シリア国民評議会の執行委員会が民主変革諸勢力国民調整委員会の合意文書案を拒否することを正式決定(2012年1月3日)

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アラブ連盟監視団

サウジアラビアの『イクティサーディーヤ』(1月3日付)は、アラブ連盟監視団のある監視員の話として、多くの監視団が何者かによって脅迫を受けていると報じた。

SANA, January 3, 2012

SANA, January 3, 2012

SANA, January 3, 2012

SANA, January 3, 2012

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アラブ連盟のアフマド・ベンフッリー事務副長は『ハヤート』(1月4日付)に対して、アラブ連盟監視団の人選がシリアの反体制勢力によって押しつけられたものではなく、各国の推薦のもとに事務局が選定したと述べた。

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エジプトのアフィーフィー・アブドゥルワッハーブ連盟代表は、エジプトが連盟監視団への監視員の派遣を見合わせたとの一部報道を否定しつつ、シリア情勢に関して外国の干渉や軍事的解決に反対し、アサド政権と反体制勢力の対話に基づく政治的解決を支持するとの姿勢を明示した。

アサド政権の動き

『バアス』(1月3日付)は、バアス党シリア地域指導部が第11回シリア地域大会を2月の第1週に開催することを決定したと報じた。

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SANA(1月3日付)によると、ダマスカス県サブウ・バフラート広場およびダイル・ザウル県クーリーヤ市で、外国の干渉拒否、国民統合を訴える集会が開催され、それぞれ数千人の市民が参加した。

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インターネット紙『アルワタン・オンライン』は1月3日付で、過去2ヵ月間に270以上のサイバー攻撃に曝され、また同紙が利用している米国のサーバーにおいて技術的に困難な状況に置かれたため、サイトを一旦閉鎖すると発表した。

『アルワタン・オンライン』は『ワタン』とともにラーミー・マフルーフ氏が資金・運営面で大きな影響力を持っている。

反体制勢力の動き

「シリア・シーア派拡大抵抗運動」を名のる組織が12月のヒムス県でのイラン人技術者5人の誘拐の犯行声明を出した。

同運動はまた、イランとレバノンのヒズブッラーに対して、アサド政権への支援を止めるよう警告を発した。

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自由シリア軍司令官のリヤード・アスアド大佐(自称少将)は、ロイター通信(1月3日付)に対して、アラブ連盟の監視団の活動に関して、「シリアでの殺戮行為を停止させられない」と非難した。

そのうえで「数日、多くて数週間待とう。そしてもし監視団が真剣でないと感じられたら、我々は何らかの決定を下し、体制そして世界中を驚かせるだろう」と警告を発した。

また「都市から軍が撤退した」とのアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長の発言(1月2日)を否定し、「政府は(連盟との)合意を一切履行していない」と非難した。

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長はブルガリア外相との会談後、アラブ連盟監視団に関して、「我々はこの監視団が有用だとみなしている。それがアラブ連盟の計画実施をもたらさないとしても。政治的、心理的に有用だ」と述べた。

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地元調整諸委員会は声明を出し、「アラブ連盟は議定書という罠にかかった。同議定書によって監視団は(シリア)政府の視点から事態を見て、その意思に従って行動することを余儀なくされている」と非難した。

また監視団が「暴力を停止し、独立した方法で(事態を)評価し続ける能力はない」と付言した。

さらに「警察官の制服を着た兵士や士官が潜伏し、その装備をカムフラージュし、展開地点を変更しただけで、軍は撤退しておらず、議定書の規定を政府が履行していない」と述べた。

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シリア国民評議会の執行委員会は、民主変革諸勢力国民調整委員会の合意文書(案)を拒否することを正式に決定した。

国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市で治安部隊の発砲により民間人3人が殺害されたという。

SANA, January 3, 2012

SANA, January 3, 2012

一方、SANA(1月3日付)によると、武装テロ集団がラスタン市近くを通るガス・パイプラインへの破壊工作を行った。

このパイプラインはズィヤーラ火力発電所(ハマー県)、ザイズーン火力発電所(イドリブ県)に燃料を供給している。また同市に通じる橋も武装テロ集団によって破壊されたという。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市クスール地区で治安部隊の発砲により9人の民間人が殺害された。またカフナーナ村では2日に負傷した市民1人が死亡したという。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジャースィム市で軍から数十人の兵士が離反、この離反兵が軍・治安部隊と交戦し、後者の兵士18人を殺害した、という。

一方、SANA(1月3日付)によると、治安部隊が武装テロ集団に襲撃され、兵士1人が殺害された。

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イドリブ県では、SANA(1月3日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市で歯科医師のアドナーン・シュハイダ氏が武装テロ集団に誘拐された。

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なおシリア革命総合委員会によると、イドリブ県(2人)、ヒムス県(1人)、ダルアー県(1人)、ハマー県(1人)などで治安部隊の発砲により9人が殺害された、という。

レバノンの動き

ワリード・ジュンブラート進歩社会主義党党首は年始の声明を出し、そのなかで「ロシアとイラン・イスラーム共和国の指導部がシリアの現状に対応する際に「弱者の力」の原則を念頭に置き、治安的解決が危機解決をもたさず、体制の抜本的な転換以外に解決策がないということを認めなければならないことを理解していれば」と述べ、シリアの反体制運動に理解を示した。

また「シリアのバニー・マアルーフ」(シリアのドゥルーズ派宗徒)に「シリア国民への弾圧を行う警察や軍への参加を控える時が来た」と呼びかけた。

諸外国の動き

『ワシントン・タイムズ』(1月3日付)は、2011年10月にイランの最高指導者アリー・ハーメネイ師がトルコのイスタンブールに特使3人を派遣し、シリア・ムスリム同胞団に「政治的取引」を持ちかけていたと報じた。

それによると、特使は同胞団に対して、シリア政府内の高官ポスト4つと引き替えにアサド政権を支持するよう求めたという。

この要求をシリア・ムスリム同胞団は拒否した。

http://www.washingtontimes.com/news/2012/jan/3/iran-broker-syria-deal-assad-muslim-brotherhood/

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米国のビクトリア・ノーランド国務省報道官は、「約7週間前に受諾した誓約のすべてを履行していないことを懸念している。例えば政府は暴力を停止していない」と述べた。

一方、ロバート・フォード在シリア米大使は同大使館のFacebookのページでシリア国内の燃料不足問題は、政府の供給体制における汚職と軍による大量消費が原因だと綴った。

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フランスのニコラ・サルコジ大統領は、アラブ連盟監視団の権限が曖昧になり、現地で起きている事のすべてを視察できない恐れがあるとしたうえで、アサド大統領が「権力を去り…、国民が自由にその運命を決する」べきだとの姿勢を改めて示した。

またアラン・ジュペ外務大臣はシリア政府が「監視団を欺く」ことを防ぐことが肝要であると述べた。

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アルジェリアのムラード・マドリスィー外務大臣は、アラブ連盟監視団に関して、一部の批判にもかかわらず、シリア情勢に対する「より高い信頼性」のある評価を下せるだろう、と述べた。

AFP, January 3, 2012、Akhbar al-Sharq, January 3, 2012, January 4, 2012、al-Ba‘th, January 3, 2012、Alwatan Online, January 3, 2012、Facebook、al-Hayat, January 4, 2012、al-Iqtisadiya, January 3, 2012、Kull-na Shuraka’, January 3, 2012, January 4, 2012、Reuters,
January 3, 2012、Syria News, January 4, 2012、SANA, January 3, 2012、The Wasington Times, January 3, 2012などをもとに作成。

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