ロイター:トランプ米大統領によるシリアへの制裁解除宣言について国務省や財務省の制裁実務担当者らは事前に知らされておらず(2025年5月15日)

ロイター通信は、複数の米政府高官の話として、5月13日のドナルド・トランプ米大統領によるシリアへの制裁解除宣言について国務省や財務省の制裁実務担当者らが事前に知らされておらず、発表当日から急遽、制裁の解除方法の検討を始めたと伝えた。

ある高官は「ホワイト・ハウスから事前の覚書や指示は一切なかった」と語り、突如行われた発表が同盟国のみならず政権内部の実務担当者をも驚かせたという。

アサド政権崩壊以降、米政権内部では制裁解除の可能性に備えて覚書やオプションペーパーの準備が進められていたが、トランプ大統領のサウジアラビア訪問前の時点で、実際に制裁解除を決断したという明確な兆候は、少なくとも制裁実務担当には届いていなかったという。

トランプ大統領がアフマド・シャルア暫定大統領と会談した5月14日の時点でも、国務省と財務省関係者は、何を、どこまで、どのタイミングで解除するのかを把握していなかったという。 複数の関係者によれば、すべての関係機関が、どのように実施すべきかを探っている状態で、政権内は混乱状態にあるという。

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