内務省総合治安局を名乗る覆面姿の7人組のグループがダマスカス県のカフェに押し入り、音楽演奏中止を強要:発端はカフェ・オーナーと前政権民兵の指導者の個人的対立(2025年1月19日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団、トルコに拠点を置くシリア・テレビによると、内務省総合治安局を名乗る覆面姿の7人組のグループが、バラームカ地区のダマスカス大学美術学部の近くにあるカフェ「ジョイン・アス」(あるいは「ジョイン」)に押し入り、男女の観客がバンドの演奏を鑑賞している最中に、演奏を中止するよう求めた。

覆面姿のグループは、暴言を吐いたり、武器で脅迫するなどし、演奏中止を強要、バンドのメンバーやカフェのオーナーに暴行を加え、メンバーや撮影していたスタッフにカフェから出ていくよう迫り、カフェを閉鎖するなどと威嚇した。

複数筋によると、覆面姿のグループは、カフェでの音楽演奏や飲酒に反対する地元住民だという。

カフェの投資主のハーディー・アキール氏は、シリア・テレビの取材に対し、覆面姿のグループは、「アブー・ライス」を名乗る人物をリーダーとするグループで、治安当局には所属しておらず、アサド前政権の民兵・自警団として知られる人民諸委員会のメンバーと見られると述べた。

また、事件は、この「アブー・ライス」という人物とカフェのオーナーとの個人的な対立が原因で、カフェは当局からの閉鎖要請は受けていないと明言した。

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