軍武装部隊総司令部は声明を出し、18日のイスラエル軍によるゴラン高原のシリア軍陣地複3カ所への攻撃によって、1人が死亡、7人が負傷したと発表、「兵力引き離し協定への新たな違反」と批判した。
声明によると、イスラエル軍は18日早朝、クナイトラ県ゴラン高原のサヒーター村に近い1023高地を迫撃砲やロケット弾で攻撃、また戦闘機がクーム・ワイスィーヤ、ナブア・ファウワール、サアサアの陣地を空爆し、兵士1人が死亡、7人が負傷したという。
また声明は、この攻撃が「ヨルダン方面からテロリスト多数がダルアー市の中央刑務所に攻撃を仕掛けたのと同時に行われた」と指摘し、「軍がヤブルードなどで大いなる成果を上げ、テロ組織や、シオニスト政体を筆頭とするその支援者に電光石火の一撃を加え…、一連の勝利を治めていることから耳目を反らそうとするもの」と主張した。
そのうえで「テロ組織との戦いを続け、殲滅する意志」を表明、「こうした敵対的行為を繰り返すことで、事態の悪化と緊張を促すような無駄な試み」を行わないよう警告した。
しかし、声明では「イスラエルの攻撃に対して報復権を留保する」といった姿勢を明示することはなかった。
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外務在外居住者省は、国連事務総長と安保理議長に宛てて書簡を送り、そのなかで18日のイスラエル軍によるゴラン高原のシリア軍陣地複3カ所への攻撃を「兵力引き離し協定、国連憲章、国際法への新たな侵害」としたうえで、イスラエルの攻撃が「ウソの口実」に基づいていると非難した。
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外務在外居住者省は声明を出し、ダニエル・ルビンスタイン米シリア担当特使によるシリア大使館閉鎖と外交官国外退去命令に関して、「我々との外交領事関係にかかる合意へのあからさまな違反だ」と非難した。
声明によると、シリア政府は3月初め、同月末に赴任予定のシリア人外交官への入国ビザ発給を米当局に要請していたとしたうえで、近くワシントンのシリア大使館の閉鎖に踏み切るだろうと述べ、ワシントンに駐在する外交官にそのための諸手続をとるよう指示したことを明らかにした。
声明は「シリアに対する米国の政策の真の目的は…シリアでのテロへのさらなる支援と流血にある」と付言した。
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SANA(3月19日付)によると、ヒムス市ハムラー地区で、軍による「テロとの戦い」を支持するデモが行われ、地元住民ら数千人が参加した。
AFP, March 19, 2014、AP, March 19, 2014、ARA News, March 19, 2014、Champress, March 19, 2014、al-Hayat, March 20, 2014、Iraqinews.com, March 19, 2014、Kull-na Shuraka’, March 19, 2014、Naharnet, March 19, 2014、NNA, March 19, 2014、Reuters, March 19, 2014、SANA, March 19, 2014、UPI, March 19, 2014などをもとに作成。
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