内の病院に搬送されたと主張している、と報じた。

諸外国の動き

米法務省は声明を出し、FBIが、シリアでシャームの民のヌスラ戦線に加わっていた元米兵のエリック・ハロン(30歳、2000年入隊、2003年に負傷して除隊)を、ワシントンのダラス空港を逮捕したと発表した。

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ヴィクトリア・ヌーランド米ホワイトハウス報道官は、辞任を発表したシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長に関して、「我々は、彼が責任を果たすと今言っていると理解している。彼は6ヶ月の任期で議長に選出された」と述べ、議長の辞任を認めない意向を示した。

またダマスカス大学建築工学部のテラス式食堂への迫撃砲着弾に関して、「実行犯を特定する情報を得ていない」としつつ、自由シリア軍に対して、過激な勢力(サラフィー主義者)と連携しないよう警告した。

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エジプトの「女性民族評議会」は声明を出し、「エジプト人青年と「結婚」したシリア人女性避難民の数が1年で12,000人に達している」と発表し、こうした結婚を「人身売買(買春)」だと厳しく非難した。

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ロイター通信(3月29日付)は、トルコ治安当局が対シリア国境のアクチャカレ市周辺の村々を捜索し、武器庫から5千丁以上のライフルや銃弾を押収したと報じた。

同報道によると、これらの武器弾薬はシリアに運ばれる予定だったという。

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イスラエル国防軍国内戦線司令官のエヤル・アイゼンベルグ少将は、『ハアレツ』(3月29日付)に対して、アサド政権が保有するとされる化学兵器が「誤った者の手」に渡り、イスラエルに対して使用される可能性に関して、「我々に化学兵器戦争が行われるとは思っていない」と述べた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、英国のチャンネル4(3月29日付)に対して、シリアの反体制勢力への武器供与が紛争の解決策ではない、と述べ、批判した。

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ドイツのARDテレビ(3月30日付)は、アレッポ市での取材中に、ヨルグ・アームブルスター(Joerg Armbruster)記者が銃で撃たれ負傷した、と報じた。

負傷した記者はトルコ領内に搬送され、治療を受けたという。

AFP, March 29, 2013、Akhbar al-Sharq, March 29, 2013、Damas Post, March 29, 2013、DPA, March 29, 2013、al-Hayat, March 30, 2013, April 1, 2013、Kull-na Shuraka’, March 29, 2013、Naharnet, March 29, 2013、Reuters, March 29, 2013、SANA, March 29, 2013、UPI, March
29, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス大学建築工学部のテラス式食堂に複数発の迫撃砲が着弾し学生15人が死亡するなか、反体制武装集団がダルアー県南部の対ヨルダン国境地帯を広範囲に占拠していることが明らかに(2013年3月28日)

国内の暴力

ダマスカス県では、SANA(3月28日付)によると、ダマスカス大学建築工学部のテラス式食堂に迫撃砲複数発が着弾し、学生15人が死亡、約30人が負傷した。

シリア人権監視団によると、着弾した迫撃砲は3発だという。

また同監視団によると、カーブーン区、ヤルムーク区とダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市を結ぶ街道、カダム区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、シリア革命総合委員会執行委員会を名乗るアフマド・ハティーブは、アッバースィーイーン広場周辺で軍と反体制武装集団の交戦が続いていると述べた。

また、複数の活動家によると、アッバースィーイーン地区の中距離バス乗り場が反体制武装集団に制圧された(未確認)という。

これに対し、SANA(3月28日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、複数の活動家によると、フバイト村、ハーン・シャイフーン市、アリーハー市などで、軍が迫撃を行い、反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(3月28日付)によると、ヒーシュ村で軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またマアッラトミスリーン市、サルミーン市、ビンニシュ市、トゥウーム村、タフタナーズ市、ナイラブ村、ハルブヌーシュ村、フサイニーヤ村、ジュダイダ市、サラーキブ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、『ハヤート』(3月29日付)によると、自由シリア軍アレッポ県軍事評議会メンバーのアンマール・ワーウィー大尉の家が軍の砲撃を受け、大尉と妻子が負傷した。

一方、SANA(3月28日付)によると、アナダーン市、ハンダラート・キャンプ、ハーン・アサル村、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、カッラーサ地区、スッカリー地区、ブスターン・バーシャー地区、シャイフ・サイード地区、アレッポ城周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、反体制勢力のSANA革命通信(3月28日付)によると、イスラームの楯旅団が、ダマスカス国際空港に着陸しようとしていたイランの航空機を攻撃、撃墜したと発表した(未確認情報)。

同報道によると、この航空機は「武器弾薬」を積んでおり、撃墜を受け、当局はダマスカス国際空港を閉鎖し、イランの航空機の着陸先をバッリー空港に変更した、という。

しかしSANA(3月29日付)は、この発表を否定し、ダマスカス国際空港は通常通り運営されている、と報じた。

また、SANA(3月28日付)によると、タッル・クルディー町、ウタイバ村、アドラー市、バフダリーヤ村、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム旅団、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジュダイダト・アルトゥーズ町では、反体制武装集団の発砲で子供1人を含む2人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月28日付)によると、ダイル・ザウル市各所で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(3月28日付)によると、ラスタン市郊外の村々、ダブア市、カーディシュ市などクサイル市郊外、ダール・カビーラ村、カルアト・ヒスン市、マヌーフ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(3月28日付)によると、カフルヌブーダ町で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の武器製造工場を攻撃、破壊、またカサービーヤ村、ハウワーシュ村、ジャービリーヤ村で同戦線戦闘員を殺傷した。

シリア政府の動き

SANA(3月28日付)によると、アサド大統領はムハンマド・ズアール・アリー氏のハサカ県知事の任命式を行った。

SANA, March 28, 2013
SANA, March 28, 2013

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シリア人民議会のワリード・ズウビー議員は、反体制武装集団が、ダルアー県南部の対ヨルダン国境地帯、とりわけダマスカス県に至る国際幹線道路などを広範囲に占拠している、と議会で証言した。

ズウビー議員によると、国際幹線道路はヒルバト・ガザーラ町・ヌサイブ国境通行所間が反体制武装集団によって完全に占拠されているという。

議員はそのうえで「我々のこの言葉が関係当局に届くことを希望する。20日前から、私は関係当局に、県内の複数地点に武装集団がいると言っているが、我々は何の結論も得ていない」と述べ、窮状を訴えた。

反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官のルワイユ・ミクダードは、ダマスカス大学建築工学部に対する迫撃砲着弾に関して、ドゥンマル区(ダマスカス県)郊外の軍事拠点から「市民を脅迫」するため政府側が迫撃砲を撃ったと断じ、反体制武装集団の犯行を否定した。

SANA, March 28, 2013
SANA, March 28, 2013

しかし、ミクダードは、反体制武装集団が、「ダマスカス県解放を開始する前に体制を衰弱させるため」、県内の治安機関施設や大統領宮殿に対する「外科手術」などからなる「明確な計画」を準備したと付言した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアディーブ・シーシャクリーは、アナトリア通信(3月28日付)に対して、ドーハでのアラブ連盟首脳会議後、湾岸アラブ諸国、西欧諸国が自由シリア軍への武器供与の確約を受けたとしたうえで、3週間以内にシリア情勢は大幅に変化するだろう、と述べた。

諸外国の動き

ロイター通信(3月28日付)は、トルコ高官の話として、アクチャカレ市の避難民キャンプでの暴動を受け、当局がシリア人避難民600から700人をトルコから追放した、と報じた。

同高官によると、国外追放となったシリア人は、アクチャカレ市での暴動で投石などを行った暴徒で、監視カメラの映像から身元を特定したという。

これに関して、トルコ内務省は、シリア人避難民の追放は行われてないとしたうえで、「50~60人のシリア人が自発的にシリアに戻っただけだ」と発表した。

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国連難民高等弁務官事務所の報道官は、トルコ当局によるシリア人避難民600~700人の国外追放に関して、「大きな懸念を感じる」と発表し、情報収集を行っていることを明らかにした。

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RT(3月28日付)は、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が、アラブ連盟首脳会議によるドーハ宣言を「決定の本質はシリアでの平和的な事態の正常化を拒否するものだ」と非難したと報じた。

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ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は、シリアの反体制勢力に国連でのシリア・アラブ共和国の代表の地位を与えるいかなる試みにも「断固として反対する」としたうえで、こうした動きが「国連の名声を貶める」と非難した。

AFP(3月28日付)が報じた。

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フランスのフランソワ・オランド大統領は、国営のフランス2チャンネル(3月28日付)で、シリア情勢が、シリアの反体制武装勢力への武器供与増加開始を妨げるほどに不確実だと述べ、慎重な姿勢を示した。

オランド大統領は、「反体制勢力が事態を完全に掌握することが確認できない限りは、それ(武器供与増加)は行わないだろう」と述べた。

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国連安保理は声明を出し、ゴラン高原の「兵力引き離し地域に反体制武装集団が存在することに大きな懸念を表明する」と発表し、「反体制武装集団を含むすべての当時者に、UNDOFの移動の自由を尊重し、隊員の安全を確保する」よう呼びかけた。

AFP, March 28, 2013、Akhbar al-Sharq, March 28, 2013、al-Hayat, March 29, 2013、Kull-na Shuraka’, March 28, 2013、Naharnet, March 28, 2013、Reuters,
March 28, 2013、SANA, March 28, 2013などをもとに作成。

 

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アラブ連盟外相会議で「ドーハ宣言」が採択されシリア革命反体制勢力国民連立がシリア代表の地位を得るも、民主的変革諸勢力国民調整委員会はそのプロセスを激しく非難(2013年3月27日)

アラブ連盟首脳会議

ドーハのアラブ連盟外相会議が議事を終了し、ドーハ宣言(閉幕声明)を採択した。

ドーハ宣言は「シリア危機の最優先課題として政治的解決にいたることが重要」だとする一方、「各国には、その意思に沿って、シリア国民と自由シリア軍を支援するため、軍事支援を含む自衛手段の提供を行う権利がある」と明記し、カタールなどによる反体制武装集団への武器供与、テロ支援を是認した。

またシリア革命反体制勢力国民連立が連盟におけるシリア代表の地位を得たことに歓迎の意を示し、また同地位は、移行期政府が選出されるまでとした。

一方、国連に対しては、シリア復興会議の開催を呼びかけた。

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ドーハでのアラブ連盟首脳会議の審議を終え、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は、記者会見で、「国連憲章などすべての国際的な文書に自衛権はある。シリア危機において法に違反しているのは、国民を殺し、国を破壊するシリア大統領だ」と批判した。

また「シリア国民の犠牲と比べると、アラブの指導者が行ったことは、より多くを受け取るに値するシリア国民にとってみれば、あまりに少ない」と述べた。

そのうえで、シリア政府が「力によって事態を解決しようとしているなか…、今重要なのはバランスだ。平和的、ないしは政治的対話にはバランスが作り出されることが不可欠だ…。解決策は現地で戦う者の手のなかにある」と強調した。

さらに「我々は、シリア政府による体系的な時間の浪費…、またアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表による時間の浪費があり、力で事態を制圧できるとの念があることを見出した」と批判した。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、首脳会議後の記者会見で、「アラブ諸国が軍事支援を含むあらゆる支援をシリアの反体制勢力に行う権利を得たことが、政治的解決の終わりだと解説する者がいるが、それは正しくない」と述べた。

「ジュネーブ合意が規定する…移行期開始と(移行)政府の樹立には、当時者どうしがある種のバランスが必要だ。武器補充を通じて反体制勢力を支援するという要求は、必要なバランスを実現するだろう」と強調した。

そのうえで首脳会談での「ドーハ宣言が、シリア危機の最優先事項として政治的解決を進めるための努力を何よりもまず確認しており、そのうえで各国がその意思に沿って、シリア国民と自由シリア軍を支援するため、軍事支援を含む自衛手段の提供を行う権利を確認した」と述べた。

シリア政府の動き

SANA, March 27, 2013
SANA, March 27, 2013

アサド大統領は、ワーイル・ハルキー内閣の危機解決政治プログラム実施閣僚委員会と会談し、委員会の活動の進捗状況の報告を受けた。

SANA(3月27日付)が報じた。

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アサド大統領は南アフリカで開催されているBRICs首脳会議に書簡を送り、そのなかで「シリアは2年にわたって、一部のアラブ諸国、地域諸国、西欧諸国によって支援されたテロに苦しんでいる」としたうえで、「シリアでの暴力即時停止のためにともに行動する」よう呼びかけた。

SANA(3月27日付)が報じた。

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シリア政府はSANA(3月27日付)を通じて声明を出し、アラブ連盟首脳会議のドーハ宣言に関して、「アラブ連盟憲章、内規、アラブ諸国の共同行動の原則にあからさまに反した、連盟史上前例のない決定…、連盟にとって危険かつ破壊的な先例…、暴力とテロ」を助長すると厳しく非難した。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、カーブーン区、アサーリー地区、タダームン区、カダム区で軍が反体制武装集団と交戦し、砲撃を加えた。

一方、SANA(3月27日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アルバイン市などで軍が反体制武装集団と交戦し、砲撃を加えた。

一方、SANA(3月27日付)によると、アドラー市、ウタイバ村、フジャイラ村、ダーライヤー市、カーラ市、ハジャル・アスワド市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ビイル・アジャム市近くの軍の連隊拠点3カ所を反体制武装集団が制圧し、これに対して軍は県内の道路を封鎖し、同市やラスム・ハラビー市を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヒルバト・ガザーラ町、ウンム・マヤーズィン市で軍が反体制武装集団が交戦し、砲撃を加えた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市バーブ・フード地区が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(3月27日付)によると、ラスタン市、タッルドゥー市、ヒムス市バーブ・アムル地区周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(3月27日付)によると、ズィルバ村、マンスーラ村、ハーン・アサル市、クワイリス市、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ブスターン・バーシャー地区、ハイダリーヤ地区、サラーフッディーン地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(3月27日付)によると、リーハーニーヤ村、ダイル・ハンナー村で軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃し、戦闘員を殲滅した。

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イドリブ県では、SANA(3月27日付)によると、ナイラブ村、サルミーン市、マアッラトミスリーン市、カフルルーマー村、マジュダリヤー村、ジスル・シュグール市、シャイフ・スィンディヤーン市、フルーズ市、シュグル市、ヒルバト・ジューズ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(3月27日付)によると、ヒルブナフサ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月27日付)によると、ダイル・ザウル市各所で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、ハドラー大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

国内で反体制活動を続ける民主的変革諸勢力国民調整委員会は、声明を出し、ドーハでのアラブ連盟首脳会議にシリア革命反体制勢力国民連立がシリア代表としての参加を認められたことに関して、「代表ポストはシリア国家のものであり、公正な民主的選挙を通じてシリア国民から信頼されなければ、いかなる集団もそのポストを務める権利はない」と批判した。

また連盟の決定を「期待されている政治的解決に資さず、事態を複雑にするだけ」と非難した。

そのうえで連盟におけるシリア代表のポストは、2012年6月のジュネーブ合意に基づき、反体制勢力と現政権の代表からなる移行期政府が発足するまで空席だと主張した。

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シリア国内で活動するシリア国家建設潮流のルイワユ・フサイン代表は、『サフィール』(3月27日付)で、シリア革命反体制勢力国民連立がシリア代表としての参加を認められたことに関して、「カタールを筆頭とする地域諸国、諸外国の間で与えられたに過ぎず…、シリア政府に対するハマド・ブン・ハリーファ首長の個人的勝利のようなものだが、その結果は国内での国際紛争の代価を払わされているシリア国民にとって否定的に作用するだろう」と批判した。

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カタールの首都ドーハでシリア革命反体制勢力国民連立の「大使館」が開設され、祝典にはカタールのアブドゥッラー・アティーヤ外務担当大臣、アフマド・ムアーッズ・ハティーブ連立議長、ガッサーン・ヒートゥー連立暫定政府首班、ジョルジュ・サブラー・シリア国民評議会議長、スハイル・アタ-スィー連立副議長、アラブ・外国大使らが参列した。

米国がシリア北部領空でのNATOのパトリオット・ミサイルの使用を拒否したことに関して、ハティーブ議長は祝典で、「革命が勝利しないことを望む意思があるかのようだ…。しかしシリア国民は自らの方法を貫く」と述べた。

また「善意の殉教者数万人」に哀悼の意を示すとともに、「カタールの主張、政府、国民」の支援に謝意を示した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長はロイター通信(3月27日付)に対して、米国がシリア北部領空でのNATOのパトリオット・ミサイルの使用を拒否したことに関して、「シリア政府にやりたいことをやっていいというメッセージを与えることを恐れている」と批判した。

また「私は辞表を提出した。撤回はしない。しかし(連立の)総合委員会の会合が行われるまで、任務は続ける」と述べた。

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『ハヤート』(3月28日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立の在米英仏代表らが、アラブ連盟に続いて国連におけるシリアの代表権を獲得するための活動を開始した、と報じた。

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AFP(3月27日付)は、イスラエルの複数の医療筋の話として、ゴラン高原での軍との戦闘中に負傷し、イスラエルの病院へ搬送されていた反体制武装集団の戦闘員1人が死亡した、と報じた。

同報道によると、この戦闘員は、27日早朝にイスラエル領内に搬送されたという。

クルド民族主義勢力の動き

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(3月27日付)によると、アームーダー市で、民主統一党の実効支配に抗議するデモが発生し、数十人の市民が参加した。

諸外国の動き

ヨルダン国会で、シリア問題、とりわけ避難民問題に関する審議が行われた。

審議では、アサド政権を支持する多くの議員が、シリア・ヨルダン国境の封鎖、女性と子供以外の避難民受け入れ停止、さらにはシリアの混乱を助長する湾岸諸国への避難民の追放を主唱し、アラブ連盟首脳会議、シリアの反体制勢力、そして湾岸諸国の姿勢を非難した。

一方、ナスール首相を支持する議員は、避難民受け入れ継続を主唱、審議は混乱した。

ムスタファー・ヤーギー議員は、「カタールがシリア北部での戦争において役割を果たしている」と批判、ヨルダンのシリア人避難民をカタールに追放すべきだと主張した。

アブドゥルカリーム・ダグミー議員は、「違法な国境通行所の閉鎖を求める」としたうえで、「シリアをもてあそぶ国々が避難民に対して責任を負うべきだ」と主張した。

タラール・シャリーフ議員は、「対シリア国境の完全封鎖と、アラブの血をもてあそぶ国の一つに避難民を送ることを求める」と訴えた。

ジャミール・ニムリー議員は、シリア領内の対シリア国境地帯に緩衝地帯を設けて、国連に警備を行わせるべきだと主張した。

イスラーム中心ブロック(15議員)のムハンマド・ハーッジ代表は、「政府は国境管理を行い、違法な移民の流入を止め、避難民を「密輸」する勢力を監視しなければならない」と主張した。

『ハヤート』(3月28日付)が報じた。

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ロシア外務省は声明を出し、ドーハでのアラブ連盟首脳会議にシリア革命反体制勢力国民連立がシリア代表としての参加を認められたことに関して、「国際法に従うと、シリアに関するアラブ連盟の決定は違法で不当である。なぜならシリア・アラブ共和国政府は依然として国連における合法的な代表だからだ」と非難した。

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イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣は、ドーハでのアラブ連盟首脳会議にシリア革命反体制勢力国民連立がシリア代表としての参加を認められたことに関して、「アラブ連盟にとって危険な先例だ…。こうした過ちは、問題をさらに複雑にするだけだ」と非難した。

またホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、「アラブ連盟の措置は地域における連盟の役割の実質的な終わりを意味する」と述べた。

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ロイター通信(3月27日付)は、トルコのアクチャカレ市に設置されたスレイマン・シャー避難民キャンプで、シリア人避難民が暴徒化し、トルコ軍警察に投石、これに対して当局が催涙弾や放水で強制排除したと報じた。

キャンプ住民は、電気配線の工事で発生した火災が暴動の原因で若者が抗議を行ったと証言したが、トルコ高官によると、シリアからの避難民200人の入国を当局が阻止したことへのキャンプ居住者の怒りが原因だという。

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クッルナー・シュラカー(3月27日付)は、イラクの携帯電話会社Korekが、シリア北東部(西クルディスタン)地域への受信エリアの拡大を検討していると報じた。

AFP, March 27, 2013、Akhbar al-Sharq, March 27, 2013、al-Hayat, March 28, 2013、Kull-na Shuraka’, March 27, 2013、al-Kurdiya News, March
27, 2013、Naharnet, March 27, 2013、Reuters, March 27, 2013、al-Safir, March 27, 2013、SANA, March 27, 2013などをもとに作成。

 

(C)青山弘之 All rights reserved.

アラブ連盟首脳会議が開催されシリア革命反体制勢力国民連立のハティーブ議長とヒートゥー暫定政府首班がシリア代表の席に(2013年3月26日)

国内の暴力

ダマスカス県では、SANA(3月26日付)によると、バラームカ地区の学校が密集する街区(SANA周辺)、バーブ・シャルキー地区近くの産婦人科病院、ダラール・モスク、ダマスカス大学法学部キャンパスに、反体制武装集団が撃った迫撃砲が複数発着弾し、少女1人を含む3人が死亡、また学生など複数が負傷した。

またイフバーリーヤ・テレビ(3月26日付)によると、ルクンッディーン区で、反体制武装集団が爆弾を搭載したマイクロバスを自爆させ、複数の市民が死傷した。

この自爆テロに関して、シリア人権監視団は軍人2人が死亡したと発表した。

さらに、イフバーリーヤ・テレビ(3月26日付)によると、ウマイーイーン広場にも迫撃砲が着弾し、市民1人が死亡、複数が負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、バルザ区の治安機関施設で爆弾3発が続けて爆発し、軍兵士19人を含む22人が死亡した。

このほか、SANA(3月26日付)によると、バーブ・ムサッラー地区のダルアー行きバス乗り場裏で、爆弾が仕掛けられた車が爆発したが、負傷者はなかった。

他方、SANA(3月26日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町、カフルバトナー町、アイン・タルマー村、ダイル・アサーフィール市、ジャルマーナー市郊外、ハジャル・アスワド市などに軍が砲撃を加え、カフルバトナー町では子供1人が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍がヒムス市バーブ・アムル地区を完全制圧、クッルナー・シュラカー(3月26日付)によると、同地区に潜入していた反体制武装集団は撤退した。

また監視団によると、ヒムス市郊外のアーバル市で、子供4人、女性5人を含む市民13人の遺体が発見された。

遺体はナイフでのどを斬られていたという。

一方、SANA(3月26日付)によると、反体制武装集団がタドムル中央刑務所およびタドムル市南西部を襲撃したが、軍が撃退し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

また、ダール・カビーラ村、ハミーディーヤ村、ラスタン市、ヒムス市バーブ・フード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイル町、ジャースィム市、インヒル市などに軍が砲撃を行った。

一方、SANA(3月26日付)によると、ダルアー市アルバイーン地区で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷し、装備を破壊した。

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ハサカ県では、複数の反体制活動家によると、ミールビーヤ検問所で、ダイル・ザウル県出身の市民8人の遺体が発見された。

遺体には拷問の跡があったという。

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アレッポ県では、SANA(3月26日付)によると、アレッポ市サーフール地区、ライラムーン地区でスィムアーン山のイブラーヒーム・アブドゥルカリーム民事裁判所判事が反体制武装集団に暗殺された。

また、ムスリミーヤ村、マンナグ村、フライターン市、マアーッラト・アルティーク村、サッハーラ村、カフルハーシル村、カフルダーイル村、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、シャイフ・サイード地区、ブスターン・カスル地区、ブスターン・バーシャー地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県、カフルタハーリーム町に対して、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(3月26日付)によると、ラーミー村、ヒッラ市・カフルズィーター市間、カフルタハーリーム町、サルキーン市、ワーディー・ダイフなどで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(3月26日付)によると、アルバイン市、ザマルカー町、ウタイバ村、ドゥーマー市、フジャイラ村、ブワイダ市、ダーライヤー市、ナースィリーヤ村、ヤブルード市、アドラー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(3月26日付)によると、フール村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃、戦闘員を殲滅した。

アラブ連盟首脳会議

ドーハでアラブ連盟首脳会議が開催され、議長を務めるカタールのハマド・ブン・ハリーファ首長が、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長とガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班をシリア代表の席に着かせた。

一反体制組織の代表が首脳会談の代表席に就くのは、前例がない。

シリアの代表席についたハティーブ議長は、シリア代表としての参加を認められたことを「勇気あるイニシアチブ」と述べ、謝意を示した。

「この席は、シリア国民が長らく剥奪されてきた正統性の一部をなす」と述べたうえで、米ジョン・ケリー国務長官に対して、シリア北部全土をNATOのパトリオット・ミサイルによる迎撃対象に含むよう求めたことを明らかにした。

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サウジアラビアのサルマーン・ブン・アブドゥルアズィーズ副首相兼国防大臣はアブドゥッラー国王のメッセージを代読、そのなかでアサド政権がさまざまな武器を用いて国民の殺戮を続けていると一方的に非難、また「シリア危機が地域の治安と安定に深刻な影響」をもたらすと警鐘を鳴らし、国際社会に意見対立を解消するよう呼びかけた。

シリア政府の動き

『ティシュリーン』(3月27日付)は、ドーハでのアラブ連盟首脳会議でシリア革命反体制勢力国民連立がシリア代表のポストを与えられたことに関して、「カタールの行った強盗」、「法的、政治的、道徳的犯罪」と非難した。

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アラブ連盟シリア代表のユースフ・アフマド大使は、ドーハでの連盟首脳会談でシリア革命反体制勢力国民連立がシリア代表のポストを与えられたことに関して、「すべてのアラブ諸国の反体制組織が(連立と同様の)要求を許す違法な先例となった」と非難した。

反体制勢力の動き

シリア国外で活動する主な反体制活動家たちが共同声明「シリアのための声明」を出し、シリア革命反体制勢力国民連立に暫定政府樹立の試みを止め、「一勢力だけの支配からの脱却」を求めた。

Kull-na Shuraka', March 26, 2013
Kull-na Shuraka’, March 26, 2013

共同声明を出したのは、シリア革命反体制勢力国民連立を脱会したカマール・ルブワーニー、ワリード・ブンニー、シリア民主フォーラムのミシェル・キールー、シリア国民評議会を脱会したバスマ・カドマーニー前報道官、「我らみなシリア人」大会主催者のバッサーム・ユースフ、在米研究者のラドワーン・ズィヤーダ、ジャーナリストのファーイズ・サーラ、フアード・ハミーラら。

声明において活動家らは、暫定政府樹立が、「国内の分裂をもたらし、自由シリア軍司令部や戦闘員から厳しい批判を受けている」として、その中止を求めた。

また「一勢力、一潮流の支配の脱却」を求め、シリア・ムスリム同胞団の独断主義を批判、民主的市民潮流の代表者25人の参加、女性の代表者の増加を求めた。

一方、反体制勢力と自由シリア軍の関係強化のための基礎を構築し、「国民統合の枠組み」のもとでの武装闘争の規律向上の必要を強調した。

http://all4syria.info/Archive/76451

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サウジアラビア紙『ウカーズ』(3月26日付)は、自由シリア軍創設者のリヤード・アスアド大佐暗殺未遂に関して、同大佐の運転手をしていたムッラー・フワイクが、「外国勢力と関係のある自由シリア軍内の誰かが車に爆弾をしかけた」と報じた。

フワイクは離反兵で、ウィーンを拠点としているという。

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反体制活動家のハーリド・サーリフは、UPI(3月26日付)に対して、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班が「ドーハでのアラブ連盟首脳会議後にトルコに戻るだろう…。活動拠点はアサド大統領が政権の座を去るまでの暫定的なものとなろう」と述べ、同首班がシリア国内で活動しないことを明らかにした。

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シリアのための第三潮流は声明を出し、3月24~25日にダマスカス県で開催された国民対話会合に参加しなかったとしたうえで、潮流のメンバーは組織を代表せず、個人として参加したと発表した。

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シリア国民変革潮流は、声明を出し、自由シリア軍創設者のリヤード・アスアド大佐暗殺未遂をアサド政権による犯行と断じ、非難した。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は、アキ・セルストロム氏(スイス人)をシリアでの化学兵器使用に関する調査委員会の委員長に任命した。

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ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長が米ジョン・ケリー国務長官に対して、シリア北部全土をNATOのパトリオット・ミサイルによる迎撃対象に含むよう求めたと述べたことに関して、「我々はこの要請を検討したが、NATOはシリアに軍事介入する意思はない」と述べ、拒否したことを明らかにした。

AFP, March 26, 2013、Akhbar al-Sharq, March 26, 2013、al-Hayat, March 27, 2013、Kull-na Shuraka’, March 26, 2013、al-Kurdiya News, March 26, 2013、Naharnet, March 26, 2013、Reuters, March 26, 2013、SANA, March 26, 2013、Tishrin, March 27, 2013、ʻUkaz, March 26, 2013などをもとに作成。

 

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県で発生した爆弾攻撃により自由シリア軍創設者のアスアド大佐が足を切断する負傷、ドーハで開催予定のアラブ連盟首脳会議で辞任を一時猶予したハティーブ議長が演説を行うことが決定(2013年3月25日)

国内の暴力

自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官を名乗るルワイユ・ミクダードは、CNN(3月25日付)に対して、ダイル・ザウル県のマヤーディーン市で24日夜、自由シリア軍創設者のリヤード・アスアド大佐が乗った車に仕掛けられた爆弾が爆発し、同大佐が負傷したと述べた。

al-Hayat, March 26, 2013
al-Hayat, March 26, 2013

アスアド大佐は、反体制武装集団の拠点を視察するために、ダイル・ザウル県を訪れていた。

ミクダード調整官によると、アスアド大佐は治療のためトルコに搬送されたという。

ミクダード調整官は、アスアド大佐が爆発で右脚を失っていないと述べたが、『ハヤート』(3月26日付)などに掲載された写真では、アスアド大佐の右脚は切断されていた。

http://www.youtube.com/watch?v=kc_hr4zlt-M

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ダマスカス県では、SANA(3月25日付)によると、ウマイーイーン広場のオペラ・ハウス周辺に反体制武装集団が発射した迫撃砲が複数発着弾し、市民1人が死亡、7人が負傷した。

この事件に関して、イフバーリーヤ・チャンネル(3月25日付)は、カメラマンと助手の合わせて2人が負傷したと報じた。

またバグダード通り(アズバキーヤ地区)で、反体制武装集団が爆弾を仕掛けた車を爆発させ、運転手が死亡したほか、ウマイヤ学校近くに迫撃砲を撃った。

これに関連して、シリア人権監視団は、ダマスカス県の書記官の車に仕掛けられた爆弾が爆発し、この書記官が負傷した、と発表した。

このほか、SANA(3月25日付)によると、ハルブーニー地区でも、反体制武装勢力が即席爆弾を爆破し、市民1人が死亡した。

さらに、アダウィー地区のダール・シファー病院裏にも迫撃砲弾が複数発着弾したが、負傷者は出なかったという。

一方、ジャウバル区では、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、対ヨルダン国境の自由貿易区を管理するファイサル・イブラーヒーム大佐を含む兵士数十人、第52旅団の兵士約250人、シャルキー検問所の兵士12人が離反した。

またバーリド検問所が反体制武装集団に制圧されたという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍が各地に空爆を行った。

一方、SANA(3月25日付)によると、ナイラブ村、マクラン市、サルミーン市、ビンニシュ市、カフルワジーン市、マジュダリヤー村、トゥウーム村、タフタナーズ市、ハルス市、ルージュ平原などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、軍がラッカ市に空爆を行った。

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ヒムス県では、SANA(3月25日付)が、軍消息筋の話として、ヒムス市バーブ・アムル地区で反体制武装集団を殲滅し、治安と安定を回復したと報じた。

軍は、ヒムス市スルターニーヤ地区など、バーブ・アムル地区周辺で、反体制武装集団の追撃を続けているという。

また、カマーム村、サアン・アスワド市、ガントゥー市、タルビーサ市、ウンム・シャルシューフ村、スィール市、タドムル市、ダール・カビーラ村、アーバル市、ブワイダ市、ダブア市、ハミーディーヤ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(3月25日付)によると、ダーライヤー市、ウタイバ村、ジスル・ガイダ市、ジスリーン町など軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(3月25日付)によると、アフタリーン市・アレッポ市街道、アターリブ市、アウラム・スグラー市、ドゥワイリーナ市、マーリア市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、バニー・ザイド地区、マサーキン・ハナーヌー地区、旧市街、などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(3月25日付)によると、ビッラ村で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(3月25日付)によると、タイバト・イマーム市で軍が反体制武装集団に対して特殊作戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線の指導者の一人、アビー・バッラー・ジャズラーウィーを含む複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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『ニューヨーク・タイムズ』(3月25日付)は、匿名高官筋や反体制勢力指導者らの話として、CIAが、アラブ湾岸諸国やトルコによるシリアの反体制武装集団への武器供与(クロアチアからのトルコ、ヨルダンへの武器空輸)に対する支援を強化している、と報じた。

国内の動き(シリア政府の動き)

アサド大統領は政令第119号を発し、ムハンマド・ザアール・アリーをハサカ県知事に任命した。

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ダマスカスで開催されていたシリア国民対話会合が2日間の予定を終え、閉幕した。

閉幕声明において、参加者は「シリアの危機に関与するすべての当時者の対話への参加努力、出席希望者への門戸開放原則に基づく早急な対話の実施」の必要を確認した。

また、シリアに対する経済制裁を続ける米国およびEUの姿勢を非難し、国際社会において制裁に関与した者の裁判を求め、外国による直接、間接の被害の特定をめざすとの意思を示した。

一方、アラブ連盟に関しては、反体制武装集団を支援し、憲章から逸脱していると非難した。

さらに、危機解決政治プログラムに関して、国民憲章、新憲法、三権、挙国一致内閣、移行期政府の活動機関などに関わる諸原則に関して合意したことを明らかにした。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、3月26日にドーハで開催されるアラブ連盟首脳会議に、アフマド・マアーッズ・ハティーブ議長、スハイル・アタースィー(前)副議長、ムスタファー・サッバーグ事務局長、ガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班、シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー議長、自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長、スライマーン・ヒラーキーがシリアの代表として参加すると発表した。

またアラブ連盟、国連などに対して、アサド政権との外交・政治関係と断行し、シリア革命反体制勢力国民連立をシリア国民の唯一の正統な代表として承認するよう呼びかけた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長は、フェイスブック(3月25日付)で、「ドーハでの会議(アラブ連盟首脳会議)でシリア国民の名のもとに演説することを決心した。どうか幸運を祈って欲しい。このことは、辞任とは無関係で、辞職については今後議論されるだろう」と述べ、辞任を猶予したことを明らかにした。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は、声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長の辞任発表を「勇敢な姿勢に…挨拶の言葉を向けねばならない」と歓迎の意を示した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長は、マヤーティーン市でのリヤード・アスアド大佐の負傷を「解放指導者を抹殺しようとする試みの一環」と非難した。

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自由シリア軍アレッポ県軍事評議会のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐は、マヤーティーン市でのリヤード・アスアド大佐を「兄弟、指導者、栄光と尊厳を貫く戦闘員」と評し、回復を祈るとともに、襲撃を「処罰を免れない」と非難した。

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自由シリア軍国内合同司令部のファフド・ミスリー報道官(在レバノン)は、レバノンの声ラジオ(3月26日付)で、リヤード・アスアド大佐暗殺未遂が、「シリア政府は多数のスパイ、密偵を送り込んできた。ヒズブッラーやイランが何らかの役割を果たしていたかもしれない」と述べ、ヒズブッラーやイランの関与を疑った。

諸外国の動き

ヨルダンのサミーフ・マアーイタ情報通信大臣(内閣報道官)は、23日からの軍と反体制武装集団の国境地帯での戦闘激化を受け、ラムサー市の対シリア国境通行所を閉鎖したと発表した。

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イスラエル国防軍の北部司令部のヤイル・ゴラン司令官は、イスラエル紙に対して、アサド政権が崩壊した際のジハード主義者の活動激化に懸念を抱く域内の複数の勢力との協力のもと、レバノン内戦時にレバノン南部に設置したのと同様の「緩衝地帯」、「安全地帯」をシリア国内に設置するかもしれない、と述べた。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は『ハヤート』(3月26日付)に対して、「(シリアの)反体制勢力は(シリア革命反体制勢力国民)連立を発足した。それは政党、ないしは政党連合のようなもので、行政府ではない。国際社会、国外で国を代表するのは、行政府、すなわち政府だ。反体制勢力は今、政府の発足を始めた。反体制勢力には首相がいる。私はこの首相(ヒートゥー)と連立議長に(アラブ連盟首脳会議の)招待状を送った。ハティーブ議長は出席するだろう」と述べた。

アフマド・ベン・フッリー事務副長によると、アラブ連盟首脳会議の議長国であるカタールとアラビー事務総長は、ハティーブ議長の出席を促したという。

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イラクのホシェリ・ゼバリ外務大臣は、テレビのインタビューで「イラクはシリア国民が決定していないいかなる勢力を承認する方向には向かわない。我々は自らの姿勢と留保を維持する」と述べ、シリア革命反体制勢力国民連立にアラブ連盟のシリア代表としての資格を与えることに異議を唱えた。

SANA(3月25日付)が報じた。

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国連が事務所を構えるシェラトン・ホテルから近いオペラ・ハウスへの迫撃砲着弾を受けるかたちで、国連のマーティン・ニスルキー報道官は、シリアに駐在する国連の外国人職員100人のうち50人をベイルートとカイロに待避させることを決定したと発表した。

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フランスのロラン・ファビウス外務大臣はEuro 1のインタビューに応じ、「シリアの分裂と過激派の最終的な勝利を避けたいのなら…、反体制勢力は改めて統合せねばならない」と述べた。

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ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は、常任理事国のシリアでの化学兵器使用に関する調査委員会への参加を除外するとした潘基文事務総長の決定を非難した。

またゲンナージー・ガティロフ外務次官もツイッターで「常任理事国の化学(兵器)の専門家が参加する必要があると考えている」と綴り、中国、ロシア、そして英米仏の代表が化学兵器使用に関する調査委員会に参加すべきと主張した。

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AFP(3月25日付)は、ベルギーで、自国民(イスラーム教徒)がシリアでの戦闘に参加するために出国するのを阻止するため、民間人や軍人からなる専門家チームが設置されたと報じた。

AFP, March 25, 2013、Akhbar al-Sharq, March 25, 2013、CNN, March 25, 2013、al-Hayat, March 26, 2013、Kull-na Shuraka’, March 25, 2013、al-Kurdiya News, March
25, 2013、Naharnet, March 25, 2013、The New York Times, March 25, 2013、Reuters, March 25, 2013、SANA, March 25, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領が主導するシリア国民対話会合が開催され500人あまりが参加するなか、シリア革命反体制勢力国民連立のハティーブ議長が「事態がレッド・ラインに接触した」として辞任する意向を発表(2013年3月24日)

国内の動き(シリア政府の動き)

ダマスカス県のダーマー・ローズ・ホテルで、アサド大統領が1月に示した危機解決政治プログラムに沿って、シリア国民対話会合が2日間の予定で開催され、進歩国民戦線加盟政党、変革解放人民戦線、野党の代表、親体制、反体制双方の無所属活動家らが参加した。

大会は、経済問題、情報問題、社会問題、人権問題、そして国民憲章作成を担当する五つの分科会から構成され、招聘された約800人のうち500人あまりが出席した。

国内で活動する反体制組織の民主的変革諸勢力国民調整委員会は大会をボイコットした。

大会にはアズマトゥッラー・クルモハンマドヴ駐シリア・ロシア大使、アッバース・カルルー駐シリア・イラン大使も参列した。

国内の暴力

ダルアー県では、反体制武装集団が、スィヒム・ジャウラーン市東部の軍検問所を制圧し、ムザイリーブ町からゴラン高原に近いアービディーン市にいたる全長25キロの対ヨルダン国境地帯が政府の支配を脱した、とシリア人権監視団が発表した。

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ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(3月24日付)によると、ウマウィーイーン広場に面するラジオ・テレビ機構、マッザ区入り口に位置する高等教育省、軍事情報局施設、カフルスーサ区の内務省施設近くに、反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾した。

一方、SANA(3月24日付)は、カイワーン地区の高等教育省に近い銃学外に複数の迫撃砲が着弾し、10人の市民が負傷したと報じた。

またアッバースィーイーン地区のショッピング・モール近くにも複数の迫撃砲が着弾したが、死傷者は出なかったという。

このほか、ジャウバル区では、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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湾岸諸国で活動する非合法組織のウンマ党は声明を出し、ラッカ県の先頭でUAE(フジャイラ村)出身のムハンマド・アブドゥーリーなる戦闘員が死亡したと発表した。

アブドゥーリーはUAE軍の退役士官で、ウンマ党の党首を務めていたという。

AFP(3月24日付)が報じた。

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ダマスカス郊外県では、SANA(3月24日付)によると、ドゥーマー市、アドラー市、ウタイバ村、ジスル・ガイダ市、フジャイラ村、ダーライヤー市、ヤブルード市、ザバダーニー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ズバイル大隊、イスラーム旅団、アッラーの獅子大隊、首都の楯旅団メンバー、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(3月24日付)によると、マンナグ村、アイン・ダクナー市、カフルハーシル村、サワーリガ市、アルカミーヤ村、マッルアナーズ市、アフタリーン市、ハイヤーン町、ダイル・ジャマール村、アナダーン市、アンジャーラ村、カフルダーイル村、マンスーラ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サラーフッディーン交差点、ハーウーズ交差点、カーディー・アスカル地区、シャッアール地区、マルジャ地区、ブスターン・バーシャー地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(3月24日付)によると、ワーディ・ダイフ軍事基地周辺、カフルナジャド市、ナフラ市、クーリーン市、サルミーン市、アブー・ズフール町、ナイラブ軍事基地周辺、アルマラ市などで、軍が反体制武装集団を追撃・攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(3月24日付)によると、ブルジュ・カーイー村、タッルドゥー市、タッル・ザハブ町、ラスタン市、ヒムス市旧市街、バーブ・アムル地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(3月24日付)によると、ダグマシュリーヤ村で、軍が反体制武装集団と交戦、殲滅した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月24日付)によると、ダイル・ザウル市各所で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官を名乗るルワイユ・ミクダード(レバノンで活動)は、AFP(3月24日付)に対して、「我々自由シリア軍は、ガッサーン・ヒートゥーを首班として承認しない。なぜなら、反体制勢力の(シリア革命反体制勢力国民)連立は彼の選出に関して合意に達していなかったらだ」と述べ、暫定政府首班選出を拒否した。

ミクダードはまた「コンセンサスではなく、シリア革命反体制勢力国民連立に押しつけられた首班を承認しないという時、私は各軍事評議会、参謀委員会を代表して話している」と付言した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長が、議長職を辞任すると発表した。

フェイスブックを通じて発表した声明において、ハティーブ議長は「事態はレッドラインに抵触した。今日、私は自分の約束に従う」と述べただけで、辞任の理由を明かさなかった。

だが、一部の支援国が「シリア国民をもてあそび、その革命を包囲・支配しようとしている」と述べ、批判した。

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反体制消息筋はAFP(3月24日付)に対して、「ハティーブ議長は反体制勢力に緩衝する湾岸諸国、とりわけカタールの政策を隠蔽する存在になりたくないと考えている」と述べた。

また「ハティーブは、ムスリム同胞団に近いヒートゥーの首班選出に批判的だった」と付言した。

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シリア民主フォーラムのミシェル・キールー代表は、アラウィー派による「我らはみなシリア人」大会に出席するために訪問中のカイロで、アラビーヤ(3月24日付)の取材に応じ、シリア革命反体制勢力国民連立の暫定政府首班選挙で、「カタールがガッサーン・ヒートゥーを押しつけた」と述べた。

また「(暫定)政府は、自由シリア軍が同意しなかったので失敗すると思う」と付言した。

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シリア革命反体制勢力国民連立の広報局は声明を出し、連立議長局は総合委員会にアフマド議長の辞任発表を付託し、総合委員会のメンバーのほとんどが辞任を拒否した、と発表した。

拒否の理由に関して、広報局のサーラ・カルクールは、ドーハで3月26日から開催されるアラブ連盟首脳会議に連立がシリアの代表として参加するためだとしたうえで、ハティーブが議長として会議に参加するだろうと述べた。

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シリア国民評議会は声明を出し、ドーハでのアラブ連盟外相会議で、シリア革命反体制勢力国民連立への連盟代表資格付与が確認されたことに歓迎の意を示した。

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シリア革命反体制勢力国民連立暫定政府は声明を出し、ガッサーン・ヒートゥー首班が、アレッポ県地元評議会(駐トルコ・ガジアンテップ)のジャラールッディーン・ハーンジー議長とともにアレッポ県に潜入し、アレッポ県地元評議会や統一司法評議会の代表と2時間にわたり会談したと発表、写真や映像を公開した。

またヒートゥー首班は、シリア解放戦線タウヒード旅団の本部を訪問し、アブドゥルカーディル・サーリフ司令官らと会談した。

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クッルナー・シュラカー(3月24日付)は、シリア・クルド民主党(アル・パールティ)バッシャール派筋の話として、ハサカ県シャバク村で、民主統一党人民防衛隊が、バールザーニー末裔調整のメンバー9人を逮捕したと報じた。

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カイロでのアラウィー派反体制活動家による「我らはみなシリア人」大会が閉幕し、閉幕声明で「アサド政権とアラウィー派を同一視することが、政治的・道徳的な誤りであると指摘し、現体制はアラウィー派体制ではなく、「アラウィー派が体制の人質となっている」と主張した。

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ドゥーマ市および同郊外統合医務局を名乗る組織が、アドラー市で3月24日晩に化学兵器による中毒症状を起こした患者23人が搬送され、うち2人が死亡したとする報告書を発表した。

諸外国の動き

アラブ連盟首脳会議(3月26、27日)の準備のためのアラブ外相会議がカタールの首都ドーハで開かれ、シリア情勢、パレスチナ情勢などについて協議が行われた。

会議では、サウジアラビアとカタールの外相が、シリア革命反体制勢力国民連立とガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班への全面支援の意思を示し、同連立に連盟におけるシリアの代表資格を与えるとした3月6日の第139回定例外相会議での決定が再確認された。

しかし、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長の辞任発表もあいまって、外相会議は、シリア革命反体制勢力国民連立の暫定政府の連盟首脳会議への出席に関して、何らの具体的な合意を得られないままに閉幕した(イラク、アルジェリアが態度を保留、レバノンは不関与政策に基づき棄権した)。

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カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長の辞任発表に関して、「我々はハティーブ氏が辞任を再考することを希望する。なぜなら、辞任がきわめて重要な時期に行われてしまったからだ…。現在、シリア人(反体制阻組織)を(連盟における)シリア代表のいすに受け入れる準備を進めている」と遺憾の意を示した。

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ジョン・ケリー国務長官が突如イラクの首都バグダードを訪問し、ヌーリー・マーリキー首相と会談、シリア情勢などを協議した。

会談後に米大使館で開いた記者会見で、ケリー国務長官は、米国がイランからイラク(領空)経由でのシリアへの武器の流入を中止しており、イラク側に武器流入を黙認する理由を問いただしたと述べた。

またマーリキー首相に「イランのヘリコプターがイラク領空を経て、武器を運んでいることが問題だ」と伝えたことを明らかにした。

AFP, March 24, 2013、Akhbar al-Sharq, March 24, 2013、Alarabia.net, March 24, 2013、al-Hayat, March 25, 2013, March 26, 2013、Kull-na Shuraka’, March 24, 2013, March
25, 2013、al-Kurdiya News, March 24, 2013、Naharnet, March 24, 2013、Reuters,
March 24, 2013、SANA, March 24, 2013などをもとに作成。

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