ラトニー米国務省シリア問題担当特使はアラビア語の声明でシャーム解放機構(旧ヌスラ戦線)に対して「我々の敵であり、スンナ派でも、イスラーム教徒でもない」と背教宣告(2017年3月10日)

マイケル・ラトニー米国務省シリア問題担当特使はアラビア語で声明を出し、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線(2016年半ばにシャーム・ファトフ戦線に改称)が、「穏健な反体制派」と目されて、米国の支援を受けてきたヌールッディーン・ザンキー運動などとともにシャーム解放機構を結成したことを厳しく非難した。

声明でラトニー特使は「シャーム解放機構に統合された者はシリアのアル=カーイダのネットワークの一部となる」と指摘、「アル=カーイダに身を置くこの者たちは我々の敵であり、スンナ派でもなければ、イスラーム教徒でもなく…、彼らは、トルコ、カタール、サウジアラビアといった中東における我々の友人や同盟者に背教宣告(タクフィール)をすることなしに、自分たちの主張を正当化はできない」とシャーム解放機構に「背教宣告」を行った。

ARA News, March 11, 2017

AFP, March 11, 2017、AP, March 11, 2017、ARA News, March 11, 2017、Champress, March 11, 2017、al-Hayat, March 12, 2017、Iraqi News, March 11, 2017、Kull-na Shuraka’, March 11, 2017、al-Mada Press, March 11, 2017、Naharnet, March 11, 2017、NNA, March 11, 2017、Reuters, March 11, 2017、SANA, March 11, 2017、UPI, March 11, 2017などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領がトルコのエルドアン大統領と首脳会談「両国は真の協力関係を回復した!」(2017年3月10日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はモスクワで首脳会談を行った。

会談後の共同記者会見で、プーチン大統領は、関係正常化が完了し、「両国は真の協力関係を回復した…。ロシアはトルコを極めて重要なパートナーとみなしている」と述べた。

プーチン大統領は、会談で両首脳は、中東地域の諸問題、とりわけシリア情勢への対応について協議したとしたうえで、「モスクワとアンカラが「テロとの戦い」で取り組みを一つにすることが重要だ…。ロシアとトルコの協力により、(シリアでの)停戦の仕組みが確立し、アスタナでの協議が始まった」と強調した。

そのうえで、トルコの諜報機関・軍との協力関係を強化することで合意したと明らかにし、「指名手配者の追跡のため合同活動を行う」と付言した。

その一方で、「トルコを標的としたいかなるテロ活動も非難する」と述べた。

エルドアン大統領は、プーチン大統領がダーイシュ(イスラーム国)とシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)に対する「テロとの戦い」を強調したのに対し、「トルコとロシアはテロを駆使して「テロとの戦い」を行うことはできないということで合意した」と述べ、米国の支援を受ける西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との協力に改めて拒否の姿勢を示した。

Reuters, March 10, 2017

AFP, March 10, 2017、AP, March 10, 2017、ARA News, March 10, 2017、Champress, March 10, 2017、al-Hayat, March 11, 2017、Iraqi News, March 10, 2017、Kull-na Shuraka’, March 10, 2017、al-Mada Press, March 10, 2017、Naharnet, March 10, 2017、NNA, March 10, 2017、Reuters, March 10, 2017、SANA, March 10, 2017、UPI, March 10, 2017などをもとに作成。

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シリア外務省は領内に侵攻するトルコ軍を撤退させるよう国連に要請(2017年3月10日)

シリアの外務在外居住者省は国連事務総長と安保理議長宛に書簡を送り、シリア領内に侵攻中のトルコ軍部隊を撤退させるための義務を果たすよう安保理および国際社会に求めた。

書簡で、外務在外居住者省は、シリア領内を侵犯中のトルコ軍が9日にアレッポ県マンビジュ市西部のブワイヒジュ村、ブーガーズ村、ウムヤーナ村、543高地を空爆し、市民多数を殺害する一方、同地に展開したシリア軍および予備部隊からなる「シリア国境警備隊」を砲撃したと報告、シリアが「テロとの戦い」の責任を果たすなかで、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン政権が、テロ組織に武器、資金などを支援しつつけていると名指しで非難した。

そのうえで、安保理と国際社会に対して、トルコ軍をシリア領内から撤退させ、地域および世界の治安と安定を維持するための義務を果たすよう要請した。

AFP, March 10, 2017、AP, March 10, 2017、ARA News, March 10, 2017、Champress, March 10, 2017、al-Hayat, March 11, 2017、Iraqi News, March 10, 2017、Kull-na Shuraka’, March 10, 2017、al-Mada Press, March 10, 2017、Naharnet, March 10, 2017、NNA, March 10, 2017、Reuters, March 10, 2017、SANA, March 10, 2017、UPI, March 10, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュの首都ラッカ市の孤立化を達成したと発表(2017年3月10日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がラッカ市東部のマタッブ村でダーイシュ(イスラーム国)と激しく交戦した。

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の報道官を務めるジーハーン・シャイフ・アフマド女史は声明を発表し、シリア民主軍がラッカ市東部の村および戦略的丘陵地帯数十カ所(ハッジャージュ村、ワドヤーン農場一帯)を制圧し、ユーフラテス川に到達、ダーイシュ(イスラーム国)が首都と位置づけるラッカ市一帯の孤立化を達成したと発表した。

アフマド女史によると、シリア民主軍の進軍により、「我々の部隊の兵力は今、とくに同地域の住民が加わることで増加している。我々は有志連合の支援を受けてラッカ市を解放するのに十分な力を持っている」としたうえで、「ラッカ市は今、孤立した都市となった」と強調した。

Kull-na Shuraka’, March 10, 2017

AFP, March 10, 2017、AP, March 10, 2017、ARA News, March 10, 2017、Champress, March 10, 2017、al-Hayat, March 11, 2017、Iraqi News, March 10, 2017、Kull-na Shuraka’, March 10, 2017、al-Mada Press, March 10, 2017、Naharnet, March 10, 2017、NNA, March 10, 2017、Reuters, March 10, 2017、SANA, March 10, 2017、UPI, March 10, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍の支援を受けるハワール・キリス作戦司令室はアレッポ市北部のロジャヴァ支配地域を砲撃(2017年3月10日)

アレッポ県では、ARA News(3月10日付)によると、トルコ軍の支援を受けるハワール・キリス作戦司令室が、西クルディスタン移行期民政局支配下のタッル・リフアト市一帯を砲撃した。

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トルコ軍は、シリア北部(アレッポ県マンビジュ市西部郊外一帯)でのこの1週間の戦闘で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の戦闘員71人を殺害したと発表した。

ロイター通信(3月10日付)に伝えた。

AFP, March 10, 2017、AP, March 10, 2017、ARA News, March 10, 2017、Champress, March 10, 2017、al-Hayat, March 11, 2017、Iraqi News, March 10, 2017、Kull-na Shuraka’, March 10, 2017、al-Mada Press, March 10, 2017、Naharnet, March 10, 2017、NNA, March 10, 2017、Reuters, March 10, 2017、SANA, March 10, 2017、UPI, March 10, 2017などをもとに作成。

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ハマー県のダーイシュ支配地域でシリア軍がトルコ・ナンバーの車を要撃し、武器弾薬を押収(2017年3月10日)

ハマー県では、SANA(3月10日付)によると、シリア軍が住民の協力を受け、ダーイシュ(イスラーム国)支配下の県北部のワーディー・アズィーブを走行中の車輌を要撃し、対空砲や機関銃の弾丸、RPG多数を押収した。

この車輌はトルコのナンバー・プレートをつけていたとう。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月10日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南部および南西部郊外でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ヒムス県では、SANA(3月10日付)によると、シリア軍が県北部および東部のダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃した。

AFP, March 10, 2017、AP, March 10, 2017、ARA News, March 10, 2017、Champress, March 10, 2017、al-Hayat, March 11, 2017、Iraqi News, March 10, 2017、Kull-na Shuraka’, March 10, 2017、al-Mada Press, March 10, 2017、Naharnet, March 10, 2017、NNA, March 10, 2017、Reuters, March 10, 2017、SANA, March 10, 2017、UPI, March 10, 2017などをもとに作成。

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シリア・ロシア両軍はアレッポ市西部郊外の反体制武装集団支配地域などを爆撃(2017年3月10日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)が、ダーラト・イッザ市、カフル・カルミーン村、バータブー村などアレッポ市西部郊外一帯を空爆した。

またシリア軍はアレッポ市西部郊外のザフラー協会地区、ライラムーン地区一帯を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がラターミナ町、タイバト・イマーム市一帯を空爆、シリア軍がカルアト・マディーク町各所を砲撃した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヒムス市ワアル地区を砲撃した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が地対地ミサイルと思われる砲弾などでカーブーン区を砲撃、同地をはじめ、バルザ区農園地帯、ダマスカス郊外県ハラスター市西部一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、ダルアー市マンシヤ地区のシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の拠点を砲撃する一方、反体制武装集団はシリア政府支配下のサハーリー地区などを砲撃し、複数の死傷者が出た。

一方、SANA(3月10日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がダルアー市サハーリー地区、空港地区、ダーヒヤ地区を砲撃し、3人が死亡、6人が負傷した。

AFP, March 10, 2017、AP, March 10, 2017、ARA News, March 10, 2017、Champress, March 10, 2017、al-Hayat, March 11, 2017、Iraqi News, March 10, 2017、Kull-na Shuraka’, March 10, 2017、al-Mada Press, March 10, 2017、Naharnet, March 10, 2017、NNA, March 10, 2017、Reuters, March 10, 2017、SANA, March 10, 2017、UPI, March 10, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は3月9日、ラッカ市近郊、ダイル・ザウル市近郊などに対して19回の爆撃を実施(2017年3月10日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月9日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して32回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は19回で、ラッカ市近郊(13回)、ダイル・ザウル市近郊(6回)に対して攻撃が行われた。

AFP, March 10, 2017、AP, March 10, 2017、ARA News, March 10, 2017、Champress, March 10, 2017、al-Hayat, March 11, 2017、Iraqi News, March 10, 2017、Kull-na Shuraka’, March 10, 2017、al-Mada Press, March 10, 2017、Naharnet, March 10, 2017、NNA, March 10, 2017、Reuters, March 10, 2017、SANA, March 10, 2017、UPI, March 10, 2017などをもとに作成。

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