ヌスラ戦線はアル=カーイダとの絶縁報道を否定(2015年3月9日)

シャームの民のヌスラ戦線はツイッターを通じて声明を出し、アル=カーイダとの絶縁を模索しているとの報道を否定した。

ヌスラ戦線はこの声明で「ヌスラ戦線は今も昔もシャームの地におけるムジャーヒディーンの闘いの戦闘に立っている」としたうえで、「カタール諜報機関などとのいかなる会合も行われておならず、またカタールなど湾岸諸国からの資金援助についても検討されていない。こうした情報のすべては、ヌスラ戦線が当初から依拠してきた原則に反している」と主張した。

AFP(3月10日付)などが伝えた。

AFP, March 10, 2015、AP, March 10, 2015、ARA News, March 10, 2015、Champress, March 10, 2015、al-Hayat, March 11, 2015、Iraqi News, March 10, 2015、Kull-na Shuraka’, March 10, 2015、al-Mada Press, March 10, 2015、Naharnet, March 10, 2015、NNA, March 10, 2015、Reuters, March 10, 2015、SANA, March 10, 2015、UPI, March 10, 2015などをもとに作成。

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有志連合がトルコ国境のダーイシュ(イスラーム国)拠点タッル・アブヤド市(ラッカ県)を爆撃(2015年3月9日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、米国など有志連合2機がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるトルコ国境のタッル・アブヤド市の石油精製施設を空爆、同施設で働いていたダーイシュ・メンバー約30人が死亡した。

なお『ハヤート』(3月10日付)は、ダーイシュ戦闘員の相次ぐ脱走とトルコへの逃走に対処するかたちで、トルコ当局が8日にはイドリブ県バーブ・ハワー国境通行所に通じるジルヴェギョズ国境通行所(ハタイ県)を、9日にはアレッポ県バーブ・サラーマ国境通行所に通じるオンジュプナル国境通行所(キリス県)を閉鎖した、と報じた。

また有志連合は8日にはトルコ国境に位置するアティマ村中心部を空爆し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員9人を殺害している。

ARA News, March 9, 2015
ARA News, March 9, 2015

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アレッポ県では、ARA News(3月9日付)によると、バーブ市郊外のカフル・カルビーン村で、ダーイシュは、クルド人青年8人を処刑した。

村の住民らによると、バーブ市郊外でのダーイシュ戦闘員の脱走などを受け、ダーイシュは厳戒態勢を強めており、クルド人青年の処刑もその一環だという。

またARA News(3月9日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、ダーイシュ(イスラーム国)によって掌握されていたアレッポ市・ハサカ市街道沿いの要衝でハムドゥーン村近郊のイザーア高地を制圧した。

一方、『ハヤート』(3月10日付)によると、タッル・タムル町一帯での西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)で、人民防衛隊(女性防衛部隊)に参加していたドイツ人女性、イヴァナ・ホフマン氏が戦死した。

ホフマン氏は2~3ヶ月前に人民防衛隊に入隊していた、という。

他方、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるマスカナ市近郊のムスリマ村を空爆、子供2人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(3月9日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市内のダーイシュ(イスラーム国)支配地区のシャイフ・ヤースィーン地区、タカーヤー通り、ハウィーカ地区、ナフル通りなどに対して「樽爆弾」で空爆を行った。

これに対して、ダーイシュは、ジャウラ地区のシリア軍拠点、ジャウラ橋検問所などを砲撃した。

一方、クッルナー・シュラカー(3月9日付)によると、ダーイシュは、ナムリーヤ村の一部住民に対して、沙漠で薪を無許可で集めたとして2万5,000シリア・ポンドの罰金を科した。

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ARA News(3月10日付)によると、ダーイシュはラッカ市からアレッポ県ジャラーブルス市に増援部隊を派遣した。

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有志連合合同司令部は、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して14回の空爆を行ったと発表した。

うちシリア領内の空爆はアイン・アラブ市一帯など5回に及んだ。

ARA News(3月9日付)が伝えた。

AFP, March 9, 2015、AP, March 9, 2015、ARA News, March 9, 2015、March 10, 2015、Champress, March 9, 2015、al-Hayat, March 10, 2015、Iraqi News, March 9, 2015、Kull-na Shuraka’, March 9, 2015、al-Mada Press, March 9, 2015、Naharnet, March 9, 2015、NNA, March 9, 2015、Reuters, March 9, 2015、SANA, March 9, 2015、UPI, March 9, 2015などをもとに作成。

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バーブ市近郊でダーイシュ(イスラーム国)のムハージリーン(外国人戦闘員)が離反、脱走(2015年3月9日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バーブ市近郊でダーイシュ(イスラーム国)内の二つのグループが衝突し、戦闘員5人が死亡した。

事件は、死亡した1人を含む10人が、ダーイシュを離反し、トルコを経由して自国に戻ろうとして、逮捕、拘束されたことに端を発していたという。

10人は、看守を務めていたサウジ人シャリーア学者に、脱走を幇助するよう説得したが、ほかの看守に見つかり交戦、看守ら4人を殺害し、脱走、その際を脱走兵1人が死亡したという。

脱走兵10人のうち9人は欧米人、1人はチュニジア人、また死亡した看守4人と脱走兵1人はいずれも欧米人だったという。

なお『ハヤート』(3月10日付)は、ダーイシュ戦闘員の相次ぐ脱走とトルコへの逃走に対処するかたちで、トルコ当局が8日にはイドリブ県バーブ・ハワー国境通行所に通じるジルヴェギョズ国境通行所(ハタイ県)を、9日にはアレッポ県バーブ・サラーマ国境通行所に通じるオンジュプナル国境通行所(キリス県)を閉鎖した、と報じた。

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ARA News(3月9日付)は、地元住民らの話として、ラッカ県タッル・アブヤド市内でダーイシュのメンバー間の対立が激化していると伝えた。

住民らによると、対立は、ダーイシュの外国人戦闘員がラッカ市やダイル・ザウル県に優先的に後退(避難)したことに端を発しているという。

またタッル・アブヤド市内北部のアルメニア教会一帯では、ダーイシュの司令官とシリア人戦闘員(部族)が交戦し、外国人のアミールが負傷し、ラッカ市内に搬送されたという。

シリア人戦闘員も4人が負傷、10人が逮捕され、逮捕者はその後、処刑され、トゥルクマーン村に遺棄されたという。

AFP, March 9, 2015、AP, March 9, 2015、ARA News, March 9, 2015、Champress, March 9, 2015、al-Hayat, March 10, 2015、Iraqi News, March 9, 2015、Kull-na Shuraka’, March 9, 2015、al-Mada Press, March 9, 2015、Naharnet, March 9, 2015、NNA, March 9, 2015、Reuters, March 9, 2015、SANA, March 9, 2015、UPI, March 9, 2015などをもとに作成。

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ヌスラ戦線らがハンダラート・キャンプ(アレッポ県)を奪還(2015年3月9日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団が、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、イラン人・アフガン人戦闘員との戦闘の末、ハンダラート・キャンプの大部分を制圧した。

同監視団によると、戦闘はハンダラート・キャンプ一帯、ハンダラート高地、バーシュカウィー村一帯で続いている。

これに対して、シリア軍はアレッポ市カースティールー街道地区、マサーキン・ハナーヌー地区、シャイフ・ナッジャール市にいたる街道、ハンダラート・キャンプ一帯を「樽爆弾」で空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市、ラスタン市一帯をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆、女性1人、子供2人を含む8人が死亡した。

またシリア人権監視団によると、カルヤタイン市でバアス党ヒムス支部指導部メンバーが何者かに暗殺された。

一方、SANA(3月9日付)によると、ウンム・タバービール村西方のエブラ・ガス・パイプラインを破壊しようとした反体制武装集団をシリア軍が撃退した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦、シリア軍が同地区を砲撃した。

一方、SANA(3月9日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アルバイン市一帯をシリア軍が空爆し、子供2人を含む13人が死亡、50人以上が負傷した。

一方、ARA News(3月9日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線が、使徒シャーム旅団(自由シリア軍)が支配下に置くブーキヤ町のモスクのムアッズィンを殺害した。

また、SANA(3月9日付)によると、アイン・タルマー村東部、アーリヤ農場、ザマルカー町、マルジュ・スルターン村、ラアス・マアッラ郊外無人地帯、ハサヌー村一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム旅団の外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がトルコ国境に近いサルマー町一帯を空爆、ジハード主義武装集団と交戦した。

一方、クッルナー・シュラカー(3月9日付)によると、シャーム自由人イスラーム運動がスランファ市一帯を砲撃したと発表した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフルズィーター市、ムーリク市郊外を「樽爆弾」で空爆、ラターミナ町、ズラーキーヤート村一帯で、国防隊とともにシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

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ダルアー県の複数の地元消息筋は、シリアでの塩素ガス、化学兵器の使用を禁止する安保理決議第2209号が採択(3月6日)されたのを受けるかたちで、クッルナー・シュラカー(3月9日付)に対して、シリア軍ヘリコプターが塩素ガスを装填した「樽爆弾」を使用し、ムザイリーブ町を空爆、8人が中毒症状を訴えたと主張し、インターネット上に被害状況を撮影したという映像(https://www.youtube.com/watch?v=PbRC_-d7bXw)をアップした。

一方、SANA(3月9日付)によると、アンタル丘、マール丘、マール村、インヒル市、フィキーア村、ティーハ村、イブタア町、アトマーン村一帯、ブスラー・シャーム市、ジャービヤ丘、ハーッラ丘、タッル・アラーキーヤ、ムザイリーブ町、ティースィヤー村、マアルバ町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の外国人らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(3月9日付)によると、マスハラ村、ウンム・バーディナ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(3月9日付)によると、サアド村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(3月9日付)によると、イドリブ市・ハーリム市街道、ビンニシュ市北部、アブー・ズフール町、タッル・サラムー村、ウンム・ジャリーン村、ナフラ村、ハッルーズ村、タイイバート村、ジュッブ・アフマル村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、外国人の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、クッルナー・シュラカー(3月10日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線と「自由シリア軍」所属の武装集団が、ミシュヤーフ村の国防隊拠点を襲撃し、5人を拉致した。

AFP, March 9, 2015、AP, March 9, 2015、ARA News, March 9, 2015、Champress, March 9, 2015、al-Hayat, March 10, 2015、March 11, 2015、Iraqi News, March 9, 2015、Kull-na Shuraka’, March 9, 2015、March 10, 2015、al-Mada Press, March 9, 2015、Naharnet, March 9, 2015、NNA, March 9, 2015、Reuters, March 9, 2015、SANA, March 9, 2015、UPI, March 9, 2015などをもとに作成。

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シリア人ビジネスマンはダーイシュ(イスラーム国)とシリア政府の石油密売の仲介を否定(2015年3月9日)

シリア人ビジネスマンのジョルジュ・ハスワーニー氏は、ロイター通信(3月9日付)に対してダーイシュ(イスラーム国)とシリア政府の石油密輸取引を仲介しているとの欧州連合理事会の嫌疑を否定した。

ロイター通信の電話取材に応じたハスナーウィー氏は、EUは嫌疑を裏付ける証拠を持っていないと批判する一方、「彼らは石油をダーイシュのためにトルコに密輸している」と主張した。

欧州連合理事会は3月6日付で、シリアに対する追加制裁を発表、ハスナーウィー氏ら7人、6機関を資産凍結、渡航禁止などの対象とすることを決定した。

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ハサカ県では、ARA News(3月9日付)が、複数の地元筋の話として、カーミシュリー市で、シリア軍が「バアス大隊」の名で新たな民兵を発足させたと伝えた。

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SANA(3月9日付)は、アリー・アブドゥッラー・アイユーブ参謀副長らが、アサド大統領(軍武装部隊総司令官)の指示のもと、総司令部士官とともにサルマー町一帯の前線を視察し、兵士を激励した、と報じ、その写真、映像を公開した。

AFP, March 9, 2015、AP, March 9, 2015、ARA News, March 9, 2015、Champress, March 9, 2015、al-Hayat, March 10, 2015、Iraqi News, March 9, 2015、Kull-na Shuraka’, March 9, 2015、al-Mada Press, March 9, 2015、Naharnet, March 9, 2015、NNA, March 9, 2015、Reuters, March 9, 2015、SANA, March 9, 2015、UPI, March 9, 2015などをもとに作成。

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