SANAによると、社会平和維持高等委員会のハサン・スーファーン委員(シャーム自由人イスラーム運動元司令官、シリア解放戦線元司令官)は首都ダマスカスの情報省で記者会見を行った。
記者会見での主な発言は以下の通り。
2021年以降「現役士官」(アサド前政権の士官)として働き、イラク国境およびスフナ地域(ヒムス県)で自発的に投降していた者たちが、身の安全を保証したうえで釈放された。
拘束されていた士官らは調査を受けたが、戦争犯罪に関与した証拠はなく、彼らを拘束し続けることは国家の利益にも法的正当性にも合致しない。
これらの措置は移行期正義の代替ではなく、既に始まっている正義の一環であり、大統領令で設置された移行期正義国民委員会の任務である。
ファーディー・サクル(国防隊司令官の1人)などがこうしたプロセスに含まれることは、問題解決や国の直面する危機への対処に役立っている。我々は殉教者家族の痛みと怒りを理解しているが、社会的和解の段階においては、次の安定のための相対的な平和を確保する決断が必要である。
正義のない国は存在せず、真の正義は真実を語る勇気なくして達成されない。今後も透明性を保ち、被害者に正義を、加害者に責任を問う真の正義を目指す。
現状において、二つの並行するプロセスがあるが、このうち社会的和解プロセスが、戦略的措置の基盤を提供するという点で優先されている。
今後さらなる措置が予定されており、その時期が来れば順次発表する。
国内の安定には客観的な条件が必要であり、不安定な情勢では国民和解に向けたプロジェクトは成立しない。
和解委員会は、社会で提起される課題を常に追っているが、その多くは非公開の場で行われるべきだ。
我々が大統領に求めた権限には、無罪が証明された被拘束者の釈放など、国家機関と連携した措置も含まれる。
移行期正義とは、体制に仕えたすべての者を処罰するという意味ではなく、対象は重大な犯罪や人権侵害を行った者に限定される。
この過程を拙速に進めたり、個人の判断で処理することは混乱を招き、国家がその機能を果たせていないように見える恐れがある。それは外部からの干渉の口実ともなりかねない。
復讐や報復では移行期正義は達成されず、むしろ責任の所在が曖昧になり、虐殺の加害者が逃れる原因となる。
解放の初期に与えられた身の安全の保証は、流血の抑止に大きく貢献し、社会的和解の分野において誰の目にも明らかな成果があった。
ファーディー・サクルについては、状況を見極めたうえで逮捕せず、安全保障を提供する判断がなされた。これは、国家兵士と衝突地域やその支持基盤双方における流血の回避を目的とした。
流血を防ぐために実施された措置や成果の多くは、非公開のまま進められている。情報を公開しない理由は、それにより施策の継続が可能になるからである。
拘束者の釈放は和解委員会の役割であり、誘拐などその他の事件には国家があらゆる力を挙げて対処している。
国内の安定は正義の実現だけでは不十分であり、我々には社会的和解という確固たる路線がある。和解委員会の活動は多岐にわたり、数値化できないが、多くの騒乱を静かに食い止めている。
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