ドゥラル・シャーミーヤ(3月13日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるダマスカス県カダム区から、大型バス26台が1,055人を乗せてシリア北部に向けて出発、反体制派支配地域との境界に位置するハマー県のカルアト・マディーク町に到着したと伝え、その写真を公開した。
同サイトによると、カダム区は、ダーイシュの支配地域とされているが、実際には、アジュナード・シャーム・イスラーム連合を中心とする「自由シリア軍」の支配下にあり、ダーイシュは同地を、本部が設置されているダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市一帯を守る第一防衛線とみなしていたという。
バス26台のうち7台(203人を搬送)は、トルコの実質占領下にあるアレッポ県ジャラーブルス市に向かう予定だという。
シリア軍は、カダム区で活動を続ける戦闘員とその家族に対して、48時間以内に退去するよう最後通告を出していた。
なお、カダム区から退去した消息筋によると、シリア軍による最期通告を受けて、ダーイシュは同地で活動を続ける戦闘員に退去を拒否するよう通達、カダム区やハジャル・アスワド市一帯に部隊を動員し、警備を強化したという。
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一方、シリア軍は、カダム区、ハジャル・アスワド市、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ内のサラースィーン通り一帯で、ダーイシュへの攻勢を強め、激しく交戦した。
シリア軍はまた、ハジャル・アスワド市にあるダーイシュの本部を爆撃した。
AFP, March 13, 2018、ANHA, March 13, 2018、AP, March 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 13, 2018、al-Hayat, March 14, 2018、Reuters, March 13, 2018、SANA, March 13, 2018、UPI, March 13, 2018などをもとに作成。
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