諸外国の動き(2014年5月21日)

化学兵器禁止機関・国連合同派遣団(スィグリッド・カーグ特別調整官)は声明を出し、シリア政府が申告していたイプソパノールの貯蔵庫の廃棄を完了したと発表した。

同声明はまた、シリア国内には依然として申告されていた化学兵器関連物質のうちの7.2%が未廃棄のまま残されおり、化学兵器禁止機関がシリア政府に対して早急に廃棄するよう求めていると付言した。

AFP, May 21, 2014、AP, May 21, 2014、ARA News, May 21, 2014、Champress, May 21, 2014、al-Hayat, May 22, 2014、Kull-na Shuraka’, May 21, 2014、al-Mada Press, May 21, 2014、Naharnet, May 21, 2014、NNA, May 21, 2014、Reuters, May 21, 2014、SANA, May 21, 2014、UPI, May 21, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月21日)

デイリー・ビースト(5月21日付)は、米諜報筋の話として、シリアでの反体制武装闘争に参加している米国人ジハード主義者が「予想よりも多く、その一部は帰国を始めている」と述べた。

米諜報機関によると、シリアで活動するジハード主義武装集団に参加している米国人の数は、昨年度が数十人だったのが、最近の推計では100人以上にのぼっているという。

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『ハヤート』(5月22日付)によると、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・トゥウマ暫定内閣首班は、アスアド・ムスタファー国防大臣の辞表を受理し、国防副大臣を勤めるムハンマド・ヌール・ハッルーフ少将を暫定大臣に任命した。

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クッルナー・シュラカー(5月21日付)は、シリア国民評議会が事務局メンバーのジョルジュ・サブラー事務局長とフサイン・サイイド氏を罷免し、アナス・アルヌート氏とムティーア・バティーン氏を後任に任命したと発表したとの報道に関して、この要求が却下されたと伝えた。

同報道によると、事務局メンバー交代は、「革命指導部最高評議会」のメンバー3人によって評議会に要求されたが、却下されたのだという。

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Kull-na Shuraka', May 20, 2014
Kull-na Shuraka’, May 20, 2014

アレッポ県アターリブ市で活動する地元調整諸委員会など反体制組織6団体が共同声明を出し、アターリブ市革命評議会が同市の活動家を代表していないと発表した。

AFP, May 21, 2014、AP, May 21, 2014、ARA News, May 21, 2014、Champress, May 21, 2014、The Daily Beast, May 21, 2014、al-Hayat, May 22, 2014、Kull-na Shuraka’, May 21, 2014、al-Mada Press, May 21, 2014、Naharnet, May 21, 2014、NNA, May 21, 2014、Reuters, May 21, 2014、SANA, May 21, 2014、UPI, May 21, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月20日)

フランスのフランソワ・オランド大統領は、パリを訪れたシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と会談し、パリにある連立の事務所を正式な「在外公館」として承認すると伝えた。

オランド大統領は、化学兵器などあらゆる武器を使用したアサド政権による弾圧ゆえに、連立を支持するとしたうえで、6月3日に投票が行われる大統領については「事態がこれほど危機的でなかったら、嘲っていただろう。1,000万人以上が難民・避難民となっているのに、どうやって選挙を行うのだ」と述べた。

一方、ジャルバー議長は、大統領選挙に関して「同盟国とともに、この茶番を止めさせるための措置を講じ、穏健な勢力を支援しようとしている」としたうえで、「我々は、イラン・イスラーム革命防衛隊が支援するアサドのテロ、ヒズブッラーのテロ、イラクの傭兵のテロと戦っている…。我々は、米国やロンドンでの会合、そしてパリで、バッシャール・アサドを筆頭とするあらゆる過激派、テロリストの軍事力に対抗するため、今が支援の時だと呼びかけた」と述べた。

『ハヤート』(5月21日付)が伝えた。

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スイスのポール・セーゲル国連大使は国連宛に書簡を提出し、加盟国58国を代表して、シリアでの紛争当事者の犯罪の国際刑事裁判所への提訴を求めるフランスの安保理決議案の採択への支持を表明した。

決議案への支持を表明したのは、EU諸国、日本、韓国など58カ国で、1月にも国際刑事裁判所への提訴を求めていた。

なお、複数の外交筋によると、米国は「国際刑事裁判所に関するローマ規程」に参加しておらず、この58カ国に名を連ねていないが、決議案を支持しているという。

AFP, May 20, 2014、AP, May 20, 2014、ARA News, May 20, 2014、Champress, May 20, 2014、al-Hayat, May 21, 2014、Kull-na Shuraka’, May 20, 2014、al-Mada Press, May 20, 2014、Naharnet, May 20, 2014、NNA, May 20, 2014、Reuters, May 20, 2014、SANA, May 20, 2014、UPI, May 20, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月19日)

サウジアラビア政府は、サルマーン・アブドゥルアズィーズ副首相兼国防大臣のもとに閣議を開き、「国民へのテロとテロの地域への拡散の責任はアサド政権にある」とする声明を出した。

『ハヤート』(5月20日付)が伝えた。

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フランスのベルナール・カズヌーブ内務大臣は、RFIおよびフランス24が放送した番組で、フランス政府が4月23日に開始したジハード主義武装戦闘員の潜入撲滅計画により、当局がこれまで70件以上の通報を受け、シリアに潜入しようとしていた容疑者7人を拘束したと述べた。

AFP, May 19, 2014、AP, May 19, 2014、ARA News, May 19, 2014、Champress, May 19, 2014、al-Hayat, May 20, 2014、Kull-na Shuraka’, May 19, 2014、al-Mada Press, May 19, 2014、Naharnet, May 19, 2014、NNA, May 19, 2014、Reuters, May 19, 2014、SANA, May 19, 2014、UPI, May 19, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月19日)

シリア革命反体制勢力国民連立のアスアド・ムスタファー暫定政府国防大臣が辞職した。

ムスタファー前国防大臣は辞職に合わせてメッセージを発表、そのなかで「政権が国民の頭上でシリアを破壊し続けることに対して偽証者でありたくない」と述べるとともに、「(暫定政府)国防省は、革命家たちのニーズに即応するための最低限の義務すら果たす能力がない。これらの要求を実現するためのあらゆる答えは潰えてしまった」と抗議の意を示した。

Kull-na Shuraka', May 19, 2014
Kull-na Shuraka’, May 19, 2014

反体制筋によると、ムスタファー国防大臣は、連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長から戦闘員への資金不足に抗議して辞職したというが、連立筋によると、ムスタファー国防大臣は、ジャルバー議長に暫定政府首班の職を要求、これが拒否されたことを受け辞職したという。

一方、連立のムハンマド・ファールーク・タイフール副議長(シリア・ムスリム同胞団)は、ムスタファー国防大臣の辞職が、「シリアの危機管理の方法をめぐる国際社会の対応」が原因だと述べた。

タイフール副議長は「シリア人の苦悩に対して大国が下した決定は、現地で解釈がなされた場合、象徴的で価値がない」と非難した。

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ダイル・ザウル県で活動するとされる「自由シリア軍対ダーイシュ作戦司令室」は声明を出し、アフマド・ムスタファー国防大臣辞職にいたるシリア革命反体制勢力国民連立暫定政府の対立が、ダイル・ザウル県、とりわけ自らへの資金供与や買収行為をめぐるものだとしたうえで、アフマド・トゥウマ首班およびムスタファー前国防大臣の両名を承認しないことを決定したと発表した。

また「自由シリア軍対ダーイシュ作戦司令室」は、自由シリア軍参謀委員会のアブドゥルイラーフ・バシール参謀長に対して、顧問の一人であるアフマド・ジャディーア准将にダイル・ザウル県での作戦に関与しないよう支持するよう求めるとともに、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長とサウジアラビア政府にダイル・ザウル県住民の救済するよう呼びかけた。

なお声明には以下の武装集団が署名した:

1. ジャアファル・タイヤール・イスラーム旅団

2. イブン・カイイム旅団

3. アーイシャ末裔旅団

4. ズバイル・ブン・アウワーム旅団

5. アンサール・スンナ旅団

6. バシャーイル・ナスル旅団

7. バドル殉教者旅団

8. タービヤ殉教者旅団

9. ムウタ旅団

10. イフラース軍

11. カーディスィーヤ旅団所属各大隊

12. ハムザ革命旅団

13. アンサール・ハック戦線

14. ウマル旅団所属カアカーア・イスラーム旅団

15. アフル・スンナ・ワ・ジャマーア軍

16. ハック軍

17. アッラー・アクバル大隊

18. ウマル・ムフタール旅団

19. ジャルズィー殉教者旅団

20. ハドラー旅団

21. アスマー大隊所属アブー・バクル大隊

22. ジャズィーラの盾旅団所属アーイシャ大隊

シリア人権監視団は、2011年3月18日から2014年5月17日までの紛争による死者総数が16万2,402人に達したと発表した。

死者の内訳は、民間人が5万3,978人(うち8,607人が子供)、軍および親政権武装集団戦闘員が6万1,170人、ジハード主義武装集団を含む反体制武装集団戦闘員が4万2,701人、身元不明者が2,891人だという。

反体制武装集団戦闘員4万2,701人は、離反兵および武装した民間人と、外国人戦闘員およびジハード主義者に分類され、前者の死者数は2万9,201人、後者は1万3,500人だという。

一方、軍および親政権武装集団戦闘員6万1,170人のうち、軍・治安部隊兵士は3万7,685人、国防隊および人民諸委員会のメンバーが2万3,485人だという。

またこのほかに、ヒズブッラー戦闘員死者が438人、そのほかの親政権外国人戦闘員が1,224人いるという。

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ARA News(5月20日付)によると、シリア・クルディスタン民主党がイラク・クルディスタン地域のアルビル市で合同会合を開き、参加4党の組織を統合した。

AFP, May 19, 2014、AP, May 19, 2014、ARA News, May 19, 2014、Champress, May 19, 2014、al-Hayat, May 20, 2014、Kull-na Shuraka’, May 19, 2014、al-Mada Press, May 19, 2014、Naharnet, May 19, 2014、NNA, May 19, 2014、Reuters, May 19, 2014、SANA, May 19, 2014、UPI, May 19, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月18日追記)

ARA News(5月19日付)は、ハサカ県ダイリーク市郊外の国境を不法に越えてトルコに入ろうとした女性と子供2人がトルコの国境警備隊に射殺された、と報じた。

3人は女性の夫が避難しているドイツに向かおうとしていたという。

ARA News, May 19, 2014をもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月18日)

サウジアラビアの説教師アブドゥッラー・ムハイスニー氏はツイッターで、シャームの民のヌスラ戦線とイスラーム戦線の「両司令官同胞、およびそのムジャーヒディーンたち、さらにはすべてのイスラーム教徒は、司令官らに両戦線の統合を訴える」よう呼びかけた。

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ヨルダン軍は声明を出し、対シリア国境でヨルダン軍が反体制武装集団と交戦、戦闘員1人を殺害、複数名を負傷させたほか、国境警備隊が複数の戦闘員を逮捕、3台の車を押収したと発表した。

声明によると、反体制武装集団が警告を無視して、シリア領内からヨルダン領内に潜入し、戦闘において、ヨルダン軍は戦闘機を投入、空爆を行ったという。

これに関して、複数のヨルダン治安高官筋は『ハヤート』(5月19日付)に対し、ヨルダンが米国と共同で350キロにわたるシリア・ヨルダン国境地帯の警備を強化するための計画を開始したことを明らかにした。

AFP, May 18, 2014、AP, May 18, 2014、ARA News, May 18, 2014、Champress, May 18, 2014、al-Hayat, May 19, 2014、Kull-na Shuraka’, May 18, 2014、al-Mada Press, May 18, 2014、Naharnet, May 18, 2014、NNA, May 18, 2014、Reuters, May 18, 2014、SANA, May 18, 2014、UPI, May 18, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月18日)

シリア国民評議会は、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、シャーム軍団、ムジャーヒディーン軍、フルカーン旅団、イスラーム戦線が共同発表した「名誉憲章」について「現段階の客観的ニーズに応えた…正しい方向へのステップ」「軍事活動と革命・政治活動を架橋する余地を与える」と評価、支持を表明した。

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シリア人権監視団は声明を出し、西クルディスタン移行期民政局執行評議会に対し、「アサーイシュと人民防衛隊による人権侵害の即時中止、すべての言論犯、政治犯の即時釈放、アサーイシュ、人民防衛隊での児童の雇用停止を求めた。

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エジプト在住のシリア人反体制活動家ら9人からなる代表団がカイロでエジプトのナビール・ファフミー外務大臣と会談し、シリア情勢への対応について協議した。

ワリード・ブンニー氏によると、会談に出席したのは、自身のほか、アフマド・ムアーッズ・ハティーブ氏(シリア革命反体制勢力国民連立前議長)、アーリフ・ダリーラ氏、ハイサム・マンナーア氏(民主的変革諸勢力国民調整委員会在外局長)ら「無所属活動家」9人。

エジプト外務省によると、会談で代表団は、現下の混乱を脱却するための活動方法や、アラブ諸国、諸外国との関係のありように関するビジョンを示したという。

またブンニー氏によると、代表団は、エジプトの政治的安定が、シリアの危機解決などといったアラブ諸国の諸問題の解決に資する、との立場を表明したという。

AFP, May 18, 2014、AP, May 18, 2014、ARA News, May 18, 2014、Champress, May 18, 2014、al-Hayat, May 19, 2014、Kull-na Shuraka’, May 18, 2014、al-Mada Press, May 18, 2014、Naharnet, May 18, 2014、NNA, May 18, 2014、Reuters, May 18, 2014、SANA, May 18, 2014、UPI, May 18, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月16日)

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(5月16日付)は、西側高官筋の話として、イランがアフガン人難民数千人をシリアに戦闘員として投入しようとしている、と報じた。

イラン・イスラーム革命防衛隊とヒズブッラー戦闘員の負担軽減が目的だという。

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ロシアのミハイル・ボクダノフ外務副大臣は、ロンドンで15日に開催された「シリアの友連絡グループ」外相会合の姿勢を「一方の当事者のみを支持している」と評し、「部分的で破壊的」と非難した。

イタルタス通信(5月16日付)が伝えた。

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国境なき医師団は声明を出し、今年1月にシリア北部(アレッポ県)で反体制武装集団によって拉致されたメンバー5人のうち、3人が4月4日に、のこる2人が5月15日に解放された、と発表した。

AFP, May 16, 2014、AP, May 16, 2014、ARA News, May 16, 2014、Champress, May 16, 2014、al-Hayat, May 17, 2014、Itar-tass, May 16, 2014、Kull-na Shuraka’, May 16, 2014、al-Mada Press, May 16, 2014、Naharnet, May 16, 2014、NNA, May 16, 2014、Reuters, May 16, 2014、SANA, May 16, 2014、UPI, May 16, 2014、The Wall Street Journal, May 16, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月15日)

『タイムズ』(5月15日付)は、シリア国内で取材を行っていたアンソニー・ロイド記者とカメラマンのジャック・ヒル氏がアレッポ市内で取材中に反体制武装集団に拘束され、逃げようとしたところ、脚を銃で撃たれるなどの暴行を受けた報じた。

The Times, May 15, 2014
The Times, May 15, 2014

同紙によると、その後、イスラーム戦線の司令官の計らいで、2人は釈放され、14日にトルコ領内に入ったという。

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英国のロンドンで、シリアの友連絡グループ外相会合が開かれた。

会合に参加したのは、米英仏独伊、ヨルダン、カタール、サウジアラビア、トルコ、エジプト、UAEだが、エジプトとUAEは外務大臣を派遣しなかった。

会合後の記者会見で、ジョン・ケリー国務大臣は、反体制勢力への政治、経済、軍事、人道支援の強化と、アサド政権への圧力の強化などについて重点的に議論したと語った。

ケリー国防大臣は、シリアの現状がアサド政権にとって有利に働いていると認めたうえで、こうした状況が長く続くことはないだろうと述べたが、反体制勢力への支援、とりわけ軍事支援に関して、具体的な内容を示すことはなかった。

ケリー国防大臣はまた、アサド政権が塩素ガスを使用したとの反体制勢力の主張に関して、そのことを示す「生データ」があるとして真偽を断言することを避けつつ、「それが証明されれば、化学兵器禁止条約に反するものとなる」と述べた。

『ハヤート』(5月16日付)によると、会合では、6月3日に投票が予定されているシリア大統領選挙が、正統性を欠き、国際社会のシリアへの見方を変更するものではない、という点を確認したという。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、米国に続いて、シリア革命反体制勢力国民連立のロンドンの事務所を正式な「在外公館」として承認することを決定したと発表した。

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ジェニファー・サキ米国務省報道官は、ジュネーブ2会議再開(第3ラウンド)の是非に関して、アサド政権が移行期統治機関の設置を受諾するか否かにかかっていると述べる一方、「アサド政権はまた、次期大統領選挙の茶番を延期しなければならない」と述べ、大統領選挙が移行期統治機関の設置を定めているジュネーブ合意に反していると批判した。

AFP, May 15, 2014、AP, May 15, 2014、ARA News, May 15, 2014、Champress, May 15, 2014、al-Hayat, May 16, 2014、Kull-na Shuraka’, May 15, 2014、al-Mada Press, May 15, 2014、Naharnet, May 15, 2014、NNA, May 15, 2014、Reuters, May 15, 2014、SANA, May 15, 2014、The Times, May 15, 2014、UPI, May 15, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月14日追記)

米国務省は声明を出し、イラクのアル=カーイダを「国際テロ組織」(FTO)に指定している移民国籍法第219条、および「特別指定グローバル・テロ組織」に指定している大統領令(E.O.)

第13324号の第1条(b)における同組織の呼称を「al-Qaeda in Iraq (AQI)」から、「Islamic State of Iraq and the Levant (ISIL)」に変更した、と発表した。

また同声明によると、これまでイラクのアル=カーイダの分派として位置づけてきたシャームの民のヌスラ戦線も、アル=カーイダから「独立した」組織として、「国際テロ組織」、特別指定グローバル・テロ組織」として再認定された。

AFP, May 15, 2014、al-Mada Press, May 15, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月14日)

米財務省は、サウジ人のアブドゥッラフマーン・ムハンマド・ザーフィル・ドゥバイスィー・ジャフニー氏、イラク人のアブドゥッラフマーン・ムスタファー・カードゥーリー氏の2人を、シリアにおけるアル=カーイダの活動、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とつながりがあると認定し、国際テロリストの名簿に追加した。

『ハヤート』(5月15日付)が伝えた。

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ヨルダンのナースィル・ジャウダト外務大臣は、ヨルダン国内でのシリア大統領選挙在外投票実施の是非に関して、記者団に対し「シリア側からの正式な要請をヨルダン政府は検討しているが…、王国と国民の安全がもっとも重要だ」と述べ、許可に慎重な姿勢を示した。

『ハヤート』(5月15日付)が伝えた。

AFP, May 14, 2014、AP, May 14, 2014、ARA News, May 14, 2014、Champress, May 14, 2014、al-Hayat, May 15, 2014、Kull-na Shuraka’, May 14, 2014、al-Mada Press, May 14, 2014、Naharnet, May 14, 2014、NNA, May 14, 2014、Reuters, May 14, 2014、SANA, May 14, 2014、UPI, May 14, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月14日)

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・トゥウマ暫定内閣首班はトルコのガズィアンテップ市でマーティン・リデゴー外務大臣と会談した。

Kull-na Shuraka', May 14, 2014
Kull-na Shuraka’, May 14, 2014

会談に合わせ、両氏は、「自由アレッポ警察」の発足を発表、デンマークの支援のもとにアレッポ市での警察活動を開始したことを明らかにした。

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シリア人権監視団は、2014年に入ってシリア国内の治安機関や軍の拘置所での死亡者数が847人に達していると発表した。

この数値は、拷問で死亡、ないしは戦場で処刑したとされる犠牲者の遺族からの情報に基づくものだ、犠牲者のなかには子供15人、女性6人が含まれているという。

またこれ以外に1万8,000人以上の行方不明者が、シリア国内の拘置所で拘束されていると思われるという。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、「数ヶ月におよぶ戦闘の末、革命家たちは、シリア北部のほぼ全域でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)を殲滅した」と主張する一方、「ダーイシュのメンバーとシリア政府にはつながりがある」と断じ、15日にロンドンで開催される「シリアの友連絡グループ」参加各国に対して、「自由シリア軍へのさらなる支援」を要請した。

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シリア人権監視団によると、ハマー県では、複数の反体制武装集団が、同県西北部解放のため「ファトフ・ミン・アッラー作戦司令室」を結成した。

AFP, May 14, 2014、AP, May 14, 2014、ARA News, May 14, 2014、Champress, May 14, 2014、al-Hayat, May 15, 2014、Kull-na Shuraka’, May 14, 2014、al-Mada Press, May 14, 2014、Naharnet, May 14, 2014、NNA, May 14, 2014、Reuters, May 14, 2014、SANA, May 14, 2014、UPI, May 14, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月13日追記)

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、辞意表明に先だって国連の潘基文事務総長に自身の活動の進捗について報告、シリア紛争解決に向けた7つの優先事項を示した。

『ハヤート』(5月15日付)によると、7つの優先事項とは、①国連安保理決議第2139号に基づく人道支援、②暴力の軽減と停止、③移行期統治機関(移行期政府)樹立、④国民対話の開催、⑤憲法再考、⑥新憲法に基づく選挙の実施、⑦シリアへの武器流入阻止。

ブラーヒーミー共同特別代表はまた13日晩の安保理会合で、イランが自らの示した提案を国連安保理が受諾すれば、シリアの大統領選挙の延期を試みる用意があるとの姿勢を示してきたことを明かした。

モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣が示したというイラン提案は、①発砲停止、②挙国一致内閣の発足、③大統領権限縮小のための憲法再考、④国連監視下での大統領選挙、国会選挙の実施、という4点からなっていたという。

しかし、ブラーヒーミー共同特別代表は、「ほかの地域での情勢」(ウクライナ情勢)によって、米露の協力が低迷し、シリアの紛争解決に向けた国際社会の協力が阻害されたと付言し、「シリアでの政治的関係正常化は地域諸国の参加なしには不可能だ」と強調した。

一方、6月3日に投票が予定されている大統領選挙について、ブラーヒーミー共同特別代表は、ジュネーブ2会議の交渉に反体制勢力が応じることを不可能にしたと批判するとともに、「国連ではなく、反体制勢力支援国が反体制勢力の統合のため行動」すべきだと主張し、「1,000に及ぶ反体制武装組織」の乱立もジュネーブ2会議再開を阻害しているとの見方を示した。

他方、ヒムス市旧市街での「停戦合意」については、「将来の交渉のモデル」になると評価しつつも、シリア政府が「実際には不可能であるにもかかわらず…外国の支援なしに国内の平和を取り戻す能力があると主張しているため」、国連による停戦に向けた仲介を「受け入れることはないだろう」と悲観しつつ、「国連と赤十字国際委員会の支援がシリアの主権に抵触しないことを友好国は説得しなければならない」と強調した。

シリア国内で活動する外国人戦闘員については、「シリア国内にこれらの戦闘員の居場所がないということを地域諸国が合意する」ことで、その排除に向けた治安レベルでの協力が必要だと述べた。

移行期統治機関については、シリア政府がジュネーブ2会議の議場外において「挙国一致政府」の樹立を認めるとした点に着目し、「呼称はともかく、現政府、反体制勢力、無所属の活動家が等しく参加したかたちで移行期政府を樹立しなければならない」と述べた。

また国民対話については、「最初の会合についてはシリア国外でも開催もあり得る」との見方を示した。

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ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は、ブラーヒーミー共同特別代表の辞任に関して遺憾の意を示す一方、「シリア政府にはジュネーブ2会議の第3サウンドへの参加の用意がある」と述べ、潘事務総長に共同特別代表の任期が終了する5月31日までに後任の人選を行うよう求めた。

また6月3日に投票が予定されているシリア大統領選挙については2012年6月の「ジュネーブ合意に反していない」と述べ、「誇大」な批判を行うべきではないと釘を刺した。

そのうえで、シリアでの犯罪の国際刑事裁判所への起訴を求めるフランスの国連安保理決議案について「良い考えだとは思わない」と述べ、拒否の姿勢を示した。

al-Hayat, May 15, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月13日追記)

『ハヤート』(5月15日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら一行がホワイトハウスでバラク・オバマ米大統領、スーザン・ライス国家安全保障問題担当大統領補佐官らと会談したと報じた。

『ハヤート』は5月14日付の段階では、ライス補佐官が一行に対応したと報じていた。

Kull-na Shuraka', May 14, 2014
Kull-na Shuraka’, May 14, 2014

連立のナジーブ・ガドバーン氏(在米)によると、会談は2時間におよび、連立筋によると会合の「雰囲気は良好で、会談は実り多かった」という。

ガドバーン氏によると、オバマ大統領はアサド政権が正統性を失っていることを改めて確認する一方、「自由シリア軍への武器供与案をこれまで以上に受け入れた」と述べた。

だが、米国による武器供与の是非、そして詳細についてはコメントしなかった。

ホワイトハウスも声明で、「アサド大統領が正統性を失い、シリアの未来に彼の居場所はない」ことをオバマ大統領が会談で確認したとしたうえで、シリア政府と反体制勢力の双方に政治的解決と移行期に向けた義務を履行するよう求めた、と発表した。

連立一行は、ジャルバー議長、ガドバーン氏のほか、自由シリア軍参謀委員会のアブドゥルイラーフ・バシール参謀長、ミシェル・キールー氏、サラーフ・ダルウィーシュ氏、アナス・アブダ氏からなっていた。

al-Hayat, May 15, 2014、Kull-na Shuraka’, May 14, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月13日)

フランスのベルナール・カズヌーブ内務大臣は、東部のストラスブールで警察・軍警察部隊がシリアでの「ジハード」に参加しようとしていたとして若者多数を逮捕した、と発表した。

『ハヤート』(5月14日付)が伝えた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と潘基文国連事務総長はニューヨークで緊急記者会見を開き、ブラーヒーミー共同特別代表が5月31日をもって代表職を辞すると発表した。

潘事務総長は会見で「彼(ブラーヒーミー共同特別代表)は、ほとんど勝算のない状況に直面していた。シリア、中東、そして国際社会は、紛争を終わらせようとするアプローチをめぐって希望なきまでに分裂してきた」としたうえで、「彼の努力は国連…、シリア情勢に影響力を持つ国々の支援を充分受けられたなかった」と述べた。

潘事務総長はまた「当事者、とりわけシリア政府は迅速に対応せず、シリアの災難を終わらせる機会を奪った」と非難、シリア政府と反体制勢力の双方に対して、「この悪夢から脱却するための英知と責任感を示して欲しい」と呼びかけた。

ブラーヒーミー代表の後任に関して、潘事務総長は、「若干の時間を要する」と述べた。

ブラーヒーミー共同特別代表は「離任すること、そしてシリアをこのような悪い状態に放置することは遺憾だ」と述べた。

AFP, May 13, 2014、AP, May 13, 2014、ARA News, May 13, 2014、Champress, May 13, 2014、al-Hayat, May 14, 2014、Kull-na Shuraka’, May 13, 2014、al-Mada Press, May 13, 2014、Naharnet, May 13, 2014、NNA, May 13, 2014、Reuters, May 13, 2014、SANA, May 13, 2014、UPI, May 13, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月12日追記)

ヨルダンのムハンマド・ムーマニー情報通信担当国務大臣(内閣報道官)は、『ラアユ』(5月13日付)に対し、外務省が在アンマン・シリア大使館からシリアの大統領選挙在外投票実施を求める要請を受けたことを明らかにしたうえで、実施の是非を検討していると述べた。

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フランスは、シリアでの紛争における戦争犯罪の国際刑事裁判所への起訴を求める決議案を国連安保理に提出した。

複数の外交筋によると、同決議案の審議は14日に安保理で行われるという。

AFP(5月13日付)が伝えた。

AFP, May 13, 2014、al-Ra’y, May 13, 2014、al-Hayat, May 14, 2014をもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月11日)

ヨルダン軍高官筋は、『ハヤート』(5月12日付)に、11日に、国境警備隊が、大量の密輸品を積んでシリアからヨルダン領内に入ろうとした車多数を発見し拘束したと述べた。

またヨルダン軍は声明を出し、大量の密輸員を積んでシリアからレバノン領内に入ろうとした車両2台をまたヨルダン軍戦闘機が空爆・破壊したと発表した。

これに関連して、ヨルダンのジハード主義潮流は声明を出し、11日にマアーン市でメンバーの一人が殺害されたと発表した。

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イスラエル軍報道官は、AFP(5月11日付)に対し、クナイトラ県カフターニーヤ町一帯での軍と反体制武装集団の戦闘激化を受け、イスラエルが占領下ゴラン高原の停戦ライン一帯を閉鎖した、と発表した。

AFP, May 11, 2014、AP, May 11, 2014、ARA News, May 11, 2014、Champress, May 11, 2014、al-Hayat, May 12, 2014、Kull-na Shuraka’, May 11, 2014、al-Mada Press, May 11, 2014、Naharnet, May 11, 2014、NNA, May 11, 2014、Reuters, May 11, 2014、SANA, May 11, 2014、UPI, May 11, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月10日)

ジェニファー・サキ米国務省報道官は、シリアの化学兵器廃棄プロセスの進捗に関して「アサド政権が…(搬出・廃棄されていない8%の化学兵器関連物質の)搬出・破壊など必要な措置を講じ始めることでき、またそうしなければならないと考えている」と述べた。

サキ報道官はまた「そこ(反体制武装集団に包囲され、シリア政府がアクセスできないと主張している関連施設)に到達する方途を探し続けねばならない。これらの武器廃棄は政府の責任だ…。我々はアサド政権が言うことを信用している…。今後も活動を中止し続ける」と付言した。

AFP, May 10, 2014、AP, May 10, 2014、ARA News, May 10, 2014、Champress, May 10, 2014、al-Hayat, May 11, 2014、Iraqinews.com, May 10, 2014、Kull-na Shuraka’, May 10, 2014、Naharnet, May 10, 2014、NNA, May 10, 2014、Reuters, May 10, 2014、SANA, May 10, 2014、UPI, May 10, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月9日)

アラビーヤ・チャンネル(5月9日付)は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、アラブ諸国および西欧諸国のイスラーム教徒女性を戦闘員と結婚させるために「勧誘」し、拉致する事件が相次いでいると報じた。

Kull-na Shuraka', May 9, 2014
Kull-na Shuraka’, May 9, 2014
Kull-na Shuraka', May 9, 2014
Kull-na Shuraka’, May 9, 2014

同チャンネルはまた、ダーイシュにリクルートされたと思われる18歳以下の子供たちの写真を公開した。

写真はアレッポ県バーブ市で撮影されたものだという。

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クッルナー・シュラカー(5月9日付)は、ハサカ県カーミシュリー市のメソポタミア・アカデミーで西クルディスタン移行期民政局に参加する民主統一党などの政党、団体が大会を開き、愛国的反体制勢力統合とシリア危機の民主的解決を求めるイニシアチブを採択した、と報じた。

このイニシアチブにおいて、参加者は、民主的多元的分権的なシリアの樹立、クルド問題などエスニック集団をめぐる問題への保障を憲法で明記したかたちでの紛争の民主的解決をめざすことを確認するとともに、この目標をすべての愛国的反体制勢力に示し、国民和解案策定委員会の設置、国民和解大会の開催などを呼びかけた。

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ARA News(5月9日付)によると、イラク・クルディスタン地域政府でのシリア・クルディスタン民主党結党(4月)を受け、同党に参加・解党したシリア・クルド・アーザーディー党ムスタファー・ウースー派の元メンバーらが「暫定指導委員会」を設置し、シリア・クルディスタン民主党から事実上離反した。

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米国を訪問中のシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら一行は、アダム・スミス下院軍事委員会委員(民主党)、カール・レビン上院軍事委員会委員長(民主党)、アダム・キンジンガー下院軍事委員会委員(共和党)ら、上下両院軍医委員会委員と会談した。

複数の連立筋によると、会談で連立側は、「解放区」防衛、民間人保護、シリア空軍迎撃のための高性能兵器の供与を求める一方、上下両院軍医委員会委員らと「シリアにおけるテロとの戦いのための戦略的協力関係」の構築について協議したという。

また自由シリア軍参謀委員会のアブドゥルイラーフ・バシール参謀長は会談で、対空ミサイルの供与を求め、議員らに対して、自由シリア軍の高性能兵器がアル=カーイダの手に渡ることはないと説得しようとしたという。

AFP, May 9, 2014、Alarabia, May 9, 2014、AP, May 9, 2014、ARA News, May 9, 2014、Champress, May 9, 2014、al-Hayat, May 10, 2014、Iraqinews.com, May 9, 2014、Kull-na Shuraka’, May 9, 2014、Naharnet, May 9, 2014、NNA, May 9, 2014、Reuters, May 9, 2014、SANA, May 9, 2014、UPI, May 9, 2014などをもとに作成。

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最新論考「アル=カーイダ系武装組織の抗争の「場」と化したシリア」(nonfiction J)

高岡豊「アル=カーイダ系武装組織の抗争の「場」と化したシリア」
http://nonfiction.jp/%e5%9b%bd%e9%9a%9b/12023

nonfiction J、 2014年5月8日
2010年から2012年にかけて起きた「アラブの春」。中東地域における民主化の波として国内メディアでも大きく報道された。しかし、実際には、「アラブの春」以降の現状は混とんとしている。特に内戦が泥沼化しているシリアについて、メディアからその情勢は十分に伝わってこない。そこで、中東調査会研究員としてシリア情勢をウオッチしている高岡豊氏にシリアを取り巻く状況を読み解いてもらった。・・・

諸外国の動き(2014年5月8日)

米財務省は、共和国護衛隊司令官の一人で大統領付の治安問題担当顧問のバッサーム・ハサン氏、フサイン・アルヌース公共事業大臣、アフマド・カーディリー農業大臣、イスマーイール・イスマーイール財務大臣、キンダ・シャンマート社会問題大臣、ハサン・ヒジャーズィー労働大臣、バーニヤース石油会社、ロシアのテンプバンク銀行(本社モスクワ)および同銀行のミハイル・ガグロエフ頭取を対シリア制裁リストに加え、資産凍結、取引禁止対象とした。

米国の対シリア制裁において、ロシアの企業、個人が対象となるのはこれが初めて。

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国連安保理で、シリアの化学兵器廃棄プロセスの進捗状況に関する非公式会合が開かれた。

会合で化学兵器禁止機関・国連合同派遣団特別調整官のスィグリッド・カーグ国連事務次長補は、ダマスカス近郊の2カ所に化学兵器関連物質約100トンが依然保管されているとしたうえで、反体制武装集団が包囲しているため、シリア政府がこの2カ所からの搬出作業を行うことができないでいると報告した。

この2カ所には、16の保管庫があり、うち5つの保管庫には危険度の高い化学物質が、11カ所には危険度の低い化学物質が保管されており、ヘリコプターを使用した搬出作業などについてシリア政府と協議・検討している、という。

『ハヤート』(5月9日付)が伝えた。

AFP, May 8, 2014、AP, May 8, 2014、ARA News, May 8, 2014、Champress, May 8, 2014、al-Hayat, May 9, 2014、Iraqinews.com, May 8, 2014、Kull-na Shuraka’, May 8, 2014、Naharnet, May 8, 2014、NNA, May 8, 2014、Reuters, May 8, 2014、SANA, May 8, 2014、UPI, May 8, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月7日)

国連安保理事会は、大量破壊兵器の拡散防止を定めた安保理決議第1540号(2004年)の遵守などをもとめる議長声明を採択した(http://www.un.org/News/Press/docs//2014/sc11382.doc.htm)。

『ハヤート』(5月9日付)によると、会合では、サウジアラビアのアブドゥッラ・ムアッリミー国連代表大使が、シリアでの化学兵器廃棄プロセスをアサド政権が遵守していないと批判、懸念を表明した。

一方、シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、シリア国内において西側諸国や周辺諸国の支援を受けた「テロ組織」が民間人や軍に対して再三にわたって化学兵器を使用していると非難した。

al-Hayat, May 9, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月5日)

ハウラーン地方東部シャリーア委員会は声明を出し、3日にシャームの民のヌスラ戦線が拘束した南部シリア南部戦線司令官のアフマド・ファフド・ニウマ大佐への公判を終え、同大佐を無罪放免としたと発表した。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、ジュネーブ合意(2012年)に基づく政治的解決に向けた活動のありようについて協議するため、対話会合をカイロで開催し、すべての反体制勢力に同会合に出席するよう呼びかけた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長を団長とする使節団が米国ワシントンDCを訪問し、ダニエル・ルビンスタイン米シリア担当特使と会談した。

使節団には、自由シリア軍参謀委員会のアブドゥルイラーフ・バシール参謀長も同行した。

『ハヤート』(5月6日付)によると、この会談で米側は、ワシントンDCとニューヨークにあるシリア革命反体制勢力国民連立の事務所を正式な「在外公館」として承認する旨、伝えたという。

これに関して、米高官は、米国による穏健な反体制勢力支援策の一環だとしたうえで、2,700米ドルの追加支援を行うため、米議会での審議を求めていることを明らかにした。

なお「在外公館」として承認を受けた連立の事務所には「外交特権」は付与されないという。
『ハヤート』(5月6日付)によると、ルビンスタイン特使は会談で、バラク・オバマ米政権が反体制勢力への支援増強を行うと述べたが、この支援が武器供与を含むか否かについてはコメントを避けた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ヒムス市旧市街での「停戦合意」による反体制武装集団の退去に関して、「ヒムス市の革命家の英雄的行為」を讃えた。

AFP, May 5, 2014、AP, May 5, 2014、ARA News, May 5, 2014、Champress, May 5, 2014、al-Hayat, May 6, 2014、Iraqinews.com, May 5, 2014、Kull-na Shuraka’, May 5, 2014、Naharnet, May 5, 2014、NNA, May 5, 2014、Reuters, May 5, 2014、SANA, May 5, 2014、UPI, May 5, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月4日)

ヨルダンのマフラク県にあるザアタリー避難民キャンプで、第3回シリア人避難民受入国閣僚会合が開かれた。

会合には、ヨルダンのナースィル・ジャウダト外務大臣、イラクのホシェリ・ゼバリ外務大臣、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣、レバノンのラシード・ディルバース社会問題大臣のほか、エジプトの外務副大臣、アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官が出席した。

『ハヤート』(4月5日付)によると、会合で、ジャウダト外務大臣は、シリア人避難民受け入れによって、ヨルダン経済や雇用機会などへの圧力が増していると窮状を訴えた。

またグレーテス弁務官は、「国際社会の意識を高め、受入国への資金援助、支援などに責任を果たすべきだ」としたうえで、「受入国への支援のためにさらなる動員をせねばならない」と強調した。

一方、ダウトオール外務大臣は「トルコはシリアに対して門戸を開き、人道支援車両の約80輌の(シリアへの)入国を許可した」と実績を強調するとともに、国連に対して、シリア領内の支援を強化するよう訴えた。

ゼバリ外務大臣は、「シリア人が尊厳をもって帰国できるよう可能なことをすることを合意した」としたうえで、シリア国内の避難民への支援の重要性を強調した。

AFP, May 4, 2014、AP, May 4, 2014、ARA News, May 4, 2014、Champress, May 4, 2014、al-Hayat, May 5, 2014、Iraqinews.com, May 4, 2014、Kull-na Shuraka’, May 4, 2014、Naharnet, May 4, 2014、NNA, May 4, 2014、Reuters, May 4, 2014、SANA, May 4, 2014、UPI, May 4, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月2日)

アル=カーイダの指導者アイマン・ザワーヒリー氏が音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=7_vQIT-wbyI)を出し、シャームの民のヌスラ戦線に対し、ほかのムジャーヒディーンとの戦闘を停止するよう呼びかけるとともに、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)にイラクでの活動に専念するよう求めた。

声明で、ザワーヒリー氏はヌスラ戦線の指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏に対し、「同胞であるムジャーヒディーンおよびそれ以外のイスラーム教徒…に対するあらゆる戦闘の停止」を求めるとともに、ダーイシュ指導者のアブー・バクル・バグダーディー氏には「汝らの努力を増進する必要がある傷ついたイラク…に専念せよ」と呼びかけた。

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英国外務省は公式サイトを通じて声明を出し、シリアの反体制勢力に対し、無線通信機器、携帯電話、インターネット通信機能を備えた携帯式PC、四輪駆動車、食糧品、衣料品など「非殺傷兵器」100万ポンド相当を供与すると発表した。

AFP, May 2, 2014、AP, May 2, 2014、ARA News, May 2, 2014、Champress, May 2, 2014、al-Hayat, May 3, 2014、Iraqinews.com, May 2, 2014、Kull-na Shuraka’, May 2, 2014、Naharnet, May 2, 2014、NNA, May 2, 2014、Reuters, May 2, 2014、SANA, May 2, 2014、UPI, May 2, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月1日)

AFP(5月1日付)は、スペイン警察当局が4月30日、シリアでアル=カーイダとつながりがある武装集団に参加し、戦闘を行っていたアルジャリア系フランス人、アブドゥルマーリク・ターニム氏(24歳)を南部のアルメリア市で逮捕したと伝えた。

AFP, May 1, 2014、AP, May 1, 2014、ARA News, May 1, 2014、Champress, May 1, 2014、al-Hayat, May 2, 2014、Iraqinews.com, May 1, 2014、Kull-na Shuraka’, May 1, 2014、Naharnet, May 1, 2014、NNA, May 1, 2014、Reuters, May 1, 2014、SANA, May 1, 2014、UPI, May 1, 2014などをもとに作成。

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2014年4月30日のシリア情勢:諸外国の動き

国連安保理はシリア情勢に関する会合を開いた。

会合ではシリア国内への人道支援などをめぐって、米英仏とロシアが鋭く対立した。

複数の外交筋によると、米英仏は安保理会合で国連憲章第7章に基づいてシリア政府に人道支援受け入れを求める新たな決議の採択と、シリア国内での人道犯罪、戦争犯罪の国際刑事裁判所への提訴を主張した。

これに対して、ロシアは、シリア国内でのテロが人道支援活動を阻害する最大の要因だと反論したという。

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アブドゥッラー・ムアッリミー国連サウジアラビア代表大使は、国連安保理会合で、国連安保理の無策を批判するとともに、「紛争の一方の当事者が偽りの(大統領)選挙を実施し、今後7年間も現在の状況を押しつけようとするなかで、シリアの当事者たちがどうしてジュネーブ2会議に参加し、移行期政府を樹立できようか」と述べた。

『ハヤート』(5月1日付)が伝えた。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は声明を出し、シリアでの塩素ガス使用疑惑に関して「英国は調査実施を保障するよう強く圧力をかけ、化学兵器禁止機関に迅速に任務を行うよう呼びかける」と述べた。

AFP, April 30, 2014、AP, April 30, 2014、ARA News, April 30, 2014、Champress, April 30, 2014、al-Hayat, May 1, 2014、Iraqinews.com, April 30, 2014、Kull-na Shuraka’, April 30, 2014、Naharnet, April 30, 2014、NNA, April 30, 2014、Reuters, April 30, 2014、SANA, April 30, 2014、UPI, April 30, 2014などをもとに作成。

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2014年4月29日のシリア情勢:諸外国の動き

化学兵器禁止機関のアフメト・ウズムジュ事務局長は、ハマー県カフルズィーター市で塩素ガスが使用されたとの情報に関する調査団を近く派遣することを決定、シリア政府も調査団の受け入れに同意したと発表した。

『ハヤート』(4月30日付)が伝えた。

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ロイター通信(4月29日付)は、シリア国内および周辺諸国で人道支援活動にあたるINGO3団体が、国連安保理宛に報告書を提出し、そのなかで国連による人道支援物資の搬入・配給の調整が不充分だと批判、状況改善を求めたと報じた。

AFP, April 29, 2014、AP, April 29, 2014、ARA News, April 29, 2014、Champress, April 29, 2014、al-Hayat, April 30, 2014、Iraqinews.com, April 29, 2014、Kull-na Shuraka’, April 29, 2014、Naharnet, April 29, 2014、NNA, April 29, 2014、Reuters, April 29, 2014、SANA, April 29, 2014、UPI, April 29, 2014などをもとに作成。

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2014年4月28日のシリア情勢:諸外国の動き

ヒューマン・ライツ・ウォッチはレポートを(http://www.hrw.org/news/2014/04/28/syria-new-barrel-bombs-hit-aleppo)と発表し、アサド政権が国連安保理決議第2139号に違反するかたちでアレッポ市を「樽爆弾」などで無差別攻撃していると批判した。

また同レポートでは、アサド大統領の立候補発表に合わせるかたちで、「アサド大統領は選挙について話すが、アレッポ住民が目の当たりにしている唯一の動きとは樽爆弾と無差別空爆という軍事行動だけだ」というナディーム・フーリー氏(HRW中東北アフリカ副局長)の言葉を掲載した。

同レポートは、反体制武装集団による無差別砲撃が行われた事例についても紹介しているが、アレッポ市での反体制運動を主導するシャームの民のヌスラ戦線などを強く批判してはいない。

なお同様のレポートは3月24日にも発表されている(http://www.hrw.org/news/2014/03/24/syria-unlawful-air-attacks-terrorize-aleppo)。

AFP, April 28, 2014、AP, April 28, 2014、ARA News, April 28, 2014、Champress, April 28, 2014、al-Hayat, April 29, 2014、Iraqinews.com, April 28, 2014、Kull-na Shuraka’, April 28, 2014、Naharnet, April 28, 2014、NNA, April 28, 2014、Reuters, April 28, 2014、SANA, April 28, 2014、UPI, April 28, 2014などをもとに作成。

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