トルコ政府はシリア難民に対する最大規模の支援活動を行ってきた米NGOメルシー・コープスの登録を抹消(2017年3月7日)

トルコ政府当局は、2012年以来、トルコ国内でシリア人に対する最大規模の支援活動を行ってきた米国のNGOメルシー・コープスの登録を突如抹消した。

メルシー・コープスはホームページ(https://www.mercycorps.org/)を通じて声明を出し、「トルコ政府や地元の協力者との5年にわたる協力の末、こうした事態になったことに心を痛めている」と発表した。

AFP(3月8日付)が伝えた。

AFP, March 8, 2017、AP, March 8, 2017、ARA News, March 8, 2017、Champress, March 8, 2017、al-Hayat, March 9, 2017、Iraqi News, March 8, 2017、Kull-na Shuraka’, March 8, 2017、al-Mada Press, March 8, 2017、Naharnet, March 8, 2017、NNA, March 8, 2017、Reuters, March 8, 2017、SANA, March 8, 2017、UPI, March 8, 2017などをもとに作成。

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米国、ロシア、トルコの参謀長が初の三者会談、YPG、トルコ軍、シリア軍の衝突回避に向け折衝か(2017年3月7日)

米国、ロシア、トルコ各国の軍参長がトルコ南部のアンタキア市で会談した。

会談を行ったのはジョセフ・ダンフォード米統合参謀本部議長、ロシアのヴァレリー・ゲラシモフ参謀総長、そしてトルコのフルシ・アカル参謀総長の3人で、三国の参謀総長が一同に会したのは初めて。

AP, March 7, 2017

会談は、①トルコ軍および同軍の全面支援を受けるハワール・キリス作戦司令室によるアレッポ県バーブ市のダーイシュ(イスラーム国)からの奪取、②シリア軍によるターディフ市一帯のダーイシュからの奪取と南進、③西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍支配下のマンビジュ市西部郊外一帯へのシリア軍の到達、④シリア民主軍支配地域・ハワール・キリス作戦司令室支配地域間の緩衝地帯へのシリア軍の展開、を受け、ハワール・キリス作戦司令室とシリア軍、そしてハワール・キリス作戦司令室とシリア民主軍の戦闘が散発化しているなかで行われた。

会談では、こうした事態に対処し、ハワール・キリス作戦司令室とシリア軍、そしてハワール・キリス作戦司令室とシリア民主軍の衝突を回避するための協議がなされたと思われる。

southfront.org

AFP, March 7, 2017、AP, March 7, 2017、ARA News, March 7, 2017、Champress, March 7, 2017、al-Hayat, March 8, 2017、Iraqi News, March 7, 2017、Kull-na Shuraka’, March 7, 2017、al-Mada Press, March 7, 2017、Naharnet, March 7, 2017、NNA, March 7, 2017、Reuters, March 7, 2017、SANA, March 7, 2017、UPI, March 7, 2017などをもとに作成。

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トルコのユルドゥルム首相「米国、ロシアとの調整なしにマンビジュ市制圧作戦は実施しない」(2017年3月7日)

トルコのビンアリ・ユルドゥルム首相は、「ユーフラテスの盾」作戦の一環として制圧をめざしてきたアレッポ県マンビジュ市の攻略に関して「ロシア、米国との調整なしにマンビジュ市制圧作戦は実施しないだろう」と述べた。

ユルドゥルム首相「現段階では定かではないが、米国はおそらく、この作戦(ラッカ市解放作戦)をトルコではなく、YPG(西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊主導)とともに実施するのだろう…。米国はYPGに武器を供与している…。もしこの作戦がこうした方法で実施されるのなら、トルコと米国の関係に悪影響が生じるだろう。なぜなら、YPGはテロ組織だからだ」と述べつつも、マンビジュ市攻略については、シリア民主軍を主導するYPGを支援する米国に配慮する姿勢を示した。

『ハヤート』(3月8日付)、ARA News(3月7日付)などが伝えた。

AFP, March 7, 2017、AP, March 7, 2017、ARA News, March 7, 2017、Champress, March 7, 2017、al-Hayat, March 8, 2017、Iraqi News, March 7, 2017、Kull-na Shuraka’, March 7, 2017、al-Mada Press, March 7, 2017、Naharnet, March 7, 2017、NNA, March 7, 2017、Reuters, March 7, 2017、SANA, March 7, 2017、UPI, March 7, 2017などをもとに作成。

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シャーム自由人イスラーム運動がシャーム解放機構にイドリブ県内の拠点マストゥーマ町を明け渡したことを受け、同地が抗議デモ(2017年3月7日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マストゥーマ村でシャーム解放機構の退去を求めるデモが発生し、デモ参加者はシャーム自由人イスラーム運動の旗を掲げて抗議した。

マストゥーマ村は、シャーム解放機構の主要拠点の一つだが、5日、シャーム解放機構が進攻し、戦闘の末に、マストゥーマ基地、タフタナーズ航空基地を制圧していた。

これを受け、シリア解放委員会とシャーム自由人イスラーム運動は停戦に合意し、シャーム自由人イスラーム運動はマストゥーマ村からの撤退に同意、同地にはシャーム解放機構の戦闘員が進駐した。

停戦合意では、シャーム自由人イスラーム運動は軽火器を携帯してマストゥーマ村から撤退、重火器についてはシャーム解放機構に引き渡す旨定められているという。

AFP, March 7, 2017、AP, March 7, 2017、ARA News, March 7, 2017、Champress, March 7, 2017、al-Hayat, March 8, 2017、Iraqi News, March 7, 2017、Kull-na Shuraka’, March 7, 2017、al-Mada Press, March 7, 2017、Naharnet, March 7, 2017、NNA, March 7, 2017、Reuters, March 7, 2017、SANA, March 7, 2017、UPI, March 7, 2017などをもとに作成。

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ダルアー県ではダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍が反体制武装集団と交戦(2017年3月7日)

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(3月7日付)によると、反体制武装集団がヤルムーク川流域でダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍と交戦した。

Kull-na Shuraka’, March 7, 2017

AFP, March 7, 2017、AP, March 7, 2017、ARA News, March 7, 2017、Champress, March 7, 2017、al-Hayat, March 8, 2017、Iraqi News, March 7, 2017、Kull-na Shuraka’, March 7, 2017、al-Mada Press, March 7, 2017、Naharnet, March 7, 2017、NNA, March 7, 2017、Reuters, March 7, 2017、SANA, March 7, 2017、UPI, March 7, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍の支援を受けるハワール・キリス作戦司令室はバーブ市東部郊外、アアザーズ市南部郊外でYPG主体のシリア民主軍を攻撃(2017年3月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍の全面支援を受けるハワール・キリス作戦司令室がアリーマ町(バーブ市東部)西部のブーガーズ村に展開する西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に対して砲撃を加えた。

ARA News(3月7日付)によると、ハワール・キリス作戦司令室はまた、アアザーズ市南部郊外の西クルディスタン移行期民政局支配下地域に進軍を試みた。

AFP, March 7, 2017、AP, March 7, 2017、ARA News, March 7, 2017、Champress, March 7, 2017、al-Hayat, March 8, 2017、Iraqi News, March 7, 2017、Kull-na Shuraka’, March 7, 2017、al-Mada Press, March 7, 2017、Naharnet, March 7, 2017、NNA, March 7, 2017、Reuters, March 7, 2017、SANA, March 7, 2017、UPI, March 7, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はヒムス県東部のジャズル油田をダーイシュから奪還(2017年3月7日)

ヒムス県では、SANA(3月7日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに、県東部のジャズル油田、アーミリーヤ山地および周辺の丘陵地帯でダーイシュ(イスラーム国)を掃討し、同地一帯を制圧した。

なお、同地およびジャハール油田、マフル油田に対して、5日にロシア軍特殊部隊とシリア軍第5軍団が降下作戦を敢行していた。

クッルナー・シュラカー(3月8日付)などによると、ジャハール油田、シャーイル油田は依然としてダーイシュの掌握下にあるという。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月7日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市郊外のサルダ山、第17高地、サヌーフ丘、墓地地区でダーイシュ(イスラーム国)の拠点、車輌を攻撃した。

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ハマー県では、SANA(3月7日付)によると、シリア軍がサラミーヤ市東部のバルグーティーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を集中的に攻撃し、戦闘員多数を殲滅、ヒムス県タドムル市方面に通じる兵站路を遮断した。

AFP, March 7, 2017、AP, March 7, 2017、ARA News, March 7, 2017、Champress, March 7, 2017、al-Hayat, March 8, 2017、Iraqi News, March 7, 2017、Kull-na Shuraka’, March 7, 2017、al-Mada Press, March 7, 2017、Naharnet, March 7, 2017、NNA, March 7, 2017、Reuters, March 7, 2017、SANA, March 7, 2017、UPI, March 7, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はハフサ町など15町・村をダーイシュから奪還、アレッポ・ラッカ街道沿いの要衝ジャッラーフ航空基地に迫る(2017年3月7日)

アレッポ県では、SANA(3月7日付)によると、シリア軍がバーブ市南東部で南進を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあった15町・村を新たに制圧、治安と安定を回復した。

シリア軍が新たに奪還したのは、ハフサ町、ハフィーヤト・ハムル村、リーハーニーヤ村、ハルナト・シハーブ村、マアルバー村、ザヒーラ村、大カバブ村、小カバブ村、ウンム・ラスーム村、カッバーリーヤ村、ラスム・ブーハル村、タッバーラ村、バルーワ村、アズィーズィーヤ村、カバーン・シャイフ・アブヤド村。

muslim.org
southfront.org

 

シリア人権監視団によると、シリア軍はまた、ヒズブッラーのエリート部隊、ロシア軍機甲大隊とともに、アレッポ市への水道供給が50日以上にわたって停止していたハフサ町郊外のバービリー揚水場を制圧、そしてアレッポ市とラッカ市を結ぶ街道沿いに位置する戦略的要衝のジャッラーフ航空基地を見下ろすことができる地域一帯に到達した。

ジャッラーフ航空基地は2013年2月に反体制武装集団によって制圧されたのち、2014年にダーイシュが戦闘の末に手中に収めた。

ダーイシュは同基地で捕獲した戦闘機を使用するためパイロット養成に向けた教練を試みたとされるが、シリア軍は同基地で捕獲された戦闘機3機のうちの2機を破壊、また残る1機も利用不能となったという。

syria.liveuamap.com

AFP, March 7, 2017、AP, March 7, 2017、ARA News, March 7, 2017、Champress, March 7, 2017、al-Hayat, March 8, 2017、Iraqi News, March 7, 2017、Kull-na Shuraka’, March 7, 2017、al-Mada Press, March 7, 2017、Naharnet, March 7, 2017、NNA, March 7, 2017、Reuters, March 7, 2017、SANA, March 7, 2017、UPI, March 7, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はダマスカス県東部および東グータ地方などで反体制武装集団との戦闘を続ける(2017年3月7日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がアルバイン市一帯を空爆し、マルジュ・スルターン村一帯を地対地ミサイルと思われる砲弾で砲撃した。

シリア軍はまたハズラマー村一帯で、反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(3月7日付)によると、ワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプが、ダマスカス県カーブーン区、ダマスカス郊外県東グータ地方を拠点とする反体制武装集団の砲撃を受け、6人が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区農園地帯で、シリア軍と反体制武装集団が戦闘を続け、シリア軍が同地を地対地ミサイルや迫撃砲で攻撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団がダルアー市マンシヤ地区一帯で再び戦闘を激化させ、シリア軍が同地を「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(3月7日付)によると、シリア軍がダルアー市ダルアー・バラド地区、難民キャンプ地区、カラク地区、アッバースィーヤ地区、ビラール・ハバシー・モスク北部一帯でシャーム解放機構の拠点を攻撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市東部のナイラブ航空基地に向けて反体制武装集団が砲撃を加えた。

これに対して、シリア軍はアレッポ市南部のカフルカール村、バナーン・フッス村、ラスム・アミーシュ村の反体制武装集団拠点を砲撃した。

またアレッポ市西部郊外のザフラー協会地区一帯ではシリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハウラ地方、タルビーサ市周辺、ガジャル村、シャアバーニーヤ村を空爆した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカッリー町一帯に弾道ミサイルと思われる砲弾で攻撃を加えた。

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ハマー県では、クッルナー・シュラカー(3月7日付)によると、ロシア軍はカフルズィーター市を空爆、同地の病院が再び利用不能となった。

Kull-na Shuraka’, March 7, 2017

AFP, March 7, 2017、AP, March 7, 2017、ARA News, March 7, 2017、Champress, March 7, 2017、al-Hayat, March 8, 2017、Iraqi News, March 7, 2017、Kull-na Shuraka’, March 7, 2017、al-Mada Press, March 7, 2017、Naharnet, March 7, 2017、NNA, March 7, 2017、Reuters, March 7, 2017、SANA, March 7, 2017、UPI, March 7, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は3月6日、ダイル・ザウル市近郊などに対して21回の爆撃を実施(2017年3月7日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月6日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して32回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は21回で、ブーカマール市近郊(2回)、シャッダーデディー市近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(16回)に対して攻撃が行われた。

AFP, March 7, 2017、AP, March 7, 2017、ARA News, March 7, 2017、Champress, March 7, 2017、al-Hayat, March 8, 2017、Iraqi News, March 7, 2017、Kull-na Shuraka’, March 7, 2017、al-Mada Press, March 7, 2017、Naharnet, March 7, 2017、NNA, March 7, 2017、Reuters, March 7, 2017、SANA, March 7, 2017、UPI, March 7, 2017などをもとに作成。

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