【トルコ・シリア大地震】アサド大統領とアスマー夫人はアレッポ市滞在を終え、ラタキア県に移動、視察、慰問を続ける(2023年2月11日)

アサド大統領とアスマー・アフラス夫人は、アレッポ市に設置された対策室のメンバーと会談、彼らからの現状報告に耳を傾けた。






メンバーらと意見を交換したアサド大統領は次のように述べた。

我々は住民のアレッポ市への愛を知っている。これは国家機関が危機に際して活動するうえで頼ることのできる強みだ。
我々が数日以内にアレッポの復興を支援し得るプロジェクトを策定し、災害復旧計画をもって災害の影響を前に立ち止まることなく、市に役立つビジョンを持つには、体系的に考えることが重要だ…。各当事者の責任と任務を厳密に設定しつつ、行程表を作成することが重要だ。

一方、アスマー夫人も以下のように述べた。

大統領とともにアレッポ市内の複数地区で行った視察訪問を通じて、住民どうしの団結と相互扶助を感じました。
アレッポの住民には、同市に対する12年に及ぶ過酷な戦争による危機に対処した大いなる経験があります。ですから、震災やその影響を対処する能力があります。

アサド大統領とアスマー夫人はまた、瓦礫の撤去作業や救援活動を行うボランティア・チームのメンバーらに面談した。

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アサド大統領とアスマー夫人は続いて、ラタキア県ラタキア市を訪れ、ティシュリーン大学病院に入院している負傷者、バースィル・アサド教育訓練センターに身を寄せている被災者を慰問した。

慰問中に、地震に対する西側諸国と国際社会の対応の違いについて問われたアサド大統領は以下のように答えた。

人道状況に対する西側諸国の姿勢について話すのであれば、地震、あるいはいかなる災害に関係なく、西側の人道的な対応には、何の姿勢の変化もない。逆にすべてがしっかりと定まっている。(西側と国際社会の間に)亀裂など生じていない。西側には人道的側面があると考えていた一部の人にとって、それが見えるようになっただけだ。亀裂が生じたのではない。価値間の亀裂、あるいは国民間の亀裂は存在する。西側については話すとき、民衆という意味で話をしているのではなく、一義的には政治的な意味、あるいは西側諸国の政治家のなかにある道徳的意味について話している。

また、アラブ諸国から寄せられた同情については次のように述べた。

同情と述べる以前により重要なのは、アラブ人としての感情が各国の国民に残っているということだ。それは変わることもなく、置き換えられることもなかった。こうした(アラブ人としての)同情は存在する。何よりもまず、我々は同情心を持った諸国民だ。第2に、我々の所属は一つだ。帰属意識の欠如を思わせるものは…この地域よりもむしろ西側の多くの場所に存在している。帰属意識はかつて考えられていたようには靄は存在しないという考え方を売り込もうとする動きはある。おそらく帰属のかたちは変わるが、内容は変化しない。公式見解に先立って我々が目にした民衆の同情は当然のものだ。こうした状況に基づかねばならない。こうした思考を理解し、深め、「人間はロポット人間、あるいは感情、帰属、原理原則、道徳のない道具に変わりつつある」とするメディア、SNS、世界中から発信されるプロパガンダの主張を克服しなければならない。これは正しくはない。

我々は常に困難な問題の本質、あるいは暗闇のなかで光明を探そうとしている。こうした法則は、とりわけ戦後に我々の行動において一般的になっている。我々は多くの問題を抱えており、その一部は、数十年にわたる積み重ねであり、一部は戦争と関係している。別の一部は地震と関係している。我々はそれらに個別に対処するのか、あるいはまとめて対処するのか? このことを決することが、まずアレッポ市での会合の目的の一つとなった。もう一つ、我々は人道状況のみに対処するのか、この数日に行われてきた救助活動、そしてこれに続いて行われた避難所、食料などのニーズへの対応を行うのか、あるいはその先へと移行し、復興、再開発を推し進め、地震、あるいは戦争以前の状態をめざすのか? これが議論されたことの内容だった。なぜなら、現状について議論、対応、対処するだけでは、常に大きな機会を逃してしまう。これが会合の主な目的だった。

私はいつも、地元コミュニティにメッセージを伝えるのではなく、地元コミュニティのメッセージを踏まえねばならないと言っている。我々は地元コニュニティの一部だ。私はそこに属しており、メッセージをやりとりすることなどあり得ない。これが第1だ。第2に、人々とメッセージをやり取りしていたのであれば、人々の間に入っていただろう。我々は人々と共にありたいと考えている。なぜなら、直に触れることができるものがあるからだ。直接の関係、感情、精神、ニーズ、多くの詳細…。公式のルートでそれらに触れることはできない。それが本質的なことことだ。だから、私は人々とメッセージをやり取りはせず、直接関係を築く。これが私とシリア国民の関係の本質だ。私は国民の一部だ。

アサド大統領とアスマー夫人はまた、ジャブラ市ガザーラート地区で活動を続けるシリアとシリアの救援チームと面談し、救援活動や瓦礫の撤去作業を施設した。

現場でアサド大統領は次のように述べた。

政府の計画に沿って、事態が検討された。そこでの最優先事項は人命救助だった。第2の優先事項は、亀裂が入った建物などの状況の調査だ。続いて、それ以外のさまざまな影響への対応が優先される。だが、この数日間の最優先事項は人命だった。まだ、開始されてはいないが、関連機関はもちろん、これら詳細についての検討を開始する。検討する前に答えを出すことはできない。おそらく、近く、すべてに答えが出されるだろう。

我々は12年もの間戦争状態にあった。我々は自分たちをよく読み解くことができる。我々はどのように祖国に熱意を示すのか、どのように原則を放棄せずにいるのか、あるいはその他の詳細を理解できる。こうした状態が国民を読み解くするための状態であることは許されない。それは、あたかも我々がシリア人としての自分自身を知らないかのようだからだ。我々が自分自身を、そして国をさまざまな状況下で防衛するのでなければ、誰が防衛するのか? 国民が行うことを読み解くことについて話すのであれば、我々は自分自身のことを熟知しているということだ。いかなる危機が過ぎ去ろうとも、我々はこれまでと同じか、それよりも良いものを期待しなければならない。

我々が正しく読み解こうとしたいのであれば、西側の植民地主義が6世紀前に始まって以降、変化していないということを知っておかねばならない。歴史を正しく知ること、読み解くことが出来なければ…。こうした状態を我々は今目にしており、我々の読み解きに問題がある。私は自明のことについて話していると考えている。我々には、6世紀を通じて、それを2度、あるいは10回も、さらには百度読み直す必要はない。

ティシュリーン大学病院






殉教者バースィル・アサド教育訓練センター












ジャブラ市ガザーラート地区




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SANA(2月11日付)が伝えた。

AFP, February 11, 2023、ANHA, February 11, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2023、Reuters, February 11, 2023、SANA, February 11, 2023、SOHR, February 11, 2023などをもとに作成。

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