クッルナー・シュラカー(3月9日付)によると、シリア赤新月社のチームが、アレッポ市内のカラージュ・ハジャル通行所を経由して、反体制武装集団の支配下にある街区に国連の人道支援物資を搬入した。
Kull-na Shuraka’, March 9, 2015をもとに作成。
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Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
クッルナー・シュラカー(3月9日付)によると、シリア赤新月社のチームが、アレッポ市内のカラージュ・ハジャル通行所を経由して、反体制武装集団の支配下にある街区に国連の人道支援物資を搬入した。
Kull-na Shuraka’, March 9, 2015をもとに作成。
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ARA News(3月9日付)は、住民らの話として、アレッポ県バーブ市内でダーイシュ(イスラーム国)のアンサール(シリア人戦闘員)が大量離反、彼らを追跡する戦闘員との間で4時間にわたり激しい戦闘が起こったと伝えた。
この戦闘を受け、クルド人45人を含む収監者数十人も脱獄し、ダーイシュはバーブ市内の道路を完全封鎖し、同市一帯で離反兵と脱獄者の追跡を行ったという。
これに関して、シリア人権監視団は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊やジハード主義武装集団の戦闘員30人を含む90~95人が脱走した、と発表した。
またARA News(3月10日付)は、この脱獄が、バーブ市内でのアンサール(シリア人戦闘員)とムハージリーン(外国人戦闘員)の対立に乗じて、自由シリア軍に所属するスリーパー・セルが実行した作戦だったと伝えた。
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ARA News(3月9日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)のフランス人戦闘員ら8人が、武器を捨てて脱走し、トルコ領内に逃げ込んだと伝えた。
AFP, March 9, 2015、AP, March 9, 2015、ARA News, March 9, 2015、March 10, 2015、Champress, March 9, 2015、al-Hayat, March 10, 2015、March 11, 2015、Iraqi News, March 9, 2015、Kull-na Shuraka’, March 9, 2015、al-Mada Press, March 9, 2015、Naharnet, March 9, 2015、NNA, March 9, 2015、Reuters, March 9, 2015、SANA, March 9, 2015、UPI, March 9, 2015などをもとに作成。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、米国など有志連合が、トルコ国境に位置するアティマ村中心部を空爆し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員9人を殺害した。
AFP, March 9, 2015、AP, March 9, 2015、ARA News, March 9, 2015、Champress, March 9, 2015、al-Hayat, March 10, 2015、Iraqi News, March 9, 2015、Kull-na Shuraka’, March 9, 2015、al-Mada Press, March 9, 2015、Naharnet, March 9, 2015、NNA, March 9, 2015、Reuters, March 9, 2015、SANA, March 9, 2015、UPI, March 9, 2015などをもとに作成。
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NHK(3月8日付)は、「民主化運動に参加し日本に逃げてきたとされる」シリア人男性4人が、東京地方裁判所に対して、難民認定を求めて提訴することになった、と報じた。
日本での難民認定を求める提訴は、これが初めてとみられる、という。
NHKによると、提訴を予定しているシリア人4人は、3年前(2012年)に来日した21歳から35歳の男性。
来日の経緯、渡航目的は明らかとされていないが、いずれも「アラブの春」に端を発する反体制運動に参加したとして難民認定を申し立て、人道上の配慮から特別な在留資格の取得を認められてたが、いずれも難民としては認定されなかったという。
また、難民として認定されていないことで、日本語教育や職業紹介など、難民に対する支援策を受けられていないのだという。
NHKによると、4人は「帰国すれば政府から迫害を受けるおそれが高い。定住に必要な支援を求めたい」と主張しているが、彼らが受けるとされる迫害が、どのような罪状に基づくものになるかについては明らかにされていない。
弁護団によると、「アラブの春」波及以降に日本で難民認定を申し立てたシリア人は60人以上にのぼっているが、難民として認定を受けたケースはなく、日本で認定を求めて提訴するのは、今回が初めてだという。
弁護団の難波満弁護士は「米国やイギリスなどの先進各国では、認定を申し立てたシリア人90%以上を難民として認定している。シリア人難民の受け入れが国際社会の課題となるなか、国連の要請に応えて日本も難民と認定するべきだ」と主張している。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150308/k10010008461000.htmlなどをもとに作成。
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ARA News(3月8日付)によると、シャーム戦線が統括するアレッポ県のバーブ・サラーマ国境管理局は、トルコ側の要請を受け、3月8日付で対トルコ国境の通行所を閉鎖する、と発表した。
バーブ・サラーマ国境通行所の閉鎖は、同地から50キロ以上離れたジャラーブルス市のダーイシュ(イスラーム国)に対する西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の攻勢に伴う戦闘激化を受けた措置だという。
また『ハヤート』(3月10日付)によると、トルコ当局はこれに先だって3月8日にイドリブ県バーブ・ハワー国境通行所に通じるジルヴェギョズ国境通行所(ハタイ県)を閉鎖していた。
AFP, March 8, 2015、AP, March 8, 2015、ARA News, March 8, 2015、Champress, March 8, 2015、al-Hayat, March 9, 2015、March 10, 2015、Iraqi News, March 8, 2015、Kull-na Shuraka’, March 8, 2015、al-Mada Press, March 8, 2015、Naharnet, March 8, 2015、NNA, March 8, 2015、Reuters, March 8, 2015、SANA, March 8, 2015、UPI, March 8, 2015などをもとに作成。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、工業地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。
またマヤーディーン市では、武装集団が、ダーイシュのヒスバ(宗教警察)本部(行政裁判所)と拠点1カ所(政治治安部近くの検問所)を襲撃し交戦、また市内でオートバイに乗ったダーイシュ戦闘員を攻撃し、ダーイシュ戦闘員少なくとも12人が死亡した。
一方、クッルナー・シュラカー(3月8日付)によると、米国など有志連合の戦闘機が、ダイル・ザウル市東部郊外にあるダーイシュのザカート局本部、未開墾地(ヒジャーナ)局本部を空爆した。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ジャズル・ガス採掘所一帯で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。
一方、SANA(3月8日付)によると、シャーイル・ガス採掘所一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・タムル町一帯で反転攻勢を開始したダーイシュ(イスラーム国)と、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、ハーブール護衛部隊、シリア正教軍事評議会民兵の戦闘が続いた。
一方、シリア軍はカーミシュリー市南部郊外でダーイシュと交戦し、同地の5カ村(ARA News(3月8日付)によると6カ村)を制圧した。
また、SANA(3月8日付)によると、タッル・タムル町郊外のラキーヤ村、アウジャ村、タッル・シャーミーラーン村、ギーブシュ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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有志連合合同司令部は、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して17回の空爆を行ったと発表した。
このうち6回がシリア領内(アイン・アラブ市一帯)に対して行われたという。
AFP, March 8, 2015、AP, March 8, 2015、ARA News, March 8, 2015、Champress, March 8, 2015、al-Hayat, March 9, 2015、Iraqi News, March 8, 2015、Kull-na Shuraka’, March 8, 2015、al-Mada Press, March 8, 2015、Naharnet, March 8, 2015、NNA, March 8, 2015、Reuters, March 8, 2015、SANA, March 8, 2015、UPI, March 8, 2015などをもとに作成。
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シャームの民のヌスラ戦線は、ダマスカス県、ダルアー県、クナイトラ県の3県が接するいわゆる「死のトライアングル」地帯でのシリア軍の攻勢を受け、総動員令を発し、「テヘランとヒズブッラーの民兵」への徹底抗戦を呼びかけた。
クッルナー・シュラカー(3月8日付)が伝えた。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアルバイン市各所を空爆、11人が死亡、50人が負傷した。
一方、『ハヤート』(3月9日付)は、シャームの民のヌスラ戦線が、ダマスカス郊外県バービッラー市で拘束していた使徒シャーム旅団の司令官を解放したと報じた。
この解放は、イスラーム軍の仲介のもと、バービッラー市で包囲されていたヌスラ戦線戦闘員30人の同市からの退去を認められたことへの見返りとして行われたという。
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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、マスハラ村、マムティナ村、クーム・バーシャー村・ナブア・サフル村間の街道一帯をシリア軍が砲撃した。
一方、SANA(3月8日付)によると、マスハラ村郊外、ハミーディーヤ村一帯、ウンム・バーディナ村一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・マスキーン市で、シリア軍の拷問により男性2人が死亡、また同地へのシリア軍の砲撃でジハード主義武装集団2人が死亡した。
シリア軍はまた、マール村、カフルシャムス町一帯、ブスラー・シャーム市東部を空爆・砲撃、インヒル市郊外の第15旅団基地近郊で、ジハード主義武装集団と交戦した。
一方、SANA(3月8日付)によると、アトマーン村、シャイフ・マスキーン市、ハーッラ市、ダルアー市各所、ラジャート高地一帯、イブタア町、カルファー西部、ブスル・ハリール市、キータ村、ティースィヤー村、西ガーリヤ村、スハイリーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ムウタッズ・ビッラー旅団、イスラーム・ムサンナー運動、ジャイドゥール・ハウラーン旅団、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。
またマッザ86地区、ウマウィーイーン広場に迫撃砲弾複数発が着弾した。
クッルナー・シュラカー(3月8日付)によると、マッザ86地区に着弾した迫撃砲弾は、同地の国防隊、人民諸委員会の拠点を狙ったものだという。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワアル地区でシリア軍が発砲した。
一方、SANA(3月8日付)によると、ムシャイリファ村、アブー・ハワーディード村、ラッフーム村、ドゥワイバ村、マスアダ村、ラジャム・カスル村、西サラーム村などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カブル・フィッダ村、ラターミナ町、ダミーナ村などをシリア軍が空爆し、ジハード主義武装集団と交戦した。
一方、SANA(3月8日付)によると、ティバーラ村、ダキーラ村、ジャルーフ村、マアザミーヤ村、ラスム・マルイー村、ラスム・サイド村、ヌアイマ村、アービディーン村、ブラーク・ナシュミーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市サラーフッディーン地区、ハンダラート・キャンプ一帯、バーシュカウィー村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団と交戦した。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、サルマー町一帯(いわゆるクルド山一帯)で、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。
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イドリブ県では、SANA(3月8日付)によると、クマイナース村、フサイニーヤ村、タフタナーズ市、アイン・マールティーン村、ビンニシュ市、サラーキブ市、ハッルーズ村、タイイバート村、マジュダリヤー村、ナフラ村、バルーマー村郊外で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, March 8, 2015、AP, March 8, 2015、ARA News, March 8, 2015、Champress, March 8, 2015、al-Hayat, March 9, 2015、Iraqi News, March 8, 2015、Kull-na Shuraka’, March 8, 2015、al-Mada Press, March 8, 2015、Naharnet, March 8, 2015、NNA, March 8, 2015、Reuters, March 8, 2015、SANA, March 8, 2015、UPI, March 8, 2015などをもとに作成。
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クッルナー・シュラカー(3月8日付)は、アレッポ県で活動する「自由シリア軍」が、ヌッブル市、ザフラー町で拉致した女性5人の解放の条件として、シリア政府にユースフ・ズーアを名のる司令官を72時間以内に釈放するよう求めている、と伝えた。
人質交換は、アレッポ市で活動するアブー・ハイサムを名のる活動家がビデオ声明のなかで要求しているという。

AFP, March 8, 2015、AP, March 8, 2015、ARA News, March 8, 2015、Champress, March 8, 2015、al-Hayat, March 9, 2015、Iraqi News, March 8, 2015、Kull-na Shuraka’, March 8, 2015、al-Mada Press, March 8, 2015、Naharnet, March 8, 2015、NNA, March 8, 2015、Reuters, March 8, 2015、SANA, March 8, 2015、UPI, March 8, 2015などをもとに作成。
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クッルナー・シュラカー(3月8日付)は、アレッポ県アターリブ市一帯での戦闘で大敗を喫し、事実上崩壊した「穏健な反体制派」ハズム戦線の司令官の一人スハイル・ハンムード氏に対してインタビューを行った。
ハンムード氏はインタビューのなかで、ヌスラ戦線と対立していたシリア革命戦線(ジャマール・マアルーフ氏)とハズム運動が共闘した、とヌスラ戦線が主張したことが、両者の対立の発端だったとしつつ、それ以前は、アレッポ県シャイフ・ナッジャール市一帯、アルド・マッラーフ地区一帯、イドリブ県ハーン・シャイフーン市、ハマー県ムーリク市などで共闘し、シリア軍に対抗していたことを明らかにした。
また、米国から供与されたTOW対戦車ミサイルに関しては、第46連隊基地(アターリブ市郊外)でヌスラ戦線に捕獲されたことを否定、「安全な場所にあり、ヌスラ戦線には入手できないだろう」と述べた。
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シリア・イスラーム評議会は、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員の家族の生命や財産への対応に関する質問に対して、公式声明を通じてファトワーを発し、ダーイシュのメンバーが犯した罪とは無縁だとし、財産没収を禁止するとともに、家族に危害を加えることを禁止した。
AFP, March 8, 2015、AP, March 8, 2015、ARA News, March 8, 2015、Champress, March 8, 2015、al-Hayat, March 9, 2015、Iraqi News, March 8, 2015、Kull-na Shuraka’, March 8, 2015、al-Mada Press, March 8, 2015、Naharnet, March 8, 2015、NNA, March 8, 2015、Reuters, March 8, 2015、SANA, March 8, 2015、UPI, March 8, 2015などをもとに作成。
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アサド大統領は、シリアを訪問中の北朝鮮の森香哲外務副大臣ら一行と会談し、二国関係のありようなどについて意見を交わした。
SANA(3月8日付)によると、森外務副大臣は会談で、シリアの主権と独立を護るため、シリア国民を全面支援し、「テロとの戦いにおけるシリア国民の正義の逃走」を支持する、と述べた。
これに対して、アサド大統領は、シリアと北朝鮮が「真の独立」を有する稀有な国だとしたうえで、「両国民のアイデンティティを変容させようとする共通の敵に対して共闘する」と強調した。
会談には、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣が同席した。

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SANA(3月8日付)は、ファフド・ジャースィム・フライジュ国防大臣(軍武装部隊副司令官)が3月8日のバアス革命記念に合わせて、総司令部士官らとともに、南部地区一帯を前線視察し、兵士らを激励した、と伝え、写真、映像を公開した。
AFP, March 8, 2015、AP, March 8, 2015、ARA News, March 8, 2015、Champress, March 8, 2015、al-Hayat, March 9, 2015、Iraqi News, March 8, 2015、Kull-na Shuraka’, March 8, 2015、al-Mada Press, March 8, 2015、Naharnet, March 8, 2015、NNA, March 8, 2015、Reuters, March 8, 2015、SANA, March 8, 2015、UPI, March 8, 2015などをもとに作成。
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クッルナー・シュラカー(3月8日付)は、ハサカ県アームーダー市の行政当局が、ハーフィズ・アサド前大統領の像が設置されていた場所に女神像を建設したと報じた。
ハーフィズ・アサド像は、2011年10月7日のシリア・クルド・ムスタクバル潮流のミシュアル・タンムー議長暗殺に抗議するデモで破壊されていた。

Kull-na Shuraka’, March 8, 2015をもとに作成。
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