シリア国内の暴力(2014年6月27日)

クッルナー・シュラカー(6月27日付)は、シリア政府と反体制武装集団の「停戦」が難航していたヒムス市ワアル地区で、「停戦合意」の文言の修正がなされ、合意が成立したと報じた。

複数の地元筋によると、「停戦合意」に向けた交渉は、反体制武装集団を代表するシャイフ、ガズワーン・サカー氏と、シリア政府代表(イラン人、政治治安部、軍事情報局、総合情報部代表から構成)によって行われた。

「停戦合意」の主な内容は以下の通り:

1. 反体制武装集団によるカラシニコフ銃500丁の引き渡し
2. 指名手配者、離反兵、徴兵忌避者の免罪、退学処分を受けた学生の復学
3. シリア軍によるワアル地区周辺の検問所設置
4. 軍・警察部隊、女性隊員によって構成される国防隊部隊のワアル地区への進駐と家宅捜査を条件とするすべての逮捕者の釈放

修正されたこの合意では、当初予定されていたイラン仲介事務所設置に関する文言は削除されている。

**

ヒムス県では、SANA(6月27日付)によると、アルシューナ村、バルグースィーヤ村、ラスタン市、タイバ村、カフルラーハー市、ヒルバト・フーラーター村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(6月28日付)によると、バイト・ジン市郊外を軍ヘリコプターが「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(6月27日付)によると、ランクース平原・ザバダーニー市間の一帯、アッサール・ワルド村郊外の無人地帯、ムライハ市郊外、アイン・タルマー渓谷、アドラー市ウンマーリーヤ地区、アドラー市工業団地地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、『ハヤート』(6月28日付)によると、ジャウバル区を軍が空爆した。

一方、SANA(6月27日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(6月27日付)によると、アレッポ市郊外のバイト・ジュナイド採石場、第3地区発電所一帯で、軍が「テロ集団」を掃討し、同地を完全制圧した。

またマーリア市、マンスーラ村、ズィルバ村、カフルハムラ村、タッル・リフアト市、ハーン・トゥーマーン村、ダイル・ハーフィル市、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アレッポ市ライラムーン地区、シャッアール地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(6月27日付)によると、サラーキブ市周辺、サルジャ村周辺、サラーキブ市・タフタナーズ市街道、ヒーラー村、タッル・ダーウード村、バーブッラー村、クーリーン村、アブー・ズバイル村、マアッルザーフ町、ビンニシュ市、ハントゥーティーン村、カフルルーマー村、スィージャル村、マクバラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 27, 2014、AP, June 27, 2014、ARA News, June 27, 2014、Champress, June 27, 2014、al-Hayat, June 28, 2014、Kull-na Shuraka’, June 27, 2014、al-Mada Press, June 27, 2014、Naharnet, June 27, 2014、NNA, June 27, 2014、Reuters, June 27, 2014、SANA, June 27, 2014、UPI, June 27, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.