オバマ米大統領は「シリア領内での「安全地帯」設置は現実問題として難しい」と述べ、メルケル独首相の発言に異論(2016年4月24日)

バラク・オバマ米大統領は訪問先のドイツのアンゲラ・メルケル首相と会談し、シリア情勢などについて意見を交わした。

会談後の記者会見で、オバマ大統領は、メルケル首相がシリア領内での「安全地帯」の設置を支持する意向を示したことに対し、「シリア領内での「安全地帯」設置に関する問題に、私は思想的な反対している訳ではないし…、私が支援を望んでおらず、また多くの人々を保護したくないという訳でもない…。しかし、残念ながら、現実問題として、我々にはシリアの一部を軍事的に掌握する意思がないため、それ(安全地帯)がどう機能するのかを考えるのは難しい」と述べた。

これに関して、メルケル首相は、自身が従前的な「安全地帯」の設置を支持しているのではないとしたうえで、ジュネーブ3会議での協議が難民を人道的に支援できるような地域の設置への道を切り開くと考えているとの曖昧な態度を表明した。

AFP, April 24, 2016、AP, April 24, 2016、ARA News, April 24, 2016、Champress, April 24, 2016、al-Hayat, April 25, 2016、Iraqi News, April 24, 2016、Kull-na Shuraka’, April 24, 2016、al-Mada Press, April 24, 2016、Naharnet, April 24, 2016、NNA, April 24, 2016、Reuters, April 24, 2016、SANA, April 24, 2016、UPI, April 24, 2016などをもとに作成。

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