シャーム解放機構の支配地とトルコ占領地で活動するホワイト・ヘルメット(自称:民間防衛隊)は、昨年2月6日のトルコ・シリア大地震発生から1年が経ったのに併せて、被害がもっとも大きかったとされるアレッポ県アフリーン郡ジンディールス町で会議を開催した。
シリア北西部で活動する支援団体や地元の団体が参加して行われたこの会議では、人道的な対応性の重要性を確認、支援団体が被災支援に際して直面した課題や連携態勢などについて意見を交わした。
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ホワイト・ヘルメットはまた、地震発生1年に併せて声明を出し、犠牲者に改めて哀悼の意と支援活動を継続する意志を示すとともに、国連による越境(クロスボーダー)人道支援を政治利用しないよう求め、シリア北西部で暮らす420万人以上の住民の生命線である越境支援の必要を改めて強調した。
また、以下のように声明を締めくくり、シリア政府とロシアを非難した。
この1年を通じて、地震後の人道的ニーズが過去最高レベルにまで高まり、体制軍とロシア、そしてその同盟者による民間地域への攻撃と体系的爆撃のペースが全土で倍増しているなか、復興までの道のりは長いが、シリア北西部では生活再建に向けた取り組みが続いている。
この悲劇を終わらせる解決策がなく、体制軍とロシアが民間人に対して犯した人道に対する罪に対して国際社会が明確な立場を示さないなかでも、戦争が終わり、正義が実現し、過去13年間に破壊されたものが再建されることへの希望は、我々の心、そしてシリアの人々の心のなかに生き続けている。
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一方、イナブ・バラディー(2月6日付)によると、ジンディールス町で昨年2月6日のトルコ・シリア大地震の犠牲者を追悼する集会が遺族らによって行われた。
AFP, February 6, 2024、ANHA, February 6, 2024、‘Inab Baladi, February 6, 2024、Reuters, February 6, 2024、SANA, February 6, 2024、SOHR, February 6, 2024などをもとに作成。
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