シリア軍はダーイシュ(イスラーム国)からジャズル・ガス田を死守、「穏健な反体制派」は「安全保障地帯」のハルジャラ村奪還に失敗(2015年9月8日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が完全制圧したとされるジャズル村一帯で、シリア軍とダーイシュが交戦した。

『ハヤート』(9月8日付)などは、7日にシリア政府がジャズル・ガス採掘所一帯を放棄し、技術者、職員を撤収したと伝えたが、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表も「シリア軍は(ガス採掘所の)複合施設内へのダーイシュの侵入を阻止している」と述べ、ガス採掘所を含む一帯を制圧したとするダーイシュ・ヒムス州の声明(6日)の内容を否定した。

また『ワタン』(9月8日付)によると、ヒムス県のタラール・バラーズィー県知事も、「ダーイシュは土曜日(5日)にジャズル村一帯の拠点5カ所を制圧したが、シリア軍はその後、これらの拠点を奪還した」と述べ、ガス採掘所放棄に関する報道を否定した。

シリア政府高官もロイター通信(9月8日付)に対し、「彼ら(ダーイシュ)は複数の拠点を制圧しようとしたが、攻撃は失敗した」と答えた。

シリア人権監視団によると、ジャズル・ガス採掘所一帯以外にも、シリア軍とダーイシュは、シャーイル・ガス採掘所一帯、タドムル市西部郊外の柑橘農園一帯でも激しく交戦し、ダーイシュ戦闘員8人が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、米トルコ両政府が設置合意した「安全地帯」にある反体制武装集団の拠点都市マーリア市近郊のハルジャラ村で、反体制武装集団が攻勢をかけたが、ダーイシュ(イスラーム国)がこれを撃退した。

反体制武装集団はハルジャラ村奪還を試みていたが、この戦闘で戦闘員14人以上を失った。 一方、SANA(9月8日付)によると、アレッポ県東部のアルバイド村、航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、マーリキーヤ市で大きな爆発が発生した。 この爆発に関して、ダーイシュ(イスラーム国)バラカ州がツイッターを通じて声明を出し、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の武器庫を爆破したと発表した。

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米中央軍(CENTCOM)は、9月8日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して17回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回におよび、フール町近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, September 8, 2015、AP, September 8, 2015、ARA News, September 8, 2015、Champress, September 8, 2015、al-Hayat, September 9, 2015、Iraqi News, September 8, 2015、Kull-na Shuraka’, September 8, 2015、al-Mada Press, September 8, 2015、Naharnet, September 8, 2015、NNA, September 8, 2015、Reuters, September 8, 2015、SANA, September 8, 2015、UPI, September 8, 2015などをもとに作成。

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シリアの国連代表大使「民間人保護を口実とした過剰な人道主義に基づく主権侵害は国際法違反」(2015年9月8日)

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表大使は、安保理の非公式会合で、「民間人保護に関わる問題を政治化し、過剰に人道主義に訴えて対処し、主権侵害を正当化するために彼らの被害に乗じようとする姿勢は、国連憲章や国連における諸決議に反している」と主張した。

SANA(9月8日付)が伝えた。

AFP, September 8, 2015、AP, September 8, 2015、ARA News, September 8, 2015、Champress, September 8, 2015、al-Hayat, September 9, 2015、Iraqi News, September 8, 2015、Kull-na Shuraka’, September 8, 2015、al-Mada Press, September 8, 2015、Naharnet, September 8, 2015、NNA, September 8, 2015、Reuters, September 8, 2015、SANA, September 8, 2015、UPI, September 8, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)によるジャズル村(ヒムス県)完全制圧を受け、シリア政府は「最後の大規模油田」ジャズル・ガス田を放棄(2015年9月7日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、6日にダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州がジャズル村一帯を完全制圧したのを受け、ジャズル・ガス採掘所の技術者、就労者らが設備、機器を破壊・焼却して撤収、シリア政府は「2,500バレル/日の生産量を誇っていた最後の大規模油田」を放棄・喪失した。

シリアは「アラブの春」が波及した2011年には38万バレル/日の石油を生産していたが、2014年には9,329バレル/日にまで生産量が落ち込んでいた。

同監視団によると、ヒムス県東部では、ジャズル・ガス採掘所一帯などで、シリア軍とダーイシュが散発的な戦闘を続ける一方、柑橘農園一帯でも戦闘が続いた。

一方、SANA(9月7日付)によると、タドムル市西部校外、柑橘農園一帯、ジャズル・ガス採掘所一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市北部および西部各所に対して有志連合が空爆を行い、ダーイシュ(イスラーム国)メンバー16人以上が死亡した。

地元活動家によると、死亡した16人のうち5人が外国人(ウズベク人、エジプト人、チュニジア人、モロッコ人)、11人がシリア人だという。

また、ARA News(9月7日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室が、ラッカ市北部のヒーシャ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」内の反体制武装集団の拠点都市マーリア市一帯、ハルジャラ村一帯、ダフラ村一帯、ハルバル村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)とジハード主義武装集団の戦闘が続いた。

これに関して、ARA News(9月7日付)は、アレッポ・ファトフ作戦司令室がダーイシュとの戦闘の末、ハルジャラ村の大部分を制圧したと伝えた。

アレッポ・ファトフ作戦司令室は、2015年3月にイドリブ県のほぼ全域を制圧したファトフ軍に倣って、アレッポ県で活動する武装集団が2015年5月に結成した連合組織。

ヌールッディーン・ザンキー運動、ムジャーヒディーン軍、スンナ軍、アブー・アマーラ大隊、第101歩兵師団、第16師団、第13師団、ファトフ旅団、スルターン・ムラード旅団、フルサーン・ハック旅団、山地の鷹旅団、ハック旅団、フルカーン旅団、バヤーリク・イスラーム運動からなる。
一方、SANA(9月7日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(9月7日付)によると、サアド村一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(9月7日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタッル・ブラーク町近郊の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊拠点を攻撃した。

また、クッルナー・シュラカー(9月7日付)によると、カーミシュリー市でサナーディード軍を構成する部隊の隊員(ズィーブ・ウワイナーン大隊の隊員とフサイニーヤ大隊の隊員)が口論の末に撃ち合いとなり、負傷した。

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米中央軍(CENTCOM)は、9月7日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して19回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は5回におよび、フール町(ハサカ県)近郊(1回)、アイン・イーサー市近郊(1回)、マーリア市近郊(3回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, September 7, 2015、Alarabia.net, May 7, 2015、AP, September 7, 2015、ARA News, September 7, 2015、Champress, September 7, 2015、al-Hayat, September 8, 2015、Iraqi News, September 7, 2015、Kull-na Shuraka’, September 7, 2015、al-Mada Press, September 7, 2015、Naharnet, September 7, 2015、NNA, September 7, 2015、Reuters, September 7, 2015、SANA, September 7, 2015、UPI, September 7, 2015などをもとに作成。

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ヨルダンを拠点とする反体制派は、ダーイシュ(イスラーム国)に勝てないとの理由でダルアー県で活動する反体制武装集団への支援を停止(2015年9月7日)

マサール・プレス(9月7日付)は、ヨルダン国内に作戦司令室を置くシリアの反体制派がダルアー県で活動する反体制武装集団への物的支援、兵站支援を停止したと伝えた。

ヨルダン国内で活動する反体制派が、「ダーイシュ(イスラーム国)との戦いにおいて勝利できず、またダーイシュの細胞と戦う能力がない」というのが理由だという。

ダルアー県では、バイト・サフム村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団(かつては自由シリア軍に所属)と、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線および自由シリア軍南部戦線を構成する武装集団が対立を続けている。

AFP, September 7, 2015、AP, September 7, 2015、ARA News, September 7, 2015、Champress, September 7, 2015、al-Hayat, September 8, 2015、Iraqi News, September 7, 2015、Kull-na Shuraka’, September 7, 2015、al-Mada Press, September 7, 2015、Masar Press Agency, September 7, 2015、Naharnet, September 7, 2015、NNA, September 7, 2015、Reuters, September 7, 2015、SANA, September 7, 2015、UPI, September 7, 2015などをもとに作成。

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ロシア外務省報道官「ロシアは、テロと戦うシリア当局に軍備を供与していることを隠したことなどない」(2015年9月7日)

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、5日に行われたセルゲイ・ラブロフ外務大臣とジョン・ケリー米国務長官の電話会談に関して、「ロシア側は、これまでに1日たりとも、テロと戦うシリア当局に軍備を供与していることを隠したことなどない…。引き続きこうした支援を行う」と述べた。

ザハロワ報道官はまた「シリア軍こそが、ダーイシュ(イスラーム国)などのテロリストに対してもっとも有効に戦っている軍だ」と強調した。

そのうえで、「ロシアは外国の元首の任命や退任に関与することはない…。これはシリア、そして中東地域の他の国自体に関わる問題で、これらの国の国民は自分たちの国の運命を決めることができる」と述べ、アサド政権の退陣を要求する欧米諸国には同調しないとの姿勢を改めて示した。

AFP, September 7, 2015、AP, September 7, 2015、ARA News, September 7, 2015、Champress, September 7, 2015、al-Hayat, September 8, 2015、Iraqi News, September 7, 2015、Kull-na Shuraka’, September 7, 2015、al-Mada Press, September 7, 2015、Naharnet, September 7, 2015、NNA, September 7, 2015、Reuters, September 7, 2015、SANA, September 7, 2015、UPI, September 7, 2015などをもとに作成。

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ロシアによる軍事支援強化に先んじて、英首相は8月にラッカ市を単独爆撃したと認める一方、仏大統領もシリア爆撃に向けた偵察飛行を開始すると発表(2015年9月7日)

英国のデヴィッド・キャメロン首相は、英議会下院で、英空軍が8月21日に無人戦闘機でシリア領内のラッカ市を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーの英国人2人を含む3人を殺害したと証言した。

殺害されたメンバーの1人はレヤード・ハーン容疑者(21歳、カーディフ出身)で、ハーン容疑者は、2014年にダーイシュへの勧誘ビデオに登場、キャメロン首相によると「明白かつ現在の危険」だったという。

キャメロン首相は下院議員に対し「自衛行為として、また綿密な作戦計画のもと、レヤード・ハーンは、8月21日に英空軍の遠隔操作無人戦闘機の正確な空爆により殺害された。空爆時、彼はシリアのラッカを車で移動中だった…。空爆の標的であるレヤード・ハーンのほかにも、2人の仲間が殺害された。そのうち1人、ルフル・アミンも英国籍であることが確認されている。彼らは戦闘員で、民間人に犠牲者が出なかったと確信している」と述べた。

空爆は、米国が主導する有志連合の枠内ではなく、英国単独で実施されたという。

『ガーディアン』(9月7日付)などが伝えた。

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フランスのフランソワ・オランド大統領はパリで記者会見を開き、対シリア政策を方針転換し、シリア領内でダーイシュ(イスラーム国)に対する空爆を行う、と発表した。

オランド大統領はこれまで、イラク領内のダーイシュに対する有志連合の空爆には参加してきたが、アサド政権に利するとの理由で、シリア領内での空爆を見送ってきた。

記者会見で、オランド大統領は「私は国防省に対し、明日(8日)からシリア上空での偵察飛行を行い、ダーイシュに対する空爆を計画するよう要請した」と述べた。

オランド大統領は、シリア領内への地上部隊の派遣については、派遣部隊が「占領軍になりかねない」と述べ、「必然性がなく、非現実的だ」として否定、「自らの責任を果たすのは(フランスではなく)地域諸国の部隊であり、フランスは政治的解決策をもたらすために活動する」と表明した。

そのうえで、シリア情勢に関しては、アサド大統領の退陣が紛争解決の「本質」をなすと改めて述べた。

AFP(9月7日付)などが伝えた。

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英仏両首脳の発表に先立ち、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は4日、「シリア政府への軍事、技術支援を続ける」と述べる一方、『ニューヨーク・タイムズ』(9月4日付)などが、ロシアがシリア政府への軍事支援を強化しようとしていると伝えていたが、英仏はロシアに先んじて、シリアに軍事介入することになる。

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『ハヤート』(9月8日付)は、ギリシャ外務省消息筋の話として、ギリシャ政府当局が、9月1日から24日にかけてギリシャ領空のロシア軍機の通過を阻止するよう求める米国からの要請への対応を検討している、と報じた。

同消息筋は匿名を条件に「我々は土曜日(5日)に要請を受け、検討している」と語った。

AFP, September 7, 2015、AP, September 7, 2015、ARA News, September 7, 2015、Champress, September 7, 2015、The Guardian, September 7, 2015、al-Hayat, September 8, 2015、Iraqi News, September 7, 2015、Kull-na Shuraka’, September 7, 2015、al-Mada Press, September 7, 2015、Naharnet, September 7, 2015、NNA, September 7, 2015、Reuters, September 7, 2015、SANA, September 7, 2015、UPI, September 7, 2015などをもとに作成。

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『ハヤート』:ロシアによる軍事支援増強は、6月のムアッリム外相のモスクワ訪問時に具体的に検討されていた(2015年9月7日)

『ハヤート』(9月7日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、ロシアのヴラジミール・プーチンに大統領が4日に「シリア政府への軍事、技術支援を続ける」と述べたことに関連して、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が6月末にロシアを訪問した際に、ロシアによる軍事支援について具体的に意見が交わされたと伝えた。

同紙のハミーディー記者は、「『ハヤート』紙の豊富な情報に基づいて」、ムアッリム大臣のロシア訪問およびそれに先だって行われたアリー・マムルーク国民安全保障会議議長の極秘訪問において、ロシア軍上級士官のシリアへの派遣、ロシア空軍による空爆実施、MiG31戦闘機や偵察機の供与、武器弾薬・装備、兵員輸送車輌の供与、ラタキア県での反体制武装集団との戦闘へのロシア軍の参加、タルトゥース市にあるロシア海軍の軍港の改築(拡大)などについての検討がなされた、と記している。

ハミーディー記者によると、プーチン大統領は、アサド大統領からの正式要請に基づき、1980年に締結された友好協力同盟の活性化するかたちで、シリア駐留ロシア軍の増強を決定したという。

複数の消息筋によると、ロシア政府は今のところシリアに地上部隊を派遣していないが、派遣はダーイシュ(イスラーム国)に対する地域同盟の結成の有無にかかっているという。

AFP, September 6, 2015、AP, September 6, 2015、ARA News, September 6, 2015、Champress, September 6, 2015、al-Hayat, September 7, 2015、Iraqi News, September 6, 2015、Kull-na Shuraka’, September 6, 2015、al-Mada Press, September 6, 2015、Naharnet, September 6, 2015、NNA, September 6, 2015、Reuters, September 6, 2015、SANA, September 6, 2015、UPI, September 6, 2015などをもとに作成。

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米国防総省は「穏健な反体制派」への軍事教練プログラムの「重大な欠陥」を認め、抜本的改革に乗り出す(2015年9月6日)

『ニューヨーク・タイムズ』(9月6日付)は、米国防総省が、ダーイシュ(イスラーム国)掃討を目的として米軍行っている「穏健な反体制派」の軍事教練プログラムの「重大な欠陥」を認め、その抜本的改革を行うための計画を策定していると伝えた(http://www.nytimes.com/2015/09/07/world/middleeast/us-to-revamp-training-program-to-fight-isis.html?_r=0)。

この改革により、米トルコ両政府が設置合意した「安全地帯」に多数の戦闘員を派遣するとともに、彼らの戦闘技術の向上、良質の情報の提供などがめざされるという。

この改革計画は、米軍の教練を修了後シリア領内に派遣された第30(歩兵)師団(54人)が、アレッポ県アアザーズ市郊外でアル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線に襲撃され、司令官らを拉致されたことを受けて、立案が開始されたという。

ヌスラ戦線の襲撃などから、①「穏健な反体制派」が敵の攻撃に対して充分な備えができないない、②あまりにも小規模でシリア領内に派遣された、③地元住民の支援を受けられなかった、④敵に関する諜報を欠いていた、④戦闘員の多くがイード(ラマダーン明けの祭日)に、家族や親戚がいるシリア国内やトルコ領内の避難民キャンプに戻ったまま、隊に復帰しなかった、といった欠陥が明らかになったという。

国防総省では、こうした欠陥を解消するための改革計画を策定中だという。

The New York Times, September 6, 2015などをもとに作成。

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英財務大臣「避難民流入問題の根本である邪悪なアサド体制とダーイシュ(イスラーム国)に対処すべき」(2015年9月6日)

英国のジョージ・オズボーン財務大臣はG20財務相会議出席のために訪問中のトルコで、シリア情勢について「問題(欧州への避難民の流入)に根本、すなわち邪悪なアサド体制とダーイシュ(イスラーム国)のテロリストに対処すべきだ。シリアに安定と平和をもたらすための包括的な計画が不可欠だ」と述べた。

ロイター通信(9月6日付)が伝えた。

SANA(9月6日付)によると、これに対して、シリアの外務在外居住者省はただちに反応し、国連安保理議長および事務総長に宛てて書簡を送り、英国こそがジハード・ジョンなどのテロリストをシリアに送り込んでいるテロ支援国家で、シリアの混乱の根本をなしている、と反論した。

AFP, September 6, 2015、AP, September 6, 2015、ARA News, September 6, 2015、Champress, September 6, 2015、al-Hayat, September 7, 2015、Iraqi News, September 6, 2015、Kull-na Shuraka’, September 6, 2015、al-Mada Press, September 6, 2015、Naharnet, September 6, 2015、NNA, September 6, 2015、Reuters, September 6, 2015、SANA, September 6, 2015、UPI, September 6, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)がヒムス県中部のジャズル・ガス田一帯を完全制圧か?(2015年9月6日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」にあるハワール・キリス村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)とジハード主義武装集団が交戦した。

また有志連合がスィッリーン町郊外のムライハ村一帯のダーイシュ拠点などを空爆した。

一方、ARA News(9月7日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がアレッポ県の拠点都市の一つであるバーブ市で、クルド人男性2人(活動家)を処刑した。

このほか、SANA(9月6日付)によると、航空士官学校一帯、アルバイド村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)ラッカ州の宗教警察(ヒスバ)が「顎髭を剃った」との理由で若者2人を逮捕した。

またクッルナー・シュラカー(9月6日付)などによると、ラッカ州教育局のアブー・ワドル局長が、義務教育制度を実施することを決定した。

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ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(9月6日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州広報局が、ジャズル・ガス採掘所を要するジャズル村を完全制圧したと発表した。

ダーイシュは4日からジャズル・ガス採掘所一帯への攻勢を強めていた。

一方、SANA(9月6日付)によると、タドムル市、ジャズル・ガス採掘所一帯、ジュッブ・ジャッラーフ村郊外で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、9月6日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して15回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は4回におよび、ラッカ市近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)、タマフ村(アレッポ県バーブ市近郊のウンム・タマフ村のこと)近郊(2回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, September 6, 2015、AP, September 6, 2015、ARA News, September 6, 2015、Champress, September 6, 2015、al-Hayat, September 7, 2015、Iraqi News, September 6, 2015、Kull-na Shuraka’, September 6, 2015、al-Mada Press, September 6, 2015、Naharnet, September 6, 2015、NNA, September 6, 2015、Reuters, September 6, 2015、SANA, September 6, 2015、UPI, September 6, 2015などをもとに作成。

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シリア・ムスリム同胞団はアサド政権との権力分有を拒否(2015年9月6日)

シリア・ムスリム同胞団幹部でシリア革命反体制勢力国民連立政治委員会メンバーのファールーク・タイフール氏は、「アサド大統領が権力を分有する用意がある」とのロシアのヴラジミール・プーチン大統領の発言に関して、サウジアラビア日刊紙『ウカーズ』(9月5日付)に対し、「アサド政権との権力分有を拒否する」と述べた。

AFP, September 6, 2015、AP, September 6, 2015、ARA News, September 6, 2015、Champress, September 6, 2015、al-Hayat, September 7, 2015、Iraqi News, September 6, 2015、Kull-na Shuraka’, September 6, 2015、al-Mada Press, September 6, 2015、Naharnet, September 6, 2015、NNA, September 6, 2015、Reuters, September 6, 2015、SANA, September 6, 2015、‘Ukaz, September 6, 2015、UPI, September 6, 2015などをもとに作成。

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ケリー米国務長官はラブロフ露外相との電話会談で、シリア政府への軍事支援強化への懸念を伝える(2015年9月5日)

ジョン・ケリー米国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は電話会談を行い、シリア情勢などへの対応について意見を交わした。

電話会談で、ケリー米国務長官はラブロフ外務大臣に対して、ロシアがシリア政府への軍事支援を強化しているとする報道について、「こうしたレポートが本当であれば、紛争を激化させ、さらに多くの無実の人の命を奪い、難民を流出させ、ダーイシュ(イスラーム国)と戦う有志連合を危険にさらすことになる」との懸念を伝えた。

ARA News(9月6日付)などが伝えた。

AFP, September 6, 2015、AP, September 6, 2015、ARA News, September 6, 2015、Champress, September 6, 2015、al-Hayat, September 7, 2015、Iraqi News, September 6, 2015、Kull-na Shuraka’, September 6, 2015、al-Mada Press, September 6, 2015、Naharnet, September 6, 2015、NNA, September 6, 2015、Reuters, September 6, 2015、SANA, September 6, 2015、UPI, September 6, 2015などをもとに作成。

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トルコ当局は、海岸でシリア人幼児が遺体で発見された事件で、シリア人4人を逮捕(2015年9月5日)

ARA News(9月6日付)によると、トルコ治安当局が、シリア人幼児アイラーン・クルディーくん(本名アーラーン・シャンノー)が溺死し、トルコ海岸で遺体で発見された事件に関して、アイラーンくんの家族らが乗っていたボートを操舵していたシリア人1人を含むシリア人4人を逮捕したと発表した。

逮捕されたのは、アリー・フサイン容疑者、ハサン・サーリフ容疑者、ハーリド・シャアバーン容疑者、ムスタファー・ハリール容疑者の4人。

AFP, September 6, 2015、AP, September 6, 2015、ARA News, September 6, 2015、Champress, September 6, 2015、al-Hayat, September 7, 2015、Iraqi News, September 6, 2015、Kull-na Shuraka’, September 6, 2015、al-Mada Press, September 6, 2015、Naharnet, September 6, 2015、NNA, September 6, 2015、Reuters, September 6, 2015、SANA, September 6, 2015、UPI, September 6, 2015などをもとに作成。

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シリア政府支持者がSNSでロシア軍兵士とシリア軍兵士が写った写真を公開(2015年9月5日)

ARA News(9月6日付)は、シリア政府支持者がSNSなどで、ロシア軍兵士と思われる男性らとシリア軍兵士が写っている写真を公開したと報じた。

これに関してタルトゥース市の住民の一人(匿名)は、ARA Newsに対して、「タルトゥース市や(地中)海岸地方でロシア軍兵士を見ることは珍しいことではない。タルトゥース市には(ロシアの)海軍基地があり、そこにはロシア軍兵士が駐留しており、日常的に外出している」と答えた。

ARA News, September 6, 2015
ARA News, September 6, 2015

AFP, September 6, 2015、AP, September 6, 2015、ARA News, September 6, 2015、Champress, September 6, 2015、al-Hayat, September 7, 2015、Iraqi News, September 6, 2015、Kull-na Shuraka’, September 6, 2015、al-Mada Press, September 6, 2015、Naharnet, September 6, 2015、NNA, September 6, 2015、Reuters, September 6, 2015、SANA, September 6, 2015、UPI, September 6, 2015などをもとに作成。

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アレッポ県北部の「安全保障地帯」でダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団の戦闘が続くなか、「穏健な反体制派」のシャーム戦線は、米軍の軍事教練を受けた「第30師団はいない」と主張(2015年9月5日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」における反体制武装集団の拠点都市マーリア市一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団が戦闘を続け、ダーイシュ戦闘員27人と、反体制武装集団側20人が死亡した。

双方の戦闘が続くなか、有志連合はマーリア市近郊のタラーリーン村を空爆した。

有志連合はまた、ダーイシュの支配下にあるダイル・ハーフィル市に対しても空爆を行った。

一方、ダーイシュに対する戦闘を主導していると思われるジハード主義武装集団の連合組織のシャーム戦線は、米国の軍事教練を受け、マーリア市に進駐したとされる第30師団が「安全地帯」に展開していないと発表した。

第30師団は、同地への進駐を拒否していたアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線との調整の末、マーリア市に進駐し、ダーイシュとの戦いを開始したと主張していた。

こうしたなか、AKI(9月5日付)は、複数の外交筋の情報として、米軍の軍事教練を受けた第30師団を監督する上級士官(離反士官)が、今年末までに1,500人の戦闘員をシリア領内に派遣することをめざしていることを明らかにしたと伝えた。

このほか、SANA(9月5日付)によると、航空士官学校一帯、アルバイド村、ナアーム丘一帯、タッル・イスタブル村などで、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市郊外の第17師団基地を有志連合が空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シャーイル・ガス採掘所一帯、ジャズル・ガス採掘所一帯でシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦する一方、シリア軍がカルヤタイン市を空爆した。

また、SANA(9月5日付)によると、シリア軍は、ジャズル・ガス採掘所一帯を空爆するとともに、国防隊とともにダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、ダーイシュからイスラーム教徒への改宗か、ジズヤ支払いか、退去のいずれかの選択を迫まられていたカルヤタイン市住民のうち、女性、子供約15人が同市から退去し、ダーイシュ支配地域の外に到着した。

他方、ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州は、カルヤタイン市でのシリア軍との戦闘で、ヨルダン人司令官のハーズィム・ムナイズィル・アブー・ルンマーン氏(アブー・カアカーア)が死亡したと発表した。

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スワイダー県では、SANA(9月5日付)によると、サアド村一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合がタッル・ブラーク町南部郊外のダーイシュ(イスラーム国)支配地域を空爆した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団と、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団がサフム・ジャウラーン村一帯で交戦した。

AFP, September 5, 2015、AKI, September 5, 2015、AP, September 5, 2015、ARA News, September 5, 2015、Champress, September 5, 2015、al-Hayat, September 6, 2015、Iraqi News, September 5, 2015、Kull-na Shuraka’, September 5, 2015、al-Mada Press, September 5, 2015、Naharnet, September 5, 2015、NNA, September 5, 2015、Reuters, September 5, 2015、SANA, September 5, 2015、UPI, September 5, 2015などをもとに作成。

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反体制派は、ザバダーニー市(ダマスカス郊外県)、フーア市、カファルヤー町(イドリブ県)の停戦に向けて、アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動に代えて新たな交渉団を発足(2015年9月5日)

『ハヤート』(9月6日付)によると、トルコのイスタンブールで活動する反体制組織のシリア・イスラーム最高評議会は、ダマスカス郊外県ザバダーニー市、イドリブ県フーア市、カファルヤー町での停戦に関して、シリア政府側との交渉を行うための新たな交渉団を発足したと発表した。

またイドリブ県で活動するファトフ軍に所属するシャーム軍団も声明を出し、シリア・イスラーム最高評議会が発足した新たな交渉団を支持し、その合意事項を遵守すると発表した。

ザバダーニー市、フーア市、カファルヤー町の停戦をめぐる交渉は、これまでアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動が反体制武装集団を代表して行ってきたが、新代表団はこれに代わるものと見られる。

AFP, September 5, 2015、AP, September 5, 2015、ARA News, September 5, 2015、Champress, September 5, 2015、al-Hayat, September 6, 2015、Iraqi News, September 5, 2015、Kull-na Shuraka’, September 5, 2015、al-Mada Press, September 5, 2015、Naharnet, September 5, 2015、NNA, September 5, 2015、Reuters, September 5, 2015、SANA, September 5, 2015、UPI, September 5, 2015などをもとに作成。

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『ニューヨーク・タイムズ』はロシアがシリア政府に対して大規模な軍事支援を計画していると伝える(2015年9月4日)

『ニューヨージュ・タイムズ』(9月4日付)は、ロシアがシリアに先遣隊を派遣したほか、シリア国内の飛行場に数百人の舞台を収容できるプレハブ設備を輸送したとしたうえで、ロシアがシリア政府に対して大規模な軍事支援を計画しているものと思われると伝えた。

The New York Times, September 4, 2015などをもとに作成。

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トルコ海岸で遺体で発見されたシリア人幼児の父親の素性(2015年9月4日)

クッルナー・シュラカー(9月4日付)は、フェイスブックの情報として、2日にギリシャにボートで移動中に遭難し、トルコ海岸で遺体として発見されたアイラーン・クルディーくん(本名アイラーン・シャンヌー、クルド語名アーラーン・シャンノー)の父親のアブドゥッラー・クルディー氏(36歳)が、シリアの空軍情報部の拘置所で5ヶ月拘留されていたとしたうえで、自分の店を売却し、500万シリア・ポンドを賄賂として支払うことで釈放されていたとの素性を紹介した。

アブドゥッラー氏は拘留中の拷問により、すべての歯を抜かれたという。

Kull-na Shuraka', September 4, 2015
Kull-na Shuraka’, September 4, 2015

AFP, September 4, 2015、AP, September 4, 2015、ARA News, September 4, 2015、Champress, September 4, 2015、al-Hayat, September 5, 2015、Iraqi News, September 4, 2015、Kull-na Shuraka’, September 4, 2015、al-Mada Press, September 4, 2015、Naharnet, September 4, 2015、NNA, September 4, 2015、Reuters, September 4, 2015、SANA, September 4, 2015、UPI, September 4, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)がUNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡の塔墓三つも破壊(2015年9月4日)

シリアの遺跡博物館局のマアムーン・アブドゥルカリーム局長はAFP(9月4日付)に対し、UNESCO世界文化遺産に登録されているヒムス県タドムル市にあるパルミラ遺跡の塔墓三つが、同地を占拠するダーイシュ(イスラーム国)によって新たに破壊されたことを明らかにした。

塔墓は紀元44年から103年にかけて建設されたもの。

ダーイシュによるパルミラ遺跡の遺構破壊は、ライオン像、バール・シャミーン神殿、ベル神殿に続いて4件目。

http://www.discover-syria.com/
http://www.discover-syria.com/

マサール・プレス(9月4日付)によると、フルクルス町一帯、マヒーン町一帯、シャーイル山(ハマー県)西部一帯、ジャズル・ガス採掘所一帯で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、シリア軍兵士4人が死亡した。

一方、SANA(9月4日付)によると、ジャズル・ガス採掘所一帯、ワーディー・アブヤド、バイヤラート村東部、タール山一帯、スフナ市、カルヤタイン市、ウンム・リーシュ村、ウンム・サフリージュ村、東ヒブラ村、ウンム・トゥワイナ村、マヌーフ村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(9月4日付)によると、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」における反体制武装集団の拠点都市マーリア市に対してダーイシュ(イスラーム国)が3日深夜から激しい攻撃を開始し、双方合わせて数十人が死傷した。

一方、マーリア市に隣接するサンダフ村では、シャーム戦線がダーイシュの攻撃に応戦、これを撃退したという。

他方、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)による包囲が続くクワイリス航空基地一帯をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆した。

また、SANA(9月4日付)によると、航空士官学校一帯、サフィーラ市郊外のタッル・リーマーン村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線が占拠を続けるヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯に対して、シリア軍が砲撃を再開した。

またヤルムーク区に隣接するタダームン区にも迫撃砲弾2発が着弾、爆発した。

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ダルアー県で活動する南部自由人部族連合は声明を出し、ラジャー高地一帯でダーイシュ(イスラーム国)掃討に向けた戦いを開始すると発表した。

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米中央軍(CENTCOM)は、9月4日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して33回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は8回におよび、ラッカ市近郊(1回)、マーリア市近郊(6回)、タッル・アブヤド市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, September 4, 2015、AP, September 4, 2015、ARA News, September 4, 2015、Champress, September 4, 2015、al-Hayat, September 5, 2015、Iraqi News, September 4, 2015、Kull-na Shuraka’, September 4, 2015、September 5, 2015、al-Mada Press, September 4, 2015、Masar Press Agency, September 4, 2015、Naharnet, September 4, 2015、NNA, September 4, 2015、Reuters, September 4, 2015、SANA, September 4, 2015、UPI, September 4, 2015などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領、シリアへの直接軍事介入を否定する一方、「アサド大統領は早期に国会選挙を行い、建設的野党・反体制派と権力を分有する準備ができている」と発言(2015年9月4日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、ウラジオストク市で開催中の経済フォーラムで、ロシア軍がシリアに戦闘機や部隊を派遣したとの一部報道に関して、「我々はさまざまな可能性を検討しているが、ダーイシュ(イスラーム国)に対する軍事作戦への参加は議題になっていない。それはまだ時期尚早だ。我々はシリア、そして地域諸国と協議を続けるつもりだ」と述べ、ロシア軍がシリアに部隊を派遣したとの一部情報を否定した。

SANA, September 4, 2015
SANA, September 4, 2015

プーチン大統領はまた、ロシア政府が引き続き、シリアに軍事、技術支援を行うとしたうえで、「ロシアはもともと、シリアに対して、軍備増強と我々が武器供与した部隊の能力向上という二つのレベルで重要な支援を行ってきた」と付言した。

しかし、武器、技術支援の詳細については言及しなかった。

一方、米国主導の有志連合によるシリア、イラクでのダーイシュ(イスラーム国)空爆に関して、プーチン大統領は「効果はない」と批判した。

さらにシリアの紛争をめぐっては、「アサド大統領は早期に国会選挙を行い、建設的野党・反体制派と権力を分有する準備ができている」と述べ、シリア政府を擁護した。

また、ダーイシュ壊滅のための地域・国際同盟を結成すべきだという、という自身の提言を改めて強調し、「我々は米国と協議している。この問題に関してバラク・オバマ米大統領と個人的に話しをしている。我々はまた、トルコ、サウジアラビア、ヨルダンなどの国の指導者ともこの問題について協議している」と明言、「少なくとも、ある種の協調態勢が構築されなければ、テロとの戦いに関心があるこれらすべての国が戦場で共同行動を行うことは現段階では不可能だ」と力説した。

そのうえで、シリア紛争の解決の方向性について「シリアでの政治プロセスと並行して、テロとの戦いへの努力の結集が進められねばならないという点で、原則的に相互理解がある」と述べた。

このほか、欧州への中東・北アフリカへの避難民の流入に関しては「予期できた」としたうえで、シリア人雛民が「アサド政権ではなくダーイシュから逃れている」と強調した。

プーチン大統領のこの発言は、ジョシュ・アーネスト米ホワイトハウス報道官が「我々は、ロシアがシリアに戦闘機とその搭乗員を配備したとの情報を懸念しており、引き続き情報収集に努める」と述べたのを受けたもの。

AFP, September 4, 2015、AP, September 4, 2015、ARA News, September 4, 2015、Champress, September 4, 2015、al-Hayat, September 5, 2015、Iraqi News, September 4, 2015、Kull-na Shuraka’, September 4, 2015、al-Mada Press, September 4, 2015、Naharnet, September 4, 2015、NNA, September 4, 2015、Reuters, September 4, 2015、SANA, September 4, 2015、UPI, September 4, 2015などをもとに作成。

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トルコのダウトオール首相「シリア北部に「安全保障地帯」設置を認めるよう国際社会を説得しようとしたが、留意されなかった」(2015年9月4日)

トルコのアフメト・ダウトオール首相は、暫定内閣閣議で、トルコ領内へのシリア人避難民の流入を抑えるため、シリア北部に「安全地帯」設置を認めるよう国際社会を説得しようとしたが、こうした呼びかけが留意されることはなかった、と吐露した。

『ハヤート』(9月5日付)が伝えた。

AFP, September 4, 2015、AP, September 4, 2015、ARA News, September 4, 2015、Champress, September 4, 2015、al-Hayat, September 5, 2015、Iraqi News, September 4, 2015、Kull-na Shuraka’, September 4, 2015、al-Mada Press, September 4, 2015、Naharnet, September 4, 2015、NNA, September 4, 2015、Reuters, September 4, 2015、SANA, September 4, 2015、UPI, September 4, 2015などをもとに作成。

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ダーラト・イッザ市地元評議会「「安全保障地帯」から避難民を受け入れる用意がある」(2015年9月3日)

アレッポ県のダーラト・イッザ市地元評議会は声明を出し、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」へのダーイシュ(イスラーム国)の進攻への対策として、ダーラト・イッザ市住民が県北部からの避難民を受け入れる用意があると表明した。

Kull-na Shuraka', September 4, 2015
Kull-na Shuraka’, September 4, 2015

AFP, September 4, 2015、AP, September 4, 2015、ARA News, September 4, 2015、Champress, September 4, 2015、al-Hayat, September 5, 2015、Iraqi News, September 4, 2015、Kull-na Shuraka’, September 4, 2015、al-Mada Press, September 4, 2015、Naharnet, September 4, 2015、NNA, September 4, 2015、Reuters, September 4, 2015、SANA, September 4, 2015、UPI, September 4, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)がラッカ県、ダイル・ザウル県でメンバー40人あまりを処刑(2015年9月3日)

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(9月3日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)ラッカ州が、ラッカ市内のダッラ交差点で、ヒスバ(宗教警察)の幹部アブー・カラム・イラーキー氏を「領土に損害を与えた」罪で処刑した。

また、シリア人権監視団によると、この処刑に先立ち、有志連合と思われる戦闘機が、財務局一帯を空爆した。

財務局はダーイシュがイスラーム法廷として使用している施設。

シリア人権監視団によると、有志連合の空爆で、イスラーム法廷の裁判官2人(イラク人と湾岸出身者1人)が死亡した。

有志連合(と思われる戦闘機)はこのほかにも、タッル・アブヤド市南部のサムン丘一帯を空爆し、ダーイシュ戦闘員2人が死亡、遺体はラッカ市に搬送されたという。

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ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル・トゥズバフ・ビ・サムト(9月3日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)ハイル州は、過去数日間で、アレッポ県北部での戦闘への参加を拒否した外国人戦闘員およびシリア人戦闘員合わせて40人をマヤーディーン市近郊で銃殺処刑した。

また、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市内でシリア当局に拘留されていた男性が拷問を受け死亡した。

このほか、シリア軍がブー・ウマル村を空爆し、男性1人が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がジャズル・ガス採掘所一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(9月3日付)によると、シリア軍がハクル・ガス採掘所一帯、柑橘農園、ワーディー・アブヤド、タール山などタドムル市西部郊外でダーイシュ(イスラーム国)に対する特殊作戦を行い、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、タドムル市郊外の三角地帯、採石場一帯、ウンム・リーシュ村、マスアダ村、ウンム・サフリージュ村、カルヤタイン市一帯などのダーイシュ拠点などに対して攻撃を加えた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がクワイリス航空基地一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(9月3日付)によると、航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市郊外で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、ダーイシュ戦闘員1人が死亡した。

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米中央軍(CENTCOM)は、9月3日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して21回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は6回におよび、ハサカ市近郊(2回)、ラッカ市近郊(2回)、マーリア市近郊(2回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, September 3, 2015、AP, September 3, 2015、ARA News, September 3, 2015、Champress, September 3, 2015、Dayr al-Zawr Tudhbah bi-Samt, Septemer 3, 2015、al-Hayat, September 4, 2015、September 5, 2015、Iraqi News, September 3, 2015、Kull-na Shuraka’, September 3, 2015、al-Mada Press, September 3, 2015、Naharnet, September 3, 2015、NNA, September 3, 2015、Reuters, September 3, 2015、SANA, September 3, 2015、UPI, September 3, 2015などをもとに作成。

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イランのアブドゥッラフヤーン副外相がアサド大統領と会談:「いかなる政治的解決においても、アサド大統領が果たす役割は基本的且つ基軸的でなければならない」(2015年9月3日)

シリアを訪問中のイランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣(アラブ・アフリカ担当)は、ダマスカスでアサド大統領と会談し、シリア国内でのテロや一部外国によるテロ組織への支援、紛争解決に向けた政治プロセス活性化の方途などについて意見を交わした。

会談には、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣、ファーイズ・イスカンダル外務在外居住者省アジア局長、ムハンマド・リダー・ラウーフ・シャイバーニー駐イラン・シリア大使が同席した。

会談後、アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、ミクダード外務在外居住者副大臣と共同記者会見を開いた。

会見のなかで、アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、シリアの紛争の解決には、シリア国民の役割を重視し、シリア国民自身が将来を決し、「テロとの戦い」を行うことが不可避だとの見方を示すとともに、「いかなる政治的解決においても、アサド大統領が果たす役割は基本的且つ基軸的でなければならない」と強調した。

そのうえで、イランが引き続きシリアへの支援を続けるとしたうえで、イランとロシアによるシリアへの支援は確固たるものだと述べた。

一方、ミクダード外務在外居住者副大臣は、シリア紛争の解決をめざす・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表に関して、「客観的、中立的」でなければならないと釘を刺したうえで、シリア政府が危機解決に向けたあらゆる政治的イニシアチブに積極的に対処すると述べた。

また、国外へのシリア人避難民の流出に関しては「開発途上国における危機を助長する西側諸国は、自分たちがやっていることがもたらす危険を意識し、トルコの現政権、サウジアラビア、カタールなどがシリアに対して行っている陰謀、すなわちテロ支援を停止させるために責任を果たすべきだとしたうえで、「シリア人の国外への流出を食い止められるかどうかは、シリア政府によるテロとの戦いや、治安や安定回復への支援にかかっている」と強調した。

SANA(9月3日付)が伝えた。

SANA, September 3, 2015
SANA, September 3, 2015

AFP, September 3, 2015、AP, September 3, 2015、ARA News, September 3, 2015、Champress, September 3, 2015、al-Hayat, September 4, 2015、Iraqi News, September 3, 2015、Kull-na Shuraka’, September 3, 2015、al-Mada Press, September 3, 2015、Naharnet, September 3, 2015、NNA, September 3, 2015、Reuters, September 3, 2015、SANA, September 3, 2015、UPI, September 3, 2015などをもとに作成。

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トルコの海岸に溺死したシリア人幼児の写真が次々と公開され、欧米諸国で話題に(2015年9月2日)

シリア人避難民を乗せて、トルコ領内からギリシャのコス島方面に向かっていたボート2隻が2日に相次いで沈没し、『インディペンデント』(9月2日付)などによると、子供2人を含む12人が死亡した。

トルコ日刊紙『デイリー・サバフ』(9月2日付)によると、最初に沈没したボートには16人が乗っていたが、トルコ領のアクヤルラル市近郊の海岸を発でまもなく沈没し、7人が死亡した。

またもう1隻のボートは、最初のボートが出発した直後、6人を乗せて、ほぼ同じルートでギリシャに向かおうとしたが、沈没し、女性1人、その子供3人が死亡した(なお『デイリー・サバフ』は死者数を11人と報じた)。

犠牲者のうちの幼児1人の遺体は、トルコ領内の海岸に仰向けとなった状態で打ち上げられ、トルコの国境警備隊が回収、その様子は写真に納められ、『インディペンデント』(9月3日付)によると、トルコの各メディアを通じて2日中に公開された。

ドアン通信などによると、写真は9月2日にドアン通信の特派員・カメラマンのニルフェル・デミル(Nilufer Demir)女史が撮影し、近くには兄、母の遺体もあったという。

また、ハフィングトン・ポスト(9月3日付)によると、米人権団体のヒューンマン・ライツ・ウォッチ緊急対応部門ディレクターのピーター・ブッカー(Peter Bouckaert)氏によって、『インディペンデント』紙など欧米諸国の主要メディアに拡散されたという。

写真に写っていた幼児は、アイラーン・クルディーくん(3歳、クルド語名アーラーン・シャンノー)で、同じボートに乗っていた兄のガリーブくん(5際)、母親のリーハーナ氏(28歳)も死亡した。

父親のアブドゥッラー氏(36歳、ただし40歳との報道もあり)は無事だった。

アイラーンくんの父親のアブドゥッラー氏は記者らに対して、事件が起きた時の状況に関して以下のように語った。

「延長5メートルほどのボートに12人が乗っていた。出発後まもなく、波が高くなり、密入国を斡旋していたトルコ人が海に飛び込み、逃げてしまった。残された我々は、波と格闘したが、ボートは転覆した。私は息子2人と妻をつかんで、転覆したボートに1時間ほどしがみついていたが、子供たちが死にそうになった。1人(アイラーンくん)は高波のなかで息絶えたので、もう一人(ガリーブくん)をつけるために、死んだ息子を手放した…。(泣きながら)もう一人も死んでしまった。口から泡を吹き始めたので、母親を助けるために彼を手放した。しかし、妻も死んでいることに気づいた。その後私は3時間、海上に取り残されたが、ギリシャの沿岸警備隊がやって来て、私を助けてくれた」。

なお、アブドゥッラー氏一家を含むシリア人避難民は、トルコのブローカーに対して1人1,000ドルもの大金を支払い、欧州への密入国の仲介を依頼しているという。

欧米諸国でアイラーンくんの遺体の写真が拡散された直後、アイラーンくんと兄のガリーブくんの生前の写真(出所不明)が2日に公開され、『インディペンデント』(9月3日付)などに掲載された。

ARA News(9月3日付)などによると、アイラーンくんらの遺体は、西クルディスタン移行期民政局コバネの中心都市であるシリア領内のアイン・アラブ市(クルド語名コバネ)に運ばれ、同地で4日に埋葬された。

AFP(9月4日付)によると、葬儀にはシリア人数百人が参列した。

The Independent, September 3, 2015
The Independent, September 3, 2015
The Daily Telegraph, September 5, 2015
The Daily Telegraph, September 5, 2015
Kull-na Shuraka', September 5, 2015
Kull-na Shuraka’, September 5, 2015
Kull-na Shuraka', September 5, 2015
Kull-na Shuraka’, September 5, 2015

AFP, September 3, 2015、September 4, 2015、AP, September 3, 2015、ARA News, September 3, 2015、Champress, September 3, 2015、The Daily Sabah, September 2, 2015、The Daily Telegraph, September 5, 2015、DHA, September 2, 2015、September 3, 2015、al-Hayat, September 4, 2015、The Huffington Post, September 2, 2015、September 3, 2015、The Independent, September 2, 2015、September 3, 2015、Iraqi News, September 3, 2015、Kull-na Shuraka’, September 3, 2015、al-Mada Press, September 3, 2015、Naharnet, September 3, 2015、NNA, September 3, 2015、Reuters, September 3, 2015、SANA, September 3, 2015、UPI, September 3, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ケリー米国務長官「中東の国が適切な時期にシリアに地上部隊を派遣し、ダーイシュ(イスラーム国)の掃討にあたるべき」(2015年9月2日)

ジョン・ケリー米国務長官は、CNN(9月2日付)のインタビューで、中東地域内の国が適切な時期にシリアに地上部隊を派遣し、ダーイシュ(イスラーム国)の掃討にあたるべきだとの見解を初めて示した。

ケリー国務長官は、インタビュアーの質問に対して「域内の諸国とそうする(シリア国内に地上部隊を派遣する)ための特定の方法について話し合っている…。地上に誰かが必要があるだろう。私は適切な時にそうなるだろうと考えている」と述べた。

その一方、「(バラク)大統領は米軍がこうした地上部隊の一部とはならないと明言している」と述べ、米軍による地上部隊派遣の可能性については改めて否定した。

CNN, September 2, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)に近いシャイフ、アブー・ハバーブ・イラーキー氏がトルコのエルドアン大統領に対して背教宣告を行い、その殺害を認めるファトワーを発する(2015年9月2日)

ダーイシュ(イスラーム国)に近いバッタール広報機構(イスラーム国救済のための広報戦線)は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に対して背教宣告を行い、その殺害を認めるアブー・ハバーブ・イラーキー氏のファトワー(http://justpaste.it/nc1a)を発表した。

ARA News(9月2日付)によると、アブー・ハバーブ・イラーキー氏はダーイシュに近いサラフィー・ジハード主義者のイデオローグと目されている人物。

ARA News, September 2, 2015
ARA News, September 2, 2015

 

AFP, September 2, 2015、AP, September 2, 2015、ARA News, September 2, 2015、Champress, September 2, 2015、al-Hayat, September 3, 2015、Iraqi News, September 2, 2015、Kull-na Shuraka’, September 2, 2015、al-Mada Press, September 2, 2015、Naharnet, September 2, 2015、NNA, September 2, 2015、Reuters, September 2, 2015、SANA, September 2, 2015、UPI, September 2, 2015などをもとに作成。

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米軍の軍事教練を受けた第30師団が「安全保障地帯」のマーリア市に進駐し、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点を砲撃(2015年9月2日)

米国がトルコで軍事教練を施した第30(歩兵)師団のメンバーの一人タラール・スライマーン氏はARA News(9月2日付)に対して、同師団が米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」にある反体制武装集団の拠点都市マーリア市での任務を開始したことを明らかにした。

タラール氏は「軍(第30師団)の前衛部隊がマーリア市に入った後、隣接するタラーリーン村にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点複数カ所に対して激しい砲撃を開始した」と述べた。

また「(前衛部隊は)サンバル村、マーリド丘(マーリド村郊外)、スーラーン・アアザーズ町のダーイシュ拠点を連装ロケット弾発射機や重火器で砲撃し、複数の戦闘員を負傷させた」としたうえで、「マーリア市における自由シリア軍(第30師団のこと)は、有志連合による航空支援を受けている」と付言した。

一方、マスウード・イーブーを名乗る現地の活動家は、ARA News(9月2日付)に対し、「第30師団の高官と、シャームの民のヌスラ戦線などアレッポ県郊外のジハード主義者が属する作戦司令室との間で、マーリア市への第30師団の進駐などの調整が行われている」ことを明らかにした。

これに関して、シリア人権監視団は、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」にある反体制武装集団の拠点都市マーリア市一致、ハルジャラ村、ダフラ村、ハルバル村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団が交戦したと発表した。

他方、アレッポ県では、SANA(9月2日付)によると、アレッポ市東部航空士官学校、ナイラブ航空基地一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、ARA News(9月2日付)によると、ユーフラテス川東部のカラフ・カウザーク村、スィッリーン町一致にダーイシュ(イスラーム国)が潜入し、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と交戦した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カダム区一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)ダマスカス州とジハード主義武装集団が交戦した。

ドゥラル・シャーミーヤ(9月2日付)によると、同地では、ダーイシュに対抗するために、複数のジハード主義武装集団が統合作戦司令室を設置したという。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、ダルファア丘一帯(ダルファア村郊外)をダーイシュ(イスラーム国)が砲撃し、シリア軍、国防隊と交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカルヤタイン市一帯を約20回にわたって空爆した。

シリア軍はまた、タドムル市各所に対しても砲撃を加えた。

一方、SANA(9月2日付)によると、ワーディー・ブスィーリー一帯、カルヤタイン市北部、ジャズル村、ジバーブ・ハマド村、東ヒブラ村、西ヒブラ村、ムシャイリファ村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、アッシリア人権監視団によると、シリア赤新月社がダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州との交渉で、ダーイシュがカルヤタン市で拘束中のキリスト教徒住民約270人を釈放させることで合意した。

釈放される住民のなかには、シリア・カトリックのデイル・マール・エルヤーン修道院長のジャーク・ムラード神父が含まれており、近くシリア釈放される予定だという。

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ハサカ県では、ARA News(9月2日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)バラカ州がシャッダーディー市で大学生1人を「体制に内通している」として処刑した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がアブー・ハマーム市で男性3人を「武器を不法所持」していたとして処刑した。

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米中央軍(CENTCOM)は、9月2日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は7回におよび、フール町(ハサカ県)近郊(1回)、ラッカ市近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、アイン・アラブ市近郊(2回)、マーリア市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, September 2, 2015、AP, September 2, 2015、ARA News, September 2, 2015、Champress, September 2, 2015、al-Durar al-Shamiya, September 2, 2015、al-Hayat, September 3, 2015、Iraqi News, September 2, 2015、Kull-na Shuraka’, September 2, 2015、al-Mada Press, September 2, 2015、Naharnet, September 2, 2015、NNA, September 2, 2015、Reuters, September 2, 2015、SANA, September 2, 2015、UPI, September 2, 2015などをもとに作成。

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イランのアブドゥッラフヤーン副外相がシリアを訪問し、ハルキー首相、ムアッリム外相と相次いで会談(2015年9月2日)

イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣(アラブ・アフリカ担当)がシリアを訪問し、ワーイル・ハルキー首相、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)と個別に会談し、二国間関係の強化、シリア紛争解決に向けた対応、「テロとの戦い」などについて意見を交わした。

SANA(9月2日付)が伝えた。

SANA, September 2, 2015
SANA, September 2, 2015

AFP, September 2, 2015、AP, September 2, 2015、ARA News, September 2, 2015、Champress, September 2, 2015、al-Hayat, September 3, 2015、Iraqi News, September 2, 2015、Kull-na Shuraka’, September 2, 2015、al-Mada Press, September 2, 2015、Naharnet, September 2, 2015、NNA, September 2, 2015、Reuters, September 2, 2015、SANA, September 2, 2015、UPI, September 2, 2015などをもとに作成。

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旬刊シリア情報(試作版2015年8月21~31日)

2015年8月21日(金)から31日(月)までのシリアをめぐる主な動きは以下の通り。

1. シリア政府と反体制武装集団の戦闘

ダマスカス郊外県では、シリア軍が東グータ地方に対して無差別空爆を、反体制武装集団が首都ダマスカスに対して無差別砲撃を行う一方、イドリブ県・ハマー県・ラタキア県境では、アル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動が主導するファトフ軍などからなる反体制武装集団がシリア軍、国防隊への攻勢を強めた。

また、シリア軍やレバノンのヒズブッラーの攻撃を続けるダマスカス郊外県ザバダーニー市では、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動戦闘員の退去などを協議するための一時停戦が発効した。

2015年8月半ばに次ぐ2度目の一時停戦では、反体制武装集団を代表してシャーム自由人イスラーム運動が、シリア政府の代理を務めるイラン高官とトルコで交渉を行ったが、ザバダーニー市からの反体制武装集団戦闘員の撤退、フーア市、カファルヤー町からの民間人の非難をめぐる意見の対立は解消せず、戦闘が再開された。

(主な関連記事)

■シリア軍が東グータ地方、ザバダーニー市でヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動との交戦を続ける(2015年8月21日)ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市の車輌局一帯(シリア政府支配下)で、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団がシリア軍、国防隊と交戦した。またザバダーニー市では、シリア軍第4師団 … 続きを読む →

■シリア軍がドゥーマー市などダマスカス郊外県東グータ地方を「無差別空爆」し20人以上が死亡、シリア国民連合の拠点が破壊、反体制派もダマスカス県内を「無差別砲撃」(2015年8月22日) ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市に対して空爆、地対地ミサイルなどによる砲撃を加え、少なくとも住民20人が死亡、約200人が負傷、行方不明となった(シリア人権監視団は23日、シリア軍が … 続きを読む →

■シリア軍による東グータ地方への空爆が続くなか、アドラー刑務所を反体制武装集団が砲撃し死傷者発生(2015年8月23日) ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が旧市街のダマスカス中央刑務所(アドラー刑務所)近くに着弾した。これに関して、シリア・アラブ・テレビ(8月23日付)は速報で、ダマスカ … 続きを読む →

■東グータ地方に対するシリア軍の無差別空爆に対抗して、反体制派が首都ダマスカスを連日無差別砲撃(2015年8月24日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・ムフイーッディーン・モスク近く、バグダード通り、ジャーッド・ナフラーウィー地区、ウマイヤ・モスク周辺、旧市街、教育省地区、カッサーア地区、バーブ・トゥーマー区、バーブ … 続きを読む →

■イスラーム軍は首都ダマスカスへの無差別砲撃への関与を否定、政府の自作自演だと主張(2015年8月25日)

イスラーム軍は声明を出し、24、25日にダマスカス県各所に対して行われた迫撃砲による無差別攻撃に関して、「ロケット弾や迫撃砲弾が、カシオン山、ダマスカス西方のサッブーラ村(ダマスカス郊外県)から発射されている」と述べ、関 … 続きを読む →

■シリア軍がダマスカス郊外県での空爆を続ける一方、ファトフ軍はイドリブ県、ハマー県、アレッポ県で攻勢(2015年8月25日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアルバイン市、ハラスター市を14回にわたって空爆した。 同監視団によると、8月半ばに激化した東グータ地方(ドゥーマー市、ハラスター市など)でのシリア軍の空爆により … 続きを読む →

■ハマー県北部ガーブ平原でファトフ軍が再び優勢、アレッポ県バーシュカウィー村ではシャーム戦線の内部対立に乗じてシリア軍が反転攻勢(2015年8月26日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ガーブ平原一帯で、シャームの民のヌスラ戦線、ジュヌード・シャーム(チェチェン人)、トルキスターン・イスラーム党などジハード主義武装集団とシリア軍、国防隊、アラブ系・アジア系外国人戦闘 … 続きを読む →

■シリア軍とファトフ軍がイドリブ県・ハマー県・ラタキア県境一帯で攻防を続ける(2015年8月27日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ガーブ平原のヒルバト・ナークース村一帯で、シリア軍、国防隊、アラブ系・アジア系外国人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、ジュヌード・シャーム(チェチェン人)、トルクメン・イスラーム … 続きを読む →

■ザバダーニー市(ダマスカス郊外県)、フーア市(イドリブ県)などで2度目の停戦が発効、ザバダーニー市からのシャーム自由人イスラーム運動の「安全な退去」とフーア市などからの住民の避難が争点に(2015年8月27日)

『ハヤート』(8月28日付)などは、ダマスカス郊外県ザバダーニー市とイドリブ県フーア市、カファルヤー町で戦闘を続けるシリア軍、ヒズブッラー戦闘員とシャーム自由人イスラーム運動など反体制武装集団が、48時間の一時停戦に合意 … 続きを読む →

■アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線がイドリブ県のシリア軍の牙城アブー・ズフール軍事基地の正面玄関を完全制圧(2015年8月28日) イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ズフール航空基地周辺で、シリア軍、国防隊とシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団との交戦が続き、シリア軍が同地一帯に対して空爆を行った。ARA News(8 … 続きを読む→

■ザバダーニー市(ダマスカス郊外県)、フーア市(イドリブ県)などでの一時停戦が失効し、戦闘が再開、ダマスカス県でシャーム自由人イスラーム運動がシリア軍准将を暗殺(2015年8月29日)

27日午前5時に発効していたダマスカス郊外県ザバダーニー市、イドリブ県フーア市、カファルヤー町での一時停戦が、48時間の期限を迎え、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員と、シャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌス … 続きを読む→

■ダマスカス県・郊外県、イドリブ県でシリア軍による空爆・砲撃と反体制武装集団による砲撃の応酬が続く(2015年8月30日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーライヤー市に「樽爆弾」18発を投下、またアルバイン市、ハラスター市にも空爆を行った。 この空爆で、アルバイン市で女性1人が死亡、ドゥーマー市では子供2人、女性 … 続きを読む→

■イドリブ県フーア市、カファルヤー町からの避難民がダマスカス国際空港街道で座り込みを行い、反体制武装集団による包囲解除に向けた行動をシリア政府に要求(2015年8月31日)

ARA News(8月31日付)などによると、ダマスカス国際空港街道では、イドリブ県フーア市、カファルヤー町から避難した住民が座り込みを行い、道路を封鎖、反体制武装集団による両市の解除のための行動をシリア政府に求めた。
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■ザバダーニー市(ダマスカス郊外県)でシリア軍、ヒズブッラー戦闘員が進撃を続ける一方、ファトフ軍もフーア市、カファルヤー町(イドリブ県)で攻勢(2015年8月31日)
ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍第4師団、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、パレスチナ解放軍がザバダーニー市内でジハード主義武装集団、地元武装集団と交戦し、武装集団戦闘員6人が死亡した。
また、数ヶ月前 … 続きを読む→

2. 「安全地帯」

米トルコ両政府がアレッポ北部に設置合意したとされる「安全地帯」に対するダーイシュ(イスラーム国)の攻勢が激化し、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団の主要拠点であるマーリア市がダーイシュによってほぼ完全に包囲されるにいたった。

こうしたなか、国境なき医師団が、ダーイシュの砲撃を受けた負傷者が、化学兵器によると思われる症状を発症したと発表した。

一方、トルコで米軍の軍事教練を受けた「穏健な反体制派」の第30(歩兵)師団が、ダーイシュとの戦闘のため、「安全地帯」にある反体制武装集団の主要拠点のマーリア市への進駐をめざしたが、米軍の支援を受けた武装集団の展開を好まないアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線がこうした動きに異議を唱えた。

(主な関連記事)

■ダーイシュ(イスラーム国)がアレッポ県のクワイリス航空基地一帯でシリア軍に対して、また「安全地帯」で反体制武装集団に対して攻勢(2015年8月22日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、クワイリス航空基地一帯で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦、シリア軍が同地一帯を空爆した。また、ARA News(8月23日付)によると、シャーム戦線は、マーリア市 … 続きを読む →

■トルコ外相:ダーイシュ(イスラーム国)掃討に向けて「近くシリア北部での包括的な航空作戦が開始されるだろう」(2015年8月24日)

『ハヤート』(8月25日付)によると、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、ダーイシュ(イスラーム国)掃討に向けた米トルコ両政府の折衝が23日に終わり、近くシリア北部での包括的な航空作戦が開始されるだろう、と述 … 続きを読む →

■米軍の軍事教練を受けた「穏健な反体制派」の第30師団が、シリア軍の空爆を受けたと主張(2015年8月25日)

トルコ領内で米軍の軍事教練を受けシリア北部に派遣された第30(歩兵)師団は声明を出し、シリア軍戦闘機がアレッポ県北部にある師団の拠点複数カ所を空爆し、1人が負傷したと主張した。シリア軍の空爆を受けたとされる拠点の所在地 … 続きを読む →

■国境なき医師団:ダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団が戦闘を続けるアレッポ北部の「安全地帯」で化学兵器使用の可能性を指摘(2015年8月25日)

国境なき医師団は声明を出し、アレッポ県北部での戦闘でのダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団が戦闘を続ける地域で、攻撃に巻き込まれ負傷した患者4人が、化学兵器を使用した際に表れる症状を発症していたと発表した。 治療に … 続きを読む →

■ダーイシュ(イスラーム国)は「安全地帯」における反体制派の拠点マーリア市をほぼ完全包囲か(2015年8月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マーリア市周辺地域およびハルジャラ村、ダルハ村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)とジハード主義者を含む反体制武装集団が交戦し、反体制武装集団が交戦した。『ハヤート』(8月28日 … 続きを読む →

■サウジアラビアが「飛行禁止空域」設置を求めるシリア国民連合の書簡を国連安保理に提出、シリア国連代表は安保理会合で、サウジアラビア、トルコ、カタールが支援するアル=カーイダ系組織が無差別砲撃を行っていると非難(2015年8月27日)

国連安保理(米ニューヨーク)で、安保理決議第2193号、第2165号、第2191号の実施状況を報告するための定例会合が開催された。 SANA(8月27日付)によると、会合では、バッシャール・ジャアファリー国連代表大使が … 続きを読む →

■シリア北部の「安全地帯」でダーイシュ(イスラーム国)とアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団の攻防続く(2015年8月28日)
アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マーリア市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団の戦闘が続き、ダーイシュは、マーリア市に近いカフラ村で、爆弾を爆破、またマーリア市一帯では、ダーイシュと反体制武装集団が … 続きを読む→

■ハサカ市でダーイシュ(イスラーム国)が放棄した防毒マスクが発見される(2015年8月28日) ハサカ県では、SANA(8月28日付)によると、人民防衛集団(国防隊、バアス大隊などの総称)が、ハサカ市グワイラーン地区を占拠中のダーイシュ(イスラーム国)が掘削したと思われる近トンネルから、複数の防毒マスクを発見、押収 … 続きを読む→

■アレッポ県北部の「安全地帯」に続き、ダマスカス県南部、ダマスカス郊外県東カラムーン地方でダーイシュ(イスラーム国)とジハード主義武装集団の戦闘激化(2015年8月29日)
ダマスカス県では、スマート・ニュース(8月29日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)を名乗る武装集団が、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプに接するカダム区でアジュナード・シャーム・イスラーム連合と交戦、同地区の大部分 … 続きを読む→

■ヒムス市で爆弾テロが発生し住民多数が死傷、ダーイシュ(イスラーム国)が犯行を認める(2015年8月29日) ヒムス県では、SANA(8月29日付)によると、ヒムス市ザフラー地区(ムワーサラート地区)で爆発が発生し、多数が死亡、数十人が負傷した。 これに関して、シリア人権監視団は死者がシリア軍兵士だとしている。 爆発が発生した地 … 続きを読む→

■トルコ外務省、有志連合によるシリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)空爆への参加を開始したと発表(2015年8月29日) トルコ外務省は声明を出し、「8月24日に調印された(米国との)技術文書…に従い、我が国の戦闘機は有志連合とともに、昨日晩(28日晩)から、我が国の安全保障への脅威でもあるシリア領内のダーイシュ(イスラーム国)に対する空爆 … 続きを読む→

■ヌスラ戦線は米軍が教練した「穏健な反体制派」の第30師団がアレッポ県北部の「安全地帯」の反体制武装集団の拠点都市マーリア市に入ることを拒否(2015年8月30日) ARA News(8月30日付)は、米軍の教練を受けシリアに潜入している第30(歩兵)師団の戦闘員の一人、アフマド・アブドゥッラー氏の話として、シャームの民のヌスラ戦線が、ダーイシュ(イスラーム国)が攻勢を強めているマー … 続きを読む→

 

3. 文化遺産破壊

ヒムス県タドムル市にあるUNESCO世界文化遺産パルミラのバアル・シャミーン神殿、ベル神殿、そして同県カルヤタイン市にあるシリア・カトリック教修道院デイル・マール・エルヤーン(5世紀建設)をダーイシュ(イスラーム国)が爆破する一方、イドリブ県でもアル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線が、イスラーム教スーフィー教団聖者の墓地を爆破した。


(主な関連記事)

 

■ダーイシュ(イスラーム国)が5世紀に建てられたキリスト教のデイル・マール・エルヤーン修道院を破壊(2015年8月21日)

シリア文化省文化財博物館総局のマアムーン・アブドゥルカリーム総裁が、SANA(8月21日付)に対して明らかにしたところによると、ダーイシュ(イスラーム国)は21日、ヒムス県カルヤタイン市にあるシリア・カトリック教会の修道 … 続きを読む →

■ダーイシュ(イスラーム国)がUNESCO世界文化遺産パルミラのバアル・シャミーン神殿を破壊(2015年8月24日)

ARA News(8月24日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)がUNESCO世界文化遺産に登録されているパルミラ遺跡(ヒムス県タドムル市)のバアル・シャミーン神殿を破壊したと伝えた。ヒムス市の活動家だというウマル・アブー・ … 続きを読む →

■ダーイシュ(イスラーム国)が、爆破したパルミラ遺跡バール・シャミーン神殿の写真を公開(2015年8月25日)

ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州の広報局は、23日に破壊されたとされるパルミラ遺跡(ヒムス県タドムル市)のバール・シャミーン神殿に爆弾を仕掛け、爆破する写真複数点をインターネットを通じて公開した。** ヒムス県で … 続きを読む →

■ダーイシュ(イスラーム国)に続いてアル=カーイダ系組織のヌスラ戦線もスーフィー教団シャイフ廟を「押収したタバコを焼却する」として爆破(2015年8月24日)

イドリブ県では、ARA News(8月25日付)によると、同県での反体制武装闘争を主導するアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線が、アブー・ズフール町郊外の砂漠地帯にあるイスラーム教スーフィー教団のシャイフの廟の … 続きを読む →

■ダーイシュ(イスラーム国)がカルヤタイン市(ヒムス県)のキリスト教徒住民に、イスラーム教への改宗か、ジズヤ支払いか、退去を迫る(2015年8月30日) ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州が、キリスト教徒が多く住むカルヤタイン市の男性に対して、48時間以内にイスラーム教徒に改宗するか、「ジズヤ」(人頭税)を支払うか、同市から退去する …続きを読む→

■ダーイシュ(イスラーム国)がタドムル市にあるUNESCO世界文化遺産パルミラ遺跡のベル神殿を破壊(2015年8月31日) シリア人権監視団は8月30日に声明を発表し、ヒムス県タドムル市にあるUNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡にあるベル神殿の一部が、ダーイシュ(イスラーム国)によって破壊されたと発表した。** 『ハヤート』(9月1日付) …続きを読む→

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