諸外国の動き:ダーイシュ戦闘員志望の日本人に関する捜査続く(2014年10月21日追記)

ダーイシュ(イスラーム国)への日本人の勧誘と潜入幇助をめぐる問題で、北海道大学大学院生(休学中)のほかに東京都在住の別の男性も、この大学院生とともにトルコ経由でシリアに潜入する計画だったことが、警視庁公安部の取材で明らかになった。

警視庁幹部によると、東京都在住のこの男性は、北大大学院生が住んでいた杉並区の民家で暮らし、この大学院生にシリアへの潜入方法などを助言していた中田考氏に接触、潜入を計画していたという。

また杉並区のこの民家には、「勤務地 シリア」という求人広告を貼った千代田区の古書店関係者の30歳代の男性も一緒に住んでいるほか、複数の男性が出入りしていたという。

北大大学院生は、8月半ばにシリアへの潜入を計画していたが、直前で中止、この際、同行する予定だった千葉県の男性も家族の反対で潜入を断念していた。

東京都在住のこの男性は、10月7日に改めて計画されたシリアへの潜入に同行する予定だったが、警視庁の捜査を受けて中止された。

この男性には、シリアでの取材経験が豊富なジャーナリストの常岡浩介氏が同行することになっていた。

なお、またこの2人以外にも、数人がシリアへの渡航を募る求人広告を見て、問い合わせをしていたことも判明、彼らは計画が具体化する前に潜入を中止したという。

『読売新聞』(2014年10月22日付朝刊)などが伝えた。

『読売新聞』2014年10月22日付朝刊などをもとに作成。

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シリア政府の動き:シリア軍、アイン・アラブへの支援を継続(2014年10月21日)

ウムラーン・ズウビー情報大臣は、シリア・アラブ・テレビ(10月21日付)のインタビューで、ダーイシュ(イスラーム国)の侵攻を受けるアイン・アラブ市(アレッポ県)に対して、軍事兵站支援を行っていると明言した。

ズウビー情報大臣は「国家は武装部隊をもって、直接、ないしは航空機によって、アイン・アラブ市に、軍事支援、兵站、弾薬、武器の支援を行ってきた。今後も最大限のエネルギーを注いでこれを継続する。なぜならこれは国家の存亡がかかった問題だからだ」と述べた。

またズウビー情報大臣は、ダーイシュ(イスラーム国)がアレッポ県のジャッラーフ航空基地で「旧式の…戦闘機3機」を捕獲していたことを認めたうえで、「テロリストたちは(飛行を)試みたが…、シリア軍戦闘機が直ちに出撃し…、着陸しようとしていた2機を滑走路で破壊した…。残る1機はダーイシュが隠している…が、使用できないと考えている」と付言した。

SANA, October 21, 2014
SANA, October 21, 2014

SANA, October 21, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:米国務省報道官、民主統一党はテロ組織ではない(2014年10月21日)

米国務省のマリー・ハーフ副報道官は記者会見で、アイン・アラブ市でダーイシュ(イスラーム国)と戦う西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊を主導する民主統一党について「テロ組織のリストにない…。米国の法律では二つの組織(民主統一党とPKK)は異なる組織とみなされる」と述べ、テロ組織とみなしていないとの姿勢を示した。

ハーフ副報道官はまた「イスラーム国と戦うクルド人精力の支援がいかに重要かをトルコに説明した」と付言した。

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マイケル・ファロン英国防大臣は、英無人戦闘機によるイラク・シリアでの偵察活動が近く開始されることを議員宛書簡で明らかにした。

国防省によるとシリア領空を飛行するのは、無人武装偵察機リーパーと電子偵察機RC135。

AFP(10月21日付)が伝えた。

AFP, October 21, 2014、AP, October 21, 2014、ARA News, October 21, 2014、Champress, October 21, 2014、al-Hayat, October 22, 2014、Kull-na Shuraka’, October 21, 2014、al-Mada Press, October 21, 2014、Naharnet, October 21, 2014、NNA, October 21, 2014、Reuters, October 21, 2014、SANA, October 21, 2014、UPI, October 21, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:米軍がアイン・アラブに投下した武器・弾薬の一部がダーイシュの手に(2014年10月21日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、米軍が西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊のためにアイン・アラブ市に投下した武器・弾薬・医療物資のコンテナ2個が、ダーイシュ(イスラーム国)支配地区に着地、うち1個がダーイシュに捕獲された。

米中央軍によると、もう1個は米国など有志連合の空爆によって破壊されたという。

一方、SANA(10月21日付)によると、アレッポ市シュカイフ地区、ラームーサ地区、マアーッラト・アルティーク村、カフルハムラ村、アナダーン市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

al-Sharq al-Awsat, October 21, 2014
al-Sharq al-Awsat, October 21, 2014

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍との戦闘の末、ダイル・ザウル市工業地区の大部分を制圧した。

この戦闘で、ダーイシュ、シリア軍双方に多数の死傷者が出たという。

これに対して、シリア軍はダイル・ザウル市フワイジャト・サクル地区、ハウィーカ地区に対して空爆を行った。

一方、SANA(10月21日付)によると、ダイル・ザウル市フワイジャト・サクル地区、ハウィーカ地区、工業地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がナスィーブ村を空爆し、子供2人を含む8人が死亡した。

また対ヨルダン国境の税関地区で、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

一方、ジハード主義武装集団は、ウンム・マヤーズィン町近郊のファッラーヒーン・ガソリン・スタンド検問所、ジスル検問所、マアスィラ検問所の制圧を目的とした「アフル・アズムの戦い」を開始したと発表した。

このほか、SANA(10月21日付)によると、ナスィーブ村西部、ナーフタ町、タイバ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラターミナ町、カフルズィーター市、ムーリク市、ラタミーン村一帯をシリア軍が22回にわたって空爆した。

なお、クッルナー・シュラカー(10月20日付)によると、ムーリク市一帯でのシリア軍との戦闘で、シャームの鷹旅団前線司令官のラッダード・ハルーフ氏が死亡、マアッラト・ヌウマーン市および郊外の鷹旅団司令官のアブー・アクラム氏が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーミディーヤ航空基地、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺でシリア軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(10月21日付)によると、クーリーン村・ビカフルーン村間、バイニーン村、ラーミー村、マルイヤーン村、カフルシャラーヤー村、アイン・シーブ村、マアッラト・ヌウマーン市、フバイト村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ジュンド・アクサー、シャームの鷹旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ハミーディーヤ村、西サムダーニーヤ村一帯で、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

一方、SANA(10月21日付)によると、ウンム・イザーム村、西サムダーニーヤ村、アジュラフ村、ウンム・バーティナ村、ルワイヒーナ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(10月21日付)によると、アルバイン市、ハラスター市、ドゥーマー市、カフルバトナー町、ラアス・マアッラ町郊外無人地帯、マシュラファ村郊外無人地帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(10月21日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(10月21日付)によると、西サラーム村、ウンム・サフリージュ村、トゥルール・ハワー村、ガジャル村、ガントゥー市、カニーヤト・アースィー村、アクラード・ダーフィニーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, October 21, 2014、AP, October 21, 2014、ARA News, October 21, 2014、Champress, October 21, 2014、al-Hayat, October 22, 2014、Kull-na Shuraka’, October 21, 2014、al-Mada Press, October 21, 2014、Naharnet, October 21, 2014、NNA, October 21, 2014、Reuters, October 21, 2014、SANA, October 21, 2014、al-Sharq al-Awsat, October 21, 2014、UPI, October 21, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き:ハドラー大隊司令官がダーイシュに忠誠(2014年10月21日)

クッルナー・シュラカー(10月21日付)によると、ハドラー大隊司令官のウマル・サイフ氏はツイッターを通じて、ダーイシュ(イスラーム国)への忠誠を宣言した。

AFP, October 21, 2014、AP, October 21, 2014、ARA News, October 21, 2014、Champress, October 21, 2014、al-Hayat, October 22, 2014、Kull-na Shuraka’, October 21, 2014、al-Mada Press, October 21, 2014、Naharnet, October 21, 2014、NNA, October 21, 2014、Reuters, October 21, 2014、SANA, October 21, 2014、UPI, October 21, 2014などをもとに作成。

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