シリア民主軍は前日のハサカ県タカル・バカル村近郊の発電所への爆撃をめぐって報復を予告するとともに、有志連合を非難(2022年2月2日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、2月1日のトルコ軍ドローンによるハサカ県タカル・バカル村近郊の発電所への爆撃に関して、シリア民主軍の兵士4人が死亡、住民5人が負傷したと発表した。

声明のなかでシリア民主軍は、米主導の有志連合がトルコ軍の爆撃のために領空を開放したと非難した。

声明の概要は以下の通り:

テロ組織ダーイシュ(イスラーム国)の傭兵どもが、占領国トルコの支援を受けて、ハサカ刑務所(グワイラーン刑務所のこと)への大規模な攻撃を計画したが、我が部隊が、人民の支援と覚醒のもとに、この攻撃を阻止した…。
トルコ占領国の傭兵によって我々の支配地域に混乱を生み出そうとするため、刑務所への攻撃と並行して、(ハサカ県の)タッル・タムル町、(ラッカ県の)アイン・イーサー市一帯などを砲撃したが、我が部隊がこれもまた失敗に追い込んだ…。
だが、その後、有志連合は2月1日の午後10時、占領国トルコの前に領空を開放した。占領国トルコは複数の航空機で爆撃を行い、タカル・バカル村近郊にある発電所を狙い、これを破壊、発電所防衛の任にあたっていた我が部隊の戦闘員4人が死亡、発電所に勤務していた民間人5人が負傷した。
占領国トルコの攻撃は、有志連合が承知しないかたちでは行われ得ないことは明白だ。結局のところ、我が市民、村々、施設、そしてそこで働く人々が砲撃される間も、有志連合は沈黙し、攻撃に正当性を与えている。
我らシリア民主軍は、こうした攻撃に手をこまねくことも、沈黙することもない。こうした卑劣な攻撃を行う占領国家に対して制裁を加える。

ANHA(2月2日付)が伝えた。

なお声明は、バーブ市への砲撃後に発表された。

AFP, February 2, 2022、ANHA, February 2, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2022、Reuters, February 2, 2022、SANA, February 2, 2022、SOHR, February 2, 2022などをもとに作成。

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