諸外国の動き:トルコはダーイシュとの「捕虜交換」で欧州出身のジハード主義者ら180人を釈放(2014年10月7日)

『タイムズ』(10月7日付)、トルコ・メディアなどは、トルコ政府が、ダーイシュ(イスラーム国)によって拘束されていたモスル領事館スタッフの解放の代償として、ジハード主義者約180人を釈放した、と報じた。

釈放されたジハード主義者のなかには、フランス人戦闘員3人、イギリス人戦闘員2人、スウェーデン人戦闘員2人、マケドニア人戦闘員2人、スイス人戦闘員1人、ベルギー人戦闘員1人が含まれていたという。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は「空から爆弾を落とすだけでは恐怖はなくならない。空爆で恐怖はなくならない。地上戦を行っている人々とともに事情作戦を行うために協力し合わない限りは(恐怖はなくらならい)」と述べる一方、アイン・アラブ市がダーイシュ(イスラーム国)の攻撃によって「陥落寸前」との見方を示した。

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ロイター通信(10月7日付)は、米国人ブライアン・ウィルソン氏が、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に参加し、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うとするビデオ声明を発表した。

ウィルソン氏は退役兵士で、フリー・カメラマンとしてロイター通信などに写真を提供していた。

人民防衛隊に参加した米国人はこれで2人目だという。

AFP, October 7, 2014、AP, October 7, 2014、ARA News, October 7, 2014、Champress, October 7, 2014、al-Hayat, October 8, 2014、Kull-na Shuraka’, October 7, 2014、al-Mada Press, October 7, 2014、Naharnet, October 7, 2014、NNA, October 7, 2014、Reuters, October 7, 2014、SANA, October 7, 2014、The Times, October 7, 2014、UPI, October 7, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き:ヒズブッラーがイスラエル軍偵察部隊を攻撃(2014年10月7日)

ヒズブッラーは、シャブアー農場(ナバティーヤ県ハースバイヤー郡、イスラエル占領下)でイスラエル軍の偵察部隊を狙って爆弾を爆破、イスラエル兵2人を負傷させた。

ヒズブッラーによると、作戦は午前2時22分、「殉教者ハサン・アリー・ハイダル隊」によって実行されたという。

作戦は、シャブアー農場入り口のサッダーナ地区の軍道で行われたという。

これを受け、イスラエル軍はレバノン領内(シャブアー農場・カフルシューバー一帯)のヒズブッラーの陣地2カ所に対して報復の砲撃を行った。

だがマナール・チャンネル(10月7日付)によると、このうちの一カ所はUNIFILの拠点だったという。

なお、10月5日には、イスラエル軍がシャブアー農場に近いサッダーナ地区のレバノン軍拠点に発砲し、レバノン軍兵士1人が負傷しており(https://syriaarabspring.info/wp/?p=15052)、ヒズブッラーの攻撃はこの報復だと思われる。

AFP, October 7, 2014、AP, October 7, 2014、ARA News, October 7, 2014、Champress, October 7, 2014、al-Hayat, October 8, 2014、Kull-na Shuraka’, October 7, 2014、al-Mada Press, October 7, 2014、Naharnet, October 7, 2014、NNA, October 7, 2014、Qanat al-Manar, October 7, 2014、Reuters, October 7, 2014、SANA, October 7, 2014、UPI, October 7, 2014などをもとに作成。

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米軍などによるシリア爆撃:爆撃の費用11億ドルに(2014年10月7日)

AFP(10月7日付)は、米国防総省高官の話として、8月以降のシリア、イラクでのダーイシュ(イスラーム国)に対する空爆にかかる費用が11億米ドル(うち6,200万ドルがトマホーク巡航ミサイル)に達していると報じた。

なお米軍以外の有志連合国が行った空爆は全体の10%に過ぎないと報じた。

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アレッポ県では、『ハヤート』(10月8日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が突入したアイン・アラブ市周辺を米国など有志連合が空爆した。

米中央軍によると、10月7、8日の2日間で米国など有志連合は、アイン・アラブ市一帯に5回にわたって空爆を行った。

AFP, October 7, 2014、AP, October 7, 2014、ARA News, October 7, 2014、Champress, October 7, 2014、al-Hayat, October 8, 2014、Kull-na Shuraka’, October 7, 2014、al-Mada Press, October 7, 2014、Naharnet, October 7, 2014、NNA, October 7, 2014、Reuters, October 7, 2014、SANA, October 7, 2014、UPI, October 7, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:ヌスラ戦線がキリスト教牧師を拉致(2014年10月7日)

イドリブ県では、フィデス通信(10月7日付)によると、カニーヤ村聖ヨセフ教会の牧師ハンナー・ジャッルーフ氏がシリア人キリスト教徒20人とともに6日晩に何者かに拉致された。

カニーヤ村はシャームの民のヌスラ戦線の拠点の一つ。

これに関して、クッルナー・シュラカー(10月7日付)は、ヌスラ戦線が同牧師を拘束したと報じた。

Kull-na Shuraka', October 7, 2014
Kull-na Shuraka’, October 7, 2014

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アレッポ県では、ARA News(10月7日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠したアイン・アラブ市内の建物の一つが爆破され、ダーイシュ戦闘員50人が死亡、アブー・ウマル・シーシャーニー氏らが負傷した。

爆発が米国などの有志連合による空爆によるものか否は不明。

またシリア人権監視団によると、アイン・アラブ市東部各地で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

ダーイシュは東部地区にある建設中の公立病院を制圧し、南部一帯への進軍を試みたが、人民防衛隊の抵抗に遭い、進軍を阻止されたという。

なおシリア人権監視団によると、9月16日以降のアイン・アラブ市一帯での戦闘で、ダーイシュ戦闘員219人、クルド人戦闘員163人、民間人20人が死亡し、300万人以上がトルコに避難したという。

またシリア人権監視団によると、ハンダラート・キャンプ一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団、イラン人・アフガン人戦闘員が、アンサール・ディーン戦線(シャームの民のヌスラ戦線、ムハージリーン・ワ・アンサール群、シャームの暁イスラーム運動、シャーム自由人イスラーム運動)と交戦した。

これに関連して、イスラーム戦線シリア自由人旅団は声明を出し、ハンダラート・キャンプでの戦闘でアフガニスタン国籍のシーア派戦闘員(大佐)を捕捉したと発表した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・スブル村を空爆し、子供5人、女性2人を含む9人が死亡した。

シリア軍はまたタマーニア町、ナキール村一帯、ハーン・シャイフ・キャンプを「樽爆弾」などで空爆した。

なお、これに関連して、スィラージュ・プレス(10月7日付)は、シリア軍によるイドリブ県サラーキブ市に対する空爆による過去10日間の死者数が54人に達していると報じた。

うち23人が子供、11人が女性だという。

一方、Champress(10月7日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーッラ丘、ジャースィム市北方、ウンム・アウサジュ村一帯を空爆した。

シリア軍はまた、アクラバー村、ハーッラ市、ダルアー市ダム街道地区を砲撃したほか、インヒル市一帯を「樽爆弾」で空爆した。

一方、Champress(10月7日付)によると、ズィムリーン村、サムリーン村、ジャディーヤ村、ビイル・ウンム・ダラジュ村周辺、ジャースム市南部、ハーッラ市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジャウバル区を空爆、国防隊、ヒズブッラー戦闘員とともに、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市一帯、アッサール・ワルド町無人地帯、ランクース無人地帯を空爆し、国防隊、ヒズブッラー戦闘員とともに、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、Champress(10月7日付)によると、タッルドゥー、ラスタン市、ヒムス市ワアル地区、ウンム・シャルシューフ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, October 7, 2014、Agenzia Fides, October 7, 2014、AP, October 7, 2014、ARA News, October 7, 2014、Champress, October 7, 2014、al-Hayat, October 8, 2014、Kull-na Shuraka’, October 7, 2014、al-Mada Press, October 7, 2014、Naharnet, October 7, 2014、NNA, October 7, 2014、Reuters, October 7, 2014、SANA, October 7, 2014、al-Siraj Press, October 7, 2014、UPI, October 7, 2014などをもとに作成。

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