2014年3月20日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

シャームの民のヌスラ戦線、シャーム・イスラーム運動、シャーム・アンサール大隊(イスラーム戦線)はユーチューブを通じて共同声明(http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=C-ngB4fOZOw)を出し、「アンファールの戦い」の開始を宣言、「シリア海岸(ラタキア県)において、我々は剣を抜いた。シリアの土地で我らが住民がお前らの不正から身を守り、すべての都市の包囲を解除し、お前らの刑務所から逮捕者を解放するまで、再び剣を鞘に戻すことはないだろう」と発表した。

Youtube
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ハラブ・ニュース(3月21日付)は、20日に反体制活動家からなる「欧州電子軍」を名乗るグループが、シリア電子軍によるシリア革命反体制勢力国民連立のウェブサイトへのサイバー攻撃に対抗して、シリア国内のインターネット・システムにサイバー攻撃を仕掛け、数時間にわたってインターネットが不通になったと報じた。

これに関して、クッルナー・シュラカー(3月20日付)は、シリア全土でインターネットが不通になったと報じる一方、SANA(3月20日付)は、地中海とラタキア県を結ぶ老朽化したインターネット回線の修復が行われたと報じた。

Halabnews.com, March 21, 2014、Kull-na Shuraka’, March 20, 2014、March 21, 2014、SANA, March 20, 2014などをもとに作成。

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2014年3月20日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア革命家戦線司令官の一人ジャマール・マアルーフ氏は『デイリー・テレグラフ』(3月20日付)に、サウジアラビアや米国から約400万ドルの資金を得ていることを明らかにしたうえで、同組織が略奪や密輸に関与しているとの一部報道を否定した。

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スカイ・ニュース(3月20日付)は、民主的変革諸勢力国民連立が、7月に予定されている大統領選挙に関して、紛争和解に向けた政治プロセスを妨害する動きと非難、拒否する姿勢を示したと報じた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・トゥウマ暫定内閣は、イスタンブールで避難生活を送るシリア人児童を対象に6ヶ月で総額5万ドルの支援を行うと発表した。

イヤード・クドスィー暫定政府副首班が視察したイスタンブール市内の学校で明らかにした。

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シリア公務員国民自由連合がトルコのガズィアンテップ市で総会を開催し、執行部選挙を行った。

クッルナー・シュラカー(3月20日付)によると、選挙では、リヤード・ヒジャーブ元首相が全会一致で連合の議長に再選された。

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シリア革命反体制勢力国民連立政治委員会のファーイズ・サーラ氏は声明を出し、18日のイスラエル軍によるゴラン高原への攻撃に関して、「アサド政権は自らがイスラエルに対峙している…と示そうとしてきたが、真実がこうした幻想とは異なることを露呈した…。過去10年、イスラエルが行ってきたことに対して、何らの軍事的報復も行っていない」と批判した。

AFP, March 20, 2014、AP, March 20, 2014、ARA News, March 20, 2014、Champress, March 20, 2014、The Daily Telegraph, March 20, 2014、al-Hayat, March 21, 2014、Iraqinews.com, March 20, 2014、Kull-na Shuraka’, March 20, 2014、Naharnet, March 20, 2014、NNA, March 20, 2014、Reuters, March 20, 2014、SANA, March 20, 2014、Sky News Arabic, March 20, 2014、UPI, March 20, 2014などをもとに作成。

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2014年3月19日のシリア情勢:反体制勢力の動き

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)はツイッターを通じて声明を出し、クウェート人、リビア人、ベルギー人の3人の司令官が戦死したと発表した。

死亡したのは、アブー・ヒッサ・クワイティー、ファドル・アウカリー・リービー、アブー・ムサンナー・バルジーキーの3人。

死亡場所は発表されなかった。

またダーイシュは18日にもツイッターを通じて声明を出し、指導者の一人でエジプト人の「ハーズィム・ミスリー氏が殉教した」と発表した。

ミスリー氏が誰に殺害されたかについても触れられていない。

AFP, March 19, 2014、AP, March 19, 2014、ARA News, March 19, 2014、Champress, March 19, 2014、al-Hayat, March 20, 2014、Iraqinews.com, March 19, 2014、Kull-na Shuraka’, March 19, 2014、Naharnet, March 19, 2014、NNA, March 19, 2014、Reuters, March 19, 2014、SANA, March 19, 2014、UPI, March 19, 2014などをもとに作成。

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最新論考「シリア紛争から3年:アサド政権と反体制勢力の暴力の応酬をめぐる「善」と「悪」(Asahi中東マガジン)

青山弘之「シリア紛争から3年:アサド政権と反体制勢力の暴力の応酬をめぐる「善」と「悪」

Asahi中東マガジン、2014年3月18日 http://middleeast.asahi.com/report/2014031600001.html

「シリア革命」と呼ばれた反体制運動が高揚し、シリアが未曾有の混乱に苛まれてから3月15日で3年が経った。「今世紀最悪の紛争」と評されるこの武力紛争は、「政権崩壊は時間の問題」といった主張が欧米諸国や日本のメディアから姿を消して以降、大きく取り上げられることはなくなった。2013年8月のダマスカス郊外県グータ地方での化学兵器使用を受けて、シリア情勢への関心はにわかに高まりを見せたが、そこで注目されたのは、シリアそのものというよりは、むしろバッシャール・アサド政権に「懲罰的」な攻撃を行おうとした米英仏のヒステリーだった。
シリアの紛争への関心が薄れるなか、「自由を求める無垢な市民に対する独裁政権の一方的弾圧」というイメージだけが記憶にとどまり、多くの人がそれを現実だと錯覚している。だが、今日のシリアはこうしたイメージでは到底理解し得ない結末へと向かっており、実態に即した理解と対応が求められている。

* * *

「アラブの春」が波及するかたちで発生したシリアの紛争は、既存の政権(独裁政権)を「悪」、抗議行動を行う民衆を「善」と位置づけ、「悪」は滅び、その後に「善」なる「民主制」が実現する(実現せねばならない)という予定調和に沿って捉えられることが多い。しかし、拙稿(『混迷するシリア:歴史と政治構造から読み解く』岩波書店、2012年)で詳述した通り、この紛争は、争点や当事者を異にするさまざまな局面が折り重なるかたちで展開しており、重層性を無視した過度の単純化は、実態の把握を困難なものとした。
予定との調和を見せずに混迷を続けたシリア情勢は、中東政治を説明する際にしばしば引き合いに出される「宗派対立」という視点から説明されることもあった。アラウィー派政権とスンナ派からなる国民・反体制勢力の闘争、といった図式がそれである。しかし、宗派対立は、アサド政権を非難する欧米諸国と、シリアでのテロを自己正当化するアル=カーイダ系組織の言説が作り出す仮想現実だった。宗派への帰属やその教義は、…「続きはログイン・ご購入後に読めます」

2014年3月18日のシリア情勢:反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(3月18日付)は、国民対話総会開催準備の一環として、シリア政府が推し進めてきた関係正常化プロセスを経て、シリア国民評議会元メンバーら6人がシリアへと帰国したと報じた。

帰国したのは、バースィル・クワイフィー氏(シリア国民評議会元メンバー)、カフターン・サリービー氏、ハーリド・ナースィル氏、バースィル・タキーッディーン氏、マイス・クライディー氏。

Kull-na Shuraka', March 18, 2014
Kull-na Shuraka’, March 18, 2014

クワイフィー氏はクッルナー・シュラカーの電話取材に応じ、「帰国を望む約140人の活動家のリストがある」としたうえで、6人が「シリア政府との信頼の架け橋となるべく、最初の1歩を踏み出すという挑戦を行い、他の活動家の先例になろうとした」と述べた。

クッルナー・シュラカーによると、欧米諸国が支援する在外の反体制活動家がシリア政府と和解し、帰国するのは今回が初めてだという。

AFP, March 18, 2014、AP, March 18, 2014、ARA News, March 18, 2014、Champress, March 18, 2014、al-Hayat, March 19, 2014、Iraqinews.com, March 18, 2014、Kull-na Shuraka’, March 18, 2014、Naharnet, March 18, 2014、NNA, March 18, 2014、Reuters, March 18, 2014、SANA, March 18, 2014、UPI, March 18, 2014などをもとに作成。

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2014年3月17日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

シャームの民のヌスラ戦線シューラー評議会メンバーのアブー・アブドゥッラー・シャーミー氏はユーチューブを通じて音声声明を出し、そのなかでアブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏が、自身とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)指導者のアブー・バクル・バグダーディー氏が辞任し、「シャーム・ジハード機構」の名のもとで新指導者を選出する和解イニシアチブをバグダーディー氏に提案したことを明らかにした。

ジャウラーニー氏がバグダーディー氏に提案したこのイニシアチブは、両名が指導者職を辞任したうえで、ヌスラ戦線、ダーイシュそれぞれのシューラー評議会がアイマン・ザワーヒリー氏に新指導者候補者を推薦し、ザワーヒリー氏が「シャーム・カーイダ機構」新指導者を任命することを骨子としているという。

al-Hayat, March 19, 2014、Kull-na Shuraka’, March 18, 2014などをもとに作成。

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2014年3月17日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・サーリフ広報局長は『ハヤート』(3月18日付)に、「シリア電子軍」を名乗るハッカー集団が連立のウェブ・サイトにサイバー攻撃をかけ、事実と異なる内容のメッセージを発信したことを明らかにした。

サーリフ広報局長によると、「シリア電子軍」は「トルコの諜報機関が、連立の本部で仕掛け爆弾を発見、退避させた」などといったウソのメッセージが発信されたという。

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『シャルク・アウサト』(3月17日付)によると、シリア革命反体制勢力国民連立暫定政府のアスアド・ムスタファー国防大臣が、自由シリア軍参謀委員会のアブドゥルイラーフ・バシール参謀長とトルコのガジアンテップ市で会談し、参謀委員会の再編について協議した。

AFP, March 17, 2014、AP, March 17, 2014、ARA News, March 17, 2014、Champress, March 17, 2014、al-Hayat, March 18, 2014、Iraqinews.com, March 17, 2014、Kull-na Shuraka’, March 17, 2014、Naharnet, March 17, 2014、NNA, March 17, 2014、Reuters, March 17, 2014、SANA, March 17, 2014、al-Sharq al-Awsat, March 17, 2014、UPI, March 17, 2014などをもとに作成。

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2014年3月16日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

アレッポ県では、ARA News(3月17日付)によると、アイン・アラブ(コバネ)市郊外で、民主統一党人民防衛隊と「自由シリア軍」が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦した。

ARA, March 17, 2014
ARA, March 17, 2014

人民防衛隊と「自由シリア軍」が共闘するのはこれが「初めて」で、両部隊はシュユーフ地方のジャアダ村、クッバ村でダーイシュと交戦した。

人民防衛隊と共闘した「自由シリア軍」は、シリア自由人旅団、クルド戦線旅団、クッバ自由人旅団、タウヒード旅団だという。

戦闘では、ダーイシュの戦闘員多数が死傷する一方、民主統一党の戦闘員1人が死亡、「自由シリア軍」の戦闘員7人も負傷した。

ARA News, March 17, 2014などをもとに作成。

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2014年3月16日のシリア情勢:反体制勢力の動き

ARA News(3月16日付)は、ハサカ県カーミシュリー市の複数カ所で、イラク(サッダーム・フセイン政権時代)での化学兵器によるハラブチャ住民虐殺(1988年)の追悼集会を民主統一党青年運動組織などが開催し、住民らが参加したと伝えた。

一方、アームーダー市でも、シリア・クルド国民評議会支持者らが同様の追悼集会を開催した。

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ARA News(3月16日付)によると、アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市で、シリア・クルド国民評議会が「シリア革命」3周年を祝う集会を開催し、約1,500人が参加した。

民主統一党のアサーイシュ幹部によると、この集会は当局(西クルディスタン移行期民政局)の認可を得ていなかったが、アサーイシュがデモの安全を確保するために車輌2台を派遣したという。

AFP, March 16, 2014、AP, March 16, 2014、ARA News, March 16, 2014、Champress, March 16, 2014、al-Hayat, March 17, 2014、Iraqinews.com, March 16, 2014、Kull-na Shuraka’, March 16, 2014、Naharnet, March 16, 2014、NNA, March 16, 2014、Reuters, March 16, 2014、SANA, March 16, 2014、UPI, March 16, 2014などをもとに作成。

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2014年3月15日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は『ル・モンド』(3月15日付)で、「自由主義世界」に対して、アサド政権とジハード主義武装集団と「戦うための手段」を増援するよう呼びかけた。

ジャルバー議長は「自由主義世界が、シリア人を孤立状態から脱却させるために支援を行う時が来た。バッシャール・アサドやジハード主義者と戦争するための手段をシリア国民に保障しなければならない。アサドとジハード主義者に最終勝利するための手段を保障しなければならない」と述べた。

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西クルディスタン移行期民政局評議会コバネのウマル・アッルーシュ渉外関係副委員長(外務副大臣)はARA(3月15日付)に、自身を団長とする民政局使節団が13日にトルコのシャンウルファ県を訪問し、地元の市民団体、組合、政党の代表らと会談したことを明かした。

アッルーシュ副委員長によると、代表団はトルコからの正式の招待を受けてはいないが、「自治政府が実質的にトルコによって承認された」と述べた。

またトルコ国内のクルド人問題に関して、アッルーシュ副委員長は「トルコ国内の問題で関係ない…。トルコは民主的国家で、クルド人の権利は民主的プロセスで付与されるだろう」と述べた。

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ARA News, March 15, 2014
ARA News, March 15, 2014

ARA News(3月15日付)によると、シリア・クルド国民評議会はハサカ県マアバダ(カルキールキー)村で、「シリア革命」3周辺を祝うデモ集会を開催し、村人ら数千人が参加した。

AFP, March 15, 2014、AP, March 15, 2014、ARA News, March 15, 2014、Champress, March 15, 2014、al-Hayat, March 16, 2014、Iraqinews.com, March 15, 2014、Kull-na Shuraka’, March 15, 2014、Le Monde, March 15, 2014、Naharnet, March 15, 2014、NNA, March 15, 2014、Reuters, March 15, 2014、SANA, March 15, 2014、UPI, March 15, 2014などをもとに作成。

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2014年3月14日のシリア情勢:反体制勢力の動き

アレッポ革命軍事評議会前議長のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐は、アレッポ市からビデオ・メッセージ(http://www.youtube.com/watch?v=0iKdxvwjrA4&feature=player_embedded)を発表し、「シリアを去った革命家たちに帰国して、各戦線に参加」するよう呼びかけた。

アカイディー大佐は3ヶ月前にシリア国外に避難していたという。

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Kull-na Shuraka', March 14, 2014
Kull-na Shuraka’, March 14, 2014

カラムーン統一軍事司令部は声明を出し、カラムーン広報センター代表を名乗るアーミル・カラムーニー氏が「革命と殉教者の血を利用し、重大な違反を犯した…。カラムーン広報センターの活動は信頼できない。彼らは実際の戦場に身を置いていない」と非難し、同センターおよびカラムーニー氏との絶縁を発表した。

声明には、カラムーン統一軍資司令部のほか、ヤブルード市調整、カーラ市調整、ルハイバ市調整、バダー市調整、カラムーン調整連合、カーラ市メディアセンター、ナバク・ジャズィーラ・チャンネル、ヤブルード・ジャズィーラ・チャンネルなどが名を連ねている。

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シリア革命反体制勢力国民連立のハーディー・バフラ氏、アブドゥルアハド・アスティーフー氏らからなる代表団はニューヨークの国連本部を訪問し、安保理に「現状において大統領選挙を実施するいかなる試みも、ジュネーブでの対話の崩壊をもたらす」と警鐘を鳴らした。

代表団は安保理メンバーである米国、英国、サウジアラビア、フランス、ルワンダ、チャドの代表、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と個別に歓談した。

AFP, March 14, 2014、AP, March 14, 2014、ARA News, March 14, 2014、Champress, March 14, 2014、al-Hayat, March 15, 2014、Iraqinews.com, March 14, 2014、Kull-na Shuraka’, March 14, 2014、Naharnet, March 14, 2014、NNA, March 14, 2014、Reuters, March 14, 2014、SANA, March 14, 2014、UPI, March 14, 2014などをもとに作成。

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2014年3月13日のシリア情勢:反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表と「日常活動局」メンバーが、ダマスカス県訪問中の西クルディスタン移行期民政局使節団(アブドゥルカリーム・ウマル氏とフサイン・アッザーム氏が共同代表)と会談した。

会談後に委員会が発表した声明によると、会談は委員会の呼びかけによるもので、民政局支配地域での自治の現状などについて意見を交換した。

会談で両者は、国民主権、国民統合、領土の一体性の維持、シリア北部および北東部などでの民主的自治、すべての問題に対処するための会合、協議、協力継続を確認したという。

また委員会は、「社会契約憲章」(西クルディスタン移行期民政局の憲法に相当)に関する所見をまとめた文書を民政局使節団に回付したという。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は、プレス向け声明を出し、2014年7月に予定されている大統領選挙を「時期尚早」としたうえで、実施に反対の意を表明した。

アブドゥルアズィーム代表は、大統領選挙に関して「ジュネーブ合意に基づくジュネーブ2会議での政治的解決への道を閉ざす」としたうえで、「国が見舞われている血塗られた現状を踏まえると、反体制勢力であれ政権であれ大統領選挙に候補者を擁立することは受け入れられない。この治安状況では選挙は実施できない」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立の政治委員会会合がイスタンブールで開催された。

ジュネーブ2会議などへの今後の対応、同会議参加の是非をめぐって離反した組織・メンバーの復帰の是非に関する提言(総合委員会に提出される)作成を主な議題とする会合は、当初1日を予定していたが、14日も続けられることが決定された。

クッルナー・シュラカー(3月13日付)が伝えた。

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シリア革命反体制勢力国民連立の在カタール代表(大使)のニザール・ヒラーキー氏は、在留シリア人のパスポートの期限を「数日間延長する手続き」を開始するための準備を進めていると発表した。

AFP, March 13, 2014、AP, March 13, 2014、ARA News, March 13, 2014、Champress, March 13, 2014、al-Hayat, March 14, 2014、Iraqinews.com, March 13, 2014、Kull-na Shuraka’, March 13, 2014、Naharnet, March 13, 2014、NNA, March 13, 2014、Reuters, March 13, 2014、SANA, March 13, 2014、UPI, March 13, 2014などをもとに作成。

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2014年3月12日のシリア情勢:反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(3月12日付)は、英国のGBC放送局が4年目を迎えるシリアの紛争での軍の人的被害についてのレポートを出したと伝えた。

このレポートによると、シリア軍の人的被害は以下の通り:

共和国護衛隊将兵:約4万人(そのほとんどがアラウィー派)

軍将兵:約6万人

国防隊・人民諸委員会戦闘員:約1万人

なおシリア人権監視団などは2011年3月以降の死者総数は約14万人と発表しているが、このレポートによると軍、国防隊、シャッビーハの死者だけで約33万人に達しているという。

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ARA News, March 12, 2014
ARA News, March 12, 2014

ハサカ県カーミシュリー市で、11日に発生したハダーヤー・ホテル(西クルディスタン移行期民政局評議会福祉関連事務所)に対するイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の自爆攻撃の犠牲者の葬儀が行われ、数千人の市民が参列した。

同市では2004年の「カーミシュリーの春」の犠牲者の追悼も行われた。

またアームーダー市、ダイリーク市近郊のアール・クース村でも、「カーミシュリーの春」追悼集会が開かれ、民主統一党支持者らが参加した。

ARA News(3月12日付)が伝えた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、カーミシュリー市のハダーヤー・ホテル(西クルディスタン移行期民政局評議会福祉関連事務所)に対するイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の自爆攻撃を非難した。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、カーミシュリー市のハダーヤー・ホテル(西クルディスタン移行期民政局評議会福祉関連事務所)に対するイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の自爆攻撃を非難した。

AFP, March 12, 2014、AP, March 12, 2014、ARA News, March 12, 2014、Champress, March 12, 2014、al-Hayat, March 13, 2014、Iraqinews.com, March 12, 2014、Kull-na Shuraka’, March 12, 2014、Naharnet, March 12, 2014、NNA, March 12, 2014、Reuters, March 12, 2014、SANA, March 12, 2014、UPI, March 12, 2014などをもとに作成。

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2014年3月11日のシリア情勢:諸外国の動き

ロシア外務省は声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線が拉致していた聖タクラー修道院の修道女13人らの釈放に歓迎の意を示した。

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国連児童基金(ユニセフ)は11日、内戦中のシリアの子どもの状況に関する報告書を発表、同国の子ども全体の56%に当たる約550万人が人道支援が必要な状況にあると指摘し、一層の支援を国際社会に呼び掛けた。

シリアで2011年3月に反体制デモが本格化して3年となるのを受け、シリアの子どもと、周辺国にいるシリア難民の子どもの状況をまとめた。

報告書によると、支援が必要な子どもは1年前の約230万人から倍以上に増えた。就学年齢の子ども全体の約4割に当たる約280万人が学校に通えない状況という。

心の傷が深刻でケアが必要な子どもも推定約200万人に達している。

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カタールのハーリド・アティーヤ外務大臣は訪問中のパリで、シリア情勢への対応をめぐってこれまで3度イランを訪問し、モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣に対して再三にわたり、ファールーク・シャルア副大統領をシリア国内に出国させ、会談させるよう要請していたことを明らかにした。

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ファタハ革命評議会書記長のヤースィル・ミスリー氏は、テレビ番組で、ダマスカス県ヤルムーク区での戦闘停止に向けて、同地区の中立化を骨子とする「人道停戦イニシアチブ」を発表した。

AFP, March 11, 2014、AP, March 11, 2014、ARA News, March 11, 2014、Champress, March 11, 2014、al-Hayat, March 12, 2014、Iraqinews.com, March 11, 2014、Kull-na Shuraka’, March 11, 2014、Naharnet, March 11, 2014、NNA, March 11, 2014、Reuters, March 11, 2014、SANA, March 11, 2014、UPI, March 11, 2014、共同通信社2014年3月12日などをもとに作成。

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2014年3月11日のシリア情勢:反体制勢力の動き

ハサカ県では、ARA News(3月11日付)によると、カーミシュリー市で、「カーミシュリーの春」(2004年3月)の犠牲者の追悼集会が開かれ、民主統一党支持者らが参加した。

ARA News, March 11, 2014
ARA News, March 11, 2014

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またタッル・タムル町では、シリア・クルド・イェキーティー党が「カーミシュリーの春」の追悼集会を開いた。

ARA News, March 11, 2014
ARA News, March 11, 2014

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クナイトラ自由人大隊(イッズ・ブン・アブドゥッサラーム旅団)司令官のムハンマド・ハイムード氏はビデオ声明を出し、クナイトラ県ハーン・アルナバ市でいかなる者もシリア軍と休戦してはならない、と警告した。

Kull-na Shuraka', March 11, 2014
Kull-na Shuraka’, March 11, 2014

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アレッポ県各所で活動している武装集団19組織がビデオ共同声明を出し、シャーム軍団を結成すると発表した。

シャーム軍団は、「犯罪者体制からすべての領土を回復する」ことをめざしているという。

参加組織は以下の通り:

ハムザ旅団

アブー・ウバイダ・ブン・ジャッラーフ旅団

タムキーン旅団

ハナーヌー旅団

ヒッティーン旅団

アブドゥッラフマーン旅団

フィルカーン旅団

イスラームの鷹連合

ムジャーヒディーン旅団

アムジャード大隊

ヌスラト・イスラーム旅団

アシュバール・アキーダ旅団

イスラーム特殊任務旅団

イスラームの獅子旅団

スィハーム・ハック旅団

ファーティヒーン旅団

ジャバル特殊任務旅団

イーマーン旅団

アンサール・イドリブ旅団

AFP, March 11, 2014、AP, March 11, 2014、ARA News, March 11, 2014、Champress, March 11, 2014、al-Hayat, March 12, 2014、Iraqinews.com, March 11, 2014、Kull-na Shuraka’, March 11, 2014、Naharnet, March 11, 2014、NNA, March 11, 2014、Reuters, March 11, 2014、SANA, March 11, 2014、UPI, March 11, 2014などをもとに作成。

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最新論考(再)「アサド政権にさらなるフリーハンド:和平会議「破綻⼨前」の裏事情」(Astand)

青山弘之「アサド政権にさらなるフリーハンド:和平会議「破綻⼨前」の裏事情(特集II・シリアの隘路)」
e-World、2014年2月26日号 https://janet.jw.jiji.com/
Astand、2014年3月10日 http://astand.asahi.com/webshinsho/jiji/eworld/product/2014030400003.html

■シリア政府に有利な戦況
■自国出身活動家の帰還恐れる西欧諸国

シリアでの紛争解決に向けた政府とシリア国民連合による初の直接和平交渉「ジュネーブ2会議」が、1月22日から2月15日にかけてスイスで開催された。2ラウンドにわたる会議は、「テロとの戦い」を優先しようとする政府代表団と、現政権を排除した形での移行期統治機関(移行期政府)の樹立を訴える「国民連合」の対立により紛糾し、今後の交渉日程についても合意できないままに閉幕した。
だが閉幕直前の12日の会合で、国民連合が政権退陣を求める文言の明記を取り下げ、また仲介者であるアフダル・ブラヒミ国連・アラブ連盟共同特別代表が13日の米ロ外務次官との協議を経て、移行期統治機関の審議を先送りにすると決断したことで、シリア政府は事態収拾のフリーハンドを得た形となった。

◇シリア政府に有利な戦況

シリアの紛争は「アラブの春」の体制転換劇からの類推で、政権退陣に解決の糸口があるようなイメージがつきまとう。しかし拙稿(「せめぎ合いのなか友好的敵対に軟着陸したシリア和平会議」Synodos、2月5日付)で詳述した通り、ジュネーブ2会議が履行を目指す2012年6月のジュネーブ合意は「現政権、反体制組織…から構成される移行期統治機関を当事者の総意の下に発足させる」と規定し、アサド政権の存続を含意していた。
このことは、昨年半ばにアサド政権が化学兵器廃棄に責任を有する「正統な代表」として、欧米諸国を含む国際社会から承認されたことで既定事実となり、今回の会議で改めて追認された。
国内の暴力についても、アルカイダ系武装集団に対する掃討作戦など軍のあらゆる行為を「たる爆弾による住宅地への無差別殺りく」と断じる一部の活動家のプロパガンダゆえ、政権の残忍さが強調されるきらいがある。しかし、ロンドンを拠点とする反体制人権団体のシリア人権監視団が発表した死者総数14万人のうち、約5万4000人が軍や親政権民兵の将兵であることは看過されるべきでない。むろん、同監視団によると、民間人(武装した市民を含む)の犠牲者も5万人弱に達するという。だが、民間人の死者数は過去2カ月でなぜか2万人も「減少」し、代わってジハード(聖戦)主義武装集団の戦闘員の死者が3万人強に急増した。武力紛争が政権の一方的暴力だとの主張はますます成り立たなくなっている。

アサド政権は昨年末以降・・・

2014年3月10日のシリア情勢:反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(3月10日付)は、ダマスカス県ジャウバル区の医療センターの医師の一人からの情報として、軍が同地区でサリンガスを使用し、民間人5人が中毒症状に陥ったと伝えた。

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ARA News, March 10, 2014
ARA News, March 10, 2014

ハサカ県では、ARA News(3月10日付)によると、民主統一党人民防衛隊がタッル・タムル町内で軍事行進を行った。

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シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官は、9日にカイロで開催された連盟の定例外相会合に関して、「連立にシリア代表ポストを付与する問題をめぐって審議がなされたが、各国外相の間で意見の相違があった」ことを明らかにした。

サーフィー報道官によると、湾岸諸国の多くが賛成の立場をとっているのに対し、アルジェリア、レバノン、イラクが、連立への代表ポスト付与に異議を唱え、これが「障害」になっているという。

また「シリアの反体制勢力内の争いが、国益を損ねようとする様々な政治勢力に資してしまっている」と付言した。

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シリア人権監視団は、地元の反体制活動家の証言をもとに、軍によるヒムス県ザーラ村制圧作戦で、「キリスト教徒やアラウィー派からなる国防隊」が「スンナ派」の民間人20人以上を「虐殺」したと発表した。

AFP, March 10, 2014、AP, March 10, 2014、ARA News, March 10, 2014、Champress, March 10, 2014、al-Hayat, March 11, 2014、Iraqinews.com, March 10, 2014、Kull-na Shuraka’, March 10, 2014、Naharnet, March 10, 2014、NNA, March 10, 2014、Reuters, March 10, 2014、SANA, March 10, 2014、UPI, March 10, 2014などをもとに作成。

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2014年3月10日のシリア情勢:聖タクラー修道女解放をめぐる動き

反体制活動家のハーディー・アブドゥッラー(Hadi Homs)氏はユーチューブ(3月10日付)に、聖タクラー修道院の修道女13人ら16人(シリア人、レバノン人)が9日にダマスカス郊外県カラムーン地方(場所不明)の軟禁場所からレバノンのベカーア県バアルベック郡アルサール地方の無人地帯に移送され、レバノンの総合情報総局に引き渡されるまでの映像(http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=L3ZZyRv3kSo)をアップ・公開した。

Youtube, March 9, 2014
Youtube, March 9, 2014
Youtube, March 9, 2014
Youtube, March 9, 2014

映像は3月9日付で、「アッラーの他に神なし、ヌスラ戦線」と書かれた黒旗を掲げる目出し帽の武装集団に、修道女らが連行され、シリア・レバノン国境に移送される様子、シリア当局に拘束されていた女性・子供と修道女が「捕虜交換」される映像などが写っている。

アブドゥッラー氏はAFP(3月10日付)に、シリア当局が「女性141人が釈放されたとの情報を得ている」と述べた。

この女性たちは、修道女らの到着に先だってバスでシリア・レバノン国境地帯に移送されたという。

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Naharnet, March 10, 2014
Naharnet, March 10, 2014

解放された修道女の一人ビーラージヤー・サイヤーフ修道長は記者団に対して「アッラー、私たちの主(ギリシャ正教会アンティオキア総大司教)ヨハネ10世、アサド大統領…、カタール首長に感謝しています…。また(レバノン総合情報総局)アッバース・イブラーヒーム少将に感謝しています」としたうえで、「去年の12月初めに拉致されて以降、誰一人として悪い扱いを受けることはありませんでした…。私たち16人は誰も悪し様にはされませんでした…。(シャームの民のヌスラ戦線の)対応はよいものでした。またジョルジュ・ハスワーニーを名乗る人のおかげで、私たちは建物で自由に過ごせました」と述べた。

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Kull-na Shuraka', March 10, 2014
Kull-na Shuraka’, March 10, 2014

ジョルジュ・ハスワーニー氏は、修道女釈放の交渉にあたっていたとされる人物の一人で、ヤブルード市出身のビジネスマンで、アサド政権に近い人物。

クッルナー・シュラカー(3月10日付)によると、バーニヤース精油公社副所長を務めたのち、ロシアに滞在し、石油・ガス採掘事業を開始し、ロシアの関連企業、軍との取引を行ってきたという。

ハスワーニー氏の事務所(シリア)は、娘婿のユースフ・アブラシュ氏(シリア共産党ユースフ・ファイサル派元党員)が運営し、ロシアの事務所はアムジャド・ドゥーバー氏が統轄しているという。

なお妻はロシア人。

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『ハヤート』(3月11日付)によると、修道女を拉致していたシャームの民のヌスラ戦線のカラムーン地方のアミール、アブー・マーリク・クワイティー氏は、修道女解放に際してシリア当局と取引があったことについては認めたが、身代金を受け取ったことを否定した。

またクワイティー氏は「捕虜交換」の一環としてシリア当局が拘束している女性950人の釈放を要求したが、152人しか釈放されていないと述べた。

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ジャディードTV(3月10日付)などによると、レバノン総合情報総局のアッバース・イブラーヒーム少将は、修道女解放の交渉が「女性逮捕者が釈放されたことで完了した」と述べ、これによりシリア当局が交流していた女性150人以上が釈放されたことを明らかにした。

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なお、『ハヤート』(3月11日付)によると、聖タクラー修道女の解放交渉が行われいた間、シリア軍はカラムーン地方への砲撃を中断していたという。

また『ハヤート』は修道女らがダマスカス県に移動したと付言した。

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ウムラーン・ズウビー情報大臣は、聖タクラー修道院修道女の解放に関して、「シリア国民の血で手を染めていなかった者25人」を釈放したと述べ、約150人の女性(子供)を釈放したとの反体制活動家らの主張が正しく、誇張だと反論した。

SANA(3月10日付)が伝えた。

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レバノン大統領府は声明を出し、聖タクラー修道院の修道女13人らの解放に関して、ミシェル・スライマーン大統領がカタールのタミーム・ビン・ハマド首長に謝意を示したと発表した。

AFP, March 10, 2014、AP, March 10, 2014、ARA News, March 10, 2014、Champress, March 10, 2014、al-Hayat, March 11, 2014、Iraqinews.com, March 10, 2014、al-Jadid TV, March 10, 2014、Kull-na Shuraka’, March 10, 2014、Naharnet, March 10, 2014、NNA, March 10, 2014、Reuters, March 10, 2014、SANA, March 10, 2014、UPI, March 10, 2014などをもとに作成。

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2014年3月9日のシリア情勢:諸外国の動き

カイロでアラブ連盟外相会議が開かれ、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長参加のもと、シリア情勢などが協議された。

『ハヤート』(3月10日付)によると、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は会議で、2013年のカタールでの連盟首脳会議の決定に従い、シリア革命反体制勢力国民連立に、連盟の代表ポストを正式に与えるよう求めた。

また、ジャルバー議長は、ヒズブッラー、アブー・ファドル・アッバース旅団などイラクの民兵、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)を連盟においてテロ組織に指定するよう求めるとともに、反体制勢力への支援を改めて要請、「反体制勢力に高性能兵器を至急供与するよう国際社会に要請する」よう呼びかけた。

一方、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、ジュネーブ2会議での対話に基づく紛争解決に向けたプロセスの頓挫と並行して、シリア国内での暴力が激化していることに懸念を表明した。

さらに、レバノンのジュブラーン・バースィール外務大臣は、シリア人避難民流入に伴う惨状を訴えた。

ジャディード(3月9日付)によると、バースィール外務大臣はまた、レバノンおよびレバノン国民によるシャブアー農場、カフルシューバー、ガジャル村解放・回復の権利、イスラエルの抵抗と占領への抵抗権を、閉幕会議の声明に盛り込むよう求め、この主張は閉幕声明に盛り込まれた。

またエジプトのナビール・ファフミー外務大臣は、シリア領内からのあらゆる外国人武装勢力の撤退、人道支援物資配給に必要なしくみの拡充、紛争の政治的解決を強調した。

AFP, March 9, 2014、AP, March 9, 2014、ARA News, March 9, 2014、Champress, March 9, 2014、al-Hayat, March 10, 2014、Iraqinews.com, March 9, 2014、al-Jadid TV, March 9, 2014、Kull-na Shuraka’, March 9, 2014、Naharnet, March 9, 2014、NNA, March 9, 2014、Reuters, March 9, 2014、SANA, March 9, 2014、UPI, March 9, 2014などをもとに作成。

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2014年3月9日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シャームの民のヌスラ戦線は、ツイッターを通じて声明を出し、レバノン国軍のシーア派兵士がシリア国内での戦闘に参加していると主張、軍そのものが「シーア派の計略の手先」となっていると批判し、「シリアの戦闘に送られたすべての者が制裁を受けるだろう」と脅迫した。

Naharnet, March 9, 2014
Naharnet, March 9, 2014

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ハラブ・ニュース(3月9日付)によると、アレッポ県バーブ市でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)は、男性教師が学校で女生徒に教えることを禁じる決定を行った。

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シリア人権監視団は、ダマスカス郊外県ヤブルード市奪還に向けた軍の突入作戦で、ヒズブッラー戦闘員が120人以上死亡している、と発表した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、軍によるヒムス県ザーラ村の完全制圧に関して、「ヒズブッラーの民兵に支援された政府軍が虐殺を行い20人以上が死亡した」としたうえで、民間人保護のための行動できない国際社会を非難した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は世界女性デーに合わせて、声明を出し、2011年3月以降、7,000人から1万人の女子大学生が当局によって逮捕され、2014年2月19日現在の段階で1万389人の女性が死亡していると発表した。

AFP, March 9, 2014、AP, March 9, 2014、ARA News, March 9, 2014、Champress, March 9, 2014、Halabnews.com, March 9, 2014、al-Hayat, March 10, 2014、Iraqinews.com, March 9, 2014、Kull-na Shuraka’, March 9, 2014、Naharnet, March 9, 2014、NNA, March 9, 2014、Reuters, March 9, 2014、SANA, March 9, 2014、UPI, March 9, 2014などをもとに作成。

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2014年3月8日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長に向けた声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立に連盟代表メンバーのポストを与えないよう警告した。

声明でアブドゥルアズィーム代表は、連立が「シリア国家を代表してない」、「すべての反体制勢力を代表していない」、「大衆基盤を失った」、「連立を承認する一部の連盟加盟国にはシリアの代表ポストを連立に付与する権限をもたない」といった理由をあげ、代表ポストを求める連立の要望に応じないよう求めた。

Kull-na Shuraka’, March 8, 2014などをもとに作成。

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2014年3月8日のシリア情勢:反体制勢力の動き

ハサカ県では、ARA(3月8日付)によると、アームーダー市では、民主統一党女性防衛部隊(YJP)なども参加するかたちで、世界女性デーの祝典が開催された。

ARA News, March 8, 2014
ARA News, March 8, 2014

またアフリーン市では、民主統一党の支持者らが世界女性デーを記念する行進を行った。

ARA News, March 8, 2014
ARA News, March 8, 2014

一方、マアバダ(カルキールキー)市でも、シリア・クルド国民評議会が同市一帯の女性団体らとともに、世界女性デーの祝典を開催した。

ARA News, March 8, 2014Z
ARA News, March 8, 2014Z

このほか、ARA News(3月9日付)によると、タッル・タムル町では、シリア・クルド・イェキーティー党が世界女性デーの祝典を行った

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自由シリア軍の再編などに関するシリア革命反体制勢力国民連立アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と自由シリア軍参謀委員会との合意(5日)を正式に承認した。

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クッルナー・シュラカー(3月8日付)は、アレッポ市のウマイヤ・モスクで2013年4月以降初めて金曜礼拝が行われたと伝え、写真を掲載した。

Kull-na Shuraka', March 8, 2014
Kull-na Shuraka’, March 8, 2014

同報道によると、ウマイヤ・モスクは最近、イスラーム戦線によって制圧され、写真には「アッラーの他に神なし」と書かれた黒い旗に向かって中庭で礼拝する人々が写っている。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のムンズィル・ハッダーム広報局長は、ハサン・アブドゥルアズィーム代表が7月の大統領選挙への立候補を準備しているとの『ハヤート』などの報道を否定した。

クッルナー・シュラカー(3月8日付)が伝えた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長がカイロでアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長と会談し、ジュネーブ2会議以降の政治状況などについて報告したと発表した。

声明によると、会談で、アラビー事務総長は「アラブ連盟が連立をシリア国民の正統な代表であることを確認し、クウェートで3月に開催予定のアラブ連盟首脳会議で連立が代表になるだろう」と述べたのだという。

AFP, March 8, 2014、AP, March 8, 2014、ARA News, March 8, 2014, March 9, 2014、Champress, March 8, 2014、al-Hayat, March 9, 2014、Iraqinews.com, March 8, 2014、Kull-na Shuraka’, March 8, 2014、Naharnet, March 8, 2014、NNA, March 8, 2014、Reuters, March 8, 2014、SANA, March 8, 2014、UPI, March 8, 2014などをもとに作成。

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2014年3月7日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

シリア革命反体制勢力国民連立を脱会した組織(44人)がトルコのイスタンブールで共同声明を出し、ジュネーブ2会議の失敗を受けて連立への復帰を決定したと発表した。

共同声明は、復帰が、会議参加に代表されるこれまでの失敗の清算に資するものになると位置づけている。

共同声明に署名した組織は以下の通り:

1. トルクメン運動

2. シリア・ビジネスマン・フォーラム

3. 地元評議会ブロック(ムスタファー・サッバーグ前事務局長)

4. シリア革命司令最高評議会

5. 自由シリア軍参謀委員会メンバー

6. 愛国的無所属メンバー

7. 革命運動体ブロック

8. シリア国民評議会革命無所属運動体ブロック

9. シリア公務員国民自由連合(リヤード・ヒジャーブ元首相)

Kull-na Shuraka’, March 7, 2014などをもとに作成。

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2014年3月7日のシリア情勢:レバノンの動き

NNA(3月8日付)によると、ベカーア県バアルベック郡のルブーワ村、ナビー・ウスマーン村に、シリア領内から発射されたロケット砲3発が着弾した。死傷者はなかった。

砲撃に関して、イラク・シャーム・イスラーム国ダマスカス州がツイッターを通じて声明を指し、「ヤブルードの我らがスンナ派住民からの報復」と発表し、犯行を認めた。

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NNA(3月7日付)によると、南部県スール郡マジャーディル村の農地に設置された迫撃砲2基を軍当局が発見、近くにいたシリア人1人を逮捕した。

AFP, March 7, 2014、AP, March 7, 2014、ARA News, March 7, 2014、Champress, March 7, 2014、al-Hayat, March 8, 2014、Iraqinews.com, March 7, 2014、Kull-na Shuraka’, March 7, 2014、Naharnet, March 7, 2014、NNA, March 7, 2014、Reuters, March 7, 2014、SANA, March 7, 2014、UPI, March 7, 2014などをもとに作成。

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2014年3月7日のシリア情勢:反体制勢力の動き

サリーム・イドリース少将が率いる自由シリア軍参謀委員会総司令部がトルコハタイ県アンタキアで声明を出し、自由シリア軍の再編などに関するシリア革命反体制勢力国民連立アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と自由シリア軍参謀委員会との合意(5日)を拒否し、自由シリア軍再編のための大会開催を呼びかけた。

Kull-na Shuraka', March 7, 2014
Kull-na Shuraka’, March 7, 2014

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クッルナー・シュラカー(3月7日付)によると、シリア革命反体制勢力国民連立アフマド・トゥウマ暫定内閣首班付顧問のムハンマド・サブラー氏が辞任した。

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アレッポ県で活動するサフィーラ報道センターは、サルジャ村への攻撃で軍が細菌兵器を主張し、住民に麻疹のような感染症状が発症していると主張(報道)した。

クッルナー・シュラカー(3月7日付)が伝えた。

AFP, March 7, 2014、AP, March 7, 2014、ARA News, March 7, 2014、Champress, March 7, 2014、al-Hayat, March 8, 2014、Iraqinews.com, March 7, 2014、Kull-na Shuraka’, March 7, 2014、Naharnet, March 7, 2014、NNA, March 7, 2014、Reuters, March 7, 2014、SANA, March 7, 2014、UPI, March 7, 2014などをもとに作成。

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2014年3月6日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

クッルナー・シュラカー(3月8日付)は、イドリブ県内で、国民公正憲法党(ワアド)の執行部が会合を開き、結党を宣言したと伝えた。

国民公正憲法はシリア・ムスリム同胞団が数ヶ月前から結党の準備を進めていた組織で、党首にはムハンマド・ヒクマト・ワリード氏が就任した。

Kull-na Shuraka', March 8, 2014
Kull-na Shuraka’, March 8, 2014

党幹部の一人ムハンマド・ズハイル・ハティーブ氏によると、国民公正憲法は、シリア革命を支援しつつ、アサド政権崩壊後に「民主的手段を通じて自由と公正の確立」をめざすという。

Kull-na Shuraka’, March 8, 2014などをもとに作成。

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2014年3月6日のシリア情勢:反体制勢力の動き

ムジャーヒディーン軍のムハンマド・アブドゥルカーディル・バクール・アブー・バクル中佐は、クッルナー・シュラカー(3月6日付)に対し、「現地で活動する革命諸組織が参加しないいかなる軍事的、政治的組織も承認しない」と述べ、自由シリア軍参謀委員会の「拡大」に関するシリア革命反体制勢力国民連立と参謀委員会の合意(5日、https://syriaarabspring.info/wp/?p=5073)を拒否した。

Kull-na Shuraka', March 6, 2014
Kull-na Shuraka’, March 6, 2014

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自由シリア軍参謀委員会メンバーのカースィム・サアドッディーン大佐は、5日のシリア革命反体制勢力国民連立と参謀委員会幹部との合意(https://syriaarabspring.info/wp/?p=5073)に関して、アナトリア通信(3月6日付)に対し「紙面のインク」に過ぎないとしたうえで、合意内容は参謀委員会(最高軍事評議会)で正式に承認を受けて初めて効力をなすとの見方を示した。

Kull-na Shuraka', March 6, 2014
Kull-na Shuraka’, March 6, 2014

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シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官は「我々はシリア人のみと交渉する。シリア国民を殺害している外国の民兵が政治的解決に向けた交渉に参加することを受け入れない」と述べた。

この発言は、シリアの反体制勢力がヒズブッラーと交渉することが紛争解決に資するとした露バード・フォード前駐シリア米大使の発言を受けたもの。

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自由シリア軍創設者のリヤード・アスアド大佐は、『クドス・アラビー』(3月6日付)の取材に対し、トルコのアダナ市・アンカラ市間の街道で自身が乗っていた自動車が交通事故(4日)に遭い、息子のムハンマド氏(17歳)が死亡したことに関して、アサド政権による暗殺未遂だとする一部情報を否定した。

アスアド大佐は、妻の弟が運転する車で、妻、ムハンマド氏とともにアダナ市に向かって移動中に、車が路肩のフェンスに衝突し、事故に遭ったと述べている。

AFP, March 6, 2014、AP, March 6, 2014、ARA News, March 6, 2014、Champress, March 6, 2014、al-Hayat, March 7, 2014、Iraqinews.com, March 6, 2014、Kull-na Shuraka’, March 6, 2014、Naharnet, March 6, 2014、NNA, March 6, 2014、al-Quds al-‘Arabi, March 6, 2014、Reuters, March 6, 2014、SANA, March 6, 2014、UPI, March 6, 2014などをもとに作成。

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2014年3月5日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長が、アフマド・ムスタファー移行期政府国防大臣、自由シリア軍参謀委員会幹部と、4、5日の2日間にわたってトルコで会合を開き、反体制武装集団の再編、政治組織との関係再構築について協議したと発表した。

Kull-na Shuraka', March 5, 2014
Kull-na Shuraka’, March 5, 2014

会合に参加した自由シリア軍幹部は、アブドゥルイラーフ・バシール参謀長、南部戦線司令官のズィヤード・ファフド准将、北部戦線司令官のアブドゥルバースィト・タウィール大佐、西部中部戦線司令官のムスタファー・ハーシム大佐、ヒムス戦線司令官のファーティフ・ハッスーン大佐、東部戦線司令官のムハンマド・アッブード中佐、ダルアー軍事評議会議長のアフマド・ニウマ大佐、南部戦線革命司令官のバッシャール・ズウビー氏。

Kull-na Shuraka', March 5, 2014
Kull-na Shuraka’, March 5, 2014

会合では、ムスタファー国防大臣の辞任の受理、副大臣による執務の代行を承認するとともに、サリーム・イドリース氏の参謀長職から解任し、ジャルバー代表の軍事問題顧問に任命することも決定された。

このほか会合では参謀委員会を「拡大」することを確認した。

al-Hayat, March 7, 2014、Kull-na Shuraka’, March 5, 2014などをもとに作成。

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2014年3月5日のシリア情勢:反体制勢力の動き

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の元戦闘員でサウジアラビア人のスライマーン・サウード・スバイイー氏はKeek.comを通じてサウジアラビア国営テレビ第1チャンネル(KSA1、2014年3月6日付)のインタビューに応じ、シリア国内で活動するジハード主義武装集団の内紛状態を暴露した。

「サンブティーク」の名で知られるスバイイー氏(25歳)は、ダーイシュの幹部のほとんどがイラク人とシリア人から構成され、彼らがサウジ人青年をシリアでの戦闘に参加させるための勧誘・宣伝活動を行っていると述べた。

al-Anha', March 4, 2014
al-Anha’, March 4, 2014

ダーイシュの幹部らはスバイイー氏に、ビデオ声明に出演し、サウジ人青年の勧誘を行うようたびたび求めてきたが、スバイイー氏はこれを断ってきたという。

スバイイー氏によると、シリアでの戦闘に参加しているサウジ人青年はそのすべてが戦闘員で、ほとんどが詳細を知らされないままに最前線に配備されているという。

また最前線に送られたサウジ人部隊どうしが「互いに背教宣告を出し合い、サウジ人どうしで戦うことを求める命令も下されてきた」という。

スバイイー氏はそのうえで「背教宣告は武装集団どうしでなされるだけなく、シリア国外にもおよび、サウジアラビアの為政者、宗教関係者などにも及び、シリア政府への戦闘は武装集団どうしの戦いに取って代わり、ジハードと言えるようなものは皆無だった」と証言した。

スバイイー氏によると、ダーイシュは彼のツイッターのアカウントを勝手に使用し、扇動的なメッセージを発信、スバイイー氏がアカウントの閉鎖を申し出ると、「戦闘に集中せよ」と拒否されたという。

スバイイー氏は、シリアでの戦闘参加の経緯に関して、サウジアラビアを出国したのち、カタールとトルコを経由して、シリアに潜入したことを明らかにした。

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シリア革命総合委員会広報局は声明を出し、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区でシリア軍が化学兵器を使用し、5人が呼吸困難に陥ったと発表した。

AFP, March 5, 2014、AP, March 5, 2014、ARA News, March 5, 2014、Champress, March 5, 2014、al-Hayat, March 6, 2014、Iraqinews.com, March 5, 2014、Kull-na Shuraka’, March 5, 2014、Naharnet, March 5, 2014、NNA, March 5, 2014、Reuters, March 5, 2014、SANA, March 5, 2014、UPI, March 5, 2014などをもとに作成。

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2014年3月4日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

クッルナー・シュラカー(3月4日付)は、アフマド・ムアーッズ・ハティーブ氏(シリア革命反体制勢力国民連立前議長)の大統領選挙(2014年7月)への出馬を支持するフェイスブックのページがハティーブ氏自身の要請により閉鎖されたと伝えた。

同報道によると、このページはハティーブ氏自身の要請によって開設されたが、ハティーブ氏はこれを否定している。

Kull-na Shuraka’, March 4, 2014などをもとに作成。

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