諸外国の動き:サウジ外相、イラン・バッシングに終始(2014年10月13日)

サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は、ジェッダでドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー外務大臣と会談し、シリア、イラク情勢などについて協議した。

会談後の記者会見で、サウード・ファイサル外務大臣は「イラン軍はシリア占領軍だ。シリア紛争の部外者だ。問題の解決策の一部ではなく、問題そのものだ」と述べ、サウジアラビアの対シリア政策を自己批判するかのように、イランをバッシングした。

また「いかなる組織がその背後にいようとも、テロを撲滅するための包括的な戦略が不可欠だ。たとえ何年かかったとしてもだ。制度的な枠組みのなかでこの戦略は行われるべきで、限定的なミッションに限られるべきではい」と付言したが、「背後にいる組織」が何かについては明言を避けた。

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スーザン・ライス国家安全保障問題担当大統領補佐官は、トルコ政府が、米国など有志連合によるトルコ領内の基地使用に同意したと発表した。

基地使用は、イラク、シリアで活動するダーイシュ(イスラーム国)への攻撃や、シリアの「穏健な反体制派」教練のために使用されるという。

しかし、『ハヤート』(10月14日付)は、トルコのアフメト・ダウトオール首相府の複数の消息筋の話として、米国によるインジルリク空軍基地の使用をトルコ政府は認めておらず、いまだ協議中である、と報じた。

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ARA News(10月13日付)によると、アイン・アラブ市でのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘に参加するため、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に合流していたPKK民兵司令官が、戦闘で負傷しシャンウルファ市の国立病院に搬送された後、同地でトルコの治安当局に逮捕された。

AFP, October 13, 2014、AP, October 13, 2014、ARA News, October 13, 2014、Champress, October 13, 2014、al-Hayat, October 14, 2014、Kull-na Shuraka’, October 13, 2014、al-Mada Press, October 13, 2014、Naharnet, October 13, 2014、NNA, October 13, 2014、Reuters, October 13, 2014、SANA, October 13, 2014、UPI, October 13, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

レバノンの動き:ジュンブラート党首が米国などの爆撃を「欺瞞」と批判(2014年10月13日)

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は党機関紙『アンバー』(10月13日付)社説で、ダーイシュ(イスラーム国)掃討を目的とする米国など有志連合について「欺瞞」だと批判したうえで、「シリアで政治的解決がないままにすることは、内戦を煽って長引かせ、イスラエルを守るためにシリアを分断すること」を意味するとの見方を示した。

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NNA(10月13日付)によると、ジュバイル市(レバノン山地県)で、同市警察がシリア人2人をテロ容疑で逮捕した。

AFP, October 13, 2014、al-Anba’, October 13, 2014、AP, October 13, 2014、ARA News, October 13, 2014、Champress, October 13, 2014、al-Hayat, October 14, 2014、Kull-na Shuraka’, October 13, 2014、al-Mada Press, October 13, 2014、Naharnet, October 13, 2014、NNA, October 13, 2014、Reuters, October 13, 2014、SANA, October 13, 2014、UPI, October 13, 2014などをもとに作成。

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米軍などによるシリア爆撃:アイン・アラブ、ラッカへの爆撃続く(2014年10月13日)

米中央軍によると、米国とサウジアラビアは、12日晩から13日未明にかけて、アイン・アラブ市近郊などに7回にわたり空爆を行った。

これにより、ダーイシュ(イスラーム国)の車輌4輌、拠点、施設などを破壊し、複数の戦闘員を死傷させたという。

米国など有志連合はまた、ラッカ県北西部に対しても1回空爆を行った。

AFP, October 13, 2014、AP, October 13, 2014、ARA News, October 13, 2014、Champress, October 13, 2014、al-Hayat, October 14, 2014、Kull-na Shuraka’, October 13, 2014、al-Mada Press, October 13, 2014、Naharnet, October 13, 2014、NNA, October 13, 2014、Reuters, October 13, 2014、SANA, October 13, 2014、UPI, October 13, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:アレッポでシリア軍、ダーイシュ、ヌスラ、YPGなどが混戦(2014年10月13日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アンサール・ディーン旅団がシリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団、イラン人・アフガン人戦闘員との交戦の末、ハンダラート・キャンプ内の戦略的拠点複数カ所を奪還し、同キャンプとアレッポ中央刑務所を結ぶシリア軍の兵站路の一つを寸断した。

アンサール・ディーン旅団は、ムハージリーン・ワ・アンサール軍(外国人)、シャーム・イスラーム運動、シャームの暁イスラーム運動、ハドラー大隊からなるが、AMC(10月13日付)は「革命家」と評している。

一方、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とジハード主義武装集団が、実効支配下のアレッポ市アシュラフィーヤ地区でシリア軍、国防隊と交戦、シリア軍が砲撃を加えた。

他方、『ハヤート』(10月14日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が侵攻を続けるアイン・アラブ市で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュと交戦、同市南部で進軍を成功させる一方、治安厳戒地区でダーイシュを「数メートル」後退させた。

これに対し、ダーイシュは、アイン・アラブ市内の治安厳戒地区や同市北部ラシャード・モスク(トルコ国境から700メートル)近くで自動車による自爆テロを行い、人民防衛隊と交戦した。

また、両者の戦闘による流れ弾(迫撃砲弾)が対トルコ国境の通行所付近に着弾した。

シリア人権監視団によると、13日の戦闘では、ダーイシュ戦闘員14人、人民防衛隊戦闘員5人が死亡したという。

このほか、クッルナー・シュラカー(10月13日付)によると、県北部でタウヒード旅団の戦闘員11人が、ダーイシュの検問所で拘束され、全員処刑された。

さらにクッルナー・シュラカー(10月13日付)によると、アレッポ市カースティールー地区の検問所近くで、シャームの民のヌスラ戦線とバドル殉教者旅団が交戦した。

なお、SANA(10月13日付)によると、アルド・マッラーフ地区、カフル・ナーヤー村、ジュマイリーヤ村、精糖工場、サイファート村北部、ダイル・ハーフィル市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市各所をシリア軍が15回以上空爆、またカフルバースィーン村、カフルサジュナ村、バーブーリーン村、アームーディーヤ村、カッサービーヤ村農場、サラーキブ市、アルバイーン山周辺を空爆・砲撃した。

一方、SANA(10月13日付)によると、ビンニシュ市、カフルルーマー村、クマイナース村、カフルラーター村、サラーキブ市、クーリーン村、ナビー・アイユーブ丘、マアッラト・ヌウマーン市、マアッルシューリーン村、ハーン・シャイフーン市、バシーリーヤ村、アブー・ズフール航空基地周辺、アルマニヤーヤー村、アームーディーヤ村、ヒーシュ村、ジャルジャナーズ町、ザアラーナ村、カフルバースィール村、バーブーリーン村、ワーディー・ダイフ、ハーン・スブル村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ムーリク市、ラターミナ町、カフルズィーター市、ラタミーン村をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(10月13日付)によると、ムーリク市、カフルズィーター市、ラタミーン村、ザカート村、サイヤード村、カッサービーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また反体制武装集団元メンバー64人が地元和解プロセスの一環で当局に投降、放免となり釈放された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市各所をシリア軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(10月13日付)によると、ヒムス市ワアル地区、ラスタン市、ザーラ村、ウンク・ハワー村、ウンム・トゥワイナ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(10月13日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ファールーク旅団の外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(10月13日付)によると、アイン・タルマー村旧市街、アルバイン市、ドゥーマー市南部および北東部、カースィミーヤ町郊外、ザマーニーヤ村郊外、バハーリーヤ村郊外、ジャルバー村郊外、カーラ市郊外無人地帯、ダーライヤー市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ファールーク旅団の外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(10月13日付)によると、ブルジュ・ハヤート村、ザーヒヤ山周辺、マフミヤト・ファルラク村、ドゥーリーン村、サルマー町、ドゥワリルカ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(10月13日付)によると、ダルアー市各所、ウンム・マヤーズィン町、タイバ町、アトマーン村、ダイル・アダス村、インヒル市、サイダー町で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(10月13日付)によると、ウンム・バーティナ村、西サムダーニーヤ村、ウーファーニヤー村、ジャバーター・ハシャブ村、タルジャナ村、ハミーディーヤ村、マスハラ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、クッルナー・シュラカー(10月14日付)によると、タウヒード暁作戦司令室、第一軍団作戦司令室が、県内の戦略的要衝の解放を目的とした「公正なる処罰の戦い」を開始した。

AFP, October 13, 2014、AMC, October 13, 2014、AP, October 13, 2014、ARA News, October 13, 2014、October 14, 2014、Champress, October 13, 2014、al-Hayat, October 14, 2014、Kull-na Shuraka’, October 13, 2014、al-Mada Press, October 13, 2014、Naharnet, October 13, 2014、NNA, October 13, 2014、Reuters, October 13, 2014、SANA, October 13, 2014、UPI, October 13, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.