米国の「人権のための医師団」は、シリア軍が4年で医師600人を殺害したと非難(2015年3月12日)

米ニューヨークに本部を構える人権のための医師団は声明を出し、シリア軍による病院、医療施設への「体系的な攻撃」により、2011年3月以降、600人以上の医師、医療関係者が死亡している、と発表した。

うち139人は拷問を受けて死亡したか、処刑されたという。

また、病院や診療所183カ所に対して、233回におよぶ「樽爆弾」での空爆が行われたという。

AFP, March 12, 2015、AP, March 12, 2015、ARA News, March 12, 2015、Champress, March 12, 2015、al-Hayat, March 13, 2015、Iraqi News, March 12, 2015、Kull-na Shuraka’, March 12, 2015、al-Mada Press, March 12, 2015、Naharnet, March 12, 2015、NNA, March 12, 2015、Reuters, March 12, 2015、SANA, March 12, 2015、UPI, March 12, 2015などをもとに作成。

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トルコ外相「英国人少女3人のシリア潜入を支援したのは有志連合に参加する某国の元諜報員」(2015年3月12日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、2月下旬に失踪し、ダーイシュ(イスラーム国)に加わるために、トルコ経由でシリアに潜入したとされる英国の3人の少女に関して、ハベル・チャンネル(3月12日付)に「少女たち(の潜入)を誰が支援していたか知っていますか? 有志連合に参加する某国の諜報機関で活動していた人物です」としたうえで、この人物が逮捕されたことを明らかにした。

チャヴシュオール外務大臣は、詳細については述べたなかったが、逮捕したのは米国での西欧諸国でもない、という。

AFP(3月12日付)などが伝えた。

AFP, March 12, 2015、AP, March 12, 2015、ARA News, March 12, 2015、Champress, March 12, 2015、al-Hayat, March 13, 2015、Iraqi News, March 12, 2015、Kull-na Shuraka’, March 12, 2015、al-Mada Press, March 12, 2015、Naharnet, March 12, 2015、NNA, March 12, 2015、Reuters, March 12, 2015、SANA, March 12, 2015、UPI, March 12, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍がヒムスで交戦(2015年3月12日)

ヒムス県では、マサール・プレス(3月12日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がフルクルス町近郊のシリア軍検問所で爆弾が仕掛けられた車を爆発させ、兵士15人を殺傷、同検問所を制圧した。

またシリア人権監視団によると、ラッムーフ村近郊で、シリア軍がダーイシュと交戦した。

一方、SANA(3月12日付)によると、ラッフーム村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団などによると、ラアス・アイン市南部郊外(アイダーニーヤ村、アクバーシュ村、マナージール村一帯)で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

マサール・プレス(3月12日付)によると、ダーイシュ側はラッカ県方面から増援部隊の車列を派遣したという。

人民防衛隊はまた、アサーイシュ、ハーブール護衛部隊、シリア正教軍事評議会民兵とともに、タッル・タムル町周辺一帯でダーイシュと交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がジュダイド・バッカーラ村、アシャーラ市で、ジハード主義武装集団などのメンバーとされる男性30人を逮捕、連行した。

またダイル・ザウル市ヤースィーン・シャイフ地区のダーイシュ拠点などに対するシリア軍の「樽爆弾」での空爆で、女性1人が死亡した。

AFP, March 12, 2015、AP, March 12, 2015、ARA News, March 12, 2015、Champress, March 12, 2015、al-Hayat, March 13, 2015、Iraqi News, March 12, 2015、Kull-na Shuraka’, March 12, 2015、al-Mada Press, March 12, 2015Masar Press Agency, March 12, 2015、Naharnet, March 12, 2015、NNA, March 12, 2015、Reuters, March 12, 2015、SANA, March 12, 2015、UPI, March 12, 2015などをもとに作成。

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ヌスラ戦線がダマスカス郊外県、ラタキア県北部から撤退(2015年3月12日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線がバイト・サフム市、バービッラー市一帯での「自由シリア軍」所属の使徒シャーム旅団との数日間にわたる交戦の末、「別のジハード主義武装集団」の仲介により、同地から撤退した。

一方、カラムーン地方無人地帯では、シリア軍の空爆で反体制武装集団の戦闘員3人が死亡した。

このほか、カナーキル村、タッル市では、治安機関の拘置所で男性5人が殺害された。

なお、『ハヤート』(3月13日付)によると、バイト・サフム市、バービッラー市はいずれも2014年春に、シリア政府と反体制武装集団の「国民和解」が成立し、反体制武装集団が撤退、シリア国旗が掲揚され、シリア警察が治安維持活動にあたり、人道支援物資が搬入されていた。

だが、ヌスラ戦線撤退は、ヌスラ戦線とシリア政府の双方に異議を唱える住民の抗議デモを受けて実現しており、両市において「国民和解」が今後も維持されるかは不透明だという。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊が、11日夜にドゥーリーン村に侵攻しようとしたシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦し、戦闘員20~45人を殺害した。

ロイター通信(3月12日付)によると、シリア軍は、兵士数名が軽傷を負っただけで、ヌスラ戦線らをドゥーリーン村から撃退したという。

一方、SANA(3月12日付)によると、サルマー町、ハーン・ジャウズ村、カフル・ディブラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマスアダ村、バルグースィーヤ村などを砲撃した。

一方、SANA(3月12日付)によると、マスアダ村、バグルースィーヤ村、ジバーブ・ハマド村、タドムリーヤ村、ウンム・タバービール村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県、ダルアー県、クナイトラ県の3県が接するいわゆる「死のトライアングル」地帯では、シリア人権監視団によると、クナイトラ県マスハラ村、ウンム・バーティナ村、ダルアー県ダルアー市各所、西ガーリヤ村、インヒル市近郊の第15旅団基地をシリア軍が砲撃、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(3月12日付)によると、ダルアー県ティースィヤー村、フラーク市西方、ズィムリーン村、クナイトラ県マスハラ村、クードナ村、タルジャナ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市旧市街、ハンダラート・キャンプ一帯、バーシュカウィー村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員らが、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(3月12日付)によると、アレッポ市旧市街のアブドゥルハミード・ザフラーウィー学校に潜入しようとした「武装テロ集団」をシリア軍が撃退した。

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SANA(3月12日付)は、ダマスカス県議会のムハンナー・ジャッバーラ議員がダマスカス県ティジャーラ地区の自宅で武装集団に撃たれて死亡した、と報じた。

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スワイダー県では、SANA(3月12日付)によると、アラー村近郊にあるパレスチナのラジオ局クドス・ラジオの事務所が武装集団の襲撃を受けた。

AFP, March 12, 2015、AP, March 12, 2015、ARA News, March 12, 2015、Champress, March 12, 2015、al-Hayat, March 13, 2015、Iraqi News, March 12, 2015、Kull-na Shuraka’, March 12, 2015、al-Mada Press, March 12, 2015、Naharnet, March 12, 2015、NNA, March 12, 2015、Reuters, March 12, 2015、SANA, March 12, 2015、UPI, March 12, 2015などをもとに作成。

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シリア国民連合がアラブ連盟に首脳会議への参加を要請(2015年3月12日)

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、シリア革命反体制勢力国民連立のハイサム・マーリフ法務委員長とカイロで会談した。

会談後の記者会見で、マーリフ法務委員長は、3月28、29日にシャルム・シャイフで開催予定のアラブ連盟首脳会議に向けた準備会合への連立の参加を求めたことを明らかにした。

『ハヤート』(3月13日付)が伝えた。

AFP, March 12, 2015、AP, March 12, 2015、ARA News, March 12, 2015、Champress, March 12, 2015、al-Hayat, March 13, 2015、Iraqi News, March 12, 2015、Kull-na Shuraka’, March 12, 2015、al-Mada Press, March 12, 2015、Naharnet, March 12, 2015、NNA, March 12, 2015、Reuters, March 12, 2015、SANA, March 12, 2015、UPI, March 12, 2015などをもとに作成。

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ハサカ県、アレッポ県でクルド人が「カーミシュリーの春」(2004年)犠牲者追悼デモ(2015年3月12日)

ARA News(3月12日付)によると、ハサカ県ハサカ市、カーミシュリー市、マーリキーヤ市(ダイリーク市)、マアバダ(カルキールキー)町、アレッポ県アフリーン市で「カーミシュリーの春」11周年を記念して追悼デモが企画され、住民らが、犠牲者をもたらした当時のシリア政府による弾圧を非難した。

ダイリーク市での追悼デモはシリア・クルド国民評議会(シリア革命反体制勢力国民連立)、民主社会運動(TEV-DAM)などが、ハサカ市、マアバダ町のデモはシリア・クルド国民評議会が呼びかけたという。

「カーミシュリーの春」(カーミシュリー事件)とは、2004年3月に発生したシリア現代史上初のクルド人による民衆暴動で、3月12日にハサカ県カーミシュリー市で予定されていた地元サッカー・チームとダイル・ザウル県所属のチームとの対戦直前に起きた,両チーム・サポーター(地元のクルド人とダイル・ザウル県から訪れたアラブ人)のスタジアム内での衝突に端を発していた。この衝突は、まもなく市全土に拡大、暴徒化した民衆に警察・武装治安部隊が無差別発砲を行うに至り、事態は争乱の様相を呈した。また事件発生を受け、ハサカ市、アレッポ市、アレッポ県アフリーン市、同アイン・アラブ市、ダマスカス県ドゥンマル区(ワーディー・マシャーリーウ)などで、クルド人が連日のようにゼネストやデモを組織し、カーミシュリー市での暴動の真相究明を要求するとともに、クルド人に対する差別の撤廃を訴えた。シリア政府はこれら一連の暴動に対して警察・治安部隊を動員し、同月半ばまでに弾圧したが、その間、30人以上が死亡、約130人が負傷し、約1,700人の市民が逮捕された(青山弘之「シリア:権威主義体制に対するクルド民族主義勢力の挑戦」間寧編『西・中央アジア諸国における亀裂構造と政治体制』研究双書555、日本貿易振興機構アジア経済研究所、159~209ページを参照)

ARA News, March 12, 2015
ARA News, March 12, 2015
ARA News, March 12, 2015
ARA News, March 12, 2015
ARA News, March 12, 2015
ARA News, March 12, 2015
ARA News, March 12, 2015
ARA News, March 12, 2015
ARA News, March 12, 2015
ARA News, March 12, 2015

 

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なお11日には、ハサカ県マーリキーヤ市でも、シリア・クルド・イェキーティー党、民主社会運動(TEV-DAM)など「シリアのクルド政治諸勢力」の主催のもとに追悼集会が開催され、参加者はろうそくを掲げて、犠牲者に哀悼の意を示した。

またカーミシュリー市でもシリア・ドイツ・クルド学生連合が追悼集会を企画し、市民数百人が参加した。

ARA News, March 12, 2015
ARA News, March 12, 2015
ARA News, March 11, 2015
ARA News, March 11, 2015

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一方、ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カーミシュリー市のサッカー競技場が「3月12日殉教者競技場」に改称し、再開された。

再開された競技場には、クルディスタン労働者党(PKK)の指導者のアブドゥッラ・オジャラン氏の写真、クルド人の民族旗、民主統一党の旗が多数掲揚された、という。

『ハヤート』(3月13日付)などが伝えた。

ARA News, March 13, 2015
ARA News, March 13, 2015

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シリア・クルド国民評議会(シリア革命反体制勢力国民連立)は声明を出し、西クルディスタン移行期民政局が3月13日に実施を予定している統一地方選挙の中止を求める自らの主張が受け入れられなかったとして、民主社会運動(TEV-DAM)、民主統一党などとともに推し進めてきた「シリア・ロージュアーヴァー(西)・クルディスタンにおけるクルド政治原則」にかかる活動を停止すると発表した。

AFP, March 12, 2015、AP, March 12, 2015、ARA News, March 12, 2015、Champress, March 12, 2015、al-Hayat, March 13, 2015、Iraqi News, March 12, 2015、Kull-na Shuraka’, March 12, 2015、al-Mada Press, March 12, 2015、Naharnet, March 12, 2015、NNA, March 12, 2015、Reuters, March 12, 2015、SANA, March 12, 2015、UPI, March 12, 2015などをもとに作成。

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