シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県のイドリブ市などでジャウラーニー指導者の打倒、逮捕者釈放などを求めるデモが発生、シャーム解放機構の最高ファトワー評議会は逮捕者への恩赦に言及(2024年3月1日)

シリア人権監視団、ザマーン・ワスル(3月1日付)、シャーム・ネットワーク(3月1日付)などによると、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県のイドリブ市で活動家ら数百人が抗議デモを行った。

デモは「革命復活の金曜日」と銘打って行われ、シャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者の打倒、同機構による不義の解消、総合治安局による治安活動の停止、刑務所開放、シリア軍との戦闘の再開などを訴えた。

デモには、シャーム解放機構の法務官の1人アブドゥッラッザーク・マフディー氏も参加、他の参加者とともに、言論犯の釈放、囚人に対する公正な裁判、拷問停止、住民に対する税金の軽減などを訴えた。

デモ参加者は、ガザ地区に対するイスラエル軍の攻撃にも異議を唱え、ガザ地区住民との連帯を示すシュプレヒコールを連呼した。





デモは、イドリブ市のほかでも、イドリブ県のビンニシュ市、カッリー町、シャーム解放機構の支配下にあるアレッポ県アターリブ市、バービカ村、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内のマーリア市などでも発生した。

デモはいずれも金曜日の午後の集団礼拝後に行われ、住民や国内避難民(IDPs)ら数千人がデモに参加した。

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イナブ・バラディー(3月1日付)によると、こうした動きを受けるかたちで、シャーム解放機構の最高ファトワー評議会のアブドゥッラヒーム・アトゥーン議長は、外国勢力の内通者として組織のメンバーや住民ら多数が拘束・逮捕されている件について、刑務所を視察し、逮捕者に対する恩赦を実施するとの意向を表明した。

AFP, March 1, 2024、ANHA, March 1, 2024、‘Inab Baladi, March 1, 2024、Reuters, March 1, 2024、SANA, March 1, 2024、Sham Network, March 1, 2024、SOHR, March 1, 2024、Zaman al-Wasl, March 1, 2024などをもとに作成。

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