クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に近いANHA(4月17日付)は、同党が主導する北・東シリア自治局が管理するラッカ県アイン・イーサー市近郊の避難民キャンプ(アイン・イーサー・キャンプ)の現況について報じた。
アイン・イーサー・キャンプは、ラッカ市および同地一帯での人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とイスラーム国(ダーイシュ)の戦闘によって避難を余儀なくされた住民を収容するため、2016年11月に西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)によって設置された。
2017年4月18日、アイン・イーサー・キャンプはラッカ市民政評議会に移管され、国際機関と連携し、避難民への支援不足に対処してきた。
ラッカ県やダイル・ザウル県でのシリア民主軍によるイスラーム国掃討戦が本格化すると、キャンプに収容されている避難民の数は2万9000人を越えたが、ラッカ県での戦闘が収束すると避難民は帰還を始め、2018年初めまでに収容者数は1万3000人に減少した。
北・東シリア自治局の統計によると、収容者の内訳は、ラッカ県出身者3,115人、ダイル・ザウル県出身者8,073人、アレッポ県出身者1.056人、イドリブ県出身者48人、ハマー県出身者64人、ヒムス県出身者162人、イラク難民518人。
帰還した避難民のうち数千人はシリア政府支配地域とトルコ占領地域への帰還を選んだが、アイン・イーサー・キャンプを含む北・東シリア自治局管理下の避難民キャンプには、同自治局の支配下にない地域(シリア政府支配地域とトルコ占領地域)出身者約1万人が帰還せずに、とどまっている。
避難民の帰還を妨げる最大の理由は、帰還先が戦闘によって破壊されていることだという。
AFP, April 17, 2019、ANHA, April 17, 2019、AP, April 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2019、al-Hayat, April 18, 2019、Reuters, April 17, 2019、SANA, April 17, 2019、UPI, April 17, 2019などをもとに作成。
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