シリア人権ネットワークが、国連にシリア軍によるクラスター爆弾使用を禁止する決議採択を要求(2015年3月30日)

反体制組織のシリア人権ネットワークは、シリア軍が「クラスター爆弾」を使用していると指摘、国連に対してその廃棄を求める決議の採択を求めた。

同ネットワークによると、シリア軍は2012年7月にイドリブ県マアッルシューリーン村で初めて「クラスター爆弾」を戦闘機から投下、それ以降、200回以上におよぶ「クラスター爆弾」での攻撃で420人(そのほとんどが民間人)が死亡しているという。

AFP, March 30, 2015、AP, March 30, 2015、ARA News, March 30, 2015、Champress, March 30, 2015、al-Hayat, March 31, 2015、Iraqi News, March 30, 2015、Kull-na Shuraka’, March 30, 2015、al-Mada Press, March 30, 2015、Naharnet, March 30, 2015、NNA, March 30, 2015、Reuters, March 30, 2015、SANA, March 30, 2015、UPI, March 30, 2015などをもとに作成。

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東グータ地方の離反士官80人が軍事評議会を結成し、イスラーム軍との共闘を発表(2015年3月30日)

クッルナー・シュラカー(3月30日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動する離反士官約80人がイスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官とともにビデオ声明を出し、東グータ統一軍事司令部と会合を開き、新たな武装集団「軍事評議会」を結成することを決定したと発表した。

「軍事評議会」は東グータ統一軍事司令部とともに活動を行うという。

クッルナー・シュラカー(4月12日付)によると、司令官は離反士官のアンマール・ニムル空軍大佐が務めている。

AFP, March 30, 2015、AP, March 30, 2015、ARA News, March 30, 2015、Champress, March 30, 2015、al-Hayat, March 31, 2015、Iraqi News, March 30, 2015、Kull-na Shuraka’, March 30, 2015、April 12, 2015、al-Mada Press, March 30, 2015、Naharnet, March 30, 2015、NNA, March 30, 2015、Reuters, March 30, 2015、SANA, March 30, 2015、UPI, March 30, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ市などを爆撃(2015年3月30日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機が、ファトフ軍によって制圧されたイドリブ市各所を数回にわたって空爆した。

シリア軍はまたサルミーン市、ナイラブ村、ビンニシュ市、そしてシャーム自由人イスラーム運動によって包囲されているフーア市近郊とカファルヤー町近郊に対しても空爆を行った。

これに関して、クッルナー・シュラカー(3月30日付)は、シリア軍がビンニシュ市に「毒ガス」を装填した「樽爆弾」2発を投下したと伝えた。

「シリアのパレスチナ人のための行動グループ」によると、2週間前にトルコに避難する途中に逮捕され、イドリブ市内のイドリブ中央刑務所に収監されていたとされるパレスチナ人(ダマスカス郊外県ハーン・シャイフ・キャンプ出身者)多数が、同市の制圧を受けて釈放された。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(3月31日付)によると、フライタ村で武装集団がヒズブッラー戦闘員の乗った車を襲撃し、戦闘員5人を殺害した。

またシリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員は、ラアス・マアッラ町郊外無人地帯にあるムーサー丘でシャームの民のヌスラ戦線などと交戦、シリア軍が同地一帯を「樽爆弾」で攻撃した。

一方、SANA(3月30日付)によると、シリア軍がシャームの民のヌスラ戦線との交戦の末、ザバダーニー市西方の1715高地を完全制圧した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、カフルハムラ、バーシュカウィー村一帯、ハンダラート・キャンプ周辺、アレッポ市旧市街(アレッポ城、ウマイヤ・モスク、バーブ・ナスル一帯)、バニー・ザイド地区、ハーリディーヤ地区で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員らが、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、県北部のシリア軍検問所で、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、旧市街(ハミディーヤ市場とハリーカ地区の間)に迫撃砲弾1発が着弾し、男性1人が死亡した。

またジハード主義武装集団は、ジャウバル区各所のシリア軍拠点を砲撃した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、マスハラ村をシリア軍が砲撃した。

一方、SANA(3月30日付)によると、アフマル丘、マスハラ村、ビイル・アジャム村、ブライカで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラームの暁旅団、フルカーン旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、自由シリア軍南部戦線第1軍広報局のマーヒル・アリー氏によると、ジーザ町で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、民間人6人が死亡、40人以上が負傷した。

一方、SANA(3月30日付)によると、ブスラー・シャーム市、ジュライン村、ダーイル町、サムリーン村、タファス市、ジャダル村、インヒル市、ダルアー市マンシヤ地区、ヤルムーク学校、旧税関地区東部などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(3月30日付)によると、タッルドゥー市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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西クルディスタン移行期民政局アサーイシュ総司令官がシリア政府を批判(2015年3月30日)

西クルディスタン移行期民政局アサーイシュのジュワーン・イブラーヒーム総司令官はSNSでの活動家とのやりとりのなかで、「ハサカ県タッル・ブラーク町、タッル・ハミース市の住民よ、カーミシュリー市とハサカ市のバアス党政権は、タッル・ブラーク、タッル・ハミースが(ダーイシュ(イスラーム国)に)降伏するだろうという嘘を広めようとしている。皆がこうした卑劣なゲームに警戒しなければならない」と述べた。

ARA News(3月30日付)が伝えた。

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ダーイシュ(イスラーム国)が離反戦闘員7人を処刑(2015年3月30日)

ダーイシュ(イスラーム国)は、アレッポ県マンビジュ市東部郊外で、チュニジア人戦闘員ら7人が離反しようとしたとして、処刑した。

ARA News(3月30日付)が伝えた。

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ハサカ県では、ARA News(3月30日付)によると、イスラーム軍に所属するというハイズーム中退が、シャッダーディー市で郊外でダーイシュ(イスラーム国)宗教警察(ヒスバ)司令官のアブー・バッラー・リービー氏を殺害した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シャーイル・ガス採掘所一帯で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

一方、SANA(3月30日付)によると、ウンク・ハワー村、ラッフーム村などで、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル航空基地近くのサルダ山一帯でシリア軍、親政権民兵がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュ戦闘員23人(ほとんどが外国人)を殲滅した。

一方、クッルナー・シュラカー(3月30日付)は、ダイル・ザウル市ジャウラ地区では、シリア軍と同地区の部族からなる「シャッビーハ」が、シリア赤新月社が搬入した物資の配分をめぐって対立、武力衝突したと伝えた。

ARA News(3月31日付)によると、この衝突で民間人3人が巻き添えとなって死亡した。

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ダーイシュ(イスラーム国)がアル=カーイダ系武装集団によって制圧されたイドリブ市を制圧する意思を表明(2015年3月30日)

Raqqa-sl(3月30日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)宗教警察(ヒスバ)がラッカ市での金曜礼拝(27日)後に、「第17師団、タブカ航空基地での勝利は近くイドリブ市にも至るだろう」と述べ、ファトフ軍が29日に制圧したイドリブ市を掌握する意思を表明したと伝えた。

一方、ファトフ軍の戦闘員の一人は、オリエント・チャンネル(3月30日付)の取材のなかで「イドリブ市の解放を、すべてのアラブ諸国、世界のすべての国、イエメンの我らがイスラーム教徒の兄弟、そしてイスラーム国(ダーイシュ)の我らが兄弟に捧げる…。みながこの勝利を経て一つになり、ちりぢりにならないことを願う…。この勝利をシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、そして自由シリア軍における我らが兄弟に捧げる」と述べた。

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イドリブ市制圧に関する続報:アル=カーイダ系武装集団7,000人がトルコ経由で300万米ドル相当の「大量の最新兵器、装備」を入手し同市を制圧(2015年3月30日)

『ハヤート』(3月30日付)は、複数の消息筋の話として、29日にイドリブ市を完全制圧した「ファトフ軍」が約7,000人の戦闘員を擁していたと伝えた。

同紙によると、戦闘員の内訳は以下の通り:

シャームの民のヌスラ戦線1,000人
シャームの鷹旅団(アフマド・イーサー・シャイフ氏が指導)1,000人
シャーム自由人イスラーム運動(ハーシム・シャイフ氏が指導)900人
そのほかの武装集団300人

また『ハヤート』は同消息筋からの情報として、イドリブ市制圧は、数ヶ月前にトルコから300万米ドル相当の「大量の最新兵器、装備」が、シャーム自由人イスラーム運動などに届けられたことで可能になったと指摘した。

これに対して、イドリブ市の防衛にあたっていたシリア軍は3,000人、国防隊は1,500人に過ぎなかったという。

戦闘では、双方合わせて170人の兵士、戦闘員が死亡した。

なお、人口40万人のイドリブ市からは、大量の避難民が市外に脱出している一方、トルコやイドリブ県各地に避難していた住民がイドリブ市への帰路についているという。

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『ハヤート』はまた、イドリブ市を制圧した武装集団が、ラッカ市での「失敗」を教訓とするかたちで、文民と武装集団による合同の統治評議会の設置を模索していると伝えた。

これに関して、シャーム自由人イスラーム運動広報局長のアブー・ヤズィードを名乗る人物は、「イドリブ市の行政は軍の管理のもとに置かれる」と述べた。

一方、サウジアラビア人説教師でジハード布教者センター代表のアブドゥッラー・ムハイスィニー氏(ヌスラ戦線)はツイッターで、「戦闘に参加した武装集団が、作戦の開始時刻、計画などのすべてを合意し憲章に記していた」としたうえで、「(イドリブ市)解放後の協議も開始され、シャリーア委員会の人選もなされた。また捕獲品、拠点の分配、さらにはすべての武装集団からなるイドリブ行政評議会の設置のしくみについても合意がなされた」とつぶやいた。

ムハイスィニー氏によると、この合意は、ファトフ軍に参加した戦闘員250人に1人の割合でイドリブ行政評議会に議席を与えられ、この配分に従いヌスラ戦線は4議席、シャーム自由人イスラーム運動(完全合併したシャームの鷹旅団を含む)が9議席を確保するのだという。

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イドリブ県では、シャーム軍団広報局によると、イドリブ市で、軍事情報局の拘置所に拘留されていたとされる男性15人の遺体が発見された。

同広報局によると、「軍事情報局がイドリブ市から放逐される前に彼らを処刑した」のだという。

またツイッターなどでも、イドリブ中央刑務所の懲罰房でも遺体9体が発見されたとの書き込みがあり、その画像が公開された。

一方、シャーム自由人イスラーム運動に所属するアッバース旅団は声明を出し、イドリブ市の政治治安部の拘置所で拘束されていた若者らを解放したと発表、約10名の氏名を発表した。

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SANA(3月29日付)は、「ファトフ軍」によって奪われたイドリブ市に関して、シリア軍がイドリブ市から撤退し、トルコから侵入する武装集団に対峙するための再配備を行ったと伝えた。

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シャーム自由人イスラーム運動のハーシム・シャイフ総司令官は、イドリブ市制圧に合わせて声明を出し、イドリブ市内の民間人に対してシリア軍が砲撃を加えれば、フーア市、カファルヤー町に対して報復攻撃を行うと脅迫した。

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クッルナー・シュラカー(3月29日付)によると、シャーム自由人イスラーム運動は、イドリブ市でのシリア軍との戦闘で死亡した司令官4人(アブー・バッラー・ミスリー氏ら)の葬儀を執り行った。

AFP, March 29, 2015、AP, March 29, 2015、ARA News, March 29, 2015、Champress, March 29, 2015、al-Hayat, March 30, 2015、Iraqi News, March 29, 2015、Kull-na Shuraka’, March 29, 2015、al-Mada Press, March 29, 2015、Naharnet, March 29, 2015、NNA, March 29, 2015、Reuters, March 29, 2015、SANA, March 29, 2015、UPI, March 29, 2015などをもとに作成。

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