アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線が、米軍の軍事教練を受けた第30師団メンバー7人を釈放(2015年8月16日)

『ハヤート』(8月17日付)などによると、シャームの民のヌスラ戦線は声明を出し、アレッポ県アフリーン市郊外にで拘束した第30師団のメンバー7人を釈放したと発表した。

7人は、米軍による軍事教練を受け、シリア領内に送り込まれた「穏健な反体制派」の第30師団のメンバーで、7月末にアフリーン市郊外でヌスラ戦線に拘束されていた13人の一部。

これに関して、第30師団は15日付で声明を出し、ヌスラ戦線がメンバー7人を釈放したことを明らかにするとともに、ナディーム・ハサン大佐を含む残りのメンバーが近く釈放されることを望むと発表した。

Kull-na Shuraka', August 16, 2015
Kull-na Shuraka’, August 16, 2015

 

AFP, August 16, 2015、AP, August 16, 2015、ARA News, August 16, 2015、Champress, August 16, 2015、al-Hayat, August 17, 2015、Iraqi News, August 16, 2015、Kull-na Shuraka’, August 16, 2015、al-Mada Press, August 16, 2015、Naharnet, August 16, 2015、NNA, August 16, 2015、Reuters, August 16, 2015、SANA, August 16, 2015、UPI, August 16, 2015などをもとに作成。

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シャーム戦線「ダーイシュ(イスラーム国)殲滅に向けてトルコと協力する」(2015年8月16日)

アレッポ県で活動するシャーム戦線は声明(ファトワー)を出し、ダーイシュ(イスラーム国)をイスラーム教徒とはみなさないとする一方、トルコについては「国民も政府もイスラーム教徒の国家」だと絶賛し、ダーイシュ殲滅に向けてトルコと協力すると表明した。

Kull-na Shuraka', August 16, 2015
Kull-na Shuraka’, August 16, 2015

AFP, August 16, 2015、AP, August 16, 2015、ARA News, August 16, 2015、Champress, August 16, 2015、al-Hayat, August 17, 2015、Iraqi News, August 16, 2015、Kull-na Shuraka’, August 16, 2015、al-Mada Press, August 16, 2015、Naharnet, August 16, 2015、NNA, August 16, 2015、Reuters, August 16, 2015、SANA, August 16, 2015、UPI, August 16, 2015などをもとに作成。

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米、ドイツがトルコ南部に配備していたパトリオット・ミサイルを撤収すると相次いで発表(2015年8月16日)

ドイツのウルズラ・ゲルトルート・フォン・デア・ライエン国防大臣は15日、2013年1月以来トルコ南部に配備されているドイツ軍のパトリオット・ミサイル発射台を2016年1月に撤収する、と発表した。

また、米国務省とトルコ国防省も16日に共同声明を出し、トルコ南東部に配備しているパトリオット・ミサイル発射台を10月に撤収すると発表した。

トルコ政府は2012年11月、シリアの紛争の波及を抑止するため、NATOに対して、パトリオット・ミサイルの配備を要請、これを受け、米国、ドイツ、オランダの参加国は2013初めにトルコ南部にパトリオット・ミサイル発射台を配備していた。

AFP(8月16日付)などが伝えた。

AFP, August 16, 2015、AP, August 16, 2015、ARA News, August 16, 2015、Champress, August 16, 2015、al-Hayat, August 17, 2015、Iraqi News, August 16, 2015、Kull-na Shuraka’, August 16, 2015、al-Mada Press, August 16, 2015、Naharnet, August 16, 2015、NNA, August 16, 2015、Reuters, August 16, 2015、SANA, August 16, 2015、UPI, August 16, 2015などをもとに作成。

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トルコのボズクルEU担当相「シリア北部に安全保障地帯を設置し、家や学校を建設し、シリア人難民の帰還を促したい」(2015年8月15日)

トルコのヴォルカン・ボズクルEU担当大臣は、米トルコ両政府が設置合意したとされるアレッポ県北部の「安全地帯」に関して、「トルコは、シリア北部に安全地帯を設置し、家や学校を建設し、シリア人難民のそこへの帰還を促したいと考えている」と述べた。

ARA News(8月16日付)が伝えた。

AFP, August 16, 2015、AP, August 16, 2015、ARA News, August 16, 2015、Champress, August 16, 2015、al-Hayat, August 17, 2015、Iraqi News, August 16, 2015、Kull-na Shuraka’, August 16, 2015、al-Mada Press, August 16, 2015、Naharnet, August 16, 2015、NNA, August 16, 2015、Reuters, August 16, 2015、SANA, August 16, 2015、UPI, August 16, 2015などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県ザバダーニー市、イドリブ県フーア市、カファルヤー町の停戦破棄、シリア軍、反体制武装集団が無差別攻撃を再開(2015年8月15日)

ダマスカス郊外県ザバダーニー市およびイドリブ県フーア市、カファルヤー町での一時停戦が、反体制武装集団(シャーム自由人イスラーム運動)とイラン高官の交渉が難航するなか、期限の16日6時を待たずして破棄され、シリア軍がザバダーニー市一帯に対する空爆・砲撃を再開したのに対し、反体制武装集団は東グータ地方での攻撃を激化、またファトフ軍がフーア市に対して砲撃を再開した。

『ハヤート』(8月16日付)によると、停戦破棄は、シリア当局が収監中の逮捕者を何人釈放するかをめぐり妥協点が見出せなかったこと、またイドリブ県(フーア市、カファルヤー町など)のシーア派住民をダマスカス県およびダマスカス郊外県に避難させる代わりに、ザバダーニー市の反体制武装集団の退避の安全を保障する案が合意に達しなかったことによるという。

これに関して、シャーム自由人イスラーム運動などからなるムジャーヒディーン・シューラー評議会は声明を出し、「ヒムス市、クサイル市のシナリオを繰り返さないため…、イランによるすべての提案を拒否する」と発表した。

複数の反体制消息筋によると、イラン側は、①国連監視下でザバダーニー市からの反体制武装集団の退避・撤退、②シリア軍の同市への進駐、③ザバダーニー市民への支援物資の搬入、④ザバダーニー市一帯半径40キロの地域からの重火器の撤収を要求していた。

これに対して、シャーム自由人イスラーム運動は、シリア当局が収監中の逮捕者約2万人の釈放を要求したが、イラン側は、釈放の代償として、フーア市、カファルヤー町の民間人数千人のダマスカス県、ダマスカス郊外県への避難を要求した、という。

シリア人権監視団によると、交渉は、イランおよびヒズブッラーのメンバーからなる使節団と、ザバダーニー市の地元戦闘員などとの間で行われていたが、前者が、シリア当局が釈放できる逮捕者(捕虜)の数を1,000人としたため、決裂したという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、停戦破棄を受けて、シリア軍がザバダーニー市に対する空爆・砲撃を再開した。

クッルナー・シュラカー(8月15日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(8月15日付)によると、イスラーム軍が「ザバダーニー市救済」の戦いを開始し、県内各所での攻撃を激化させ、ハラスター市内の車輌局周辺のシリア軍拠点複数カ所および技術研究所でシリア軍と交戦、兵士多数を殺傷し、同地を制圧した。

これに対して、シリア軍はダーライヤー市、さらには14日にダマスカス県への水道供給を再び遮断している「バラダー渓谷ムジャーヒディーン評議会」が活動しているバラダー渓谷のバスィーマ町、ダイル・ムクリン町、アイン・フィージャ町、カフィール・ザイト村を地対地ミサイル、「樽爆弾」などで砲撃・空爆した。

またザバダーニー市近郊のマダーヤー町、ブカイン市でも、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月15日付)によると、シリア軍がマディーラー市、アルバイン市、ハラスター市を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(8月16日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線のダマスカス県カラムーン区司令官のアブー・ラーティブ・マザーウィー氏が何者かによって爆殺された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、停戦破棄を受けて、ファトフ軍が200発のロケット弾、迫撃砲でフーア市、カファルヤー町を無差別攻撃した。

一方、SANA(8月15日付)によると、アブー・ズフール町一帯、ムハムバル村、バサーミス、カルクール村、ビンニシュ市、マアッラト・ヌウマーン市をシリア軍が空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

これに対して、反体制武装集団はフーア市に対して砲撃を加えた。

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ヒムス県では、『ハヤート』(8月16日付)によると、県北部で活動する「イウティサーム・ビッラー作戦司令室」(ヒムス軍団、シャームの民のヌスラ戦線などが参加)が、ザバダーニー市救済に向けて、タスニーン村、ジャッブーリーン村、カフルナーン村などのシリア軍拠点を解放するための戦いを開始すると発表した。

しかし、クッルナー・シュラカー(8月16日付)によると、タスニーン村一帯での戦闘で、反体制武装集団戦闘員19人が死亡したという。

一方、SANA(8月15日付)によると、キースィーン村、ウンム・シャルシューフ村、ガントゥー市、タルビーサ市、ブルジュ・カーイー村、アンジャル村、アブー・タッラーハ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ファトフ軍がバフサ村郊外でシリア軍の車輌2台を襲撃、また同地一帯、ジューリーン村でシリア軍、国防隊と交戦した。

これに対してシリア軍はジスル・バイト・ラース村、アトシャーン村、タッル・ワースィト村、カルクール村、ズィヤーラ町、ラターミナ町を砲撃・空爆、ファトフ軍もムハルダ市に砲撃を加えた(この砲撃・空爆による死傷者はなかった)。

一方、SANA(8月15日付)によると、シリア軍がマンスーラ村、カストゥーン村、タッル・ワースィト村、ジャズラム丘、ズィヤーラ町、ザイズーン村、ハルービー村?、カフルズィーター市、カスル・ブン・ワルダーン村を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市イザーア地区、アアザミーヤ地区、サイフ・ダウラ地区、ザバディーヤ地区、サラーフッディーン地区、サイフ・ダウラ地区をシリア軍が砲撃、またザバディーヤ地区、サイフ・ダウラ地区でジハード主義武装集団と交戦し、反体制武装集団戦闘員3人が死亡した。

一方、SANA(8月15日付)によると、マンスーラ村、アレッポ市科学研究センター施設一帯、旧市街、ライラムーン地区、ザフラー協会地区、ブスターン・カスル地区、ラーシディーン地区、バニー・ザイド地区、マイサルーン病院、サイフ・ダウラ地区、ラドヤーン地区、マシュハド広場一帯、サラーフッディーン交差点一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月15日付)によると、シリア軍がダルアー市ゼノビア学校一帯、意思組合ビル一帯、避難民キャンプ一帯、スィーバ地区、ハマーディーン地区、同市南部および西部郊外、アトマーン村、ヤードゥーダ村、ハッラーブ・シャフム村、フラーク市、ブスル・ハリール市、スーラ町、アルマー町、サイダー町、ヌアイマ村、シャイフ・マスキーン市、ナワー市、サムリーン村、インヒル市、ハーッラ丘、ジャースィム市、カフルシャムス町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、ハウラーン殉教者大隊、ヤルムーグ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(8月15日付)によると、ダルアー県制圧をめざす「真理の嵐の戦い」に参加する反体制武装集団が、ダルアー市東部入り口のシリア軍検問所に対して、爆弾を積んだ車を突入させ、爆破した。

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クナイトラ県では、SANA(8月15日付)によると、ハムル丘一帯、ウンム・バーティナ村、マムティナ村、アブー・シャトバ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 15, 2015、AP, August 15, 2015、ARA News, August 15, 2015、Champress, August 15, 2015、al-Durar al-Shamiya, August 15, 2015、al-Hayat, August 16, 2015、Iraqi News, August 15, 2015、Kull-na Shuraka’, August 15, 2015、August 16, 2015、al-Mada Press, August 15, 2015、Naharnet, August 15, 2015、NNA, August 15, 2015、Reuters, August 15, 2015、SANA, August 15, 2015、UPI, August 15, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)は米トルコ両政府が設置合意したアレッポ県北部の「安全保障地帯」内で攻勢を続け、トルコ・アレッポ市間の兵站路上に位置するタラーリーン村を制圧し、反体制武装集団の一大拠点マーリア市を完全包囲(2015年8月15日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、マーリア市北部に位置するタラーリーン村でジハード主義武装集団と交戦し、同村の西部を掌握、同村一帯を完全制圧した。

タラーリーン村は、トルコとアレッポ市を結ぶ兵站路上に位置する戦略的要衝で、同村を制圧したことで、ダーイシュはアレッポ市北部の反体制武装集団の拠点であるマーリア市を完全包囲した。

同監視団によると、同地で9日から激化していた戦闘で、マーリア市、ウンム・フーシュ村、タラーリーン村を拠点とするジハード主義武装集団戦闘員76人と、ダーイシュ45人が死亡した。

マーリア市完全包囲に際して、ダーイシュは爆弾を積んだ車で6回にわたり自爆攻撃などを行った。

タッラーリーン村、ウンム・フーシュ村、そしてマーリア市は、米トルコ両政府が「安全地帯」設置で合意したとされる地域内に位置し、米国がトルコとともにダーイシュの排除を企図している。

一方、SANA(8月15日付)によると、ワディーヒー村、ブラート村、サフィール市東部、東クワイリス町一帯、アルバイド村、ジャディーダ村、航空士官学校一帯で、シリア軍が反ダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月15日付)によると、シリア軍がタドムル市西部郊外三角地帯、タドムル市、ジャズル・ガス採掘所一帯、ワーディー・ザカーラ、フナイフィース村、カルヤタイン市を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 15, 2015、AP, August 15, 2015、ARA News, August 15, 2015、Champress, August 15, 2015、al-Hayat, August 16, 2015、Iraqi News, August 15, 2015、Kull-na Shuraka’, August 15, 2015、al-Mada Press, August 15, 2015、Naharnet, August 15, 2015、NNA, August 15, 2015、Reuters, August 15, 2015、SANA, August 15, 2015、UPI, August 15, 2015などをもとに作成。

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ロシアのラブロフ外務大臣が「第2回カイロ大会」の主導者らと会談(2015年8月15日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、「第2回カイロ大会」の開催を主導したハイサム・マンナーア氏(「カフム」代表)、ハーリド・マハーミード氏、ジャマール・スライマーン氏、ジハード・マクディスィー氏と会談した。

シリア政府と反体制派の和平交渉「モスクワ3」開催に向けてロシア外務省高官らと折衝を行うためにモスクワを訪問したマンナーア氏らに対して、ラブロフ外務大臣は「モスクワ訪問は、あなたがたにとってこれが初めてではない。しかし、前回の会談と異なっているのは、我々は今回は、シリアの現状を受け入れられないとの共通の理解のもとに会していることだ」と述べた。

そのうえで、ラブロフ外務大臣は、ジュネーブ合意(2012年6月)の原則やスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表のイニシアチブに沿って、政治的解決を実現するために国際社会が努力を結集すべきだと述べた。

クッルナー・シュラカー(8月15日付)などが伝えた。

AFP, August 15, 2015、AP, August 15, 2015、ARA News, August 15, 2015、Champress, August 15, 2015、al-Hayat, August 16, 2015、Iraqi News, August 15, 2015、Kull-na Shuraka’, August 15, 2015、al-Mada Press, August 15, 2015、Naharnet, August 15, 2015、NNA, August 15, 2015、Reuters, August 15, 2015、SANA, August 15, 2015、UPI, August 15, 2015などをもとに作成。

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ザバダーニー市(ダマスカス郊外県)からのシャーム自由人イスラーム運動撤退をめぐって停戦交渉続く(2015年8月14日)

『ハヤート』(8月15日付)は、ダマスカス郊外県ザバダーニー市およびイドリブ県フーア市、カファルヤー町での一時停戦(15日午前6時までの予定)が16日まで再延長され、シャーム自由人イスラーム運動とイラン高官の間でザバダーニー市に籠城する反体制武装集団戦闘員の退避、撤退の交渉が続けられていると伝えた。

イランとトルコの仲介のもとで行われているとされる交渉においては、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動が反体制武装集団が折衝を主導し、負傷した戦闘員がザバダーニー市から退避するための回廊の設置、そして退避後の反体制武装集団全戦闘員の撤退などについて話し合いが続けられており、反体制武装集団側は負傷者リストのリストを提出したという。

また、シリア人権監視団によると、交渉では、シャーム自由人イスラーム運動戦闘員をザバダーニー市外に移送するためのバスの手配および安全の確保と、フーア市とカファルヤー町への人道・食糧支援物資の搬入が主に話し合われているという。

交渉が長引くなか、バラダー渓谷で活動する「バラダー渓谷ムジャーヒディーン評議会」が声明を出し、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員がザバダーニー市への攻撃を停止し、同市から撤退しなければ、首都ダマスカスへの水道供給を停止すると脅迫した。

AFP, August 14, 2015、AP, August 14, 2015、ARA News, August 14, 2015、Champress, August 14, 2015、al-Hayat, August 15, 2015、Iraqi News, August 14, 2015、Kull-na Shuraka’, August 14, 2015、al-Mada Press, August 14, 2015、Naharnet, August 14, 2015、NNA, August 14, 2015、Reuters, August 14, 2015、SANA, August 14, 2015、UPI, August 14, 2015などをもとに作成。

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ヒズブッラーのナスルッラー書記長「我々は米国が企図している地域分割を拒否しなければならない」(2015年8月14日)

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長が、2006年のレバノン紛争停戦記念日に合わせてテレビ演説を行った。

演説において、ナスルッラー書記長は「我々は、7月戦争(レバノン紛争)で我々を支えてくれた同盟者が敗北したり孤立したりすることを受け入れることはない…。あのときに狙われた一人がミシェル・アウン(元)司令官であり、私はあなたたちに言いたい。あなたたちはアウン司令官を孤立させることはできない…。我々の同盟者の正当な要求を支援するため、我々がシリアや南部の問題に専念していたとしても、我々の選択肢は開かれている」と述べ、アウン氏率いる自由国民潮流への全面支持を表明した。

一方、シリア情勢に関して、ナスルッラー書記長は「米国はテロに乗じて、地域を分割し、再構成し、新たな国境線を引こうとしており、テロ組織ダーイシュ(イスラーム国)がシリアでそのために活動することを望んでいる…。シリア・アラブ軍は5年にわたりシリアのあらゆる地域で戦い、シリアの統合を維持し、その分割を拒否してきた…。我々は米国が企図している分割を拒否しなければならない…。イスラエル、そしてサウジアラビアを筆頭とする一部地域諸国はこうした米国の姿勢を支持している」と述べた。

Naharnet, August 13, 2015
Naharnet, August 13, 2015

AFP, August 14, 2015、AP, August 14, 2015、ARA News, August 14, 2015、Champress, August 14, 2015、al-Hayat, August 15, 2015、Iraqi News, August 14, 2015、Kull-na Shuraka’, August 14, 2015、al-Mada Press, August 14, 2015、Naharnet, August 14, 2015、NNA, August 14, 2015、Reuters, August 14, 2015、SANA, August 14, 2015、UPI, August 14, 2015などをもとに作成。

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米トルコ両政府が設置合意したアレッポ県北部の「安全保障地帯」でダーイシュ(イスラーム国)が攻勢、また有志連合の爆撃を受けたアティマ村(イドリブ県)で抗議デモ発生(2015年8月14日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マーリア市北部郊外のタラーリーン村一帯で、ジハード主義武装集団とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、ダーイシュが同村の東部一帯を制圧した。

タッラーリーン村は、米トルコ両政府が「安全地帯」設置で合意したとされる地域内に位置する。

一方、SANA(8月14日付)によると、航空士官学校一帯、バーブ市一帯、ブラート村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(8月14日付)によると、トルコ国境に位置するアティマ村で、シリア解放党が有志連合によるファトフ軍所属スンナ軍拠点への空爆に抗議するデモを行った。

Kull-na Shuraka', August 14, 2015
Kull-na Shuraka’, August 14, 2015

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ヒムス県では、SANA(8月14日付)によると、ウンク・ハワー村、カルヤタイン市、ラジャム・カスル村、フナイフィース村、タドムル市西部郊外の三角地帯、ワーディー・アブヤド・ダム一帯、ジャズル・ガス採掘所一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 14, 2015、AP, August 14, 2015、ARA News, August 14, 2015、Champress, August 14, 2015、al-Hayat, August 15, 2015、Iraqi News, August 14, 2015、Kull-na Shuraka’, August 14, 2015、al-Mada Press, August 14, 2015、Naharnet, August 14, 2015、NNA, August 14, 2015、Reuters, August 14, 2015、SANA, August 14, 2015、UPI, August 14, 2015などをもとに作成。

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シリア国民連合は、イドリブ県アティマ村のファトフ軍(アル=カーイダ系のヌスラ戦線などからなる武装組織)拠点への有志連合の爆撃を非難(2015年8月13日)

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、有志連合とされる戦闘機が11日に、トルコ国境に近いイドリブ県アティマ村にあるアル=カーイダ系組織からなる軍事同盟組織ファトフ軍所属のスンナ軍の拠点を空爆し、子供を含む民間人25人が死亡したことを非難し、「釈明、調査、処罰」を求めると主張した。

AFP, August 13, 2015、AP, August 13, 2015、ARA News, August 13, 2015、Champress, August 13, 2015、al-Hayat, August 14, 2015、Iraqi News, August 13, 2015、Kull-na Shuraka’, August 13, 2015、al-Mada Press, August 13, 2015、Naharnet, August 13, 2015、NNA, August 13, 2015、Reuters, August 13, 2015、SANA, August 13, 2015、UPI, August 13, 2015などをもとに作成。

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米トルコ両政府が設置合意したアレッポ県北部の「安全保障地帯」でアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動と「穏健な反体制派」がダーイシュ(イスラーム国)支配地域に対して攻勢(2015年8月13日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月13日付)がシャーム自由人イスラーム運動の情報として伝えたところによると、「革命家」が、トルコ国境に近いアアザーズ郡ドゥーディヤーン村近郊にあるダーイシュ(イスラーム国)支配下のヒルバ村、カッラ村、そしてその近郊にあるガソリン・スタンドを襲撃し、ダーイシュとの数時間にわたる戦闘の末に同地を制圧した。

ヒルバ・ハーディア村制圧作戦に参加したのは、アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動、「穏健な反体制派」のスルターン・ムラード旅団、そしてシャーム戦線(「命じられるままに進め連合」、ムジャーヒディーン軍、ヌールッディーン・ザンキー運動、アサーラ・ワ・タンミヤ運動)といった武装集団。

ドゥーディヤーン村一帯は、米トルコ両政府が「安全地帯」を設置することを合意した地域内に位置する。

一方、シリア人権監視団によると、クワイリス航空基地をめぐり9日から激化していたシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)の戦闘で、シリア軍士官31人(うち准将および大佐は3人)を含む39人、ダーイシュ戦闘員33人が死亡した。

他方、SANA(8月13日付)によると、航空士官学校一帯、ナイラブ航空基地西部、サフィーラ市一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・ハミース市一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦する一方、有志連合と思われる戦闘機がハサカ市西部のアブドゥルアズィーズ山一帯を空爆した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サフム・ジャウラーン村郊外にあるダム西部一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団と、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が交戦した。

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ヒムス県では、SANA(8月13日付)によると、タドムル市郊外のタール山北部、採石場東部、バイヤラート村南東部、同市西部の三角地帯、ジャズル・ガス採掘所一帯をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員多数を殺傷、装備・拠点を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、サラミーヤ市東方の東ビッリー村でシリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線などが占拠するヤルムーク・パレスチナ難民一帯、タダームン区で、シリア軍、国防隊とジハード主義武装集団が交戦した。

AFP, August 13, 2015、AP, August 13, 2015、ARA News, August 13, 2015、Champress, August 13, 2015、al-Durar al-Shamiya, August 13, 2015、al-Hayat, August 14, 2015、Iraqi News, August 13, 2015、Kull-na Shuraka’, August 13, 2015、al-Mada Press, August 13, 2015、Naharnet, August 13, 2015、NNA, August 13, 2015、Reuters, August 13, 2015、SANA, August 13, 2015、UPI, August 13, 2015などをもとに作成。

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シリア政府と反体制派の和平協議「モスクワ3」開催に向け、ロシア外務省がシリアの反体制各派との折衝を本格化(2015年8月13日)

ロシア外務省は、シリア政府と反体制派の和平協議「モスクワ3」開催に向け、反体制各派との折衝を本格化させ、セルゲイ・ラブロフ外務大臣がロシアを訪問中のシリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ代表と会談した。

トルコのイスタンブールを拠点とし、欧米諸国からかつては「シリア国民の唯一の正統な代表」と位置づけられていたシリア革命反体制勢力国民連立の代表がロシア外務省の招聘を受けて、モスクワを訪問するのはこれが初めて。

ロシア外務省報道官によると、ラブロフ外務大臣とハウジャ代表との会談では、シリアの危機の打開、中東地域におけるテロの脅威に対抗するためのすべての政治勢力の糾合などの議論に重点が置かれたという。

ハウジャ代表は、会談に先立ってロシアのメディアに対して、「モスクワ3」に開催に向けたあらゆるイニシアチブが、ジュネーブ合意(2012年6月)の原則に依拠すべきだとの姿勢を示した。

ハウジャ議長に同行しているシリア革命反体制勢力国民連立のヒシャーム・ムルーワ副代表はまた、ラブロフ外務大臣との折衝において、移行期統治機関設置要求に体現されている連立の基本姿勢、そして「テロとの戦い」や国民和解の実現の方法など紛争解決に向けた行程を説明すると述べた。

とりわけ、「テロとの戦い」について、ムルーワ副代表は「バッシャール・アサド現大統領退任後に設置される移行政府についてシリア人が合意に達することを条件としてのみ、効果的で実行可能となる」と主張した。

なおラブロフ外務大臣とシリア革命反体制勢力国民連立代表との会談に先立ち、ミハイル・ボグダノフ外務副大臣は12日、モスクワで西クルディスタン移行期民政局を主導するクルド民族主義政党の民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首、解放変革人民戦線代表でロシア在住のジャミール・カドリー前副首相らと個別に会談した。

『ハヤート』(8月14日付)によると、会談では、ヴラジミール・プーチン大統領が提案している域内諸国による対ダーイシュ(イスラーム国)同盟の結成、シリア政府との交渉の方針などについての協議がなされた。

またボグダノフ外務副大臣は14日には、「第2回カイロ大会」の開催を主導したハイサム・マンナーア氏(「カフム」代表)、ハーリド・マハーミード氏、ジャマール・スライマーン氏、ジハード・マクディスィー氏との折衝を予定している。

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シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ代表はインテルファクス通信(8月13日付)のインタビューに応じ、ラブロフ外務大臣との会談で、プーチン大統領による対ダーイシュ域内同盟の設立案を拒否したと述べた。

AFP, August 13, 2015、AP, August 13, 2015、ARA News, August 13, 2015、Champress, August 13, 2015、al-Hayat, August 14, 2015、Interfax, August 14, 2015、Iraqi News, August 13, 2015、Kull-na Shuraka’, August 13, 2015、al-Mada Press, August 13, 2015、Naharnet, August 13, 2015、NNA, August 13, 2015、Reuters, August 13, 2015、SANA, August 13, 2015、UPI, August 13, 2015などをもとに作成。

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トルコ外務省はヌスラ戦線が主導するファトフ軍拠点への爆撃関与を否定(2015年8月12日)

トルコ外務省は声明を出し、11日にイドリブ県アティマ村のファトフ軍(スンナ軍)拠点に対して有志連合が行ったとされる空爆に関して、「インジルリク空軍基地を含むトルコのいかなる基地からも有人無人の戦闘機は発進していない」と発表し、関与を否定した。

ARA News(8月12日付)が伝えた。

ARA News(8月11日付)によると、有志連合(と思われる戦闘機)が11日トルコ国境に位置するアティマ村のファトフ軍の拠点複数カ所を空爆し、子供を含む民間人25人が巻き添えとなって死亡した。



空爆は、アティマ村にあるファトフ軍所属部隊の爆弾・ロケット弾製造工場などを標的として実施され、製造工場と周辺の建物が全壊し、民間人25人が死亡したという。

AFP, August 12, 2015、AP, August 12, 2015、ARA News, August 11, 2015、August 12, 2015、Champress, August 12, 2015、al-Hayat, August 13, 2015、Iraqi News, August 12, 2015、Kull-na Shuraka’, August 12, 2015、al-Mada Press, August 12, 2015、Naharnet, August 12, 2015、NNA, August 12, 2015、Reuters, August 12, 2015、SANA, August 12, 2015、UPI, August 12, 2015などをもとに作成。

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米国務省報道官「トルコと合意したのはシリア北部での安全保障の設置ではなく、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うため」(2015年8月12日)

マーク・トナー米国務省報道官は、米トルコ両政府がアレッポ県北部で設置合意したとされる「安全地帯」に関して、「トルコと合意したのはシリア北部での安全保障の設置ではない。合意はダーイシュ(イスラーム国)と戦うためだ」としたうえで、「米国が地域におけるダーイシュとの戦いを続けたとしても、安全地帯も、避難地域も存在しない」と強調した。

ARA News(8月12日付)が伝えた。

AFP, August 12, 2015、AP, August 12, 2015、ARA News, August 12, 2015、Champress, August 12, 2015、al-Hayat, August 13, 2015、Iraqi News, August 12, 2015、Kull-na Shuraka’, August 12, 2015、al-Mada Press, August 12, 2015、Naharnet, August 12, 2015、NNA, August 12, 2015、Reuters, August 12, 2015、SANA, August 12, 2015、UPI, August 12, 2015などをもとに作成。

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イドリブ県カンスフラ村で、ダーイシュ(イスラーム国)がシャーム自由人イスラーム運動本部に対して自爆攻撃(2015年8月12日)

イドリブ県では、ARA News(8月12日付)によると、カンスフラ村にあるシャーム自由人イスラーム運動の本部近くで、ダーイシュ(イスラーム国)を名乗る武装集団の戦闘員が自爆ベルトを爆発させ、シャーム自由人イスラーム運動多数が死傷した。

ダーイシュ戦闘員は当初、爆弾を積んだ車をシャーム自由人イスラーム運動の本部に突撃させて自爆しようとしたが失敗し、その後、本部近くで午後の礼拝を行っていたシャーム自由人イスラーム運動メンバーを狙って、自爆ベルトを爆発させたという。

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ハサカ県では、ARA News(8月12日付)によると、タッル・ハミース市郊外のガズィーラ村一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、有志連合が航空支援を行った。

また、ARA News(8月13日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がハサカ市北東部郊外にある西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊拠点を襲撃、爆弾を仕掛けた車を爆発させた。

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ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(8月12日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線が占拠ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯で、シリア軍、国防隊、PFLP-GC民兵が、ダーイシュ、ヌスラ戦線など反体制武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、SANA(8月12日付)によると、タドムル市南西部、ジャズル・ガス採掘所一帯、アブー・ジャリース村、ガズィーラ村、イッズッディーン町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(8月12日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯、ブラート村東部、サフィーラ市東部で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、ARA News(8月13日付)によると、有志連合はアイン・アラブ市南部に位置するナジュブ城一帯を空爆した。

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ARA News(8月12日付)は、トルコ南東部のインジルリク空軍基地に配備された米軍機がダーイシュ(イスラーム国)掃討作戦に初めて参加し、ハサカ県内のダーイシュ拠点などに対し5回の空爆を行ったと伝えた。


AFP, August 12, 2015、AP, August 12, 2015、ARA News, August 12, 2015、August 13, 2015、Champress, August 12, 2015、al-Hayat, August 13, 2015、Iraqi News, August 12, 2015、Kull-na Shuraka’, August 12, 2015、al-Mada Press, August 12, 2015、Naharnet, August 12, 2015、NNA, August 12, 2015、Reuters, August 12, 2015、SANA, August 12, 2015、UPI, August 12, 2015などをもとに作成。

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トルコ、イラン、そしてシリアの野党の仲介により、ザバダーニー市(ダマスカス郊外県)で一時停戦(2015年8月12日)

ダマスカス郊外県では、AFP(8月12日付)によると、ザバダーニー市一帯で戦闘を続けるシリア軍(第4師団)、ヒズブッラー戦闘員と、シャーム自由人イスラーム運動などからなるジハード主義武装集団および地元の武装集団の間で、72時間の一時停戦が発効した。

ムハンマドを名乗る地元住民によると、一時停戦を受け、ザバダーニー市での戦闘は12日早朝には収束し、銃声、砲声などはほとんど聞こえないという。

シリア人権監視団によると、一時停戦は11日晩に合意され、当初の停戦期間は12日午前6時から14日午前6時までの48時間と設定されていたが、12日昼に、15日午前6時まで延長することで再度合意がなされたという。

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これに関して、『ハヤート』(8月13日付)は、複数の活動家やシリア人権監視団の情報として、トルコの仲介で行われたアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動とイランの使節団の折衝の結果、一時停戦合意が成立したと伝えた。

交渉は現在も続いており、ファトフ軍が包囲するイドリブ県フーア市、カファルヤー町(いずれもシリア政府支配下のシーア派の町)への食糧物資搬入を条件に、シリア軍とヒズブッラーと攻勢を受ける反体制武装集団のザバダーニー市からの安全な退去を認めることなどが協議されているという。

シャーム自由人イスラーム運動とイランの交渉は一端中断していたが、数日前に再開されていたという。

シリア政府に近い高官もまた、停戦が、トルコとイランの仲介の結果として成立したと述べているという。

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一方、野党の団結党(シリア・アラブ団結党、https://syriaarabspring.info/?page_id=942)のムハンマド・アブー・カースィム書記長は、AFPに対して、自身がザバダーニー市内で活動する活動家らを代表して、シリア政府側と交渉を行い、停戦を実現したと語った。

アブー・カースィム書記長は「団結党は、新たな合意に向けシリア政府と交渉する権限を(反体制武装集団から)与えられた…。(ザバダーニー市で)軍事作戦が始まって以来、我々はザバダーニー市での危機の解決策を模索してきた…。我々(反体制活動家側)は、犠牲者を可能な限り最小限に食い止めるため戦闘を停止したいと考え、停戦を受け入れた…。我々は今後、武装集団がザバダーニーにとどまることは受け入れない」と述べた。

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なお、『ハヤート』(8月14日付)によると、この停戦合意では、イドリブ県のフーア市、カファルヤー町一帯での戦闘停止も含まれているという。

AFP, August 12, 2015、AP, August 12, 2015、ARA News, August 12, 2015、Champress, August 12, 2015、al-Hayat, August 13, 2015、August 14, 2015、Iraqi News, August 12, 2015、Kull-na Shuraka’, August 12, 2015、al-Mada Press, August 12, 2015、Naharnet, August 12, 2015、NNA, August 12, 2015、Reuters, August 12, 2015、SANA, August 12, 2015、UPI, August 12, 2015などをもとに作成。

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アサド大統領がイランのザリーフ外相と会談(2015年8月12日)

アサド大統領はシリアを訪問したイランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣とダマスカスで会談した。

SANA(8月12日付)によると、会談では、アサド大統領が最初に、イランの核開発をめぐる「P5+1」との合意への祝辞を改めて述べ、その後、シリアの紛争の平和的解決に向けた方途に関して意見を交わした。

ザリーフ外務大臣は、これに関してシリア情勢に関して、外国の干渉を排除し、シリアの領土保全、主権を前提とすることが必要との立場を示した。

両者はまた、域内外のすべての国が、協調して「テロとの戦い」に向けた真摯な行動をとるとともに、テロ組織への支援を停止すべきだとの点を確認した。

SANA, August 12, 2015
SANA, August 12, 2015

AFP, August 12, 2015、AP, August 12, 2015、ARA News, August 12, 2015、Champress, August 12, 2015、al-Hayat, August 13, 2015、Iraqi News, August 12, 2015、Kull-na Shuraka’, August 12, 2015、al-Mada Press, August 12, 2015、Naharnet, August 12, 2015、NNA, August 12, 2015、Reuters, August 12, 2015、SANA, August 12, 2015、UPI, August 12, 2015などをもとに作成。

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アレッポ県北部のマーリア市をダーイシュ(イスラーム国)が攻撃、反体制武装集団と交戦(2015年8月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ウンム・フーシュ村を制圧したダーイシュ(イスラーム国)がトルコ国境に近いマーリア市に進軍し、同地を支配する反体制武装集団(「自由シリア軍」を名乗る武装集団)と交戦した。

この戦闘で反体制武装集団戦闘員25人とダーイシュ戦闘員8人が死亡した。

マーリア市は、米トルコ両政府が「安全地帯」に設置することに合意したとされる地域内に位置しており、同地域ではアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線が有志連合には参加できないとして撤退し、スルターン・ムラード旅団などに拠点を明け渡す一方、ダーイシュが攻勢を強めていた。

一方、SANA(8月11日付)によると、西クワイリス村、アルバイド村、東クワイリス町、ターディフ市、航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ジャズル・ガス採掘所一帯、シャーイル・ガス採掘所一帯でシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(8月11日付)によると、タドムル市、ワーディー・マースィク一帯、東サラーム村、スルターニーヤ村、柑橘農園一帯、ジャズル・ガス採掘所一帯、シャーイル・ガス採掘所東部、マギーズィール村、フワイスィース村、マハッサ地区一帯、カルヤタイン市南部などで、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(8月11日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシャッダーディー市で、メンバーの一人でアブー・ウマル・ジャズラーウィーを名乗るサウジアラビア人医師とヤズィード教徒のクルド人女性看護師2人が、「メンバー5人がAIDSに感染したとの情報を流した」として処刑した。

ダーイシュはまた、シリア人および外国人メンバー80人以上をシャッダーディー市で処刑し、郊外に遺棄したという。

処刑されたメンバーは、最近のハサカ市一帯での戦闘での任務放棄などの罪を問われて処刑されたという。

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米中央軍(CENTCOM)は、8月11日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して19回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は9回におよび、ハサカ市近郊(5回)、アレッポ市近郊(3回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, August 11, 2015、AP, August 11, 2015、ARA News, August 11, 2015、Champress, August 11, 2015、al-Hayat, August 12, 2015、Iraqi News, August 11, 2015、Kull-na Shuraka’, August 11, 2015、al-Mada Press, August 11, 2015、Naharnet, August 11, 2015、NNA, August 11, 2015、Reuters, August 11, 2015、SANA, August 11, 2015、UPI, August 11, 2015などをもとに作成。

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サウジアラビアのジュバイル外相がラブロフ露外相と会談「アサド、イランはシリア問題の一部をなしており、解決策の一部とはなり得ない」(2015年8月11日)

サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣はロシアを訪問し、モスクワでセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談、シリア情勢など国際情勢・地域情勢、二国間関係について意見を交わした。

会談後の記者会見で、ラブロフ外務大臣は、シリア情勢に関して、「テロとの戦い」において協調を行う必要があるとの認識をジュバイル外務大臣と共有しており、ダーイシュ(イスラーム国)殲滅に向けた域内同盟の結成を呼びかけるヴラジミール・プーチン大統領のイニシアチブに関して一定の成果がもたらされたとしつつ、「アサド大統領の進退」などをめぐって「いくつかの相違点」が残されたことを認めた。

一方、ジュバイル外務大臣は、「シリアの未来にアサドの居場所はない」とするサウジアラビア政府の対シリア政策の基本姿勢を改めて表明、アサド大統領が「問題の一部をなしており、解決策の一部をなさない」と主張した。

また「バッシャール・アサドの体制、そしてバッシャール・アサド自身は終わったと考えている。政治プロセスを通じて去るか、軍事プロセスにより終わることになる。我々は、国際社会が政治プロセスを通じてバッシャール・アサドを退任させるための手段を見出すことができると望んでいる」と述べた。

プーチン大統領が提唱するダーイシュに対する域内同盟に関して、ジュバイル外務大臣は「シリア政府がその一角をなすテロと戦うためのいかなる同盟にも参加しない」と述べ、シリア軍がダーイシュの拠点拡大強化を支援していると断じた。

その一方で、ジュネーブ合意(2012年)が設置を求めている移行期統治機関については、「テロとの戦い、シリア人保護において役割を果たし得る」との見方を示した。

『ハヤート』(8月12日付)が伝えた。

ARA News(8月11日付)によると、ジュバイル外務大臣はまた、イランに関しても「イランはシリアにおける問題の一部分をなしており、危機解決を何ら保障するものでない」としたうえで、「イランは、ヒズブッラー戦闘員などシリア領内のすべての民兵を撤退させる必要がある」と非難した。

al-Hayat, August 12, 2015
al-Hayat, August 12, 2015

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シリアの外務在外居住者省公式筋は、SANA(8月11日付)に対し、ロシアを訪問中のサウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣の姿勢を厳しく非難した。

同公式筋は、「中世から逃げ延び、立憲制に依拠せず、シリア、イエメン両国民の血でその手を染めているサウジアラビア政府は、正統性や合法性について語る資格がもっともない」としたうえで、ダーイシュ(イスラーム国)とサウジアラビア政府は、イスラーム教の名の下に殺戮を行うという思考・行動様式において共通していると指弾した。

AFP, August 11, 2015、AP, August 11, 2015、ARA News, August 11, 2015、Champress, August 11, 2015、al-Hayat, August 12, 2015、Iraqi News, August 11, 2015、Kull-na Shuraka’, August 11, 2015、al-Mada Press, August 11, 2015、Naharnet, August 11, 2015、NNA, August 11, 2015、Reuters, August 11, 2015、SANA, August 11, 2015、UPI, August 11, 2015などをもとに作成。

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有志連合(米軍)がイドリブ県のトルコ国境に位置するファトフ軍の爆弾・ロケット製造工場を爆撃し、子供ら25人が死亡(2015年8月11日)

イドリブ県では、ARA News(8月11日付)によると、有志連合がトルコ国境に位置するアティマ村のファトフ軍の拠点複数カ所を空爆し、子供を含む民間人25人が巻き添えとなって死亡した。

空爆は、アティマ村にあるファトフ軍所属部隊の爆弾・ロケット弾製造工場などを標的として実施され、製造工場と周辺の建物が全壊し、民間人25人が死亡したという。

ファトフ軍はイドリブ県ほぼ全域を実効支配する武装集団で、アル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ジュンド・アクサー機構などからなる反体制武装集団。

AFP, August 11, 2015、AP, August 11, 2015、ARA News, August 11, 2015、Champress, August 11, 2015、al-Hayat, August 12, 2015、Iraqi News, August 11, 2015、Kull-na Shuraka’, August 11, 2015、al-Mada Press, August 11, 2015、Naharnet, August 11, 2015、NNA, August 11, 2015、Reuters, August 11, 2015、SANA, August 11, 2015、UPI, August 11, 2015などをもとに作成。

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スルターン・ムラード旅団(自由シリア軍)がトルコからアレッポ県北部に入り、ヌスラ戦線の制圧地域移譲(2015年8月11日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(8月11日付)などによると、スルターン・ムラード旅団(自由シリア軍)の数十人が四輪駆動車、貨物車輌を連ねて、トルコ領内からバーブ・サラーマ国境通行所を通過、シリア領内に入った。

これに合わせて、スルターン・ムラード旅団は10日付で声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線から県北部のハワール・キリス村、ダルハ村を移譲されたことを正式に発表した。

Kull-na Shuraka', August 11, 2015
Kull-na Shuraka’, August 11, 2015

AFP, August 11, 2015、AP, August 11, 2015、ARA News, August 11, 2015、Champress, August 11, 2015、al-Hayat, August 12, 2015、Iraqi News, August 11, 2015、Kull-na Shuraka’, August 11, 2015、al-Mada Press, August 11, 2015、Naharnet, August 11, 2015、NNA, August 11, 2015、Reuters, August 11, 2015、SANA, August 11, 2015、UPI, August 11, 2015などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動は米トルコ両政府によるアレッポ県北部での「安全地帯」設置を支持(2015年8月11日)

アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動は声明を出し、米トルコ政府がアレッポ県北部のトルコ国境地帯に設置することを合意した「安全地帯」に関して、「シリア北部の人道状況の改善」に資するとし、支持を表明した。

بيان-بشأن-مشروع-المنطقة-الآمنة-في-شمال-سوريا (1)

AFP, August 11, 2015、AP, August 11, 2015、ARA News, August 11, 2015、Champress, August 11, 2015、al-Hayat, August 12, 2015、Iraqi News, August 11, 2015、Kull-na Shuraka’, August 11, 2015、al-Mada Press, August 11, 2015、Naharnet, August 11, 2015、NNA, August 11, 2015、Reuters, August 11, 2015、SANA, August 11, 2015、UPI, August 11, 2015などをもとに作成。

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旬刊シリア情勢(試作版2015年8月1~10日)

2015年8月1日(土)から10日(月)までのシリアをめぐる主な動きは以下の通り。

1. トルコで米軍が教練した「穏健な反体制派」の第30師団をめぐる混乱を突くかたちで、ダーイシュがアレッポ県北部の「安全地帯」で勢力伸長

米トルコ両国政府が7月末にアレッポ県北部に設置することで合意したとされる「安全地帯」(安全保障島)では、トルコ領内で米軍の教練を受けた「穏健な反体制派」の第30(歩兵)師団戦闘員60人あまりが進軍した。

だが、米国が支援する「穏健な反体制派」の勢力拡大に警戒感を示すアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線は、活動開始間もない第30師団の士官1人を含む戦闘員複数名をアアザーズ市(アレッポ県)拘束し、また同師団の拠点を襲撃した。

これに対して、米軍はただちに、アアザーズ市郊外のヌスラ戦線拠点などを空爆すると、ヌスラ戦線は「安全地帯」の設置をめざす米トルコの方針から距離を置くようになり、有志連合と協力することはできないとして、「安全地帯」から撤退した。

ヌスラ戦線の撤退により、「権力の真空」が生じた「安全地帯」では、ダーイシュが攻勢を強め、反体制武装集団(シャーム自由人イスラーム運動、シャーム戦線)などの拠点都市であるマーリア市周辺の村々への進攻を開始した。

(主な関連記事)

■ヌスラ戦線が、米国の教練を受けた「第30師団」メンバー拘束、有志連合の空爆現場のビデオ映像を公開(2015年8月1日)
シャームの民のヌスラ戦線の広報部門マナーラ・バイダーのアレッポ特派員は、「ヌスラ戦線兵士はシリア北部に伸びる米国の腕を阻止するための軍事作戦を開始する」と題した約3分間のビデオ映像(https://www.youtube … 続きを読む
■ヌスラ戦線は、有志連合によるダーイシュ(イスラーム国)攻撃に参加しないため、アレッポ県北部の前線から撤退すると発表(2015年8月10日)
シャームの民のヌスラ戦線はインターネットを通じて声明を出し、米トルコ両国政府によるアレッポ県北部の「安全地帯設置」設置を受けるかたちで、同県北部の「ダーイシュ(イスラーム国)との前線からの撤退を宣言する」と発表した。
ヌ … 続きを読む
■シリア人権監視団「有志連合は、ヌスラ戦線の襲撃を受けた「第30師団」を直ちに空爆で支援」(2015年8月2日) シリア人権監視団は、シャームの民のヌスラ戦線が7月30日に、米軍の軍事教練を受け、トルコから2週間以上前にシリア領内に潜入した第30師団司令官ら8人を拉致したことに関連して、ヌスラ戦線が同じ日にマーリキーヤ村の第30師団 … 続きを読む
■アーネスト米ホワイトハウス報道官「米軍のシリア領内での作戦にシリア政府は介入すべきでない」(2015年8月3日) ジョシュ・アーネスト米ホワイトハウス報道官は、米軍がトルコ領内で教練したシリアの「穏健な反体制派」に対する航空支援を決定したとする報道に関して、シリア政府は米軍のシリア領内での作戦に「介入すべきでない」と述べ、シリア政府
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■ヌスラ戦線が米軍の教練を受けた「穏健な反体制派」(新シリア軍)メンバー5人を新たに拉致(2015年8月3日) アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線が、アフリーン市郊外のカーフ村で、米軍の教練を受けトルコからシリア領内に入っていた「穏健な反体制派」の第30師団の戦闘員5人を新たに
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■米匿名高官「米軍の軍事教練を受けた「穏健な反体制派」を空爆で支援することを米政府は決定」(2015年8月3日) 『ハヤート』(8月4日付)、ロイター通信(8月3日付)などは、米国の複数の高官が匿名を条件に、米軍の軍事教練を受けた「穏健な反体制派」に空爆などを通じて支援を行うと米政府が決定したことを明かしたと伝えた。 匿名高官らによると … 続きを読む
■米軍の教練を受けた「穏健な反体制派」の第30師団が、ヌスラ戦線に事実上の降伏宣言、米国の意に反して活動方針をダーイシュ掃討から、ダーイシュおよびシリア政府との戦いに転換(2015年8月5日)
トルコ領内で米軍の教練を受け、シリア潜入直後にシャームの民のヌスラ戦線によって司令官らを拉致された「穏健な反体制派」の第30師団は、インターネットを通じて声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)とシリア政府と戦うために結成
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■トルコ外相「米国とともに”近く”ダーイシュ(イスラーム国)への全面戦争を行う」(2015年8月5日) トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は訪問先のマレーシアの首都クアラルンプールでジョン・ケリー米国務長官と会談した。 会談後、チャヴシュオール外務大臣は「米軍の有人戦闘機および無人航空機がトルコのインジルリク空軍
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■トルコによるイラク北部のPKK拠点への空爆、米国によるシリア北部の「安全地帯」設置、「穏健な反体制派」への支援に関する米トルコ間の合意の全貌(2015年8月5日) 『ハヤート』(8月5日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、ダーイシュ(イスラーム国)による領内での「テロ」に端を発するイラク北部へのトルコ軍の空爆やシリア北部での「安全保障地域」(安全保障島、جزيرة آمنة) … 続きを読む
■トルコ当局がダーイシュ(イスラーム国)支配下のタッル・アブヤド市に隣接するアクチャカレ一帯を「暫定軍事安全地帯」に指定(2015年8月6日) ドゥラル・シャーミーヤ(8月6日付)は、シャンウルファ県のトルコ当局の話として、トルコ当局がシリア国境に面するアクチャカレ郡の3カ所を「暫定軍事安全地帯」を指定したと伝えた。
「暫定軍事安全地帯」指定は、8月6日 … 続きを読む
■アレッポ県でダーイシュ(イスラーム国)と戦う「穏健な反体制派」の司令官が何者かによって拉致(2015年8月8日) アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(8月8日付)が、ウンム・フーシュ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と戦っていたスルターン・ムラード旅団のアンマール・ハーッジ・ガーズィー司令官が同地で6日に何者かに拉致され、消息が
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■北部ウンム・フーシュ村を制圧、ヌスラ戦線は米トルコが設置したアレッポ県北部の「安全地帯」からの撤退を続ける(2015年8月9日) アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、ジハード主義武装集団などの支配下にあるウンム・フーシュ村で、戦闘員が自爆攻撃などを行い、ジハード主義者18人を殲滅、同地を制圧した。 この戦闘で、ダ … 続きを読む
■ヌスラ戦線は、有志連合によるダーイシュ(イスラーム国)攻撃に参加しないため、アレッポ県北部の前線から撤退すると発表(2015年8月10日) シャームの民のヌスラ戦線はインターネットを通じて声明を出し、米トルコ両国政府によるアレッポ県北部の「安全地帯設置」設置を受けるかたちで、同県北部の「ダーイシュ(イスラーム国)との前線からの撤退を宣言する」と発表した。
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2. シリア軍とファトフ軍の攻防 、YPGとヌスラ戦線の戦闘頻発化

イドリブ県西部、ハマー県北部のガーブ平原一帯に勢力を伸張したファトフ軍(アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、ジュンド・アクサー機構、シャーム自由人イスラーム運動などからなる連合組織)とシリア軍、国防隊の攻防戦が続き、シリア政府の支配下にとどまるイドリブ県フーア市およびカファルヤー町(いずれもシーア派住民が多い)一帯へのファトフ軍の無差別砲撃が強まる一方、シリア軍は、国防隊、レバノンのヒズブッラー、パレスチナ解放軍とともに、ダマスカス郊外県西部における反体制武装集団の最後の拠点ザバダーニー市制圧に向け作戦を継続した。

こうしたなか、ザバダーニー市とイドリブ県双方における戦闘を主導するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動が、イラン政府高官とザバダーニー市での停戦をめぐる交渉を行っていることを認めた。

一方、アレッポ県とイドリブ県の県境では、クルド民族主義政党の民主統一党が主導する西クルディスタン移行期文民局アフリーン地区が、トルコ国境に位置するヌスラ戦線の拠点アティマ村方面に勢力を伸張し、人民防衛隊(YPG)とヌスラ戦線との戦闘が頻発するようになった。

(主な関連記事)

■シリア軍がハマー県北部のザイズーン発電所一帯を制圧(2015年8月1日) ハマー県では、シリア人権監視団によると、ガーブ平原北部で、シリア軍がシャームの民のヌスラ戦線など反体制武装集団と交戦し、シリア軍兵士・国防隊隊員20人以上が死亡、反体制武装集団側も戦闘員19人が死亡した。
同監視団による … 続きを読む
■イドリブ県アティマ村一帯でYPGとヌスラ戦線が交戦(2015年8月1日) イドリブ県では、『ハヤート』(8月2日付)によると、トルコ国境に位置するアティマ村近郊のダイル・バッルート村で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とシャームの民のヌスラ戦線が交戦した。 戦闘は、人民防衛隊が同地に監 … 続きを読む
■シリア軍がラタキア県とアリーハー市を結ぶジスル・シュグール市郊外の戦略的要衝のフライカ村を奪還(2015年8月2日) イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヒズブッラー戦闘員、国防隊とともに、ラタキア県とアリーハー市を結ぶジスル・シュグール市郊外の戦略的要衝のフライカ村で、3日間に及ぶ反体制武装集団との戦闘を征し、同地を制
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■ファトフ軍がイドリブ県にあるシーア派の町フーア市地下でトンネルを爆破、また「地獄の大砲」など1,000発以上で無差別砲撃(2015年8月10日)
イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(8月10日付)によると、ファトフ軍がシリア政府支配下にあるフーア市に向かって掘削した地下トンネル内で爆弾を爆発させ、ヒズブッラー戦闘員、国防隊隊員数十人を殺害した。
この地下トンネ … 続きを読む
■イドリブ県でシリア軍戦闘機が墜落し30人以上が死亡、フライカ村一帯で戦闘続く(2015年8月3日) イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ファトフ軍の制圧下にあるアリーハー市中心街を空爆していたシリア軍戦闘機1機(MiG-21)が「技術的な問題」で墜落し、子供2人を含む31人が死亡、40人あまりが負傷した(その後死 … 続きを読む
■イドリブ県南部、ハマー県北部でシリア軍とファトフ軍らの戦闘続く(2015年8月4日) イドリブ県では、シリア人権監視団によると、フライカ村一帯、ハムカ丘一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アジア人・アラブ人戦闘員が、ハック旅団、ジュンド・アクサー機構、シャームの民のヌスラ戦線、スンナ軍、アンサー
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■シャーム自由人イスラーム運動は、ザバダーニー市停戦に向けたイランとの交渉が中断したと発表(2015年8月5日) シャーム自由人イスラーム運動は声明を出し、ダマスカス県ザバダーニー市での停戦に向けてイランの高官と交渉していることを認めたうえで、イラン側がザバダーニー市からの住民の退去に固執したために交渉が中断したと発表、同市一帯の「
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■イドリブ県・ハマー県境でヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が反転攻勢、ザイズーン発電所を奪還(2015年8月5日) シリア人権監視団によると、イドリブ県南部のジスル・シュグール市一帯、ハマー県北部のガーブ平原一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アジア系・アラブ系戦闘員と、ハック旅団、シャーム軍団、スンナムン、第101歩兵師団 … 続きを読む
■トルコ国境地帯でヌスラ戦線とYPGが交戦(2015年8月6日) シリア人権監視団によると、トルコ国境地帯に位置するイドリブ県アティマ村とアレッポ県ジンディールス町を結ぶ地域で、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が交戦した。
戦闘 … 続きを読む
■ファトフ軍がイドリブ県、ハマー県で再びシリア軍に対して攻勢(2015年8月7日) ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍が、ガーブ平原に位置するマシーク村でシリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アジア系・アラブ系民兵と交戦し
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■ハマー県、イドリブ県でシリア軍がヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団との戦闘を続ける(2015年8月8日) ハマー県では、シリア人権監視団によると、県北部ガーブ平原のマシーク村、マンスーラ村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アジア系・アラブ系民兵が、ハック旅団、シャーム軍団、スンナ軍、第101歩兵師団、第111歩兵 … 続きを読む
■YPGは負傷した隊員6人をトルコ当局がアル=カーイダ系組織のヌスラ戦線に引き渡したと非難(2015年8月8日) 西クルディスタン移行期民政局コバネの人民防衛隊総司令部は声明を出し、アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市からミュルシトプナル国境通行所を通ってトルコ領内の病院に搬送された人民防衛隊の負傷兵6人が、トルコ領
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■シリア軍がハマー県北部で敗退する一方、アレッポ市スライマーン・ハラビー地区の建物群を制圧(2015年8月9日) ハマー県では、シリア人権監視団によると、ファトフ軍を構成するシャームの民のヌスラ戦線、ジュンド・アクサー機構、トルキスターン・イスラーム党、シャーム自由人イスラーム運動、ハック旅団、シャーム軍団、スンナ軍、第101歩兵師団、
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■ファトフ軍がイドリブ県にあるシーア派の町フーア市地下でトンネルを爆破、また「地獄の大砲」など1,000発以上で無差別砲撃(2015年8月10日) イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(8月10日付)によると、ファトフ軍がシリア政府支配下にあるフーア市に向かって掘削した地下トンネル内で爆弾を爆発させ、ヒズブッラー戦闘員、国防隊隊員数十人を殺害した。 この地下トンネ … 続きを読む

3. シリア軍、YPGがハサカ市からダーイシュを放逐するも、シリア政府はカルヤタイン市を喪失

ハサカ県の県庁所在地で、シリア政府と西クルディスタン移行期民政局ジャズィーラ地区が共同支配(分割統治)を行うハサカ市では、7月に侵入したダーイシュ(イスラーム国)戦闘員を、シリア軍、人民防衛隊がそれぞれ放逐することに成功した。

両者によるダーイシュ掃討に対して、有志連合は空爆により支援を行った。

シリア軍と西クルディスタン移行期民政局、そしてシリア軍と有志連合は対立関係にあるが、ハサカ市での戦闘において事実上の(消極的)連携を行っている。

ハサカ市からのダーイシュ放逐後、ハサカ県の主戦場はハサカ市郊外に写り、人民防衛隊が有志連合の航空支援にもかかわらず苦戦を強いられる一方、ヒムス県では、キリスト教徒が多く住むカルヤタイン市一帯にダーイシュが進軍、シリア政府は同地を放棄した。

(主な関連記事)

■ハサカ市から撤退したダーイシュ(イスラーム国)は、同市西部のアブドゥルアズィーズ山にある放送塔をYPGから奪取(2015年8月2日) ハサカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月2日付)によると、ハサカ市から撤退したダーイシュ(イスラーム国)が、同市西部郊外にあるアブドゥルアズィーズ山一帯で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と交戦し、放送塔を制圧し
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■ハサカ市西部アブドゥルアズィーズ山一帯でダーイシュ(イスラーム国)とYPGが交戦(2015年8月3日) ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市西部のアブドゥルアズィーズ山の放送塔一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)が西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と交戦、人民防衛隊隊員2人が死亡した。 クッルナー・シュラカ … 続きを読む
■シャンマル族の民兵組織「サナーディード軍」カーミシュリー市内で祝賀パレード(2015年8月3日) ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(8月3日付)によると、カーミシュリー市内でシャンマル族の民兵組織「サナーディード軍」が、ハサカ市からのダーイシュ(イスラーム国)放逐を祝う祝賀行進を行った。
行進を行ったサナーディー … 続きを読む
■ダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍との戦闘の末にヒムス県のカルヤタイン市を制圧か(2015年8月5日) ヒムス県では、シリア人権監視団によると、カルヤタイン市一帯でシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地一帯を空爆した。 これに関して、ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州広報局はまた、シリア軍との戦闘の末に、カルヤ
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■シリア領内での有志連合の空爆で「カリフ制の幼獣」8人を含むダーイシュ(イスラーム国)戦闘員51人が死亡(2015年8月6日) シリア人権監視団は、有志連合戦闘機がラッカ県、ダイル・ザウル県、ハサカ県各所のダーイシュ(イスラーム国)に対して空爆を行い、過去48時間で戦闘員51人を殺害したと発表した。 空爆の標的となったダイル・ザウル県マヤーディー … 続きを読む

4. 大統領の甥スライマーン・アサド氏逮捕

アサド大統領の甥のスライマーン・アサド氏が、ラタキア市で空軍大佐を射殺した。

事件を受け、ラタキア市ではスライマーン氏への極刑を求めるデモが発生、当局はスライマーン氏を殺人の罪で逮捕した。

(主な関連記事)

■ラタキア市内で大統領の甥スライマーン・アサド氏が空軍大佐を射殺(2015年8月7日) シリア人権監視団は、アサド大統領の甥のスライマーン・アサド氏がラタキア市内でハッサーン・シャイフ空軍大佐を殺害したと発表した。 シャイフ空軍大佐が運転する車が、ラタキア市内のアズハリー交差点で、スライマーン氏の車を追い越 … 続きを読む
■アサド大統領の甥のスライマーン氏への極刑を求めるデモがラタキア市で発生し、1,000人以上が参加(2015年8月9日) ラタキア県では、シリア人権監視団などによると、アサド大統領の甥のスライマーン・アサド氏が7日ラタキア市内でハッサーン・シャイフ空軍大佐を射殺したとされる事件に抗議する座り込みデモが8日晩から9日にかけてズィラーア交差点で
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■アサド大統領の甥のスライマーン・アサド容疑者逮捕/スライマーン容疑者「ラッカ、イドリブ、タドムルを売った連中が処罰されたら、自分が処罰されることも受け入れる」(2015年8月10日)
SANA(8月10日付)は、アサド大統領の甥で7日にラタキア市内でハッサーン・シャイフ空軍大佐を射殺したとされるスライマーン・アサド容疑者を関係当局が逮捕・拘束したと伝えた。
ラタキア県のイブラーヒーム・ハドル・サーリム … 続きを読む

5. 国連はシリアでの化学兵器の使用に対する責任を追及するための安保理決議を採択

ダマスカス郊外県東西グータ地方で2013年8月に発生した化学兵器使用事件から2年を迎えようとしていた8月7日、国連安保理は、シリアでの化学兵器の使用に対する責任追及にあたるため、国連と化学兵器禁止機関(OPWC)による合同査察機構を創設することを定めた決議第2235号を採択した。

(主な関連記事)

■米露、シリアでの塩素ガスの使用に関する国連安保理決議案をめぐって合意(2015年8月6日) 米国のジョン・ケリー国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は訪問先のマレーシアの首都クアラルンプールで会談し、シリア情勢などへの対応について意見を交わした。
会談後、ケリー国務長官は、シリアでの塩素ガスの使用に関し … 続きを読む
■シリアでの化学兵器の使用に対する責任追及にあたるための国連とOPWCによる合同査察機構の設置を定めた国連安保理決議第2235号が採択(2015年8月7日) 国連安保理は、シリアでの化学兵器の使用に対する責任追及にあたるため、国連と化学兵器禁止機関(OPWC)による合同査察機構を創設することを定めた決議第2235号を採択した。
米国が決議案を作成し、マレーシアの首都クアラルン … 続きを読む

6. サウジアラビアとシリアが秘密交渉

サウジアラビア首脳が7月に、同国内でシリアの国民安全保障会議議長と会談し、反体制派への支援の是非をめぐって交渉していたことを、サウジ高官が認めた。

この秘密交渉では、サウジアラビアは、シリアの反体制派への支援を停止する見返りとして、イラン、ヒズブッラーのシリアからの撤退が求めた。

交渉は結実せずに終わったが、サウジアラビアの政府がシリアの反体制派を支援していることが改めて浮き彫りとなった。

(主な関連記事)

■サウジアラビア首脳とシリアのマムルーク国民安全保障会議議長がサウジアラビアで会談:サウジアラビアは、イラン、ヒズブッラーのシリアからの撤退を反体制派支援停止の条件として提示(2015年8月8日) 『ハヤート』(8月8日付)は、サウジアラビアの複数の高官筋の話として、サウジアラビア首脳が7月7日、シリアのアリー・マムルーク国民安全保障会議議長をジェッダに招いていたと報じた。
この「奇跡の会談」は、ロシアのヴラジミー … 続きを読む

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本記事は「シリア・アラブの春顛末期:最新シリア情勢」が配信している記事の一部です。 シリア情勢についてもっと詳しく知りたい方は「シリア・アラブの春顛末期:最新シリア情勢」(https://syriaarabspring.info/)をご覧ください。またFacebook(https://twitter.com/SyriaArabSpring)、ツイッター(https://twitter.com/SyriaArabSpring)、Livdoor Blog(http://blog.livedoor.jp/syriaarabspring/)でも記事を配信しています。

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アレッポ市郊外のクワイリス航空基地でシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が激しく交戦(2015年8月10日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の包囲が続くクワイリス航空基地一帯で、シリア軍とダーイシュの戦闘が続き、シリア軍が同地への空爆を行う一方、ダーイシュは爆弾を積んだ車3台で自爆攻撃を行うなどして、空港内への突入を試みた。

この戦闘で、シリア軍の士官12人(うち准将2人)を含む15人が死亡、ダーイシュ側も26人が死亡した。

一方、SANA(8月10日付)によると、シリア軍砲兵部隊が、クワイリス航空基地に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、空軍による航空支援を受けてこれを撃退、戦闘員数十人を殲滅、装甲車などの装備を破壊した。

シリア軍はまたアレッポ市東部の航空士官学校一帯、ナアーミヤ丘一帯を空爆し、ダーイシュの戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、シリア人権監視団によると、スーラーン・アアザーズ村郊外のバッル村、タラーリーン村一帯では、ジハード主義武装集団とダーイシュが交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市郊外の柑橘農園一帯、ジャズル・ガス採掘所一帯、マハッサ地区などを空爆、またジャズル・ガス採掘所一帯、シャーイル・ガス採掘所一帯などでダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

シリア軍はこのほかにも、ダーイシュの支配下にあるカルヤタイン市を5回にわたり空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるマヤーディーン市の近代医学センター付近などを空爆し、少なくとも6人が死亡した。

一方、ダーイシュはブーカマール市で若者2人を公開処刑し、殺害した。

ヒムス県では、SANA(8月10日付)によると、カルヤタイン市一帯(マハッサ地区一帯)、タドムル市一帯(柑橘農園、ジャズル・ガス採掘所一帯、シャーイル・ガス採掘所一帯、マギーズィール村、フワイスィース村など)をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、東カラムーン地方で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(8月10日付)にがラッカ市の複数の地元筋の話として、ダーイシュ(イシュラーム国)がテレビ視聴を禁止する通達をラッカ市住民に出していると報じた。

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ハサカ県では、ARA News(8月10日付)によると、有志連合がハサカ市東部に位置するサラーリーヤ村のダーイシュ(イスラーム国)拠点(村長邸)を空爆し、ダーイシュ戦闘員50人以上が死亡した。

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米中央軍(CENTCOM)は、8月10日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して30回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は6回におよび、ハサカ市近郊(5回)、アレッポ市近郊(1回)、アイン・イーサー市近郊(3回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, August 10, 2015、AP, August 10, 2015、ARA News, August 10, 2015、Champress, August 10, 2015、al-Hayat, August 11, 2015、Iraqi News, August 10, 2015、Kull-na Shuraka’, August 10, 2015、al-Mada Press, August 10, 2015、Naharnet, August 10, 2015、NNA, August 10, 2015、Reuters, August 10, 2015、SANA, August 10, 2015、UPI, August 10, 2015などをもとに作成。

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ヌスラ戦線は、有志連合によるダーイシュ(イスラーム国)攻撃に参加しないため、アレッポ県北部の前線から撤退すると発表(2015年8月10日)

シャームの民のヌスラ戦線はインターネットを通じて声明を出し、米トルコ両国政府によるアレッポ県北部の「安全地帯設置」設置を受けるかたちで、同県北部の「ダーイシュ(イスラーム国)との前線からの撤退を宣言する」と発表した。

ヌスラ戦線は、米トルコ両政府が「安全地帯」に設置することに合意したとされる地域アレッポ県バーブ市北部のトルコ国境地帯の拠点をシャーム戦線、スルターン・ムラード・トゥルクマーニー旅団などに引き渡し、退去しているが、声明では撤退地域について具体的に言及はしていない。

撤退の理由に関して、ヌスラ戦線は、ダーイシュの殲滅をめざす有志連合に参加することが法的に認められず、戦闘への参加、支援、調整などはできない、としている。

AFP, August 10, 2015、AP, August 10, 2015、ARA News, August 10, 2015、Champress, August 10, 2015、al-Hayat, August 11, 2015、Iraqi News, August 10, 2015、Kull-na Shuraka’, August 10, 2015、al-Mada Press, August 10, 2015、Naharnet, August 10, 2015、NNA, August 10, 2015、Reuters, August 10, 2015、SANA, August 10, 2015、UPI, August 10, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)が反体制武装集団支配下のアレッポ県北部ウンム・フーシュ村を制圧、ヌスラ戦線は米トルコが設置したアレッポ県北部の「安全保障地帯」からの撤退を続ける(2015年8月9日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、ジハード主義武装集団などの支配下にあるウンム・フーシュ村で、戦闘員が自爆攻撃などを行い、ジハード主義者18人を殲滅、同地を制圧した。

この戦闘で、ダーイシュ側にも10人の死者が出たという(ダーイシュのアアマーク通信によると、戦闘でのジハード主義者の死者は36人)。

またクッルナー・シュラカー(8月9日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線が、バーブ市北部のトルコ国境地帯に位置するハワール・キリス村、ダルハ村から6日に退去したのに続き、ハルジャラ村から撤退した。

ハルジャラ村は、米トルコ両政府が「安全地帯」に設置することに合意したとされる地域内に位置する。

一方、SANA(8月9日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるカルヤタイン市一帯を空爆し、同市郊外で交戦した。

シリア軍はまたタドムル市郊外一帯に対しても空爆を行った。

一方、SANA(8月9日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)のサウジ人、チュニジア人戦闘員数十人を殺害した。

シリア軍はまた、タドムル市西部の燃料供給所、採石場東部一帯、スルターニーヤ村、アブー・タッラーハ村、タルファーウィー村、サアン町などを空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、ブラーク村近郊の街道に仕掛けられた爆弾が爆発し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員7人が死亡した。

爆弾はシリア軍が仕掛けたものと思われる。

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ハサカ県では、ARA News(8月9日付)によると、タッル・ブラーク町郊外で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

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大西洋条約機構(NATO)常駐アメリカ政府代表はツイッターを通じて、米空軍のF-16戦闘機6機が、ダーイシュ(イスラーム国)に対する作戦に参加するため、トルコ南東部のインジルリク空軍基地に配備された、と発表した。

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米中央軍(CENTCOM)は、8月9日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して29回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は8回におよび、ハサカ市近郊(5回)、アレッポ市近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、タッル・アブヤド市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, August 9, 2015、AP, August 9, 2015、ARA News, August 9, 2015、Champress, August 9, 2015、al-Hayat, August 10, 2015、Iraqi News, August 9, 2015、Kull-na Shuraka’, August 9, 2015、al-Mada Press, August 9, 2015、Naharnet, August 9, 2015、NNA, August 9, 2015、Reuters, August 9, 2015、SANA, August 9, 2015、UPI, August 9, 2015などをもとに作成。

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ロシアのラブロフ外相「ダーイシュ(イスラーム国)撲滅を効果的に進めるためにはダブル・スタンダードを止め、アサド政権を「テロとの戦い」におけるパートナーとみなす必要がある」(2015年8月9日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ロシア国営テレビ「チャンネル1」のインタビューに応じ、そのなかでシリア情勢について触れ、欧米諸国が「ダーイシュ(イスラーム国)撲滅を効果的に進めるためにはダブル・スタンダードを止め、アサド政権を「テロとの戦い」におけるパートナーとみなす必要がある」と述べた。

ラブロフ外務大臣は「我々はジョン・ケリー米国務長官と、ヴラジミール・プーチン大統領が示したダーイシュとの戦いに向けた統一戦線の必要について検討した…。ダーイシュに邪悪な考え方を実現させようように皆がしたいのであれば、シリア情勢以外の情勢に関しても、我々はテロリストを良いテロリストと悪いテロリストに区別することを止めるべき…と提言している」と述べた。

また米国主導の有志連合が、イラクへの空爆時とは異なり、シリアでの空爆を開始する際にシリア政府の合意を得なかったことについては、「もしそうしていれば、有志連合は(シリア政府から)合意を得られただろう。また安保理は、有志連合の作戦に正当性を付与することもでき…、空爆に関するいかなる曖昧さもなかったはずだ」と付言した。

ラブロフ外相はさらに、米軍がシリアの「穏健な反体制派」を軍事教練していることに関して、「米国は、もし政府軍がこの戦闘員(米軍の教練を受けた「穏健な反体制派」)と軍事的に衝突し、その活動が妨害された場合、政府軍を攻撃すると述べた。私は、テーブルに座って、シリア軍、こうした戦闘員、そしてクルド人が参加して、すべてを検討することで合意した方が簡単なのではないかと問いかけた…。米国は自分たちが教練した戦闘員をシリア軍が攻撃しなければ、シリア軍の拠点を攻撃しないと言う。しかし、率直に言えば、間違えるのは非常に簡単だ…。米軍が「地上」にいない状況で、アフガニスタンで起こったような間違いが起こるのは、非常に簡単なことだと思う。私はケリー国務長官に、取り返しのつかないミスが、後に誰もコントロールできないほどのレベルにまで状況を「爆発」させる恐れがあると率直に警告した」と語った。

一方、シリア国内での化学兵器使用疑惑に関しては、2013年のシリアの化学兵器禁止条約への加盟を受けた化学兵器禁止機関(OPCW)の監視下での化学兵器関連物質・施設の廃棄により「問題は成功裏に解決した」としたうえで、塩素ガスなどの使用疑惑に絡め「シリア国内に申告されていない化学兵器があるといった言説がしばしばある。しかしこの問題は調査中であり、根拠のない嫌疑をかけるべきではない…。シリアが緊密に協力を継続すると確信できるあらゆる理由がある」と強調した。

SANA(8月9日付)、『ハヤート』(8月10日付)などが伝えた。

AFP, August 9, 2015、AP, August 9, 2015、ARA News, August 9, 2015、Champress, August 9, 2015、al-Hayat, August 10, 2015、Iraqi News, August 9, 2015、Kull-na Shuraka’, August 9, 2015、al-Mada Press, August 9, 2015、Naharnet, August 9, 2015、NNA, August 9, 2015、Reuters, August 9, 2015、SANA, August 9, 2015、UPI, August 9, 2015などをもとに作成。

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アレッポ市内の反体制派がシリア・ポンドに代えてトルコ・リラの使用を宣言(2015年8月9日)

シリア解放区通貨交換委員会はアレッポ市内で記者会見を開き、「革命武装集団、諸団体、裁判所とともに、シリアの通貨の代わりにトルコの通貨を使用することを決定し、シリア政府に経済的に圧力をかけ、その打倒と新通貨の発行をめざす」と発表した。

『ハヤート』(8月11日付)によると、アレッポ県のシャリーア法廷、地元評議会といった団体がすでにトルコの通貨(トルコ・リラ)の使用を始めていたという。

AFP, August 10, 2015、AP, August 10, 2015、ARA News, August 10, 2015、Champress, August 10, 2015、al-Hayat, August 11, 2015、Iraqi News, August 10, 2015、Kull-na Shuraka’, August 10, 2015、al-Mada Press, August 10, 2015、Naharnet, August 10, 2015、NNA, August 10, 2015、Reuters, August 10, 2015、SANA, August 10, 2015、UPI, August 10, 2015などをもとに作成。

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YPGは負傷した隊員6人をトルコ当局がアル=カーイダ系組織のヌスラ戦線に引き渡したと非難(2015年8月8日)

西クルディスタン移行期民政局コバネの人民防衛隊総司令部は声明を出し、アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市からミュルシトプナル国境通行所を通ってトルコ領内の病院に搬送された人民防衛隊の負傷兵6人が、トルコ領内で消息を絶ったとしたうえで、トルコ当局がこの6人を、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線に引き渡し、バーブ・ハワー・ギュヴェッジ国境通行所を経由して、シリア領内(イドリブ県バーブ・ハワー国境通行所方面)に連行されたと主張した。

人民防衛隊の声明によると、負傷兵6人は西クルディスタン移行期民政局の正式な要請のもとトルコ側に受け入れられていたという。

人民防衛隊とヌスラ戦線は、アレッポ県北部、イドリブ県での支配領域をめぐって対立している。

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一方、HNN(8月9日付)によると、「アフリーン法務局」(シャームの民のヌスラ戦線)が、西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区の拠点であるアレッポ県アフリーン市にいたるすべての街道を封鎖すると発表した。

道路封鎖は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が2週間前にアアザーズ市内に戻ろうとした住民を検問所で拘束したことへの対抗措置で、これを受け、ヌスラ戦線がイドリブ県ダーナー市とアフリーン市を結ぶ街道を封鎖したという。

AFP, August 8, 2015、AP, August 8, 2015、ARA News, August 8, 2015、Champress, August 8, 2015、al-Hayat, August 9, 2015、HNN, August 9, 2015、Iraqi News, August 8, 2015、Kull-na Shuraka’, August 8, 2015、al-Mada Press, August 8, 2015、Naharnet, August 8, 2015、NNA, August 8, 2015、Reuters, August 8, 2015、SANA, August 8, 2015、UPI, August 8, 2015などをもとに作成。

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サウジアラビア首脳とシリアのマムルーク国民安全保障会議議長がサウジアラビアで会談:サウジアラビアは、イラン、ヒズブッラーのシリアからの撤退を反体制派支援停止の条件として提示(2015年8月8日)

『ハヤート』(8月8日付)は、サウジアラビアの複数の高官筋の話として、サウジアラビア首脳が7月7日、シリアのアリー・マムルーク国民安全保障会議議長をジェッダに招いていたと報じた。

この「奇跡の会談」は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とサウジアラビア国防大臣のムハンマド・ビン・サルマーン皇太子がサンクトペテルブルクで会談した約20日後に、ロシアの仲介により実現したという。

『ハヤート』が得た情報によると、マムルーク議長は、シリアのムハーバラートの高官1人と外務在外居住者省の高官1人を伴い、ジェッダを訪問したが、アサド大統領はこのことを承知していなかったという。

ジェッダを訪問したマムルーク議長に対して、ヒズブッラー、イラン、そしてイラン寄りのシーア派民兵が退去すれば、サウジアラビアは反体制派への支援を停止し、危機解決をシリア人に委ね、国連監視下で大統領選挙、国会選挙を進めることを提案したという。

これに対して、マムルーク議長は、ヒズブッラーへの対応についての議論が行われた会談の最後に、「検討の余地」を与えるよう答えたという。

なお、この会談には、ロシア使節もオブザーバーとして出席したという。

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なお『ハヤート』(8月8日付)の報道に先立って、シリア政府に近い立場をとるレバノン日刊紙『アフバール』(7月31日付)も、6月19日のプーチン大統領とムハンマド国防大臣の会談を受けるかたちで、マムルーク議長がロシアを訪問した、と伝え、この訪問を「奇跡の訪問」と称していた。

それによると、19日の会談で、プーチン大統領は、ムハンマド国防大臣に対して「シリア軍が現地で善戦し、サウジアラビアとトルコ以外にシリアで体制転換が起きることを望んでいる国は世界にいないなか、テロとの戦いでの協力が必要だ」との持論を説明、ムハンマド国防大臣もこれに理解を示し、シリアの治安機関幹部とサウジ首脳の会談案が浮上したという。

またプーチン大統領は29日にモスクワを訪問したワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣との個別会談で、シリアの治安機関幹部とサウジ首脳の会談案を説明し、アサド大統領への同意を求めたという。

この段階で、会談案を承知していたシリア政府高官は、アサド大統領とムアッリム外務台がい居住大臣の2人だけで、プーチン大統領の提案を受けたアサド大統領はこれに同意し、マムルーク議長の派遣を決定したのだという。

その後、ロシアの諜報機関との調整を経て、マムルーク議長はロシアの特別機でダマスカス国際空港からサウジアラビアの首都リヤドに飛び、ムハンマド国防大臣らと会談したのだという。

なお、『アフバール』では、仲介国であるロシアが、サウジアラビアに配慮し、イランを排除したかたちでシリア・トルコ・サウジアラビア・ヨルダンによるダーイシュ(イスラーム国)掃討に向けた四カ国同盟の結成を提案していたこと、ムハンマド国防大臣がシリア政府との対立関係の主因がシリアとイランの同盟関係にあると述べたこと、などが紹介されているが、『ハヤート』の取材に応じたサウジアラビアの高官はこれを否定している。

また、会談場所、会談をアサド大統領が承知していたか否かについても両紙の間には食い違いが多い。

しかし、両紙とも、シリアの治安機関トップとサウジアラビア首脳の会談そのものについては事実として報道している。


AFP, August 7, 2015、al-Akhbar, July 31, 2015、AP, August 7, 2015、ARA News, August 7, 2015、Champress, August 7, 2015、al-Hayat, August 8, 2015、Iraqi News, August 7, 2015、Kull-na Shuraka’, August 7, 2015、al-Mada Press, August 7, 2015、Naharnet, August 7, 2015、NNA, August 7, 2015、Reuters, August 7, 2015、SANA, August 7, 2015、UPI, August 7, 2015などをもとに作成。

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