ダマスカス県では、ヤルムーク区のヤルムーク・パレスチナ難民キャンプで、世界クドスの日を記念して「自由人の大洪水」と銘打った集会が行われ、パレスチナ人民への支持、シオニスト(イスラエル)のテロ攻撃に対する抵抗への支持が訴えられた。
会場では、キャンプに居住するパレスチナ人らが抵抗枢軸諸国の国旗や抵抗組織の旗を掲げ、抵抗運動こそがイスラエルの占領を終わらせ、領土の解放、権利の回復、クドス(エルサレム)を永遠の首都とするパレスチナ独立国家の樹立を実現する唯一の方法であとするスローガンが連呼された。
また、バアス党ダマスカス支部のフサーム・サンマーン書記長、レバノンのヒズブッラーのアンマール・ムーサィー渉外関係責任者、パレスチナ人民解放戦線総司令部派(PFLP-GC)のタラール・ナージー書記長らが演説を行った。
SANA(4月5日付)が伝えた。
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また、アレッポ県のナイラブ・パレスチナ難民キャンプでも同様の祝典が行われ、パレスチナ人民と占領下クドス(エルサレム)に対するイスラエルの侵略行為、ガザ地区に対するジェノサイドに拒否の姿勢を示された。
祝典には、ナイラブ・パレスチナ難民キャンプ出身者が多く参加するクドス旅団のムハンマド・サイード司令官、パレスチナ解放戦線のムハンマド・ハッターブ・アレッポ地区メンバー、ファトフ・インティファーダのサミール・ナジーブ指導部メンバーらも出席、演説を行った。
アレッポ市のハムダーニーヤ地区でも、アラブ人部族が、シリア各地、イラク、そしてレバノンの部族の名士らとともに、パレスチナ人民との連帯を示す抗議デモを行った。
デモに参加したドゥルーズ派のシャイフ・アクルの1人ユースフ・ジャルブーウ師は、国民統合、パレスチナ支援、イスラエルの侵略拒否を訴えた。
また、スナー・ファフルッディーン人民議会議員も演説を行った。
SANA(4月5日付)が伝えた。
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ダイル・ザウル県でも、ダイル・ザウル市の無名戦士広場で、「自由人の大洪水」と銘打たれた同様の集会(主催者代表ヤフヤー・ミンディール氏)が開催され、県執行局のファーイズ・フサイン氏らが演説を行った。
SANA(4月5日付)が伝えた。
一方、シリア人権監視団は、集会がイラン・イスラーム革命防衛隊や「イランの民兵」の監督のもとに行われ、米国やイスラエルの国旗が焼かれたと発表し、その映像を公開した。
AFP, April 5, 2024、ANHA, April 5, 2024、‘Inab Baladi, April 5, 2024、Reuters, April 5, 2024、SANA, April 5, 2024、SOHR, April 5, 2024などをもとに作成。
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