2014年3月27日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ラタキア県カサブ町一帯に侵攻したシャームの民のヌスラ戦線などを「自由シリア軍の英雄たち」と讃え、「シリアおよびすべてのシリア国民をアサド家の独裁支配から解放する努力を賞賛する」と表明した。

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Kull-na Shuraka', March 27, 2014

Kull-na Shuraka’, March 27, 2014

自由シリア軍参謀委員会のハイサム・アスィーフィー副参謀長はクッルナー・シュラカー(3月27日付)に対し、シリア革命反体制勢力国民連立暫定政府と参謀委員会が、ラタキア県カサブ町一帯でのシャームの民のヌスラ戦線などによる侵攻を「一丸となって全面支持し、資金、武器、装備を提供することで合意している」と述べたうえで、シリア革命家戦線などがハマー県ムーリク市一帯やイドリブ県からラタキア県へのシリア軍の増援部隊派遣や補給を阻止するため活動していることを認めた。

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シリア・ムスリム同胞団政治局メンバーのサミール・アブー・ラバン氏はクッルナー・シュラカー(3月27日付)のインタビューに応じ、そのなかで、同胞団は「革命」当初から平和的活動を維持することを試み、武力活動が事態を長引かせると考えてきたとしたうえで、「同胞団は独自の武装集団を持たないようにしてきた。つまり同胞団は武装集団の結成に着手したが、我々はそれを全く望んでいない」と述べた。

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シリア人権ネットワークは、アサド政権が化学兵器に代えてクラスター爆弾を使用、これにより子供64人を含む民間人138人が犠牲となっている、と主張した。

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ARA News(3月28日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)は、ハサカ県シャッダーディー市のアカバ・ブン・ワリード学校で、体育と音楽の授業を廃止し、軍事教練の授業を新設する決定を行った。

AFP, March 27, 2014、AP, March 27, 2014、ARA News, March 27, 2014、Champress, March 27, 2014、al-Hayat, March 28, 2014、Iraqinews.com, March 27, 2014、Kull-na Shuraka’, March 27, 2014、Naharnet, March 27, 2014、NNA, March 27, 2014、Reuters, March 27, 2014、SANA, March 27, 2014、UPI, March 27, 2014などをもとに作成。

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