USAID(米国際開発庁)は声明を出し、トルコでシリアへの支援事業に参加している14の団体・個人の活動に対して活動停止処分を下したと発表した。
声明は、「談合、幾多の贈収賄に共謀してきた業者、NGO職員などのネットワークがシリアでの人道支援配給にかかる契約に関与してきた」としたうえで、トルコでの物資調達に際して、NGOから業者への多額の代金支払いが組織的に行われてきたことを明らかにした。
また、声明による、トルコの民間業者は、低品質の毛布や資材などの商品をNGOに法外な価格で販売し、その差額を着服していたという。
AFP(5月10日付)によると、こうした不正取引には、米国の国際医療隊(IMC)、アイルランドのGoal、英デヴィッド・ミリバンド元外相が代表を務める国際救済委員会(IRC)といった団体が関与していたとされ、シリアに対する最大規模の医療支援を行うIMCは、すでに多数の職員を解雇したという。
またIRC、GOALも事件発覚を受け、多数のプロジェクトを中止したという。
AFP, May 10, 2016、AP, May 10, 2016、ARA News, May 10, 2016、Champress, May 10, 2016、al-Hayat, May 11, 2016、Iraqi News, May 10, 2016、Kull-na Shuraka’, May 10, 2016、al-Mada Press, May 10, 2016、Naharnet, May 10, 2016、NNA, May 10, 2016、Reuters, May 10, 2016、SANA, May 10, 2016、UPI, May 10, 2016などをもとに作成。
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