アフマド・シャルア暫定大統領は、『ニューヨーク・タイムズ』のインタビューに応じ、外国人戦闘員の処遇、他国との関係、シリアにおけるロシアのプレゼンス、軍の統合および治安の安定に関する立場を示し、米国に対シリア制裁の解除を求めた。
首都ダマスカスでインタビューに応じたシャルア暫定大統領は、「シリアにおけるいかなる混乱も、隣接諸国のみならず世界全体に害を及ぼす」と述べた。
または、アサド政権崩壊後の今、制裁を解除するのは「理にかなっている」と語り、「制裁は、前政権が国民に対して犯した犯罪への対応として課されたものである」と改めて述べた。 さらに、米国が提示する制裁解除の条件については「議論や修正が必要」との見解を示したものの、詳細には立ち入らなかった。 シャルア暫定大統領は、移行期政権がトルコ、ロシアとそれぞれ協議を進めていることを明かし、将来的に両国からの軍事支援を得る可能性にも言及した。
また、シリアが過去に他国と締結していた協定の一部を破棄し、新たな協定の策定に取り組んでいるとした。
シャルア暫定大統領は、ロシアや他国からの追加兵器の購入にも前向きな姿勢を示し、「ロシアは何十年にもわたりシリア軍に兵器を供与しており、今後再び支援が必要になる可能性がある」と述べた。
また、「現時点で、シリア製兵器の代替を他国が提案してきたことはない」と付け加えた。
ロシア軍の駐留については、「あらゆる当事者に対して、シリア領内の軍事的存在はシリアの法的枠組みに準拠すべきであると伝えてきた」と語り、新たな協定は「シリアの独立と治安の安定を保証するものであり、いかなる外国軍の駐留も他国に対する脅威や危険となってはならない」と強調した。
一方、長年にわたりシリア国内に居住し、シリア人と結婚した者もいる外国人戦闘員に対して、シリア国籍を付与する可能性に言及し、「彼らのなかには「シリア革命」に参加した者もいる」と述べた。
さらに、「我々はダマスカスに入る以前から、シリア領土がいかなるかたちでも他国を脅かす手段として利用されることを阻止するという約束を守っている」と語った。
沿岸部で発生した流血事件については、「(移行期)政権は沿岸地域の平和を守る責任を負っており、暴力に関与した者は必ず責任を問われる」と述べた。
統合的な軍の創設に関しては、「シリアのような規模の国にとって、数カ月で有能な軍を構築するのは不可能であり、これは非常に大きな課題であり、時間を要する」との認識を示した。
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