ヒムス県では、『ハヤート』(3月21日付)によると、軍がカルアト・ヒスン市に突入し、総攻撃を開始した。
カルアト・ヒスン市は、ヒムス県に残された反体制武装集団最後の一大拠点で、同県各地とレバノン(ベカーア県)を結ぶ要衝の一つ。
SANA(3月20日付)などシリアの主要メディアは、同村にある古城カルアト・ヒスン(クラーク・ド・シュバリエ)を制圧し、シリア国旗を掲揚したと報じた。
シリア軍の大佐はマヤーディーン(3月20日付)に対して、クラーク・ド・シュバリエ、郊外、隣接する村落を制圧したことを明らかにした。
またAFP(3月20日付)は、カルアト・ヒスン市から敗走した反体制武装集団を軍が要撃し、戦闘員11人が死亡したと報じた。
一方、SANA(3月20日付)によると、軍が、国防隊の支援のもと、カルアト・ヒスン市を制圧、同地の治安と安全を回復、クラーク・ド・シュバリエにシリア国旗を掲揚した。
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ラタキア県では、『ハヤート』(3月21日付)によると、サルマー町、ドゥワイリカ村、アーラー村街道、ラタキア・アレッポ街道各所を軍が砲撃・空爆した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アズィーズィーヤ地区に迫撃砲弾が着弾し、複数名が負傷、またブアイディーン地区、ハイダリーヤ地区、サカン・シャバービー地区、カラム・ベク地区が軍の「樽爆弾」などによる空爆を受けた。
また軍は、ジハード主義武装集団が占拠するキンディー大学病院付近、アレッポ市カースティールー地区、アレッポ中央刑務所周辺、フライターン市などを空爆、サバーヒーヤ村周辺では、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がジハード主義武装集団と交戦した。
一方、SANA(3月20日付)によると、アレッポ市旧市街、サーフール地区、ジャンドゥール交差点、ジュダイダ地区、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、カースティールー地区、ナイラブ地区、バニー・ザイド地区、アレッポ中央刑務所周辺、アッザーン村、カフルハムラ村、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、ラスム・アッブード村周辺、クワイリス村、ファースィーン村、ザバディーヤ村、フマイマ村、マーリア市、タッル・リフアト市、バービース村、フライターン市、ウワイジャ地区、アルバイド村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラターミナ町一帯を軍が空爆した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフ・キャンプ周辺、ドゥーマー市などを軍が空爆・砲撃した。
ドゥーマー市への砲撃は、同市への人道支援搬入直後に行われたという。
一方、SANA(3月20日付)によると、ヤブルード市西部のマシュラファ村、ダーライヤー市、ハラスター市、ザーキヤ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
またクドスィーヤー市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民3人が死亡した。
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ダマスカス県では、SANA(3月20日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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イドリブ県では、SANA(3月20日付)によると、イドリブ・ラタキア街道、ラーム・ハムダーン村、マアッラトミスリーン市、カフル・ヤフムール村、マアッルバリート村、ジダール・ビカフルーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、ARA News(3月20日付)によると、マルカダ町でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、シャームの民のヌスラ戦線の拠点に対して爆弾を仕掛けた車で自爆攻撃を行った。
また同村の穀物サイロ近くでは、ヌスラ戦線、イスラーム戦線がダーイシュと交戦し、ヌスラ戦線はダーイシュ戦闘員40人以上を殺害したと発表したという。
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ラッカ県では、ARA News(3月20日付)が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がタッル・アブヤド市近郊の村々に住むクルド人の強制排除を進め、タッル・ファンダル村の住民約500人がトルコ領内に追放されたと報じた。
AFP, March 20, 2014、AP, March 20, 2014、ARA News, March 20, 2014、Champress, March 20, 2014、al-Hayat, March 21, 2014、Iraqinews.com, March 20, 2014、Kull-na Shuraka’, March 20, 2014、Naharnet, March 20, 2014、NNA, March 20, 2014、Qanat al-Mayadin, March 20, 2014、Reuters, March 20, 2014、SANA, March 20, 2014、UPI, March 20, 2014などをもとに作成。
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