諸外国の動き:独外相がアサド政権との協力の必要を示唆(2014年10月12日)

ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー外務大臣は、『ハヤート』(10月12日付)に、ダーイシュ(イスラーム国)への対応に関して、「イスラーム国に対抗するための合同の政治行動について地域でコンセンサスに達しなければならない」と述べる一方、「アサドへの信頼がまったくないが、彼から目を反らしてはならないし、彼のことが忘れられてはならない」と付言、シリア政府との協力の必要を暗に認めた。

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『ハヤート』(10月13日付)は、クルディスタン労働者党(PKK)幹部がテレビのインタビューで、アイン・アラブ市でのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘と、トルコ当局によるクルド人のデモ弾圧に対処するため、イラク国内に展開していた同党の民兵をトルコに撤収したと述べたと報じた。

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マーティン・デンプシー米統合参謀本部議長は、ワシントンDCで有志連合20カ国の軍司令官との会合後、ABC(10月12日付)のインタビューで、ダーイシュ(イスラーム国)への対応に関して「有志連合はシリアでさらなることを行い得る…。飛行禁止空域設置を求められたかというと、求められてはいない。飛行禁止空域を設置する可能性が生じるような状況が将来あるかと言えば、あるだろう」と述べた。

また、トルコの対応に関して、「米国はトルコにシリアへの地上部隊の投入を求めていない」と述べた。

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トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、フランス24(10月12日付)のインタビューで、アイン・アラブ市へのダーイシュ(イスラーム国)の攻勢に関して、トルコから同市に武器や民兵を送り込むための回廊の設置が「非現実的だ」と述べた。

AFP, October 12, 2014、AP, October 12, 2014、ARA News, October 12, 2014、Champress, October 12, 2014、al-Hayat, October 13, 2014、Kull-na Shuraka’, October 12, 2014、al-Mada Press, October 12, 2014、Naharnet, October 12, 2014、NNA, October 12, 2014、Reuters, October 12, 2014、SANA, October 12, 2014、UPI, October 12, 2014などをもとに作成。

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米軍などによるシリア爆撃:アイン・アラブ、ラッカを爆撃(2014年10月12日)

シリア人権監視団によると、米国など有志連合は、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するアイン・アラブ市(アレッポ県)東部を中心的に空爆し、ダーイシュ戦闘員を殺害、装備を破壊した。

ARA News(10月12日付)によると、有志連合はまたラッカ県の第17師団基地一帯を空爆したという。

AFP, October 12, 2014、AP, October 12, 2014、ARA News, October 12, 2014、Champress, October 12, 2014、al-Hayat, October 13, 2014、Kull-na Shuraka’, October 12, 2014、al-Mada Press, October 12, 2014、Naharnet, October 12, 2014、NNA, October 12, 2014、Reuters, October 12, 2014、SANA, October 12, 2014、UPI, October 12, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:シリア軍がダイル・ザウル、ヒムスでダーイシュと交戦(2014年10月12日)

ダイル・ザウル県では、Champress(10月12日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区、ハウィーカ地区、ラシュディーヤ地区、ラサーファ地区、ウルフィー地区、カナーマート地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、Champress(10月12日付)によると、マスウーディーヤ村、ジュッブ・ジャッラーフ町で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュ司令官の一人で米国人の「アブー・ムハンマド・アムリーキー」を殺害した。

また、ラスタン市、タッルドゥー、アイン・フサイン村、ワーディー・スマルミル、マスアダ村、ウンム・リーシュ村、ヒムス市ワアル地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、アイン・アラブ市の攻略をめざすダーイシュ(イスラーム国)が同市中心部に向けて少なくとも11発の迫撃砲を撃ち込む一方、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が同市北東部の治安厳戒地区に向けて進軍した。

またシリア人権監視団は、ダーイシュがアレッポ県各地およびラッカ県から増援部隊を派遣している、と発表した。

一方、Champress(10月12日付)によると、アレッポ市アーミリーヤ地区、ハナーヌー地区、ラーシディーン地区、ザバデーヤ地区、ラームーサ地区、旧市街、ジャービリーヤ地区、ライラムーン地区、クワイリス町周辺、アドナーニーヤ村、バーシュカウィー村、ラスム・イマーム村北部、アイン・ジャマージマ村、ハーン・アサル村西部、カフルウバイド村、サルジュ・ファーリア村、ディーマーン村、バッルーラ村、フライターン市、タッル・サワーン町で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、Champress(10月12日付)によると、ハラスター市、アイン・タルマー村旧市街、タッル・クルディー町郊外、ドゥーマー市、アルバイン市、ナシャービーヤ町郊外、ダーライヤー市、カラムーン山地無人地帯、マシュラファ村無人地帯、カーラ市無人地帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、Champress(10月12日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、Champress(10月12日付)によると、ジャムリーン村、タッル・マスィーフ西部、アトマーン村、ナーフタ町、タファス市・ダルアー市街道、ダルアー市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、Champress(10月12日付)によると、マスハラ丘、マスハラ村、ウンム・バーティナ村、ナブア・サフル村、フッリーヤ村・ジャバーター村・アブー・シャッタ村街道で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、Champress(10月12日付)によると、サラーキブ市、ビンニシュ市、ナビー・アイユーブ丘、マアッラト・ヌウマーン市、カフルラーター村、ジャルジャナーズ町で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、Champress(10月12日付)によると、カフルズィーター市、ラタミーン村、ムーリク市、ラターミナ町、タッル・ファース村、スカイク村、カスル・イブン・ワルダーン村で、シ%

シリア反体制勢力の動き:シリア・クルド国民評議会が西クルディスタン移行期民政局による徴兵拒否者逮捕を非難(2014年10月12日)

シリア・クルド国民評議会(シリア革命反体制勢力国民連立)は声明を出し、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュによる「民主的自治区自衛義務遂行法」(いわゆる兵役法)違反者数千人の逮捕に異議を唱えた。

AFP, October 12, 2014、AP, October 12, 2014、ARA News, October 12, 2014、Champress, October 12, 2014、al-Hayat, October 13, 2014、Kull-na Shuraka’, October 12, 2014、al-Mada Press, October 12, 2014、Naharnet, October 12, 2014、NNA, October 12, 2014、Reuters, October 12, 2014、SANA, October 12, 2014、UPI, October 12, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:シリア元首相がESCWA事務次長に昇進(2014年10月11日)

国連のリーマー・ハラフ事務次長兼ESCWA(Economic and Social Commisison for Western Asia)事務総長は、ESCWA-EDGE(Economic Development and Globalization Division)代表でシリアの元副首相アブドゥッラー・ダルダリー氏をESCWA事務次長に昇進させた。

またシリアの元運輸大臣のヤアリブ・バドル氏をESCWA運輸物流担当顧問に任命した。

クッルナー・シュラカー(10月11日付)が伝えた。

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イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、シリア情勢に関して「ダーイシュ(イスラーム国)の殲滅をめざす米国主導の有志連合がシリアの体制転換を望めば、イスラエルの安全は失われるだろう」と述べた。

IRNA(10月12日付)が伝えた。

AFP, October 11, 2014、AP, October 11, 2014、ARA News, October 11, 2014、Champress, October 11, 2014、al-Hayat, October 12, 2014、IRNA, October 12, 2014、Kull-na Shuraka’, October 11, 2014、al-Mada Press, October 11, 2014、Naharnet, October 11, 2014、NNA, October 11, 2014、Reuters, October 11, 2014、SANA, October 11, 2014、UPI, October 11, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き:アッカール郡にシリアから砲撃(2014年10月11日)

NNA(10月11日付)によると、北部県アッカール郡カビール川域にシリア領内から複数の迫撃砲弾が撃ち込まれた。

AFP, October 11, 2014、AP, October 11, 2014、ARA News, October 11, 2014、Champress, October 11, 2014、al-Hayat, October 12, 2014、Kull-na Shuraka’, October 11, 2014、al-Mada Press, October 11, 2014、Naharnet, October 11, 2014、NNA, October 11, 2014、Reuters, October 11, 2014、SANA, October 11, 2014、UPI, October 11, 2014などをもとに作成。

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米軍などによるシリア爆撃:アイン・アラブ一帯への爆撃続く(2014年10月11日)

米中央軍によると、米国など有志連合は10、11日にアレッポ県アイン・アラブ市一帯のダーイシュ(イスラーム国)の車輌・拠点に対して6回にわたり空爆を行った。

シリア人権監視団によると、米軍など有志連合が、アレッポ県アイン・アラブ市一帯やラッカ県ラッカ市一帯を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員37人(うちアイン・アラブ市一帯での死者は21人)が死亡した。

AFP, October 11, 2014、AP, October 11, 2014、ARA News, October 11, 2014、Champress, October 11, 2014、al-Hayat, October 12, 2014、Kull-na Shuraka’, October 11, 2014、al-Mada Press, October 11, 2014、Naharnet, October 11, 2014、NNA, October 11, 2014、Reuters, October 11, 2014、SANA, October 11, 2014、UPI, October 11, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:アイン・アラブでの攻防続く(2014年10月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がアイン・アラブ市中心の広場(自由広場)に向かって進軍する一方、同市南部に対して激しい攻撃を加え、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がこれを迎撃した。

また人民防衛隊は同市東部などで「特殊作戦」を行い、ダーイシュ戦闘員複数を殺害した。

ARA News(10月11日付)によると、アイン・アラブ市政府では、人民防衛隊がダーイシュによる自爆攻撃を2度にわたって阻止した。

またクルド人戦線旅団のアフマド・ハッスー報道官は、ユーフラテスの火山合同作戦司令室がアイン・アラブ市でのダーイシュとの戦闘でダーイシュ戦闘員4人を捕捉したと発表した。

ARA News(10月11日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)が、アイン・アラブ市(アレッポ県)攻略が「ハッターブ・クルディスターニー」を名乗る男性に

シリア反体制勢力の動き:ヌスラ戦線離反者が親ダーイシュ武装集団を結成(2014年10月11日)

クッルナー・シュラカー(10月11日付)は、ダマスカス郊外県東グータ地方で、シャームの民のヌスラ戦線を離反したアミールの一人が「アンサール機構」を名乗る新たなジハード主義武装集団を結成したと報じた。

「アンサール機構」は、10月8日にサクバー市で市民を処刑した際に、正式に発足を発表した。

「アンサール機構」は約150人の戦闘員からなり、そのほとんどがダーイシュ(イスラーム国)への敵対的姿勢をとるヌスラ戦線に反対し、離反した元ヌスラ戦線メンバーだという。

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『ハヤート』(10月12日付)によると、ハマー県北部、イドリブ県南部などで活動するシャームの民のヌスラ戦線と自由シリア軍を名乗る武装集団の幹部が停戦合意を締結し、アサド政権と戦うために協力することで合意した。

停戦合意に締結したのは、ヌスラ戦線のアブー・アブドゥッラー・トゥウーム氏、シャイフ・アブー・ナスル氏、シャイフ・アブー・ワーリド氏と、自由シリア軍を名乗る武装集団のジャミール・ラアドゥーン中佐。

締結には、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム教ウラマー連盟などが証人として同席した。

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西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は、アイン・アラブ市へのダーイシュ(イスラーム国)侵入に関して、AFP(10月11日付)に「我々はトルコの支援を火急に必要としている…。トルコが国境を早急に解放し、コバネ(アイン・アラブ市)を防衛する人々に武器がわたることが可能になるのがよい」と述べた。

しかしムスリム共同党首は、トルコ軍の直接の軍事介入は「占領」にあたると拒否した。

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ARA News(10月11日付)は、西クルディスタン移行期民政局が民主的自治区自衛義務遂行法(いわゆる兵役法)の適用を開始し、アサーイシュが各地で徴兵忌避者の逮捕を行っている、と報じた。

AFP, October 11, 2014、AP, October 11, 2014、ARA News, October 11, 2014、Champress, October 11, 2014、al-Hayat, October 12, 2014、Kull-na Shuraka’, October 11, 2014、al-Mada Press, October 11, 2014、Naharnet, October 11, 2014、NNA, October 11, 2014、Reuters, October 11, 2014、SANA, October 11, 2014、UPI, October 11, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:トルコ首脳は、アサド政権打倒を強調し、論理すり替え(2014年10月10日)

トルコのアフメト・ダウトオール首相は、アイン・アラブ市へのダーイシュ(イスラーム国)の攻勢に関連して「トルコはイスラーム国とアサドに反対している。アサドとイスラーム国にすべての惨状の責任がある」と述べた。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はトラブゾン市で支持者を前に演説し、アイン・アラブ市へのダーイシュ(イスラーム国)の攻勢に関連して、「国家テロを行う犯罪者アサドの手に彼ら(シリア人避難民)の運命をゆだねることはできない」と述べた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣とパリで会談し、ダーイシュ(イスラーム国)への対応などについて協議した。

会談後の共同記会見で、ファビウス外務大臣は、ダーイシュの進軍を止めるには「空爆だけでは不充分」としたうえで、「シリアの穏健な反体制派を強化しなければならない」と述べた。

またシリア・トルコ国境での緩衝地帯設置に改めて支持を表明した。

チャヴシュオール外務大臣も緩衝地帯設置の必要を強調した。

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イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、「飛行禁止空域設置(構想)に代表される米国などの誤った試みは、シリアの主権を脅かす。シリア領内への軍部隊の進入は困難をもたらすだろう」と述べた。

また「イランはコバネ/アイン・アラブ市のクルド人を支援するため必要な支援を行ってきた。これはシリア政府に支援を行うことを通じてであり、それはクルド人への支援につながる」と付言した。

IRNA(10月10日付)が伝えた。

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米国務省のマリー・ハーフ副報道官は、トルコ政府が、シリアの「穏健な反体制派」の教練プログラムへの支援に同意したと発表した。

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スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表はスイスでの記者会見で、ダーイシュ(イスラーム国)のアイン・アラブ市侵攻に関して、同市での「イスラーム国戦闘員による虐殺を回避するため、クルド人避難民の越境を認める」ようトルコに求めた。

AFP, October 10, 2014、AP, October 10, 2014、ARA News, October 10, 2014、Champress, October 10, 2014、al-Hayat, October 11, 2014、IRNA, October 10, 2014、Kull-na Shuraka’, October 10, 2014、al-Mada Press, October 10, 2014、Naharnet, October 10, 2014、NNA, October 10, 2014、Reuters, October 10, 2014、SANA, October 10, 2014、UPI, October 10, 2014などをもとに作成。

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米軍などによるシリア爆撃:ダーイシュ少年兵が死亡(2014年10月10日)

米中央軍によると、米国など有志連合は、アレッポ県アイン・アラブ市一帯のダーイシュ(イスラーム国)の車輌などに対して9回にわたって空爆を行った。

シリア人権監視団によると、このうち2回は、ダーイシュが制圧したというアイン・アラブ市内の治安厳戒地区に対して行われたという。

また有志連合はダイル・ザウル県ダイル・ザウル市、ハサカ県ハサカ市一帯に対しても2度にわたって空爆を行った。

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ロイター通信(10月10日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)支持者のツイッターの情報として、米国など有志連合によるシリア領内への空爆によって、UAE出身のダーイシュの少年戦闘員1人が父親とともに死亡した、と伝えた。

死亡したこの少年の名はムハンマド・アブスィー・アブー・ウバイダ氏。シブル・バグダーディーを名乗っていたという。

年齢は不明だが、9~13歳くらいだという。

AFP, October 10, 2014、AP, October 10, 2014、ARA News, October 10, 2014、Champress, October 10, 2014、al-Hayat, October 11, 2014、Kull-na Shuraka’, October 10, 2014、al-Mada Press, October 10, 2014、Naharnet, October 10, 2014、NNA, October 10, 2014、Reuters, October 10, 2014、SANA, October 10, 2014、UPI, October 10, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:ダーイシュがアイン・アラブ市内の制圧地域拡大(2014年10月10日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)はアイン・アラブ市内の治安厳戒地区を制圧した。

同地域には、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊本部、アサーイシュ本部などがあったという。

制圧に際して、ダーイシュは治安厳戒地区西部で、車による自爆攻撃を行ったという。

『ハヤート』(10月11日付)によると、ダーイシュはアイン・アラブ市の約40%を制圧したという。

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同じく、アレッポ県では、シリア人権監視団によると、防空工場機構に近いアドナーニーヤ村周辺で、シャーム自由人イスラーム運動がシリア軍と交戦した。

一方、Champress(10月10日付)によると、アレッポ市バニー・ザイド地区、シャッアール地区、ラーシディーン地区、ザイターン地区、タッル・カッラーフ村、アブティーン村、ターディフ市、バーブ市、バンーン・フッス村、ディーマーン村、カフルカール村、ズィラーア村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ハーッラ市各所をシリア軍が地対地ミサイルなどで攻撃し、子供4人、女性1人を含む18人が死亡した。

一方、Champress(10月10日付)によると、ダルアー市ハマーディーン地区など、インヒル市、ズィムリーン村、ダイル・アダス村、ムザイリーブ町、ズィムリーン村・ブスラー・シャーム市街道で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アルバイン市などをシリア軍が空爆し、子供4人を含む25人が死亡した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区をシリア軍が地対地ミサイルなどで攻撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラターミナ町、ムーリク市、カフルズィーター市、ラタミーン村一帯をシリア軍が18回以上にわたって空爆した。

またムーリク市一帯では、シリア軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、Champress(10月10日付)によると、ジュッブ・ジャッラーフ町近郊、タラス村・ラスタン市街道、ウンム・サフリージュ村、アブー・ハワーディード村、ラッフーム村、タラール・ラジュム・カスル村、アッブ・ガジャル村、タルビーサ市、アイン・フサイン村、イッズッディーン町、カフルラーハー市、タッル・ラスタン、タイバ村、タドムル市郊外、ヒムス市ワアル地区などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、Champress(10月10日付)によると、シュグル村、タイバート村、ワスィータ村、タッル・スルターン村、サラーキブ市、アブー・ズフール町、フマイマート・ダーイル村、タッル・サラムー村周辺、カフルルーマー村、ビンニシュ市、ハーン・スブル村、ダイル・サンバル村などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、Champress(10月10日付)によると、ナブア・サフル村・ハーラ・スワイサ村・マスハラ村分岐点で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, October 10, 2014、AP, October 10, 2014、ARA News, October 10, 2014、Champress, October 10, 2014、al-Hayat, October 11, 2014、Kull-na Shuraka’, October 10, 2014、al-Mada Press, October 10, 2014、Naharnet, October 10, 2014、NNA, October 10, 2014、Reuters, October 10, 2014、SANA, October 10, 2014、UPI, October 10, 2014などをもとに作成。

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シリアの反体制勢力の動き:シリア国民連合はトルコ政府に迎合(2014年10月10日)

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)のアイン・アラブ市侵攻を受けたシリア・トルコ国境での緩衝地帯設置をめぐる動きに関して、「アサド政権の「樽爆弾」から市民を保護するためにこれ以外に選択肢はない」と支持を表明した。

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西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は声明を出し、アイン・アラブ市へのダーイシュ(イスラーム国)の侵攻に対する米国など有志連合の空爆に謝意を示し、「我らが人民(クルド人)と、民主主義と平和の防衛に努める諸国との友好関係強化に大きな影響を残すだろう」と述べた。

ARA News(10月11日付)が伝えた。

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西クルディスタン移行期民政局コバネ執行評議会は声明を出し、アイン・アラブ市へのダーイシュ(イスラーム国)侵攻に関して、国際社会に対して同市住民の生活を保障するための人道回廊の設置と、米国など有志連合によるさらなる空爆を呼びかけた。

AFP, October 10, 2014、AP, October 10, 2014、ARA News, October 10, 2014、October 11, 2014、Champress, October 10, 2014、al-Hayat, October 11, 2014、Kull-na Shuraka’, October 10, 2014、al-Mada Press, October 10, 2014、Naharnet, October 10, 2014、NNA, October 10, 2014、Reuters, October 10, 2014、SANA, October 10, 2014、UPI, October 10, 2014などをもとに作成。

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最新論考「混乱を再生産するイスラーム国と欧米:その奇妙な親和性」(『世界』)

青山弘之「混乱を再生産するイスラーム国と欧米:その奇妙な親和性」
『世界』第862号、2014年11月、pp.145-153

米英仏が化学兵器使用疑惑を根拠にシリアへの限定的攻撃を画策してから1年が経った2014年9月、バラク・オバマ米大統領は、イスラーム国を殲滅するとしてシリア空爆の意思を再び表明した。イスラーム国を「ガン」と非難する米国の好戦的な姿勢は、反体制派を「細菌」と呼び、「テロとの戦い」の名のもとにその殲滅をめざしてきたバッシャール・アサド政権を彷彿とさせる一方、既存の国家枠組みを軽視する欧米諸国の支援策は、シリア、イラク両国国境の撤廃を主唱し、混乱を助長するイスラーム国との奇妙な親和性を感じさせる。混沌の中東を読み解く。・・・

諸外国の動き:米国、トルコ・シリア国境での緩衝地帯設置に消極的(2014年10月9日追記)

アントニー・ブリンケン米大統領次席補佐官(国家安全保障問題担当)は訪問先のロンドンで、シリア・トルコ国境での緩衝地帯設置について「関心事となっていない」と述べ、消極的な姿勢を示した。

AFP, October 10, 2014、AP, October 10, 2014、ARA News, October 10, 2014、Champress, October 10, 2014、al-Hayat, October 11, 2014、Kull-na Shuraka’, October 10, 2014、al-Mada Press, October 10, 2014、Naharnet, October 10, 2014、NNA, October 10, 2014、Reuters, October 10, 2014、SANA, October 10, 2014、UPI, October 10, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:NATO、シリア・トルコ国境地帯の「緩衝地帯」設置検討せず(2014年10月9日)

NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、トルコ首都アンカラを訪問し、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣と会談、ダーイシュ(イスラーム国)への対応について協議した。

会談後、ストルテンベルグ事務総長は記者団に対して、トルコ・シリア国境地帯での緩衝地帯の設置に関して意見を交わしたとしつつ、「NATOの議題にまだ上っていない。NATOで審議する問題ではない」と述べた。

一方、チャヴシュオール外務大臣も、ダーイシュ(イスラーム国)のアイン・アラブ市侵攻に関して、トルコ単独でのシリアへの軍事介入は「非現実的」だと述べた。

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ハサカ県では、ARA News(10月9日付)によると、カーミシュリー市住民が、アイン・アラブ市へのダーイシュ(イスラーム国)襲撃へのトルコ政府の対応に抗議するデモを対トルコ国境沿いで行ったが、トルコ国境警備隊の発砲を受け、1人が死亡、3人が負傷した。

AFP, October 9, 2014、AP, October 9, 2014、ARA News, October 9, 2014、Champress, October 9, 2014、al-Hayat, October 10, 2014、Kull-na Shuraka’, October 9, 2014、al-Mada Press, October 9, 2014、Naharnet, October 9, 2014、NNA, October 9, 2014、Reuters, October 9, 2014、SANA, October 9, 2014、UPI, October 9, 2014などをもとに作成。

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米軍などによるシリア爆撃(2014年10月9日)

米中央軍司令部は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)が侵入したアレッポ県アイン・アラブ市に対して5度にわたって空爆を行ったと発表した。

8日晩から9日未明にかけての空爆では、ダーイシュの訓練センター、建物1棟、車輌2台を破壊した。

AFP, October 9, 2014、AP, October 9, 2014、ARA News, October 9, 2014、Champress, October 9, 2014、al-Hayat, October 10, 2014、Kull-na Shuraka’, October 9, 2014、al-Mada Press, October 9, 2014、Naharnet, October 9, 2014、NNA, October 9, 2014、Reuters, October 9, 2014、SANA, October 9, 2014、UPI, October 9, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:アイン・アラブでの攻防続く(2014年10月9日)

アレッポ県では、『ハヤート』(10月10日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)はアイン・アラブ市の3分の1を制圧した。

シリア人権監視団によると、ダーイシュは9日未明の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊との戦闘でさらに前進、アサーイシュ本部を制圧したという(しかし、ARA News(10月9日付)によると、人民防衛隊はその後アサーイシュ本部を奪還した)。

両者の戦闘は、アサーイシュ本部など治安関連施設が隣接する地域一帯、シャリーア学校一帯、48通りなどで集中的に行われたという。

なお戦闘・空爆では、ダーイシュ戦闘員19人、人民防衛隊戦闘員15人を含む57人が死亡したという。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(10月9日付)は、クウェートの複数のメディア筋の話として、アイン・アラブ市内での戦闘で、ダーイシュ司令官でクウェート人のハーリド・ガーンズィー氏(ハーリド・ルースィー)が死亡したと報じた。

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アレッポ県では、シャーム自由人イスラーム運動によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員らとの戦闘の末、防衛工場機構周辺のカーシュータ村、下ズィラーア村、上ズィラーア村、バザーニーヤ村、バーシュカウィー村、水利地区、シャジャル地区を制圧した。

これに関して、シリア人権監視団は、アドナーニーヤ村一帯で両者が激しく交戦したと発表した。

一方、シャームプレス(10月9日付)によると、バーシュカウィー村、カーシュータ村、ウカイルシュ村、ラスム・ウカイルシュ村、ウンム・ジャラン村、カフルカール村、サラジュ・バーリア村、バンーン・フッス村、ラスム・シャイフ村、カイカーン村、サギーラ村、サフィーラ市郊外のタッル・ダマーン村、ライターン村、アルド・ハムラー村、航空士官学校周辺、ハッダーディーン村、ワディーヒー村、自由貿易地区、ムスリミーヤ村、ズィラーア村、タッル・ジャビーン村、ディーマーン村、ハンダラート・キャンプ西部、アレッポ市ハナーヌー地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルズィーター市、アクラブ町をシリア軍が空爆、ムーリク市周辺で、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、シャームプレス(10月9日付)によると、ムーリク市、カフルズィーター市、ラターミナ町、トゥータフ村、ジャニー・アルバーウィー村、南カスタル村、アカシュ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区をシリア軍が空爆、またタダームン区でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダイル・アサーフィール市、ハラスター市各所、アルバイン市・ハラスター市間をシリア軍が空爆・砲撃する一方、ザマルカー町で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、シャームプレス(10月9日付)によると、アッサール・ワルド町無人地帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、タッル・ハーラ、ダルアー市ダム街道地区、ブスラー・シャーム市をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆した。

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イドリブ県では、AFP(10月9日付)によると、イドリブ県カニーヤ村で6日晩にシャームの民のヌスラ戦線に拉致されたシリア人牧師ハンナー・ジャッルーフ氏が釈放された。

一方、シャームプレス(10月9日付)によると、タマーニア町、ハーン・シャイフーン市、アトシャーン村、カフルサジュナ村、アブー・ズフール町、マアッラト・ヌウマーン市、ハフィーヤ村、ジャルジャナーズ町、ジスル・シュグール市、タッル・ファドル村、ダスーキー村、クーリーン村、アルバイーン山一帯、カフルラーター村、タッル・ジーニヤー村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シャームプレス(10月9日付)によると、カフルラーハー市、タッルドゥー市、アクラブ町、アイン・フサイン村、カフルナーン村、サアン一帯、ムシュリファ村、ヒムス市ワアル地区、ワーディー・カフフ、ワーディー・スマルミル、ジバーブ・ハマド村、マヌーフ村、ウンム・ジャリース村、シャンダーヒーヤ村南部、ザーラ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シャームプレス(10月9日付)によると、ダルアー市、ナイーマ、インヒル、ガバーギブで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シャームプレス(10月9日付)によると、ウンム・バーティナ村、ナブア・サフル村、ヒルバト・アフマド・シュバート村、ハミーディーヤ村、マスハラ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, October 9, 2014、AP, October 9, 2014、ARA News, October 9, 2014、Champress, October 9, 2014、al-Durar al-Shamiya, October 9, 2014、al-Hayat, October 10, 2014、Kull-na Shuraka’, October 9, 2014、al-Mada Press, October 9, 2014、Naharnet, October 9, 2014、NNA, October 9, 2014、Reuters, October 9, 2014、SANA, October 9, 2014、UPI, October 9, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き:外務副大臣が仏大統領の姿勢を批判(2014年10月9日)

シリアのファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、フランス大統領府によるシリア・トルコ国境地帯での緩衝地帯設置支持声明に関して「もっとも激しい調子で非難する…。フランスによるこうしたトルコ支援は、シリアへの敵対行為だ」と非難した。

SANA(10月9日付)が伝えた。

AFP, October 9, 2014、AP, October 9, 2014、ARA News, October 9, 2014、Champress, October 9, 2014、al-Hayat, October 10, 2014、Kull-na Shuraka’, October 9, 2014、al-Mada Press, October 9, 2014、Naharnet, October 9, 2014、NNA, October 9, 2014、Reuters, October 9, 2014、SANA, October 9, 2014、UPI, October 9, 2014などをもとに作成。

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米国などによるシリア爆撃;米国防総省報道官、爆撃の限界を認める(2014年10月8日追記)

国防総省のジョン・カービー報道官は記者会見で、ダーイシュ(イスラーム国)殲滅に向けた有志連合の軍事行動に関して、「空爆だけでこの都市(アイン・アラブ市)を救援することはできない。シリアでは共に戦える十分な地上部隊がいないのは事実だ」と語り、作戦遂行の上での限界を認めた。

AFP, October 9, 2014、AP, October 9, 2014、ARA News, October 9, 2014、Champress, October 9, 2014、al-Hayat, October 10, 2014、Kull-na Shuraka’, October 9, 2014、al-Mada Press, October 9, 2014、Naharnet, October 9, 2014、NNA, October 9, 2014、Reuters, October 9, 2014、SANA, October 9, 2014、UPI, October 9, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:フランス二枚舌外交(2014年10月8日)

『ル・モンド』(10月8日付)は、フランス治安当局(DGSI)がシリアの治安機関に対して直接連絡をとり、シリア国内でダーイシュ(イスラーム国)などの反体制武装集団に参加しているフランス人に関する情報に努めていると報じた。

同報道によると、両国治安当局の接触は2014年第1四半期に開始されたという。

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フランス大統領府は声明を出し、フランソワ・オランド大統領が、シリア・トルコ国境地帯での「緩衝地帯」設置を支持すると発表した。

「緩衝地帯」は、ダーイシュ(イスラーム国)の北進を受けて、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が設置を主張してきた。

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ジョン・ケリー米国務長官は、ワシントンDCでフィリップ・ハモンド英外務大臣と会談し、ダーイシュ(イスラーム国)への対応などについて協議した。

会談後の共同記者会見で、ケリー国務長官は、シリア・トルコ国境での「緩衝地帯」設置について、「検討に値する」と述べた。

またハモンド外務大臣も「同盟国や友好国とともに緩衝地帯が意図するものについて検討しなければならない…。必ずしもその設置を排除しない」と述べた。

これに関連して、米国防総省報道官は、トルコ・シリア国境地帯における「飛行禁止空域」の設定は提起されていないと発表した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、欧米諸国がトルコ・シリア国境に設置を示唆した「緩衝地帯」に関して、ダーイシュ(イスラーム国)に対する戦いが内政干渉や体制打倒の口実となってはならない」と批判した。

AFP, October 8, 2014、AP, October 8, 2014、ARA News, October 8, 2014、Champress, October 8, 2014、al-Hayat, October 9, 2014、Kull-na Shuraka’, October 8, 2014、al-Mada Press, October 8, 2014、Le Monde, October 8, 2014、Naharnet, October 8, 2014、NNA, October 8, 2014、Reuters, October 8, 2014、SANA, October 8, 2014、UPI, October 8, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き:ヒズブッラーがヌスラ戦線との戦闘の末「ウンム・フルジュ哨所」を制圧(2014年10月8日)

ベカーア県バアルベック郡では、ジャディード・チャンネル(10月8日付)などによると、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるシリアの反体制武装集団と交戦の末、ブリータール村郊外にある通称「ウンム・フルジュ哨所」(標高2,300メートル)を制圧した。

ウンム・フルジュ哨所は、ヌスラ戦線などが潜伏するシリアのダマスカス郊外県アッサール・ワルド町郊外の無人地帯などを見渡すことができる要衝。

なおこの戦闘で、ヒズブッラー戦闘員3人が戦死したという。

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NNA(10月8日付)によると、ナバティーヤ県ハースバイヤー郡で、武器を購入し、シャブアー農場(イスラエル占領下)を経由してシリアに持ち込もうとしていたというシリア人男性1人を内務治安軍総局が逮捕した。

シャブアー農場・カフルシューバーを含むいわゆるゴラン高原では、シャームの民のヌスラ戦線がイスラエルを背にするかたちで、クナイトラ県、ダルアー県での支配領域拡大をめざしている。

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NNA(10月8日付)によると、北部県ズガルター郡エフデン市で、軍情報局がシリア人の野営地に対して強制捜査を行い、シリア人不法滞在者11人を逮捕した。

AFP, October 8, 2014、AP, October 8, 2014、ARA News, October 8, 2014、Champress, October 8, 2014、al-Hayat, October 9, 2014、al-Jadid TV, October 8, 2014、Kull-na Shuraka’, October 8, 2014、al-Mada Press, October 8, 2014、Naharnet, October 8, 2014、NNA, October 8, 2014、Reuters, October 8, 2014、SANA, October 8, 2014、UPI, October 8, 2014などをもとに作成。

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米軍などによるシリア爆撃:アイン・アラブへの爆撃続く(2014年10月8日)

アレッポ県では、米中央軍によると、米国など有志連合は、アイン・アラブ市近郊に7日晩から8日未明にかけて6度にわたり空爆を行い、ダーイシュ(イスラーム国)の兵員輸送車などを破壊した。

シリア人権監視団によると、過去2日間で、アイン・アラブ市一帯に米軍などはミサイル23発を打ち込み、ダーイシュ戦闘員45人以上が死亡したという。

AFP, October 8, 2014、AP, October 8, 2014、ARA News, October 8, 2014、Champress, October 8, 2014、al-Hayat, October 9, 2014、Kull-na Shuraka’, October 8, 2014、al-Mada Press, October 8, 2014、Naharnet, October 8, 2014、NNA, October 8, 2014、Reuters, October 8, 2014、SANA, October 8, 2014、UPI, October 8, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:ダーイシュがYPGの反撃を受け、アイン・アラブ市内で若干の後退(2014年10月8日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市東部で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

この戦闘で人民防衛隊戦闘員3人が死亡した。

ダーイシュは7日にアイン・アラブ市東部の3地区を制圧し、同市南部への進行を試みたが、人民防衛隊の抵抗に合い、7日晩に制圧していた東部の一部から撤退していた。

ARTA FM(10月8日付)のムスタファー・ウダイ局長は、アイン・アラブ市での戦闘に関して、米軍など有志連合の空爆によって、同市の陥落が回避されているとしつつ、「トルコ当局は武器と戦闘員の入国を認めていない」と批判した。

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同じく、アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ハンダラート・キャンプ一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団、イラン人・アフガン人戦闘員が、アンサール・ディーン戦線(シャームの民のヌスラ戦線、ムハージリーン・ワ・アンサール軍、シャーム自由人イスラーム運動など)と交戦した。

またシリア軍は、アレッポ市カースティールー地区、サイファート村を「樽爆弾」などで空爆した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(10月8日付)によると、シャーム自由人イスラーム運動が、アリー末裔、ハムザ末裔を名乗る武装集団とともに、サフィーラ市近郊の防衛工場機構制圧に向けた作戦「自由人の轟きの戦い」を開始し、同機構周辺の村多数を制圧、シリア軍兵士約70人を殺害したという。

またシャーム自由人イスラーム運動は、サフィーラ市近郊でシリア軍ヘリコプターを撃墜したという。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ムーリク市郊外のカッサーラ地方、第6地区などで、シリア軍とシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団が交戦した。

マサール・プレス(10月8日付)によると、この戦闘で、反体制武装集団はムーリク市近郊のシリア軍戦車大隊基地を制圧した。

また戦闘で、シリア軍側に25人、反体制武装集団側に5人の死者が出たという。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

またアサーリー地区・ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市間に迫撃砲弾1発が着弾した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワアル地区各所をシリア軍が空爆、子供3人、女性2人を含む8人が死亡した。

一方、シャームプレス(10月8日付)によると、アブー・ハディード村、ラスタン市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シャームプレス(10月8日付)によると、ジャースィム市および南部農場地帯、アトマーン村、アトマーン村・タファス市・ヤードゥーダ村街道、インヒル市、ブスラー・シャーム市、マアルバ町、ナワー市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ナースィル・サラーフッディーン旅団、ムサンナー大隊、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, October 8, 2014、AP, October 8, 2014、ARA News, October 8, 2014、ARTA FM, October 8, 2014、Champress, October 8, 2014、al-Hayat, October 9, 2014、Kull-na Shuraka’, October 8, 2014、al-Mada Press, October 8, 2014、Masar Press Agency, October 8, 2014、Naharnet, October 8, 2014、NNA, October 8, 2014、Reuters, October 8, 2014、SANA, October 8, 2014、UPI, October 8, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き:ジャルバー氏がジョン・アレン米退役大将とトルコで会談(2014年10月8日)

イラクとシリアでダーイシュ(イスラーム国)殲滅に向けた有志連合を指揮するジョン・アレン退役大将はトルコで、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー前議長およびトルコの高官らと会談し、ダーイシュへの対応などについて協議した。

『ハヤート』(10月9日付)は、複数の反体制筋の話として、この会談で、ジャルバー前議長は、米国が教練するという「穏健な反体制派」を監督するための防衛評議会の議長を自ら務めることを提案したという。

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ARA News(10月8日付)は、民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首が、トルコのテレビ局のインタビュー(7日)に応じ、そのなかでトルコの治安当局高官らに対してアイン・アラブ市支援を要請し、この高官らは政府首脳に対応を求めたが、回答はなかったことを明らかにした、と報じた。

AFP, October 8, 2014、AP, October 8, 2014、ARA News, October 8, 2014、Champress, October 8, 2014、al-Hayat, October 9, 2014、Kull-na Shuraka’, October 8, 2014、al-Mada Press, October 8, 2014、Naharnet, October 8, 2014、NNA, October 8, 2014、Reuters, October 8, 2014、SANA, October 8, 2014、UPI, October 8, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:トルコはダーイシュとの「捕虜交換」で欧州出身のジハード主義者ら180人を釈放(2014年10月7日)

『タイムズ』(10月7日付)、トルコ・メディアなどは、トルコ政府が、ダーイシュ(イスラーム国)によって拘束されていたモスル領事館スタッフの解放の代償として、ジハード主義者約180人を釈放した、と報じた。

釈放されたジハード主義者のなかには、フランス人戦闘員3人、イギリス人戦闘員2人、スウェーデン人戦闘員2人、マケドニア人戦闘員2人、スイス人戦闘員1人、ベルギー人戦闘員1人が含まれていたという。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は「空から爆弾を落とすだけでは恐怖はなくならない。空爆で恐怖はなくならない。地上戦を行っている人々とともに事情作戦を行うために協力し合わない限りは(恐怖はなくらならい)」と述べる一方、アイン・アラブ市がダーイシュ(イスラーム国)の攻撃によって「陥落寸前」との見方を示した。

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ロイター通信(10月7日付)は、米国人ブライアン・ウィルソン氏が、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に参加し、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うとするビデオ声明を発表した。

ウィルソン氏は退役兵士で、フリー・カメラマンとしてロイター通信などに写真を提供していた。

人民防衛隊に参加した米国人はこれで2人目だという。

AFP, October 7, 2014、AP, October 7, 2014、ARA News, October 7, 2014、Champress, October 7, 2014、al-Hayat, October 8, 2014、Kull-na Shuraka’, October 7, 2014、al-Mada Press, October 7, 2014、Naharnet, October 7, 2014、NNA, October 7, 2014、Reuters, October 7, 2014、SANA, October 7, 2014、The Times, October 7, 2014、UPI, October 7, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き:ヒズブッラーがイスラエル軍偵察部隊を攻撃(2014年10月7日)

ヒズブッラーは、シャブアー農場(ナバティーヤ県ハースバイヤー郡、イスラエル占領下)でイスラエル軍の偵察部隊を狙って爆弾を爆破、イスラエル兵2人を負傷させた。

ヒズブッラーによると、作戦は午前2時22分、「殉教者ハサン・アリー・ハイダル隊」によって実行されたという。

作戦は、シャブアー農場入り口のサッダーナ地区の軍道で行われたという。

これを受け、イスラエル軍はレバノン領内(シャブアー農場・カフルシューバー一帯)のヒズブッラーの陣地2カ所に対して報復の砲撃を行った。

だがマナール・チャンネル(10月7日付)によると、このうちの一カ所はUNIFILの拠点だったという。

なお、10月5日には、イスラエル軍がシャブアー農場に近いサッダーナ地区のレバノン軍拠点に発砲し、レバノン軍兵士1人が負傷しており(https://syriaarabspring.info/wp/?p=15052)、ヒズブッラーの攻撃はこの報復だと思われる。

AFP, October 7, 2014、AP, October 7, 2014、ARA News, October 7, 2014、Champress, October 7, 2014、al-Hayat, October 8, 2014、Kull-na Shuraka’, October 7, 2014、al-Mada Press, October 7, 2014、Naharnet, October 7, 2014、NNA, October 7, 2014、Qanat al-Manar, October 7, 2014、Reuters, October 7, 2014、SANA, October 7, 2014、UPI, October 7, 2014などをもとに作成。

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米軍などによるシリア爆撃:爆撃の費用11億ドルに(2014年10月7日)

AFP(10月7日付)は、米国防総省高官の話として、8月以降のシリア、イラクでのダーイシュ(イスラーム国)に対する空爆にかかる費用が11億米ドル(うち6,200万ドルがトマホーク巡航ミサイル)に達していると報じた。

なお米軍以外の有志連合国が行った空爆は全体の10%に過ぎないと報じた。

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アレッポ県では、『ハヤート』(10月8日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が突入したアイン・アラブ市周辺を米国など有志連合が空爆した。

米中央軍によると、10月7、8日の2日間で米国など有志連合は、アイン・アラブ市一帯に5回にわたって空爆を行った。

AFP, October 7, 2014、AP, October 7, 2014、ARA News, October 7, 2014、Champress, October 7, 2014、al-Hayat, October 8, 2014、Kull-na Shuraka’, October 7, 2014、al-Mada Press, October 7, 2014、Naharnet, October 7, 2014、NNA, October 7, 2014、Reuters, October 7, 2014、SANA, October 7, 2014、UPI, October 7, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:ヌスラ戦線がキリスト教牧師を拉致(2014年10月7日)

イドリブ県では、フィデス通信(10月7日付)によると、カニーヤ村聖ヨセフ教会の牧師ハンナー・ジャッルーフ氏がシリア人キリスト教徒20人とともに6日晩に何者かに拉致された。

カニーヤ村はシャームの民のヌスラ戦線の拠点の一つ。

これに関して、クッルナー・シュラカー(10月7日付)は、ヌスラ戦線が同牧師を拘束したと報じた。

Kull-na Shuraka', October 7, 2014
Kull-na Shuraka’, October 7, 2014

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アレッポ県では、ARA News(10月7日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠したアイン・アラブ市内の建物の一つが爆破され、ダーイシュ戦闘員50人が死亡、アブー・ウマル・シーシャーニー氏らが負傷した。

爆発が米国などの有志連合による空爆によるものか否は不明。

またシリア人権監視団によると、アイン・アラブ市東部各地で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

ダーイシュは東部地区にある建設中の公立病院を制圧し、南部一帯への進軍を試みたが、人民防衛隊の抵抗に遭い、進軍を阻止されたという。

なおシリア人権監視団によると、9月16日以降のアイン・アラブ市一帯での戦闘で、ダーイシュ戦闘員219人、クルド人戦闘員163人、民間人20人が死亡し、300万人以上がトルコに避難したという。

またシリア人権監視団によると、ハンダラート・キャンプ一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団、イラン人・アフガン人戦闘員が、アンサール・ディーン戦線(シャームの民のヌスラ戦線、ムハージリーン・ワ・アンサール群、シャームの暁イスラーム運動、シャーム自由人イスラーム運動)と交戦した。

これに関連して、イスラーム戦線シリア自由人旅団は声明を出し、ハンダラート・キャンプでの戦闘でアフガニスタン国籍のシーア派戦闘員(大佐)を捕捉したと発表した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・スブル村を空爆し、子供5人、女性2人を含む9人が死亡した。

シリア軍はまたタマーニア町、ナキール村一帯、ハーン・シャイフ・キャンプを「樽爆弾」などで空爆した。

なお、これに関連して、スィラージュ・プレス(10月7日付)は、シリア軍によるイドリブ県サラーキブ市に対する空爆による過去10日間の死者数が54人に達していると報じた。

うち23人が子供、11人が女性だという。

一方、Champress(10月7日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーッラ丘、ジャースィム市北方、ウンム・アウサジュ村一帯を空爆した。

シリア軍はまた、アクラバー村、ハーッラ市、ダルアー市ダム街道地区を砲撃したほか、インヒル市一帯を「樽爆弾」で空爆した。

一方、Champress(10月7日付)によると、ズィムリーン村、サムリーン村、ジャディーヤ村、ビイル・ウンム・ダラジュ村周辺、ジャースム市南部、ハーッラ市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジャウバル区を空爆、国防隊、ヒズブッラー戦闘員とともに、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市一帯、アッサール・ワルド町無人地帯、ランクース無人地帯を空爆し、国防隊、ヒズブッラー戦闘員とともに、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、Champress(10月7日付)によると、タッルドゥー、ラスタン市、ヒムス市ワアル地区、ウンム・シャルシューフ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, October 7, 2014、Agenzia Fides, October 7, 2014、AP, October 7, 2014、ARA News, October 7, 2014、Champress, October 7, 2014、al-Hayat, October 8, 2014、Kull-na Shuraka’, October 7, 2014、al-Mada Press, October 7, 2014、Naharnet, October 7, 2014、NNA, October 7, 2014、Reuters, October 7, 2014、SANA, October 7, 2014、al-Siraj Press, October 7, 2014、UPI, October 7, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:警視庁がダーイシュ戦闘員志望の日本人男性に事情聴取(2014年10月6日)

時事通信(10月6日付)、『読売新聞』(10月7日朝刊)などによると、警視庁公安部は、ダーイシュ(イスラーム国)のシリアやイラクでの戦闘に参加するため、シリアへの渡航を企てたとして、刑法第93条の「私戦予備および陰謀」の容疑で、北海道大学大学院生の男(26際、休学中で住所不定)らから任意で事情聴取するとともに、東京都内の関係先数カ所(元大学教授、フリージャーナリスト宅など)を家宅捜索した。

公安部によると、この男性は10月7日に出国し、シリアに渡航する予定だったという。

任意の聴取に対してこの男性は「シリアに入ってイスラーム国に加わり、戦闘員として働く目的だった」と話している。

公安部はこの男性の旅券を既に差し押さえており、都内で寝泊まりしていた杉並区内の関係先も捜索した。

この男性は東京都千代田区(秋葉原)にある古書店に張り出されていた「勤務地シリア」と書かれた求人広告を見て、店員を通じて、募集主の日本人男性と連絡を取ったという。

この求人広告は4月に貼られ、この男性を含めこれまでに数人から問い合わせがあったという。

またこの男性は8月にも、トルコ経由でフリージャーナリストとシリアに潜入しようとしていたが、直前に中止になったが、このときこの男性だけが片道の航空券だったという。

警視庁公安部は、ほかに日本人男性の複数が関与している可能性があるとみて、関係などを調べているという。

刑法第93条(私戦予備および陰謀)は、外国に対し私的に戦闘行為をする目的で準備や計画をした場合、3カ月以上5年以下の禁錮刑にすると定めている。

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NATOのイェンス・ストルテンベルグ新事務総長は、記者会見でダーイシュ(イスラーム国)のアイン・アラブ市突入に関して、「トルコはNATO加盟国であり、我々の主たる責務とはその国境の防衛である…。シリアでの暴力の結果としてトルコに攻撃がなされたとしても、NATOがいることをトルコは知らねばならない」と述べた。

AFP, October 6, 2014、AP, October 6, 2014、ARA News, October 6, 2014、Champress, October 6, 2014、al-Hayat, October 7, 2014、Kull-na Shuraka’, October 6, 2014、al-Mada Press, October 6, 2014、Naharnet, October 6, 2014、NNA, October 6, 2014、Reuters, October 6, 2014、SANA, October 6, 2014、UPI, October 6, 2014などをもとに作成。

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