諸外国の動き:ヘーゲル米国防長官、「爆撃はアサドを利する」(2014年10月30日追記)

チャック・ヘーゲル米国防長官は記者会見で、米国など有志連合によるダーイシュ(イスラーム国)殲滅に向けた空爆に関して「アサドを利することになる」と述べた。

『ハヤート』(11月1日付)などが伝えた。

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『ガーディアン』(10月30日付)は、シリアとイラクで伸張するダーイシュ(イスラーム国)に関して、過去数年間で80カ国から約15,000人の外国人戦闘員が参加していると報じた。

同紙が入手した国連安保理の報告書によると、2010年以降、シリアとイラクに潜入した外国人ジハード主義者の数は、1990~2010年に潜入した戦闘員の数の数倍に達し、出身国は、フランス、ロシア、英国など80カ国におよぶという。

The Guardian, October 30, 2014、al-Hayat, November 1, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き:国民評議会が米国などによるシリア爆撃を非難/国民連合暫定政府閣僚らの給与半額に(2014年10月30日追記)

シリア国民評議会(シリア革命反体制勢力国民連立所属)は声明を出し、イドリブ県アービディーン避難民キャンプに対するシリア軍の空爆(29日)に関して、ダーイシュ(イスラーム国)掃討をめざす米軍など有志連合の「戦闘機がなぜシリアの子供たちを守らないのか? 政権側の戦闘機が有志連合の戦闘機のそばで安心して飛行できるのはどういうことか?」と批判した。

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シリア革命反体制勢力国民連立暫定政府のアフマド・トゥウマ暫定首班は決定第33/2号を発し、暫定政府閣僚の給与などを20~50%削減することを決定した。

これにより、8,000米ドルだった首班の給与(月額)、そして6,000米ドルだった閣僚の給与は3,500米ドルに削減されるという。

AFP, October 31, 2014、AP, October 31, 2014、ARA News, October 31, 2014、Champress, October 31, 2014、al-Hayat, November 1, 2014、Kull-na Shuraka’, October 31, 2014、al-Mada Press, October 31, 2014、Naharnet, October 31, 2014、NNA, October 31, 2014、Reuters, October 31, 2014、SANA, October 31, 2014、UPI, October 31, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:イスラーム国戦闘員志願の日本人大学院生に関する捜査続く(2014年10月30日)

『毎日新聞』(10月30日付)は、北海道大学大学院の男子学生(26歳)が、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員になるためシリアへの渡航を計画した事件で、学生が警視庁公安部の事情聴取に対し、「渡航を仲介した元大学教授から、イスラーム国と別の過激派組織の二つを紹介された」と話していることが捜査関係者への取材で分かったと報じた。

公安部は、現地情勢の説明など元教授の助言で計画が具体化していったとみて詳しい経緯を調べているという。

捜査関係者などによると、学生は4月頃、秋葉原の古書店でシリアでの求人の張り紙を見て、渡航を考えるようになった。

その後、古書店運営会社の役員で杉並区の一軒家で共同生活をしていた30代の男性から元同志社大教授の中田考氏を紹介されたが、その際、中田氏から「イスラーム国かヌスラ戦線なら紹介できる」と説明されたという。

学生は当初からイスラーム国で戦闘員になることを希望していたため、イスラーム国への参加を選んだとみられるという。

『毎日新聞』2014年10月30日付けをもとに作成。

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シリア国内の暴力:各地での戦闘続く(2014年10月30日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマルジュ・スルターン村一帯、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯を「樽爆弾」などで空爆した。

またハラスター市では、ウンマ軍に所属する武装集団の司令官が武装集団の襲撃を受け、暗殺された。

一方、Champress(10月30日付)によると、フーシュ・ファーラ農場、リーハーン農場、タッル・クルディー町一帯、ドゥーマー市、アルバイン市、ザマルカー町一帯、ハラスター市郊外、カースィミーヤ町、ザマーニーヤ村、ダイル・サルマーン町、アイン・タルマー村、マシュラファ村無人地帯、ラアス・マアッラ町無人地帯、アッサール・ワルド町無人地帯、ザバダーニー市、ダーライヤー市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヌアイマ村、ムザイリーブ町、アシュアリー農場、ジュバイラト・ブカール村などをシリア軍が空爆した。

一方、Champress(10月30日付)によると、ダルアー市旧税関地区、ヨルダン通り、アトマーン村、インム・マヤーズィン町、ジュライン村、ヌアイマ村、シャイフ・マスキーン市、タファス市、サフム・ジャウラーン村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、アイン・ズブダ村、ハミーディーヤ村一帯をシリア軍が空爆した。

一方、Champress(10月30日付)によると、ジャバーター・ハシャブ村、マスハラ村、スワイサ村、トゥルナジャ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、マサール・ニュース(10月30日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線とハズム運動によるアレッポ市中立化合意を受け、ムジャーヒディーン軍が市内にあるハズム運動の拠点を接収した。

一方、Champress(10月30日付)によると、アレッポ市ジャンドゥール地区、カースティールー地区、ライラムーン地区、スッカリー地区、ラーシディーン地区、アアザミーヤ村
フライターン市、タームーラ村、ハーン・トゥーマーン村、ナイラブ周辺で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、Champress(10月30日付)によると、タドムリーヤ村、ファースィダ村、ハシャービーヤ村、マヌーフ村、マラーン・ファワーイル村、ジバーブ・ハマド村、タフハ村、ハヌーラ村北部、ウンム・シャルシューフ村、ラスタン市、ウンク・ハワー村、シャンダーヒーヤ村、サアン村周辺で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シャームの民のヌスラ戦線はツイッターを通じて声明を出し、29日にヒムス市ザフラー地区で起きた爆弾テロへの関与を認めた。

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ダマスカス県では、Champress(10月30日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、Champress(10月30日付)によると、ザカーヤー・サジュナ村、タッルアース村、フバイト村、マアッラト・ヌウマーン市、タマーニア町、スィンジャール町、ワーディ・サルファフ村、サルジャ村、タフタナーズ市、ビンニシュ市、カフルナジュド村、サラーキブ市、ナリラヤー村、カフルシャラーヤー村、バッザ村周辺、下カスタン村周辺、アルバイーン山周辺、ブダーマ村、カストゥーン村、タッル・ディニート村、ファイルーン村、バザーブール村、ジダール・ブカフルーン村、マラティーン村、バルーマー村、カンスフラ村周辺などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、Champress(10月30日付)によると、ザカート村、サイヤード村、ハマーディー・ウマル村、南カスタル村、中カスタル村、ラスム・サワーニー村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, October 30, 2014、AP, October 30, 2014、ARA News, October 30, 2014、Champress, October 30, 2014、al-Hayat, October 31, 2014、Kull-na Shuraka’, October 30, 2014、al-Mada Press, October 30, 2014、Naharnet, October 30, 2014、NNA, October 30, 2014、Reuters, October 30, 2014、SANA, October 30, 2014、UPI, October 30, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:ダーイシュ女性部隊30人がラッカへの米軍の爆撃で死亡(2014年10月30日)

クッルナー・シュラカー(10月30日付)によると、米国など有志連合は、29日から30日にかけてラッカ市の「アレッポ州大使館」、旧検閲査察委員会ビル、旧政治治安部ビルなど、ダーイシュの主要拠点を空爆した。

同サイトによると、旧政治治安部ビルへの空爆で、ダーイシュの女性部隊「ハンサー大隊」の戦闘員30人が死亡したという。

Kull-na Shuraka', October 30, 2014
Kull-na Shuraka’, October 30, 2014

 

米中央軍によると、有志連合は、アイン・アラブ市一帯のダーイシュ(イスラーム国)に対して10回にわたって空爆を行い、拠点7カ所、施設5棟、2部隊を破壊したほか、ダイル・ザウル県のダーイシュに対して空爆を行ったという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、イラク・クルディスタン地域のペシュメルガ戦闘員約10人(先遣部隊)が国境通行所を経由してアイン・アラブ市内に入った。

同部隊は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と合同作戦司令部を設置したという。

同市内では、人民防衛隊とダーイシュの戦闘が続き、ダーイシュが国境通行所一帯を砲撃した。

なお市内での戦闘で、人民防衛隊隊員30人が死亡したという。

一方、ARA News(10月31日付)によると、ユーフラテスの火山作戦司令室は声明を出し、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、同女性防衛部隊、ラッカ革命家旅団、クルド人戦線旅団、自由の暁部隊は、過去24時間でダーイシュ(イスラーム国)戦闘員80人を殲滅したと発表した。

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ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(10月30日付)などによると、ダーイシュ(イスラーム国)は、ヒムス市とタドムル市の間に位置するシリア軍のタイフール航空基地の入り口で爆弾を積んだ車で自爆攻撃を行った。

また、アナトリア通信(10月30日付)によると、ダーイシュは声明を出し、シャーイル油田を「完全制圧」したと発表した。

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ダイル・ザウル県では、Champress(10月30日付)によると、ダイル・ザウル市フジャイワト・サクル地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, October 30, 2014、Anadolu Ajansı, October 30, 2014、AP, October 30, 2014、ARA News, October 30, 2014、October 31, 2014、Champress, October 30, 2014、al-Hayat, October 31, 2014、Kull-na Shuraka’, October 30, 2014、al-Mada Press, October 30, 2014、Naharnet, October 30, 2014、NNA, October 30, 2014、Reuters, October 30, 2014、SANA, October 30, 2014、UPI, October 30, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き:外務省はペシュメルガのアイン・アラブ入りに関して、トルコの主権侵害と非難(2014年10月30日)

外務在外居住者省は、アレッポ革命軍事評議会前議長のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐率いる反体制武装部隊(自由シリア軍)やイラク・クルディスタン地域のペシュメルガ戦闘員のアイン・アラブ市への進軍に関して声明を出し、「アイン・アラブ一帯のシリア国境を侵害し、外国軍やテロリストをシリア領内の潜入させる役割を…トルコが担っていることを改めて確認させるもの」と指弾し、「あからさまな主権侵害」と批判した。

AFP, October 30, 2014、AP, October 30, 2014、ARA News, October 30, 2014、Champress, October 30, 2014、al-Hayat, October 31, 2014、Kull-na Shuraka’, October 30, 2014、al-Mada Press, October 30, 2014、Naharnet, October 30, 2014、NNA, October 30, 2014、Reuters, October 30, 2014、SANA, October 30, 2014、UPI, October 30, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き:シャームの鷹師団、ヌスラ戦線とシリア革命家戦線の衝突をめぐって中立を宣言(2014年10月30日)

シャームの鷹旅団のアフマド・イーサー氏(アブー・イーサー)は、イドリブ県、アレッポ県でのシャームの民のヌスラ戦線とシリア革命家戦線の衝突に関して、「シリア北部の内乱を収束」させたいとの意思を表明し、「完全なる中立」を宣言するとともに、すべての武装集団に「アッラーの法の裁定」に従い、対立を止めるよう呼びかけた。

『ハヤート』(10月31日付)が伝えた。

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西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区立法評議会は、テロ撲滅法を発布した。

ARA News(10月30日付)が伝えた。

AFP, October 30, 2014、AP, October 30, 2014、ARA News, October 30, 2014、Champress, October 30, 2014、al-Hayat, October 31, 2014、Kull-na Shuraka’, October 30, 2014、al-Mada Press, October 30, 2014、Naharnet, October 30, 2014、NNA, October 30, 2014、Reuters, October 30, 2014、SANA, October 30, 2014、UPI, October 30, 2014などをもとに作成。

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