イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)は、それ以外の武装集団との戦闘停止を呼びかけたサウジアラビアの説教師アブドゥッラー・ムハイスニー氏による「ウンマ・イニシアチブ」(23日)に関して声明を出し、「戦闘を仕掛けてくるすべての者と戦うこれまでの政策を続ける」と発表した。
ダーイシュは声明で、反体制武装集団との戦闘が、「サリーム・イドリースの参謀委員会やジャルバーの連立の傘下で世俗的な方法を隠し立てしようとしない部隊」、「マジャール・マアルーフ、ハーリド・ハヤーティー、アフマド・アファシュなどの腐敗した集団」に対するもので、ムジャーヒディーンを標的としていないと主張した。
そのうえで、ウンマ・イニシアチブの支持者らに対して、民主主義、世俗主義、自由シリア軍参謀委員会、シリア革命反体制勢力国民連立だけでなく、サウジアラビア、カタール、トルコなどといった国々の支配体制への姿勢を明示するよう求めた。
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自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長ら複数の武装集団指導者がビデオ声明を出し、「ハズム運動」の名で新たな武装集団連合体を結成すると発表した。
イドリース参謀長らは声明で、ハズム運動が体制打倒、自由回復、自由と公正に基づくシリア国民の要求を実現することをめざすとしたうえで、声明発表をもって参加する武装集団を解体し、ハズム運動として統合すると宣言した。
また声明では、ハズム運動の司令官の氏名を以下の通り発表した:
軍司令官:アブドゥッラー・アウダ中尉(アブー・ザイド)
南部軍司令官:ムハンマド・ダヒーク(アブー・ハーティム)
北部軍司令官:ムルシド・ハーリド中尉(アブー・ムウタッス)
政治局長:ハムザ・シャマーリー(アブー・ハーシム)
書記長:ビラール・アッタール(アブー・アブドゥー・シャーム)
ハムザ運動に参加した武装部隊は以下の通り:
北部ファールーク大隊
第9師団特殊部隊
第1機甲師団
アッラーへの信仰旅団
アビー・ハーリス大隊(ハマー・ファールーク)
サラミーヤ自由人大隊(ハマー・ファールーク)
殉教者アブドゥッラフマーン・シャマーリー大隊
殉教者バクル・バッカール大隊
殉教者ハムザ・ザカリヤー大隊
ラシード大隊
アブー・アスアド・ニムル大隊
アフバーブ・アッラー旅団
ファーティフ大隊
第60歩兵旅団
アブドゥッラフマーン大隊
殉教者アブドゥルガッファール・ハーミーシュ大隊
ザアフラーナ・ファールーク大隊
殉教者アブドゥッラー・バッカール大隊
ラスタン殉教者大隊
殉教者アンマール・トゥラース・ファルザート大隊
真実の声中隊
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アレッポ県マンビジュ市を制圧したイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の電力供給局長を務めるというドイツ人戦闘員のアブー・ムハンマド・アルマーニー氏は声明を出し、マンビジュ市住民に1ヶ月分の電気料金を支払うよう求め、料金支払いがない場合、電気を遮断すると脅迫した。
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シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者は『クドス・アラビー』に、ジュネーブ2大会へのシリア革命反体制勢力国民連立の参加の是非を決する総合委員会での採決で、同胞団メンバーが反対票を投じたとしつつ、多数派の決定を尊重していると述べた。
シャカファ最高監督者はまた、ジュネーブ2大会を成功させるには、アサド政権が殺戮を止め、包囲を解除し、人道支援物資配給に応じたうえで、アサド大統領および政権幹部を排除したかたちでの移行期統治機関の設置を行うべきだと述べた。
AFP, January 28, 2014、AP, January 28, 2014、Champress, January 28, 2014、al-Hayat, January 29, 2014、Iraqinews.com, January 28, 2014、Kull-na Shuraka’, January 28, 2014、Naharnet, January 28, 2014、NNA, January 28, 2014、Reuters, January 28, 2014、Rihab News, January 28, 2014、SANA, January 28, 2014、UPI, January 28, 2014などをもとに作成。
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