2014年4月18日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

ダイル・ザウル市および郊外革命軍事評議会は、ダイル・ザウル航空基地解放合同作戦司令室を結成したと発表した。

クッルナー・シュラカー(4月19日付)が伝えた。

Kull-na Shuraka’, April 18, 2014をもとに作成。

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2014年4月18日のシリア情勢:反体制勢力の動き

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のアブー・ムハンマド・アドナーニー報道官は、音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=roUKoO1-3hc)を出し、アイマン・ザワーヒリー氏が指導するアル=カーイダを「ジハードの方法から逸脱している」と批判した。

声明でアドナーニー報道官は「アル=カーイダ機構指導部は正しい道から逸脱した…。アル=カーイダは今や聖戦アル=カーイダではない…。指導部は、アッラーのお許しのもとにもたらされるイスラーム国家とカリフ制建設の構想を破壊するための楔になりさがった…。離反者の忠誠を受け入れ、ムジャーヒドゥーンの隊列を引き裂き、イスラーム国家への戦争を始めた」と非難した。

またアドナーニー報道官は「イスラーム国とアル=カーイダの対立は、誰かを殺したというような問題でも、誰に忠誠を尽くすかという問題でもない…。問題はゆがんだ宗教をめぐるものだ」と付言した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のミシェル・キールー氏(シリア民主主義者連合代表)は、『クドス・アラビー』(4月18日付)に、ジュネーブ2大会第3ラウンド参加の是非に関して、「現地のパワー・バランスが変化じ…自由シリア軍が勝利する」か、「移行期および民主化プロセスについての詳細について米露が相互理解に達しない限り」参加しないと述べた。

キールー氏はまた、自身の出身地であるラタキア県での戦況に関して、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の参戦に難色を示しつつ、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の侵攻については、「住民に対する戦闘にならないようにしつつ…、自由シリア軍を強化し、海上への影響力を行使できるようにしなければならない」と主張した。

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ARA News(4月18日付)によると、ハサカ県の対イラク国境に位置するカラー・スール村で、民主統一党の支持者らが、イラク・クルディスタン地域当局による国境地帯での堀掘削に反対するデモを行った。

AFP, April 18, 2014、AP, April 18, 2014、ARA News, April 18, 2014、Champress, April 18, 2014、al-Hayat, April 19, 2014、Iraqinews.com, April 18, 2014、Kull-na Shuraka’, April 18, 2014、Naharnet, April 18, 2014、NNA, April 18, 2014、al-Quds al-‘Arabi, April 18, 2014、Reuters, April 18, 2014、SANA, April 18, 2014、UPI, April 18, 2014などをもとに作成。

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2014年4月18日のシリア情勢:諸外国の動き

『ハヤート』(4月18日付)は、信頼できる複数の外交筋の話として、バラク・オバマ米政権が、イラクでの「復興委員会」の経験を活かすかたちで、シリア国内の部族集団を強化し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線など、アル=カーイダ系の組織に対抗させようとしている、と報じた。

また、複数の米高官によると、パキスタンのアル=カーイダの戦闘員数十人が数ヶ月前にシリアに潜入し、活動を行っており、シリア国内でのテロが西側諸国に波及することを警戒しているのだという。

al-Hayat, April 18, 2014などをもとに作成。

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2014年4月17日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

アナトリア通信(4月18日付)は、自由シリア軍参謀委員会司令部の情報として、ヒムス戦線(ヒムス県西部に配属)の司令官2人(いずれも大佐)が最近、当局に投降したと報じた。

同報道によると、この2人の司令官の家族が逮捕され、強姦や殺害を脅迫されたのが投降の理由だという。

Anadolu Ajansı, April 18, 2014をもとに作成。

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2014年4月16日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

クッルナー・シュラカー(4月17日付)によると、14日にダマスカス県からスワイダー県に向かう途中で治安当局に拘束(https://syriaarabspring.info/wp/?p=7139)されていた民主的変革諸勢力国民調整委員会のサフワーン・アッカーシュ氏が釈放された。

Kull-na Shuraka’, April 16, 2014をもとに作成。

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2014年4月16日のシリア情勢:諸外国の動き(ヨルダン空軍による越境爆撃)

ヨルダン軍総司令部は声明を出し、軍戦闘機がシリア・ヨルダン国境を越境しようとした車輌多数を破壊した」と発表した。

声明によると、「水曜日午前10時半頃、シリア・ヨルダン国境の通行困難な地域を違法に越境しようとしていた多数の車輌を発見…、再三にわたる警告にもかかわらず(これを無視したため)…、空軍戦闘機多数がこれらの車輌に警告弾を使用したが、これに従わず進行したため、既知の交戦規則を実行し、(車輌を)破壊した」という。

『ハヤート』(4月17日付)は、高官筋の話として、空爆がシリア領内に対して行われ、四輪駆動車4台が破壊されたと報じた。

また同高官によると、破壊された車輌は、シリアからヨルダンへの密輸を行う犯罪集団が多く使用しているものだという。

なおこれに関して、SANA(4月16日付)は、シリア軍消息筋の話として、「対ヨルダン国境に向かってシリア・アラブ軍所属のいかなる車輌も移動しておらず、ヨルダン空軍の攻撃目標はシリア・アラブ軍に所属するものではない」と報じた。

一方、シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ナースィル氏(政治委員会メンバー)は声明を出し、ヨルダン軍戦闘機による車輌破壊に関して、「アサド政権がヨルダン国境地帯に対して敵対行為を行い、車輌や装甲車を越境させようとした」と主張した。

AFP, April 16, 2014、AP, April 16, 2014、ARA News, April 16, 2014、Champress, April 16, 2014、al-Hayat, April 17, 2014、Iraqinews.com, April 16, 2014、Kull-na Shuraka’, April 16, 2014、Naharnet, April 16, 2014、NNA, April 16, 2014、Reuters, April 16, 2014、SANA, April 16, 2014、UPI, April 16, 2014などをもとに作成。

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2014年4月16日のシリア情勢:反体制勢力の動き

ARA News(4月16日付)は、アブドゥッラフマーン・ムハンマドを名乗るハマー市の活動家が、カフルズィーター市を軍が「樽爆弾」で空爆し、民間人約15人が呼吸困難などの症状を訴えたと述べ、シリア政府が再び毒ガスを使用していると主張している、と報じた。

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『クドス・アラビー』(4月16日付)は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)(ラッカ州)が、活動家ニハード・バドル氏に関する情報提供に対して2,000,000シリア・リラの報奨金を与えると発表、その逮捕に全力を注いでいると報じた。

同報道によると、バドル氏はラッカ市の活動家で、ダーイシュによる市内での無差別逮捕、処刑、ダーイシュのラッカ州アミールであるアブー・ムクマーン氏(アリー・ムーサー・シャウワーフ)の素性を知っており、ダーイシュはこれらの情報が流出することを恐れているという。

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ラッカ県では、シャームの民のヌスラ戦線が声明を出し、ラッカ革命家旅団との断交を宣言した。

ラッカ市でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)との戦闘からラッカ革命家旅団が撤退し、ヌスラ戦線の規律を遵守しなかったことなどが断交の理由だという。

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離反士官のムハンマド・ハムウ准将はビデオ声明(http://www.youtube.com/embed/BA-Bc1pF3nc)を出し、アレッポ市およびその郊外で反体制武装活動を続ける武装集団を糾合し、「北の太陽大隊」を結成したと発表した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー代表は、中国を公式訪問し、王毅外交部長と会談した。

会談に関して、中国外交部は声明で「シリア問題に関する中国の関心は、シリア国民の長期的な集団的利益に対して注がれており、中東の平和と安定に資することである」と述べ、当事者間の対話を通じた紛争解決を支持する意思を示した。

これに対して、ジャルバー議長は声明で、「シリア政府が真摯であるなら、連立はジュネーブ2会議第3ラウンドに参加する用意がある」としたうえで、「シリア政府の犯罪を止めるために重要な役割を果たし、政府に圧力をかけ、政治的解決に向かわせるために責任を果たすことが肝要」だと強調した。

ジャルバー代表の訪中には、バドル・ジャームース事務局長、ファーイズ・サーラ政治顧問が同行した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のムンズィル・マーフース駐フランス代表(大使)は、パリでロシアのミハイル・ボクダノフ外務副大臣と会談した。

ロシア外務省が出した声明によると、この会談で、連立に対して「過激派への不関与」を求めたという。

AFP, April 16, 2014、AP, April 16, 2014、ARA News, April 16, 2014、Champress, April 16, 2014、al-Hayat, April 17, 2014、Iraqinews.com, April 16, 2014、Kull-na Shuraka’, April 16, 2014、Naharnet, April 16, 2014、NNA, April 16, 2014、al-Quds al-‘Arabi, April 16, 2014、Reuters, April 16, 2014、SANA, April 16, 2014、UPI, April 16, 2014などをもとに作成。

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2014年4月14日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記2)

シャームの民のヌスラ戦線(南部地区)は声明を出し、「イスラーム教徒の血に対する復讐」の戦いの開始を宣言し、スワイダー県の軍、国防隊の施設、隊員住居、軍の兵站路などを攻撃すると予告した。

Kull-na Shuraka', April 15, 2014
Kull-na Shuraka’, April 15, 2014

al-Hayat, April 16, 2014、Kull-na Shuraka’, April 15, 2014などをもとに作成。

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2014年4月14日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

クッルナー・シュラカー(4月14日付)によると、民主的変革諸勢力国民調委員会の執行部メンバーのサフワーン・アッカーシュ氏(共産主義行動党幹部)が、ダマスカス県からスワイダー県に向かう途中、ヒルバト・シヤーブ検問所で逮捕された。

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アナトリア通信(4月14日付)によると、トルコのイスタンブールで11日から開かれていたイスラーム教宗教関係者、サラフィー主義者らの会合が、シリア・イスラーム評議会の結成を宣言して、閉幕した。

Kull-na Shuraka', April 14, 2014
Kull-na Shuraka’, April 14, 2014

シリア・イスラーム評議会は、シリア国内外で活動するスンナ派のイスラーム系組織40団体からなり、シリア国内で活動するシャリーア委員会も参加しているという。

 
AFP, April 14, 2014、Anadolu Ajansı, April 14, 2014、AP, April 14, 2014、ARA News, April 14, 2014、Champress, April 14, 2014、al-Hayat, April 15, 2014、Iraqinews.com, April 14, 2014、Kull-na Shuraka’, April 14, 2014、Naharnet, April 14, 2014、NNA, April 14, 2014、Reuters, April 14, 2014、SANA, April 14, 2014、UPI, April 14, 2014などをもとに作成。

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2014年4月14日のシリア情勢:反体制勢力の動き

『ハヤート』(4月14日付)は、ヒムス市の活動家ら(ヒムス報道センターなど)の話として、シリア政府(軍)とヒムス市内の複数の反体制武装集団が、戦闘員の市外への脱出を保障するための「人道回廊」開放などを骨子とする停戦協議を行っていると報じた。

同報道によると、「(軍による)厳しい包囲が続くなかで選択肢は限られており、一部では、ヒムス市が政権側の手に落ちることが近いという以外の選択肢を見つけられないでいる…。また、現段階では、包囲されているヒムス市を解放するための作戦を行えるような信頼できる武装集団への実質的支援はなされていない」という。

こうしたなか、反体制武装集団は、ヒムス市内の反体制武装集団が武器解除せずにラスタン市、タルビーサ市方面に脱出するためのルートを確保することを軍と協議しているという。

al-Hayat, April 14, 2014をもとに作成。

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2014年4月13日のシリア情勢:シリア政府の動き(追記)

『ハヤート』(4月15日付)によると、ドゥルーズ派のシャイフ、ルーランス・サラーム師の一時身柄拘束に端を発するスワイダー県での緊張状態を緩和するため、軍事情報局スワイダー支局のワフィーク・アッバース(ワフィーク・ナースィル)支局長が解任され、アリー・ターハー大佐が後任の局長に任命された。

これを受け、ドゥルーズ派のシャイフ・アクルらが声明を出し、祝砲の禁止、武器携帯、軍服着用の禁止、抗議集会の禁止、治安と安全の確保、当局による調査への協力を住民に呼びかけた。

だが、一部活動家とシャイフが13日にマズラア町のシャイフ、アブー・ワフド・ワヒード・バルアース師の自宅に集まり、この声明を拒否、バルアース師をドゥルーズ派「唯一の代表」とみなし、忠誠を誓い、武器引き渡しを行わないよう呼びかけているという。

al-Hayat, April 14, 2014、Kull-na Shuraka’, April 13, 2014、April 14, 2014などをもとに作成。

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2014年4月13日のシリア情勢:反体制勢力の動き

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)ヒムス州は声明を出し、「自由シリア軍、シャームのヌスラ戦線、シリア革命家戦線、さらにアラブ・ナイーム(部族)、政権の覚醒(評議会)のテロリスト」によるヒムス県内のダーイシュの拠点、戦闘員への攻撃を非難し、アラブ・ナイームを「アッラーの敵」とみなし、ヒムス県ワーズィイーヤ村、イードゥーン村、ガースィビーヤト・ナイーム村、アスィーラ村を攻撃目標とすると宣言した。

Kull-na Shuraka', April 13, 2014
Kull-na Shuraka’, April 13, 2014

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シリア民主主義者連合(シリア革命反体制勢力国民連立)は声明を出し、軍がカフルズィーター市(ハマー県)、ハラスター市(ダマスカス郊外県)で化学兵器を使用したと断じ、非難した。

AFP, April 13, 2014、AP, April 13, 2014、ARA News, April 13, 2014、Champress, April 13, 2014、al-Hayat, April 14, 2014、Iraqinews.com, April 13, 2014、Kull-na Shuraka’, April 13, 2014、Naharnet, April 13, 2014、NNA, April 13, 2014、Reuters, April 13, 2014、SANA, April 13, 2014、UPI, April 13, 2014などをもとに作成。

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2014年4月12日のシリア情勢:反体制勢力の動き

ムハンマド・アーディル・バーンダジュキー氏は声明を出し、シリア・ムスリム同胞団が結成した国民公正憲法党(ワアド)への参加を「個人的理由」により辞退すると発表した。

AFP, April 12, 2014、AP, April 12, 2014、ARA News, April 12, 2014、Champress, April 12, 2014、al-Hayat, April 13, 2014、Iraqinews.com, April 12, 2014、Kull-na Shuraka’, April 12, 2014、Naharnet, April 12, 2014、NNA, April 12, 2014、Reuters, April 12, 2014、SANA, April 12, 2014、UPI, April 12, 2014などをもとに作成。

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2014年4月12日のシリア情勢:化学兵器使用疑惑

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(4月12日付)の電話取材に応じ、そのなかで、「金曜日(11日)に軍がカフルズィーター市(ハマー県)を「樽爆弾」で攻撃し、濃い煙と臭気が立ちこめ、中毒症状や呼吸困難が生じ、複数の患者が病院に搬送された」と発表した。

シリア革命総合委員会もまた、カフルズィーター市で「戦闘機が毒ガスを装填したミサイルを発射」したと主張した。

しかし、シリア・アラブ・テレビ(4月12日付)はこれに反論し、「シャームの民のヌスラ戦線がカフルズィーター市を液体有毒塩素で攻撃し…、住民2人が死亡、100人以上が呼吸困難に陥った」と報じた。

なお、4月11日には、反体制メディアなどが、ハラスター市(ダマスカス郊外県)で軍が毒ガスを使用したと報じていた(https://syriaarabspring.info/wp/?p=7086)。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ハラスター市(ダマスカス郊外県)で11日に軍が毒ガスを使用したとの反体制活動家を守る者たち張に関し、国連安保理に「早急な調査」の実施を求めた。

AFP, April 12, 2014、al-Hayat, April 13, 2014、Kull-na Shuraka’, April 12, 2014などをもとに作成。

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2014年4月11日のシリア情勢:反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(4月11日付)などは、ダマスカス郊外県ハラスター市で、軍が毒ガスを使用し、少なくとも3人が死亡、複数が呼吸困難などの症状を訴えたと報じた。

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ARA News(4月11日付)は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が声明を出し、ハサカ県シャッダーディー市の商店主に詐欺まがいの営利活動の停止と、ヴェールを着用しない女性の外出を禁じる告知を行ったと報じた。

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Kull-na Shuraka', April 11, 2014
Kull-na Shuraka’, April 11, 2014

シリア民主主義者連合の事務局が選挙を行い、ハサン・イスマーイール氏を新事務局長に選出した。

クッルナー・シュラカー(4月11日付)が伝えた。

 

AFP, April 11, 2014、AP, April 11, 2014、ARA News, April 11, 2014、Champress, April 11, 2014、al-Hayat, April 12, 2014、Iraqinews.com, April 11, 2014、Kull-na Shuraka’, April 11, 2014、Naharnet, April 11, 2014、NNA, April 11, 2014、Reuters, April 11, 2014、SANA, April 11, 2014、UPI, April 11, 2014などをもとに作成。

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2014年4月10日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア人権監視団は、ダルアー県ハーッラ市近郊で軍とシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が行った「捕虜交換」で、軍が釈放した8人のなかに、ウワーン・カッダーフさんが含まれていたと発表した。

カッダーフさんは16歳で、2013年9月にシリア・アラブ・テレビに出演し、父親に「結婚ジハード」を求められ、反体制武装集団との性的関係を強要されたと証言していた(https://syriaarabspring.info/wp/?p=1052)。

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シャームの民のヌスラ戦線はツイッターを通じて声明を出し、ヒムス市カラム・ルーズ地区で9日に発生した同時自爆テロに関して「ヌサイリー派体制のシャッビーハの拠点の一つ」に対して攻撃を行ったと発表し、犯行を認めた。

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イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)ラッカ州は、3月19日にタッル・アブヤド市から追放したクルド人が「クルド民族主義を放棄し、イスラーム国に忠誠を誓った」として恩赦し、帰宅を認めたと発表した。

ARA News(4月10日付)が伝えた。

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ARA News, April 10, 2014
ARA News, April 10, 2014

シリア・クルディスタン民主党のサウード・ムッラー党首(中央委員会議長)はイラク・クルディスタン地域のアルビル市にあるダーライン・ホテルで記者会見を開き、シリア・クルディスタン民主党の結党を正式に発表した。

 

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西クルディスタン人民議会のシールザード・ヤズィーディー報道官は、イラク・クルディスタン地域政府が対シリア国境地帯に掘を建設することを決定したことに関して、『ハヤート』(4月11日付)に、「(イラク・クルディスタン)地域の人民、愛国的諸勢力、議会、政府の立場を代表しておらず、我々の革命に敵対しようとする(マスウード・)バールザーニーの党に限られた政策だ。それは革命を地域政治の取引につかうような行為だ。なぜなら、同地域のすべての政党は、西クルディスタンとそこでの自治政府の民主的試みへの支持を表明しているからだ」と非難した。

またアルビル市で結成されたシリア・クルディスタン民主党に関して、「堀建設とともに新党が結成されたことは偶然ではない。この党はバールザーニーの党の支部のようだ。我々は彼らと敵対はしないが、彼らは当初から誤った隊列に与してしまっている…。彼らは自分たちの政策を再考しなければならない」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長がイスタンブールで自由シリア軍参謀委員会と会談、「可能な限り早く、自由シリア軍に対空兵器が増強されることを望んでいる」と述べたと発表した。

会合では、連立の総合委員会での審議内容などが報告されたという。

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シリア革命反体制勢力国民連立のバドル・ジャームース事務局長は、7月に予定されている大統領選挙に関して、連立はいかなる状況であっても立候補を擁立しないと述べる一方、アサド政権による大統領選挙の実施を「挑発的措置」と批判した。

『クドス・アラビー』(4月10日付)が伝えた。

AFP, April 10, 2014、AP, April 10, 2014、ARA News, April 10, 2014、Champress, April 10, 2014、al-Hayat, April 11, 2014、Iraqinews.com, April 10, 2014、Kull-na Shuraka’, April 10, 2014、Naharnet, April 10, 2014、NNA, April 10, 2014、al-Quds al-‘Arabi, April 10, 2014、Reuters, April 10, 2014、SANA, April 10, 2014、UPI, April 10, 2014などをもとに作成。

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2014年4月9日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の指導者の一人アブー・イブラーヒーム・ムーサッリー氏はビデオ声明(https://www.youtube.com/watch?v=Y8BYVPzuv4A)を出し、アル=カーイダ指導者のアイマン・ザワーヒリー氏を「盗人で裏切り者」と批判した。

Youtube
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「イラク・シャーム・イスラーム国から聖戦アル=カーイダ機構へのメッセージ」と題された声明において、ムーサッリー氏は「我々の誠実で燃えたぎる言葉を、打ち震える裏切り者のアイマン・ザワーヒリーに送る」と述べたうえで、「イラクとシャームにおけるジハードの戦場での出来事、ダーイシュ(イスラーム国)の存在を揺るがす嵐は…、アブー・ハーリド・スーリー(シャーム自由人イスラーム戦線指導者)のような忌まわしい一団…打ち震えるアイマン・ザワーヒリー一味の行為に他ならない」と批判した。

またムーサッリー氏は「ザワーヒリーやその相方(アブー・ムハンマド・ジャウラーニー)といった連中に教えてやろう。おまえの玉座は瓦解し、正統性は消え失せた…。イスラーム国の砂漠から二つの大河にいたるどこにも、そしてシャームの山々にも海岸にいたるどこにもおまえたちの居場所はない」と宣言した。

 

Kull-na Shuraka’, April 10, 2014などをもとに作成。

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2014年4月9日のシリア情勢:反体制勢力の動き

ARA News(4月9日付)によると、イラク・クルディスタン地域のアルビル市のダーライン・ホテルで、新たに結成されたシリア・クルディスタン民主党の中央委員会(51人)が会合を開き、党首(中央委員会書記長)、政治局メンバーを選出した。

党首選挙には、サウード・ムッラー氏、アブドゥルハキーム・バッシャール氏が立候補し、ムッラー氏が33票を獲得し党首に選出された。バッシャール氏の得票数は16票だった。

また政治局選挙には、中央委員会メンバー32人が立候補、うち4人が立候補を辞退し、投票の結果、以下12人が選出された。

ラーズキーン・ファフリー
ナシュアト・ザーザー
アブドゥルカリーム・アフマド
ムフスィン・ターヒル
ムハンマド・アリー
ナーフィア・ビールー
ファルハード・シャーヒーン
ムスリム・ムハンマド
カーミーラーン・ハーッジュー
ムスタファー・マアムー
バッシャール・アミーン
フサイン・イーバシュ

AFP, April 9, 2014、AP, April 9, 2014、ARA News, April 9, 2014、Champress, April 9, 2014、al-Hayat, April 10, 2014、Iraqinews.com, April 9, 2014、Kull-na Shuraka’, April 9, 2014、Naharnet, April 9, 2014、NNA, April 9, 2014、Reuters, April 9, 2014、SANA, April 9, 2014、UPI, April 9, 2014などをもとに作成。

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2014年4月8日のシリア情勢:反体制勢力の動き

タウヒード旅団(イスラーム戦線)は、アレッポ県北部のバーブ・サラーマ国境通行所経由でシリアに入国しようとしたイラン人女性を3月16日に拘束したと発表、その映像をユーチューブで公開した。

拉致されているイラン人女性(1963年生まれ)は映像のなかで、イラン政府に対して、自らの釈放・帰国に向けた交渉を早急に行うよう求めた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィ報道官はアナトリア通信(4月7日付)に、連立が、アフマド・トゥウマ暫定内閣に政治、福祉、軍事、人道支援など行政のすべてを移管したと述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立アフマド・トゥウマ暫定内閣は、トルコのガズィアンテップ市でフランスのエリック・シュヴァリエ駐シリア大使(本国召還中)と会談した。

連立広報局が発表した。

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シリア革命反体制勢力国民連立広報局は声明を出し、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長が14日に中国を訪問すると発表した。

AFP, April 9, 2014、Anadolu Ajansı, April 9, 2014、AP, April 9, 2014、ARA News, April 9, 2014、Champress, April 9, 2014、al-Hayat, April 10, 2014、Iraqinews.com, April 9, 2014、Kull-na Shuraka’, April 9, 2014、Naharnet, April 9, 2014、NNA, April 9, 2014、Reuters, April 9, 2014、SANA, April 9, 2014、UPI, April 9, 2014などをもとに作成。

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2014年4月8日のシリア情勢:諸外国の動き

『ハヤート』(4月8日付)は、米国が「穏健な反体制派」とみなしている武装集団に「漸進的に支援を増大させる」ことを決定し、対戦車砲供与、戦闘員の教練が行われていると報じた。

これを受け、自由シリア軍参謀委員会前政治広報調整官で参謀委員会を離反したルワイユ・ミクダード氏が指導しているとされる「ハズム運動」(12組織)に対戦車ミサイル600基が供与された、という。

事実、Youtubeでは、イドリブ県での戦闘で反体制武装集団が米国が開発したTOW対戦車ミサイルを使用している映像がアップされたという。

同紙が西側消息筋の話として伝えたところによると、バラク・オバマ米大統領は、米軍・治安当局高官やシリアの周辺諸国からの提言に従い、隣国(複数)で毎月300人から600人の戦闘員を教練すること、伝統的兵器、通信機器、対戦車砲などを供与することを決定したという。

提言のなかには、中東地域諸国から「使用を限定し、誤った者に手渡さないことを、指紋捺印のうえ誓約させる」ことを条件に携帯式の対戦車ミサイルを供与するとの案も示されたが、オバマ政権は慎重な態度を示したという。

「暫定的武器供与増大」には、二つの目的があり、第1の目的はシリア国内での「パワー・バランス」を変化させ、アサド政権に移行期統治委員会樹立に向けた交渉を通じた紛争の政治的解決を受け入れされることで、これが実現しない限りにおいて、米国はジュネーブ2会議の交渉再開には消極的な姿勢をとり続けることになるという。

第2の目的は、「穏健な反体制派」にアル=カーイダ系の武装集団に対抗する能力を与えることで、これに関して米国は、シリア領内のイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の拠点空爆の可能性さえも否定していないという。

なお、米国は反体制勢力への支援戦略として、シリア革命家戦線、ムジャーヒディーン軍、イスラーム戦線と「穏健な反体制派」の対話を通じて、タウヒード旅団、シャームの鷹旅団などの懐柔をめざしているが、シャーム自由人イスラーム運動については、シャームの民のヌスラ戦線に近いという理由で排除しようとしているという。

al-Hayat, April 8, 2014をもとに作成。

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2014年4月7日のシリア情勢:諸外国の動き

イスラエルのメディアは、同国高官の話として、シリア軍が3月27日にダマスカス県東部で2度にわたって化学兵器を使用したと報じた。

『ハヤート』(4月8日付)が伝えた。

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シリア訪問を終え、モスクワに戻ったロシアの学術団体「帝国正教パレスチナ協会」のセルゲイ・ステパシン代表は、記者会見で「アサド大統領はシリアでの戦闘が活発に行われる段階は今年中に終わるだろう。彼は自身とウクライナのヴィクトル・ヤヌコヴィッチ大統領と比較しないようにと言った」と述べた。

イタルタス通信(4月7日付)が伝えた。

AFP, April 7, 2014、AP, April 7, 2014、ARA News, April 7, 2014、Champress, April 7, 2014、al-Hayat, April 8, 2014、Iraqinews.com, April 7, 2014、Itar-tass, April 7, 2014、Kull-na Shuraka’, April 7, 2014、Naharnet, April 7, 2014、NNA, April 7, 2014、Reuters, April 7, 2014、SANA, April 7, 2014、UPI, April 7, 2014などをもとに作成。

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2014年4月7日のシリア情勢:国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市内の「(軍によって)包囲されているブスターン・ディーワーン地区」(反体制勢力支配地域)の修道院でイエズス会のオランダ人修道士、フランス・ヴァン・デル・ルフト(Frans van der Lugt)氏(75歳)が武装集団によって銃殺された。

ARA News, April 7, 2014
ARA News, April 7, 2014

オランダにあるイエズス会修道院は、AFP(4月7日付)に対して、フランス氏は自宅前で頭に2発の銃弾を受けて死亡したことを明らかにした。

フランス氏殺害に関して、SANA(4月7日付)は「武装テロ集団」がフランス氏を「暗殺」したと伝えた。

またシリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、「アサド政権がシリア国民に同情的なすべての人を粛正してきた」としてアサド政権の関与を推定し、「この犯罪の背後にいる者を処罰」すべきだと主張した。

一方、SANA(4月7日付)によると、ヒムス市グータ地区で、関係当局が住民の協力のもと反体制武装集団のアジトを強制捜査し、複数の戦闘員を逮捕、大量の武器弾薬を押収した。

またラスタン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、カイイム大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらにヒムス市旧市街に籠城していた反体制武装集団28人が当局に投降した。

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ラタキア県では、『ハヤート』(4月8日付)によると、複数の反体制活動家が、タシャールマー地方、第45監視塔周辺で反体制武装集団が軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員を要撃し、兵士35人を殺害したと発表した。

シリア人権監視団によると、タシャールマー山周辺で軍、国防隊、アレキサンドレッタ地方解放シリア抵抗運動が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

また複数の活動家によると、ラタキア市の治安関連集合施設地区、ダーヒヤト・ブーカーの海軍司令部、ジャブラー市周辺、カルサーナ村に反体制武装集団が撃ったグラード・ロケット弾複数発が着弾した。

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クナイトラ県では、スーリヤー・ムバーシル(SLN、4月7日付)によると、4作戦司令室による「アンファール救済タウヒードの暁作戦」開始発表を受けるかたちで、反体制武装集団が、フール村、ヤルザ村の中隊基地入り口で軍と交戦した。

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アレッポ県では、ハラブ・ニュース(4月7日付)によると、シャームの民の合同作戦司令室が、イウティサーム・ビッラー作戦の開始を宣言した。

同作戦は、イラク人民兵が拠点とするアレッポ市ラームーサ地区に近いスーク・ジャバス、ヒクマ学校一帯の制圧を目的とし、すでにムジャーヒディーン軍が同地の多くの建物を制圧したという。

これに対して、軍はヒクマ学校周辺を「樽爆弾」で空爆したという。

またシリア人権監視団によると、アレッポ市ラーシディーン地区で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が軍、国防隊との戦闘の末、アクラブ地区を制圧したという。

この戦闘で、軍兵士7人、ジハード主義武装集団戦闘員2人が死亡したという。

さらにサフィーラ市近郊のタッラト・スブヒーヤ地方で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と軍が交戦、アイン・アラブ市近郊のカルヒーダ村ではダーイシュと民主統一党人民防衛隊が交戦した。

一方、SANA(4月7日付)によると、アレッポ市ラーシディーン地区、ジャンドゥール地区、ライラムーン地区、ハンダラート・キャンプ、ハーン・トゥーマーン村、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アフリーン市、アターリブ市、アナダーン市、タームーラ村、カフルジューム村、ジュバイラ村、マアーッラト・アルティーク村、ハーン・アサル村、アウラム・クブラー町、カフルハラブ村、フライターン市、ザバディーヤ村、マンスーラ村、ダーラト・イッザ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サラーキブ市各所、ハーミディーヤ航空基地・ヒーシュ村間の国際幹線道路沿いを、軍が「樽爆弾」などで空爆し、ジハード主義武装集団と交戦した。

またハーリム村で未明から、反体制武装集団どうしが燃料の密輸をめぐって武力衝突した。

一方、SANA(4月7日付)によると、カフルタハーリーム町近郊、カフルハーバー村、ラーミー村、マアッリー村、カフルナジド村、ハーミディーヤ村、カフルサフナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャーム軍団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ヒヤーリーン町に軍が突入した。

一方、SANA(4月7日付)によると、サラミーヤ市・アフリヤー市回廊で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ジャルマーナー市に迫撃砲弾複数発が着弾し、複数名が死傷する一方、軍がフライラ村、ムライハ市、ドゥマイル市・マイダアー町間、サルハ市、ラアス・アイン市郊外を軍が砲撃・空爆し、反体制武装集団と交戦し、過去2日で民間人12人、反体制武装集団40人以上、軍兵士30人以上が死亡した。

一方、SANA(4月7日付)によると、アドラー市郊外の工業地帯で反体制武装集団を要撃し、イスラーム戦線の戦闘員20人を殲滅、多数を逮捕した。

またムライハ市郊外、アイン・タルマー村、アーリヤ農場、アドラー市ウンマーリーヤ地区、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプ、ザーキヤ町郊外、フサイニーヤ町郊外、サルハ市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ラフマーン軍団、イスラーム軍、ドゥーマ殉教者大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらにムウダミーヤト・シャーム市、マダーヤー町では、反体制武装集団戦闘員182人が当局に投降した。

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ダルアー県ではシリア人権監視団によると、ブスラー・シャーム市、ナスィーブ村、ヌアイマ村、サイダー町・ヌアイマ村間を軍が空爆した。

一方、SANA(4月7日付)によると、ワルダート地方、ジーザ町、タイバ町、アトマーン村、ダルアー市ミスリー交差点南部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(4月7日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, April 7, 2014、AP, April 7, 2014、ARA News, April 7, 2014、Champress, April 7, 2014、Halabnews.com, April 7, 2014、al-Hayat, April 8, 2014、Iraqinews.com, April 7, 2014、Kull-na Shuraka’, April 7, 2014、Naharnet, April 7, 2014、NNA, April 7, 2014、Reuters, April 7, 2014、SANA, April 7, 2014、UPI, April 7, 2014などをもとに作成。

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2014年4月7日のシリア情勢:反体制勢力の動き

スーリヤー・ムバーシル(SLN、4月7日付)によると、クナイトラ県などシリア南部で活動する30以上の武装集団(シャームの民のヌスラ戦線など)から構成される四つの作戦司令室が、「アンファール救済タウヒードの暁作戦」の開始を宣言し、ラタキア県カサブ町一帯で侵攻を合わせて、アサド政権への二正面作戦を行う意思を示した。

「アンファール」とは3月下旬からシャームの民のヌスラ戦線などによるラタキア県カサブ町一帯への侵攻作戦の呼称。

作戦開始を発表した司令室と参加武装集団は以下の通り:

ファーティヒーン作戦司令室:ダマスカス殉教者旅団、アバービール・ハウラーン旅団、ジャイドゥール・ハウラーン旅団、フサイン・ブン・アリー大隊、マディーナト・ムナウワラ旅団、サブティーン旅団、タバーラク・ラフマーン旅団

ファトフ・シャーム司令室:シャーム自由人旅団、イスラーム軍、イスラーム・ムサンナー運動、バシャーイル・イスラーム、アブー・ウバイダ大隊、イバード・ラフマーン、サハーバ旅団大隊、ビナー・ウンマ、アンサール・フダー、アフマド・ウマル大隊

クナイトラ解放連合司令室:フルカーン旅団、イッズ旅団、アンサール・イスラーム戦線、西部郊外の鷲、ダマスカス殉教者、ゴラン外国人部隊

ヌスラ作戦司令室:シャームの民のヌスラ戦線、バイト・ムカッダス、スユーフ・イスラーム、サラーフ・ジャウラーニー、シャバーブ・フダー

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シリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会はイスタンブールで開催中の会合(5日に開会)で政治委員会(19人、正副議長を含めて23人)の改選を行った。

会合で行われた選挙で選出された政治委員会メンバー(うち正副議長は無投票当選)は以下の通り(*は再選):

1. アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー(議長)*

2. ファールーク・タイフール(副議長、シリア・ムスリム同胞団)*

3. ヌーラー・アミール(副議長)*

4. アブドゥルハキーム・バッシャール(副議長、シリア・クルド国民評議会)*

5. ムンズィル・ジャームース(書記長)*

6. ハーディー・バフラ*

7. アナス・アブダ*

8. ナズィール・ハキーム*

9. アフマド・ラマダーン(シリア・ムスリム同胞団)*

10. アブドゥルアハド・アスティーフー*

11. ジャマール・ワルド

12. ハーリド・ナースィル

13. ヤフヤー・マクタビー

14. リヤード・ハサン

15. ナスル・ハリーリー

16. ムハンマド・ハイイル・ワズィール

17. サラーフ・ダルウィーシュ

18. ムハンマド・ハイイル・バンクー

19. ハッサーン・ハーシミー

20. アンワル・バドル

21. アフマド・ハクル

22. アーリヤ・マンスール

23. ズィヤード・ハサン

Kull-na Shuraka', April 7, 2014
Kull-na Shuraka’, April 7, 2014

これまで政治委員会メンバーを務めてきたミシェル・キールー氏(シリア民主主義者連合)、ムワファク・ニールビーヤ氏(駐ブリュッセル代表)、ムンズィル・マーフース氏(駐パリ代表)、ルワイユ・サーフィー氏(報道官)、アブドゥルバースィト・スィーダー氏(シリア国民評議会前事務局長)、アクラム・アッサーフ氏は立候補せず、リーマー・フライハーン氏は立候補したもの落選した。

また、ファイーズ・サーラ氏、カマール・ルブワーニー氏、ムナー・ムスタファー氏(クッルナー・シュラカー(4月6日付)によると5日に連立脱会を発表)は会合に先立って連立を脱会していた。

また総合委員会は6日、政治委員会定数拡大(19人から25人)などを目的とした内規改正に関する提案を受け付けるための委員会を設置した。

提案受付は15日間行われるという。

『ハヤート』(4月8日付)、クッルナー・シュラカー(4月7日付)が報じた。

AFP, April 7, 2014、AP, April 7, 2014、ARA News, April 7, 2014、Champress, April 7, 2014、al-Hayat, April 8, 2014、Iraqinews.com, April 7, 2014、Kull-na Shuraka’, April 7, 2014、Naharnet, April 7, 2014、NNA, April 7, 2014、Reuters, April 7, 2014、SANA, April 7, 2014、SLN, April 7, 2014、UPI, April 7, 2014などをもとに作成。

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2014年4月6日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

アレッポ・ニュース(4月7日付)によると、イスラーム戦線のタウヒード旅団は、アレッポ市および同市郊外の全司令官、部局に対して、無許可での記者の立ち入り・取材を禁じる決定を行ったと発表した。

Kull-na Shuraka', April 7, 2014
Kull-na Shuraka’, April 7, 2014

Halabnews.com, April 7, 2014などをもとに作成。

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2014年4月6日のシリア情勢:反体制勢力の動き

ARA News(4月6日付)は、イラク・クルディスタン地域のアルビル市で3日間にわたって開かれていたシリア・クルド民主政治連合会合が議事を終了し、新統一組織「シリア・クルディスタン民主党」の結党を宣言して閉幕したと報じた。

シリア・クルディスタン民主党に参加したのは、シリア・クルド民主党(アル・パールティ)アブドゥルハキーム・バッシャール派、シリア・クルドディスタン・イェキーティー党、シリア・クルド・アーザーディー党ムスタファー・ジュムア派、同ムスタファー・ウースー派の4組織。

会合では、5日に政策方針策定委員会(21人)を選出、またこれに加えて30人の代表者を選出し、最高意思決定機関にあたる党中央委員会を発足した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は5日に開幕した総合委員会会合で、ジュネーブ2会議への参加に異議を唱え脱会していたシリア革命評議会と44人の代表メンバーの復帰を承認した。

総合委員会会合ではまた、ムフイーッディーン・バナーナー氏がアフマド・トゥウマ暫定内閣教育大臣に、アドナーン・ムハンマド・ハズーリー氏が保健大臣にそれぞれ選出された。

総合委員会会合は7日まで開催される予定で、トゥウマ暫定政府の内務大臣の任命、政治委員会の改選などが行われる予定。

AFP, April 6, 2014、AP, April 6, 2014、ARA News, April 6, 2014、Champress, April 6, 2014、al-Hayat, April 7, 2014、Iraqinews.com, April 6, 2014、Kull-na Shuraka’, April 6, 2014、Naharnet, April 6, 2014、NNA, April 6, 2014、Reuters, April 6, 2014、SANA, April 6, 2014、UPI, April 6, 2014などをもとに作成。

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2014年4月5日のシリア情勢:反体制勢力の動き

ARA News(4月5日付)は、シャームの民のヌスラ戦線バラカ州(ハサカ県)のアミール、アブー・ウサーマ・マシュラアが声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)との戦闘を拒否する戦闘員に武器引き渡しを求めたと報じ、その写真を転載した。

ARA News, April 5, 2014
ARA News, April 5, 2014

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クッルナー・シュラカー(4月5日付)によると、4日にイラク・クルディスタン地域のアルビル市で開会されたシリア・クルド民主政治連合は新政治方針策定のための委員会を設置、参加各党が委員21人を任命した、と報じた。

同報道によると、委員会は、シリア・クルド民主党(アル・パールティ)アブドゥルハキーム・バッシャール派8人、シリア・クルド・アーザーディー党ムスタファー・ウースー派7人(うち2人は未決)、同ムスタファー・ジュムア派5人、シリア・クルディスタン・イェキーティー党3人の代表からなる。

ARA News, April 5, 2014
ARA News, April 5, 2014

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シリア革命家戦線のジャマール・マアルーフ司令官は声明を出し、『インディペンデント』(4月2日付、https://syriaarabspring.info/wp/?p=6457)の記事の内容に関して「私とジャルバー氏(シリア革命反体制勢力国民連立議長)はテロリストと戦っている」と反論した。

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シリア・ムスリム同胞団のウマル・マシューフ報道局はアナトリア通信(4月5日付)に、同胞団がアレッポ県の「解放区」(アレッポ市ハイダリーヤ地区)に事務所を再開しようとしているとの一部情報に関して「そうした意思はない」と否定した。

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『ハヤート』(4月6日付)は、アル=カーイダの指導者アイマン・ザワーヒリー氏の肉声によるものと思われる音声声明(4月4日付、https://www.youtube.com/watch?v=Of36LBH9ZpA)が出され、2月にシリアでイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によって暗殺されたとされるアブー・ハーリド・スーリー氏の死に弔意を示すとともに、ジハード主義武装集団内での「盲目的な内紛」に遺憾の意を示したと報じた。

AFP, April 5, 2014、AP, April 5, 2014、ARA News, April 5, 2014、Champress, April 5, 2014、al-Hayat, April 6, 2014、Iraqinews.com, April 5, 2014、Kull-na Shuraka’, April 5, 2014、Naharnet, April 5, 2014、NNA, April 5, 2014、Reuters, April 5, 2014、SANA, April 5, 2014、UPI, April 5, 2014などをもとに作成。

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2014年4月4日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

ラッカ革命家旅団、アラブ部族連合、ラッカ県暫定国民委員会、ラッカ県革命青年運動は共同声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、住民にクルド人襲撃を煽動していると批判、ダーイシュのラッカ県の支配に異議を唱えた。

ARA News(4月5日付)が伝えた。

ARA News, April 5, 2014をもとに作成。

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2014年4月4日のシリア情勢:反体制勢力の動き

ダマスカス県では、複数の反体制活動家が、ジャウバル区で軍が毒ガスを使用したと主張、意識を失い、治療を受けていると思われる男性の画像をインターネット上で公開した。

ロイター通信(4月4日付)が伝えた。

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Kull-na Shuraka', April 4, 2014
Kull-na Shuraka’, April 4, 2014

ホーラーン外国人旅団に所属するアブー・カアカーア大隊報道官のアブー・ウマル・ジャウラーニー氏は、3月29日のイスラエル軍による占領下ゴラン高原(ブライカ村)での潜入者2人への発砲・殺害に関して、クッルナー・シュラカー(4月4日付)に対して、「自由シリア軍戦闘員2人が死亡した」と認めたうえで、「アサド軍との我々の戦いは、イスラエルが公然と敵対行為を繰り返した場合、(イスラエルへの)報復を妨げるものではない」と述べた。

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クナイトラ県で活動すると思われるジハード主義武装集団のジハード中隊、ファジュル・イスラーム大隊、ジュンド・ラフマーン中隊は共同声明を出し、3月29日のイスラエル軍による占領下ゴラン高原(ブライカ村)での潜入者2人への発砲・殺害に関して、イスラエルに「正式な謝罪」を求めた。

なお同声明によると、イスラエル軍の砲撃で死亡したのはアブー・ウダイ・ジャウラーニー氏、アブー・ハッターブ・ジャウラーニー氏の2名だという。

ARA News(4月4日付)は、民主統一党アサーイシュが2週間前からアレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市住民に対して、トルコへの入国規制を強化していると報じた。

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シリア人権監視団は、ラタキア県の複数の消息筋からの情報として、「ヌスラ戦線、ジュヌード・シャーム、アンサール・シャーム、イスラーム・シャームなどイスラーム主義武装集団のいずれかが、カサブ町および同市周辺のアルメニア教徒を今も殺戮し続けているとのシリア政府、メディア、外交官発の報道は根拠がない」としたうえで、「シリア政府がシリアの宗教・エスニック・マイノリティを保護しているというイメージを、地元世論や国際世論のなかに作り出そうとしている」と批判した。

 

AFP, April 4, 2014、AP, April 4, 2014、ARA News, April 4, 2014、Champress, April 4, 2014、al-Hayat, April 5, 2014、Iraqinews.com, April 4, 2014、Kull-na Shuraka’, April 4, 2014、Naharnet, April 4, 2014、NNA, April 4, 2014、Reuters, April 4, 2014、SANA, April 4, 2014、UPI, April 4, 2014などをもとに作成。

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2014年4月3日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のアブー・ムハンマド・アドナーニー報道官は音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=JGLgIlADJKY)を出し、「米国は、カリフ制の方法に沿って世界を描き直すための地図を(イラク・シャーム・)イスラーム国のために残してくれた。世界の主権はイスラーム教徒以外の誰のものにもならないだろう」と述べ、米国によるイラクへの介入とその失敗によって、ダーイシュが勢力を得ていると主張した。

Kull-na Shuraka’, April 4, 2014、Youtubeをもとに作成。

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