アレッポ市東部のクワイリス航空基地一帯でシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が激しく交戦(2016年1月28日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市東部のクワイリス航空基地一帯で進軍を続け、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦、シリア軍兵士20人、ダーイシュ・メンバー14人が死亡した。

一方、SANA(1月28日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにアレッポ市東部のバールーザ村、アイン・ジャマージマ村でダーイシュ(イスラーム国)を殲滅、同地を制圧し、治安と安定を回復した。

シリア軍はまた、ジュッブ・サファー村、ムサイビーン丘一帯でダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカルヤタイン市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、戦闘機(所属明示せず)が同地を空爆した。

一方、SANA(1月28日付)によると、シリア軍がタドムル市郊外のワーディー・アブヤド・ダム一帯、ウンク・ハワー村、ムシャイリファ村、スード丘一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点、車輌を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がムハイミーダ村、ヒサーン村を空爆した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合と思われる戦闘機がアリーシャ町一帯、第47地区一帯、アジャージャ村一帯を空爆した。

AFP, January 28, 2016、AP, January 28, 2016、ARA News, January 28, 2016、Champress, January 28, 2016、al-Hayat, January 29, 2016、Iraqi News, January 28, 2016、Kull-na Shuraka’, January 28, 2016、al-Mada Press, January 28, 2016、Naharnet, January 28, 2016、NNA, January 28, 2016、Reuters, January 28, 2016、SANA, January 28, 2016、UPI, January 28, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県北部のトルコ国境地帯でダーイシュ(イスラーム国)とトルコ軍が交戦(2016年1月28日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ国境に近いガズル村(いわゆる「安全地帯」内)でジハード主義武装集団がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、武装集団メンバー2人が死亡した。

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一方、ARA News(1月28日付)によると、ユーフラテス川に面する国境の町ジャラーブルス市近郊に展開するダーイシュ(イスラーム国)がトルコ軍の車輌を攻撃、トルコ軍がこれに応戦した。

AFP, January 28, 2016、AP, January 28, 2016、ARA News, January 28, 2016、Champress, January 28, 2016、al-Hayat, January 29, 2016、Iraqi News, January 28, 2016、Kull-na Shuraka’, January 28, 2016、al-Mada Press, January 28, 2016、Naharnet, January 28, 2016、NNA, January 28, 2016、Reuters, January 28, 2016、SANA, January 28, 2016、UPI, January 28, 2016などをもとに作成。

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シャーム戦線に参加するヌールッディーン・ザンキー運動はアレッポ市の拠点を「他の組織」に譲渡すると発表(2016年1月28日)

アレッポ県で活動するヌールッディーン・ザンキー運動(シャーム戦線参加組織)のアブドゥッサラーム・アブドゥッラッザーク報道官はクッルナー・シュラカー(1月28日付)に対して、アレッポ市内の拠点複数カ所を「他の組織」に譲渡することを決定したと語った。

アブドゥッラッザーク報道官によると、ヌールッディーン・ザンキー運動はアレッポ市および同市郊外一帯に160以上の拠点を保有しているが、資金部族による「大いなる圧力」に曝され、譲渡を決定したという。

ヌールッディーン・ザンキー運動が拠点を譲渡した組織名は明らかにしなかったが、クッルナー・シュラカー(1月27日付)などは、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線がアレッポ市および同市北部に増援部隊を派遣、検問所などを新たに設置していると伝えている。

AFP, January 28, 2016、AP, January 28, 2016、ARA News, January 28, 2016、Champress, January 28, 2016、al-Hayat, January 29, 2016、Iraqi News, January 28, 2016、Kull-na Shuraka’, January 28, 2016、al-Mada Press, January 28, 2016、Naharnet, January 28, 2016、NNA, January 28, 2016、Reuters, January 28, 2016、SANA, January 28, 2016、UPI, January 28, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内で5回の爆撃を実施(2016年1月27日)

米中央軍(CENTCOM)は、1月27日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して20回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は5回でタドムル市近郊(1回)、ラッカ市近郊(2回)、マーリア市近郊(3回)のダーイシュの施設に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, January 28, 2016などをもとに作成。

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ヒムス市内で前日に引き続き爆発が発生する一方、シリア軍はアレッポ市東部の村をダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末に制圧(2016年1月27日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハムラー地区にある学校近くで爆発が発生した。

一方、SANA(1月27日付)によると、シリア軍がタドムル市郊外の柑橘園東部でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(1月27日付)によると、シリア軍がクワイリス航空基地に近いワディーア村でダーイシュ(イスラーム国)を掃討し、同地を制圧した。

シリア軍はまた、アレッポ市郊外の発電所一帯、ジュッブ・カルブ村、ジュッブ・ガブシャ村、ラスム・アラム村などでダーイシュと交戦したほか、バーブ市のダーイシュ拠点、教練キャンプ、武器庫を空爆した。

一方、クッルナー・シュラカー(1月28日付)によると、ロシア軍によるバーブ市一帯への空爆で民間人25人が死傷した。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(1月27日付)によると、ロシア軍戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)支配下のムハイミーダ村にある反体制活動家でバッカーラ部族の長を名のるナウワーフ・ラーギブ・バシール氏の邸宅を空爆で破壊し、民間人数十人が死傷した。

一方、SANA(1月27日付)によると、シリア軍がマヤーディーン市、スブフ村、ブーライル村、スブハ村、アブー・ハマーム市、シュハイル村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆、またブガイリーヤ村、ルーワード丘一帯でダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(1月27日付)によると、シリア軍がジュッブ・マザーリーア村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(1月27日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍第128旅団が展開する東カラムーン地方の丘3カ所を制圧したと発表した。

AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、January 28, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はラタキア県北部、ダルアー県でヌスラ戦線など反体制武装集団の掃討を続ける(2016年1月27日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、バアス大隊、ヒズブッラー戦闘員、外国人戦闘員が、ロシア軍士官らの指揮のもと、クルド山、トルクメン山一帯でシャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党などからなるジハード主義武装集団と交戦、ロシア軍が同地一帯、キンサッバー町、カッバーニー村、トゥウーマー村などを空爆した。

一方、SANA(1月27日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、県北部での反体制武装集団の掃討を継続し、サルマー町西部のムザイリア村、ウワイナート村、ルワイサト・マアラカ村、マルカー山、第361地点を制圧、治安と安全を回復した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヒルブナフサ村を砲撃し、またロシア軍と思われる戦闘機が同地を6回にわたり空爆した。

一方、SANA(1月27日付)によると、シリア軍がヒルブナフサ村、カフルズィーター市、アトシャーン村、ムーリク市、ウンム・サフリージュ村、ジュッブ・ライヤーン村、ラハーヤー村、スカイク村でファトフ軍の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍とジハード主義武装集団がダーライヤー市一帯など東グータ地方カ所で交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・マスキーン市を制圧したシリア軍部隊が、同市北西部のハマド丘、クーム・バサル丘一帯に展開した。

一方、SANA(1月27日付)によると、シリア軍がスーラ村、ブスラーシャーム市でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(1月27日付)によると、ロシア軍がアナダーン市を空爆、市内の病院を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(1月27日付)によると、シリア軍がアリーハー市、タマーニア町、ジャルジャナーズ町でシャームの民のヌスラ戦線などファトフ軍諸組織の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月27日付)によると、シリア軍がティールマアッラ村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)の「アミール・セックス」がシリア政府との停戦合意に従い、ダマスカス県南部からラッカ市に退去(2016年1月27日)

ダマスカス県では、ARA News(1月27日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)とシリア政府の停戦合意に沿って、「ダマスカス州」のダーイシュを指導する司令官(アミール)のアブー・サイヤーフ・ファッラーマ氏が戦闘員およびその家族合わせて数十人とともにラッカ市に向けて退去した。

なお、2014年7月2日にイスラーム軍がダマスカス県南部のファッラーマ氏の拠点とされる施設を襲撃した際、アルコール飲料、「わいせつ」なビデオ、タバコを押収したことから(https://youtu.be/yAY6nAciyAo)、ファッラーマ氏は「アミール・セックス」の異名で知られていた。

Youtube, January 27, 2016
Youtube, January 27, 2016
Youtube, January 27, 2016
Youtube, January 27, 2016

 

AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。

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シリア人権監視団によると、1月に入って以降のロシア軍の爆撃で民間人471人が死亡(2016年1月27日)

シリア人権監視団は、1月1日から27日早朝までの約4週間で、ロシア軍戦闘機の空爆による民間人の死者数が471人を記録したと発表した。

うち18歳未満の子供が127人、18歳以上の女性が56人だという。

AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県で活動するシャーム戦線とシャーム革命家大隊が完全統合(2016年1月27日)

アレッポ県で活動するシャーム戦線とシャーム革命家大隊は共同ビデオ声明(https://youtu.be/-BKlVC4iKAk)を出し、「政治、軍事、運命面のすべてのレベルにおいて」完全統合したと発表した。

統合後はシャーム戦線を名乗るという。

両組織はまた、他の反体制武装集団に対して「隊列を整え、言葉を一つにする」よう呼びかけ、糾合を訴えた。

シャーム革命家大隊はアレッポ市南部郊外一帯を主な活動の場とする一方、シャーム戦線は、「命じられるままに進め連合」、ムジャーヒディーン軍、ヌールッディーン・ザンキー運動、アサーラ・ワ・タンミヤ運動などからなる武装連合組織で、アレッポ県北部、とりわけ米トルコ両政府が設置合意した「安全地帯」でダーイシュ(イスラーム国)との戦いに重点を置いてきた。

Kull-na Shuraka', January 27, 2016
Kull-na Shuraka’, January 27, 2016

 

AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。

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シャーム戦線がアレッポ県北部でダーイシュ(イスラーム国)と交戦するなか、トルコ軍、有志連合が砲撃・爆撃支援(2016年1月27日)

アレッポ県では、ARA News(1月26日付)によると、シリア領内のバッル村(アアザーズ市近郊)一帯(「安全地帯」内)で、スルターン・ムラード旅団をはじめとするシャーム戦線諸組織がダーイシュ(イスラーム国)と交戦するなか、トルコ軍がダーイシュ拠点を砲撃、また米主導の有志連合も同地一帯を空爆した。

AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。

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「ロシア・リスト」に名を連ねる反体制派は民主統一党の招聘見送りに抗議しジュネーブ3会議不参加を示唆する一方、リヤド最高交渉委員会は28日に参加の是非を最終決断(2016年1月27日)

『ハヤート』(1月28日付)によると、デミストゥラ共同特別代表が民主統一党のムスリム共同党首に招聘状を送らなかったことに対し、いわゆる「モスクワ・リスト」に名を連ねる反体制派が憤慨し、ムスリム共同党首が招聘されない場合、ジュネーブ3会議への出席を見合わせるとの態度を示したという。

また彼らは、これと合わせて、バッシャール・ジャアファリー国連代表大使、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣が率いるとされているシリア政府代表団に関して、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)を団長とするようスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表に要請したという。

これに関して、ARA News(1月27日付)は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の参加組織・支援団体から構成されるシリア民主評議会の共同代表を務めるカフム代表のハイサム・マンナーア氏が、民主統一党と西クルディスタン移行期民政局が招聘されていないとして、ジュネーブ3会議への招聘を拒否すると発表した、と伝えた。

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リヤド最高交渉委員会の委員長を務めるリヤード・ヒジャーブ元首相は、委員会が国連の潘基文事務総長に、ジュネーブ3会議への出席に同意する旨文書で直接回答したことを明らかにした。

『ハヤート』(1月28日付)によると、ヒジャーブ元首相は同時に、潘事務総長に対して、「シリア国民に対して国際社会が義務を履行」するよう求め、シリア軍、ロシア軍による住宅地への空爆・砲撃の停止や包囲解除の必要を訴えるとともに、ジュネーブ3会議の議題に関して、ジュネーブ合意(2012年6月)に従い、全権を有する移行期統治機関の樹立、領土の一体性、軍・治安機関の改編を通じた国家機関の維持、あらゆるテロの拒否、アサド大統領と政権幹部を排除したかたちでの多元的態勢の樹立をめざすよう改めて主張した。

ヒジャーブ元首相はさらに、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表にも書簡を送り、シリア政府による都市の包囲、人道支援物資搬入などに関する国連の対応に関して説明を求め、その回答を待っていることを明らかにした。

なお複数の活動家によると、リヤド最高交渉委員会は、デミストゥラ共同特別代表からの回答を待って、28日に改めて会合を開き、ジュネーブ3会議への対応を最終決定するという。

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『ハヤート』(1月29日付)によると、ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣は、ジュネーブ3会議への民主統一党サーリフ・ムスリム共同党首の参加に関して、29日から予定されている会合(第1ラウンド)ではなく、次回ラウンドから参加するだろう、と述べた。

民主統一党がジュネーブ3会議に参加した場合、ISSG(国際シリア連絡グループ)を脱退するとしていたトルコはこれを受け、ISSGへの残留と、2月15日に予定されているISSG会合へのを決めたという。

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『ハヤート』(1月29日付)は、デミストゥラ共同特別代表が送付した招聘状の内容が、シリア政府、リヤド最高交渉委員会宛のものと、いわゆる「ロシア・リスト」宛のもので異なっていると伝えた。

同記事によると、リヤド最高交渉委員会宛のものは、組織(すなわちリヤド最高交渉委員会)に対して、15人の代表を派遣するよう要請しているのに対し、「ロシア・リスト」宛のものは、代表個々人に宛てて送られているという。

また、シリア政府への招聘状は、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣を団長とする使節団に参加が要請されている。

シリア政府側は、交渉使節団の本部をダマスカスに設置し、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣を総監督、バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表を団長とする方針をとっていた。

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マーク・トナー米国務省報道官は、29日に開始予定のジュネーブ3会議への参加の是非を最終決断しないリヤド最高交渉委員会の姿勢に関して「前提条件を設けずに…歴史的な機会を活かしジュネーブに行くべきだ」と述べた。

AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、January 29, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。

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シリア軍が西クルディスタン移行期民政局支配下のアレッポ市シャイフ・マクスード地区を爆撃(2016年1月27日)

アレッポ県では、ARA News(1月26日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊との緊張関係が続くアレッポ市シャイフ・マクスード地区を、シリア軍がヘリコプターで空爆し、住民4人が死亡、子供3人を含む9人が負傷した。

AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内で4回の爆撃を実施(2016年1月26日)

米中央軍(CENTCOM)は、1月26日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して14回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は4回でハサカ市近郊(2回)、ラッカ市近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)のダーイシュの施設に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, January 27, 2016などをもとに作成。

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イドリブ県フーア市、カファルヤー町でシリア軍とアル=カーイダ系組織からなるファトフ軍が捕虜交換(2016年1月26日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(1月27日付)によると、フーア市、カファルヤー町の国防隊およびシリア軍が、ファトフ軍と捕虜交換を行い、拘束中のファトフ軍戦闘員35人を釈放した。

これに対して、ファトフ軍はフーア市、カファルヤー町住民29人を解放した。

AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線が戦闘員1,500人をアレッポ市北部に増派(2016年1月26日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(1月27日付)などによると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線が、シリア政府の支配下にとどまる県北部のヌッブル市、ザフラー町の掌握と、アレッポ市と県北部一帯の分断をめざすかたちで、戦闘員約1,500人、車輌約200輌からなる増援部隊を派遣した。

これに関して、ザマーン・サスル(1月27日付)は、ヌスラ戦線がアレッポ市内にも進駐し、「シリア軍の攻撃に備える」との名目で複数の地区に展開していると伝えた。

Kull-na Shuraka', January 27, 2016
Kull-na Shuraka’, January 27, 2016


AFP, January 27, 2016、AP, January 27, 2016、ARA News, January 27, 2016、Champress, January 27, 2016、al-Hayat, January 28, 2016、Iraqi News, January 27, 2016、Kull-na Shuraka’, January 27, 2016、al-Mada Press, January 27, 2016、Naharnet, January 27, 2016、NNA, January 27, 2016、Reuters, January 27, 2016、SANA, January 27, 2016、UPI, January 27, 2016、Zaman al-Wasl, January 27, 2017などをもとに作成。

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ヒムス市で連続自爆テロが発生し、ダーイシュ(イスラーム国)が犯行声明を発表(2016年1月26日)

ヒムス県では、シリア人権監視団、SANA(1月26日付)によると、ヒムス市ザフラー地区のスィッティーン通りで連続自爆テロが発生し、シリア軍兵士・国防隊隊員15人、女性7人を含む29人(SANAによると22人)が死亡した。

同監視団によると、最初の爆発は爆弾を積んだ車による自爆、2回目の爆発は自爆ベルトによる自爆で、1回目の自爆犯は現場に車を停車させ、ヒムス県知事などを罵倒、兵士・国防隊隊員、住民が集まったのを見計らって自爆、その後2回目の自爆犯がしばらくして同じ現場で自爆ベルトを爆破させたという。

ARA News, January 26, 2016
ARA News, January 26, 2016

この連続自爆テロに関して、ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州はインターネットを通じて「治安作戦」を実行したと発表、犯行を認めた。

ARA News, January 26, 2016
ARA News, January 26, 2016

 

AFP, January 26, 2016、AP, January 26, 2016、ARA News, January 26, 2016、Champress, January 26, 2016、al-Hayat, January 27, 2016、Iraqi News, January 26, 2016、Kull-na Shuraka’, January 26, 2016、al-Mada Press, January 26, 2016、Naharnet, January 26, 2016、NNA, January 26, 2016、Reuters, January 26, 2016、SANA, January 26, 2016、UPI, January 26, 2016などをもとに作成。

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シリア軍が南部ダルアー県のヌスラ戦線の戦略拠点シャイフ・マスキーン市を完全制圧(2016年1月26日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、イラン人士官が、シャイフ・マスキーン市を完全制圧した。

同市は2015年初めに反体制武装集団によって制圧され、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線の戦略拠点だった。

また、SANA(1月26日付)によると、シリア軍がシャイフ・マスキーン市全土で反体制武装集団の掃討を完了、同地の治安と安定を回復した。

シリア軍はまた、ダルアー市バジャービジャ地区、マンシヤ地区西部、アッバースィーヤ地区、ラハム村、カラク村で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、シリア軍参謀長のアリー・アブドゥッラー・アイユーブ准将が総司令部幹部とともにシャイフ・マスキーン市を視察した。

SANA, January 26, 2016
SANA, January 26, 2016
SANA, January 26, 2016
SANA, January 26, 2016

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(1月26日付)によると、ロシア軍、シリア軍がアリーハー市を2度にわたり空爆し、民間人9人が死亡、数十人が負傷した。

空爆は「ホワイト・ヘルメット」の拠点に対して行われたという。

ロシア軍はまた、タルマーニーン村空爆し、住民15人が死亡、数十人が負傷した。

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アレッポ県では、SANA(1月26日付)によると、シリア軍がアレッポ市バニー・ザイド地区、ラーシディーン地区、ジャービリーヤ地区、アイン・ジャマージマ村、カッバースィーン村、アナダーン市、ハイヤーン町、タッル・ジャビーン村などで反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(1月27日付)によると、シリア軍はムウダミーヤト・シャーム市とダーライヤー市を回廊地帯を制圧、両市の分断に成功した。

AFP, January 26, 2016、AP, January 26, 2016、ARA News, January 26, 2016、Champress, January 26, 2016、al-Hayat, January 27, 2016、Iraqi News, January 26, 2016、Kull-na Shuraka’, January 26, 2016、January 27, 2016、al-Mada Press, January 26, 2016、Naharnet, January 26, 2016、NNA, January 26, 2016、Reuters, January 26, 2016、SANA, January 26, 2016、UPI, January 26, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ県バーブ市近郊の村をダーイシュ(イスラーム国)から奪還・制圧(2016年1月26日)

アレッポ県では、SANA(1月26日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つバーブ市近郊のアイン・ハンシュ村を制圧、同地の治安と安定を回復した。

また、クッルナー・シュラカー(1月27日付)によると、ロシア軍はバーブ市一帯を空爆し、住民18人が死亡した。

AFP, January 26, 2016、AP, January 26, 2016、ARA News, January 26, 2016、Champress, January 26, 2016、al-Hayat, January 27, 2016、Iraqi News, January 26, 2016、Kull-na Shuraka’, January 26, 2016、January 27, 2016、al-Mada Press, January 26, 2016、Naharnet, January 26, 2016、NNA, January 26, 2016、Reuters, January 26, 2016、SANA, January 26, 2016、UPI, January 26, 2016などをもとに作成。

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ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の離反者、シリア革命家戦線の「残党」がイドリブ県で「シャーム防衛者運動」を結成(2016年1月26日)

ARA News(1月26日付)は、イドリブ県北西部一帯で活動する複数の武装集団が「シャーム防衛者運動」の名で新たな武装連合組織を結成したと伝えた。

「シャーム防衛者運動」に参加したのは、イドリブ殉教者旅団のほか、シャームの民のヌスラ戦線やシャーム自由人運動が主導するファトフ軍から離反した武装集団、戦闘員ら。

彼らはジャマール・マアルーフ氏が率いていたシリア革命家戦線の「残党」で、司令官はアフマド・カナーティリー中佐が務めるという。

Kull-na Shuraka', January 26, 2016
Kull-na Shuraka’, January 26, 2016

 

AFP, January 26, 2016、AP, January 26, 2016、ARA News, January 26, 2016、Champress, January 26, 2016、al-Hayat, January 27, 2016、Iraqi News, January 26, 2016、Kull-na Shuraka’, January 26, 2016、al-Mada Press, January 26, 2016、Naharnet, January 26, 2016、NNA, January 26, 2016、Reuters, January 26, 2016、SANA, January 26, 2016、UPI, January 26, 2016などをもとに作成。

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イスラエルのヤアロン国防相「ダーイシュ(イスラーム国)は非常に長い間、石油と引き替えにトルコから資金を得てきた」(2016年1月26日)

イスラエルのモシェ・ヤアロン国防大臣は訪問先のギリシャでパノス・カメノス外務大臣との会談後の記者会見で、「ダーイシュ(イスラーム国)は非常に長い間、石油と引き替えにトルコから資金を得てきた。私はこうした状況が終わることを望んでいる」と述べた。

ヤアロン国防大臣はまた「トルコは欧州からシリア、そしてイラクへのジハード主義者の往来を許し、それがダーイシュのテロ・ネットワークの一部をなしている」と指摘、「これらすべてを止めるかどうかを…決めるのはトルコ、トルコ政府、トルコの指導部だ…。トルコは我々と和解する意思はあるだろう。そうすれば、トルコはテロを支援するのではなく、テロと戦う地域の包括的な取り組みの一環をなすことができる」と付言した。

『ハアレツ』(1月26日付)が伝えた。

AFP, January 26, 2016、AP, January 26, 2016、ARA News, January 26, 2016、Champress, January 26, 2016、al-Hayat, January 27, 2016、Iraqi News, January 26, 2016、Kull-na Shuraka’, January 26, 2016、al-Mada Press, January 26, 2016、Naharnet, January 26, 2016、NNA, January 26, 2016、Reuters, January 26, 2016、SANA, January 26, 2016、UPI, January 26, 2016などをもとに作成。

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トルコのダウトオール首相はPKKとつながりのある民主統一党(PYD)のジュネーブ3会議への参加を拒否(2016年1月26日)

トルコのアフメト・ダウトオール首相は、シリア政府と反体制派の和平交渉(ジュネーブ3会議)に関して、公正発展党(AKP)の議員らを前に「我々は、民主統一党、人民防衛隊がテーブルに就くことを断固拒否する」と述べた。

AFP(1月26日付)が伝えた。

AFP, January 26, 2016、AP, January 26, 2016、ARA News, January 26, 2016、Champress, January 26, 2016、al-Hayat, January 27, 2016、Iraqi News, January 26, 2016、Kull-na Shuraka’, January 26, 2016、al-Mada Press, January 26, 2016、Naharnet, January 26, 2016、NNA, January 26, 2016、Reuters, January 26, 2016、SANA, January 26, 2016、UPI, January 26, 2016などをもとに作成。

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ロシアのラブロフ外務大臣は「ISSGのなかで一カ国だけが民主統一党のジュネーブ3会議への招聘に反対している」と述べ、トルコを批判(2016年1月26日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はモスクワでの記者会見で、シリア情勢に関して「軍事的手段だけでテロを打ち負かすことは不可能で、紛争解決に向けた政治的措置と戦闘が統合されねばならない。またイラクやシリアでダーイシュ(イスラーム国)が行っているようなテロリストによる経済インフラの利用の阻止に向けた措置が講じられねばならない」と述べた。

またジュネーブ3会議に関して「シリアのクルド人が参加しない和平交渉が行われても何の結果ももたらさない」と付言し、西クルディスタン移行期民政局を主導するクルド民族主義政党の民主統一党の参加の必要を改めて強調した。

そのうえで「シリア国際支援グループ(ISSG)のなかで一カ国だけがクルド人、とりわけ民主統一党を招聘することに反対している」と述べ、トルコを暗に批判した。

しかし、反体制派代表団の人選については、リヤド最高交渉委員会が選出した反体制派の代表に限定されることを拒否するとしつつも、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表の決定に委ねると述べた。


AFP, January 26, 2016、AP, January 26, 2016、ARA News, January 26, 2016、Champress, January 26, 2016、al-Hayat, January 27, 2016、Iraqi News, January 26, 2016、Kull-na Shuraka’, January 26, 2016、al-Mada Press, January 26, 2016、Naharnet, January 26, 2016、NNA, January 26, 2016、Reuters, January 26, 2016、SANA, January 26, 2016、UPI, January 26, 2016などをもとに作成。

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リヤド最高交渉委員会はジュネーブ3会議への参加の是非を審議、国連事務総長にシリア国内での砲撃、包囲・飢餓作戦を「戦争犯罪」とみなすよう改めて要請(2016年1月26日)

最高交渉委員会はリヤドで4度目となる会合を開き、1月29日に開催が延期となったジュネーブ3会議への対応を協議した。

クッルナー・シュラカー(1月26日付)によると、委員会は声明で、2012年6月末のジュネーブ2会議、国連安保理決議第2118号(2013年)、そして第2254号に従い、ジュネーブ3会議に参加する用意があると表明するとともに、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表が発送した会議への招聘状の内容に関していくつかの点を確認するための書簡を送ったことを明らかにした。

そのうえで、交渉開始に先立って現地での状況改善(包囲解除、支援物資搬入、逮捕者釈放、処刑停止など)を実現する必要、すなわち国連安保理決議第2254号における第12、13項の履行の必要をあらためて強調、国連の潘基文事務総長に対して、「シリア国民に対する砲撃、包囲・飢餓作戦」を「戦争犯罪」とみなすとの問いかけ(1月14日の声明での問いかけ)への回答を待っていると付言した。

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アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動は声明を出し、リヤド最高交渉委員会に対する米国の「最後通告」をはじめとする諸外国、国際社会の圧力を批判、拒否すると発表した。

AFP, January 26, 2016、AP, January 26, 2016、ARA News, January 26, 2016、Champress, January 26, 2016、al-Hayat, January 27, 2016、Iraqi News, January 26, 2016、Kull-na Shuraka’, January 26, 2016、al-Mada Press, January 26, 2016、Naharnet, January 26, 2016、NNA, January 26, 2016、Reuters, January 26, 2016、SANA, January 26, 2016、UPI, January 26, 2016などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表はシリア政府、民主統一党の反体制派にジュネーブ3会議の招聘状を送付(2016年1月26日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は、1月29日に開催日が延期となったジュネーブ3会議への招聘状を、当事者に送付した。

『ハヤート』(1月27日付)が入手した招聘状コピーによると、招聘状の内容は以下の通り:

«وفقاً لتصريحات فيينا الصادرة عن المجموعة الدولية لدعم سورية في 30 تشرين الأول (أكتوبر) 2015، وقرار مجلس الأمن رقم 2254 (2015) بتاريخ 18 كانون الأول (ديسمبر) 2015، وبحسب توجيهات الأمين العام، يسرّني دعوتكم للانضمام إليّ في جنيف، مع انطلاقنا في جولة المفاوضات التي ستبدأ باستشارات حول كيفيّة وضع حدّ للصراع السوري، وبإرساء أسس لتسوية مستدامة. وستنطلق المفاوضات في مدينة جنيف السويسريّة في 29 كانون الثاني (يناير) 2016، وتبدأ باجتماعين منفصلين يتّخذان صيغة غير مباشرة.

يتماشى جدول أعمال المحادثات مع القرار 2254 (2015)، حيث أعرب مجلس الأمن عن قلقه الكبير حيال استمرار معاناة الشعب السوري، والوضع الإنساني المزري، وتواصل أعمال العنف الضاري، والوقع السلبي للإرهاب والإيديولوجيّة المتطرّفة العنيفة. وكرّر مجلس الأمن أنّ الحل المستدام الوحيد للأزمة الراهنة في سورية يقضي بإرساء عمليّة سياسيّة شاملة بقيادة سوريّة، تتناسب مع الطموحات المشروعة للشعب السوري.

لبلوغ هذه الغاية، طالب مجلس الأمن الأمين العام أن يعمل، بفضل وساطته الحميدة وجهودي الشخصيّة، على تسهيل المحادثات حول عمليّة انتقاليّة سياسيّة ملحّة، تستند إلى بيان جنيف الصادر في العام 2012، وتتماشى مع بيان فيينا الصادر في 14 تشرين الثاني (نوفمبر) عن المجموعة الدولية لدعم سورية. وأشار مجلس الأمن إلى نتائج محدّدة ينبغي تحقيقها، أهمّها إرساء حكم ذي مصداقيّة وشامل وغير طائفي، ووضع جدول زمني، وإطلاق عمليّة صياغة دستور جديد ضمن مهلة ستّة أشهر، وإجراء انتخابات حرّة وعادلة بعد صياغة الدستور الجديد، على أن يتحدّد موعدها ضمن فترة 18 شهراً بعد ذلك، وتكون خاضعة لإدارة الأمم المتّحدة وإشرافها.

بصفتي وسيطاً، سأحدد الأنماط وخطة العمل الضرورية لتطبيق جدول الأعمال هذا، بالتشاور مع المشاركين في المحادثات. وستُنظَّم الأمور بما يتناسب والملفات المطروحة على جدول الأعمال، مع التطلّع إلى تحقيق النتائج ضمن الأطر الزمنية المحددة من قبل مجلس الأمن.

وفيما تنطلق هذه المفاوضات، علينا تسليط الضوء على أهمية أن تتخذ الأطراف كلّها تدابير من شأنها بناء الثقة. ولهذه الغاية، سأتشاور مع الأطراف كافةً والمجموعة الدولية لدعم سورية ليس حول أنماط وقف إطلاق النار ومتطلباته فحسب، وفق القرار 2254 (2015)، بل أيضاً حول تدابير بناء الثقة التي يمكن تطبيقها. وعلاوةً على ذلك، أذكّر الأطراف كلّها بالواجبات المترتبة عليها بحسب القانون الدولي الإنساني وقانون حقوق الإنسان، بما يشتمل على واجب السماح لمنظمات الإغاثة الإنسانية الدخول إلى سورية والتنقّل داخل أراضيها بشكل سريع وآمن ومن دون أي عقبات.

وعلى الممثلين كلّهم أن يكونوا على استعداد لخوض محادثات تضمّ الجميع وتستمرّ ستة أشهر. وإني إذ أتوقّع مشاركة المرأة الكاملة والفعّالة في المحادثات السورية الداخلية بما يتناسب وقرار مجلس الأمن 1325 (2000). وسوف يقوم فريق العمل خاصتي بالاتصال بكم في القريب العاجل لترتيب جدول زمني ملائم لموعدنا الأوّل في جنيف.

وإني أترقّب من جانبكم مشاركة جدّية وبناءة في المحادثات السورية الداخلية المقبلة.

ستيفان دي ميستورا

المبعوث الأممي الخاص إلى سورية

Kull-na Shuraka', January 27, 2016
Kull-na Shuraka’, January 27, 2016
Kull-na Shuraka', January 27, 2016
Kull-na Shuraka’, January 27, 2016

招聘状によると、交渉は1月29日にジュネーブで開始され、シリア政府、反体制派とデミストゥラ共同特別代表との個別会合による間接交渉のかたちをとるという。

また、『ハヤート』(1月27日付)によると、招聘状は、15人からなるシリア政府代表団、リヤド最高交渉委員会が選出した反体制派の代表者15人、ロシア政府が提案した「モスクワ・リスト」に記載されている反体制派(シリア民主評議会の共同代表ハイサム・マンナーア氏ら)、「カイロ宣言グループ」の代表者(第2回カイロ大会で「シリア国民憲章」採択を主導したジャマール・スライマーンら)、市民社会女性団体の代表ら数十名に対して送られた。

しかし、サーリフ・ムスリム共同党首ら民主統一党に対しては、「米国、ロシア、トルコの相互理解」が必要との判断のもと、招聘状の発送は見送られているという。

これに関して、ARA News(1月26日付)によると、シリア民主評議会は声明を出し、デミストゥラ共同特別代表からの招聘状を受け取ったと発表した。

一方、シリア民主評議会メンバーのスィーハーヌーク・ディーブー氏はARA Newsに対して、民主統一党へは招聘状は送られなかったと答えた。

AFP, January 26, 2016、AP, January 26, 2016、ARA News, January 26, 2016、Champress, January 26, 2016、al-Hayat, January 27, 2016、Iraqi News, January 26, 2016、Kull-na Shuraka’, January 26, 2016、al-Mada Press, January 26, 2016、Naharnet, January 26, 2016、NNA, January 26, 2016、Reuters, January 26, 2016、SANA, January 26, 2016、UPI, January 26, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内で3回の爆撃を実施(2016年1月25日)

米中央軍(CENTCOM)は、1月25日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回でフール町近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)のダーイシュの施設に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, January 26, 2016などをもとに作成。

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イドリブ県サルキーン市、ハーリム市で対立を深めていた二つのアル=カーイダ系組織(ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動)が和解(2016年1月25日)

アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動は、イドリブ県サルキーン市、ハーリム市での支配をめぐる対立解消に向け、サルキーン市内の裁判所で会合を開き、和解合意に達した。

クッルナー・シュラカー(1月25日付)によると、両者は、イーマーン大隊を仲裁者として認めたうえで、同大隊に武力衝突のきっかけを作った戦闘員の身柄引き渡し、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、イーマーン大隊が設置するシャリーア委員会で裁定を行うこと、今回の衝突でのヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動による拘束者、押収・略奪品を返還することなどで合意した。

和解合意は、ヌスラ戦線のアブー・アリー・クサイル代表、シャーム自由人イスラーム運動の「アブー・ターリブ」氏、そしてイーマーン大隊のアブー・アブドゥー・サイヤーフ代表の間で交わされた。

AFP, January 25, 2016、AP, January 25, 2016、ARA News, January 25, 2016、Champress, January 25, 2016、al-Hayat, January 26, 2016、Iraqi News, January 25, 2016、Kull-na Shuraka’, January 25, 2016、al-Mada Press, January 25, 2016、Naharnet, January 25, 2016、NNA, January 25, 2016、Reuters, January 25, 2016、SANA, January 25, 2016、UPI, January 25, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市スッカリー地区でアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動の本部で爆発が発生し、戦闘員19人を含む23人が死亡(2016年1月25日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動が「治安厳戒地区」として占拠するアレッポ市スッカリー地区内の街区で爆弾が仕掛けられたタンクローリーが爆発し、建物3棟が全回、シャーム自由人イスラーム運動戦闘員19人を含む23人が死亡、数十人が負傷した。

ARA News(1月25日付)によると、爆発が起こったのはシャーム自由人イスラーム運動の本部の一つ。

またハーン・トゥーマーン村、アレッポ市ラーシディーン地区などで、シリア軍、国防隊、外国人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、ジュンド・アクサー機構、トルキスターン・イスラーム党などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

このほか、タッル・リフアト市では、ロシア軍と思われる戦闘機が空爆を行い、複数人が負傷した。

一方、SANA(1月25日付)によると、シリア軍がアレッポ市ラーシディーン地区、バニー・ザイド地区、バーシュカウィー村、アルド・マッラーフ地区、マーイル町、アイン・ジャマージマ村、ハーン・アサル村などで反体制武装集団と交戦し、アレッポ市ライラムーン地区内の建物群複数カ所を新たに制圧した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、イラン人士官がシャイフ・マスキーン市一帯で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、シリア軍が同市北西部などに進軍し、シリア政府に近い複数のメディアによると、市内の約90%を制圧した。

またこの進軍と並行して、戦闘機(所属明示せず)がシャイフ・マスキーン市の東部地区を少なくとも25回にわたり空爆した。

一方、SANA(1月25日付)によると、シリア軍がシャイフ・マスキーン市に対して全方位から進軍を続け、シャイフ・マスキーン市とイブタア町を結ぶ街道、シャイフ・マスキーン市とナワー市を結ぶ街道一帯を制圧した。

シリア軍はまた、ダルアー市ダルアー・バラド地区、マハッタ地区各所でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サルキーン市でシャームの民のヌスラ戦線が使用していた施設に、弾道ミサイルと思われる砲弾が着弾し、ヌスラ戦線などの戦闘員11人と民間人5人の合わせて16人が死亡した。

この砲弾がロシア軍、シリア軍のいずれの攻撃によるものか、そしてどこから飛来したのかは不明だが、攻撃は、サルキーン市やハーリム市の支配をめぐって対立していたヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動の和解に向けた会合(サルキーン市裁判所で開催)終了直後に行われたという。

これに関して、スマート・ニュース(1月25日付)は、民間人11人が死亡したとしたうえで、砲弾が地中海沖の艦船から発射されたと思われると伝えた。

AFP, January 25, 2016、AP, January 25, 2016、ARA News, January 25, 2016、Champress, January 25, 2016、al-Hayat, January 26, 2016、Iraqi News, January 25, 2016、Kull-na Shuraka’, January 25, 2016、al-Mada Press, January 25, 2016、Naharnet, January 25, 2016、NNA, January 25, 2016、Reuters, January 25, 2016、SANA, January 25, 2016、SMART News, January 25, 2016、UPI, January 25, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はダイル・ザウル市一帯、アレッポ県東部でダーイシュとの戦闘を続ける(2016年1月25日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市西部一帯、ブガイリーヤ村一帯で、爆弾を仕掛けた車を爆破するなどして攻勢をかけ、シリア軍と交戦するなか、戦闘機(所属明示せず)の護衛を受けた輸送機がダイル・ザウル市内のシリア政府支配地域に物資を投下した。

またシリア軍がダイル・ザウル市ジャウラ地区、クスール地区で強制捜査を行い、若者多数を拘束した。

一方、ARA News(1月25日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市内のシリア政府支配地域を砲撃し、複数人が死傷した。

他方、SANA(1月25日付)によると、シリア軍がブガイリーヤ村、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ移築でダーイシュ(イスラーム国)を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バーブ市近郊のアイシャ村、タッル・ハッターバート村、カタル村一帯で、シリア軍、国防隊、イラン系・アジア系民兵がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、ARA News(1月25日付)は、地元住民らの話として、西クルディスタン移行期民政局が実効支配する西部のアフリーン市上空を所属不明のヘリコプターが最近になって頻繁に飛行していると伝えた。

またARA Newsによると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がジャラーブルス市でダーイシュ(イスラーム国)の車輌を攻撃、破壊した。

他方、SANA(1月25日付)によると、シリア軍がバーブ市近郊のタッル・ファーウーリー村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月25日付)によると、シリア軍がタドムル市郊外柑橘園に近いラジュマ地区、カルヤタイン市近郊のスード丘一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, January 25, 2016、AP, January 25, 2016、ARA News, January 25, 2016、Champress, January 25, 2016、al-Hayat, January 26, 2016、Iraqi News, January 25, 2016、Kull-na Shuraka’, January 25, 2016、al-Mada Press, January 25, 2016、Naharnet, January 25, 2016、NNA, January 25, 2016、Reuters, January 25, 2016、SANA, January 25, 2016、UPI, January 25, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

西クルディスタン移行期民政局アサーイシュはハサカ県カーミシュリー市での自爆テロに親政権民兵の国防隊が関与していると主張(2016年1月25日)

西クルディスタン移行期民政局アサーイシュは声明を出し、2015年12月30日にハサカ県カーミシュリー市で発生した連続自爆テロと24日に同市で発生したに関して、「国防隊が関与していることが明らかになった」と発表した。

12月30日の連続自爆テロは、ダーイシュ(イスラーム国)の通信部門アアマーク通信が31日にダーイシュが関与したと犯行を認めている。

AFP, January 25, 2016、AP, January 25, 2016、ARA News, January 25, 2016、Champress, January 25, 2016、al-Hayat, January 26, 2016、Iraqi News, January 25, 2016、Kull-na Shuraka’, January 25, 2016、al-Mada Press, January 25, 2016、Naharnet, January 25, 2016、NNA, January 25, 2016、Reuters, January 25, 2016、SANA, January 25, 2016、UPI, January 25, 2016などをもとに作成。

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ロシア軍は22~24日の3日間で169回の出撃を行い、484カ所を爆撃(2016年1月25日)

ロシア外務省は、1月22~24日の3日間で、シリア駐留ロシア軍戦闘機の出撃回数が169回に達し、「テロリストのインフラ」484カ所を攻撃・破壊したと発表した。

空爆はラタキア県北部(ラビーア町一帯)、ダイル・ザウル市一帯に対して実施されたという。

AFP, January 25, 2016、AP, January 25, 2016、ARA News, January 25, 2016、Champress, January 25, 2016、al-Hayat, January 26, 2016、Iraqi News, January 25, 2016、Kull-na Shuraka’, January 25, 2016、al-Mada Press, January 25, 2016、Naharnet, January 25, 2016、NNA, January 25, 2016、Reuters, January 25, 2016、SANA, January 25, 2016、UPI, January 25, 2016などをもとに作成。

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