ジェームズ・ジェフリー前国務省シリア問題担当特使「トランプ政権にシリア駐留米軍部隊の数を偽ってきた」(2020年11月12日)

米国務省シリア問題担当特使を退任したジェームズ・ジェフリーは、ニュース配信サイトのディフェンス・ワン(11月12日付)のインタビューに応じ、そのなかで、ドナルド・トランプ政権に対して、シリアに駐留する米軍部隊の数を偽ってきたことを暴露した。

ジェフリー氏は、トランプ米政権の対中東政策を「リアルポリティック」だとして高く評価し、大統領選挙で勝利した民主党のジョー・バイデン候補もこうした方針を維持するべきだとしたうえで、次のように述べた。

「我々はいつもシェル・ゲームを行い、我々が何人の兵士をそこに派遣しているのかを指導部に明かさないようにした…。シリア北東部に駐留する実際の兵士の数は、2019年にトランプ大統領が最初に撤退に同意した時にいたとされる約200人よりもはるかに多かった」。

ジェフリー氏は、トランプ大統領によるシリア駐留部隊の2度にわたる撤退決定(とその撤回)について「政府に務めていた私の50年間のなかでもっとも物議を醸したもの」と評したが、「しかし、それは、米軍が今もシリアで任務を続け、ロシアとシリアの領土獲得を拒否し、ダーイシュ残党の再生を阻止しているという点で、最終的にはサクセス・ストーリーだった」と述べた。

さらに「シリアからの撤退とは何だったか? シリアからの撤退など起こらなかった…。ダーイシュを敗北させ、シリア北東部の状況がかなり安定すると、(トランプ大統領)は撤退させようとした。いずれの場合も、我々はなぜ駐留を継続する必要があるのか​…を説得し、我々はいずれも成功した。それがストーリーです」。


AFP, November 15, 2020、ANHA, November 15, 2020、Defense One, November 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 15, 2020、Reuters, November 15, 2020、SANA, November 15, 2020、SOHR, November 15, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.