政府が県・大学レベルでの国民対話会合を主催、赤十字国際委員会総裁がダマスカス郊外の刑務所を視察したのちアサド大統領と会談(2011年9月5日)

反体制運動とその弾圧

ハマー県では、軍・治安部隊、そしてシャッビーハがハマー市に再び突入し、デモ参加者に激しい発砲を加え、9人が射殺された。地元調整諸委員会のウマル・イドリビー報道官によると、軍・治安部隊の車輌30輌以上がハマー市のダウワール・スィバーヒーから突入し、市の中心部に向かい、発砲した、という。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市の複数地区で激しい銃声が聞こえた。

装甲車4輌、兵員輸送車7輌がハーリディーヤ地区に進入、またバーブ・ドゥライブ地区にも複数の装甲車が突入した、という。同監視団によると、この突入により、ハーリディーヤ地区とバイヤーダ地区で数十人が逮捕され、逮捕者総数は80人に上った。

またブスターン・ディーワーン地区でバイクに乗った男性とその息子が何者かの発砲を受け殺害。同監視団はシャッビーハの犯行と見ている。一方、地元調整委員会のイドリビー報道官によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区で2人、バイヤーダ地区で1人が軍・治安部隊の発砲で殺害された。

Akhbar al-Sharq, September 5, 2011
Akhbar al-Sharq, September 5, 2011

タッルカラフ市では、イドリビー報道官によると、1人が殺害された。

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イドリブ県では、イドリビー報道官によると、アイン・バイダー村で青年1人が狙撃兵によって射殺された。殺害されたアブドゥッサラーム・ハッスーン氏(24歳)は、越境してトルコに逃げようとしていた。

地元消息筋とトルコのNTVは、国境地帯のアイン・バイダー村で、複数の市民が軍の攻撃に晒され、ハタイ県から救急車両が出動し、負傷者を搬送したと伝えた。

複数の住民・活動家によると、デモ弾圧を避ける市民によるトルコへの逃走を阻止する作戦の一環だというが、地元調整委員会によると、アドナーン・バックール検事総長の捜索を目的としていると見ている。

別の目撃者によると、アイン・バイダー村北西のジャーヌーディーヤ町に軍の装甲車が突入し、トルコに逃げようとしていた離反兵と交戦した。目撃者によると、ラタキア、ハマー、ヒムスの攻撃後、避難民の数は先週再び増加したという。

地元調整委員会によると、マアッラ・ニウマーン地域のサビール村に治安部隊が突入し、複数の市民を逮捕。

また地元調整委員会によると、ザーウィヤ山に近いラーミー村近くで集団墓地が発見された。

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シリア革命調整委員会はシリアテル経営者筋の話として、同社が秘密の事務局を設置し、アレッポでのデモの場所を携帯で治安当局に知らせる任務にあたっていると発表。これによりラマダーン月中、アレッポ市だけで110のデモが阻止されたという。

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シリア人権機構Mafによると、アラビーヤのインタビューに応じた同機構メンバーのファイサル・バドル弁護士に対して、弁護士組合が懲戒処分を下す手続きを始めた。

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治安当局はクルド人権活動家のジュワーン・アイユー氏がハサカ県ラアス・アイン市を身柄拘束する。

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SANAは、夜にヒムス市ダウワール・ファーフーラで石油会社のバスが武装テロ集団の要撃を受け、4人が死亡、7人が負傷した、と報じた。

Akhbar al-Sharq, September 5, 2011
Akhbar al-Sharq, September 5, 2011

反体制勢力の動き

9月3日付で、「自由尊厳革命青年」を名乗るシリア人青年らがシリア革命最高指導評議会の発足を宣言。発足声明によると、評議会メンバーはシリア各地の代表からなり、アサド政権打倒をめざす。

各地の代表は以下の通り。

ラタキア市:カーリド・カマール、アフマド・サイイド
タルトゥース市・バーニヤース市:アナス・アイルート、ムハンマド・ムーサー
ハサカ市・カーミシュリー市:ムハンマド・ムッラー・ラシード・ワリーナース
アレッポ県:ヤースィル・ナッジャール他1人
ヒムス県:ハムザ・シャマーリー、マルワーン・リファーイー、サーミフ・ヒムスィー、フサーム・マルイー
ダマスカス県:ムハンマド・アリー・アーミル他1人。
ダルアー県:マティーウ・バティーン他1人
クナイトラ県:イマードッディーン・ラシード、ムハンマド・イナード・スライマーン
ラッカ県:ファルジュ・ハムード・ファルジュ、ハーリド・ヒンダーウィー
イドリブ県:サーリフ・ザクワーン他1人。

またハマー市、ダマスカス郊外、ダイル・ザウル、スワイダーは各2人が代表を務める。

シリア革命最高指導評議会についてはhttp://ar-ar.facebook.com/Syrian.Supreme.Councilを参照。

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BBC(9月5日付)によると、アドナーン・バックール検事総長は、シリア治安部隊の追跡を逃れたと発表。その際、検事総長と同行する4人が殺害され、自身も軽傷を負ったという。

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フェイスブックの「シリア革命2011」ページは9月第2週を「国際監視者たちの週」と銘打って、国際社会の監視団のシリア入国を要求した。ラマダーン中の宗教的シンボルに依拠した動員に代えて、外国の介入を求める同ページのスタンス、そしてプロパガンダが国民に浸透するかは未だ不透明。

アサド政権の動き

SANA(9月6日付)によると、県・大学レベルでの国民対話会合が昨日始まり、会合開催のための準備委員会の設置などが進められた。

ダマスカス大学では第1回会合が開かれ、準備委員会が設置、9月11日から15日の予定で審議を行うことを決定した。会合には大学職員らが出席した。

クナイトラ県でも第1回会合が開かれ、準備委員会が発足した。

県・大学レベルでの国民対話会合は9月20日まで続けられる予定。

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『クドス・アラビー』(9月5日付)によると、アサド大統領はアリー・アイユーブ少将を副参謀長に任命。アイユーブ少将はラタキア出身で第1軍団司令官として、第1、第7、第9師団、ミサイル大隊を指揮してきた。またダマスカスの防衛を担当する共和国護衛隊第105師団も指揮下に置いてきた。この人事はダーウード・ラージハ参謀長の国防大臣就任とファフド・ジャースィム・フライジュ副参謀長の参謀長就任(8月)を受けたもの。

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『シャルク・アウサト』(9月5日付)は信頼できる西側消息筋の話として、ハーフィズ・アサド前政権時代にシリア・ムスリム同胞団の掃討(1970年代末~1980年代半ば)などにあたった退役士官にアサド政権が反体制デモ弾圧の支援を要請していると報じた。同消息筋によると、アリー・ドゥーバー退役少将、ムハンマド・フーリー退役少将が大統領顧問として復職したという。しかし両名の復職については2月にすでにシリアの反体制メディアによって報道されていた。

諸外国の動き

シリアを訪問中の赤十字国際委員会(ICRC)のヤコブ・ケレンベルガー総裁は午前中ダマスカス郊外のサイドナーヤー中央刑務所を訪問した。ICRCによるシリアの刑務所訪問はこれが初めて。

ケレンベルガー総裁はまたアサド大統領と会談した。SANA(9月6日付)によると「国際赤十字の政治性を排除した中立的で独立した活動」を歓迎した。

午後シリアを発ち帰国の途についたケレンベルガー総裁は声明を出し、「近い将来すべての身柄拘束者を訪問」し得るとの楽観的な見通しを示すとともに、自身の主要な関心の一つは、負傷者、病人に必要な医療的保護を行うことになる」と述べた。

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トルコの共和人民党のオスマン・ファルク・ローオール副党首を団長とする使節団(5人)がシリアを訪問。SANA(9月6日付)によると、マフムード・アブラシュ人民議会議長、ガッサーン・アブドゥルアール・ヒムス県知事らと会談。

またSANAによると、使節団はラタキアのラムル地区を訪問。使節団は、パレスチナ難民キャンプがあり、シリア海軍が攻撃したとされる同地区の住民に聴取を行った。

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カタールのハマド・ブン・ハリーファ・アール・サーニー首長は、ジャズィーラのインタビューに応じ、アサド政権による弾圧を非難、「シリア国民は要求を取り下げないだろう…。現在提起されている問いとは、シリア国内のこの閉塞状態を以下に解消するかというものである」と述べ、アサド政権に「変化の要請に応える」よう呼びかけた。

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イラン国営通信は「テヘランはシリア国民と政府が、暴力行使を控え、対話を通じて(問題を解決)できると信頼している」とのハサン・カシュカウィーガム副外務大臣の発言を報じるとともに、シリアに対するいかなる外国干渉をも拒否するとのイランの姿勢を改めて確認した。

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SANA, September 6, 2011
SANA, September 6, 2011

ロシアのインテルファクス通信、RTなどは、ロシア連邦議会外交委員会のミハイル・マルギロフ委員長(大統領特使)が、9月8日と9日にモスクワでシリアの反体制勢力の代表と会談すると発表したと報じた。

AFP, September 5, 2011、Akhbar al-Sharq, September 5, 2011、BBC, September 5, 2011、al-Hayat, September 6, 2011、Aljazeera.net, September 5, 2011、Kull-na Shuraka’, September 6, 2011、al-Quds al-‘Arabi, September 5, 2011、Facebook、Kull-na Shuraka’, September 5, 2011、SANA,
September 6, 2011, September 7, 2011、Reuters, September 5, 2011、al-Sharq al-Awsat, September 5, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

ハッダーム前副大統領が国際社会の軍事介入に反対する反体制活動家らを批判、アラブ連盟事務総長は「今週中に」ダマスカスを訪問すると発表(2011年9月4日)

反体制勢力の足並みの乱れ

シリア・クルド・イェキーティー党メンバーで暫定国民会議のメンバーとして名前が挙げられているアブドゥルバースィト・ハムウ氏は、暫定国民会議発足をめぐる動きへの支持を改めて表明するとともに、一部のクルド民族主義政党や反体制勢力が同会議に参加してない理由に関して、意見の相違ではなく、体制への恐怖がある、と指摘。またクルド民族主義勢力がアサド政権打倒後に連邦制の確立や分離をめざすとの一部報道が、体制側のプロパガンダに過ぎないと一蹴した。

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シリア革命支援国民連盟(ハイサム・ラフマ総合調整役)は声明を出し、暫定国民評議会の発足に向けて、ブルハーン・ガルユーン氏との対話・調整を行ったことを明らかにし、同氏のイニシアチブに賛同していると明言した。

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反体制活動家で経済学者のアーリフ・ダリーラ氏は『ラアユ』(9月4日付)に対して、ガルユーン氏が進める暫定国民評議会発足の動きを「個人的で時期尚早な動き」と非難し、「国内の政治的停滞と国外の意見の相違に対する反応」とみなした。

反体制運動とその弾圧

デモの勢いは過去数日に比べて弱まったもの、複数の活動家などによると、各地でのデモ参加者、会葬者への治安作戦、さらには軍用バスに対して行われた攻撃により、軍人、女性を含む21人が殺害された。

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ハマー県では、SANAが軍消息筋の話として、武装テロ集団がムハルダ市近くで士官や民間人労働者などが乗ったバスを要撃したと報じた。同消息筋によると、要撃によって、士官1人、准尉5人、民間労人労働者3人が殺害され、多数が負傷した。

SANA, September 5, 2011
SANA, September 5, 2011

またSANAが軍消息筋の話として伝えたところによると、治安部隊がハマー・ガーブ街道での殺人事件を追跡中に、9月3日にイドリブ県サラーキブ市のラジオ・テレビ・センターでピックアップトラックを盗んだ武装テロ集団4人と戦闘、治安部隊兵士1人が負傷、テロ集団メンバー3人を殺害、残る1人は負傷。大量のカラシニコフ銃、爆弾、医療機器を押収。

一方、地元調整諸委員会のスポークスマンであるウマル・イドリビー氏によると、ムハルダ市近くのカルナーズ町で4人が殺害された。

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ヒムス県では、シリア革命調整連合によると、15人がヒムス市で軍・治安部隊の激しい銃撃を受けて負傷した。この銃撃は3日晩からバーブ・アムル地区西のバサーティーンで続いているという。

またシリア人権監視団によると、3日晩からハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、バーブ・スィバーア地区、クスール地区、バイヤーダ地区などでデモが発生し、軍・治安部隊の発砲があったが、死者はでなかった。

ダイル・バアルバ地区では軍・治安部隊が土曜の晩から日曜日にかけて大規模な捜索活動を行い、25人を身柄拘束。一方、軍・治安部隊はハムラー地区通りでの大規模な逮捕・捜索活動(17人を身柄拘束)を終えて撤退。なお軍・治安部隊はインシャーアート地区、バーブ・アムル地区にも展開している。

タルビーサ市で朝、2日(金曜日)のデモに参加して負傷していた青年が死亡。

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イドリブ県では、地元調整諸委員会のスポークスマンであるイドリビー氏によると、女性1人を含む4人が軍・治安部隊の発砲で殺害された。またイドリブ市で治安部隊がバスに発砲し、1人が殺害された。

シリア革命調整連合によると、ハーン・シャイフーン市に軍・治安部隊が突入し、市内の病院を包囲、負傷者の搬入を阻止した。他方、サラーキブ市で約3週間前に身柄拘束されていた青年が拷問を受け死亡。

イドリブ県での作戦は、アドナーン・バックール検事総長捜索を目的としている、という。これに関して、『ワタン』(9月4日付)は、カルナーズ町付近で誘拐されたアドナーン・バックール検事総長がイドリブ県ザーウィヤ山にいる、と報じ、誘拐した「武装テロ集団」の捜査当局の追跡が大詰めに入ったことを示唆。

しかし反体制活動家でビジネスマンのムハンマド・マアムーン・ヒムスィー元人民議会議員は、アラビーヤのインタビューで、アドナーン・バックール検事総長がシリアを出国しトルコに逃れたことはほぼ確実だと述べた。

一方SANAは、9月2日(金曜日)晩に、ハーン・シャイフーン市で内務治安局のワーイル・アリー大尉が武装テロ集団によって誘拐された、と報じた。

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ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル市で軍・治安部隊による大規模な逮捕・捜索活動が行われ、23人が身柄拘束。

反体制運動をめぐるそのほかの動き

『クッルナー・シュラカー』(9月4日付)はハラスター市の信頼できる消息筋の話として、市民の抗議行動を弾圧するために同市に展開し、無差別発砲を行っていた空軍情報部の治安部隊の一部の兵士が離反、弾圧を指揮するアブドゥッラフマーン大佐の命令を拒否したと報じた。

同消息筋によると、空軍情報部の部隊および作戦に参加している車輌管理局内で激しい銃撃戦となり、双方合わせて35人の兵士が負傷した。

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ジャーナリストのアーミル・マタル氏が逮捕。

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在米シリア議会議長で政治学者のルワイユ・サーフィー氏は『シャルク・アウサト』(9月4日付)に対して、「シリア国民評議会は10日以内にメンバーの氏名を発表し、行動計画を明示し、反体制活動を調整するための部局・委員会を設置するだろう」と述べた。

また「国内外の反体制勢力のほとんどが武力による解決を拒否している」と述べ、「武装革命」への反対の意思を示すとともに、「政権打倒は…数ヶ月で実現する問題だ」と明言したうえ、「とりわけアレッポとダマスカスでの、学生の秋に期待する」と述べ、主要都市での学生の決起への期待感を示した。

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パリ在住の反体制活動家、アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領は自らが指導するシリア国民救済戦線のウェブサイト「自由シリア」を通じて声明を発表。「シリアの革命運動家たち」に充てた声明のなかで、ハッダーム前副大統領は、国際社会の軍事介入に反対する一部の反体制活動家を批判、「軍事干渉ではなく国際的な監視団の派遣を要求する声が一部から発せられているが、それは敗北主義的な姿勢を隠そうとするペテンである」としたうえで、「軍事介入は占領を意味しない」と述べた。

Free-Syria.com, September 4, 2011
Free-Syria.com, September 4, 2011

またハッダーム前副大統領は『シャルク・アウサト』(9月4日付)のインタビューに応じ、アラブ連盟の対応に関して、「犯罪」を議論することが遅すぎたと非難した。またイランによるアサド政権支持については、一貫して変わらないだろうとしつつ、シリアでの「革命」が成就すれば、イランのシリア、レバノン、イラク、そして中東地域全体の影響力が低下するだろうと指摘した。

一方、シリアの反体制勢力の活動については、「シリアの現実と何ら関係のない声」が一部から発せられていると非難し、国際社会への軍事介入の必要を指摘した。

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『クッルナー・シュラカー』(9月4日付)によると、ダマスカス県内の学校に通っていた女子学生の一人が、大学への入学登録を行うため、高校の卒業証明書を受け取ろうとした際、学校当局から「貴方は反体制派か親体制派か?」と尋ねられたという。女学生の父によると、学校当局は、学生の政治的帰属、反体制デモへの態度を集計している、という。

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ストックホルムのスウェーデン議会で、在外シリア・クルド人が9月3日から2日間の予定で在外クルド人青年大会を開催、欧州諸国の活動家やスウェーデンの議員らの参加のもと、シリアの反体制運動における在外クルド人の役割、国内のシリア革命調整連合への支援方法、大会閉幕時に発足が宣言される在外委員会の任務、組織編成などを議論した。

大会2日目にあたる4日には、ブルハーン・ガルユーン氏が参加。「クルド人はこの体制の抑圧の先頭に立ち、抑圧装置に対するレジスタンスの先頭に立ってきた」と述べた。

アサド政権の動き

SANAは、バッシャール・アサド大統領の指示に沿って、県・大学レベルでの国民対話が9月5日から2週間の予定で行われると発表した。

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ワリード・ムアッリム外務大臣は、赤十字国際委員会のヤコブ・ケレンベルガー総裁と会談し、「当局が治安と安定回復、そして改革路線強化の努力を行っている」ことを伝えた。

ケレンベルガー総裁は5日、アサド大統領と会談する予定。同総裁はシリア高官と、政治状況改善や大統領退任を求める身柄拘束中の反体制活動家の支援を検討するためにシリアを訪問中。

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『シリアステップス』(9月4日付)はシリア高官筋の話として、アーディル・サファル内閣の改造が統一地方選挙前に行われ、無所属および反体制活動家の入閣が検討されていると報じた。

同消息筋によると、この改造内閣をもって、統一地方選挙と2012年2月に実施が延期となっている人民議会選挙が監視されるという。

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DP-News(9月4日付)によると、『クドス・アラビー』(9月1日付)で、アンマンのサウジ大使公邸での恒例のイフタールの祝典に出席したバフジャト・スライマーン・シリア大使が、(遅れて会場入りしたため)偶然同席したヨルダンの元首相らの前で「我々は倒れれば、我々とともにあなたたちも倒れる」と話したと報じられたことに関して、スライマーン大使が「断片的な作り話」と述べる。

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サウジアラビアのインターネットサイト『ジダール』(9月4日付)によると、開発メディア局長のガーズィー・アブドゥルガフール氏は、シリアの報道番組やシリア・アラブ・テレビ報道局の監視命令を拒否したため、アドナーン・マフムード情報大臣がブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報担当報道官の指示のもと解任。

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アリー・アッバース石油公社総裁は『シャルク・アウサト』(9月4日付)に対して、「あらゆる状況下において、西欧の制裁は金融、技術、さらには機器供給、ハイテクのソフトなどといったレベルにおいて大きな影響を及ぼす。しかし、これに対して、我々もまた石油・ガス部門で巨大な中国系企業がついており、その財政的な能力は巨大である」と述べ、西側の制裁に対処するための中国の役割に期待を寄せた。

SANAは、ジスル・シュグールからトルコに避難していたシリア人避難民103人が帰国したと報じた。また人民諸委員会のスィバーヒー・ハマドゥー会長が、トルコに避難したジスル・シュグール地域住民のほとんどが帰国、その数は14,300人を越えたと発表したと伝えた。

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SANAは、シリア人権ネットワークが一部の反体制勢力が武装していると批判したと報じた。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、BRICs5カ国がシリアでリビアのシナリオが再来することに反対すると述べ、シリアへの空爆や軍事作戦への扉を開くようないかなる安保理決議に対しても反対するとの立場を示した。「新興5カ国、すなわちブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカは、リビアで行われたようないかなる行為にも反対する」と発表した。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、シリア政府の合意のもと「今週中」にダマスカスを訪問すると記者会見で発表した。この訪問は8月28日のアラブ連盟外相会議での声明を受けた動きで、「事態へのアラブの懸念」を伝えることを目的とした。

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ベカーア県バッル・イリヤース市のレバノン・イスラーム集団支部で、シリア国民との連帯を訴える世俗主義会合の第4回大会が実施され、ダール・ファトワーのアースィム・ジャッラーフ書記長、サラフィー運動創設者のダーイールイスラーム・シャッハール氏ら多くのシャイフが出席した。

AFP, September 4, 2011、Akhbar al-Sharq, September 4, 2011、Alarabia.net, September 4, 2011、AP, September 4, 2011、DP-News, September 4, 2011、Free-Syria.com, September 4, 2011、al-Hayat, September 5, 2011、Jidar.com, September 4, 2011、Kull-na Shuraka’, September
4, 2011, September 5, 2011、al-Quds al-‘Arabi, September 1, 2011、al-Ra’y, September 4, 2011、Reuters, September 4, 2011、SANA, September 5, 2011、al-Sharq al-Awsat, September 4, 2011、Syriasteps.com, September 4, 2011、al-Waṭan, September 4, 2011などをもとに作成。

 

(C)青山弘之All rights reserved.

ガルユーン氏が国民評議会発足に向けた行程表が近く完成すると発表する一方、EUは官報でシリアへの追加制裁の内容を公表(2011年9月3日)

反体制勢力の足並みの乱れ

ジャズィーラは、ブルハーン・ガルユーン氏が、近く国民評議会発足に向けた行程表が完成すると発表したと報じた。ガルユーン氏によると、評議会のもとに反体制活動が指導され、国内外の反体制勢力による革命運動が調整され、重要な決定に参与する、という。行程表は、国内外の調整諸委員会、政治勢力から任じられており、連絡調整、対話を重ねたうえで策定が進められている、という。またメンバーは、青年らが組織する調整諸委員会の代表、調整諸委員会が選任した政党や政治・社会組織の代表などからなる。

Kull-na Shurakā‘, September 3, 2011
Kull-na Shuraka‘, September 3, 2011

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シリア・アラブ人権委員会代表のハイサム・マンナーア氏はパリでRTのインタビューに応じ、そのなかで「ブルハーン・ガルユーン氏が発表したシリア革命評議会発足の呼びかけは、きわめて危険」としたうえで、「我々を急がす者には、国民に資するアジェンダがない」と非難し、こうした動きがシリアの大衆市民運動の統一に破壊的結果をもたらすと警鐘を鳴らした。

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『サフィール』(9月3日付)によると、パリの反体制勢力は、ビジネスマンで反体制活動家のカマール・サンカル氏が暫定国民評議会構想を主導していたと考えている。同氏はアンタリアやイスタンブールでの反体制勢力会合に資金援助を行い、国外の反体制勢力による反体制運動の主導をめざしてきた。同氏はイフサーン・サンカル氏とともに1990年代はシリア・メルセデス代表として政権に与してきたが、その後ドバイに活動拠点を移し、反体制活動を行っている。

反体制運動をめぐるそのほかの動き

反体制蜂起開始から6ヶ月が経過しようとしているなか、シリアでの死者数が増加している。金曜日の犠牲者の葬儀に参列した会葬者ら10人を軍・治安部隊が襲撃し、十数人が死亡し、3月17日以降の軍・治安部隊兵士を除いた犠牲者数は2,200人に達した。またシリア革命調整連合によると、戦闘機が複数の都市・村の上空を音速で低空旋回し、デモに参加しないよう市民を脅迫。

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イドリブ県では、シリア革命調整連合によると、マアッラト・ハルマ村を複数の戦車が包囲、シャッビーハと治安部隊を載せたバス50輌が突入。ハマー市出身の活動家ら3人が住民の前で見せしめとして殺害された。(イブラーヒーム・ハースード氏、アナス・イスマーイール氏、アブドゥッサマド・スライマーン・イーサー氏)。

シリア人権監視団によると、この作戦はハマーのアドナーン・バックール検事総長捜索を目的としているものと思われる。活動家のアリー・ハサン氏がハマーでアラビーヤの取材に答えたところによると、軍・治安部隊は複数の都市・村でバックール検事総長の捜索活動をしている。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、1ヶ月以上前に逮捕されていたクサイル村出身の市民の遺体が自宅前に放置されているのが発見された。遺体には拷問の跡が見られたという。

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ラタキア県では、複数の活動家によると、バーニヤース市から軍・治安部隊が撤退し、ジスル・ナブウに再結集した。

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ヒムス県では、複数の活動家によると、夜間のデモを弾圧するため、タッルカラフ市に軍・治安部隊の戦車・装甲車が進入した。ヒムス市ではダイル・バアルバ地区、シャーリウ・ザイル地区で軍・治安部隊の発砲で複数が負傷。またワルシャ地区、バーブ・タドムル地区などで朝からデモが行われた。

SANAが報じたところによると、ヒムス市で武装テロ集団の発砲で警官1人が殉職。

レバノンのCNA(al-Markaziya)が報じたところによると、シリア避難民のレバノンへの流入は続き、ワーディー・ハーリドを中心に約2,600人が避難生活を送っている。

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ダイル・ザウル県では、治安部隊がフサイン・ターハー・ハイジー氏をダイル・ザウル市で逮捕したほか、多数の市民の捜索を行った。

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ダマスカス県、ダマスカス郊外県では、ムウダミーヤト・シャーム市で、大規模な逮捕活動が行われ、ジバール・シャーリウ・アルバイーン前で激しい発砲があった。一方、アルバイン市では金曜日の犠牲者の葬儀が行われ、数千人がその後反体制デモを行った。

SANAが報じたところによると、ドゥーマー市で武装テロ集団の発砲で警官1人が殉職。

『クッルナー・シュラカー』(9月3日付)は複数の目撃者の話として、ダマスカス県のティシュリーン公園で「休憩中」のシャッビーハが訪れる女性市民らに暴言を吐くなどの嫌がらせを行った。

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ダルアー県では、ナーフタ町に軍・治安部隊数百人が展開し、市民に発砲、数ヶ月前に辞任していたダルアー商業会議所のファイサル・フマイド前所長と活動家のムハンマド・ファッラーフ氏の身柄を拘束。

アサド政権の動き

『クッルナー・シュラカー』(9月3日付)が信頼できる消息筋の話として伝えたところによると、アサド大統領はスワイダー市のドゥルーズ派シャイフ・アクルを密かに訪問。訪問の目的などは不明。

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情報法成立を受けて発足予定の国民情報会議メンバー候補がリークされた。D Pressによると、情報法制定委員会の座長を務めたターリフ・カーディー・アミーン氏が会長に就任するほか、イブラーヒーム・ヤーフール氏、アリー・ジャマールー氏、サービト・サーリム氏、ナーディヤー・ハウサト氏、ディヤーナー・ジャッブール氏らのメンバー入りが内定しているという。

諸外国の動き

EUが官報でシリアへの追加制裁の内容を公表。石油禁輸措置の発動と合わせて、シリア不動産銀行、シャーム投資グループ、マダー運輸会社との取引禁止、ダマスカス商工会議所のイマード・グラーイワーティー会長、アレッポ商工会議所のファーリス・シハービー会長、ヒムスの著名な商人でアスマー・アフラス大統領夫人の親戚のタリーフ・アフラス氏(アフラス・グループ)、イサーム・アンブーバ(イサーム・アンブーバ農産業)との取引およびビザ発給禁止を新たに制裁項目に追加。官報全文はhttp://eur-lex.europa.eu/JOHtml.do?uri=OJ:L:2011:228:SOM:EN:HTMLを参照。

新生リビア支援国際会議に同行している米高官は『ハヤート』(9月3日付)に対して、シリア国内外のビジネスマンは米国および西側諸国の制裁を免れることはできない、と述べるとともに、バッシャール・アサド大統領がこれまでに二度、レバノン情勢を「炎上」させることを検討していたと指摘。同高官は、「こうしたことは明らかに世界全体を巻き込むことになっただろう」としたうえで、「ヒズブッラーがアサド政権を政治的、戦術的に支援し続けることで、中東地域、そしてレバノン内外のスンナ派・シーア派の緊張が高まり、レバノン国内でのヒズブッラーへの非難を強めることになろう」と述べた。

米国およびEUの石油輸入禁止に関して、『ハヤート』(9月3日付)は信頼できる消息筋の話として、シリアの石油のほとんどは西側に輸出されているが、制裁により輸出不可能となった場合、アサド政権はアジアに代替市場を見つけることができるだろう、と指摘。また米国の制裁について、シリアの石油は米国に輸出されていないため内実はないと述べた。そのうえで、EUの制裁に関しては、デモ弾圧への資金流用を阻止することが最大の目的だと述べた。

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フランスのアラン・ジュペ外相はソポト(ポーランド)でのEU外相会議で、「バッシャール・アサドが態度を変えず、体制が変わらないのなら、シリアへの圧力強化の必要があろう」と述べた。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣はソポトでのEU外相会議で、アサド政権による反体制デモ弾圧を「まったく受け入れられない」としたうえで、国際社会のさらなる圧力が必要だとの考えを示した。しかしEUの石油緊急制裁に関しては、シリアが他の国に石油を輸出することは可能だとしたうえで、英国がEU諸国企業のシリアへの投資禁止に制裁を拡大するか否かにするかは明言を避けた。

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インテルファクス通信によると、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ドシャンベ(タジキスタン)で開催された独立国家共同体(CIS)会合で、「一方的な制裁は良いことではないとこれまでにも言ってきた。危機に対しては共同でアプローチする可能性がなくなるからだ」と述べ、EU(そして米国)によるシリアへの石油禁輸措置に意義を唱えた。

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赤十字国際委員会(ICRC)のヤコブ・ケーレンバーガー会長がダマスカスに到着。アサド大統領との会談、逮捕者の慰問を予定している。

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進歩社会主義党の指導者の一人、レバノンのガーズィー・アリーディー公共労働大臣はシャルク放送とのインタビューに答え、シリア情勢に関して「憎しみ、分裂、宗派主義的・教条主義的言説のなかで、ますます複雑になっている」としたうえで、「シリア国内外のすべてに否定的な影響をもたらしている。我々は、早急な事態の収拾を願っている」と述べた。また「ロシア、イランを含む諸外国は、明らかに、民間人への暴力行使を非難しており、政治的解決を行うよう求めている」と付言した。

AFP, September 3, 2011、Akhbar al-Sharq, September 3, 2011、AP, September 3, 2011、al-Hayat, September 3, 2011、September 4, 2011、Kull-na Shuraka‘, September 3, 2011、Aljazeera.net,
September 3, 2011、Naharnet.com, September 3, 2011、Reuters, September 3,
2011、al-Safir, September 3, 2011、SANA, September 3, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

EUはシリアの石油輸入禁止措置の発動日付を正式に発表、米国務長官は新生リビア支援国際会議でアサド政権へのさらなる圧力を呼びかける(2011年9月2日)

反体制運動をめぐる動き

ラマダーン明け最初の金曜日にあたる9月2日、ヒムス県、ハマー県、ダルアー県、ダマスカス郊外県、イドリブ県、ダイル・ザウル県などで反体制デモが午後の礼拝後に再び発生し、軍・治安部隊が実弾を用いて排除を試み、20人以上が殺害、数十人が負傷。

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アルバイン、カフルバトナー、ドゥーマー、ハムーリーヤで治安部隊の発砲により8人が殺害された。反体制デモは、ハジャル・モスクとマグリビー・モスクなどの屋根で狙撃兵が待ち構えていたにもかかわらず敢行されたという。

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、3人がヒムス市で殺害され、うち2人が早朝に殺害された。またタルビーサ市では3人が殺害された。また夜間にも、ヒムス市のバーブ・スィバーア地区では外出する市民などに激しい発砲が繰り返され、タルビーサ市でも無差別発砲が行われた。40,000人以上がデモを行ったヒムス市ワアル地区、ハーリディーヤ地区のハムラー地区通り、グータ通りには狙撃兵が展開した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、3人がダイル・ザウル市で殺害された。

ハマー県では、カフルズィーター市でデモが発生し、「死、不屈」と参加者が連行するビデオがネットで配信された。

イドリブ県では、カフルナブル市でデモが発生した。

これに対して、SANAなどシリア公式筋は、ダマスカス郊外県のハムーリーヤ、アルバイン、ヒムス県のタルビーサで「武装テロ集団」が治安維持部隊を襲撃し、3人が殉職し、イドリブ県のハーン・シャイフーン市では警察官が誘拐されたと報道した。

一方、シリア・アラブ・テレビは、「内務省は国民に以下なる理由であれ空砲発射、花火、クラッカーなどを行わないよう呼びかける」と報じた。これは軍・治安部隊が市民に対する発砲を、「武装テロ集団の襲撃と誤って行った」という口実を近い将来発表する際の伏線になると見られる。

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ダマスカス医師調整委員会は、9月4日からダマスカス県内にある主要な病院、具体的には国立病院(アサド国立病院)、大学病院(ムワーサー病院)、ムジュタヒド病院、ダマスカス・イブン・ナフィース病院)で政治犯の釈放を求めるためのストライキを呼びかける。

アサド政権の動き

ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー氏はダマスカスのウマイヤ・モスクでの説教で、暫定評議会発足をめざすブルハーン・ガルユーン氏を批判、「7月4日、イスラエルのモサドと米国CIAが、とある国に集まった。その国の名前を私は言いたくないが、この会合での議論は、シリアの将来の行方に関して、どのような活動を行うべきかというものだった。会談ではまず、イスラエルの安全保障を守り…、いわゆるシリア革命暫定評議会を設立し、この評議会の議長にブルハーン・ガルユーンを選ぶことで合意した。そしてこれが実行され、数日前に評議会が設立され、ガルユーンが議長になった」と述べ、ガルユーン氏を米国・イスラエルの手先と評した。説教はhttp://www.naseemalsham.com/ar/Pages.php?page=readSpeech&pg_id=21205&bk_id=42を参照。

諸外国の動き

EUはシリアの石油輸入禁止措置を9月3日付で発動すると正式に発表するとともに、シリア政府高官4人と3機関を制裁リストに追加し、資産凍結とビザ発給を禁止した。

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パリで開かれている新生リビア支援国際会議に参加中のヒラリー・クリントン米国務長官は、「シリアでの暴力は停止されねばならず、(アサド大統領は)されねばならない…。シリアの民主制への移行はすでに始まっている。アサド大統領はそのことを認め、シリア国民自身が将来を決定できるよう去るときがきた」と述べたうえで、アサド政権へのさらなる圧力を国際社会に呼びかけた。

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アラン・ジュペ仏外相は駐フランス大使年次大会で、国連安保理でのアサド政権に対する制裁と民間人への暴力停止のための決議採択をめざして圧力をかけ続けると確認するとともに、シリアの反体制勢力との接触を進めると述べた。

複数の外交筋によると、西側諸国とロシアは「妥協的」な安保理決議採択でコンセンサスに達しており、採決に向けた「青信号」が出ている、という。

また国連安保理では、米国、西側4カ国(英仏独、ポルトガル)、インド、ブラジル、南アフリカの代表が、シリア情勢をめぐる安保理の対応に関する「ビジョンのすり合わせ」を行うための会合を開くという。これに先立ち9月1日には、安保理メンバー15カ国の専門家が、8月29日に引き続き、ニューヨークにある英国連代表部で決議案の内容に関する折衝を行った。

複数の外交筋によると、「妥協的」決議は、「西側が求める武器禁輸制裁とロシアが求める政治プロセスの間に落ち着くだろう」という。

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フランスの石油会社トータルは、EUの石油輸入制裁に従い、シリアからの石油購入を停止するが、シリア国内での石油採掘は継続すると発表。

AFP, September 2, 2011、Akhbar al-Sharq, September 2, 2011、al-Hayat, September 3, 2011、Kull-na Shuraka’, September 2, 2011, September 3, 2011、Reuters,
September 2, 2011、SANA, September 3, 2011、Zaman al-Waṣl, September 3, 2011などをもとに作成。

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各地でデモが続くなかハマー県検事総長が武装テロ集団によって誘拐されたことが発表される、しかし本人はすぐさま声明を出しこれを否定(2011年9月1日)

ハマー県検事総長誘拐・辞任の真偽

シリア当局は、ハマー県のアドナーン・バックール検事総長が、8月29日に武装テロ集団によって誘拐されたのち、脅迫を受け、弾圧に抗議して辞任を発表することを余儀なくされたとビデオで発表した。

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またSANAはアナス・ナーイム・ハマー県知事の以下のようなコメントを報じた。「バックール検事総長は、誘拐犯に偽の情報を発表するよう強要された。複数の衛星チャンネルは、メディアでの反シリア・キャンペーンの一環として、ハマーの市民が粛正されているというこの情報を発信した。つまり、これらのチャンネルはシリアの無実の市民に対する武装テロ集団の犯罪の共犯者になったということだ」。

31日晩にバックール検事総長が辞任を発表するビデオを放映していたジャズィーラなどのメディアはこの発表を偽報道だと断じている。

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しかし、アドナーン・バックール検事総長はYoutubeで声明を発表し、自身が「武装テロ集団に誘拐されたとのシリア・アラブ・テレビの報道が根拠がない。私は革命運動家の家族たちによって保護されている」と発表した。(資料映像はhttp://www.youtube.com/watch?v=MMj1sxKDn8gを参照)。

http://www.youtube.com/watch?v=MMj1sxKDn8g

反体制活動をめぐる動き

各地でシリアの治安部隊によるデモ参加者・市民の追跡・逮捕と反体制デモの応酬は続いた。

ハマー県では、シリア人権連盟のアブドゥルカリーム・リーハーウィー会長やシリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長によると、ハマー市の軍・治安部隊とシャッビーハによるデモ参加者の捜索が8月31日から続いた。1日現在、サーブーニーヤ地区、マラービト地区で集中的に捜索が行われており、その前日には他の地区で数十人が逮捕されたという。

「ハイダル」を名乗る地元の活動家はロイター通信に対して、特定の活動家の家宅捜索・逮捕を行っていた前日(31日)とは対象的に、ハマー市では無差別逮捕が行われた。

シリア人権連盟のリーハーウィー会長によると同市では水曜日の晩以降、デモが行われた。

またシリア人権監視団によると、サラミーヤ市で反体制活動家のハサン・ザフラ氏が治安当局に身柄拘束された。ザフラ氏(67歳)は共産主義行動党メンバーの元政治犯で、この数ヶ月間で数度にわたりデモを指導した容疑で身柄拘束されていた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市のナーズィヒーン地区に軍・治安部隊が早朝、突入し、1人を殺害。また市内のバーブ・スィバーア地区などで銃声が聞こえた。シリア人権連盟のリーハーウィー会長らによると、ハーリディーヤ地区、バイヤーダ地区、クスール地区、ハムラー地区、グータ地区、バーブ・ドゥライブ地区、バーブ・スィバーア地区では昨日に引き続き大規模な反体制デモが続けられた。

イドリブ県では、シリア人権監視団やシリア人権連盟によると、ザーウィヤ山に近いラーマ村に軍・治安部隊が突入し、1人が死亡、5人が負傷。サルミーン市でも軍・治安部隊が突入し、13人を逮捕。同県各地でも水曜日の晩以降、デモが続けられた。

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、水曜日(8月31日)晩のダイル・ザウル市の弾圧で重傷を負った10歳の少年が死亡した。またシリア人権連盟のリーハーウィー会長によると同市では水曜日の晩以降、デモが続けられた。

ダマスカス県、ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市で軍・治安部隊が6人を逮捕された。ドゥーマー市は連絡が途絶えた。シリア人権連盟のリーハーウィー会長によると数十人がザバダーニー市、カーブーン区で水曜の晩までに逮捕された。またダマスカス県マイダーン地区、バルザ区、ハラスター、サクバー、ハムーリーヤ、ドゥーマー、キスワ、ドゥマイル、ザバダーニー、カダム、カーブーンでは水曜日の晩以降、デモが続けられた。

ダルアー県では、ダルアー市で女性数百人が喪服を着て、アサド政権打倒を求める行進を行った。またシリア人権連盟のリーハーウィー会長によると、ジーザ町で多数逮捕された。同県では水曜日の晩以降、デモが続けられた。

このほか、ハサカ県カーミシュリー市、ラタキア県などでもデモは続き、軍・治安部隊による捜索・逮捕活動が続いた。

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反体制活動家はフェイスブックで「死と不屈の金曜日」のデモを呼びかける。

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クルド人活動家のムハンマド・サイダー氏(準備委員会メンバー)が声明を発表し、オランダのストックホルムでクルド人活動家が大会を主催。シリアの抗議運動におけるクルド人の役割を強化することが目的。大会は2日の予定。

アサド政権の動き

『バアス』(9月1日付)は、バッシャール・アサド大統領の包括的改革プログラムに基づき、国民対話大会が9月5日から20日の予定で各県・大学で行われ、具体的な開催日程は各県の準備委員会が決し、最終的には中央国民対話大会がそこでの審議内容が総括される、と報じた。

各県・大学での国民対話大会では、(1)政治生活、望ましい政治改革、(2)経済・社会:現状、将来の展望、達成されるべき科学的・現実的計画、(3)福祉、開発、行政の改革に向けた県のニーズと地元の見解、という三つの議題を審議するという。

諸外国の動き

IAEAは、シリアが各活動に関する国連調査への迅速な協力の約束を取り下げたと発表した。しかし10月までにさらなる情報を開示ができず、また2007年にイスラエル戦闘機が空爆した核施設に関連する複数の使節へのIAEA査察団の訪問が許されない理由は明らかにしなかった。

複数の外交筋がAPに語ったところによると、こうしたアサド政権の姿勢は、シリアが核兵器への転用可能なウラン生産の秘密計画の第一段階に入ったとの懸念を強めるという。天野之弥IAEA事務局長は12日に予定されている国連安保理会合で、シリアの非協力によって調査ができない旨報告するという。

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アラン・ジュペ仏外務大臣は、「シリア政府が行う弾圧は受け入れられない」「フランスはEUとともに、国連安保理の枠内で体制に制裁を科すべく集中的に活動してきたが、中国、ロシアがこの努力を妨害しているために事態は進展しない」と述べた。

AP, September 1, 2011、AFP, September 1, 2011、al-Ba‘th, September 1, 2011、al-Hayat, September 2, 2011、Kull-na Shuraka’, September 1, 2011、Reuters, September
1, 2011、SANA, September 2, 2011、al-Sharq al-Awsat, September 2, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

ダマスカス郊外県、アレッポ県、ダルアー県、ヒムス県、ハマー県、イドリブ県など各地で反体制デモが行われる(2011年8月31日)

反体制運動をめぐる動き

ダマスカス郊外県、アレッポ県、ダルアー県、ヒムス県、ハマー県、イドリブ県など各地で反体制デモが行われ、数十人が軍・治安部隊によって逮捕された。

ダマスカス郊外県では、空軍情報部が在米の反体制活動家でシリア政治の研究者でもあるラドワーン・ズィヤーダ教授の弟ヤースィーン・ズィヤーダ氏を逮捕した。同氏はダマスカス郊外県のダーライヤー市でイード・アル=フィトルのデモに参加、身柄を拘束された。

アレッポ県では、人権活動家のイブラーヒーム・マラキー弁護士がAFPに語ったところによると、アレッポ市でムスタファー・スライマーン弁護士夫妻と訪問客の3人が逮捕された。

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ハウラ地方に軍治安部隊が突入し、16人を逮捕、その際、少なくとも5人が負傷。突入の2日前、治安部隊が8月第1週に誘拐・殺害した13人の遺体を引き渡されていたハウラ地方の住民の怒りは頂点に達していたという。

シリア人権監視団や複数の住民によると、ハマー県では、軽戦車、輸送車輌数十両、軍・治安部隊兵士数百人がハマー市のクスール地区、ハミーディーヤ地区に突入、活動家の捜索を行った。

複数の活動家によると、イドリブ県では、カフルルーマー村で治安部隊がデモ参加者に発砲し、1人が殺害された。

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アレッポ県の医師118人が連名で声明を出し、医師に対する身柄拘束、逮捕、拷問を行わないよう呼びかけた。

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http://www.syrianeg.net/
http://www.syrianeg.net/

シリア人権監視団は、ラマダーン月の弾圧による死者数を発表した。それによると死者数は473人、うち民間人は360人、113人が軍人・治安要員。またうち28人がヒムス県で身柄拘束後に拷問を受け殺害、25人が18歳以下で、14人が女性だという。なお、8月3日から10日にかけてのハマー市での犠牲者は調査が困難だったため含まれていない。

諸外国の動き

ロシアのドミトリー・ロゴジン駐NATO大使は、RTのインタビューに対して、NATOがシリアへの軍事作戦はないとの考えを示した。その理由とした同大使は「イスラエルの安全保障に影響を及ぼすからだ」と述べた。

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フランスのニコラ・サルコジ大統領は、駐フランス大使会議でシリアの反体制デモへのバッシャール・アサド政権の弾圧について触れ、「シリア大統領は改革できないことを犯した。フランスとその友好国はシリア国民の自由と民主主義への要求を実現するため、法的に可能なあらゆることを行うだろう」と述べた。

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ビクトリア・ヌーランド米国務省報道官はシリアの刑務所での身柄拘束者への拷問を非難。

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3月14日勢力事務局長のファーリス・スアイド氏はLBCに出演し、「シリアの体制は息詰まっている…。国際社会はシリアの体制が崩壊に向かっているとのシグナルを送っている」と述べる一方、シリアの混乱をヒズブッラーと結びつけ、「もしヒズブッラーがシリアの体制に固執し、革命に反対すれば、それは全世界に対抗することを意味する…。こうした行動は、ヒズブッラーだけでなくレバノンを非難に曝すことになる」と非難した。

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Naharnet, August 31, 2011
Naharnet, August 31, 2011

ワリード・ジュンブラート党首は進歩社会主義党の若手メンバーとの会合で、バッシャール・アサド大統領と現下のシリアの体制を厳しく非難、取りまきの支配サークルに囚われの身となったアサド大統領が自らの退任を求めるデモや抗議行動に対処するため「治安的解決」を選択したことは、「アサドが早晩退任し、シリア国民の意思が最終的に勝利する」ことを示している、と述べた。

AFP, August 31, 2011, al-Hayat, September 1, 2011, September 2, 2011、Kull-na Shuraka’, August 31, 2011、Naharnet.com, August 31, 2011、Reuters, August 31, 2011。

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ダマスカス郊外県、ダルアー、ヒムス、アレッポ、タドムルなど50カ所で反体制デモが実施、米財務省はシリア政府高官3名を新たに「制裁リスト」に追加(2011年8月30日)

アサド政権の動き

『シャルク・アウワト』(30日付)は消息筋の話として、反体制デモ弾圧において重要な役割を果たしているシャッビーハは、報酬の未払いが続けば「仕事」をボイコットすると脅迫していると報じた。またダマスカスに展開していたシャッビーハ多数が、報酬が支払われないことを不服として、ラタキアなどに去っていったという。

同紙消息筋の話によると、シャッビーハの日当はアレッポ市の場合、5,000シリア・ポンド(100ドル相当)でこのほかに移動手段およびその費用が負担される。またアレッポ市以外の場合、日当は2,000シリア・ポンド(42ドル相当)。しかし金曜日の手当は7,000~10,000ポンドにあがるという。

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『クッルナー・シュラカー』(30日付)によると、数週間前に、ラーミー・マフルーフ氏に近い一部のビジネスマンの海外渡航禁止と資産凍結の命令が出された。

資産凍結対象となったとされるビジネスマンのなかには、リード社を経営するニザール・アスアド氏、ガッサーン・マフナー氏(ムハンマド・マフルーフ氏の義兄弟)などが含まれているという。

またアレッポのビジネスマンでアサド政権に近いムハンマド・カーミル・サッバーグ・シュルバーティー氏は渡航を禁止された。同氏はベイルートへの移住を検討していたという。

他方、シリア当局は、投資家のマフムード・スライマーン・トゥラース・ファルザート氏(ファルザート開発グループ社長)を逮捕した。同氏がアサド政権支持者が運営するラスタン・ニュース・ネットワークによると、反体制活動への資金援助が理由だと考えられる。

シリア政府は、一部のシリア政府が大商人やビジネスマンの反体制デモへの対応に不満を持っているとされる。例えば、ダマスカスの事業家でアサド大統領の兄弟から直接支援を受けていたイマード・ガルユーティー氏は、デモ発生後にシリア国内市場から外貨を退避させ、またヒムスの事業家のナジーブ・アッサーフ氏は自らが経営する砂糖工場の操業を停止し、そのことがシリア国内の砂糖価格の高騰を招いた。

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バッシャール・アサド大統領はダマスカス県内のハーフィズ・アサド・モスクでイード・アル=フィトルの礼拝を行った。礼拝には、アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣、アフマド・ハッスーン共和国ムフティー、バシャル・サッバーン・ダマスカス県知事らも参加した。

反体制運動をめぐる動き

シリア革命調整連合によると、フェイスブックでシリア革命2011がイードの礼拝後のデモを呼びかけたことに呼応するかたちで、ダマスカス郊外県、ダルアー、ヒムス、アレッポ、タドムルなど50カ所でデモが行われ、彼らは軍・治安部隊の発砲や逮捕に直面した。

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ヒムス県では、シリア革命調整連合によると、すべての地区に治安部隊が多数展開し、礼拝後のデモを阻止しようとしたが、デモが発生、各地で銃声が間断なく続き、デモに参加した1人が殺害された。

またタッルカラフ市入り口にある墓地を治安部隊の車輌が包囲した。タッルカラフ市は地上電話が不通となっている。

さらにタドムル市では、礼拝後市内の墓地に向かった数千人が行進を行い、犠牲者を追悼、アサド大統領の処刑を求めるシュプレヒコールを連呼した。

クサイル市でも10,000人以上が市内の墓地に向かって抗議のデモ行進を行った。

ダルアー県では、シリア革命調整連合によると、ダルアー市で11歳の少年1人を含む4人が軍・治安部隊の発砲により殺害された。

インヒル市でもデモ参加者1人が殺害された。

またダーイル町では、市内各所のモスクから10,000人以上が街頭に出て抗議行動を行い、そのなかにはイード・アル=フィトルにもかかわらず喪服を着た子供たちも参加した。

またナワー市のイマーム・ナワウィー大モスクは当局によって閉鎖されていたが、市民はモスク前で礼拝を行い、その直後に大規模な抗議行動を行い、軍・治安部隊の発砲を受けた。

ハマー県では、シリア革命調整連合によると、ハマー市のほとんどの地区で礼拝後にデモが発生、軍・治安部隊がデモ参加者に発砲した。

ハサカ県では、シリア革命調整連合によると、アームーダー市で大規模なデモが発生し、カーミシュリー市でも1,500人以上がデモを行った。

ダイル・ザウル県では、シリア革命調整連合によると、ダイル・ザウル市で、1,000人を越える治安部隊、シャッビーハ、軍部隊がタカーヤー通りに突入し、デモ参加者に無差別発砲を行い、多数を逮捕した。

アレッポ県では、シリア革命調整連合によると、アレッポ市のカビール・モスクで礼拝した市民がデモを行ったが、治安部隊によって強制排除された。

ダマスカス県では、カーブーン区、バルザ区に治安部隊、シャッビーハが低回していたもかかわらずデモが発生した。

またダマスカス郊外県ではクドスィーヤー市で1,000人以上がデモを行った。

また『クッルナー・シュラカー』(9月3日付)によると、ダマスカス県ルクンッディーン区の遊園地で12歳の子供たちが「子供たちは体制打倒を望む」と連呼。治安当局は遊園地に検問所を設置し、身分証明書の提示を求めた。また、治安当局は、「貴方が好きです、アッラー、シリア、バッシャールのみ、バッシャールは我らが指導者」というペイントを子供たちの頬に無理矢理書かせた。

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ハラスター(ダマスカス郊外県)、ラスタン(ヒムス県)でのシリア国軍兵士の離反、そして離反兵とシリア軍・治安部隊の衝突が続くなか、『シャルク・アウサト』(30日付)は自由将校旅団筋の話として、シリア国軍の離反がきわめて大規模で、アサド政権はさまざまな手段を駆使してその封じ込めに躍起だと報じた。

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アムネスティ・インターナショナルは3月に始まった反体制デモで逮捕され、獄中死したシリア人の数が88人以上いるとの報告書を発表した。

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シリア民主尊厳潮流が声明を出し、暫定国民評議会をめぐって改めて露呈した反体制勢力の足並みの乱れを非難。暫定国民評議会に賛同の意を示し、内外の反体制勢力に糾合を呼びかけた。なおシリア民主尊厳潮流のメンバーは暫定国民評議会に名を連ねていない。

諸外国の動き

米財務省は昨日、ワリード・ムアッリム外務大臣、ブサイナ・シャアバーン大統領府情報顧問、アリー・アブドゥルカリーム駐レバノン・シリア大使の3人を金融制裁や取引禁止の対象となるシリア政府高官らの「制裁リスト」に追加すると発表した。

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アドナーン・マンスール外務大臣はヒズブッラーが運営するヌール・ラジオのインタビューに対して、和平フォローアップ委員会(28日)では、シリア問題をめぐって声明を発表しないとのコンセンサスがあり、それは冒頭で確認された、と述べ、シリアが同声明を拒否したことは正しいステップだとの見解を示した。

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ブリュッセルでは、キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表がデモ弾圧を「蛮行」と非難し、シリア情勢への「深い懸念」を表明した。

AFP, August 30, 2011、Akhbar al-Sharq, August 30, 2011、al-Hayat, August 31, 2011、Kull-na Shuraka’, August 30, 2011, August 31, 2011, September
3, 2011、Naharnet.com, August 30, 2011、Reuters, August 30, 2011、SANA, August
31, 2011、al-Sharq al-Awsaṭ, August 30, 2011などをもとに作成。

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暫定国民評議会の発足が発表されるも複数の反体制派個人・団体から異議が上がる、アサド大統領はロシア大統領特使のボクダノフ外務副大臣と会談(2011年8月29日)

反体制勢力の動き(足並みの乱れ)

トルコの首都アンカラで政権打倒を求める活動家たちを指導するための暫定国民評議会の発足が突如として発表された。

同評議会は、94人のメンバーからなり、うち42人がシリア国内で活動している。議長にはソルボンヌ大学教授で思想家のブルハーン・ガルユーン氏が選出され、副議長はファールーク・タイフール氏とリヤード・サイフ氏が務める。

評議会メンバーのなかには、フィダー・ハウラーニー女史(ダマスカス宣言)、ムスタファー・ジュムア(クルド人)、ファーイズ・サーラ氏、スハイル・アタースィー女史(ジャマール・アタースィー会議)、アンワル・ブンニー弁護士、ハビーブ・イーサー氏、アリー・アブドゥッラー氏、ヤースィーン・ハーッジ・サーリフ氏、リヤード・トゥルク氏、アリー・ファルザート氏、アーリフ・ダリーラ氏、ミシェル・キールー氏、ルワイユ・フサイン氏、アンマール・カルビー氏、サラーフ・バドルッディーン氏(クルド人)、ウバイダ・ナッハース氏、ナジーブ・ガドバーン氏、ハイサム・マーリフ弁護士、などが名を連ねている(メンバーの氏名はhttp://all4syria.info/web/archives/25288を参照)。

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しかし、暫定国民評議会発足宣言に関して、メンバーとして名前をあげられた複数の活動家が、無許可で氏名を掲載されたとの声明を相次いで出した。AKI(29日付)によると、国民民主改革諸勢力国民調整委員会のメンバーのファーイズ・サーラ氏、ミシェル・キールー氏、フサイン・アウダート氏、アブドゥルマジード・マンジューナ氏、ブルハーン・ガルユーン氏などは評議会発足に先立って何らの連絡・許可も受けていなかったことを明らかにした。

また国民調整委員会に属さないアリー・アブドゥッラー氏、ヤースィーン・ハーッジ・サーリフ氏、ルワイユ・フサイン氏、リヤード・サイフ氏、ハーズィム・ナハール氏も同様に何らの連絡・許可も受けていなかったという。

なお国民民主変革諸勢力国民調整委員会は29日付で声明を出し、暫定国民評議会とは関係を否定する。

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また暫定国民評議会のメンバーとして名前をあげられなかった活動家たちもこの動きとの関係を否定する声明を次々と発表した。

シリア革命総合委員会は暫定国民評議会発足宣言後直ちに声明を出し、評議会とは無関係で、発足に際して何らの調整も行われなかったと不快感を示す。

イスタンブールでの会合において発足したシリア国民評議会準備委員会もただち声明を出し、ジャズィーラなど複数のメディアが報じた「暫定移行国民評議会」に関して、無関係であると発表。またシリア国民評議会が体制打倒のみを目的としており、体制転換(いわゆるポスト・アサド体制の構築)は同評議会の任務ではないことを明らかにする(声明全文はhttp://all4syria.info/web/wp-content/uploads/2011/08/بيان-مجلس-الوطني-السوري-نهائي.pdfを参照)。

またシリア・クルド・ムスタクバル潮流のミシュアル・タンムー氏も同様の声明を発表した。

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ムハンマド・サルマーン元情報大臣が代表を務める国民民主イニシアチブは、アサド政権による反体制デモ弾圧に関して、外国の干渉を招きかねない、と警鐘をならした。

反体制運動をめぐる動き

複数の消息筋によると、ヒムス県、ダイル・ザウル県、イドリブ県、ダマスカス郊外県で兵士が(28日に)離反した。シリアの政治評論家が匿名を条件にダマスカスでAFPに語ったところによると「シリア政府の軍に対する統制は強固だったが、モスクで礼拝する人々が攻撃され、ミナレットが砲撃されるのを兵士が目の当たりにした以降、そうではなくなった」。

複数の目撃者によると、ラスタン市に駐留する兵士数十人が(28日に)離反し、早朝、シリア国軍の軽戦車・装甲車40輌、兵員輸送車輌20輌が同市入り口に展開・進入した。

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AFP(29日付)、シリア人権監視団などによると、朝、シリア軍の戦車、兵員輸送車多数がヒムス県内のレバノン国境から2キロの地点に位置するヒート村に進入、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長は、朝6時から激しい銃声が聞こえているとAFPに語った。

シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県カーラ市、クドスィーヤ市にも軍・治安部隊が多数展開し、多数の住民を逮捕した。シリア革命調整連合によると、カーラ市では軍・治安部隊が早朝から家宅捜索を行い、その際1人を殺害した。

シリア人権監視団によると、ダルアー県のダーイル町にも軍・治安部隊が多数展開し、多数の住民を逮捕した。また同監視団によると28日夜から29日未明にかけて、ダルアー県インヒル市で1人が殺害された。

シリア人権監視団によると28日夜から29日未明にかけて、ダイル・ザウル県ブーカマール市で軍・治安部隊によって3人が殺害された。

シリア人権監視団によると28日夜から29日未明にかけて、イドリブ県のハーン・シャイフーン市で軍・治安部隊によって1人が殺害された。また、イドリブ県郊外のサルミーン市に軍・治安機関が突入し、子供1人を含む5人を殺害、60人が負傷した。イドリブ県郊外のカフルナブル市では治安部隊の要撃作戦で元士官の活動家1人が殺害され、活動家2人が負傷した。

SANAは、ハマー市のアドナーン・バックール検事総長が武装テロ集団に誘拐されたと報じた。

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シリア・ムスリム同胞団が声明を発表。モスクや礼拝者に対する軍・治安部隊の攻撃を厳しく非難。

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反体制活動家のナジャーティー・タイヤーラ氏(2011年5月12日に逮捕)が29日にヒムス刑事裁判所の決定に従い保釈(保釈金は5,000シリア・ポンド)される。しかしその直後、空軍情報部が再逮捕し、ヒムス支部の拘置所に再び拘束。

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ムハンマド・アブドゥルマジード・マンジューナ氏、アブドゥルハキーム・バッシャール氏、ナダー・ハッシュ氏、ダーニヤール・サウード氏、ラディーフ・ムスタファー氏が共同声明を出し、暫定国民評議会メンバーに無許可で含まれていたと発表した。

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EMHRNは声明を出し、約7,000人のシリア人が軍の攻撃を逃れてイドリブ県からトルコなど避難し、ハタイ県の6つのキャンプで避難生活を余儀なくされている。しかしシリア政府は、避難民の数を10,000人以上としたうえで、そのほとんどがイドリブ県での武装テロ集団に対する掃討作戦終了後に帰国したと発表している。

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ダマスカス県、ダマスカス郊外県の地元の情勢委員会が中心となって共同声明を出し、イスラーム教のウラマーに「革命」への参加を呼びかけた。

声明に参加したのは、マイダーン地区シリア革命調整委員会、カダム区シリア革命調整委員会、ルクンッディーン区シリア革命調整委員会、カフルスーサ区シリア革命調整委員会、ジャウバル区シリア革命調整委員会、ハラスターアルビーン・シリア革命調整委員会、マッザ区シリア革命調整委員会、イマーラ・バグダード通りシリア革命調整委員会、ジュダイダ・アルトゥーズ・シリア革命調整委員会、ダーライヤー・シリア革命調整委員会、ヤブルード市シリア革命調整委員会、ラタキア・シリア革命調整委員会、ハサカ・シリア革命調整委員会。

アサド政権の動き

バッシャール・アサド大統領はダマスカスを訪問したロシア大統領特使のミハイル・ボクダノフ外務副大臣と会談した。大統領府が発表した声明によると、ボクダノフ外務副大臣はシリア情勢をめぐるドミトリー・メドヴェージェフ大統領の「見解」を伝え、アサド大統領に対して「モスクワはシリアが政治、経済の両分野で進める改革路線を支持する」と述べたと発表した。これに対して、アサド大統領は、「バランスのとれたロシアの姿勢を高く評価」し応えた、という。

SANA, August, 29, 2011
SANA, August, 29, 2011

ボクダノフ外務副大臣との会談には、ムアッリム外務大臣、ブサイナ・シャアバーン、ファイサル・ミクダード外務次官が同席した。また会談後、ボクダノフ外務副大臣はワリード・ムアッリム外務大臣と個別に会談した。

モスクワ・ニュースは信頼できる消息筋の話として、ボクダノフ外務副大臣がアサド大統領に対して、「可能な限り早急な事態の沈静化」を求めるとともに、「安保理が決議採択に向かう可能性に警戒する」よう伝えたと報じた。

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アサド大統領はクウェート在住のシリア人使節団と会談し、在外シリア人に国内での改革支援を求めた。

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シリア・アラブ・テレビは、シリア調整革命評議会議長を名乗る「破壊調整」(委員会)の「テロリスト」ムハンマド・ラッハール氏が警察署、軍・治安機関の施設などへの攻撃の計画について、ラタキア市スライバ地区で活動していたメンバー(ムハンマド・ハーワンディー氏)と交わした携帯電話での会話を放送。

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『クッルナー・シュラカー』(29日付)は、ラーミー・マフルーフ氏が運営する日刊紙『ワタン』のワダーフ・アブドゥラッブフ編集長がラマダーン月初め(8月初め)に米国に渡っていたと報じる。帰国の意思はないという。米国への批判を行ってきた編集長の米国訪問については、まもなく生まれる子供に米国籍を与えるためとの憶測などが流れている。

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バヒーヤ・マールティーニー氏は、Elaph.com(29日付)で、故ジャミール・アサド人民議会議員(ハーフィズ・アサド前大統領の弟)の孫娘とリフアト・アサド元副大統領(ハーフィズ・アサド前大統領の弟)の孫息子の結婚式が後者が滞在するスペインで行われると綴った。

マールティーニー氏によると、この結婚はラーミー・マフルーフ氏が今時の反体制デモを受けて語った「家族の統一」を想起させる、という。なお、3月半ばにシリア各地で抗議行動が始まって以降、リフアト・アサド大統領の息子のリーバール・アサド氏が西欧において続けてきた反体制運動は影を潜めるようになっているという。

諸外国の動き

EUはシリアからの石油輸入に関して原則合意に達した、と外交筋が明らかにした。EUはシリア産石油の95%を輸入しており、その収入はシリアの歳入の3分の1を占めるとされている。

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レバノンのアドナーン・マンスール外務大臣は、28日のアラブ連盟外相会議(和平フォローアップ委員会会合)後の声明に関して、「外相会議では、シリア情勢について審議され、いかなる声明も発表しないことで合意・閉幕した」と『リワー』(29日付)に対して語り、アサド政権とともに声明発表に異議を唱えた。

一方、スーダンのアリー・クルティー外務大臣は、AFPに対してシリア情勢をめぐるスーダンの姿勢はアラブ連盟の声明と一致していると述べた。クウェート外務省も28日にスーダンと同様の姿勢を明示している。

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トルコ外務省は、自国民に対して、シリア領への陸路が移動を伴うと警告を発し、必要な場合でも単独での移動は避けるよう求めた。シリア・トルコ国境でのシリア側の税関当局でのトルコ人旅行者や車輌運転手への対応の悪さに関してはたびたび指摘されているが、トルコ外務省が指摘した陸路での移動に伴う危険とは、シリア領内で武装活動再開の兆候を見せているPKKに起因する、という。

複数のトルコ筋が『ハヤート』(30日付)に語ったところによると、トルコ政府は、シリア情勢をめぐるトルコのスタンスに、イランとシリアがPKK問題を利用して対処しようとしていることに不快感を示しているという。

こうしたなか、イラン当局が、トルコ政府との秘密交渉を行っていたとされるクルディスタン民主党のナンバー2を逮捕したとの報道が流れた(イラン側はこれを否定している)。

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イラン外務省報道官は声明を出し、「我々はこの国(シリア)の内政干渉においていかなる役割も果たしていない…。EUは革命防衛隊クドス軍団とシリア国内での事件との関係を何の証拠もなく指摘している…。シリア政府とシリア国民は、問題を解決できるだけ、政治的に成熟しており、イランは他国の主権を尊重する」と述べ、クドス軍団をも対象とする西側の制裁に異議を唱えた。

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ファルハーン・ハック国連報道官は、「これがシリアでの軍事作戦と集団逮捕のすべてを即時に停止するよう求めた潘国連事務総長との電話会談での回答だ」と述べ、継続される弾圧への不快感を露わにした。

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アズハル機構のアフマド・タイイブ氏は、シリア国内でのモスクに対する軍・治安当局の進入・攻撃を非難。またイスラーム教ウラマー世界連盟も、モスクに対する軍・治安当局の進入・攻撃を「蛮行」と非難。

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米国のウェブサイト『ザ・ケーブル』はロバート・フォード駐シリア米大使がアサド大統領支持者に包囲された映像を公開。映像は23日に撮影されたという。

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ニューヨークでは、国連安保理常任理事国が大使級の会合を開き、シリアへの決議に関して初めて審議を行った。

複数の外交筋が『ハヤート』(31日付)に語ったところによると、「見解の相違は続くもの、この会合は常任理事国5カ国は決議採択で合意が形成されていることを示している」。

複数の西側消息筋によると、ロシアがシリアへの制裁に反対しているのは、ロシアが「リビアに続いて、4,000,000,000ドル相当のシリアにおける武器市場を失いたくないから」だという。

AFP, August 29, 2011、Akhbar al-Sharq, August 29, 2011, August 30, 2011、AP, August 29, 2011、The Cable, August 29, 2011、Damas Post, August 29, 2011、Elaph.com, August 29, 2011、al-Hayat, August 30, 2011, August 31, 2011、Kull-na Shuraka’, August 29, 2011, August
30, 2011, August 31, 2011, September 2, 2011、al-Liwa’, August 29, 2011、Naharnet.com, August 29, 2011、Reuters, August 29, 2011、SANA,
August 30, 2011、UPI, August 29, 2011、al-Watan, August 29, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

シャーム民主主義人権研究センターが反体制デモ参加者に関する統計調査を公表、アサド大統領は政令第108号を発令し新情報法を施行(2011年8月28日)

反体制抗議行動に関する統計調査

国内で活動する反体制派系のシャーム民主主義人権研究センター(2010年発足)は反体制デモ参加者に関する統計調査を実施し、その結果を17日付で公表した。

調査は7月1~25日に実施され、無作為抽出された750人が回答した。

主な結果は以下の通り:

1. アサド政権の支持者は、アラウィー派で84%、キリスト教徒で60%、ドゥルーズ派で62%、イスマーイーリー派で54%、スンナ派で10%。

2. 中立ないしは沈黙の立場をとっているのは、アラウィー派で10%、キリスト教徒で23%、ドゥルーズ派で20%、イスマーイーリー派で11%、スンナ派で25%。このなかには「虐殺」に反対しつつも、アレッポやダマスカスの多くの住民のように態度を保留すべきと考えている者も含む。

3. 反体制活動支持者は、アラウィー派で6%、キリスト教徒で17%、ドゥルーズ派で18%、イスマーイーリー派で35%、スンナ派で65%。

4. ダマスカス県およびダマスカス郊外県で調査期間中の金曜日のデモに参加した市民の数は265,000人(うち16,000人以上が女性)。うち40歳以下は全体の66%。貧困層および中産階級は71%。

5. ラタキア市で連日デモを行っている市民の数は約6,000人。これまでデモに参加した市民の総数は155,000人。

6. ハマー市での調査期間中のデモ参加者数は1,000,000人以上。

Kull-na Shurakā’, August 28, 2011
Kull-na Shuraka’, August 28, 2011

報告書全文はhttp://www.bingeh.org/index.php/2011-07-19-09-56-30/1159-2011-08-20-18-37-46を参照。

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反体制運動をめぐる動き

シリア軍は27日夜から28日未明にかけて、ダマスカス北東部の農園地帯(ダマスカス郊外県東グータ地方)で、デモ参加者への発砲を拒否し、離反したシリア国軍兵士を掃討した。

複数の目撃者や自由将校旅団によると、離反した兵士は数十人で、ダマスカス県内に入ろうとしたハラスター市のデモ参加者への発砲を拒否して、農園地帯に逃走した、という。なお一昨日の晩から昨日朝にかけて、ハラスター市で2,500人がデモに参加し、十数人が負傷した。

しかし、内務省はハラスター市での兵士の離反もデモも発生していないと否定した。

ハラスター市以外でもダマスカス郊外県各地では27日のダマスカス県リファーイー・モスクへの警官 隊とシャッビーハの突入に抗議するかたちで、反体制デモが発生した。

『クッルナー・シュラカー』(28日付)によると、イフタール前に、ドゥーマー市からサクバー市に2,000人のデモ参加者が到着、サクバー市でのデモの参加者は10,000人に達した。しかし軍・治安部隊が介入し、1人が殺害、数十人が逮捕された。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長によると、イドリブ県のハーン・シャイフーン市に戦車10輌と治安機関の車3台が進入し発砲、2人が殺害され、9人が負傷した。またマアッラト・ニウマーン市近くのダイル・シャルキーでも軍・治安部隊が9人を逮捕した。

シリア人権監視団によると、ダルアー市郊外のインヒル市で1人が殺害された。

シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル県のアイヤーシュ村、ハリータ村、ハワーイジュ村に軍・治安部隊が突入し、数十人を逮捕した。

一昨日の晩から昨日朝にかけて、ヒムス市のハーリディーヤ地区でも軍・治安部隊がデモの強制排除を試み、14人が負傷した。

アレッポ市郊外のマーリア市でも、軍・治安部隊がデモの強制排除を試み、15人が負傷した。

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フェイスブックではモスク、教会で犠牲者を追悼する「礼拝の日曜日」を呼びかけた。

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バーニヤース市議会のアドナーン・ムハンマド・シャグリー議長は、近郊のバイヤーダ村では軍・治安部隊の突入により「住民全員が逮捕された」と述べ、同市がシャッビーハによる虐殺の恐怖にさらされていることを明らかにした。

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当局は、国内で活動を行う反体制活動家のミシェル・キールー氏、ファーイズ・サーラ氏、ルアイユ・フサイン氏のレバノン渡航を禁じた。3人はフッラ・チャンネルの討論番組に出演するためレバノンを訪問する予定だった。

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『シャルク・アウサト』(28日付)は、ドイツ通信がシリア軍脱走兵に対して行った証言を掲載した。それによると、アリーを名乗る脱走兵は「政府はすべての人を殺し、真実を葬り去ろうとしていると悟った。こうした結末を見ることは耐えられず、こうした嘘に荷担できないと思った…。我々は嘘のなかで過ごしていた。彼らは人々が武装していると言った。でも我々は(現場に)着くと、人々は武装していない一般の民間人だった。しかし彼らに発砲するよう命令が出された」と述べたという。

また彼は弾圧が第4師団司令部のもとに行われており、その指揮官の「少将は大統領の弟のマーヒル・アサドの直接の指揮下にあった」と証言、弾圧を行う部隊に関して「体制に忠誠を尽くしている軍士官から構成されている前線部隊…。そして軍士官、シャッビーハ、諜報機関士官、そして狙撃兵」からなる部隊の二つからなっていたことを明らかにした。

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28日に公開された風刺画に関して、アリー・ファルザートはフェイスブックで自身の作品でないとのコメントを発表。

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イドリブ県知事は県内のウラマー、シャイフをイフタールに招待したが、ウラマー、シャイフらはモスクへの政府の弾圧に抗議して招待を拒否。

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革命調整評議会のムハンマド・ラッハール議長は『シャルク・アウサト』(28日付)に「評議会は近く革命の第二段階への移行することを決定した。同段階は武装を必要とし、革命は暴力へと向かうことになる」と述べた。その理由として「世界的な陰謀に晒され、インティファーダを武装闘争へと転じざるを得ない」と述べた。

アサド政権の動き

バッシャール・アサド大統領は政令第108号を発令し、新情報法を施行。新情報法は、アサド大統領の指示のもとに発足した情報法作成委員会(ターリブ・カーディー・アミーン委員長)のもとで作成が準備されていた。同委員会7月末に任務を終え、アーディル・サファル内閣に報告書を提出していた。

新法は、視聴覚・活字・インターネット・メディアを「自由と責任のバランスのもと」に調整することを最大の目的とし、報道の自由、言論の自由を保護するために活動する無所属の機関、国民情報会議の設置を定めている。

新法に関して、アドナーン・マフムード情報大臣は「情報に関するシリア世論のニーズに対応しており、表現・言論の自由の行使を保障し、政治的自由、社会対話を拡充し、国の民主的雰囲気を高める」と自賛。

またアミーン委員長によると、出版や情報発信をめぐる刑罰に禁固刑ではなく、罰金刑を科している点が特徴。

しかし第13条には、国民統合、国家安全保障、啓示宗教の教義に抵触する出版物、宗派主義的分断、犯罪、暴力行為、テロを唱導する出版物、軍・武装部隊に関する無許可の情報や報道を掲載する出版物は、発禁処分となる、と定められている。

新情報法全文はhttp://www.sana.sy/ara/360/2011/08/29/366489.htmを参照。

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『クッルナー・シュラカー』(28日付)によると、シリア人民議会議員でビジネスマンのムハンマド・ハムシュー氏が政党法の枠組みのもとで新党結成をめざす運動の一環として、ダマスカス県カフルスーサ区のリファーイー・モスクでの警官隊とシャッビーハの突入(27日)の停止を求める「演出」を行っていたとのフェイスブックの書き込みを転載した。同書き込みによると、同議員は突入直後に現場に駆けつけ、治安機関高官を説得して攻撃を停止されたほか、負傷したウラマーのリファーイー氏を見舞ったという。

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SANAは、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で武装テロ集団が農業銀行を襲撃し、40,000,000シリア・ポンドを強奪したと報じた。

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サーリフ・ラーシド教育大臣はダイル・ザウル教育局長のラーミー・ワヒード・ダッリーを解任し、ムハンマド・ハマーディー・アブドゥッラー氏を後任に任命。またダルアー教育局長のスブヒー・アブドゥー・ムーサッリー氏を解任し、ワーイル・ユースフ・ムハンマド氏を後任に任命。なお『クッルナー・シュラカー』(28日付)によると、ダイル・ザウル県では、当局がデモに参加した高校生に試験を受けさせないなどの措置を行うことで反体制運動の封じ込めを試みているという。

諸外国の動き

シリア情勢を審議するために開催されていたアラブ連盟和平フォローアップ委員会の緊急会合が声明を発表して閉幕した。

同声明では、アラブ連盟事務局長にダマスカスを早急に訪問し、「シリア政府に対して危機打開のため、アラブ・イニシアチブを発揮する旨」伝えるよう指示とともに、「手遅れになる前に流血を停止し、理性に基づき自制する必要、シリア国民の人権尊重」が強調され、アサド政権による反体制デモ弾圧に対して批判的立場を示した。

これに対して、シリア政府は、シリア代表を通じてアラブ連盟事務局に抗議文を提出、「(シリア政府は)この声明への完全なる留保を正式に明示し、それが発せられていないものとみなす…。この声明は、会合が発表の合意に至らないまま閉幕したにもかかわらず発せられた…。その文言は受け入れられず、偏っている」と拒否の姿勢を明示した。

複数の消息筋によると、「ダマスカスはアラビー事務総長の任務をあからさまに拒否していないが、彼のシリア訪問は実現したとしてもイード・アル=フィトル以降になるだろう」と述べる。

なお、議場となったアラブ連盟本部前では、シリア人、イエメン人ら数百人が反体制運動への支持を求めるデモを行った。

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ロシアのミハイル・ボクダノフ外務副大臣がシリアに到着。アラビーヤ・チャンネルが複数の消息筋の話として伝えたところによると、同副大臣はシリアに対して、即時暴力停止と軍・治安部隊の都市からの撤退を強く求め、それが実現しない場合、ロシアは国連安保理において、西側の制裁決議案の審議に応じることを余儀なくされるとの立場を伝えた。

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トルコのアブドゥッラー・ギュル大統領は、アナトリア通信とのインタビューで、「再三にわたる改革の約束を実行に移さず、暴力を停止しないシリア政府への信頼を失った」と述べた。

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シリア人権監視団は、サウジアラビア当局がアブドゥッラー国王による駐ダマスカス・サウジ大使召還を歓迎するための集会(8月12日、リヤド)を行い逮捕されていた164人のシリア人を釈放したことを確認したと発表。

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駐アンマン・シリア大使館前で27日の晩の夜の礼拝後にシリア人とヨルダン人数千人が礼拝を行い、その後アサド政権の打倒、シリア大使の追放、ヨルダン大使の召還、弾圧停止を求めた。このデモには、在外ヨルダン人逮捕者国民委員会の代表らも参加し、シリア国内に身柄拘束されているとされる253人のヨルダン人の釈放を求めた。

Alarabia.net, August 27, 2011、AFP, August 28, 2011、Akhbar al-Sharq, August 28, 2011, August 30, 2011、al-Hayat, August 29, 2011、Kull-na Shuraka’, August 27, 2011、August 28, 2011、Naharnet, August 28, 2011、Reuters, August 28, 2011、SANA, August 29, 2011、al-Sharq al-Awsat, August 28, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

ダマスカス県およびダマスカス郊外県で抗議行動開始以来「最大規模」の反体制デモが発生する一方、アラブ連盟和平フォローアップ委員会は緊急会合を開催(2011年8月27日)

反体制運動をめぐる動き

ダマスカス県内各地区およびダマスカス郊外県各地で3月に抗議行動が始まって以来「最大」(複数の目撃者)規模とされる反体制デモが発生した。デモでは「運命の夜」の礼拝後にダマスカス県カフルスーサ区にあるリファーイー・モスクを警官隊とシャッビーハの民兵数百人が包囲・襲撃し、2人を殺害、複数を負傷させたことに抗議するかたちで拡大した。

Ugarit News Network, August 28, 2011
Ugarit News Network, August 28, 2011

シリア革命調整連合によると、リファーイー・モスク内で夜明け前の礼拝を終えた住民がモスクから街頭に出て反体制デモを行おうとしたところ、警官隊とシャッビーハの弾圧に直面し、モスクに立てこもり抗議行動を続けた。

だがモスク内に警官隊・シャッビーハが突入し、座り込みを行う市民を殴打、2人が殺害され、13人が負傷した。

リファーイー・モスクでのデモと弾圧を受け、ダマスカス県内のほとんどの地区で17日早朝、大規模な抗議デモが発生。とりわけサーリヒーヤ地区、マイダーン地区、バルザ区、マーリキー地区、ザーヒラ地区、ムジュタヒド地区、ルクン・ディーン区で抗議行動は激しかった。

またダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市、アルバイン市、ザマルカー町、ドゥーマー市、カフルバトナー町、ザバダーニー市、マダーヤー町といった都市でもデモが行われ、ハジャル・アスワド市では「国民は大統領の処刑を望む」と連呼。シリア革命調整連合によると、治安部隊による弾圧にさらされた。

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一方、ダマスカス県カダム区、ヒムス市(アスマー・アフラスの家族の出身地)、ヒムス県タドムル市、ハマー県、ハサカ県各都市でもデモが発生した。しかしSANAはヒムス市で武装テロ集団が警官に発砲、1人が殺害されたと報じた。

またシリア人権監視団によると、イドリブ県のカフルルーマー村で犠牲者の葬儀に対して治安部隊が発砲し、10人が負傷。

このほか、ラタキア県のクサイル市、ラタキア市でもデモが発生し、2人が軍・治安部隊に殺害され、ダイル・ザウル市でもデモが発生した。

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ブルハーン・ガルユーン氏がアラブ連盟に書簡を送り、「シリア国民の要求への明確な指示、暴力停止、治安部隊の都市からの撤退、逮捕者釈放、あらゆる拷問の非難」の姿勢を示すよう求めた。

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シリア国民イニシアチブが声明を出し、「現地の状況を監視し、人権侵害を調査するためのアラブ常駐監視団の派遣」を求めた。

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アンタルヤのシリア変革大会は声明を出しアラブ連盟に対して、シリア国民の要求を支持するよう呼びかける。

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パリで行われた反体制デモに女性一人を含むシリア人の若者9人が暴行を加える。

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FIDHは「バッシャール・アサド:人道に対する犯罪人」と題されたアラビア語の報告書を発表。同報告書はシリアの人権団体7団体が作成したもので、3月15日から7月15日にかけての反体制デモ弾圧の詳細を記述、アサド政権が人道に対する罪を犯している可能性が高いことを認めている。

アサド政権の動き

アドナーン・マフムード情報大臣は外国の記者団と会見し、一部の衛星テレビ局などがダマスカス中心部の複数の広場でデモを行うよう扇動していると非難。

Kull-na Shuraka’, August 27, 2011
Kull-na Shuraka’, August 27, 2011

内務省は、SNSを通じて反体制活動家が呼びかける「運命の夜」(26~27日)の礼拝後のデモに参加しないよう国民に求めた。

3. 諸外国の動き

アラブ連盟和平フォローアップ委員会が今日夜緊急会合を開催。シリアへの弾圧停止、すべての当事者間の対話、改革の実施を求めることが目的。しかし、複数の消息筋によると、アサド政権下のシリアのメンバーシップを凍結する「リビア・シナリオ」に関して、「こうした提案は受け入れられないだろう」と否定。

イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣はダマスカスにデモ参加者の「合法的」要求に応えるよう呼びかけるとともに、アサド政権打倒については「政治的真空をもたらす」と警鐘を鳴らした。

AFP, August 27, 2011、Akhbar al-Sharq, August 28, 2011、al-Hayati, August 28, 2011、Kull-na Shuraka’, August 27, 2011、Reuters, August 27, 2011、SANA, August 28, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

「自由将校旅団」がヒムス県でシリア軍を士官らを襲撃したことを発表、ロシアは欧米諸国のイニシアティブに対抗し国連安保理でシリアに関する新たな決議案を提案(2011年8月26日)

反体制運動をめぐる動き

複数の都市で数万人が反体制デモを行った。フェイスブックの「シリア革命2100」ページはこのデモを「忍耐と貫徹の金曜日」と銘打った。

同ページの画像には、初めて「シリア革命総合委員会」のロゴが添付された。しかし治安部隊はデモ参加者を強制排除、少なくとも3人が殺害され、複数が負傷した。Facebook

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シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のアリー・ブン・アビー・ターリブ・モスクから街頭に出たデモに親体制派が発砲し、2人が殺害され、5人が負傷した。しかし、SANAは、ダイル・ザウル市の検問所に武装集団が発砲し、3人の治安維持部隊兵士が負傷、武装集団メンバー2人が殺害、と報じた。

ダイル・ザウル市では数千人がデモを行ったが、治安部隊が強制排除した。

またブーカマール市でもデモがあった。

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ダルアー県ナワー市では、ムハンマディー・モスクから街頭に出たデモ参加者に治安部隊が発砲し、シリア人権監視団によると、1人が死亡、3人が負傷した。また同県各地でデモが発生した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市バーブ・スィバーア地区で反体制デモが発生、治安部隊が強制排除を行うべく発砲した。デモは26日に殺害された犠牲者の葬儀をきっかけに発生した。

また同市バーブ・ドゥライブ地区での無差別発砲で2人が負傷。うち1人は4歳の少女。なお同市では体制打倒を叫ぶ約15,000人がハーリディーヤ地区でデモを行った。また数千人がバーブ・アムル地区、バーブ・スィバーア地区、クスール地区でデモを行った。

またシリア革命調整連合によると、ヒムス市郊外のクサイル市で装甲車が発砲し、6人のデモ参加者が負傷した。

このほか、数万人がヒムス県のタドムル市、ラスタン市、タルビーサ市でデモを行った。

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ダマスカス郊外県のダーライヤー市は、治安部隊がデモを強制排除する際に発砲し、1人が負傷。

ドゥーマー市では治安機関本部近くでデモが発生し、5人が負傷した。同市では約7,000人がデモに参加した。しかしSANAは、同本部が武装テロ集団によって襲撃されたと報じた。

またザバダーニー市、ハラスター市、カーラ市でもデモが発生、カナーキル村では約3,000人がデモに参加した。アルバイン市では約2,500人がデモに参加した。しかしいずれも治安部隊によって排除された。

ダマスカス県マイダーン地区のダカーク・モスク、ハサン・モスク、バルザ区、カダム区、カーブーン区ではデモが発生したが、治安部隊が強制排除。

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ハサカ県のカーミシュリー市では約5,000人がデモを行った。

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アレッポ市ではサーフール地区では数千人がデモに参加した。

またイドリブ市郊外でもデモが行われた。

SANA, Agusut 26, 2011
SANA, August 26, 2011

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オガレット・ニュース・ネットワークは「自由将校旅団」を名のる集団の声明を放送した。シリア軍を離反した士官からなる同集団は声明で以下のように発表し、ヒムスでシリア国軍士官2人を襲撃したことを明らかにした。

「タッルカラフ、ラスタン、タルビーサ、バーブ・アムル、バーブ・スィバーア、カラム・ザイトゥーン、クサイルでの第41大隊の惨殺と虐殺を踏まえ、将校旅団に属する軍離反者の英雄たちは非常に特別な作戦を実行した…。第41大隊司令官のアドナーン・ザイダーン・ディーブ准将の頭部を銃弾で狙い、危篤状態の末、(昨日)死に追いやった。また同大隊の治安部隊士官で作戦を主に調整してきたバッサーム大佐に銃弾3発を放った。うち1発は肩、1発は足、3発目は脊髄に命中した」(自由将校旅団の資料映像)。

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シリア・イスラーム民主無所属潮流は「御稜威の夜」を記念して声明を出し、反体制運動と体制打倒を改めて呼びかける。

アサド政権の動き

シリア・アラブ・テレビは24日のイフタールでアサド大統領がウラマーらの前で行った演説の一部を放映。

演説でアサド大統領は、「シリアは西欧の計略に立ちはだかる難所で、もしシリアが瓦解すれば、この難所が乗り越えられることになる」、「西欧は我々のことが嫌いであるとしても、我々が国民主義とイスラームを堅持するたびに我々を尊重せざるを得なくなっている…。彼らはイスラームのことを思想として好きではないが、その原則を誇示する者を尊重する」と述べた。

また現下の危機に関して「原因は高官であれ一般国民であれ道徳的なものであり…、解決策は道徳を確立することになる」との見解を示し、一部のウラマーがモスクの演壇を利用していることが「この危機を悪化させた」と指摘した。

シリア中央銀行のアディーブ・マイヤーラ総裁は西側諸国の制裁強化に関して、「我々は制裁と事件(反体制運動)によってさらなる困難に直面するだろう。我々は金融引き締め(財布のひもを引き締め)る必要がある」と述べた。

SANAによると、内務省は、風刺画家のアリー・ファルザート氏襲撃事件(25日、ダマスカス)の調査を開始した。ファルザート氏は治安当局に誘拐・暴行されたとも疑われている。

『クッルナー・シュラカー』(26日付)が労働者総連合消息筋の話として伝えたところによると、同連合は、シャッビーハや治安部隊によるデモ参加者の殺害を支援するなど、抗議行動弾圧において大きな役割を担っている。

 

諸外国の動き

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ロシアは国連安保理で西欧諸国による決議案をかわすべく、シリアに関する新たな決議案を突如提案した。

西側の決議案は、8月3日の安保理議長声明に盛り込まれていた文言に依拠し、「民間人に対するシリア当局の暴力行使」を非難し、アサド政権高官らへの制裁を定めているのに対し、ロシアの案は、アサド大統領の「改革の早期実施」を求める一方、反体制勢力に対しては街頭行動を停止し、政権との対話に応じるよう求めている。

国連の人権調査チームは「民間人の保護が急務」と発表した。26日、ファルハーン・ハック副報道官が発表した。「チームは全国レベルでの人権状況の危機がないもの、暴力の過剰な行使から民間人を保護することが急務だと結論づけた」。

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ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は南部のマールーン・ラース市で行われた世界エルサレムの日の祝典でテレビ演説を行った。

演説のなかでナスルッラー書記長はシリア政府の対イスラエル闘争における役割を賞賛したうえで、以下のように述べ、アサド政権への支持を改めて表明した。

「我々みな、そしてアラブ諸国民は改革や発展に基づく強いシリアを欲している。つまり、シリア、その国民、その地、その局民統合に対して友情や熱意を表明する者すべては、シリア情勢収束に向けた努力を行わねばならず、事態を対話と平和的問題対処へと促さねばならない。それ以外のいかなる方向、行為も、シリア、パレスチナ、そして地域全体にとって危険なものである。NATOの軍事介入を要求する者たちが、シリアの未来とその破壊のいずれを望んでいるのか?こうした連中は、シリアをレバノンのような宗派的に分断され、対立し合う国家にしようとしている…。アサド大統領は米国がシリアに改革ではなく譲歩を望んでいると述べた。我々はみなシリアが譲歩しないよう支えて、その力と立場を維持し、改革を実現させねばならない」(演説の映像)。

http://www.youtube.com/watch?v=9s_KOXNFhFs

フェイスブックの「レバノンの恥部リスト」ページは、アサド政権を支持するレバノンの俳優や芸術家のリストを作成し公開。

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カタールのハマド・ブン・ハリーファ・アール・サーニー首長は、イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領との会談後に声明を出し、シリアでの治安的解決が「失敗した」と述べ、シリア政府に「変化の要請を結実させる」よう呼びかけた。

また「シリア国民は自らが代償を払った今となっては要求をとりさげることはなかろう…。シリア国民は変化、公正、自由を求め、真の市民的大衆インティファーダを行うため街頭に出ている」と述べ、反体制運動への共感の意を示した。

AFP, August 26, 2011, August 27, 2011、Akhbar al-Sharq, August 26, 2011,
August 28, 2011、al-Hayat, August 27, 2011、Kull-na Shuraka’, August 26, 2011, August 27, 2011、Reuters,
August 26, 2011、SANA, August 25, 2011, August 26, 2011、August 27, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

反体制風刺画家がダマスカス県で誘拐され暴行を受ける、ロシアと中国は英国が呼びかけた国連安保理の非公式会合をボイコット(2011年8月25日)

反体制活動をめぐる動き

地元調整諸委員会などによると、反体制風刺画家のアリー・ファルザート氏が、早朝(朝2時)、治安機関とシャッビーハによって誘拐され、暴行を受けた。

地元調整諸委員会のウマル・イドリビー報道官によると、事務所から自宅に帰宅途中のファルザート氏は、ダマスカス県内ウマウィーイーン広場を車で移動中、治安機関とシャッビーハによって襲撃・誘拐され、暴行を加えられたうえ、空港への街道に放置された。ファルザート氏は左指骨折、左目重傷、頭、胸、右手などに傷を負った。また襲撃した「犯罪集団」はファルザート氏のカバンなどを持ち去った、という。

ファルザート氏はバッシャール・アサド政権発足後のシリア国内の改革機運のなかで、政権批判を行う風刺画家として注目を集めた。だが同氏の自家用車(メルセデス)はアサド政権から与えられたといった噂もある。

Akhbar al-Sharq, August 25, 2011
Akhbar al-Sharq, August 25, 2011

 

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シリア軍・治安部隊はダイル・ザウル市郊外に戦車などを増強。シリア人権監視団によると、同郊外のシュハイル、ブサイラ、そしてマヤーディーン郊外の村々に大規模な軍・治安部隊が展開し、シュハイルには戦車数十両が早朝進入し、無差別に砲撃しており、すでに女性1人が殺害された。

また治安部隊はダマスカス県内で大規模逮捕を行った。シリア人権監視団によると、治安要員約300人が早朝、ルクンッディーン区に完全武装して突入し、家宅捜索と逮捕を行った。また一昨日晩から昨日朝にかけての捜索活動で、マイダーン地区で1人が逮捕された。

ダマスカス郊外県のドゥーマー市では夜の礼拝後にデモが発生し、昨日未明まで続いた。また早朝、ザマルカー町、ムウダミーヤト・シャームに治安部隊が突入した。さらにマウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市、サフナーヤー市間の街道には軍・治安部隊が検問所を設置し、移動を制限した。

シリア人権監視団によると、ジャブラ市でも軍・治安部隊が大規模な捜索活動を敢行し、9人を逮捕。これに関して、SANAは関係当局の話として、ジャブラ市で大量の武器弾薬が押収されたと報じた。

一昨日晩から昨日未明までにヒムス市で1人が軍・治安部隊に撃たれ死亡し、1人が重傷を負った。またバーブ・ドゥライブ地区で激しい銃声が聞こえた。しかしSANAは、ヒムス県のラスタン市に軍が設置した検問所が武装テロ集団に襲撃され、3人の兵士が殺害されたと報じた。またタルビーサ市の検問所でも同様の襲撃があり、複数の兵士が負傷したと報じた。

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イスタンブールの反体制勢力指導者の一人アディーブ・シーシャクリー氏(1940年代末から1950年代前半にかけてシリアの軍事クーデタを首謀し、実権を握ったアディーブ・シーシャクリーの孫)は、「シリア国内の反体制勢力との調整にはさらに2週間が必要だが、すべての潮流が代表されねばならない」と述べた。

同氏によれば、会合の主要なメンバーはイスタンブールにとどまり、国内の反体制活動家との接触を継続しているという。

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シリア国民民主変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム総合調整役は、拡大会合を9月半ばに開催する予定であると発表。拡大会合には約300人の政党・政治組織代表、無所属活動家が出席する予定で、「民主主義への移行の方法、市民国家建設のしくみに関する行動計画案を審議し…、委員会の活動と組織を確立する」。また「新たな青年大衆社会諸集団も、政治諸勢力、愛国的書道名、文化的諸集団に完全に加わる」という。

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ユーチューブで26日の「忍耐と貫徹の金曜日」のデモで武装集団が破壊行為を行っている映像が、その前日の25日に公開される(資料映像)。

http://www.youtube.com/watch?v=7r7FIUpZYbc

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SANAは、トルコに避難していたジスル・シュグール市およびその郊外の住民113人がシリアに帰国したと報じた。

アサド政権の動き

シリア中央銀行のアディーブ・マイヤーラ総裁は、シリアが23日から米ドルの取引を停止し、外貨取引をユーロに完全に切り替えたとAFPに述べる。

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ムハンマド・マフルーフ氏(ラーミー・マフルーフ氏の父)はパリで声明を出し、イスタンブールの会合で発足準備がなされたシリア国民評議会メンバー候補者に自身が含まれていることを何ら認知していなかったことを明らかにする。

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サミール・カフターン・ハワーシュ氏が「帰属開発党」の公認申請を行った。同党は国民統合、国民としての帰属意識の強化、祖国と市民の能力開発などを目的とする、という。

諸外国の動き

B.リン・パスコー国連事務次長は潘基本事務総長が「シリアでの弾圧行為の継続は、改革への約束への信頼を損ねる」と述べ、「国民に対する暴力の停止と、軍事作戦停止という誓約遵守」を求めるとともに、シリアでの人権侵害調査のために人権理事会が発足を決定した国際調査委員会への完全なる協力を求めたと伝えた。

国連の人権調査チームはシリアでの任務を終えた。同チームはダマスカス、ヒムス、バーニヤース、ラタキア、ハマー、アレッポ、イドリブを視察した。

こうしたなか、ロシアと中国は、英国が呼びかけた国連安保理の非公式会合をボイコットした。この非公式会合ではアサド大統領を含むシリア政府高官らへの制裁を定める決議案が審議された。

これに関して、西側外交筋は、ロシア、中国のボイコットを「国際の平和と安全を担う責任をもつ常任理事国として受け入れられない行為」と非難。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣はトルコのNTVとのインタビューで、「我々はシリアにおいて選択せねばならないなら、国民の側につくだろう」と述べる。

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イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領は、ヒズブッラーが運営するテレビ局マナールとのインタビューで、「一つの国のなかで、国民と政府高官との間に問題が発生したら、互いに席につき、暴力を遠ざけ、妥協策に至らねばならない」と述べた。

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デンマークの運輸・石油会社The A.P. Moller – Maersk Groupのスポークスマンは、西側諸国の制裁発動に呼応し、バーニヤースの石油精製所からの請求輸送に関する合意を破棄すると発表。

AFP, August 25, 2011、AKI, August 25, 2011、AP, August 25, 2011、Akhbar al-Sharq, August 26, 2011、al-Hayat, August 26, 2011, August 27, 2011、Kull-na Shuraka’, August 25, 2011, August
26, 2011、August 27, 2011、al-Manar, August 25, 2011、Reuters, August 26,
2011、SANA, August 26, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

ダマスカス郊外県、ダイル・ザウル県、ヒムス県などでの大規模な治安作戦により死者が発生、国民調整委員会は国民評議会結成にあたっての反体制派会合をボイコットしたと発表(2011年8月24日)

反体制運動をめぐる動き

シリア治安部隊は各地での反体制デモに対して発砲、少なくとも8人が殺害された。大規模な捜索活動を行い、数十人を逮捕した。

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ダマスカス郊外県では、23日から体制打倒を求める大規模デモが続くハラスターで、治安部隊は大規模な捜索活動約40人を逮捕した。シリア人権監視団によると、ハラスター以外でも、一昨日晩から体制打倒を求める大規模デモがドゥーマー市、ダーライヤー市、ザバダーニー市、カナーキル村、キスワ市、マダーヤー町で続いている。

ダイル・ザウル県では、複数の活動家によると、イラク国境近くの部族が居住する地域で、軍が大規模な捜索活動を行い、数十人を逮捕した。またイラク国境のマヤーディーン市、ブルハーマ村に、シリア軍の戦車や軍用車輌20~30輌が進入した。

ヒムス県では、地元調整委員会によると、ヒムス市で4人、タルビーサ市で2人が殺害された。またタルビーサ市では、3人が負傷し、うち1人が重体となる一方、軍・治安部隊は市内での犠牲者の葬儀とデモを禁じるために集中的に展開し、市民を逮捕しているという。

シリア人権監視団もタルビーサでの激しい弾圧が行われたと報じた。

一方、同監視団によると、ヒムス市のバーブ・スィバーア地区で6台の軍装甲車が目撃され、同地区の出入りを禁止するための検問所が設置された。さらにタドムル市では、15歳の青年の葬儀が大規模デモに発展し、数万人が参加した。

しかし軍消息筋は、ヒムス県で武装集団の襲撃により、士官1人を含む兵士8人が殺害されたと発表した。

イドリブ県では、地元調整委員会によると、ハーン・シャイフーンで1人が死亡した。

シリア人権監視団によると、18歳の青年が約1週間前にハーン・シャイフーンに突入した治安機関に逮捕され、拷問の末、死亡した、という。

ハマー県では、ハマー市ジャラージマ地区、バシール・ヒンディー氏が誘拐され、殺害された。

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シリア国民民主変革諸勢力国民調整委員会総合調整役でシリア国民民主連合スポークスマンのハサン・アブドゥルアズィーム弁護士は『ラアユ』(24日付)に声明を発表し、イスタンブールで開催された国民評議会発足のための反体制勢力の会合に同委員会が参加しなかったことを明らかにした。

アブドゥルアズィーム弁護士は、「国民調整委員会は適切な環境が作り出され、また対話が有効な結果をもたらすことが保障されることなく、いかなる対話にも参加しない」と述べ、アサド政権が呼びかけた国民対話委員会をボイコットしたのと同様の理由で国外の会合には参加しないとの姿勢を示した。また会合に参加しているとされた委員会メンバーの一人ハーズィム・ナハール氏もイスタンブールではなくUAEに滞在している、という。

Kull-na Shuraka', August 24, 2011
Kull-na Shuraka’, August 24, 2011

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シリア人権監視団は、サウジのアブドゥッラー国王が複数のシリア人活動家を釈放したことを歓迎。釈放された活動家に関して、監視団は「サウジアラビアで就労しているシリア人164人が、アブドゥッラー国王が駐ダマスカス大使の召還を宣言した直後の8月12日にリヤードでデモを行い、シリアにおける危機解決のため、暴力停止を求めていた」と明らかにした。

アサド政権の動き

ワリード・ムアッリム外務大臣は、ロバート・フォード米大使のジャースィム訪問を受けるかたちで、米仏両国大使に正式な許可なくダマスカスを出ないよう改めて警告した。

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アッタール・グループ(ホテル業、銀行業、保険業などを経営)のアブドゥルガニー・アッタール副代表は、「抗議行動の最初の3ヶ月間はすべてがストップし、消費者は麻痺状態に陥ったが、経済活動は前年比で40%停滞しつつも、6月以来回復している」と述べた。

また「国内生産の70%を占める民間セクターは依然として持ちこたえているが、状況が来年初めまでに改善しなければ、経済は実施的な打撃を被り、従業員の解雇を行わざるを得なくなるだろう」と警鐘を鳴らした。

諸外国の動き

EUが官報(24日付)で、制裁リストに追記するアサド政権高官ら氏名を公表した。

追加制裁の対象には、ハーイル・アサド准将(第4師団軍警察長)、アリー・サーリム(国防省軍保険局長)、ニザール・アスアド(リード社社長)、ラフィーク・シハーダ准将(軍事情報局第293課長)、ジャーミア・ジャーミア、ムハンマド・ナースィーフ、ムハンマド・サイード・バヒーターン、ムハンマド・ザマリーニー(軍事情報局ヒムス支部長)、ムニール・アドヌーフ中将(副参謀長)、ガッサーン・ハリール(総合情報部情報課長)、ムハンマド・ジャービル(ビジネスマン、シャッビーハへの支援、マーヒル・アサドに近い)、サミール・ハサン(マーヒル・アサドに近い)、アリー・ドゥーバー、ヌーファル・フサイン准将(軍事情報局イドリブ支部長、サラミーヤ出身の意須磨ーイーリー派)、フサーム・スーカール(治安問題担当大統領顧問、チェルケス人)のほか、イラン・イスラーム革命防衛隊のクドス軍団も含まれている。

また西側外交筋は、EU諸国による石油産品に対する制裁は来週末に発動されるだろうと述べた。

こうした動きと関連して、英国の石油会社ガルフサンズ石油は、米国やEUによる制裁を遵守するとの立場を明示した。またラーミー・マフルーフ氏がマシュリク投資会社を通じて株式の5.75%を保有していることに関して、2000年にシリア国内での事業を開始した当初からマフルーフ氏との「建設的通商関係」を結んでいたとしたうえで、「こうした関係は純粋に商業的な観点から結ばれており、適切に処理され、法律に基づいていた」と弁明した。そのうえで英石油会社ガルフザンズは、ラーミー・マフルーフ氏への株式配当と議決権を停止したと発表。

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ニコラ・サルコジ仏大統領は、記者団の前で「シリア国民にも民主主義を求める権利がある。彼らは体制の弾圧によって支配されるべきでない…。フランスは国連決議なしには介入しない。これが原則だ」と述べ、軍事介入の可能性を否定した。

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レバノン軍諜報当局はシリア国内で反体制活動を行うイスラーム主義者ズハイル・ナッジャール氏をトリポリ市内のシリア反体制イスラーム主義組織事務所で逮捕、同日晩に釈放した。

ズハイル・アバーズィード氏(「シリア・ウラマー・シャリーア学生」のスポークスマン)はナッジャール氏が武装した何者かに誘拐されていたと発表していた。シリアでの弾圧を逃れてトリポリ市に滞在している彼らは、毎週金曜日にトリポリ市内でアサド政権打倒をめざしてデモを行っているという。

『ムスタクバル』(24日付)によると、ヒズブッラーが運営するテレビ局マナールはシリア政府高官からアサド大統領のインタビューについて詳細に報じなかったことへの不快感を伝えられた。

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ロシアのヴィタリー・イワノヴィッチ・チュルキン国連代表は、「一部の国がシリアへの制裁を科すべくとっている路線は危険な戦略だ」としたうえで、「安保理はシリア人どうしの対話と政治的解決を奨励するとともに、宣言された改革を奨励し、そのために時間を与えるべき」と述べた。また「警察署、国家機関を狙う武装集団に目を向けるべき」と訴えた。

AFP, August 24, 2011、Akhbar al-Sharq, August 24, 2011, August 25, 2011, August 26, 2011、2011、al-Hayat, August 25, 2011, August 26, 2011、Kull-na Shuraka‘, August 24, 2011, August 26, 2011、al-Mustaqbal, August 24, 2011、al-Ra’y, August 24、Reuters, August 24, 2011、SANA, August 25, 2011、UPI, August
24, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

イスタンブールで「シリア国民評議会」の発足が宣言、国連人権理事会はシリアでの人権侵害状況の調査に向けた委員会設置を定める決議を33カ国の賛成で可決(2011年8月23日)

反体制運動をめぐる動き

ヒムス県では8人が軍・治安部隊の弾圧で殺害された。シリア人権監視団によると、ヒムス市グータ地区に軍・治安部隊が突入した。しかしSANAは、武装集団がヒムス県で14人の市民を誘拐、拷問の末に殺害したと報じた。

ハマー県では、シリア軍・治安部隊がハマー市郊外を砲撃、目撃者によると「軍とともにシャッビーハがいた」。複数の活動家によると5人が殺害された。

シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル県のクーリーヤ市、ティヤーナ村に治安部隊が突入し、数十人を逮捕。またダイル・ザウル市でもジャウラ地区などで大規模な捜索活動が行われ、数百人が逮捕された。

シリア人権監視団によると、イドリブ県では、カフルナブル市の説教師でウマル・ムスタファー氏が死亡。同氏はフバイト村で狙撃兵に撃たれて重体だった。またサラーキブ市でも治安部隊が突入し、活動家のウサーマ・フサイン氏、ハーイル・ダルウィーシュ氏を逮捕した。

ダマスカス県内シャーム・パレス近くにある弁護士組合本部で弁護士数十人がアサド政権によるデモ弾圧に抗議する座り込みを断行するが、程なく治安機関、シャッビーハが強制排除した、と複数のメディアが報じた。

しかし衛星テレビ局ドゥンヤーは、デモが発生したとの報道を否定、ロバート・フォード米大使がシャーム・パレス近くを訪れ、一部の市民に反体制デモを行うよう扇動したところ、アサド政権を支持する通行人に包囲され、騒動が生じたと報じた。

こうしたなか、弁護士組合ハサカ支部長はハサカ市内の組合施設での同様の座り込みを禁止した。

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イスタンブールでは、反体制勢力が4日間にわたる会合を閉幕し、反体制運動の調整を目的とした「国民評議会」の発足を宣言した。発足宣言はアフマド・マダーン氏が記者会見で行った。

会合は20日に開幕し、当初は2日間の予定だったが、2日間延長されていた。

「シリア国民評議会宣言に向けて」と題された閉幕声明では、「すべての反体制組織の統一は危機的状況下において不可欠であり、本評議会創設者たちは複数の反体制潮流に属している」と述べ、シリア国内外の様々な反体制勢力を代表していることをアピールした。

また国民評議会に関して、在米の反体制活動家で政治問題の専門家であるルワイユ・サーフィー氏は、国民評議会が「2週間以内に会合を開き、指導部メンバーと書記長を選出する」と述べた。同評議会は、60人の在外活動家、60人の国内活動家から構成され、国内外のさまざまな反体制勢力の代表が参加する、という。

こうしたなか、『スーリーユーン・ネット』(23日付)は、在米シリア人反体制活動家筋の話として、「統一暫定評議会」発足に向けた準備がほぼ完了したと報じた。同評議会は55人から構成され、うち16人がテクノクラート、10人がアンタリア国民変革大会の参加者、7人がブリュッセル大会の参加者、8人が国民救済大会の参加者、4人が世俗主義者、2人がウラマー、8人が青年活動家からなり、また女性、左派、世俗主義者、ドゥルーズ派、イスマーイール派、アラウィー派などの宗派なども包摂されている。一部の反体制活動家は評議会発足に合意していないが、現在協議中だという。

この動きに関連して、シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者、ムハンマド・アブドゥッラー氏らはアラビーヤなどで発足が近いと述べている。

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しかしイスタンブールでの国民評議会発足宣言は、反体制勢力の不協和音を強めた。

アンタキア・シリア変革大会はイスタンブールで開催された国民評議会発足のための会合からの脱会を宣言する声明を発表。声明のなかで、同大会は、反体制勢力の糾合する姿勢を支持するとしながらも、国民評議会発足に代表される民主的な基準が考慮されていないいかなる措置や努力にも与しないとの立場を示した。

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一方、ダマスカス宣言執行部がダマスカス県内で会合を開き、反体制活動家が提起した「すべての場所のシリア人解放運動家への呼びかけ」や反体制運動の近況について審議。国内外の反体制勢力の糾合をめざすという考え方に賛同しつつ、変革のための明確なビジョンが提示されるべきとの認識に至った。そのうえでダマスカス宣言にとっての「変革」が、既存の政治体制の転換を意味しており、アサド現政権による変化を意図していないとの立場を示した。

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アッシリア民主機構はシリア国内の他のアッシリア教徒の組織と会合を開き、アサド政権崩壊後をにらんで、政治連合を発足することで合意。また政治綱領などを採択するための会合を27日に開催することを決定。

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フェイスブックなどを通じて反体制活動を行う複数の団体が、同サイト上で「アレッポ・シリア革命調整連合」の発足を宣言。参加組織は以下の通り。

1. 反アサド政権アレッポ革命、2. アレッポ市および郊外平和的変革解放運動家連合、3. アレッポ解放運動青年、4. サラーフッディーン革命運動家調整連合、5. アレッポ・
アアザーズ青年、6. アンダーン解放運動家青年調整委員会、7. タッル・リフアト・アレッポ郊外調整委員会、8. マーリア革命青年調整連合、9. ジャラーブルス解放運動家、10. マンビジ反バッシャール・アルアサド・シリア革命、そのほかウェブサイトを運営していない様々な組織。

アサド政権の動き

アサド大統領は政令第107号を発令し、地方自治法(改正法)を施行。SANAによると、同法は「権力と責任の非中央集権の実現、民主主義の原則のための権力と責任の人民への集中」をめざし、地方自治体の権力や権限を拡大し、地方自治体の経済、社会、文化、建設といった面での開発を担うことを保障した。また地方自治体は開発計画策定、実行を行うことができるようになる。

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アーディル・サファル内閣は閣議を開催。行政改革近代化委員会の提言に関する審議を行う。

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「シリアは元気です」の参加者はダマスカス県内のティシュリーン軍事病院を訪問、反体制デモ弾圧で負傷した軍・武装部隊兵士らを見舞った。

諸外国の動き

国連人権理事会は、シリアでの人権侵害を非難し、同国の人権侵害状況を調査するための委員会の設置を定めた決議を33カ国の賛成で可決した。決議は委員会メンバーの米国、英仏独、ポルトガル、サウジアラビア、ヨルダン、カタール、クウェートが作成・提出し、シリア政府に調査委員会への全面協力を求めるとともに、9月末までに国連事務総長および関係各機関への委員会報告を定めている。

しかしロシア、中国、キューバなど4カ国が、決議内容を「バランスを欠く」、「問題を複雑にするだけ」と非難し、採決では反対票を投じた。また9カ国が棄権した。

シリアのファイサル・ハッバーズ・ハマウィー代表は、「動機は100%政治的だ」と述べたうえで、「シリア独自の調査が完了したうえで国際人権チームを受け入れる」と述べた。

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米英仏独、そしてポルトガルは、国連人権理事会での決議採択を追い風とするかたちで、アサド政権高官への制裁を目的とする国連安保理決議案を提出した。

同決議案は、アサド大統領を含む23人の資産凍結、渡航禁止、武器禁輸を定めているが、「国連憲章第7章第41条に基づき」という表現で軍事介入の可能性を排除している。

安保理決議案で制裁対象となっている政府高官は以下の通り。

バッシャール・アサド、マーヒル・アサド、アリー・マムルーク、アースィフ・シャウカト、ジャミール・ハサン、アブドゥルファッターフ・クドスィーヤ、ムハンマド・ディーブ・ザイトゥーン、ムハンマド・ナースィーフ、ヒシャーム・ビフティヤール、ハーフィズ・マフルーフ、アーティフ・ナジーブ、ルストゥム・ガッザーラ、イヤード・マフルーフ、ダーウード・ラージハ、ムハンマド・イブラーヒーム・シャッアール、ファールーク・シャルア、ラーミー・マフルーフ、タウフィーク・ユーニス、ムハンマド・アムハド・ムフリフ、アムジャド・アッバース、ファウワーズ・アサド、ムンズィル・アサド、アイマン・ジャービル。

また資産凍結の対象となる機関は、ビナー機構、マシュリク投資会社、軍住宅機構、総合情報部。

在米の反体制活動家ラドワーン・ズィヤーダ氏は、人権理事会の決議について「すばらしい。強い決議だ。安保理にも大いに圧力をかけることになる」と絶賛。

また西側諸国の攻勢に関連して、米国務省高官は米国の追加制裁がアサド政権の財源を大きく制約するだろう、と述べた。

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ロバート・フォード駐シリア米大使はダルアー県のジャースィム市をシリア側の許可を得ず訪問した。

スーザン・ライス米国連代表はCNNとのインタビューで、リビアでの体制崩壊に関連して、「リビアで起きていることが(アサド政権に)明確なメッセージとなっている」と述べる。

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中国外交部報道官は、米国や西側諸国によるアサド大統領退任要求といった圧力を非難し、国家の将来は国内で決せられるべきとの立場を示した。その一方、「シリアのすべての当事者にさらなる自制と暴力行為の回避」を呼びかけた。

AFP, August 23, 2011、Akhbar al-Sharq, August 23, 2011、August 24, 2011、AKI, August 23, 2011、al-Hayat, August 24, 2011、Kull-na Shuraka’, August 23, 2011, August 27, 2011、August
24, 2011、Reuters, August 23, 2011、SANA, August 24, 2011、Sooryoon.net, August
23, 2011、UPI, August 23, 2011などをもとに作成。

 

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国連の人権調査チームが訪問したヒムス市で発生した反体制デモへの弾圧により8人が死亡、イラク大統領は現体制を支持するとの書簡をアサド大統領に送付(2011年8月22日)

反体制運動をめぐる動き

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長によると、国連の人権調査チームが訪問したヒムス市で反体制デモが発生し、治安部隊とシャッビーハが発砲、犠牲者は8人にのぼった。

デモは国連人権調査チームが到着したことを聞きつけた市民が行い、数百人がアブドゥッラフマーン・ダルービー通りに集まったという。オガレット・ニュース・ネットワークとシャーム・ニュース・ネットワークは国連の人権調査チーム訪問中にヒムス市内で治安部隊がデモ参加者に発砲する映像を配信(資料映像はhttp://www.youtube.com/watch?v=m6cjb-q5274&feature=player_embeddedなどを参照)。

http://www.youtube.com/watch?v=m6cjb-q5274&feature=player_embedded

これを受け、シリアの治安当局は国連人権調査チームに対しヒムス市からの退去を要請した。デモ弾圧後、ファルハーンファルハーン・ハック国連報道官によると、「人権調査チームは(月曜日)に予定通りヒムス市に向かった。同地でデモが発生し、調査チームは安全上の理由で同地を去るよう要請された」と発表したうえで、「デモは人権調査チームがいた場所から遠い街中で発生し、チームは発砲が目撃された地域には訪問しなかった」と述べた。

一方、SANAは、国連の人権調査チームの訪問に合わせるかたちで、ヒムス県庁前で警官が武装集団の襲撃を受け、1人が殉職、複数が負傷したと報じた。

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シリア人権監視団によると、アサド大統領のインタビュー番組での発言を支持するためにシャッビーハが街頭に出て、ミスヤーフ市で発砲、市民2人を殺害、4人が負傷した。

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弁護士組合ラッカ支部前で反体制デモを支持する座り込みを行った弁護士7人が逮捕された。

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「モスクワ・ニュース」(22日付)によると、カイロのワフド党本部で、在外シリア人反体制活動家やエジプトなどアラブ諸国の政治家が会合を開き、「自由シリア人連合」の結成を宣言した。

同組織は「すべての当事者、潮流、見解に開放された協議会」であり、近代的市民国家としての新たなシリアの建設をめざす。報道官はシャーディー・ハッシュ氏が務める。

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シリア・アラブ人権機構のアンマール・カルビー会長はシリア・アラブ・テレビでの21日のバッシャール・アサド大統領のインタビューに関して、アラビーヤの番組「パノラマ」で「アサド(大統領)の演説から理解できたことは唯一、『我々はシリアが終わるまで打倒されない』というものだ」と非難。

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シリア言論犯良心犯擁護センターのハリール・マアトゥーク弁護士は、シリア人権連盟のアブドゥルカリーム・リーハーウィー会長(8月11日身柄拘束)が不起訴処分で釈放されたと発表した。

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アラブ諸国に滞在するシリア人ウラマー、シャイフ50人が共同声明を出し、アサド政権の弾圧に抗議。

アサド政権の動き

アサド大統領は大統領令第28号(2011年)を発し、政党問題委員会を設置した。同委員会はムハンマド・シャッアール内務大臣が議長を務め、控訴裁判所のムハンマド・ラキーヤ副裁判長、イブラーヒム・マーリキー言語氏、ムハンマド・ムラッシャハ氏、アリー・ムルヒム弁護士からなり、政党法に伴う政党公認申請などに対処する。

同委員会設置に合わせるかたちで、無所属のビジネスマンのザーヒル・サアドッディーン氏らが民主社会党と称する政党の発足準備を本格化し、近く公認申請を提出する。同氏は『ハヤート』(23日付)に対して、約50人の無所属のビジネスマン、有識者が参加すると述べた。

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SANAによると、ダマスカス県庁前(ユースフ・アズム広場)、アレッポ市サアドゥッラー・ジャービリー広場(サアドゥッラー・ジャービリー地区)、スワイダー市、ハサカ市、ラッカ市など各地でアサド政権を支持する市民が大規模集会を開き、シリアの愛国的・民族主義的諸原則、主権と独立の維持を支持、治安と安定を揺るがす試みへの拒否の姿勢を訴えた。

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「シリアは元気です」キャンペーンに参加した外国人約250人がハマー市を訪問し、現地を視察。

SANA, August 23, 2011
SANA, August 23, 2011

諸外国の動き

潘基文国連事務総長は記者団に対して、「自分の言葉を守らないことは不快感を引き起こす。彼が国際社会のよびかけのすべてに応えることを率直に望んでいる」と述べ、先週の電話会談での誓約を無視するアサド政権を非難した。この発言は、国連人権調査チームが訪問したヒムス市でデモ参加者が殺害されたことを受けた発言である。

ナバネセム・ピレイ国連人権高等弁務官は、国連人権理事会特別会合の場で3月半ば以降のシリアでの抗議行動の死者数が2,200人にのぼり、ラマダーン月(8月)だけで350人が殺害されたと述べた。

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国連人権理事会は特別会合でシリアでの弾圧の継続を非難。特別会合はサウジアラビア、ヨルダン、カタール、クウェートのアラブ諸国4カ国を含む24カ国の要請で召集された。同会合ではシリアに暴力の即時停止、独立調査委員会の派遣、そして同委員会による人権侵害状況の調査を求める決議が採択される模様。

シリアのファイサル・ハマウィー代表は、この動きに対して、「決議の採択はシリアの危機を長引かせる以外の何ものでもない」と非難の意を示した。

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西側外交筋は、シリアの石油・ガス部門に対するEU制裁が23日に発効すると述べた。

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ガダンファル・ロクン・アバーディー駐レバノン・イラン大使は、リビアの反体制勢力によるトリポリ制圧との関連で、「リビアの体制崩壊はシリアの体制に影響を及ぼさない。この問題はシリアの体制とは無関係」と述べ、アサド政権の改革を支持する立場を改めて確認した。

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SANAによると、レバノンのアドナーン・マンスール外務大臣は、シリアの治安と安全の回復をレバノンが欲しており、そのための支援を惜しまないとの意思を改めて表明。

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SANAによると、アサド大統領はイラクのジャラール・ターラバーニー大統領からの親書を受け取った。同親書には、シリアの治安と安定を標的とする計略に対抗するシリアをイラクが支援するとの意思が記されていた。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、シリア情勢を「悲観している」と述べ、「エジプト、チュニジアの経験を役立てる」よう呼びかけた。

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アズハル機構はアサド政権に対して、「流血の即時停止」を改めて求めた。

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アラン・ジュペ仏外務大臣はフランスのTV1とのインタビューで、リビアの体制崩壊に関して「シリアに大きな影響を与えるだろう」と述べるとともに、シリアへの軍事干渉の可能性については否定しつつも、「しかし我々は圧力を強化する。我々はバッシャール・アサドが政権にとどまることはできないと考える」と強調した。

AFP, August 22, 2011、AP, August 22, 2011、Akhbar al-Sharq, August 22, 2011, August 23, 2011, August 24, 2011, August 25, 2011、Alarabia.com, August 22, 2011、al-Hayat, August 23, 2011、Kull-na Shuraka’, August 22, 2011、Moscow News, August 22, 2011、Reuters, August 22, 2011、SANA, August 23, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

アサド大統領が国営放送のインタビューに応じこれまでの抗議行動について語る、イラン外務省高官「米国はあからさまな介入を始めた」(2011年8月21日)

アサド政権の動き

バッシャール・アサド大統領は国営のシリア・アラブ・テレビのインタビューに応じ、3月半ば以降の国内の反体制抗議行動について語った。アサド大統領がSANAのインタビューに応じるのは大統領就任以降初めて。

インタビューでアサド大統領は、軍・治安部隊によるデモ弾圧を次のように正当化し、治安回復作戦が一定の成果を上げているとの見解を示した。

「現在の治安状況は、過去数週間、とりわけ先週金曜日、武装活動の性格を強めており、軍・警察・治安機関などの拠点が襲撃され、爆弾が投げ込まれ、暗殺作戦、民間のバスや軍用バスへの要撃が多発している。これは危険に思える…が、我々は実際問題として、これらに対処し得ている。我々は現在必ずしも成功しているとは言い得ない治安維持活動に関して調査を開始したが、現在のこうした事態を懸念していない。そう、治安面で現状は改善していると言える…。治安的解決、治安的選択といった言葉など存在しない。政治的解決があるだけだ。これは軍事的な目的でなく、政治的目的を実現するために軍をもって戦争を行う国の場合においてもである…。シリアの解決策は政治的なものだが、警察、治安部隊、対暴動部隊、対テロ部隊など、治安維持を担当する機関を通じて対処せねばならない治安状況が存在する…。我々が事件発生当初、政治的解決を選択していなかったら、我々は改革に向かっていなかった…」。

そのうえで、国内でのデモ弾圧を正当化する一方、西側諸国による退任要求については、こう述べた。

「(退任要求に)答えることを控えることで、我々はあなた方(西側)の言葉には何の価値もないと言っている…。この言葉は、地位に固執しておらず、また西側が選んだ訳でもない大統領に対して言われるものではない。シリア国民が選んだ大統領に対して言われるべき言葉ではない。大統領は米国が作り出したものではない」。

西側諸国の改革要求に関しては「彼らの目的は改革ではない。なぜなら彼らは改革を望んでいないからだ。とりわけ西側の植民地主義諸国はレジスタンスの権利、自衛権などを奪おうとしている」としたうえで、「シリアに対するいかなる軍事行動も耐えられないほどのきわめて大きな影響をもたらすだろう」と述べた。

SANA, August 22, 2011
SANA, August 22, 2011

国内での改革については「憲法第8条であれ、他の条文であれ、憲法再検討がなされていることは自明のことだ」としたうえで、人民議会選挙を来年2月に実施する予定であると述べた。

アサド大統領のインタビュー全文アラビア語はhttp://www.sana.sy/ara/2/2011/08/22/365273.htmを参照。

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SANAによると、安全、民主的、独立したシリアを実現すべく活動するシリアの無所属の青年らが、反体制勢力や国際社会に対抗するため「シリアは元気です」と称するキャンペーンを主催した。

この運動には、エドワード・L・ペック元駐イラク米大使、ロシア、フランス、トルコ、イランのテレビ局など、アラブ諸国・諸外国18カ国の国会議員、政治家、メディア関係者・機関、有識者約250人が参加。聖マリア教会、アズム宮殿、旧市街のスークを訪問。近々にシリア国内の事件現場を訪問し、実際に起きていることを明らかにすることが目的だという。

「シリアは元気です」に参加したペック元駐イラク米大使はSANAに対して、「シリアが直面している危機の解決はシリア内でなされるべきであり、外部から押しつけられるべきでない」と述べた。

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SANAによると、ジスル・シュグール市およびその近郊からトルコに避難していたシリア人避難民121人が帰国。

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税関当局はシリア・イラク国境で、バグダードからシリアに向かって入国しようとしたイラク車輌に隠された大量の武器弾薬を押収。

反体制デモをめぐる動き

国連の人権調査チームの訪問(20日)を受けるかたちで、軍・治安部隊は日中の治安回復作戦を停止し、大規模な弾圧、逮捕、追跡は行われなかった。しかしアサド大統領のインタビュー放映後、ダマスカス、アレッポ、ハマー、ヒムス、ダイル・ザウル、ハウラーン地方(ダルアー)などで政権打倒とアサド大統領の処刑を叫ぶデモが発生した。これに対して、治安部隊は実弾で対応した。

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一方、シリア国民評議会の発足をめざすイスタンブールでの反体制勢力の会合は、シリア革命総合委員会との対立を助長し、評議会発足も見送られた。

Kull-na Shuraka', August 21, 2011
Kull-na Shuraka’, August 21, 2011

シリア革命総合委員会は声明を発表し、「多くの大会開催、大会の呼びかけがなされ、その一部は暫定評議会や暫定政府の発足を呼びかけている…。しかしこれらは革命に消極的な影響を与える…。シリア革命を支持する国内害の反体制勢力統合の真の努力を支持する」としつつ、「国益と革命」のため「シリア国民を代表しようとするいかなる計画も延期することを望む」と述べ、シリア国民評議会の発足に異議を唱えた。

これに対して、イスタンブールでの会合では、とりわけイスラーム主義者が評議会発足に積極的な姿勢をとった。アブドゥッラフマーン・ハーッジ氏は「この会合の目的は評議会発足宣言であり、それは国内の活動家60人、国内の活動家60人、合わせて120人によって構成されるだろう」と述べた。また「行われた議論は、さまざまな国民諸勢力、国内外のオピニオン・リーダーたちをどのように代表するかという基準を画定することに集中した」ことを明らかにし、「イスラーム主義、クルド人、リベラリスト、左派などすべてのシリア社会の成員が参加し、女性はメンバーの16%を占めるだろう」と述べた。

シリア革命総合委員会が評議会発足のための会合を開催することに慎重な姿勢を示したことに対しては、ハーッジ氏は「我々と総合委員会高官の間で対話が行われている。(評議委員会発足)をめぐる決定を待って欲しいとの要請が総合委員会からあったので、我々は評議会宣言を延期した」と述べた。

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国内で反体制活動に加わっていたブルハーン・ガルユーン氏の弟、ムハンマド・ハイイル・ガルユーン氏が逮捕された。

シリア・アラブ人権機構事務局メンバーのラースィム・サイイド・スライマーン・アタースィー氏が逮捕された。同機構のマフムード・マルイー会長よりElaph.comが入手した声明によると、アタースィー氏はヒムスで身柄拘束され、2人の人物にそれぞれ10,000ポンドと小銃を与え、ヒムス市のデモに参加するよう依頼したとの証言を治安当局によってねつ造され、逮捕となった、という。

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ロンドンでシリア人ら数千人が「シリア革命」を支持する行進を行った。参加者はロンドン市内の首相官邸に向かって行進した。

諸外国の動き

イラン外務省のホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン中東湾岸局長はイランのメフル通信社に対して、間接的な介入の試みが失敗したのを受け、米国が武装テロ集団の支援増強を通じてシリアへの直接的であからさまな介入を始めた、と米国を非難する一方、シリア国民が外国のあからさまな介入と真の要求を区別でき、シリアの治安と安定を揺るがそうとする敵の計略を挫折させるとの自らの確信を表明した。

国際赤十字委員会は声明を出し、近く同委員会が抗議行動開始以来逮捕身柄拘束された数千人を訪問視察することになると発表。

レバノンの北部県ミニヤ郡市民社会諸組織が、ミニヤ市内でシリア国民との連帯を表明する集会を開催。またイスラーム解放党がトリポリ市、ベカーア県のバアルベック、サアドナーイル、カラウーン、ラーラー、バアルール、シリア国境近くのマスナアでシリア国民との連帯を求めるデモを組織。アサド政権による弾圧を非難する一方、駐ダマスカス・レバノン大使の召還を求めた。

一方、ダフル・バイダルにはレバノン国軍が展開し、デモ発生を抑止した。

AFP, August 21, 2011、Akhbar al-Sharq, August 21, 2011、al-Hayat, August 21, 2011, August 22, 2011, August 23, 2011、Kull-na Shuraka’,
August 21, 2011、Reuters, August 21, 2011、SANA, August 22, 2011, August 23, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

各地でデモ隊と治安部隊の衝突が続くなか、反体制派組織「シリア国民評議会」発足の動きが生じる(2011年8月20日)

反体制デモをめぐる動き

各地で19日(金曜日)のデモでの犠牲者の葬儀が行われ、夜の礼拝後にはデモが発生した。

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ヒムス市郊外のラスタン市で夜の礼拝後のデモに参加した人々に治安部隊が発砲、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長によると、2人が殺害、複数が負傷。その後、複数の消息筋によると死者数は15人にのぼった。

またシリア革命調整連合によると、各地で死者数は13人にのぼった。シリア革命調整連合によると、うち5人は軍から離反し、脱走しようとして殺害され、またザアファラーニーヤ(ラスタン郊外)でも5人が殺害された。

またヒムス市のハーリディーヤ地区、バーブ・アムル地区、インシャーアート地区には早朝から午前にかけて複数の装甲車が進入したほか、夜間から続く銃声はハーリディーヤ地区、バーブ・アムル地区、インシャーアート地区で続いている、という。同所長によると、インシャーアート地区、バーブ・アムル地区では地上電話が遮断、ハーリディーヤ地区では地上電話、携帯電話ともに不通となっている。

他方、シリア革命調整連合によると、クスールに面したハマー街道からヒムス市に戦車10輌が進入したが、行く先は不明とのこと。

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シリア人権監視団によると、ラタキア市クナイニス地区に早朝、治安部隊とシャッビーハが突入し、住民を脅迫、外出している人々の身柄を拘束。なかには「18歳の青年」も含まれており、「シャッビーハは地区を包囲し、出入りを禁止している」。

シリア革命調整連合によると、ラタキア市のラムル地区からトルコへと逃れようとして2人が殺害された。

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19日に軍・治安部隊の発砲によって5人が殺害されたフラーク市では、治安当局が同市西側の入り口近くの病院に安置されている犠牲者の遺体の引き渡しと、大規模な葬儀を行わないよう住民に誓約させようとしたが、住民は拒否し、病院近くでデモを行おうとしたが、強制排除された。シリア人権監視団によると同市には「対テロ部隊」が多数展開している。

シリア革命調整連合によると、ダルアー県フラーク市では1人が葬儀参列中に殺害された。

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ジャズィーラによると、イドリブ県ドゥライキーシュ地域で複数が殺害。またイドリブ県内のデモでは、「国民は大統領処刑を望んでいる」とのシュプレヒコールが連呼された。

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ダマスカス郊外県のザバダーニー、キスワなどでは、治安部隊、シャッビーハが多数展開。

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トルコのイスタンブールで国内害の反体制活動家約60人が会合を開き、6月に提示された案をもとに「シリア国民評議会」発足をめざす。会合は21日までの2日間開催予定。

参加者は、ヤースィル・タッバーラ弁護士(在米)、ウバイダ・ナッハース氏(駐英)、ムルヒム・ダルービー氏(シリア・ムスリム同胞団)、ムティーウ・バティーン氏(ダルアーでの抗議行動を主導していたとされる)、ハーリド・ハーッジ・サーリフ氏(元政治犯)、ハーズィム・ナハール(作家、デモ参加で一時投獄され、その後シリアを去る)ら、欧米諸国在住・亡命中の反体制活動家。

ナッハース氏によると、シリア国民評議会には国内外の活動家115人から150人が参加する。「アフバール・シャルク」(20日付)によると、同評議会のメンバー選出はワーイル・マルザー氏が主導的な役割を果たしている。

またナッハース氏によると、シリア国民評議会の下には「7つか8つの部局」(作業委員会)が設置され、「外務、政策策定、経済、情報など」を担当する予定。

なおシリア国民評議会発足の動きに先立ち、インターネット上などで活動する約44の団体がシリア革命総合委員会を発足している。

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シリア世俗民主大会準備委員会が声明を出し、9月にシリアでの革命を支援するための大会を開催し、革命を勝利に導き、自由、公正といった国民の目的を実現するための対話を行うことを呼びかける。

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シリア国民民主変革諸勢力国民調整委員会は声明を発表し、軍を動員したアサド政権によるデモ弾圧を強く非難し、「大きな困難」をもたらし、外国の内政干渉の機会を与えると主張。

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シリア・クルド・ムスタクバル潮流が声明を出し、クルド人が暮らす各地区で治安当局および同当局と結託するクルド人勢力が、シリアの反体制勢力をおとしめる噂を広めていると非難。こうした噂には根拠がないと述べる。

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「アラブ山国民イニシアチブ」と称する団体が声明を出す。デモ参加者への暴力停止、軍による国民支援、政治犯釈放、国民統合強化、民衆による武装化拒否、避難民への人道支援、責任者を処罰するための国民委員会の設置を呼びかける。

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アレッポで人権活動家のマラーク・サイイド・マフムード女史が一時身柄を拘束される。

アサド政権側の動き

SANAによると、アサド大統領はブラジル在住のシリア人使節団と会談。

SANAによると、ダマスカス県中心部のヒジャーズ駅前で数千人がアサドの改革を支持する集会。

SANAによると、ヒムス市のジャウラト・アラーイス地区で武装テロ集団が、軍の車輌を襲撃し、士官2人が殺害、3人が負傷。

SANAによると、ラタキア市ラムル地区で武装テロ集団の大量の武器弾薬が押収される。

SANA, August 20, 2011
SANA, August 20, 2011

SANAによると、ダマスカス県ヤルムーク難民キャンプの人民使節団がラムル地区を訪問し、地元の機関権委員会や住民らと会談。シリアの軍・治安部隊が難民キャンプを攻撃したとする一部の外国メディアなどの報道を根拠がないと非難。

SANAによると、ヒムス県、イドリブ県、ダマスカス郊外県で19日(金曜日)に殺害された軍・治安部隊の殉職者の葬儀が行われた。

ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティーのウェブサイトがハッカーの攻撃を受ける。

諸外国の動き

国連の人権調査チームがシリアに到着。OCHAジュネーブ事務所代表のラシード・ハリコフ氏が代表。9月1日まで滞在予定。

ビクトリア・ノーランド米国務省報道官は「ロバート・フォード大使は、反体制勢力とワシントンとの接触を支援するためダマスカスにとどまる」と述べるとともに、イスタンブールでの会合を受けるかたちで、シリアの反体制勢力が「シリア社会をより体現、代表するようになった…。「反体制勢力には、アラウィー派、ドゥルーズ派、キリスト教徒、ビジネスマン、商人、さらにはアサドへの忠誠をとりさげた士官さえも加わるに至っている」と評価した。

ヨルダンのイスラーム行動戦線のハムザ・マンスール書記長は、ヨルダン政府に対して駐ダマスカス・ヨルダン大使の召還を求める。

英国のアリステール・バート中東問題担当大臣はBBCとのインタビューで、石油部門への制裁がアサド大統領ではなくむしろシリア国民に打撃を与えかねないとして、EUが提言している制裁に躊躇しているとの見解を示した。

こうしたなか、複数の西側会合筋によると、英国の石油企業ガルフサンズ社は、EUの制裁強化により、同社のシリアにおける今後のプロジェクトに支障が生じかねないことを懸念した。ガルフサンズ社は、約12,000バレル/日をシリアで産出し、9月には増産を計画している。なお、ラーミー・マフルーフ氏はガルフサンズ社の株5.7%を保有している。

AFP, August 20, 2011、Aljazeera.net, August 21, 2011、Akhbar al-Sharq, August
20, 2011, August 21, 2011、al-Hayat, August 21, 2011, August 22, 2011、Kull-na Shuraka’, August 20, 2011, August
26, 2011、Reuters, August 20, 2011、SANA, August 21, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

50以上の反体制派団体が参加する「シリア革命総合委員会」が発足、ロシア外務省は西側諸国によるアサド大統領退任要求イニシアティブを拒否(2011年8月19日)

シリアの複数の都市では「勝利の吉報」金曜日と銘打って活動家がインターネット上で行った呼びかけに応じるかたちでデモが発生、数万人が午後の礼拝後に街頭で体制打倒を訴えた。バッシャール・アサド大統領による作戦停止宣言にもかかわらず、軍・治安部隊は実弾などでこれに対抗し、少なくとも22人が殺害され、数十人が負傷した。

米国および西欧諸国が国連安保理でシリア制裁発動と国際刑事裁判所への提訴を骨子とした決議採択をめざしてシリア・バッシングをエスカレートさせるなか、ロシアとトルコはアサド大統領退任に拒否の姿勢を示した。また中国、インド、南アフリカ、ブラジルも西側諸国の「行き過ぎ」への警戒感を強めた。

また西側諸国による石油・ガス部門への制裁には、早くもその効果を疑問視する意見が出始めており、こうした圧力がシリア国内の暴力を停止できず、国内のデモを煽るだけなら、シリアの政治的不安定を助長するとの批判は免れないだろう。

他方、西側によるシリア・バッシングのエスカレートと時を一にするかたちで、インターネット上で活発な反体制活動を続ける団体が「シリア革命総合委員会」の発足を宣言したが、こうした動きは、西側諸国にシリアへの「軍事介入」の口実を与えることへの危機感を「中立的なシリア人」(『アフバール』19日付)の間で高めつつある。

反体制デモ

反体制デモはダマスカス、アレッポ、ヒムス、ダルアー、イドリブ、ハマー、ダイル・ザウルなどで発生し、その映像はインターネットで多数配信された。アレッポ、ダルアーでは治安部隊が発砲し、デモ参加者を強制排除した。ヒムスでは軍・治安部隊とシャッビーハが合同で警備活動を行い、無差別発砲を行い、アサド大統領を支持するシュプレヒコールを連呼した。

複数の活動家、人権活動家によると、これにより少なくとも22人(子供2人を含む)が殺害された。

シリア人権監視団によると、ダルアー市郊外で15人が殺害された。このうちガバーギブ町では大人6人、子供2人)が、フラーク市では5人が、インヒル市では1人、ナワー市では1人が殺害された。いずれもデモ参加者への軍・治安部隊の無差別発砲による、という。

また同監視団によると、治安部隊がダマスカス郊外県のハラスターでのデモ強制排除中に1人を射殺した。さらにダマスカス県カダム区ではデモ参加者に対して治安部隊が発砲し、複数が負傷、カーブーン区には多数の軍・治安部隊が展開し、モスク周辺を警備、デモ発生を抑止した。しかしダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市では反体制デモが敢行された、という。

別の活動家らによると、ヒムス市では3人が殺害された。うち1人はカラービース地区、1人はバーブ・アムル地区、1人はジャウバル区で殺害された、という。同市のデモでは「バッシャールよ、バイバイ…。ハーグで会おう」とのシュプレヒコールが連呼されたという。ハーグは国際刑事裁判所所在地である。

一方、シリア人権監視団によると、同市のほぼすべての地区でデモがあり、ハーリディーヤ地区のデモには約20,000人が参加した。これに対して軍・治安部隊はバーブ・ドゥライブ地区、マイダーン地区で激しい発砲を行い、またマイダーン地区とカラム・シャーミー地区では大規模な逮捕・捜索を断行した。

シリア人権監視団によると、ラタキア市ではファターヒー・モスクで午後の礼拝を終えた市民が街頭に出てデモを行ったが、シャッビーハによって強制排除された。

一方、バーニヤース市では治安部隊が多数展開していたにもかかわらず、マイダーン地区で体制打倒を求めるデモが発生した。

ダイル・ザウル市でも同様にデモが発生した。

他方ハサカ県では、人権活動家のハサン・バッルー氏によると、カーミシュリーで5,000人、アームーダーで4,000人が反体制デモを行った。同氏によると、治安部隊が多数展開していたが、逮捕や排除は行われなかった。

またクルド調整連合はイード・アル=フィトルをクルド人が暮らすすべての地区で自粛すると発表し、クルド民族主義政党もこれに同調したと発表した。

これに対して、SANAは、ダルアー県フラーク市、ダルアー市、ダマスカス郊外県ハラスター市で武装集団が警察署などを襲撃し、治安維持警察4人、民間人2人が殺害、17人の治安部隊が負傷したと報じた

SANAによると、その際、武装集団メンバー2人も殺害された、という。

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西側諸国がアサド大統領に退任を求め、経済制裁強化、国際刑事裁判所への起訴をめざすなか、インターネットなどを通じてデモを組織しているとされる約50の団体が18日に「シリア革命総合委員会」を発足したと報じられた。

フェイスブックに公開された発足声明によると、国内外の反体制勢力を糾合し、民主的市民国家、すべてのシリア国民の自由、平等、尊厳、人権尊重を保障する制度を持った国家の建設を目指している。

同委員会の発足声明には以下50以上の団体が参加を表明しているが、そのほとんどがフェイスブックなど仮想空間においてのみ活動を行っている団体(ないしは個人)であり、シリア国民の総意を代表しているとは到底思えない。

1. シリア革命調整連合、2. 反バッシャール・アサド・シリア革命2011ページ、3. シャーム・ニュース・ネットワーク、4. 地元調整委員会5団体(ラタキア、サラミーヤ、バーニヤース、ザバダーニー、マダーヤー)、5. シリア青年民主変革連盟、6. 自由シリア革命青年連立、7. ハマー県調整委員会、8. ヒムス自由人連合6団体、9. ヒムス再生連合、10. ハマー市調整連合、11. ダルアー・革命指導評議会、12. ダイル・ザウル市革命家評議会、13. ジャブラ革命指導評議会、14. ラタキア革命指導評議会、15. シリア革命クルド青年連合、16. クルド調整連合、17. マイダーン・シャーム自由人連合、18. ヒムス・反バッシャール・アサド・シリア革命2011ページ、19. ブーカマール革命、20. 我ら皆ハウラーンの殉教者ネットワーク・ハウラーン調整委員会、21. 我ら皆ハムザ・ハティーブ・ページ、22. シリア革命ページ調整諸委員会、23. イドリブ調整連合、24. 海岸革命家連合、25. マアッラト・ニウマーン調整委員会、26. 灰色のアレッポ調整委員会、27. ヒムス部族調整委員会、28. ザーウィヤ山調整委員会、29. ジスル・シュグール調整委員会、30. イドリブ・ニュース・ネットワーク、31. カラムーン調整委員会、32. シリア変革青年、33. ジスル・シュグール避難民調整委員会、34. ナバク自由人青年連合、35. 夢のシリア、36. カーラ市調整委員会、37. ヤブルード青年連合、38. ヤルムーク・パレスチナ人・ダッフ・シューク調整委員会、39. ハジャル・アスワド・リ・アブナー・ジュールン・ムバーウ、40. キスワ・ムカイラビーヤおよび近郊地域調整委員会、41. サフナ調整委員会、42. ハマー・イドリブ闘争者連合、43. ハサカ・シリア革命青年調整委員会、44. ザーヒラ地区調整委員会、45. 連合調整委員会55団体、46. ジャラーブルス自由人。

アサド政権の動き

 

SANA, Agusut 19, 2011
SANA, Agusut 19, 2011

シリア国連代表のバッシャール・ジャアファリー大使は、シリアへの制裁発動と国際刑事裁判所への提訴を行うための国連安保理決議採択をめざす欧米諸国に関して、シリアと中東地域に対して「一部の国は合法的でない戦略をとるための道具として安保理を利用し…帝国主義的な意図を再生しようとしている」と非難した。

『クッルナー・シュラカー』(19日付)によると、弁護士組合ダマスカス支部は8月18日にダマスカス裁判所の弁護士会館の閉鎖を解除することを決定。弁護士会館は反体制集会などに使用されることを警戒した当局によって、改装を口実に閉鎖されていた。

SANAによると、ダマスカス県バーブ・トゥーマ門で、シリア人数千人が(官制)集会を行い、シリア国旗とロシア国旗を掲揚、アサド政権による改革を支持するとともに外国の干渉に反対した。またダマスカス県ヤルムークでも同様のデモ行進が行われた。この集会は「我々はシリアとその指導者を愛する」と銘打たれていた。

ダマスカス郊外県でウカイダート部族の長老や部族が「国民テント」を解説し、アサドを支持。スワイダーの部族が多数参加した。

Kull-na Shuraka', Agusut 19, 2011
Kull-na Shuraka’, Agusut 19, 2011

 

そのほか諸外国の対応

西側諸国が国連安保理を通じてシリア・バッシングを激化させるなか、ロシア外務省は「ロシアはアサド大統領退任をめぐる姿勢を米国やEUと共有していない。シリアに関する我々の原則的立場を護り続ける」と述べ、アサド大統領退任要求を拒否した。

また「暴力停止が必要だとの明確且つ曖昧でない兆候がシリア人の間で与えられたと見ている。そしてこれは反体制勢力にも向けられており、彼らは政府との対話を初め、過激派を遠ざけねばならない」と主張し、アサド大統領が自らの約束に従って改革を実施するには時間が必要だとの立場を示すとともに、現体制下での政治解決を求めるとの方針を改めて確認した。

AFPは、匿名のトルコ政府高官の話として、トルコもまたアサド大統領の退任を求める西側諸国の姿勢に同調していないことと報じた。AFPによると、同高官は「我々はまだこれほどの態度を持つには至っていない…。シリア国民がまずアサド大統領に出て行けと言うべきだ。しかし、シリアの反体制勢力は統一されておらず、エジプトやリビアとは異なり、今のところ、シリア人全体がアサド大統領に出て行けと行っているのを耳にしていない」と述べたという。

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米国と西欧諸国(米仏独ポルトガル)は、アサド政権への制裁発動とシリア情勢を国際刑事裁判所での調査を骨子とする安保理決議案の作成を開始した。数日中に安保理への提出をめざすという。

またフランス外務省は、国連安保理での国連人権最高弁務官の提言に従い、シリア情勢の国際司法裁判所を提訴することを支持するとの姿勢を表明。

さらにスペイン外務省は英仏独ポルトガルによる国連安保理での動きを支持し、これに加わると発表。

これに対してロシアと中国は、決議案提出に反対し、制裁発動、国際刑事裁判所への提訴の必要はないとの姿勢を示した。またインド、南アフリカ、ブラジルとともに、国連人権調査団の再派遣・調査を支持した。

西側諸国は調査団の派遣の必要はないとの立場をとっているが、国連のバレリー・アモス事務次長は、4日以内に調査団が訪問するだろうと述べ、シリア側が使節団の自由な視察を行うことの保障を得たことを明らかにした。

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EU諸国政府は、アサド政権高官15人と政府関係機関5機関を制裁リストに追加するとともに、石油禁輸措置発動の計画を策定することに合意した。

これまで大統領を含む35の個人・機関が制裁対象となっているが、追加制裁では、「体制に関係がある機関や弾圧に関与した個人だけでなく、銀行、通信、そして石油部門をも対象とする」と外交筋は明かした。

しかし、欧米諸国による対シリア制裁、とりわけ石油・ガス部門への制裁に関して、ロバート・フィスク氏は『インティペンデント』(19日付)で、「アサド大統領にとっての真の恐怖は石油禁輸制裁でなく、銀行への制裁」と指摘。

同氏によると、アサド大統領は2月までシリア中央銀行に預金されてきた12,000,000,000ポンド相当の外貨準備高が、毎週50,000,000ポンドのペースで減っていることを懸念している、という。またシリアの銀行預金の約10%は2011年の最初の4ヶ月で消えたと指摘、約800,000,000ポンドが引き出され、レバノンの複数の銀行に移転されたと述べている(フィスク氏の論説については19日付『インティペンデント』を参照)。

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国際刑事裁判所のルイス・モレノ=オカンポ検事総長は声明を発表。シリア情勢に関して、「現時点で検事総局は(国連安保理での)報告に関して調査する権限はない。なぜならシリアは国際刑事裁判所に関するローマ規程の参加国ではなく、本法廷の権限を承認していないからである」と述べた。しかし「国連安保理は、公正はこの国の平和や安定に資すると見なすのであれば、国際刑事裁判所にシリア問題を提訴できる」と述べた。

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マーク・トナー米国務省副報道官はCNNのインタビューでシリアの反体制勢力に関して「5ヶ月前よりもシリア社会を体現、代表するようになった」との評価を下す。

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日本の松本剛明外務大臣は、シリア情勢をめぐって「もはや正当に国を統治することはできず、道を譲るべきだ」との談話を発表。

al-Akhbar, August 19, 2011、AFP, August 19, 2011、Akhbar al-Sharq, August 19, 2011、al-Hayat, August 20, 2011, August 21, 2011、The Independent, August 19, 2011、Kull-na Shuraka’, August 19, 2011, August 20, 2011、Reuters,
August 19, 2011、SANA, August 20, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

オバマ米大統領が初めて明確なかたちでアサド大統領に退任を求める、英、仏、独首脳らは即日これに追従する声明を発表(2011年8月18日)

フェイスブックでシリアの反体制派が「勝利の吉報の金曜日」と銘打ったデモを呼びかけるなか、米英仏独、そしてEUがバッシャール・アサド大統領に初めて明確なかたちで退任を求めるとともに、さらなる制裁発動に動いた。また国連安保理では、人権高等弁務官がシリア情勢に関して「人道に対する罪のレベルを超えている」と報告、シリア制裁決議をめざす西側諸国を後押しした。

反体制デモ

シリア人権監視団によると、軍・治安部隊が治安維持作戦を完了したラタキア市のラムル地区で早朝銃声が聞こえた。

SANAによると、ラタキア市ラムル地区の複数カ所で大量の武器、弾薬が隠されているのを関係当局が発見し、押収。

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複数の活動家によると、ラタキア市以外では、ハマー市のクスール地区、ダマスカス県ルクンッディーン区は夜間、軍・治安部隊やシャッビーハが大規模な家宅捜索を行った。またダルアー市ダルアー・バラド地区の主要な広場などに装甲車、戦車が展開した。イドリブ県ビダーマー町ではラタキア市からトルコに向かう避難民に対して軍・治安部隊が発砲した。

一方、シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県のハジャル・アスワド、キスワ、ムウダミーヤト・シャーム、ジュダイダト・アルトゥーズで逮捕・捜索が行われた。これらの都市、さらにカタナー、タッル、ザバダーニーなどでは夜の礼拝後のデモが続けられ、ラタキア市との連帯、体制打倒が叫ばれた。ダマスカス郊外県以外でもアレッポ各所、ダルアー市および郊外、ハマー郊外でもデモが発生した、という。

Facebook
Facebook

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フェイスブックでは、ラマダーン月に入って、夜の礼拝後にデモを行うよう呼びかけているが、「勝利の吉報」の金曜日を記念して、19日に大規模なデモが呼びかけられた。

ダマスカス県内の複数のモスクにアサド大統領の死亡を告知するビラ(フェイスブックなどで若者が配信)が張られる。

在米シリアの反体制活動家が明らかにしたところによると、FBIはマラアフ・ビカーイー氏、ラドワーン・ズィヤーダ氏、ムハンマド・アブドゥッラー氏に対する脅迫を調査中。彼らは何者かから殺すと脅迫のメールを受けている、という。3人とも8月初めにクリントン米国務長官と会見している。

シリア人権機構(SWASIAH)が声明を発表し、過去約2ヶ月間の逮捕者数百人の氏名を公開。

アサド政権の動き

シリア情報省のリーム・ハッダード渉外関係課長は、オバマ米大統領や西側諸国首脳の声明に関して「オマバや西側諸国が、改革プログラム実施のための支援の手をさしのべずに、シリアでの暴力をさらに激化・拡大させようとするのは奇異なことだ」と非難した。

Kull-na Shuraka', August 18, 2011
Kull-na Shuraka’, August 18, 2011

SANAによると、トルコに避難していたジスル・シュグール住民126人がシリアに帰国。

『ディヤール』(22日付)によると、シリア軍は先週木曜(18日)、ロシア製の対空防衛システムを搭載した車輌25輌をトルコ国境地帯に展開した。同紙によると、西側諸国の圧力への「警告」としての意味合いがあり、(リビアのように)NATOの軍事介入があった場合に断固たる抵抗を行う意思を示したものと見られる。

諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領は声明を出し、以下のように述べて、アサド大統領に初めて退任を求めたが、あからさまな干渉は行わないことを強調し、外国の軍事干渉を恐れるシリア国民や多くの反体制勢力に配慮した――「我々は一貫してアサド大統領が民主主義への転換を指導するか去らねばならないと行ってきた。彼は指導しなかった。シリア国民のため、アサド大統領が退任する時が来た…。合衆国はこの転換をシリアに押しつけることはできないし、そのようなことはしない。シリア国民が自分自身の指導者を選ばねばならず、我々は彼らがこの運動への外国の干渉を望んでいないことを耳にしている。合衆国が支援するのは、民主的で公正ですべてのシリア人を包摂したシリアをもたらす努力を支援することだ」(オバマ大統領の声明全文はホワイトハウスのHPを参照のこと)。

またオバマ大統領は声明のなかで、シリアの石油・ガス部門などを対象としたより厳しい制裁を科すための大統領命令に署名したと述べた。これを受け、米財務省は、米国内のシリア政府の資産凍結、シリアへの米国の投資禁止、シリアの石油企業との取引禁止などといった追加制裁を発動した。

なおNaharnet(18日付)は、『ラアユ』(19日付)で掲載される予定の米国の報告書の情報として、米国のシリアテルに対する制裁が、ナジーブ・ミーカーティー首相の弟でビジネスマンのターハー・ミーカーティー氏への制裁も念頭に置いたものだと報じた。ターハー氏は、シリアへの携帯電話の導入に主導的な役割を果たした人物で、ラーミー・マフルーフ氏とも親しいとされる。

一方、米国務省報道官は、米国がラタキアのパレスチナ難民キャンプでシリア軍部隊が発砲したことを示す「信頼できる」情報を持っていると述べた。

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デーヴィッド・キャメロン英首相、ニコラ・サルコジ仏大統領、アンゲラ・メルケル独首相は共同声明で、オバマ米政権に追随するかたちで、アサド大統領に退任を求めるとともに、アサド政権へのさらに厳しい制裁発動を支持すると発表。またキャサリン・アシュトン欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表は「EUはバッシャール・アサドがシリア国民にとって完全に正統性を失い、退任するべきと見ている」。また新たに制裁リストに高官を加えると発表した。

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国連安保理会合でシリア情勢が審議された。同会合でナバメセム・ピレー国連高等人権弁務官は、「シリアでの抗議行動に対する弾圧は人道に対する罪のレベルを越えている」と報告し、安保理に本件の国際刑事裁判所での調査を求めた。報告書は12ページからなる。

国連安保理での報告を受け、西側諸国は、安保理声明を準備。『ハヤート』(19日付)によると、①軍事作戦が停止したとのシリア側の主張に反論、②シリアの人権侵害、人道法違反を指摘、③アサドに退任要求、という3点を盛り込むことをめざしている、という。だがロシア、中国、インド、南ア、ブラジルはこうした強硬な姿勢に難色を示している。

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シリア人避難民女性400人が強姦され、彼女らの身体にその傷跡が残されているとの情報をトルコのウェブサイト(A Dinilik)が発信。シリアの反体制人権団体が作るシリア人権ネットワークは、トルコの非難キャンプでのシリア人女性の強姦についての調査と処罰を求める。一方、トルコに避難する多くのシリア人が電話で事実無根と答える。

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サウジアラビアのウラマー50人が名前で、シリアでのデモ弾圧を非難する声明を発表。

スイスは駐ダマスカス・シリア大使を召還。

AFP, August 18, 2011、Akhbar al-Sharq, August 18, 2011, August 19, 2011、aljazeera.net,
August 18, 2011、al-Diyar, August 22, 2011、Facebook、Kull-na Shuraka’, August 18, 2011、Naharnet.com, August 18, 2011、al-Hayat, August 19, 2011, August 22, 2011、Reuters, August 18, 2011などをもとに作成。


(C)青山弘之All rights reserved.

アサド大統領が会見のなかで「治安と安全を回復し、武装デモを収束させる」決意を新たにする一方、シリア情勢に関する西側からの圧力の回避をめぐってロシアとイランが接近(2011年8月17日)

ラタキア市ラムル地区での軍・治安部隊の攻撃が続く一方、ヒムス市など複数の都市でも大規模な捜索が行われ活動家ら100人以上が逮捕された。また国連安保理での会合を控え、ロシア、イランがバッシャール・アサド政権への西側の圧力を回避すべく動き始めた。

反体制デモをめぐる動き

シリア人権監視団によると、ラタキア市では約700人の治安要員が早朝からラムル地区で家宅捜索を行い、「指名手配者」リストに基づき数百人を逮捕した。

『ワタン』(17日付)によると、「(ラタキア)市の情勢は、軍が武装部隊メンバー数十人をしたことを受け、制圧された…。軍は、セメントでバリゲードを築き、路上で違法な露天を開いていた武装集団を排除したのち、スカントゥーリー地区、ラムル地区から駅地区までの幹線道路を解放した」という。

一方、複数の目撃者によると、軍・治安部隊、そしてシャッビーハが攻撃したのは、スライバ地区、ラムル地区、スカントゥーリー地区、ブスターン・サマカ地区などスンナ派が多く住む地区だという。

シリア革命調整連合によると、ラタキア市内のスライバ地区、タービヤート地区、カルア地区など複数地区で夜の礼拝後にデモが発生した。モスクから街頭に出た参加者は治安当局の発砲を受けた。デモには約2000人が参加していた。

フェイスブック上でアレッポ革命が宣言され、またラマダーン月17日のバドルの戦い記念日にちなんで「アレッポ・バドル」の名のもとにデモが呼びかけられた。これを受け、アレッポ市では数千人がサイフ・ダウラ地区、マシャーリカ地区、イスマーイーリーヤ地区、ジャミーリーヤなどでデモを行い、アサド政権の打倒などを連呼、サアドゥッラー・ジャービリー広場(サアドゥッラー・ジャービリー地区)に結集しようとした。事態を受け、治安部隊やシャッビーハが派遣され、催涙ガスなどでデモ参加者の行進を阻止。デモ参加者は翌日の結集を約束して解散した。なおこれ以外にもサーフール地区、サラーフッディーン地区でもデモがあった。

Kull-na Shuraka', August 17, 2011
Kull-na Shuraka’, August 17, 2011

シリア人権監視団によると、イドリブ県ザーウィヤ山で、軍・治安部隊により市民1人が殺害される。

シリア人権監視団によると、ヒムス市では、アルメニア地区、ナーズィヒーン地区、タッル・バアルバで市民3人が軍・治安部隊によって殺害された。またハーリディーヤ地区で約40人が逮捕。アシーラ地区で地上電話、携帯電話回線が不通となり、バーブ・スィバーア周辺で激しい銃声が聞こえたという。

一方、シリア革命調整連合によると、ワアル地区のファーティマ・モスクで夜の礼拝を終えて街頭に出た市民が発砲を受けた。またバーブ・スィバーア地区でも同様の動きがあった。ヒムス市郊外のラスタン、タルビーサ、タドムルでは女性がデモを行う映像がインターネットを通じて公開された。ハウラでも大規模なデモがあり、軍・治安部隊、シャッビーハの弾圧を受けた、という。

複数の活動家・目撃者によると、ダマスカス県ルクンッディーン区でも大規模な家宅捜索を行い活動家数十人が逮捕された。

またドゥーマー、ザバダーニー、ザマルカーなどダマスカス郊外県の都市でも、シリア革命調整連合によると、デモがあり、治安当局の発砲を受けた。

ダルアー県のダーイル、インヒル、ジーザなどでも大規模なデモが発生した映像がインターネットで公開された。

ダイル・ザウル県のブーカマール市、ファウリーヤ、ハマー市各所、イドリブ、ビンニシュ、カーミシュリー、タルトゥースでも同様のデモがあったという。

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モスクで反体制的な説教を行ったシャイフ、ハーリド・クーキー氏、ハムザ・アビー・フサイン氏がモスクでの説教を禁じられた。両氏ともダマスカス郊外県のアサド・ヴィレッジにあるアン=ナズィーフ・モスクで説教を行っていた。

『ハリージュ』(17日付)はシリア公式筋の話として、マーヒル・アサド大佐が指揮する第4師団本部(ムウダミーヤト・シャーム)で爆発があったとの一部報道には根拠がないと報じた。

シリア人権委員会がダマスカス郊外県で逮捕者282人の氏名を公開。

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『クッルナー・シュラカー』(17日付)は、ザバダーニー市でデモ弾圧、逮捕・捜索の任務についていたシリア軍兵士の証言を紹介。同兵士は自分がどこで任務を遂行するかを教えられていなかった、という。

『シャルク・アウサト』(17日付)がヒムス県の第3師団から離反しヨルダンに逃走したシリア軍兵士とのインタビューを掲載。離反時の様子について、この兵士は、大隊長が基地内武器庫を開放し、兵士に部隊にとどまるか、(シャッビーハやムハーバラートと)戦うか、逃げるかを選ばせた、という。一部の兵士はとどまったが、多くの兵士は脱走を試みた、という。一方、リヤード・アスアド大佐が率いる自由シリア軍に関して、象徴的な存在であってアサド政権への脅威となっていないとしながらも、人々の精神に訴える影響力があると述べた。

また数万の兵士が離反し、軍はシャッビーハ、ムハーバラート、傭兵に頼らざるを得なくなっている、という。しかし第4師団や共和国護衛隊に関しては、離反・分裂の可能性はないとしている。その理由として、アサド政権は軍内部を細分し、大規模な分裂・離反が起きないようにしているからだと指摘した。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(17日付)によると、シリア大使館は、米国や西側諸国に在住のシリア人を脅迫。同紙が取材した在米シリア人によると、シリア大使館スタッフは彼らが反体制デモなどに参加している写真を撮影し、シリア本国の家族に送りつけている、という。

俳優のジャマール・スライマーン氏は『ミスリー・ヤウム』とのインタビューで、アサド大統領の支持者たちは、大統領が国民のために自由を拡充するとの姿勢を示した際、彼を侮辱し、のしったと述べ、国民に体制が変化への意思があることを示すような真の改革を行う必要があると述べた。

アサド政権の動き

アサド大統領はバアス党地域指導部メンバー、中央委員会メンバー(95人)、各支部幹部、人民諸組織代表ら党員500人と会見。「シリアの改革は、シリア人の満足感や鼓動から発しており、外国の圧力に応えるかたちで生じるものではない。シリアは今後も強く抵抗し続けるだろうし、過去も、そして未来もその尊厳と主権を放棄しない」と述べるとともに、「今日シリアを標的とした動きは、合法的な権利を擁護するシリアのアラブ性に満ちたレジスタンスとしての役割を弱体化させいようと様々な試みが行われた2003年や2005年に起きたこととまったく似ている」と現状を評価した。一方、憲法見直しをめぐって「社会のすべてのレベルの全階層を参加」させる必要を強調。「治安と安全を回復し、武装デモを収束させる」ことを強調した。

ワリード・ムアッリム外務大臣はアーディル・サファル内閣閣議で、「シリアを標的とした陰謀行為の諸側面、背景を明らかにする」と宣言し、「シリアに暴力を停止せよと圧力をかけるために複数の国が行う扇動と事実の婉曲は、武装テロ集団の犯罪がシリアの複数の都市・地域で見られる暴力の原因であるということを無視している」と述べた。

SANA, August 17, 2011
SANA, August 17, 2011

SANAによると、4人の武装集団がヒムスのワアル地区のインターネット・カフェを襲撃し、カフェを利用していた客の携帯電話を盗んだのち、近くのモスクに立てこもり発砲、6人を負傷させた。

SANAによると、ラタキアのアウカーフ通りで車が爆破。

SANAによると、治安当局は国外からハマー県に向かっていた車2台が搬送していた大量の武器弾薬を押収。

アサド大統領は国連の潘基文事務総長との電話会談を行った。国連の声明によると、潘事務総長が軍事作戦と集団的逮捕の即時停止を求めると、アサド大統領は「すでに軍事・治安作戦は停止された」と回答した。

 諸外国の動き

『サフィール』(17日付)は、ロシア訪問中のイランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣がシリアをめぐる共同計画をロシア側に提示。この共同計画はアサド政権の理解を得ているとのことで、西側諸国の圧力をいかに回避するかに焦点があてられたという。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、サーレヒー外務大臣との会談後、記者団に「中東地域における諸問題に対するロシアとテヘランの立場が非常に近い」と述べた。シリアについて直接言及しなかったもの、ラブロフ外務大臣は、「地域へのいかなる外国の干渉をも拒否」し、「歓迎される唯一の干渉は、関係当事者間の対話にふさわしい状況をつくるための努力を行うこと」と述べた。

ロシア消息筋によると、イランは、国連安保理でのシリア非難決議採択をめざす西側諸国への対応をきわめて注視しており、ラブロフ外務大臣の発言は、国連安保理でロシアが非難決議に反対の意思を示すものと解釈される。

一方、ロシアの国営企業「Rosoboronexport export」社長は、インテルファクス通信によると、ダマスカスへの武器輸出を停止するよう求める国際社会の圧力にも関わらず、シリアのアサド政権への武器供与を増加させ続けている、と述べた。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は記者団に対して、アサド政権の現在の姿勢は、国際社会の軍事介入を受ける直前のリビアに似ていると述べた。

またアフメット・ダウトオール外務大臣は昨日、改めてデモ参加者への軍事作戦の停止を求めた。また国連の潘基文事務総長と電話会談で、シリア情勢に関する情報を提供した。

米国はワシントンのシリア大使館スタッフの移動を制限。これはロバート・フォード米大使のハマー訪問を受けてシリアが駐ダマスカス米大使館スタッフの移動を制限したことへの対抗措置。

ドイツのギド・ウェスターウェレ外務大臣は、ドイツが引き続きシリアでの弾圧停止のための努力を続ける意向を示し、近々に新たな活動を行うと述べた。

チュニジア政府は、「対応を協議する」ため、駐ダマスカス大使を召還。

国連安保理でのシリア問題をめぐる審議を間近控え、バレリー・アモス人道問題担当事務次長とナバネセム・ピレイ国連人権高等弁務官がシリア情勢について報告を行う予定。これに先だって、アモス事務次長は記者会見で、「シリアの人権状況に関する情報と「証拠」を提示する」と述べ、人道に対する罪について指摘することを示唆。

国連はシリア国内の非常勤職員25人とその家族を安全上の理由で国外退避すると発表。シリア国内では200人以上の国連スタッフが駐在しており、そのほとんどがUNRWA、UNDOF関連の職員。

キリスト教カトリックの国際的な団体パックスクリスティ・インターナショナルは、国際社会にシリアでの虐殺停止のために介入する必要があるとの声明を発表する。

AFP, August 17, 2011、Akhbar al-Sharq, August 17, 2011、AKI, August 17, 2011、Damas
Post, August 18, 2011、al-Hayat, August 18, 2011, August 19, 2011、al-Khalij, August 17, 2011、Kull-na Shuraka, August 17, 2011, August 18, 2011、Reuters,
August 17, 2011、al-Safir, August 17, 2011、SANA, August 18, 2011、al-Sharq al-Awsat, August 17, 2011、UPI,
August 17, 2011、The Wall Street Journal, August 17, 2011などより作成。

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ラタキア市内各所で軍・治安部隊が激しい銃撃、英外相いわくアサド大統領は自身の正統性を「かろうじて保っている」(2011年8月16日)

戦車によるラタキア市の住宅地区への砲撃も継続され、少なくとも5人が軍・治安部隊によって殺害された。同市への攻撃はこれで4日目に入り、44人以上が死亡、数十人が負傷している。シリア革命調整連合によると、死者の中には13歳の少年が含まれる。

反体制デモをめぐる動き

複数の活動家、目撃者によると、ラタキア市内各所で3時間以上にわたって、軍・治安部隊が激しい銃撃を行った。とりわけスンナ派が多く住むラムル地区、シャアブ地区の近くに住む住民がロイター通信に語ったところによると、両地区は軍・治安部隊の激しい砲撃に曝された。

シリア人権監視団によると、ラムル地区、マスバフ・シャアブ地区、アイン・タムラ地区で早朝から激しい銃撃。銃撃が激しい地区の住民の避難は続いている。

一方、複数の住民によると、サウラ通りには装甲車、兵員輸送車などの軍用車輌約20台が集結、クナイニス地区への攻撃の恐怖が高まっている。またジャズィーラによると、軍・治安部隊がマディーナ・リヤ-ディーヤの住民数千人を包囲。

シリア革命調整連合によると、シリア軍は「パレスチナ難民キャンプ、ラムル広場、サカントゥーリーの住民に対して、同地区からの避難を呼びかけ、とどまる者はみな抵抗者とみなす」と何度も呼びかけているという。

シリア人権監視団によると、約400人がマディーナ・リヤーディーヤ、マラーイブ、ダウル・スィーニマーで逮捕。マスバフ・シャアブ地区、ギラーフ地区で無差別の家宅捜索が行われた。また晩、スカントゥーリー地区で軍・治安部隊が大規模な逮捕・捜索、数十人を逮捕。

シリア内務省道徳指導局長のムハンマド・ハサン・アリー准将は声明を出し、治安維持部隊が軍の支援のもとに行っていたラタキア市ラムル地区での任務が完了したと発表した。

https://www.youtube.com/watch?v=Lolrhy5ZwDk

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SANAなどによると、ダイル・ザウル市の南部および北東部から撤退を開始した。16日、シリア情報がダイル・ザウル市での各国記者団の取材を許可、市の南部では「アサドの兵」と書かれた装甲車12輌、兵員輸送車6輌が撤退する様子、住民が軍を歓迎し、「人民、ダイル[・ザウル]はバッシャール・アサドを欲する」、「我々はあなたに魂と血を捧げる、バッシャールよ」と連呼する様子が取材された。

また北東部では市民数千人が軍を歓迎し、「アッラー、シリア、バッシャールのみ」と連呼する様子が取材された。しかし住民によると、ダイル・ザウル市包囲で配備されていた対空砲は撤収されたが、市内の主要各所には武装した兵士を載せた車輌が依然として駐留している、という。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長によると晩、シリア軍・治安部隊が撤退開始を宣言していたダイル・ザウル市でデモが発生し、数百人が参加。治安部隊の発砲で16歳の青年1人が死亡。

SANA, August 16, 2011
SANA, August 16, 2011

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一昨日夜から昨日にかけて、ダマスカス、ダマスカス郊外県、アレッポ、ハマー、ダイル・ザウル、ラタキア、イドリブ、ダルアー、ヒムスなどで、夜の礼拝後にデモが発生した。デモではラタキアとの連帯、体制打倒が叫ばれた。

晩にはムウダミーヤト・シャームで活動家5人が、ハラスター、アルバイン、ザバダーニーで数十人逮捕される。

ヒムス市では一昨日の夜の礼拝後、ラタキア市との連帯や体制打倒を叫ぶデモが発生し、少なくとも12人が殺害された。シリア人権監視団によると、バーブ・スィバーア地区で2人が殺害、多数が負傷したという。また複数の活動家によると、バーブ・スィバーア地区、バイヤーダ地区で朝から大規模な逮捕・捜索が行われており、シリア人権監視団によると、アシーラ地区の地上電話、携帯電話が不通となっている。

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反体制派の青年らがインターネット週刊誌『アフバール・ムンダッス』(潜入者ニュース)をフェイスブック上に創刊。「シリア国民の機関紙」と位置づけられている同誌は、「シリアの青年活動家、シリア4月17日民主変革青年運動の協力」のもと編集されている。雑誌タイトルは、デモ発生当初、「潜入者」の一団が抗議行動を煽動したとのシリア政府のプロパガンダを皮肉っている、という。http://ar-ar.facebook.com/Mundas.News

活動家のラザーン・ザイトゥーナ女史は晩に衛星放送アラビーヤの「パノラマ」で、「白黒はっきりしない立場」をとっている人々に「革命への参加」を呼びかける。

諸外国の動き

『シャルク・アウワト』(16日付)によると、100世帯以上のシリア人がヒムス県クサイルなどから、レバノンの北部県アッカール郡のワーディー・ハーリドなどに避難。彼らは夜間の軍・治安部隊による攻撃の逃れるため、日没前にレバノンに避難し、早朝に自らの村に戻っているという。
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ダマスカスに拠点を置くパレスチナ諸派は、シリア軍がラタキア市ラムル地区のパレスチナ難民キャンプを攻撃しているとのUNRWAの発表を否定、同発表が「シリアとパレスチナの立場を悪化させることをめざす試みの一環をなす」と非難した。またアラブ・パレスチナ難民総合委員会のアリー・ムスタファー委員長もUNRWAの発表内容は根拠がないと非難し、その訂正を求めた。

ラムル・キャンプは1952年に建設され、面積は約22,000平方メートル、約11,000人のパレスチナ難民が暮らしている。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は記者会見で、シリアの政府と反体制勢力はいずれも国内の危機解決のための妥協の準備ができていないとの意見を示す。

ヒラリー・クリントン米国務長官は、米国防大学で演説、バッシャール・アサド大統領の政権に対する国際社会の制裁の強化や圧力の方が「成り行きまかせのスケジュール」に基づく大統領退任要求よりも効果的である、と述べた。同長官によると、大統領に対する退任要求は、「国際社会と地域がこの問題で強調すること」なしには大きな効果がないと述べた。そのうえで、「合衆国がアサドに退任を呼びかけてもあまり変化はないだろうが、トルコやサウジ国王がそうすれば、アサド政権は無視できないだろう」と述べる。

ウィリアム・ヘイグ英外務大臣は、「アサド大統領は行動するときが来た」と述べ、「かろうじて保っている正統性をも失いつつある。早急に暴力を停止せねばならない」と述べた。

西側諸国は、アサド政権によるデモ弾圧を審議するため、国連人権委員会の特別会合の召集を正式に求めた。

AP, August 16, 2011、AFP, August 16, 2011、Akhbar al-Sharq, August 16, 2011,
August 17, 2011、Aljazeera.net, August 16, 2011、al-Hayat, August 17, 2011, August 18, 2011、Kull-na Shurakaʼ Suriya, August 16,
2011, August 17, 2011、Naharnet.com, August 16, 2011、Reuters, August 16,
2011、SANA, August 17, 2011、Al-Sharq al-Awsat, August 16, 2011などより作成。

 

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タルトゥース市で開催されたアサド大統領を支持する大規模集会に数十万人が参加、PLO書記長はシリア軍によるラタキア市への攻撃を「厳しく非難」(2011年8月15日)

複数の活動家、目撃者によると、ラタキア市など各地での軍・治安部隊による治安回復作戦は15日も継続され、死傷者を出した。一方、バッシャール・アサド政権内では、アレッポ県知事、放送・テレビ総合委員会(情報省所轄)委員長が交代した。

反体制デモ

シリア革命調整連合、シリア人権監視団によると、ラタキア市ラムル地区、タムラ地区サイダーウィー地区、タービヤート地区などの住民が陸海からの攻撃を逃れて避難。シリア人権監視団によると、治安部隊のバリゲードに近づいた避難する市民が発砲を受け、6人が負傷。またシリア革命調整連合によると、ラタキア市サカントゥーリー地区から避難しようとした家族が乗ったバスが銃撃され、女性1人が殺害された。複数の活動家によると、15日のラタキア市での死者は少なくとも6人に達した。

シリア人権監視団によると、ラタキア市マスバフ・シャアブ(人民海水浴場)地区、ラムル地区などを戦車が砲撃。

シリア人権監視団によると、ラタキアのから多くの住民が避難。

シリア人権監視団によると、スライバ地区で早朝から激しい銃声。

al-Hayat, August 16, 2011
al-Hayat, August 16, 2011


シリア人権監視団監視団によると、スライバ地区、スライバ開発計画地区、クーワトリー地区、アシュラフィーヤ地区、タービヤート地区、ハナーヌー通り、カルア地区、ウワイナ地区でゼネスト。軍はオガレット広場を閉鎖、ラタキア駅があるダウワール・ヤマンを制圧。検問を行い、300人を逮捕。

UNRWAは、パレスチナ人難民約5000人がラタキア市ラムル地区の難民キャンプからシリア軍・治安部隊の攻撃を避けるために避難し、ダマスカスに受け入れを求めていると発表した。ラムル地区のキャンプには約10,000人のパレスチナ人が難民として暮らしている。

しかしSANAは、ラタキア市ラムル地区への海軍の艦砲射撃を否定、武装テロ集団が海上からも攻撃を加えていると反論、市内の武装テロ集団の攻撃と合わせて、市民2人が死亡、4人が負傷した、と報じた。

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一方、ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市郊外のタッルドゥー市で狙撃兵によって男性1人が射殺。シリア革命調整連合によると、8人が殺害された。同村を含むハウラ地区では早朝から軍・治安部隊が戦車を投入していた。

またダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、12日(金曜日)のダイル・ザウル市での反体制デモで狙撃兵に撃たれ重傷を負っていた男性が死亡した。またジャウラ地区、サーリヒーヤ地区、ハトワ地区、フサイニーヤ地区で軍・治安部隊が大規模な逮捕・捜索を行い、27人が逮捕された。

イドリブ県では、マアッラト・ニウマーン市東部に軍・治安部隊の兵員輸送車輌23台、四輪駆動車10台が進入し、8人が逮捕された。

ダマスカス県では、カダム区、アサーリー地区に治安部隊が突入、「指名手配中」の7人を逮捕した。

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シリア人権監視団は声明を出し、3月半ば以来、当局に身柄を拘束され、拷問で死亡した市民の数が71人にのぼると発表した。同声明によると、これまで数万人が逮捕されている、という。

地元調整諸委員会のヒムス委員会のウマル・イドリビー報道官は、治安当局が市内各所での無差別発砲に飽きたらず、身柄拘束した市民を治安機関の拘置所で拷問し、8月だけですでに10人が獄中死したと発表した。

シリア革命支援国民連立のハイサム・ラフマ総合調整役は声明を出し、アラブ諸国に民間人保護のために介入するよう呼びかけた。

サラーム・カワーキビーが声明を出し、14日にベルリンで開催された民主的変革諸勢力国民調整委員会在外事務局の会合には出席していなかったとの一部報道を否定した。

アサド政権内の動き

アサド大統領は政令第321号を発令、ムワッファク・イブラーヒーム・ハッルーフ氏をアリー・アフマド・マンスーラ氏の後任としてアレッポ県知事に任命した。ハッルーフ知事はバアス党ダマスカス郊外県支局書記長を勤めていた。

アドナーン・マフムード情報大臣は、サーリフ・アフマド・イブラーヒーム氏をタウフィーク・アフマド氏の後任としてラジオ・テレビ機構会長に任命。

SANA, August 15, 2011
SANA, August 15, 2011

タルトゥース市のコルニーシュでアサド大統領の改革を支持する大規模集会が開催され、数十万人が参加した。

レバノン

サイード・ミールザー検事総長が『サフィール』(15日付)に語ったところによると、ベイルート港のマリーナからバーニヤースへの武器密輸容疑で身柄拘束されていた2人は証拠不十分につき釈放された。

南部県、ナバティーヤ県のアマル運動とヒズブッラーの指導者らが会合を開き、レバノン国内問題の対話を通じた解決を確認するとともに、「変化や改革のスローガンのもとにシリアを標的にしようとする陰謀と闘うバッシャール・アサド政権への支持」を強調。

「無所属有識者」を自称する活動家多数がベイルートのマトハフ地区から首相官邸に向かってシリア国民との連帯を求めるデモ行進を行った。一方、バッシャール・アサド大統領の支持者が3台のバスに分乗して、ベイルートのリヤード・スルフ広場に到着し、アサド政権を支持する示威行動で対抗した。

レバノンに居住するシリア人の使節団(ジャマール・ムフスィン氏代表)がESCWA本部を訪問。潘基文国連事務総長宛親書を提出。この書簡において、外国の干渉拒否、アサド大統領の指導への支持、武装テロ集団による暴力行為への非難の意が強調されていた。

そのほか諸外国の動き

トルコのアフメット・ダウトオール外務大臣は、先週ダマスカスで行われた会談で、トルコがこうした作戦を継続するための「時間的猶予ないしは猶予期間」をシリアの政府に与えていないと強調し、アサド政権に対して「シリアの各都市での軍事行動の即時かつ無条件の停止」を求めていると改めて述べた。

PLOのヤースィル・アブドゥラッブフ書記長は、シリア軍によるラタキア市ラムル地区への攻撃を「厳しく非難」し、砲撃での住民の避難が「人道に対する罪」に相当すると形容した。

ヨルダンのマアルーフ・バヒート首相はシリアのアーディル・サファル首相と電話会談を行い、「暴力の即時停止」を求めた。

スペイン日刊紙『エル・パイス』(15日付)は、スペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相が特別顧問を秘密裏にシリアに派遣し、アサド大統領とその家族をスペインが受け入れることを骨子とする危機打開策を示したと報じた。

ドイツ外務省報道官は、EUの枠組みのもとでの対シリア制裁強化を呼びかけるとともに、国連安保理にシリア情勢の(再)審議を求めた。

『シャルク・アウサト』(16日付)が米エネルギー情報局のデータをもとに、シリアの石油部門への制裁が世界経済に及ぼす影響はほとんどないと試算。シリアは2009年で117,000バレル/日を輸出しているに過ぎない。ガスは輸入している。シリアに制裁を科した場合、1,500,000バレル/日の石油が失われる。これは956,000バレル/日を生産していたリビアと比べた場合微量。

スイス政府は、アリー・ハビーブ前国防大臣らアサド政権高官ら12人を新たに制裁リストに追加し、入国ビザ発給停止、預金凍結などの措置を行うことを決定。

APF, August 15, 2011、Akhbar al-Sharq, August 15, 2011, August 16, 2011、al-Hayat, August 16, 2011, August 17, 2011、Kull-na Shuraka’, August 15,
2011, August 17, 2011、Naharnet.com, August 15, 2011、NNA, August 15, 2011、El País, August 15, 2011、Reuters, August 15, 2011、al-Safir, August 15, 2011、SANA, August 16, 2011、al-Sharq al-Awsat, August 16, 2011などをもとに作成。

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ラタキア市での治安回復作戦にシリア海軍が初めて投入される、ラーマッラー市ではパレスチナ人約300人がシリア国民との連帯を求めるデモ(2011年8月14日)

バッシャール・アサド政権によるラタキア市での治安回復作戦が激化、シリア海軍が初めて投入された。こうしたなか、ダマスカス郊外県ドゥーマー市では住民がアサド大統領の「処刑」を求めた。

反体制デモをめぐる動き

複数の人権活動家や目撃者によると、シリア軍艦艇が海岸のラタキア市ラムル地区に艦砲射撃を行った。シリア海軍がデモ弾圧に参加するのはこれが初めて。ロイター通信がラタキア市住民の話として伝えたところによると、2隻の灰色の艦船が、ラムル地区、シャアブ地区に艦砲射撃を行った。ラムル地区は3月以来反体制デモが続いており、この金曜日には20000人がデモを行った。パレスチナ人難民キャンプがある。SANAはシリア海軍によるラタキア市への艦砲射撃を否定した。

またラタキア市内では、戦車、兵員輸送車輌、治安要員数千人、シャッビーハが治安回復作戦を行い、市民への無差別発砲、逮捕を行った。シリア人権監視団によると、ラムル地区以外でも同地区周辺のアイン・タムラ地区、ブスターン・サマカ地区、ブスターン・フマイミー地区、ブスターン・サイダーウィー地区でも軍・治安部隊による激しい発砲があった。またシリア革命調整連合によると、カルア地区、スライバ地区でも発砲があった。これに対抗するかたちでアシュラフィーヤ地区で反体制デモが断行されたという。

ラタキア市への大規模な作戦により、23人が軍・治安部隊によって殺害された。シリア人権監視団によると、その内訳は以下の通り。ラムル地区21人、クナイニス地区2人。

ダマスカス郊外県の2カ所でも大規模な逮捕、発砲が行われ、通信が遮断された。ドゥーマ市では12日(金曜日)の反体制デモでの犠牲者の葬儀が行われ、参列者が、アサド大統領の「処刑」を要求。

Kull-na Shuraka', August 14, 2011
Kull-na Shuraka’, August 14, 2011

シリア革命調整連合によると、ヒムス市では女性が反体制デモを行った。

イドリブ県のザーウィヤ山、サルジャ村、ハマー県、ダイル・ザウル県で軍・治安部隊により大規模な治安回復作戦が行われ、多数が逮捕された。またシリア人権委員会が発表した声明によると、イドリブ県サムリーン村の家族を乗せた車がトルコに避難しようとした途中で、治安部隊の銃撃を受け、運転手、家族1人(妊婦)が殺害された。

アサド政権の動き

SANAによると、ダマスカス大学の学生が、シリア国旗を14日、掲揚し、アサド大統領の改革、内政干渉と破壊反対。国旗旗は全長3キロで、10万人の学生が署名した。

SANAによると、トルコに避難していたジスル・シュグールの避難民のうち129人が13、14日に帰国した。

諸外国の動き

イランのアーヤトッラーの一人、ナーセル・マカーレム・シーラーズィーはシリア政府を支援するよう呼びかけ、「シリアの安定回復は宗教的義務であり、米国とイスラエルが地域において行っている犯罪的な計略を挫折させることになる」と述べた。

SANA, August 14, 2011
SANA, August 14, 2011

『ヒュッリーイェト』(14日付)がトルコ高官の話として伝えたところによると、トルコ政府はシリアへの国際社会の介入を完全に否定してはいない。

ラーマッラー市では、パレスチナ人約300人が14日晩にシリア国民との連帯を求めるデモ行進を断行。参加者の多くはフェイスブックでの呼びかけに応じて参加したという。「アッラー、シリア、自由のみ」、「バッシャールよ、臆病者よ、おまえの兵士をゴランに派遣しろ、バッシャールよ、マーヒルを連れて、我々のもとを去れ」といったシュプレヒコールを連呼するだけでなく、アサド政権によるヒズブッラー支援をも非難、「殺人者の体制を擁護するレジスタンスは信用を失っている」と叫んだ。

AFP, August 14, 2011、Akhbar al-Sharq, August 14, 2011, August 15, 2011、Aljazeera.net,
August 15, 2011、Hurriyet, August 14, 2011、al-Jarida, August 14, 2011、Kull-na Shuraka’, August 14, 2011、al-Hayat, August 15, 2011, August 16, 2011、Reuters, August 14, 2011、SANA, August 15, 2011、UPI, August 14, 2011などをもとに作成。

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ラタキア市に対する大規模な治安回復作戦が開始される、米大統領がサウジ国王と電話会談しアサド政権が「野蛮な暴力行為」を即時停止する必要を強調(2011年8月13日)

バッシャール・アサド政権はラタキア市に対する大規模な治安回復作戦を開始した。一方、反体制デモを組織・指導する(と考えられる)反体制勢力がアサド政権との対話を拒否し、示威行動を継続するなか、国内の無所属・反体制活動家が政党法に基づき活動申請を行った。

他方、バラク・オバマ米大統領とサウジアラビアのアブドゥッラー国王は電話会談でシリア情勢を協議、アサド政権の「野蛮な暴力行為の即時停止」の必要を強調した。

反体制デモをめぐる動き

シリア人権監視団、BBCなどによると、軍・治安部隊は早朝、ラタキア市で大規模な治安回復作戦を開始した。複数の活動家、目撃者によると、ラムル地区に戦車など20輌が進入。一方、オガレット・ニュースによると、軍・治安部隊はラムル地区に20000人以上の兵士、軍車輌数十輌、治安機関の車輌約50台、戦車15輌を投入、無差別発砲を行い、2人を殺害した。ラタキア市ラムル地区は電話、インターネットが遮断されている。

オガレット・ニュースによると、ラタキア市ではラムル地区以外にもスライバ地区、ウワイナ地区、アシュラフィーヤ地区に軍・治安部隊が進入し、市民に無差別発砲、逮捕。

SANAによると、ヒムス市郊外フーラで武装テロ集団が市民1人を襲撃、死亡。またシリア人権監視団によると、クサイル市にも、兵員車輌10台、ムハーバラートの車輌7台、シャッビーハの車輌15台が突入。

AKIにハマー市住民が電話で語ったところによると、ハマー市制圧時の犠牲者は、複数の人権団体が発表している数(約300人)よりもさらに多く、900人から1000人におよぶという。

政党法に基づき、ムハンマド・マルムー人民議会議員、ザーヒル・サアドッディーン氏(ビジネスマン)、『ティシュリーン』前編集長のサミーラ・ムサーラマ女史、ジャーナリストのアクラム・フザーム氏ら、国内の無所属・反体制活動が「民主社会党」の名で活動申請を行った。政党法制定後初となる申請。民主社会党は、「自由、公正、開発」をスローガンとし、「民主的な雰囲気のもとでの国民的政治活動に寄与するべく、愛国的、野心的、文明的な活動」を行うことをめざす。

ドイツのベルリンで民主的変革諸勢力国民調整委員会在外事務局の第1回会合が開催され、シリア情勢、委員会の組織に関する問題などが審議され、シリア革命を支援するための在外国民発足委員会の設置を宣言した。ソルボンヌ大学のブルハーン・ガルユーン教授、アムステルダム大学のサラーム・カワーキビー研究員、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長、シリア・アラブ人権機構のハイサム・マンナーア代表、『ル・モンド・ディプロマティーク』アラビア語版のサミール・イータ所長、ムハンマド・ザカリヤー・サッカール氏らが参加した同会合では、外国による干渉への強い反対の意思が示された。

諸外国の動き

オバマ米大統領とサウジアラビアのアブドゥッラー国王は電話会談でシリア情勢を協議、シリア政府が国民に対して暴力を行使することに「共同で深い懸念」を表明し、「野蛮な暴力行為の即時停止」の必要を強調した。

エジプトのムハンマド・カーミル・アムル外務大臣は「シリアで軍事的解決はないだろう」との見方を示した。

OICのアクマルッディーン・イフサーン・ウグロ事務局長が声明を出し、アサド政権に対して民間人への暴力行使の即時停止を求めた。

『デイリー・テレグラフ』(13日付)によると、イランは、ラタキア空港に軍事複合施設建設のための資金援助に合意。数百万ドル供出する予定だという。

カナダは、アサド政権に対する制裁強化を決定。制裁対象リストに、ムハンマド・フムリフ氏、タウフィーク・ユーニス氏、ムハンマド・マフルーフ氏、アイマン・ジャービル氏、シリア商業銀行氏、シリアテル氏を追加。米国に追随する動き。

一方、カナダ国籍を持つシリア人アブドゥッラー・マーリキー氏は、カナダ政府がアサド政権を「間接的に資金援助している」と非難。オタワでの反体制デモ参加後にCBSのインタビューに応じた同氏は、カナダの企業のシリアの石油・ガス部門での活動による収益が、シリア国民ではなく、アサド政権にもたらされ、それが弾圧、政権延命のための資金となっていると指摘した。マーリキー市は2002年にカナダ当局の情報提供に基づき、シリアでテロ容疑で身柄拘束されたが、その後無罪が立証され、釈放、カナダ政府は彼に謝罪していた。

フランス、イタリアは、アラブ人権連盟のアブドゥルカリーム・リーハーウィーリーハーウィー所長の逮捕を求める。

レバノンのワーディー・ハーリドでシリア人避難民は、デモ参加者に対する国内での治安部隊による身柄拘束・拷問の実態について語る。(証言映像

AFP, August 13, 2011、AKI, August 13, 2011、Akhbar al-Sharq, August 13, 2011、BBC, August 13, 2011、Daily Telegraph, August 13, 2011、al-Hayat, August 14, 2011, August 15, 2011、Kull-na Shuraka’ Suriya, August 13, 2011, August 14, 2011、August 15, 2011、Reuters, August 13, 2011、SANA 2011_0814、Ugarit News Network, August 13, 2011、UPI, August 13, 2011などをもとに作成。

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反体制活動家が「偉大なる我らがシリア国民への共同声明」を発表、シリア革命調整連合や自由シリア軍を含む数十の団体が署名(2011年8月12日)

フェイスブックの「シリア革命2011」で「我々はアッラー以外にはひれ伏さない」金曜日のデモが呼びかけられるなか、各地で午後の礼拝後に反体制デモが発生した。軍・治安部隊は各県にある数百のモスクを包囲していたにもかかわらず、複数の活動家によると、ダマスカス郊外県、ハマー県、ヒムス県、ダイル・ザウル県、ダルアー県などで数万人が街頭に出た。しかし、軍・治安部隊は、催涙ガス、実弾などで対抗し、少なくとも20人を殺害した。また数十人が負傷、多数が逮捕された。

一方、米国は世界各国、とりわけ中国、ロシア、インドを名指しして、シリアの石油、投資部門への制裁、武器売却の停止を呼びかけたが、トルコがバッシャール・アサド政権のもとでの政治改革を依然として支持するなか、その対シリア圧力は限界が見え始めている。

反体制デモ

シリア人権監視団によると、ヒムス市では、グータ地区、クスール地区、ハーリディーヤ地区、バイヤーダ地区、インシャーアート地区、バーブ・スィバーア地区、バーブ・ドゥライブ地区などでデモ。ハーリディーヤ地区では約3000人、インシャーアート地区では約10,000人が参加したが、アダウィーヤ・モスク近くで1人が殺害された。またヒムス市郊外のクサイル市では12人が殺害された、という。

アレッポ・シリア革命調整委員会の活動家によると、アレッポ市内の約40カ所、郊外約20カ所で反体制デモが発生したが、メディアはほとんど報道しなかったと抗議。同活動家によると、規模は小さかったもの、サーフール地区、サイフ・ダウラ地区、マルジャ(バーブ・ナイラブ)地区、ジャミーリーヤ地区、アシュラフィーヤ地区、シャイフ・マクスード地区、マディーナ・ジャーミイーヤ地区などでデモが行われ、治安部隊の発砲により4人が殺害された。また同活動家は、アレッポ市での革命を支持する諸部族のリストを発表。このリストには、バッカーラ・フサイニーヤ族、ダマーリハ・フサイニーヤ族など17の部族の名前が列記されている。

シャーム・ニュースによると、イドリブ県アリーハー市が軍・治安部隊に包囲された。またハーン・シャイフーン市で女性1人が殺害された。

ハマー市では、サハーバ・モスク、ウスマーン・ブン・アッファーン・モスク、ハムザ・モスクでデモが発生し、軍・治安部隊が市民に発砲、同市の活動家がAFPに語ったところによると2人が死亡。

ダイル・ザウル市でも、住民の一人によると、「ほとんどすべてのモスクから街頭へ」出て反体制デモを行った。これに対して、軍・治安部隊が発砲し、1人が殺害された。

シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県のドゥーマー市でデモが発生し、5人が殺害された。サクバー市のデモでも2人が殺害された。またシリア革命調整連合によると、ダーライヤー市でもデモが発生、シャッビーハがラフマーン・モスクを包囲し、犠牲者葬儀を妨害した。このほか、ザバダーニー市などでも午後の礼拝後にデモが発生した。シャーム・ニュースによると、ムウダミーヤト・シャーム市は夜の礼拝後のデモに備えて軍・治安部隊の包囲が続いた。

複数の活動家、住民によると、ラタキア市ラムル地区でもデモが発生し、約8000人が参加した。しかしラタキア市は、スライバ地区、スライバ開発計画地区、シャイフ・ダーヒル地区、アンターキヤー通り地区に軍・治安部隊が多数展開するなかでデモは困難となっており、バーラール・モスクなどでは治安部隊が礼拝者を包囲し、逮捕した。

バーニヤース市でも複数のモスクが包囲された。

シリア革命調整連合によると、ハサカ市ではサーリヒーヤ地区に軍・治安部隊が駐留。武器・弾薬が搬入される一方、シャッビーハ数百人も集結し、攻撃の恐怖が高まっている。

ダルアー県住民によると、ハウラーン地方のタイバ町、ジーザ町、ムサイフラ町などで数十人が逮捕。これらの町では連日反体制デモが行われていた。

『シャルク・アウサト』(12日付)によると、アサド政権は、3月半ばに反体制デモが始まって以来、レバノンやイランに資金を避難させ、その総額は230億ドルにおよぶ。アンタリア・シリア変革大会審議会のムハンマド・カルクーティー氏が明かす。西側諸国の制裁をかわすのがその狙い。

反体制活動家が12日、「偉大なる我らがシリア国民への共同声明(シリアのすべての通り、広場、施設からの「アサド」の名の排斥に関して)」を発表。アサド図書館(ダマスカス県内の国立図書館)、アサド湖(ラッカ県)などアサドを冠した地名、施設名の「国民~」への改称、ハーフィズ・アサド前大統領、バッシャール・アサド大統領の銅像の撤廃を求めた。

声明に署名した組織は以下の通り。シリア革命調整連合、地元調整諸委員会、シリア・クルド青年調整連合、自由シリア軍、自由将校運動、シリア変革大会、シリアのための国民行動団、ダマスカスおよび同郊外平和的変革自由主義者連合、シリア革命調整国民連立、アレッポ・シリア革命調整連合、ダルアー・シリア革命指導評議会、ハマー市調整委員会、ハマー自由主義者ブロック、ヒムス市自由主義者連合、ヒムス市諸地区連合、ヒムス革命主義者連合、シリア変革青年連合、シリア革命諸委員会連立、ダイル・ザウル調整委員会、ラタキア調整委員会、バーニヤース革命指導評議会、ジスル・シュグール・シリア革命調整連合、タルトゥース・反アサド・シリア革命、ジャブラ調整委員会、ムウダミーヤト・シャーム調整委員会、イドリブ市調整委員会、ザバダーニー調整委員会、マダーヤー調整委員会、カファル・ナブル調整委員会、マアッラト・ニウマーン調整委員会、ザーウィヤ山調整委員会、マアッラト・ハルマ調整委員会、サルミーン調整委員会、ビンニシュ調整委員会、タルビーサ調整委員会、ラスタン調整委員会、クサイル調整委員会、フーラ調整委員会、タッルカラフ調整委員会、ルクンッディーン調整委員会、サクバー調整委員会、サラーキブ調整委員会、サラミーヤ調整委員会、ハサカ調整委員会、カーラ調整委員会、カナーキル調整委員会、「反バッシャール・アサド・シリア革命」ページ、シリア・ウラマー連盟、シャーム文学者連盟、シリア人権委員会、アラブ・シャルク文明戦略研究センター、シリアのための青年、2月5日平和的変革運動、シリア・ムスタクバル青年、シリア自由女性、シリア・ノウルーズ革命、「クルド青年革命」ページ、シリア自由青年連合、「君らとともに」チーム、シャーム・ニュース・ネットワーク、シリア自由ジャーナリズム・ネットワーク、フラッシュ・ニュース・ネットワーク、オガレット・ニュース・ネットワーク、ダイル・ザウル・ニュース・ネットワーク、「我らはみなハウラーンの殉教者」ネットワーク、アレッポ・ニュース・ネットワーク、「夢のシリア」ネットワーク、イドリブ・ニュース・ネットワーク、「自由シリア」ネットワーク、シリア覚醒変革チーム、「我々はみな殉教者ハムザ・アリー・ハティーブ少年」、「ハマー・シリア革命」ぺージ、「我々はみなシリア」ページ、自由の「細菌」、シリア市民社会青年、シリアの恥・反革命シリア人リスト。

在米反体制有識者のラドワーン・ズィヤーダ氏が中東研究所で講演。ビジネスマンのイブラーヒーム・スライマーン氏(2007年にアサド大統領がイスラエルに派遣)らが出席。アリー・ハビーブ国防大臣の退任、ムハンマド・サルマーン元情報大臣による国民民主イニシアチブに関して、アラウィー派内の不協和音を示していると指摘。

SANAは、ダマスカス郊外県ドゥーマー市、アレッポのサーフール地区、イドリブ県アリーハー市で武装テロ集団の狙撃手が無差別発砲し、治安維持要員3人が死亡したと報じた。また反体制デモに関しては、ヒムス市郊外、イドリブ市郊外、ダマスカス郊外県、ラタキア市ラムル地区で午後の礼拝後にデモが発生したと報じた。

アサド政権内の動き

衛星テレビ局のジャズィーラやフッラで特派員を務めたアクラム・フザーム氏が政党法のもと、初の政党発足を準備中。党名は民主公正党。

レバノン

ベカーア県では、ジュッブ・ジャニーン村、カーミド・ルーズ村でシリア国民との連帯を求めるデモが発生。

サイダー市南部、イクリーフ・ハルーブ、カトルマーヤーで金曜日の礼拝後にシリア国民との連帯を求めるデモ。レバノン・イスラーム集団の支持者が組織。

各国の動き

ヒラリー・クリントン米国務長官は、記者団に対して「シリアの石油・ガスを依然として購入している国々、アサドに武器を供与し続けている国々に…歴史の正しい方向に導くような決定を下すことを我々は呼びかける」と述べた。ノルウェー外相との共同記者会見で、「アサドは国を指導する正統性を失った」と述べたが、退任を要求はしなかった。

なおこれに先だって、11日、国務長官はCBSとのインタビューで、中国とインドにエネルギー部門での制裁を科すよう求めるとともに、ロシアには武器供与を停止するよう求めていた。また反体制勢力各派に対しては民主主義への移行のプロセスを円滑に行うための統一的な行動計画を作成するよう呼びかけた。

一方、ダマスカスに戻ったロバート・フォード米大使は、ジャーナリストがデモを取材できるようワリード・ムアッリム外務大臣に求める。

キャサリン・アシュトン欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表報道官は、シリア情勢をめぐる対処法に関して、米国とEUの間に足並みの乱れが生じていることを否定し、追加制裁を検討していると述べる。

エジプト作家連合が、「怒りと懸念」を表明。エジプト政府に「1月25に革命をシリア、リビア、イエメンでの革命をもって」完結するべく実質的な役割を」果たすよう求める。

チュニジア外務省がアサド政権に対して「暴力の即時停止」、「真剣な国民対話」を求める。

オランダ外務省が対シリア制裁の強化を主張。

米ラジオSAWAによると、リビアのベンガジ当局は早朝、ムアンマル・カッザーフィー政権に武器を提供しようとしていたシリア船籍を拿捕、武器を押収。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは声明を出し、EUに対してシリアの石油・ガス企業の資産凍結を呼びかけた。

AFP, August 12, 2011、Akhbar al-Sharq, August 12, 2011, August 13, 2011,
August 16, 2011、al-Hayat, August 13, 2011、Kull-na Shuraka’, August 12, 2011、Naharnet, August
12, 2011、Radio Sawa, August 13, 2011、Reuters, August 12, 2011、SANA, August
13, 2011、Sham News Network, August 12, 2011、al-Sharq al-Awsat, August 12, 2011、UPI, August 13, 2011などをもとに作成。

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アサド政権に対する猶予をめぐって米国とトルコがコンセンサスに立つなか、シリア人権連盟のリーハーウィー所長が逮捕される(2011年8月11日)

Facebook
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反体制デモ

シリアの活動家はフェイスブックの「シリア革命2011」で「我々はアッラー以外にはひれ伏さない金曜日」とデモを呼びかけた。ラマダーン月に入って、反体制勢力がデモを呼びかけるのは先週金曜日の「我々はアッラーとともにある金曜日」に次いで2度目。ラマダーン月に入って、反体制勢力は「アッラー」、「ひれ伏す」(ラカア)といったイスラーム教への信仰心を連想させる用語を用いるようになっているが、こうした稚拙なシンボルの使用が「宗派主義的内乱を助長する」といった非難を(バッシャール・アサド政権側から)招くことは必至であろう。

複数の活動家によると、軍・治安部隊は早朝、イドリブ県サラーキブ市、ヒムス県クサイル市、ダマスカス郊外県のザマルカー、アルバイン、ハムーリーヤに進入。

シリア人権監視団によると、クサイル市では少なくとも18人が殺害、数十人が負傷、数百人が逮捕され、住民の多くが避難した。また攻撃に先立って通信などが遮断された。

サラーキブ市では、シリア人権監視団監視団によると、複数の戦車など軍用車輌が進入、子供35人を含む数百人が逮捕された。同市では連日、反体制デモが行われていた。治安部隊は商店の扉を壊し家宅捜索を行い、電気も遮断されているという。

一方、ダイル・ザウル市でも3人が殺害されたという。

シリア人権監視団によると、ダマスカスのヒジャーズ駅近くの老舗喫茶店ハバナで、シリア人権連盟のアブドゥルカリーム・リーハーウィー所長が逮捕された。リーハーウィー所長は3月のデモ開始以来、シリア国内からBBCなどに情報を提供していた人権活動家。

スワイダー県の技師らが、技師組合スワイダー支部ビル前で軍・治安部隊による弾圧に抗議するための座り込みを呼びかけた。

シリア人権監視団によると、ヒムス市のバーブ・アムル地区などで激しい銃声が聞こえた。

アサド政権による弾圧に荷担しているとの一部報道に対して、シリア民主統一党が否定する声明を出す。

シリア人権機構のアンマール・カルビー所長はCNNのインタビューに対して、これまでの死者数が民間人だけで2100人にのぼり、26000人が逮捕されたと述べる。

アサド政権内の動き

バッシャール・アサド大統領は、ジャースィム・フライジュ中将をダーウード・ラージハ国防大臣の後任の参謀長に任命した。Al Watan Online(11日付)によると、フライジュ中将はハマー出身で、副参謀長を務めてきた。フライジュ中将のほかには、アースィフ・シャウカト副参謀長(中将)、ムニール・アドヌーフ中将が参謀長候補だった。なかでもシャウカト中将の処遇に注目が集まっていたが、デモ弾圧を行う現状において、宗派主義的緊張を高める可能性を配慮し、参謀長への就任は見送られたと見られる。

Akhbar al-Sharq, August 11, 2011
Akhbar al-Sharq, August 11, 2011

ダルアー県のナビール・ウムラーン知事は、息子が留学中のカナダの入国ビザの取得申請を行ったが、カナダ当局が却下。ダルアー県でのデモ発生の責任をとるかたちで解任されたファイサル・クルスーム前知事の後任として県知事となったウムラーン氏は汚職の噂が絶えず、追求を免れるためカナダに逃れようとしたとの見方が濃厚。

親政府系の通信社‘Aks al-Sayr(11日付)やDamaspost(11日付)が複数の信頼できる消息筋の話として伝えたところによると、総合情報究局長のアリー・マムルーク少将が8月10日にイドリブを訪問し、住民と会見。遺族、ウラマーなどと会見したマムルーク少将は市民を傷つけた者の処罰を約束した。

Kull-na Shuraka’(11日付)が複数の消息筋から得た情報として、リフアト・アサド前副大統領が、今月初めからシリアに帰国し、作戦本部付となっていると報じた。同消息筋によると、リフアト・アサド前副大統領が3月のデモ開始以来、政治の表舞台に姿を現すことを避けていたことは、シリアへの帰国の準備だったと見られる。数日前に国民民主イニシアチブを立ち上げたムハンマド・サルマーン元情報大臣の活動の活発化との関係は明らかではない。(なおリフアト・アサド前副大統領の帰国の事実は今のところ確認されていない)。

シリアでのデモの影響で食糧品などの不足が指摘されるなか、Kull-na Shuraka’(11日付)は、砂糖の供給不足が、生活必需品の販売取引を独占する「マフィア」のタリーフ・アフラス氏が配給制限していることに起因すると報道。アフラス家はアレッポ、ハマー、ヒムスの名望家でアスマー・アフラス氏はバッシャール・アサド大統領の夫人。

Kull-na Shuraka', August 11, 2011
Kull-na Shuraka’, August 11, 2011

ヒムス市の住民らが、ヒムス市住民連帯委員会発足を宣言し、ヒムス市の様々な社会集団、階級、階層に和解と改革のための対話を呼びかけた。バアス大学理学部のザカリヤー・ズィラール教授らが署名・参加。

レバノン

レバノン民主党のタラール・アルスラーン党首がシリアを訪問し、ムハンマド・ナースィーフ副大統領と会談。最近のシリア・レバノン情勢について協議。

ベイルート県中心に位置するハムラー地区のシリア大使館前でレバノン・イスラーム集団の支持者によるシリア国民支持デモとアサド大統領支持者が衝突。

ベカーア県のマジュダル・アンジャル、カーミド・ルーズ、ジュッブ・ジャニーンなどシリア国民との連帯を求めるデモが夜の礼拝後に発生。

アラブ・レバノン青年党が声明を出し、「シリアに対する陰謀の拠点、通過地とならないという憲法の規定に対する明確な態度」を示すようナジーブ・ミーカーティー内閣に求めた。

そのほか

バラク・オバマ米大統領は昨日、トルコのタイイップ・レジェップ・エルドアン首相との電話会談で、「民主制への移行」の必要、「今後数日間の両国による情勢監視の強化」を行うことで合意した。これにより、アサド政権にアンカラが猶予を与えたことをめぐって、米国とトルコがコンセンサスに立ったことになる。しかし米高官によると、オバマ政権は近く、国内でのデモ弾圧を停止させるべく、制裁強化とともに、アサド大統領に退任を求める模様。

トルコのジャーナリスト取材チームが、トルコからシリアへ派遣された。ハマー情勢の取材を継続することが目的と考えられる。

エジプト、ヨルダンの若者たちがフェイスブック上で、両国に駐在するシリア大使を追放する署名を呼びかける運動を始めた。

カナダ首相がアサド政権によるデモ弾圧を、「蛮行」と非難。

シリア人権筋によると、サウジ人諜報員約100人がシリアのサイドナーヤー刑務所に収監されている。サウジの日刊紙『ワタン』(11日付)に対して明らかにした。かつては200人もの諜報員が身柄拘束されていたという。在リヤド・シリア大使館はサウジ人の逮捕を否定。サウジ人権協会によると、身柄拘束されている諜報員は3月半ばのデモ開始以前に身柄拘束されていた。

イラク国民議会のウサーマ・ヌジャイフィー議長は、ヌーリー・マーリキー首相およびクルディスタン自治政府の指導者たちに、シリアでのデモ弾圧を非難し、シリア政府に暴力停止を求めるよう呼びかけた。

AFP, August 12, 2011、Akhbar al-Sharq, August 11, 2011, August 12, 2011、Alarabia.net,
August 12, 2011、‘Aks al-Sayr, August 11, 2011、CNN, August 12, 2011、Damaspost,
August 11, 2011、al-Hayat, August 12, 2011, August 13, 2011、Kull-na Shuraka’, August 11, 2011, August 12, 2011、Naharnet.com, August 12, 2011、NNA, August 12, 2011、UPI, August 11, 2011、al-Watan (Riyad), August 11, 2011、Al Watan Online, August 11, 2011などをもとに作成。

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治安部隊がダイル・ザウル市およびイドリブ市の制圧を完了、対シリア非難安保理議長声明に基づく事務総長報告を審議するため国連安保理非公式会合が開催(2011年8月10日)

ハマー市、ヒムス市に続き、シリア軍・治安部隊はダイル・ザウル市、イドリブ市および郊外を制圧した模様。西側諸国のシリアへの圧力にもかかわらず、バッシャール・アサド政権は着実に戦果を上げている。一方、ダーウード・ラージハ国防大臣就任に伴い、副参謀長という「閑職」に追いやられてきた大統領の義理の兄、アースィフ・シャウカト中将の動静がにわかに着目されている。シャウカト中将が参謀長の職を代行しているとの見方が浮上するなか、彼が「弾圧の顔」としての「復権」を果たすか否か今後の動きが見逃せない。

弾圧

AFPがシリア人権監視団の話として伝えたところによると、ダイル・ザウル市はシリア軍に制圧された。これまで60人が逮捕されたという(ダイル・ザウル市攻撃の資料映像)。

Akhbar al-Sharq, August 10, 2011
Akhbar al-Sharq, August 10, 2011

地元調整委員会などヒムス市の複数の活動家によると、18人が同市で軍治安部隊の銃撃でイフタール前に殺害された。うち11人がバーブ・アムル地区で、7人がインシャーアート地区でそれぞれ殺害された。AFPによると、軍治安部隊は市民に無差別発砲を行ったという。また目撃者によると、デモが行われていなかったにもかかわらず、突如銃撃が始まった。

アラブ人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長は、ダマスカス郊外県のザマルカー町、アルバイン市、ハムーリーヤ市で軍が突入、多数が逮捕された。逮捕の直前、通信が完全に遮断されたという(ダマスカス郊外アルバインでの弾圧の資料映像1、資料映像2)。

シリア人権監視団によると、イドリブ県では、トルコ国境近くのタフタナーズ市に軍・治安部隊の戦車など12輌が進入し、女性1人を殺害。またサルミーン市でも女性1人が殺害され、3人が負傷。

軍・治安部隊による治安回復作戦が振興するなか、外国の新聞・テレビ37機関の記者、特派員合計72人がシリア当局に伴われ、ハマー市を訪問した。AFP特派員によると、朝、軍の車輌数十両がハマーを撤退するのが目撃された。撤退する兵士は「魂と血を貴方に捧げる、バッシャールよ」「アッラー、シリア、バッシャールのみ」と連呼し、「勝利」をアピールしていた、という。

SANA, August 10, 2011
SANA, August 10, 2011

アサド政権の動き

SANAによると、シリア軍部隊がハマー市から10日早朝撤退を開始。また同日昼、イドリブ市および郊外からも撤退を開始。外国記者団へのハマー市開放(上述)は、こうしたなかで行われた。

SANAによると、ダマスカス県サブウ・バハラート広場、アレッポ市サアドゥッラー・ジャービリー、ラタキア市、ジャブラ市、タルトゥース市など、各地でバッシャール・アサド大統領の改革、外国による干渉反対を求める集会が行われる。

ワリード・ムアッリム外務大臣は南アフリカ、ブラジル、インドの使節団と会談。シリアの各都市での状況が「武装テロ集団」の破壊活動によるものだとしたうえで、政府が国民対話と改革を計画していることを改めて明言した。

『アフバール』(10日付)によると、ダーウード・ラージハ参謀長の国防大臣就任に伴う新参謀長人事に関して、アースィフ・シャウカト副参謀長(治安担当)が参謀長になり、デモ弾圧の「顔」にすげられる可能性が濃厚、と指摘。シャウカト副参謀長はヒズブッラーのイマード・ムグニーヤ暗殺やイスラエルによるキバルの核疑惑施設空爆の責任をとるかたちで軍事情報局長を解任され、副参謀長という閑職に追いやられていた。

SANA, August 10, 2011
SANA, August 10, 2011

レバノンへの影響

野党3月14日勢力事務局は、アドナーン・マンスール外務大臣のシリア訪問を非難するとともに、ミシェル・スライマーン大統領に対して、駐ダマスカス・レバノン大使を召還し、対応を協議すべきだと述べる。サウジアラビアなどによる大使召還に迎合しようとする動き。

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首がシリアを訪問。ムハンマド・ナースィーフ副大統領補と会談し、最近の情勢について協議。会談後、シリアの体制の運命について心配はしていない、と述べた。

『サフィール』(10日付)によると、ベイルート港のソリデール社のマリーナからバーニヤースへの武器密輸事件に関して、すでに逮捕された3人に対する調査が進んだ。治安筋によると、主犯格のM.A.の消息不明。M.A.はレバノン北部に住むとされる。「彼は北部県の3月14日勢力の指導者たちときわめて近い人物だ」。

ビカーア県のマジュダル・アンジャル、サアドナーイル、タアルバーヤーでシリア国民との連帯を求める夜間デモが行われ、それぞれ数十人の若者が参加。

そのほか諸外国の動きなど

対シリア非難安保理議長声明に基づく事務総長報告(現地での民間人への暴力行使、トルコ、レバノンへの避難民を憂慮)をめぐる審議を行うための国連安保理非公式会合が開かれる。

西側諸国は事務総長に来週再度報告を提出するよう求めた。また英仏独ポルトガルの代表は、来週の会合までにシリア情勢に改善が見られない場合、安保理は追加措置をとる必要があるとの立場を示した。米国もまた、スーザン・ライス大使が欧州諸国とともにアサド政権への追加制裁を行う意思を示した。

しかしロシアは、「我々は自制、改革、対話を呼びかけている」と述べ、反体制勢力がアサド政権との対話を拒否し続けることを批判した。

これに対してシリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、シリア情勢と英国での暴動を比較し、「英国首相が、暴徒について言及し、彼らをギャングと呼ぶことに耳を傾けることは有用である…。我々には我が国の武装テロ集団について言及する際、同じ言葉を用いることが許されていない。これは偽善であり、傲慢だ」と反論した。

国連のスーザン・ライス米大使は、国連安保理会合前に、アサド政権が「正統性を失った」、「彼がいない方が状況はシリア国民にとってよくなる」と述べた。また米国が現在、国連人権委員会や、国際刑事裁判所への人道に対する罪、戦争犯罪での起訴を検討していることを明らかにした。

一方、米財務省はシリア国営のシリア商業銀行、同行のレバノン支店であるシリア・レバノン商業銀行、携帯電話会社シリアテル(ラーミー・マフルーフのシャーム・ホールディングスが筆頭株主)を制裁対象に追加。

フランス外務省副報道官は、国連安保理でのシリア非難議長声明に基づき潘基文国連事務総長が安保理に提出したシリア情勢に関する報告について、シリアは「国連安保理のメッセージを無視し続けることはできない」と述べ、アサド政権による弾圧を改めて非難。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相はAKP党員との会合で、10日に駐ダマスカス・トルコ大使がハマー市を訪問したと述べ、同市からシリア軍が撤退を始めたことを明らかにした。首相はこの動きをトルコのイニシアチブの結果と自賛。また火曜日のダウトオール外相の訪問に関して、「我々は昨日、アサド大統領に、これらの都市を外交官やメディアに開放することが重要だと述べた」とし、報道の自由が国際社会や国民に政権のパフォーマンスを評価させることを可能にするとの見方を示した。

また、駐ダマスカス・トルコ大使がハマー市訪問・視察。

アルジェリア外務省報道官は、シリアでのデモに関して、暴力の応酬への遺憾の意を表明する一方、すべての当事者に自制を求め、危機回避のための包括的国民対話と政治改革の実行を呼びかける。

モロッコ外務省は声明を出し、シリアでの暴力激化への懸念を表明。

ヒューマン・ライツ・ウォッチ、アムネスティ・インターナショナルは国連安保理にさらなる圧力を求める。

al-Akhbar, Augusut 10, 2011、Akhbar al-Sharq, August 10, 2011, August 12, 2011、AFP,
August 10, 2011、BBC, August 10, 2011、DamasPost, August 10, 2011、al-Hayat, August 11, 2011, August 12, 2011、Kull-na Shuraka’, August 10,
2011、Naharnet, August 10, 2011、Reuters, August 10, 2011、al-Safir, August 12, 2011、SANA, August 11, 2011、UPI, August 10, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

トルコのダウトオール外相がアサド大統領と会談、反体制派に対する軍事作戦の停止をめぐって「最後の警告」を伝える(2011年8月9日)

トルコのアフメット・ダウトオールがシリアを訪問し、暴力停止を求めてバッシャール・アサド大統領に「最後の警告」を発するなか、シリア国内では軍治安部隊がダイル・ザウル市、ハマー市郊外、イドリブ県、ダマスカス郊外県などで治安回復作戦を継続し、多数の市民を殺害した。

一方、トルコとの関係が悪化するなか、アサド政権がPKKの残党を利用して、シリア国内の反体制活動家を脅迫しているとの見方も浮上した。

さらにサウジアラビアのアブドゥッラー国王がアサド政権による暴力行使を非難したのを受けるかたちで、レバノン国内では、アサド政権との関係をめぐって、ナジーブ・ミーカーティー内閣を構成する3月8日勢力と野党の3月14日勢力との対立が表面化している。

シリア国内情勢

シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市では、早朝から、ハウィーカ地区、クスール地区、ジュバイラ地区で激しい銃声。また捜索・逮捕がハウィーカ地区で重点的に行われ、17人が殺害。複数の活動家によると、ダイル・ザウル市の市街地には遺体が散乱しているという。

シリア革命調整連合によると、ハマー市郊外のタイバト・イマーム市にも軍・治安部隊が突入。同村のジャウワーシュ病院から5遺体が搬出され、そのなかには子供2人(6歳と12歳)の遺体も含まれていた、という。また数十人が負傷した。同地の弁護士によると、「ハラファーヤー市、タイバト・イマーム市周辺に戦車50輌が展開している」。またシリア人権連盟のアブドゥルカリーム・リーハーウィー所長によると、タイバト・イマーム市で4人が殺害された。

シリア人権国民機構によると、ハマー市北部のスーラーン市に軍・治安部隊が戦車などで進入、26人が殺害、数十人が負傷。

シリア人権連盟のアブドゥルカリーム・リーハーウィー所長によると、軍・治安部隊はイドリブ県のビンニシュ市、サルミーン市にも攻撃。シリア人権国民機構によると、イドリブ県ビンニシュ市では4人が殺害。シリア人権監視団によると、軍・治安部隊がビンニシュ市、サルミーン市に突入し、2人を殺害。

シリア人権監視団によると、ヒムス市では一昨日夜、15000人がマルアブ街道でデモを行った。また、ヒムス市で逮捕された市民3人が拷問を受け死亡。遺体は9日に家族に引き渡された。

シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外のザマルカー町、アルバイン市では車の往来が禁止されている。またザマルカー町では通信が朝から遮断されている。

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こうしたなか、反体制活動家による声明発表が相次いだ。

アラウィー派宗徒が声明を発表。反体制デモを支持するとともに、バッシャール・アサド政権がアラウィー派を代表してないと強調し、賛同者に同声明の署名を求めた。声明発表時の署名者人数は4人。

シリアの反体制有識者、活動家ら数十人が共同声明を発表し、「シリアでの民間人に対する集団虐殺」を非難。声明に署名した主な有識者は、イブラーヒーム・マーフース氏、イブラーヒーム・ダルウィーシュ氏(シリア・クルド国民行動ユニット)、ハビーブ・ハッダード氏、ズハイル・サーリム(シリア・ムスリム同胞団報道官)、アリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー(シリア・ムスリム同胞団前最高監督者)、ムハンマド・リヤード・シャカファ(シリア・ムスリム同胞団最高監督者)、ハイサム・マーリフ(シリア人権協会)、ハイサム・ラフマ(シリア革命支援国民連立)、ワリード・サフール(シリア人権委員会)などそのほとんどが在外活動家。

シリア共産主義者統一国民委員会が声明を出し、シャビーハの弾圧は、同集団が宗派的な性格を持っているために、事態をさらに複雑化すると指摘。治安部隊などによる弾圧の停止を求めた。

シリア反体制政党国民調整委員会を名乗る政治同盟のハーズィム・ナハール報道官は、「シリア人は今日、心理的な支援を必要としており…、リヤードが表明した立場は、内政干渉にはあたらない」と述べ、サウジアラビアのアブドゥッラー国王の8日の声明への支持を表明。

シリア・ムスリム同胞団のズハイル・サーリムが声明を出し、民間人への弾圧を非難し、大使を召還したサウジアラビアのアブドゥッラー国王やGCC諸国の対応を評価。

シリア・クルド人権一般的自由擁護機構(DAD)、シリア人権国民機構、シリア人権機構(Maf)、シリア・アラブ人権機構、シリア・クルド人権委員会(監視団)、シリア民主的自由人権擁護諸委員会(CDF)が共同声明。弾圧継続を非難。各地での死者の氏名を公開。

シリアとトルコの関係が悪化するなか、ハーフィズ・アサド前政権がPKKを対トルコ政策、対クルド政策に利用したのと同様、バッシャール・アサド政権が国内のクルド民族主義勢力を利用している、とトゥルキー・ジスル氏がKull-na Shuraka Suriya(9日付)の論説で主張。同氏によると、シリア国内のPKK残党や支持者はシリア民主統一党(PYD)を結成し活動を継続。3月にシリアでデモが始まって以降、シリア民主統一党はデモを指導する調整委員会を脅迫し続け、活動家を誘拐、暴行している、という。

アサド政権の動き

トルコのダウトオール外務大臣はダマスカスでアサド大統領と会談した。

Kull-na Shuraka’(9日付)などによると、ダウトオール外務大臣は民間人弾圧を目的とした軍事作戦の停止を求めるとともに、自らの訪問が、シリア政府に対する「最後の警告」だと告げる。これに対してアサド大統領は、「我々は妥協しない。もし戦線布告を受けたら、地域戦争も辞さないだろう」と述べ、内政干渉を改めて拒否。

しかし、ダウトオール外務大臣は会談後の記者会見で、近日中に重要な改革措置がとられることを期待している、と述べた。複数の消息筋によると、4時間にわたる会談では、当初緊張に包まれていたが、会談を終えたダウトオール外務大臣には笑顔も見られた、という。

ダウトオール外務大臣によると、会談では、シリア情勢をめぐって詳細に議論、トルコ側の見解、シリアへの要求を伝える一方、シリア政府による改革措置についても議論。また信頼できる消息筋によると、議題のなかには、改革の一環として、トルコによる政権と反体制勢力の仲介もあったが、アサド大統領は「武装テロ集団」への断固たる対応をとるとの意思を示した。

この点に関して、SANAは「祖国の安定と国民の安全を守るため、武装テロ集団追跡に妥協しない」という点を確認するとともに、「包括的改革措置を完了するための立案も行われている」点が会談において強調されたと伝えた。

フェイスブックの「シリア革命2011」によると、ダウトオール外務大臣は、ダマスカスのマイダーン地区のモスクを訪問し、イフタール後の礼拝を行うとともに、抗議行動を行う市民の要求に耳を傾けた。

トルコ高官筋が『ハヤート』(11日付)に明らかにしたところによると、ダウトオール外務大臣はアサド大統領との会談で、暴力停止がなされなかった場合、トルコがとるであろう一連の措置について伝えたという。トルコで記者団に対して、アサドとシリアでの流血停止と民主的改革実行の方途について議論した、と述べる。

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アリー・ハビーブ前国防大臣がシリア・アラブ・テレビに出演し、退任の挨拶。退任の理由が健康状態の悪化にあると述べる。しかし『シャルク・アウサト』(9日付)が西側外交筋の話として伝えたところによると、ハビーブ前国防大臣はハマーでの弾圧に再三にわたって反対したために国防大臣を解任された、という。

SANAによると、ダイル・ザウル市で武装テロ集団の発砲により、市民1人が死亡、3人負傷した。

ナーディル・ハサン・カッターンを名のるハマーの武装集団メンバーの1人がシリア・アラブ・テレビで、警察署を襲撃し、武器を強奪、警官を殺害したと証言した。

サウジアラビアのアブドゥッラー国王の8日の声明発表を受け、シリアの主要各紙がその姿勢を強く批判。『ワタン』(9日付)は、武装テロ集団の存在、改革政策を無視している、と非難。『サウラ』(9日付)は「米国の要請に応えた声」と非難。

SANA, August 9, 2011
SANA, August 9, 2011

 

レバノンの動き

ナジーブ・ミーカーティー内閣は閣議で、シリアへの武器密輸を阻止することで合意。これは進歩社会主義党/国民党争ブロックの閣僚が問題提起し、閣内で合意した。

自由国民潮流のミシェル・アウン代表はシリア情勢に関して、「殺人や虐殺ではなく、投票に訴えるべき」と述べ、改革を求める一方、「テロを行っているのは武装集団であり、彼らが言うように、国家ではない」、「シリアがトルコ国境はアラブ諸国の国境で害を与えているとは思わない」とアサド政権の弾圧に一定の理解を示した。そのうえで、国際社会の動きが、「改革ではなく、イラン、ヒズブッラー、ハマースとの関係を絶たせシリアと交渉するための圧力」と非難した。

SANA, August 9, 2011
SANA, August 9, 2011

『リワー』(9日付)によると、進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首はシリア情勢を悲観。ジュンブラート党首はシリア情勢に対して中立の姿勢を維持しようとしているが、「改革以外に逃げ道はない、時間やチャンスを無駄にしてはならない。これはシリアの将来への賭け」と述べたという。サウジアラビアでサアド・ハリーリー前首相と会談するといった情報も流れている。

ムスタクバル潮流はアドナーン・マンスール外務大臣のシリア訪問を「忌まわしい」シリア実効支配を思い起こさせると非難。

ベカーア県内の複数の村の住民数十人が国境のマスナアに行進。アサド政権による弾圧に抗議。

『リワー』(9日付)、ヒムス県内対レバノン国境通行所でシリア当局がレバノンのトラックに積まれたライフル銃約250丁を押収。トラックはシリア経由でイラクに向かう途中だったとされるが、シリア当局は反体制デモへの武器を供与しようとしていたと断じた。なおレバノン司法当局筋によると、これ例外にも、3人のレバノン人がベイルートで、バーニヤースへの武器密輸を試みて逮捕されたという。『ハヤート』(9日付)によると、この3人の車からカラシニコフ銃6丁が押収された。

各国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ワリード・ムアッリム外務大臣と電話会談し、暴力行為の停止が最優先事項とのロシアの立場を伝える。

エジプトのムハンマド・アムル外務大臣はシリアが「戻れないところに向かっている」と述べ、暴力停止に向けて早急な措置を講じるよう呼びかける。

イラク国民議会のウサーマ・ヌジャイフィー議長は、シリア政府に対して「流血を停止するための大胆な対応」を行うよう呼びかける。

国連安保理は今日、潘基文事務総長からシリア情勢に関する報告を受ける。ニューヨークの複数の消息筋によると、インド、ブラジル、南アフリカの国連代表は、シリア高官に今日、「国際社会の立場は、暴力の拒否と即時改革要求という点で統一されている」ことを伝えるとのこと。

AFP, August 9, 2011、Akhbar al-Sharq, August 9, 2011, August 10, 2011、AKI, August 9, 2011、facebook、al-Hayat, August 9, 2011、August 10, 2011, August 11, 2011、Kull-na Shuraka’,
August 9, 2011, August 10, 2011、al-Liwa’, August 9, 2011、Naharnet.com, August 9, 2011、Reuters, August 9, 2011、SANA,
August 10, 2011、al-Sharq al-Awsat, August 9, 2011、al-Thawra, August 9, 2011、UPI, August 9, 2011, August 10, 2011、al-Watan, August 9, 2011をもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

米大統領と伊首相がアサド政権への圧力強化手段をめぐって会談、サウジに続きクウェートとバーレーンも駐ダマスカス大使の召還を発表(2011年8月8日)

軍・治安部隊が早朝、イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市を襲撃。数十人を逮捕。

ダイル・ザウル市では、断続的な砲撃が続き、シリア人権監視団など複数の活動家によると「住民は家の中で恐怖にさらされている」。攻撃はハウィーカ地区、ジャウラ地区に集中している。この二つの地区の住民数千人はすでに避難した。

複数の住民によると、ジャウラ地区は大規模な逮捕・捜索が行われ、現在までのところ34人が逮捕された。シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市では女性2人、子供2人が治安部隊の銃撃で殺害された。うち女性一人とその子供2人はハウィーカ地区で軍治安部隊の攻撃を回避しようとしているときに殺害された。また同監視団によると、ダイル・ザウル市への軍の突入以来、死者数は65人に上る。

Kull-na Shuraka', August 8, 2011
Kull-na Shuraka’, August 8, 2011

シリア人権監視団はまた、ダルアー市で指導的な活動家の一人であるマアン・アウダート氏が治安部隊によって暗殺されたと発表した。同氏はダルアーの犠牲者(先週逮捕された後に殺害されたとされるムハンマド・アクラード氏)の葬儀に参列中だった。また同氏とともに会葬者2人も殺害された。マアン・アウダート氏は人権活動家ハイサム・マンナーア氏の弟。

ヒムス市内の複数の地区で昨晩に引き続き、夜の礼拝後に市民がデモを行った。数千人が参加。アサド政権支持者の発砲により、少なくとも1人が負傷した。もっとも大規模なデモが行われたのはハーリディーヤ地区で、そのほかにもバイヤーダ地区、バーブ・スィバーア地区、バーブ・ドゥライブ地区。これらの地区は2週間前から電話回線などが遮断された。

シリア人権監視団によると、タドムルでもラマダーン月開始以来、毎晩、夜の礼拝後にデモが行われている。

ラスタン市でも数千人が参加したデモが行われた。

このほか、ダマスカス郊外県各市、ラタキア市、バーニヤース市、ハサカ市、ラアス・アイン市、カーミシュリー市、ラッカ市、ダルアー市でもデモが発生した。

シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県ザマルカー町で200人が逮捕。

ハサカ県の各都市・村のシリア正教会説教師らが日曜日、国内情勢について協議し、「自由、民主主義、尊厳を求めるシリア国民の正当な要求を支持する」と宣言。

ムハンマド・サルマーン元情報大臣はダマスカスで記者会見を開き、「国民民主イニシアチブ」を立ち上げる。アサド大統領に対して「現下の危機を克服するための解決策を案出するための国民対話開催のイニシアチブ」をとるよう呼びかけ、政治的解決を主唱した。また現バアス党指導部の政策を「行き過ぎ」と批判する一方、外国の干渉に反対の立場を明示した。

シリア国防省のウェブサイトを何者がハッキングし、トップページをシリア国内での弾圧を非難する画像、文書に置き換えた。『ハヤート』(10日付)によると、ハッカー集団「アノニマス」の犯行。

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バッシャール・アサド大統領は政令第307号を発し、アリー・ハビーブ国防大臣に代えて、シリア軍武装部隊参謀長のダーウード・ラージハ一等中将を国防大臣に任命。SANAによると、ハビーブ国防大臣は長らく健康を害していたという。ラージハ一等中将の国防大臣昇進に伴う参謀長人事は発表されていない。だが2009年7月以来、アースィフ・シャウカト中将が副参謀長に就いており、参謀長職を代行する可能性は否定できない。

軍高官筋は昨日、シリア軍・治安部隊がハマー市での任務を完了し、撤退を開始したと述べた。またハマー市当局は残骸の撤去を開始。

ハマーの治安筋によると、軍部隊は市内で武装犯罪集団が隠し持っていた大量の武器弾薬を押収するとともに、メンバー数人を逮捕。

Kull-na Shuraka’が信頼できる消息筋の話として報じたところによると、共和国護衛隊のドゥールヒンマ・シャーリーシュ准将(アサド大統領のいとこ)が海外への渡航を禁止された。シャーリーシュ准将は1956年生まれで、晩年のハーフィズ・アサド前大統領、アサド大統領に付き添う姿が、常にテレビなどの映像に映し出されている。ビジネス界、とりわけ道路、ダム建設事業への影響力も強い。EUはシャーリーシュ准将およびその弟のリヤード・シャーリーフ氏などのビジネスマンを制裁対象としている。なおアーティフ・ナジーブ准将(ダルアーでの虐殺を支持し、大統領のいとこ)も渡航禁止となっているという。

Kull-na Shuraka', August 8, 2011
Kull-na Shuraka’, August 8, 2011

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レバノンのナジーブ・ミーカーティー首相はシリアでの暴力停止のためのあらゆる努力を支持すると述べつつ、「レバノンの確固たる姿勢は、シリア内政への干渉を抑止するということを前提にしている」と述べた。

サアド・ハリーリー前首相は、「GCCやアラブ連盟の最近の声明は、レバノンの内閣にこの歴史的瞬間の深刻さを理解させるだろう」と述べ、アサド政権の命運とレバノンを結びつけるような政策の変更を求めるとともに、サウジアラビアのアブドゥッラー国王による駐シリア・サウジ大使の召還を歓迎した。

ベイルートの殉教者広場にレバノン人有識者、ジャーナリスト、活動から数百人が集まり、シリア国民との連帯を求める抗議運動を行う。アフマド・ファトファト国民議会議員(ムスタクバル潮流)が現職として唯一参加した。

SANA, August 8, 2011
SANA, August 8, 2011

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ヒラリー・クリントン米国務長官は、9日にシリアを訪問予定のトルコのアフメット・ダウトオール外務大臣と電話会談を行う。国務省報道官によると、クリントン米国務長官はこの電話会談で「兵士をただちに兵舎に撤退させるよう」求める米国の明確なメッセージをダマスカスに伝えるよう要請した。

バラク・オバマ米大統領は、イタリアのシルヴィオ・ベルルスコーニ首相と会談し、EUとNATOがアサド政権への圧力を強化するためさらなる協調を行う必要を確認。またマーク・トナー米国務省副報道官は、アラブ連盟、GCCによるシリアへの批判的姿勢を歓迎。

サウジアラビアに続き、クウェートとバーレーンが事態を協議するとの理由で駐ダマスカス大使を召還すると発表した。クウェートのムハンマド・スバーフ・サーリム・スバーフ外務大臣、バーレーンのシャイフ・ハーリド・ブン・ハマド・アール・ハリーファ外務大臣がそれぞれ明らかにした。

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、シリア情勢に関して、自らが悲観的な見方をしているとしたうえで、同国をめぐる立場が複雑だと指摘、弾圧を終わらせるための「抜本的な措置」をとるのではなく、「改革実施のための真剣な対話」を行うべきだと述べた。またアラブ諸国、非アラブ諸国に対して、チュニジア、エジプトの例を教訓にすべきだと述べた。

フランス外務省副報道官は記者団に対して、「シリア国民の要求に応えるための民主的移行期が不可欠」であると述べた。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、シリアでの暴力継続に懸念を表明し、ダマスカスが民間人殺害停止を求める国際社会の呼びかけを無視していると批判。首相報道官が述べた。

イタリア外務省も暴力の即時停止を求める。

アズハルのシャイフ、アフマド・タイイブが声明を出し、「ことは限度を超えている」、「この惨事を停止せねばならない」と述べた。

AFP, August 8, 2011、AKI, August 8, 2011、Akhbar al-Sharq, August 8, 2011、August 9, 2011、al-Hayat, August 9, 2011, August 10, 2011、Kull-na Shuraka’, August 8, 2011、Naharnet, August 8, 2011、Reuters, August 8, 2011、SANA, August 9, 2011などをもとに作成。

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ダイル・ザウル、ヒムス、イドリブにおける治安回復作戦が継続、サウジアラビア国王を声明を出し「殺戮と流血の停止」を求める(2011年8月7日)

シリア人権連盟のアブドゥルカリーム・リーハーウィー所長によると、ダイル・ザウル市で軍・治安部隊が早朝から治安回復作戦を開始、市内に戦車などを進入させ、42人の民間人が殺害、100人以上が負傷。多数の市民が逮捕され、ダイル・ザウル市からは数千人がハサカ県方面へと避難した。リーハーウィー所長によると、軍治安部隊はジャウラ地区に展開し、ハウィーカ地区で14人を殺害したという。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長によると、ダイル・ザウル市を約250輌の戦車が包囲。複数の地区が砲撃を受けている。

シリア地元調整諸委員会によると、軍はすべての地区を包囲していると述べた一方で、ジャウラ地区包囲に際して、軍内部に「大規模な離反」の動きがあったことを明らかにした。

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Kull-na Shuraka', August 7, 2011
Kull-na Shuraka’, August 7, 2011

またリーハーウィー所長によると、ヒムス市郊外のハウラ地域(タッルドゥー、カフルラーハー、タッル・ザバブ村)にも軍・治安部隊の戦車などが進入、民間人が少なくとも10人殺害された。

シリア人権監視団によると、ハウラ地方には戦車約25輌が日曜日の早朝に進入。シリア革命調整連合によると、ハウラで殺害された13人のなかには、10歳の少年、16歳の少女もそれぞれ1人ずつ含まれている。

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シリア人権監視団によると、イドリブ市でも日曜日早朝の犠牲者葬儀の参列者に治安部隊が発砲し、2人が死亡。また夜の礼拝後に数千人が反体制デモに参加、治安部隊の弾圧によって25人が負傷。シリア人権監視団は活動家の証言として、約20000人がこのデモに参加したと述べる。

シリア人権監視団によると、サラーキブ市(イドリブ県)でも、電気が遮断されるなか、約1500人が夜の礼拝後にデモに参加。またビンニシュ市(イドリブ県)でも電気が遮断されるなか、約1500人が夜の礼拝後にデモに参加。

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シリア人権監視団によると、アレッポ市のアアザミーヤ地区で反体制デモが発生。

またKull-na Shuraka’によると、アレッポ大学病院で、医師数十人が、弾圧に曝される都市との連帯、逮捕された医師の釈放を求める抗議行動。

Kull-na Shuraka', August 7, 2011
Kull-na Shuraka’, August 7, 2011

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シリア人権監視団によると、上記の都市以外でも、ダマスカス県およびダマスカス郊外県のカダム区、マイダーン地区、ドゥーマー市、ハラスター市、タッル市、キスワ市、ランクース市、カーラ市、ダーライヤー市でデモが発生したが、デモは治安部隊によって排除された。

シリア人権連盟によると、ドゥーマー市のデモには約10000人が参加した。

ラタキア市、ジャブラ市、バーニヤース市、ハサカ市、ラアス・アイン市、カーミシュリー市、ラッカ市、ダルアー市、イドリブ市郊外の村々などでも、反体制、ダイル・ザウル県やハマー県との連帯を求めるデモが発生した。

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『シャルク・アウサト』によると、ハイサム・マーリフ弁護士はオランダのメディアに対して、「革命は平和的であるべき」と述べ、リビアのような軍事介入に反対の意思を示した。また「我々は対話のために、シリア政府に各都市からの戦車、治安要員の撤退を要求してきたが、政府は我々の要求に応えなかった」、「条件付きの対話を求めるシリア政府の姿勢は、反体制派の条件や要求を考慮するものでなく」「すべての反体制勢力が拒否するものである」と述べた。

アレッポのムフティー、イブラーヒーム・サルキーニー、マフムード・アッカームら12人のウラマーが連盟で声明を発表し、国内での流血事件への非難の意を表明。

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シリア外務省は声明を発表し、「暴力の過度の行使」を非難したGCCの声明に関して、「GCCが発した声明をシリアは遺憾に思う」と反論し、シリアで暴力を収束させるには、「アラブ諸国そしてGCCが、シリアに善をもたらそうと考えていない集団による破壊行為の停止を呼びかけ、彼らによる武器を用いた暴力を避難することが求められている」と述べた。

SANA, August 7, 2011
SANA, August 7, 2011

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ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報担当報道官は、トルコのエルドアン首相の発言(後述)を受け、「トルコ外務大臣が断固たるメッセージを伝えるためシリアに来るなら、トルコの態度に関するより断固たる言葉を聞くことになろう」と反論。

レバノンのアドナーン・マンスール外務大臣がダマスカスを訪問し、バッシャール・アサド大統領と会談。マンスール外務大臣は、シリアの内政干渉に対する試みをもレバノンは拒否する、レバノンの安定はシリアの安定とリンクしている、と述べた。これに対してアサド大統領は「道路を封鎖し、都市を閉鎖し、人々に恐怖をもたらす無法者から市民の生活と安全を守ることが国家の義務」と述べ、デモを徹底的に弾圧する意思を改めて示した。

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SANAによると、武装集団がラスタン市東部で軍を要撃。これにより兵士2人が殺害され2人が負傷。

Kull-na Shuraka', August 7, 2011
Kull-na Shuraka’, August 7, 2011

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シリア軍消息筋によると、一部の衛星放送による、「軍がダイル・ザウル市を戦車で砲撃している」との報道は根拠がない煽動と非難。

SANAによると、シリア軍部隊はハマー市内の武装テロ集団が設置したバリゲードをすべて撤去。またハマー市奪還での警官17人が殺害され、アースィー川に遺棄された。一昨日にも13人の警官の遺体(アースィー川に遺棄)が発見。

SANAが地元筋の話として伝えたところによると、ヒムス市郊外のハウラ地域で武装テロ集団が道路を封鎖。

SANAによると、トルコに避難していたジスル・シュグール住民125人がシリアに帰国。

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サウジアラビアのアブドゥッラー国王は声明を発表し、シリアでのデモ参加者への弾圧に関して「サウジアラビアは受け入れない」、「様々な理由によって正当化され得ないほど深刻」だと述べ、「殺戮と流血の停止」を求めた。また対応を協議するため、「駐ダマスカス・サウジ大使を召還する」と宣言した。さらにサウジアラビアは「同胞(シリア人)には歴史的責任があり、時間を浪費する前に、殺戮と流血の停止、知性に基づく自制を求めた」。

サウジアラビアは、大使召還に先立って、バッシャール・アサド政権に連絡し、抗議行動への弾圧停止を促していたが、この試みは失敗した。シリア・サウジ関係は、2006年のレバノン紛争時に悪化したのち、サアド・ハリーリー前内閣発足を契機に改善、「SS均衡」などと評された。だがレバノン独別法廷をめぐるレバノン国内の対立解消の仲介に失敗して以降、再び関係が冷却。バーレーンの反体制運動をめぐっては「アラブの春」の波及を回避するという観点から利害の一致を見ていたが、シリア情勢への西側諸国の圧力強化を受け、今回のような事態となった。

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国連事務総長報道官によると、潘事務総長はバッシャール・アサド大統領と電話会談。即時暴力停止を求める。

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長が声明を出し、アサド政権に暴力の即時停止を求める。

ローマ法皇ベネディクト16世は、シリア政府に対して、国民、国際社会の「政党な要求に応える」よう呼びかける。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、イフタールの祝祭で、「我々の忍耐は尽きた。それゆえ、外務大臣を火曜日にシリアに派遣する…。対話が行われ、その際、我々のメッセージが断固たるかたちで伝えられるだろう」と述べる。

ヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣は、シリア情勢に関して「懸念であり、遺憾で、悲しいこと」と述べ「対話と改革」を通じて事態を打開するよう求める。

クウェートの外務大臣代理は記者団に対し、同国が駐ダマスカス大使を召還しない、と述べる。クウェート市にあるシリア大使館前でアサド政権の弾圧に抗議するデモが発生したことを受けた発言。

AFP, August 7, 2011、Akhbar al-Sharq, August 7, 2011、al-Hayat, August 8, 2011, August 9, 2011、Kull-na Shuraka’, August 7, 2011,
August 8, 2011、Naharnet.com, August 7, 2011、SANA, August 7, 2011, August
8, 2011、al-Sharq al-Awsat, August 7, 2011をもとに作成。

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