2014年3月26日のシリア情勢:国内の暴力

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、国防隊と「アレキサンドレッタ地方解放シリア抵抗運動」の支援を受けた軍が、シャームの民のヌスラ戦線などからなる武装集団とカサブ町、ナブアイン村、第45電波塔周辺で交戦した。

同監視団によると、ナブアイン村をヌスラ戦線などが制圧したとの情報が流れる一方、軍は第45電波塔周辺、サルマー町一帯、そしてアレッポ県のクルド山地方一帯を空爆した。

一方、SANA(3月26日付)によると、県北部で軍がテロ集団残党の追撃を続けた。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、アサーリー地区を軍が砲撃した。

またマッザ区で爆発音が2回聞こえた。自爆テロ、ないしは迫撃砲着弾による爆発音だという。

一方、SANA(3月26日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またルクンッディーン区、カッサーア地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民3人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市を軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(3月26日付)によると、サルハ市郊外、マシュラファ村西部、ヤブルード市北部、ルハイバ市東部、ザバダーニー市東部山岳地帯、アドラー市旧市街、アーリヤ農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、スブフーヤ村周辺で、ジハード主義武装集団が敷設した地雷に軍部隊が触れ、6人が死傷した。

またアレッポ市ライラムーン地区に対して、軍が空爆、女性1人、子供2人を含む4人が死亡した。

さらにアレッポ市内のカラージュ・ハジャズ通行所(ブスターン・カスル地区・マシャーリカ地区間)で住民が狙撃され、男性1人が死亡、女性2人が負傷した。

このほか、軍はアレッポ市ジャンドゥール交差点地区、カルム・フーミド地区、ライラムーン地区、ズィルバ村、ウワイジャ地区、アレッポ中央刑務所周辺を「樽爆弾」などで空爆、またアズィーザ村のSyriatel地区などを制圧した。

一方、SANA(3月26日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ムスリミーヤ村、ハンダラート・キャンプ、シュワイフナ村、マンスーラ村、ハーン・アサル村、ダーラト・イッザ市、バービース村、アターリブ市、アナダーン市、フライターン市、クワイリス村、アルバイド村、ラスム・アッブード村、アレッポ市ライラムーン地区、カースティールー地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市スライマーニーヤ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アルバイーン山周辺、アレッポ・ラタキア街道などを軍が空爆した。

一方、SANA(3月26日付)によると、サラーキブ市、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市、アブー・ズフール町、タッル・ルーズ村、ハミーマート村、カルア・ガザール村、アルバイーン山周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サイダー町一帯、アレッポ市ダム街道地区、ダーイル町周辺を軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(3月26日付)によると、ダルアー市各所(ヨルダン通りなど)、サムリーン村西部、ムハッジャ村、フラーク市、西ガーリヤ村、東ガーリヤ町、カスル・ムシュミシュ村、ガバーギブ町、タッル・ジャアファル・ベク村、ガディール・ブスターン村、バッカール村、ジュバイリーヤ村、ナースィリーヤ村、カルマシュ村、ワラダート村、アトマーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、サウジアラビア人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダルアー市内で清掃業者が反体制武装集団に狙撃され、負傷した。

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ヒムス県では、SANA(3月26日付)によると、ヒムス市ワアル地区、ダール・カビーラ村に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

またラッフーム村、ウンム・サフリージュ村、タッルカラフ市郊外、アブー・アラーヤー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ヒムス市ジュッブ・ジャンダリー地区、カラービース地区で反体制武装集団メンバー27人が当局に投降した。

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ハマー県では、SANA(3月26日付)によると、ムハルダ市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月26日付)によると、ダイル・ザウル市ウルフィー地区、労働者住宅地区、ハウィーカ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、Syria-News(3月26日付)によると、アーシマ村・ジャアダ村間の一帯で、民主統一党人民防衛隊とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が激しく交戦した。

両者の戦闘は3日目を迎えているという。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(3月26日付)によると、ラアス・アイン市郊外でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)との戦闘で、民主統一党人民防衛隊がタッル・ヒンズィール村からの撤退を余儀なくされた。

この戦闘で、人民防衛隊は多数の戦闘員を捕虜にとられたという。

またARA News(3月26日付)によると、ダーイシュが民主統一党人民防衛隊との交戦の末、タッル・タムル町郊外のライラーン村近くの検問所3カ所を奪還した。

AFP, March 26, 2014、AP, March 26, 2014、ARA News, March 26, 2014、Champress, March 26, 2014、al-Hayat, March 27, 2014、Iraqinews.com, March 26, 2014、Kull-na Shuraka’, March 26, 2014、Naharnet, March 26, 2014、NNA, March 26, 2014、Reuters, March 26, 2014、SANA, March 26, 2014、Syria-news.com, March 26, 2014、UPI, March 26, 2014などをもとに作成。

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