SANAによると、大統領府は、シリア民主軍指導部との合意の進捗に関して声明を発表し、連邦制を主唱するシリア民主軍の姿勢を、合意内容と矛盾し、国家の統一と領土の一体性を脅かすものだと批判した。
声明において、大統領府は以下の点を強調した。
合意は、包括的な国民精神のもとに実施されるならば、建設的な一歩となるものであり、私的なプロジェクトや排他的な計画とは無縁でなければならない。
我々は、連邦制や自治政府といった名目の下に、国家的合意なく分離的な現実や独立した組織体を押し付けようとするあらゆる試みを、明確に拒否する。
シリアの領土及び国民の統一は「越えてはならない一線」であり、これを超える行為は国家的枠組みからの逸脱であり、シリアの統一的アイデンティティを損なうものである。
一部地域における人口構成の変更を志向する危険な動きに対し、極めて深い懸念を表明する。このような動きは、シリア社会の社会的織り成しを脅かし、包括的な国家的解決の機会を損なうものである。
シリア民主軍の支配地域において、シリア国家機関の業務を妨害し、国民が国家のサービスにアクセスすることを制限し、国家資源を独占して国家の枠組み外で運用し、分断を深め、国家主権を脅かす行為に対し、強く警告する。
シリア民主軍の指導部が、シリア北東部地域における意思決定を独占することは認められない。
クルド人を含むすべてのシリア国民の権利が、一つの統一されたシリア国家の枠組みの中で、完全な市民権と法の下の平等として保障・尊重されるべきであり、いかなる外部からの介入や外国の保護も不要であることを改めて強調する。
シリア民主軍に対して、締結された合意への真摯な履行、ならびに狭い個別利害や外部勢力の思惑に左右されることなく、最高の国家的利益を最優先することを求める。
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シャルア暫定大統領は、ムハンマド・アンジャラーニー地方行政環境大臣と会談し、国民へのサービス提供、市民に提供されるサービスの向上および地方機関の業務能力強化の方途について議論した。
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