スワイダー24によると、ドゥルーズ派の最高位の宗教指導者のヒクマト・ヒジュリー師はビデオ声明を発表した。
声明の内容は以下の通り。
我々は、ダマスカス郊外、スワイダー、沿岸部、そして全ての悲しみに暮れるシリア各地で、非人道的なタクフィール派武装集団によって引き起こされたテロによる虐殺の犠牲者たちに哀悼の意を捧げ、負傷者たちの回復を祈願する。
尊敬すべきシリア国民の皆さん、我々が直面しているこの想像を超える惨禍と流血の戦争は、我々が望んだものでも、選んだものでもなかった。
我々は一貫して自らの原則に忠実であり続けており、この国が安全となり、すべての市民が平和と共同の市民権のもとに抱かれることを目指してきた。その基礎となるのは、すべてのシリア人の合意による、権力の独占や専制のない、現代的で市民的な憲法に基づいた、民主的かつ文明的な非中央集権国家である。そして、公正な民法体系の存在こそが、正義の名の下に人々の拠り所となり、国際的決議と民意の実現を可能とする。
我々の国民は、抑圧と専制の時代から解放された瞬間に、これまでで最も大きな幸福を感じた。しかし、移行期には、社会の人間的な統一を引き裂こうとする宗派間対立の火種もまた見られた。
我々は、過去に繰り返された虐殺と災厄の再来、より凶悪な形で現れたテロ、そして我々の子らの強制失踪を望んだことはなかった。我々は、宗派的または裏切りの言説による戦争の再燃など、我々の信仰や教育には無縁なものを決して望んでいない。
我々は常にシリア人の血はシリア人にとって禁忌であると訴えてきた。それがどんな色、所属、宗教であろうとも。そして、宗教の名を借りて隠された憎悪の火が煽られ、憎しみの炎が燃え上がることを、我々は強く非難する。
このような状況のなか、自己防衛の正当な権利として、武器を持ち、それを管理し守ることは、国家が安定するまで我々に課された義務であると考える。
我々は、名高いアラブ系メディアの一部に対し、真実性と中立性を保ち、託された責任に忠実であってほしいと願ってきた。しかし残念ながら、彼らはその番組を通じて大きく宗派間の対立を煽り、真実性のない報道と切り取られたニュースの伝達によって事態を悪化させてきた。我々は、彼らに原点に立ち返り、真実と正義の原則に従うよう求める。なぜなら、メディアによる扇動と歪曲は、実弾と同じく、現実世界に死を招く影響をもたらすからである。
祝祭の時を迎えた今も、罪なき者たちの血がシリアの各地に撒き散らされている。解放の歓喜は、テロによる虐殺、脅迫、宗派的煽動によって葬られた。国民の叫びは依然としてこだまし、自由を得て革命の成果を手にし、傷を癒し、殉教者たちを弔うことを求めている。我々はその声に対し、深い敬意と感謝を表明する。
この声明の結びにあたり、我々は、シリア国民のために尽力してくれた湾岸諸国をはじめとするアラブ諸国、欧州諸国、アメリカ合衆国、周辺諸国、国際機関に対して、心より感謝の意を表する。
尊敬すべき皆さん、殉教者の血に敬意を表し、またこの国が直面している困難な生活環境と厳しい情勢を鑑み、今年の祝祭における儀式は、宗教的な儀礼と典礼の執行のみに限定することを、精神指導部として決定した。
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